JPH09123391A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JPH09123391A
JPH09123391A JP30385295A JP30385295A JPH09123391A JP H09123391 A JPH09123391 A JP H09123391A JP 30385295 A JP30385295 A JP 30385295A JP 30385295 A JP30385295 A JP 30385295A JP H09123391 A JPH09123391 A JP H09123391A
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JP
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plate
ink
blanket
printing plate
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Application number
JP30385295A
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English (en)
Inventor
Eiji Okuda
英治 奥田
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP30385295A priority Critical patent/JPH09123391A/ja
Publication of JPH09123391A publication Critical patent/JPH09123391A/ja
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置を大型化することなく短時間で印刷を行
うことができる印刷装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 印刷装置は、印刷版を装着して水平方向
に往復移動する版定盤1と、その外周に2枚の印刷用紙
を装着可能な紙胴2と、その外周にブランケットを装着
し第1の位置Fと第2の位置Gとの間を移動可能なブラ
ンケット胴3と、版定盤1上の印刷版にインキを供給す
るためのインキ供給装置4と、版定盤1上の印刷版に湿
し水を供給するための湿し水供給装置5と、ブランケッ
ト胴3に装着されたブランケットを洗浄するためのブラ
ンケット洗浄装置6と、インキ供給装置4のインキ供給
ローラを洗浄するためのインキ洗浄装置7と、版定盤1
に印刷版を供給するための印刷版供給装置8と、版定盤
1より印刷版を排出するための印刷版排出装置9とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、印刷版のインキ
像をブランケットを介して印刷用紙に転写する印刷装置
に関し、特に、検版印刷に好適な印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷版を印刷機に装着して多量の印刷物
を作成する前行程として、各色の印刷版が正確に製版さ
れているか否かを検査するため、印刷版の検版を行う検
版印刷が行われている。この検版印刷は、検版を行うべ
き印刷版を用いて1枚乃至数枚程度の印刷を行い、その
印刷物を検査することにより、印刷版が正確に製版され
ているか否かを判断する工程である。
【0003】検版印刷を行う印刷装置としては、従来よ
り校正機と呼称される印刷装置が使用されている。この
校正機としては、一工程で1色のみの印刷を行う単色校
正機や一工程で4色の印刷を行う4色校正機が知られて
いる。
【0004】図13は、このような校正機のうち、一工
程で4色の印刷を行う4色校正機を示す側面概要図であ
る。
【0005】この4色校正機は、図13に示すように、
第1色乃至第4色の印刷版を装着する4個の版定盤1
a、1b、1c、1dと印刷用紙を装着する紙定盤2と
を等ピッチで列設したフレーム3の上面を、架台4が往
復走行するように構成されている。この架台4は、第1
色乃至第4色の印刷版にそれぞれ対応して等ピッチで配
設された4個のブランケット胴5a、5b、5c、5d
および4組のインキ供給ローラ6a、6b、6c、6d
と、各印刷版に湿し水を供給するための湿し水ローラ7
とを備え、架台4の往復走行に伴い、ブランケット胴5
a、5b、5c、5dとインキ供給ローラ6a、6b、
6c、6dと湿し水ローラ7とが同期して回転しながら
往復移動するよう構成されている。さらに、フレーム3
の左端には、湿し水ローラ7に湿し水を供給するための
ダンピング装置8が配設され、一方、フレーム3の右方
には、各インキ供給ローラ6a、6b、6c、6dにイ
ンキを供給するためのインキ供給装置9a、9b、9
c、9dが配設されている。
【0006】この4色校正機において印刷を行う際に
は、各版定盤1a、1b、1c、1dに印刷版を装着す
るとともに紙定盤2に印刷用紙を装着する。また、各イ
ンキ供給装置9a、9b、9c、9dから各インキ供給
ローラ6a、6b、6c、6dにインキを供給した後、
各インキ供給ローラ6a、6b、6c、6dを回転させ
てインキ練りを行う。そして、架台4を往復走行させ、
湿し水ローラ7を各版定盤1a、1b、1c、1dに装
着された印刷版に当接させるとともに、各インキ供給ロ
ーラ6a、6b、6c、6dを対応する印刷版に当接さ
せる。次に、各ブランケット胴5a、5b、5c、5d
を対応する印刷版に当接させた後、このブランケット胴
5a、5b、5c、5dを順次紙定盤2に装着された印
刷用紙に当接させることにより4色の印刷を行う。複数
枚の印刷用紙に印刷を行う場合には、紙定盤2に装着さ
れた印刷用紙を交換した後、上記の動作を繰り返す。
【0007】また、一工程で1色のみの印刷を行う単色
校正機は、上記4色校正機において各々4色分設けられ
ている版定盤とブランケット胴とインキ供給ローラとイ
ンキ供給装置とを各々1色分のみ有する点以外は、上記
4色校正機と同様の構成を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】4色校正機は、ある程
度の少部数の印刷を行うには有効な印刷装置ではある
が、4個の版定盤1a、1b、1c、1dと紙定盤2と
を列設したフレーム3の上面において、4個のブランケ
ット胴5a、5b、5c、5dと4組のインキ供給ロー
ラ6a、6b、6c、6dと湿し水ローラ7とを配設し
た架台4を往復走行させる構成であるため、装置が大型
化しその設置場所に制約を受けるという問題点がある。
【0009】また、単色校正機は、装置を小型化するこ
とは可能とはなるが、4色の印刷を行うためには、版を
交換する毎にインキを交換しなければならない。このと
き、インキの交換を行うためには、インキ供給ローラを
洗浄した後、インキ供給ローラに新たなインキを供給し
てインキ練りを行い、さらに版定盤上の印刷版にインキ
を供給する工程等の各種の準備工程が必要となる。これ
らの準備工程は、1色目の印刷が完了するまで開始する
ことは不可能であることから、4色の印刷を行うために
はきわめて長い時間を要するという問題点がある。
【0010】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたもので、装置を大型化することなく短時間で印刷を
行うことができる印刷装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、印刷版のインキ像をブランケットを介して印刷用紙
に転写する印刷装置において、その表面に前記印刷版を
装着して水平方向に移動する版定盤と、前記版定盤に装
着された印刷版に湿し水を供給する湿し水供給手段と、
前記版定盤に装着された印刷版にインキを供給するイン
キ供給手段と、その外周面に前記印刷用紙を装着する紙
胴と、その外周面に前記ブランケットを装着するととも
に、前記ブランケットが前記版定盤に装着された印刷版
と当接可能な第1の位置と前記ブランケットが前記紙胴
に装着された印刷用紙に当接可能な第2の位置との間を
選択的に移動するブランケット胴と、前記ブランケット
と前記印刷版とが当接した状態において、前記ブランケ
ット胴の回転速度と前記版定盤の移動速度とを同期させ
る第1の同期手段と、前記ブランケットと前記印刷用紙
とが当接した状態において、前記ブランケット胴の回転
速度と前記紙胴の回転速度とを同期させる第2の同期手
段と、を備えている。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記紙胴がブランケット胴の直径の2
倍以上の直径を有し、その外周面に複数枚の印刷用紙を
装着するための印刷用紙の装着手段を備えている。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2いずれかに記載の発明において、前記ブランケットが
前記印刷版と前記印刷用紙のいずれにも当接しない状態
において、前記ブランケット胴を単独で回転させるブラ
ンケット胴回転手段を備えている。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
いずれかに記載の発明において、前記インキ供給手段
が、その軸芯が水平方向を向く複数のローラより構成さ
れ、それぞれ異なる色のインキを前記印刷版に供給する
ための4群のインキ供給ローラ群と、前記各インキ供給
ローラ群を、水平方向を向く回転軸を中心とした円周上
の等間隔離隔した位置において支持する支持手段と、前
記支持手段を前記回転軸を中心として回転させる回転駆
動手段と、を備えている。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4
いずれかに記載の発明において、前記版定盤に前記印刷
版を供給する印刷版供給手段と、前記版定盤から前記印
刷版を排出する印刷版排出手段と、をさらに備えてい
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る印刷装置
の右側面図であり、図2はその左側面図である。なお、
これらの図においては、説明の都合上、側板等の一部を
取り外した状態を図示している。
【0017】この印刷装置は、印刷版を装着して図1に
おける左右方向に往復移動する版定盤1と、その外周に
2枚の印刷用紙を装着可能な紙胴2と、その外周にブラ
ンケットを装着するブランケット胴3と、版定盤1上の
印刷版にインキを供給するためのインキ供給装置4と、
版定盤1上の印刷版に湿し水を供給するための湿し水供
給装置5と、ブランケット胴3に装着されたブランケッ
トを洗浄するためのブランケット洗浄装置6と、インキ
供給装置4のインキ供給ローラを洗浄するためのインキ
洗浄装置7と、版定盤1に印刷版を供給するための印刷
版供給装置8と、版定盤1より印刷版を排出するための
印刷版排出装置9とを備える。
【0018】まず、版定盤1およびその移動機構の構成
について説明する。図3は、版定盤1およびその移動機
構の概要を示す平面図である。
【0019】この版定盤1は、図1および図3において
二点鎖線で示す印刷版の供給位置Aと、同図において実
線で示す印刷版の排出位置Bとの間を水平方向に往復移
動することにより、後述する印刷版の給排動作や印刷動
作を行うためのものである。
【0020】版定盤1の一端には、図3に示すように、
そこに載置する印刷版を位置決めするための位置決めピ
ン11と、位置決めされた印刷版を固定するための版く
わえ12とが各々複数個配設されている。位置決めピン
11は、印刷版の供給位置Aにおいて、図示しないエア
シリンダの駆動により昇降可能に構成されている。ま
た、版くわえ12は、印刷版の供給位置Aにおいてはエ
アシリンダ13と係合して開閉動作を行い、また、印刷
版の排出位置Bにおいてはエアシリンダ14と係合して
開閉動作を行うように構成されている。さらに、版定盤
1の側方には、後述するブランケット胴3の端部に配設
されたギヤ15と噛合するラック16が配設されてい
る。
【0021】この版定盤1は、その下方両端を一対のリ
ニアガイド17により摺動可能に支持されている。ま
た、一方のリニアガイド17の側方には、図示しないモ
ータにより回転するプーリ18に連結したボールネジ1
9が配設されており、版定盤1は、ナット20を介して
このボールネジ19と連結している。このため、版定盤
1は、ボールネジ19の回転に伴い、図1および図3に
おいて二点鎖線で示す印刷版の供給位置Aから同図にお
いて実線で示す印刷版の排出位置Bに至る水平移動経路
に沿って、水平方向に往復移動する。
【0022】なお、印刷版の供給位置Aにおける版定盤
1の側方には、上述した位置決めピン11の昇降駆動用
エアシリンダに空気を供給するためのコネクタ21が配
設されている。このコネクタ21は、エアシリンダ22
の駆動によって図3に示す位置から版定盤1の側面に当
接する位置まで移動することにより、版定盤1に設けら
れたコネクタと連結し、位置決めピン11の昇降駆動用
エアシリンダに駆動用の圧縮空気を供給する。
【0023】次に、印刷版供給装置8の構成について説
明する。
【0024】印刷版供給装置8は、版定盤1上に印刷版
を供給するためのものであり、その一端に位置決めピン
31を立設した載置テーブル32を有する。この載置テ
ーブル32は、ガイド部材33の案内により、図1にお
いて二点鎖線で示す待機位置から、装置本体の左側方位
置まで引き出され、この位置において軸34を中心に回
動することにより、図1において実線で示す印刷版の載
置位置まで移動可能な構成となっている。また、この載
置テーブル32は、その下方に配設した係合片35と連
結されており、載置テーブル32が図1において二点鎖
線で示す待機位置に移動した際に、この係合片35がエ
アシリンダ36のロッド部と係合することにより、エア
シリンダ36の駆動を受け昇降するよう構成されてい
る。
【0025】また、待機位置における載置テーブル32
の上方には、図1における紙面垂直方向にそれぞれ複数
個列設された第1、第2の吸着盤37、38が配設され
ている。第1の吸着盤37は印刷版の先端を吸着保持す
るためのもので、エアシリンダ39の駆動により昇降す
る。また、第2の吸着盤38は、印刷版の後端を吸着保
持するためのもので、エアシリンダ40の駆動により昇
降するとともに、レール41により案内され図1におけ
る左右方向に移動する。なお、第2の吸着盤38を図1
における左右方向に移動可能な構成としているのは、種
々の印刷版のサイズに対応するためである。また、第2
の吸着盤38の側方には、印刷版に予め設けられた刷色
を示すマークを読み取るためのマークリーダ23が付設
されている。
【0026】この印刷版供給装置8により版定盤1上に
印刷版を供給する場合には、オペレータが載置テーブル
32を待機位置より引き出し、印刷版の載置位置まで傾
斜回動させる。そして、載置テーブル32上に複数の印
刷版を位置決めピン31により位置決めして載置した
後、載置テーブル32を待機位置まで復帰させる。この
とき、版定盤1は、印刷版の排出位置Bに移動させてお
く。
【0027】この状態において、載置テーブル32をエ
アシリンダ36により上昇駆動することにより、載置テ
ーブル32を版定盤1の水平移動経路の下方に位置する
待機位置から、一対のリニアガイド17の間を通過さ
せ、版定盤1の水平移動経路の上方に位置する印刷版の
供給位置まで上昇させる。そして、載置テーブル32上
の印刷版の両端を第1、第2の吸着盤37、38により
吸着保持した後、載置テーブル32を待機位置まで下降
させる。続いて、版定盤1を印刷版の供給位置Aまで移
動させた後、第1、第2の吸着盤37、38を下降さ
せ、そこに保持した印刷版を版定盤1上に載置する。こ
のとき、版定盤1における位置決めピン11は、版定盤
1と連結するコネクタ21から圧縮空気の供給を受けた
昇降駆動用エアシリンダの駆動により上昇しており、版
定盤1上に載置される印刷版は、この位置決めピン11
により位置決めされる。
【0028】次に、ブランケット胴3の構成について説
明する。
【0029】このブランケット胴3は、円筒形状の本体
外周面にゴム等の軟質材料よりなるブランケットを装着
したものであり、その一端には、図3に示すように、前
述した版定盤1のラック16と噛合するギヤ15が配設
されている。また、図2に示すように、ブランケット胴
3は偏芯機構50と連結されている。
【0030】この偏芯機構50は、図2に示すように、
ブランケット胴3の軸芯から偏芯した位置に中心軸を有
するウォームホイール51と、モータ52により回転す
るウォーム軸53とを備える。そして、ブランケット胴
3は、ウォームホイール51に回転可能に支持されてい
る。このため、ブランケット胴3は、ウォームホイール
51の回転により、図1において一点鎖線で示す第1の
位置Fと実線で示す第2の位置Gとの間を移動可能に構
成されている。
【0031】第1の位置Fは、ブランケット胴3の外周
面に装着されたブランケットが版定盤1の表面に装着さ
れた印刷版と当接してインキ像の転写を行う位置であ
る。第1の位置Fにおいては、ブランケット胴3の一端
に配設されたギヤ15がブランケット胴3の下方に移動
した版定盤1のラック16と噛合する。そして、版定盤
1の水平移動に伴い、ブランケット胴3がラック16お
よびギヤ15を介して駆動を受け、版定盤1の移動速度
と同期して回転する。
【0032】また、第2の位置Gは、ブランケット胴3
の外周面に装着されたブランケットが紙胴2の表面に装
着された印刷用紙と当接して印刷を行う位置である。第
2の位置Gにおいては、ブランケット胴3の一端に配設
されたギヤ15が紙胴2の一端に配設されたギヤ24と
噛合する。そして、紙胴2の回転に伴い、ブランケット
胴3がギヤ24および15を介して駆動を受け、紙胴2
と同期して回転する。
【0033】なお、ブランケット胴3が第1の位置Fに
位置した状態であっても、版定盤1が例えば印刷版の供
給位置Aや印刷版の排出位置Bにある状態においては、
ブランケット胴3のギヤ15は版定盤1のラック16と
は噛合していないため、ブランケット胴3は自由に回転
し、再度ギヤ15とラック16とを係合させる際にそれ
らの相対的な位置関係が一義的に定まらない。また、ブ
ランケット胴3が第1の位置Fから第2の位置Gへ移動
する場合にも、ブランケット胴3と紙胴2との相対的な
位置関係を一定にする必要がある。このため、ブランケ
ット胴3には、ブランケット胴3を第1の位置Fにおい
て単独で回転させるための回転機構と、回転後のブラン
ケット胴3の回転角度位置を一定位置に固定するための
位置決め機構とが付設されている。
【0034】この回転機構は、図2に示すように、ブラ
ンケット胴3のギヤ15と噛合するギヤ54と、このギ
ヤ54を回転駆動するモータ55とから構成される。ま
た、位置決め機構は、図1に示すように、ブランケット
胴3の端面に配設された一対の当たり部材56と、この
当たり部材56に当接する当接部をそのロッド先端に有
する装置本体に配設された一対のエアシリンダ57とか
ら構成される。ブランケット胴3の回転、位置決めを行
う際には、エアシリンダ57のロッドを縮めた状態でギ
ヤ54によりブランケット胴3を回転駆動し、概略の位
置合わせを行う。そして、エアシリンダ57のロッドを
延ばしその先端の当接部を一対の当たり部材56に押し
つけることにより、ブランケット胴3の回転角度位置を
一定位置に位置決めする。
【0035】なお、この実施の形態においては、ブラン
ケット胴3の回転角度位置を一対のエアシリンダ57等
により位置決めしているが、例えばブランケット胴3の
回転軸と直結したロータリエンコーダ等により回転角度
位置の位置決めを行ってもよい。
【0036】なお、上述したギヤ54とモータ55から
なる回転機構は、後述するブランケットの洗浄工程にお
いてブランケット胴3を回転駆動する場合や、ブランケ
ット胴3に対するメンテナンスを行う場合等においても
使用される。
【0037】次に、紙胴2の構成について説明する。
【0038】この紙胴2は、ブランケット胴3の2倍の
直径を有する円筒形状の本体外周面に2枚の印刷用紙を
装着するものであり、その一端には、前述したように、
ブランケット胴3のギヤ15と噛合するギヤ24が配設
されている。このギヤ24は、図2に示すように、モー
タ58に連結するギヤ59とも噛合している。このた
め、ブランケット胴3が第2の位置Gにある場合、モー
タ58の駆動により紙胴2を回転させると、ブランケッ
ト胴3がギヤ24および15を介して駆動を受け、紙胴
2と同期して回転する。このとき、紙胴2はブランケッ
ト胴3の2倍の直径を有することから、紙胴2が1回転
する間にブランケット胴3は2回転することになる。
【0039】紙胴2の外周には、そこに装着する印刷用
紙の先端を固定するための2組の紙くわえ60が、紙胴
2の軸芯に対し対称な位置に配設されている。また、装
置本体には、紙くわえ60を開閉するためのエアシリン
ダ61が配設されている。紙くわえ60は、紙胴2の回
転に伴いエアシリンダ61に対向する位置に移動し、こ
の位置においてエアシリンダ61の駆動を受け、開閉動
作を行う。また、紙胴2の外周には、印刷用紙の後端を
吸着保持するための図示しない吸着孔が穿設されてお
り、この吸着孔は図示しない真空ポンプに接続されてい
る。
【0040】紙胴2の外周面に印刷用紙を装着する際に
は、エアシリンダ61により一方の紙くわえ60を開放
した状態で、印刷用紙を本体カバー62に沿って供給す
る。そして、エアシリンダ61の駆動により一方の紙く
わえ60を閉じて印刷用紙の先端を保持する。この状態
において紙胴2を図1における時計方向に回転させると
ともに、吸着孔より吸気を行うことにより印刷用紙の後
端を紙胴2の表面に保持し、印刷用紙全体を紙胴2の外
周面に固定する。次に、他方の紙くわえ60がエアシリ
ンダ61と対向する位置まで紙胴2を回転させ、上記同
様の動作を行うことにより、2枚目の印刷用紙を紙胴2
の外周面に固定する。
【0041】なお、上記実施形態においては、ブランケ
ット胴3の2倍の直径を有する紙胴2を採用し、紙胴2
の外周面に2枚の印刷用紙を装着するものについて説明
したが、紙胴2としてブランケット胴3のn倍(nは1
以上の整数)の直径を有するものを採用し、その外周面
にn枚の印刷用紙を装着するようにしてもよい。また、
上記実施形態においては、印刷用紙の装着手段として、
印刷用紙の先端を紙くわえ60により、また後端を吸着
孔により固定するものを採用しているが、印刷用紙の両
端を紙くわえにより固定したり、印刷用紙の全面を吸着
孔により固定する構成としてもよい。
【0042】次に、インキ供給装置4の構成について説
明する。
【0043】このインキ供給装置4は、軸63を中心に
回転する左右一対の回転板64と、この回転板64の間
に支持された4群のインキ供給ローラ群65a、65
b、65c、65dと、各インキ供給ローラ群65a、
65b、65c、65dを構成するインキ供給ローラに
対しインキを吐出するためのインキ吐出機構66と、各
インキ供給ローラ群65a、65b、65c、65dの
うち下端に位置したインキ供給ローラ群におけるインキ
供給ローラを昇降するための昇降機構67とを備える。
【0044】一対の回転板64は、図2に示すように、
水平方向に配置された軸63に支持されている。左側の
回転板64の左側面にはスプロケット68が付設されて
おり、このスプロケット68は回転板64の駆動用モー
タ69に設けられたスプロケット70とチェーン71を
介して連結している。このため、回転板64はモータ6
9の駆動により軸63を中心として回転する。また、図
1に示すように、右側の回転板64の右側面には、軸6
3を中心とする円周上に互いに90度離隔した角度位置
において、4本のピン72が立設されている。
【0045】また、装置本体の右側面には、そのロッド
先端に位置決めブロック74を有するエアシリンダ73
が固設されている。これらのピン72および位置決めブ
ロック74は回転板64の回転角度位置を正確に位置決
めするとともに、位置決め後において回転板64を固定
するためのものである。すなわち、回転板64の回転後
において、位置決めブロック74がエアシリンダ73の
駆動によりピン72に押しつけられることにより、回転
板64はその位置において正確に位置決めされ、固定さ
れる。
【0046】4群のインキ供給ローラ群65a、65
b、65c、65dは、印刷版に対し、それぞれブラッ
ク、シアン、マジェンタ、イエローの4色のインキを供
給するためのものであり、軸63を中心とする円周上の
互いに90度離隔した角度位置に配置されている。この
ため、各インキ供給ローラ群65a、65b、65c、
65dは、回転板64の90度を1単位とする回転に伴
い、図1に示すように、軸63を中心とする円周上の下
端、上端、右端、左端の4つの位置に選択的に配置され
る。これらの4つの位置のうち、下端の位置は、各イン
キ供給ローラ群65a、65b、65c、65dが版定
盤1上の印刷版へインキを供給するためのインキ供給位
置であり、また、図1に示す右端の位置は、各インキ供
給ローラ群65a、65b、65c、65dがインキ吐
出機構66からインキの供給を受けるインキ吐出位置で
ある。
【0047】図4は、4群のインキ供給ローラ群65
a、65b、65c、65dのうちの一つのインキ供給
ローラ群65aがインキ供給位置に配置された状態を示
す右側面図である。この図に示すように、インキ供給ロ
ーラ群65aは、後述する駆動機構により回転駆動され
るローラ74と、ローラ74と一対のアーム75を介し
て連結されローラ74の回転に伴って回転する2本のロ
ーラ76、77と、ローラ76、77上に載置されロー
ラ76、77の回転に伴って回転する2本のローラ7
8、79とから成る5本のインキ供給ローラを備える。
なお、他のインキ供給ローラ群65b、65c、65d
も同様の構成を有する。
【0048】インキ供給位置においては、インキ供給ロ
ーラ群65aは、装置本体に配設された昇降機構67と
対向する。この昇降機構67は、一対のエアシリンダ8
0とリンク機構を介して連結し軸81を中心として回動
する一対のカム82を備える。ローラ76、77、7
8、79は、エアシリンダ80により回動するカム82
がアーム75の下端部を押し上げることにより上昇す
る。
【0049】図5は、インキ吐出機構66の概要を示す
正面図である。このインキ吐出機構66は、図1に示す
ように、インキ吐出位置に移動した各インキ供給ローラ
群65a、65b、65c、65dのインキ供給ローラ
に対しインキを吐出しうる位置に配置されている。
【0050】このインキ吐出機構66は、各々ブラッ
ク、シアン、マジェンタ、イエローの4色のインキを収
納したインキタンク83a、83b、83c、83d
と、これらのインキタンク83a、83b、83c、8
3dに収納されたインキを対応する色のインキ供給ロー
ラ群65a、65b、65c、65dにおけるインキ供
給ローラ77に吐出するためのインキポンプ84a、8
4b、84c、84dとから成る4個のインキ吐出部8
5a、85b、85c、85dを備える。これらのイン
キ吐出部85a、85b、85c、85dは、インキ供
給ローラ群65a、65b、65c、65dにおける各
インキ供給ローラ74、76、77、78、79と平行
に配置されたレール90上をスライド可能な単一の支持
部材86上に固設されている。また、この支持部材86
は、図示しないモータの駆動により回転する駆動プーリ
87と従動プーリ88との間に掛け渡された同期ベルト
89と連結具を介して連結されている。このため、4個
のインキ吐出部85a、85b、85c、85dは、駆
動プーリ87の駆動により、インキ供給ローラ群65
a、65b、65c、65dにおけるインキ供給ローラ
77に沿って一体的に往復移動する。
【0051】図6は、4個のインキ吐出部85a、85
b、85c、85dのうちの一つのインキ吐出部85a
を示す右側面図である。このインキ吐出部85aは、前
述したように、ブラックのインキを収納したインキタン
ク83aと、このインキをインキ供給ローラ群83aの
インキ供給ローラ77に吐出するためのインキポンプ8
4aとを備える。インキタンク83aはその内部に収納
したインキに圧力を加えるための圧縮空気の導入口91
を備える。また、インキポンプ84aは、インキ吐出用
のノズル92と、インキタンク83a内のインキを供給
孔93を介してノズル92に送り出すピストン94と、
供給孔93の閉止弁95とを有する。圧縮空気の作用に
より供給孔内に進入したインキタンク83a内のインキ
は、ピストン94の作用により閉止弁95を押しのけて
ノズル92に達し、インキ供給ローラ群83aのインキ
供給ローラ77に吐出される。なお、他のインキ吐出部
85b、85c、85dもこれと同様の構成を有する。
【0052】装置本体の左側面には、図2に示すよう
に、インキ供給位置とインキ吐出位置との2カ所の位置
において、インキ供給ローラ群65a、65b、65
c、65dにおける各インキ供給ローラ74、76、7
7、78、79を回転駆動するための2組の駆動機構が
配設されている。これらの駆動機構のうち、インキ吐出
位置においてインキ供給ローラ群65a、65b、65
c、65dにおける各インキ供給ローラ74、76、7
7、78、79を回転駆動する駆動機構は、モータ10
0とチェーン101を介して連結したスプロケット10
2を有する。そして、このスプロケット102の回転軸
は、インキ吐出位置に移動したインキ供給ローラ群65
a、65b、65c、65dにおける駆動用のインキ供
給ローラ74の軸と図示しないクラッチ機構により連結
可能な構成となっている。このため、各インキ供給ロー
ラ群65a、65b、65c、65dがインキ吐出位置
に移動した状態において、各インキ供給ローラ74、7
6、77、78、79はモータ100の駆動を受けて回
転する。また、インキ供給位置においてインキ供給ロー
ラ群65a、65b、65c、65dにおける各インキ
供給ローラ74、76、77、78、79を回転駆動す
る駆動機構は、モータ103とチェーン104を介して
連結したスプロケット105を有する。そして、このス
プロケット105の回転軸は、インキ供給位置に移動し
たインキ供給ローラ群65a、65b、65c、65d
における駆動用のインキ供給ローラ74の軸と図示しな
いクラッチ機構により連結可能な構成となっている。こ
のため、各インキ供給ローラ群65a、65b、65
c、65dがインキ供給位置に移動した状態において、
各インキ供給ローラ74、76、77、78、79はモ
ータ103の駆動を受けて回転する。
【0053】左側の回転板64の左側面には、図2に示
すように、その外周に略180度の角度範囲において各
々凸部と凹部が形成されたカム106が付設されてお
り、また、装置本体の左側面には2個のリミットスイッ
チ107、108が配設されている。これらのカム10
6およびリミットスイッチ107、108は、各々のリ
ミットスイッチ107、108のオン、オフ状態の組み
合わせによって一対の回転板64の回転角度位置を検出
することにより、インキ供給位置あるいはインキ吐出位
置に各インキ供給ローラ群65a、65b、65c、6
5dのうちいずれのインキ供給ローラ群が位置している
かを検出するためのものである。例えばインキ供給位置
にあるインキ供給ローラ群が、リミットスイッチ10
7、108ともオフであればインキ供給ローラ群65
a、リミットスイッチ107がオンでリミットスイッチ
108がオフであればインキ供給ローラ群65b、リミ
ットスイッチ107がオフでリミットスイッチ108が
オンであればインキ供給ローラ群65d、リミットスイ
ッチ107、108ともオンであればインキ供給ローラ
群65c等のように、各インキ供給ローラ群65a、6
5b、65c、65dの現在位置を検出する。
【0054】なお、回転板64の回転角をロータリエン
コーダ等で検出し、インキ供給ローラ群65a、65
b、65c、65dの現在位置を検出するようにしても
よい。
【0055】このインキ供給装置4により印刷版にイン
キを供給する場合には、回転板64を回転させてインキ
供給ローラ群65a、65b、65c、65dのうち最
初に印刷を行うべき色に対応したインキ供給ローラ群を
インキ吐出位置まで移動させる。例えば最初に印刷を行
う色がブラックである場合には、インキ供給ローラ群6
5aをインキ吐出位置に移動させる。そして、モータ1
00の駆動によりインキ供給ローラ群65aの各インキ
供給ローラ74、76、77、78、79を回転させ
る。この状態において、インキ吐出機構66における支
持部材86を各インキ供給ローラ74、76、77、7
8、79の軸線方向に往復移動させることにより、4個
のインキ吐出部85a、85b、85c、85dを一体
的に往復移動させながら、これらのうちの1個のインキ
吐出部85aよりインキ供給ローラ77上にブラックの
インキを供給する。このとき、インキ吐出部85aから
のインキの吐出量は、予め測定した印刷版の絵柄面積等
により決定される。
【0056】インキ供給ローラ77へのインキの供給
後、一定時間各インキ供給ローラ74、76、77、7
8、79の回転を持続させインキ練りを行った後、回転
板64を90度回転させてインキ供給ローラ群65aを
インキ供給位置まで移動させる。これに伴い、次に印刷
を行う色に対応したインキ供給ローラ群65bがインキ
吐出位置に移動し、インキ吐出部85bより次の色のイ
ンキの供給を受ける。
【0057】インキ供給位置まで移動したインキ供給ロ
ーラ群65aにおけるローラ76、77、78、79
は、図4において二点鎖線で示すように、昇降機構67
により上昇した位置に保持される。この状態において版
定盤1が水平移動経路に沿って移動する。そして、版定
盤1に載置された印刷版がインキ供給ローラ群65aの
下方に移動したとき、昇降機構67のエアシリンダ80
の駆動により、図4において実線で示すように、ローラ
76、77、78、79を下降させ、インキ供給ローラ
76、77を印刷版と当接させる。このとき、インキ供
給ローラ群65aの各インキ供給ローラ74、76、7
7、78、79はモータ103の駆動により予め回転し
ている。この状態で版定盤1が水平移動を継続すること
により、版定盤1の移動速度と同期して回転するインキ
供給ローラ76、77が水平移動する印刷版上を転動
し、印刷版上にインキが供給される。
【0058】このインキ供給装置4は、軸63を中心に
回転する一対の回転板64における軸63を中心とした
円周上に4つのインキ供給ローラ群65a、65b、6
5c、65dを配設した構成であるため、印刷版に4色
のインキを供給するために必要な装置をコンパクトに構
成することでき、印刷装置全体の占有面積を小さくする
ことが可能となる。
【0059】なお、上記実施の形態においては、2組の
駆動機構を設け、インキ供給位置とインキ吐出位置との
2カ所の位置においてのみ、インキ供給ローラ群65
a、65b、65c、65dにおける各インキ供給ロー
ラ74、76、77、78、79を回転駆動している
が、各インキ供給ローラ群65a、65b、65c、6
5dの各々にモータを付設して、各インキ供給ローラ群
65a、65b、65c、65dにおける各インキ供給
ローラ74、76、77、78、79を個別に回転駆動
するようにしてもよい。
【0060】次に、湿し水供給装置5の構成について説
明する。図7は湿し水供給装置5の右側面概要図であ
る。
【0061】この湿し水供給装置5は、湿し水を貯留す
る水舟110と、その一部を水舟110に貯留された湿
し水に浸漬したローラ111と、湿し水の供給量を調整
するための2本の調量ローラ112、113と、図2に
示すモータ114により回転駆動される駆動ローラ11
5と、印刷版と当接して印刷版に湿し水を供給する2本
の供給ローラ116、117とを有する。2本の供給ロ
ーラ116、117は、図示しない昇降機構と連結され
ており、この昇降機構の駆動により昇降可能に構成され
ている。なお、上述した水舟110および6本のローラ
111、112、113、115、116、117は、
一対の側板118に支持されており、メンテナンスを行
う際には、ガイドレール119の案内により、側板11
8と共に装置本体より引き出し可能な構成となってい
る。
【0062】この湿し水供給装置5により印刷版に湿し
水を供給する場合には、2本の供給ローラ116、11
7を上昇させた状態で6本のローラ111、112、1
13、115、116、117をモータ114により予
め回転させておく。そして、版定盤1の水平移動により
版定盤1に載置された印刷版が湿し水供給装置5の下方
に移動したとき、2本の供給ローラ116、117を下
降させ、印刷版と当接させる。この状態で版定盤1が水
平移動を継続することにより、版定盤1の移動速度と同
期して回転する供給ローラ116、117が水平移動す
る印刷版上を転動し、印刷版上に湿し水が供給される。
【0063】次に、ブランケット洗浄装置6の構成につ
いて説明する。図8はブランケット洗浄装置6の右側面
概要図である。
【0064】このブランケット洗浄装置6は、ブランケ
ット胴3の下方に配設されており、洗浄液を貯留する洗
浄タンク120と、その一部を洗浄タンク120に貯留
された洗浄液に浸漬するとともに複数のギヤを介してモ
ータ123に連結する洗浄ローラ122と、洗浄ローラ
122に従動して回転する洗浄ローラ121と、洗浄ロ
ーラ122上のインキおよび洗浄液を除去するため、図
示しない回動手段により洗浄ローラ122に対し接離可
能に構成されたブレード124と、ブレード124によ
り除去されたインキおよび洗浄液を回収する回収容器1
25と、ブランケット表面に接触してブランケットを拭
き取る拭き取りロール機構126と、洗浄ローラ121
および122を一体的に昇降するためのエアシリンダ1
27とを有する。
【0065】このブランケット洗浄装置6は、図1に示
すエアシリンダ129の駆動により、インキ洗浄装置7
とともに、待機位置とブランケット洗浄位置との間を昇
降する。この待機位置は、図1に示すように、ブランケ
ット洗浄装置6が版定盤1の水平移動経路の下方に配置
される位置である。また、ブランケット洗浄位置は、ブ
ランケット洗浄装置6が版定盤1の水平移動経路の上方
まで達し、洗浄ローラ121、122がブランケット胴
3と近接した位置に配置されることにより、エアシリン
ダ127の駆動により2本の洗浄ローラ121、122
がブランケット胴3の外周面に装着されたブランケット
と当接可能な位置である。なお、ブランケット洗浄装置
6は、待機位置において、一対のガイドレール131お
よびキャスター132により支持され、メンテナンスを
行う際に装置本体より図1における紙面と垂直な方向に
引き出し可能な構成となっている。
【0066】このブランケット洗浄装置6によりブラン
ケットの洗浄を行う場合には、エアシリンダ129の駆
動により、ブランケット洗浄装置6を待機位置から一対
のリニアガイド17の間を通過させ、ブランケット洗浄
位置まで上昇させる。この状態においては、図8に示す
ように、洗浄ローラ121、122とブランケット胴3
とは、わずかに離隔している。次に、モータ123の駆
動により洗浄ローラ121、122を回転させる。ま
た、前述したギヤ54とモータ55から成るブランケッ
ト胴3の回転機構によりブランケット胴3を回転させ
る。
【0067】続いて、エアシリンダ127の駆動により
洗浄ローラ121、122を一体的に上昇させる。する
と、洗浄ローラ121、122がブランケット胴3の外
周面に装着されたブランケットと当接し、ブランケット
上に洗浄液を供給する。所定のラグ時間をおいて、ブレ
ード124の先端部が洗浄ローラ122に当接する。こ
の状態において、洗浄ローラ121、122とブランケ
ット胴3との回転を維持することにより、ブランケット
表面のインキは洗浄液により洗浄され、これらのインキ
および洗浄液はブレード124により洗浄ローラ122
より除去された後、回収容器125に回収される。
【0068】次に、エアシリンダ127の駆動により、
洗浄ローラ121、122を下降させるとともに、図示
しない駆動源により拭き取りロール機構126のローラ
128をブランケット胴3の外周面に装着されたブラン
ケットと当接する位置まで移動させ、その外周に展張さ
れた拭き取り布133によりブランケットの表面を拭き
取る。ブランケットの拭き取りが終了すれば、エアシリ
ンダ129の駆動によりブランケット洗浄装置6を待機
位置まで下降させる。
【0069】次に、インキ洗浄装置7の構成について説
明する。図9はインキ洗浄装置7の右側面概要図であ
る。
【0070】このインキ洗浄装置7は、インキ供給装置
4の下方に配設されており、駆動ローラ135と、2本
の洗浄ローラ136、137と、洗浄ローラ137の表
面に洗浄液を供給するためのノズル138と、洗浄ロー
ラ136上のインキおよび洗浄液を除去するためのブレ
ード139と、ブレード139を移動させるためのエア
シリンダ140と、ブレード139により除去されたイ
ンキおよび洗浄液を回収する回収容器141とを有す
る。
【0071】駆動ローラ135は、図2に示すスプロケ
ット143と連結されている。そして、このスプロケッ
ト143は、インキ供給位置においてインキ供給ローラ
74、76、77、78、79を回転駆動するためのモ
ータ103とチェーン142を介して連結している。こ
のため、インキ洗浄装置7の各ローラ135、136、
137は、モータ103の駆動により、インキ供給位置
に移動した各インキ供給ローラ74、76、77、7
8、79と同期して回転する。
【0072】このインキ洗浄装置7は、図1に示すエア
シリンダ129の駆動により、ブランケット洗浄装置6
とともに、待機位置とインキ洗浄位置との間を昇降す
る。この待機位置は、図1に示すように、インキ洗浄装
置7が版定盤1の水平移動経路の下方に配置される位置
である。また、インキ洗浄位置は、インキ洗浄装置7が
版定盤1の水平移動経路の上方まで達し、洗浄ローラ1
36および137が上昇位置にあるインキ供給ローラ7
6および77と近接した位置に配置されることにより、
洗浄ローラ136および137が昇降機構67の駆動に
より下降したインキ供給ローラ76および77と当接可
能な位置である。なお、インキ洗浄装置7は、ブランケ
ット洗浄装置6と同様、待機位置において、一対のガイ
ドレール131およびキャスター132により支持さ
れ、メンテナンスを行う際に装置本体より引き出し可能
な構成となっている。
【0073】このインキ洗浄装置7によりインキ供給ロ
ーラ74、76、77、78、79の洗浄を行う場合に
は、エアシリンダ129の駆動により、インキ洗浄装置
7を待機位置から一対のリニアガイド17の間を通過さ
せ、インキ洗浄位置まで上昇させる。この状態において
は、図9に示すように、インキ供給ローラ76および7
7は昇降機構67により上昇位置に移動しており、洗浄
ローラ136、137とインキ供給ローラ76、77と
は、わずかに離隔している。この状態において、モータ
103の駆動により洗浄ローラ136、137と各イン
キ供給ローラ74、76、77、78、79とを同期し
て回転させる。また、ノズル138より洗浄ローラ13
7の表面に洗浄液を供給する。
【0074】続いて、昇降機構67によりインキ供給ロ
ーラ76、77を下降させることによって、洗浄ローラ
136および137とインキ供給ローラ76および77
とを当接させる。また、エアシリンダ140の駆動によ
り、ブレード139の先端を洗浄ローラ136と当接さ
せる。この状態において、洗浄ローラ136、137と
インキ供給ローラ74、76、77、78、79との回
転を維持することにより、インキ供給ローラ74、7
6、77、78、79表面のインキは洗浄液により洗浄
され、これらのインキおよび洗浄液はブレード139に
より洗浄ローラ136より除去された後、回収容器14
1に回収される。インキ供給ローラ74、76、77、
78、79の洗浄が終了すれば、エアシリンダ129の
駆動によりインキ洗浄装置7を待機位置まで下降させ
る。
【0075】なお、上述したように、ブランケット洗浄
装置6とインキ洗浄装置7とは、単一のエアシリンダ1
29により同期して昇降可能なように構成されている。
このため、昇降駆動機構を共通化して装置全体を簡略化
することができる。なお、この昇降動作を正確に行う目
的から、ブランケット洗浄装置6とインキ供給装置7と
を載置する載置台142の端部は、複数のチェーンおよ
びギヤより成る同期機構と連結されている。
【0076】次に、印刷版排出装置9の構成について説
明する。図10は印刷版排出装置9の概要を示す斜視図
である。
【0077】この印刷版排出装置9は、印刷版の排出位
置Bに移動した版定盤1の両側に配設された一対のガイ
ド部材143、144と、ガイド部材143、144に
案内されて走行可能な一対のチェーン145、146
と、チェーン145、146を走行駆動する一対のスプ
ロケット147、148と、一対のチェーン145、1
46間に回転可能な状態で掛け渡された複数本のローラ
149と、版定盤1上の印刷版の先端部を吸着保持して
上昇させる吸着盤150(図1参照)とを備える。
【0078】ガイド部材143、144は、印刷版の排
出位置Bに移動した版定盤1の表面よりわずかに高い位
置において版定盤1の表面と平行に延びる第1の案内部
152と、第1の案内部152の一端から90度屈曲し
て下方に延びる第2の案内部153と、第2の案内部1
52の他端からスプロケット147、148の外周に沿
って反転し第1の案内部152と平行に延びる第3の案
内部154とを有する。
【0079】一対のスプロケット147、148は、軸
155を介して互いに連結されており、この軸155
は、図2に示すモータ156とチェーン157を介して
連結されている。このため、一対のスプロケット14
7、148は、モータ156の駆動により同期して回転
する。一対のチェーン145、146は、スプロケット
147、148の回転に伴い、その先端が第3の案内部
154のスプロケット147、148側の端部(以下
「基端部」という)から他方の端部(以下「先端部」と
いう)に至る位置の間を同期して走行する。複数本のロ
ーラ149は、一対のチェーン145、146の走行に
伴い、第2の案内部153の間から第1の案内部152
の間に至る位置の間を移動する。
【0080】次に、印刷版の排出動作について説明す
る。図11は印刷版排出装置9による印刷版Pの排出動
作を模式的に示す右側面図である。
【0081】まず、図11(a)に示すように、版定盤
1が印刷を終了した印刷版Pを載置した状態で、印刷版
の排出位置Bまで移動する。この状態においては、チェ
ーン145、146の先端は基端部に位置しており、複
数本のローラ149は、第2の案内部153の間に位置
している。
【0082】次に、図11(b)に示すように、前述し
た版くわえ12を装置本体に配設されたエアシリンダ1
4の駆動により上昇させ、印刷版Pの固定を解除する。
また、エアシリンダ151の駆動により、吸着盤150
を版定盤1上の印刷版Pの表面と当接する位置まで下降
させ、印刷版Pの先端を吸着保持した後上昇させる。こ
の状態においては、印刷版Pの先端部は版定盤1の表面
より離隔しているが、印刷版Pの後端部は版定盤1の表
面に支持されている。
【0083】続いて、図11(c)に示すように、モー
タ156の駆動によりスプロケット147、148を回
転させ、チェーン145、146をその先端が基端部か
ら先端部に向かう方向に走行させる。これに伴い、複数
本のローラ149は、第2の案内部153の間から第1
の案内部152の間に向けて移動する。これにより、ロ
ーラ149は、印刷版Pの先端の下面と版定盤1の表面
の間に進入し、印刷版Pを下方より支持する。そして、
さらにローラ149が移動を続けることにより、ローラ
149は印刷版Pの下面全域に亘る位置まで移動し、印
刷版Pはローラ149により版定盤1の表面より分離さ
れて、ローラ149により支持される。
【0084】次に、吸着盤150による印刷版Pの先端
の吸着を解除する。この状態においては、印刷版Pは、
図11(d)に示すように、その裏面全面で複数本のロ
ーラ149により支持される。そして、モータ156の
駆動によりスプロケット147、148を回転させ、チ
ェーン145、146をその先端が先端部から基板部に
向かう方向に走行させる。これに伴い、複数本のローラ
149は、第1の案内部152の間から第2の案内部1
53の間に向けて移動する。この移動に伴い、複数本の
ローラ149に支持された印刷版Pは、版定盤1上方か
ら排出され、図1に示す印刷版Pの洗浄装置156へと
搬入される。
【0085】次に、上述した印刷装置における印刷動作
について説明する。
【0086】図12は、この印刷装置における印刷動作
を示すフローチャートである。なお、このフローチャー
トにおいては、便宜上、印刷動作における各ステップを
順を追って表示しているが、実際の印刷動作においては
複数のステップが並行して実行される。
【0087】最初に、初期設定を行う(ステップS
1)。この初期設定時には、印刷を行うべき印刷版のサ
イズや色順等のデータが入力される。また、各部の原点
復帰等がなされる。このとき、版定盤1は印刷版の排出
位置Bに移動している。
【0088】次に、オペレータが印刷版供給装置8にお
ける載置テーブル32上に印刷版を載置する(ステップ
S2)。このとき、オペレータは、先に入力したデータ
に従い、4色の印刷用の印刷版をその印刷順序に応じ
て、互いに重ね合わせた状態で位置決めして載置する。
なお、一般的な印刷順序は、インキ供給ローラ群65
a、65b、65c、65dの配列順序と同様、ブラッ
ク、シアン、マジェンタ、イエローの順である。
【0089】次に、印刷用紙の供給を行う(ステップS
3)。オペレータが印刷用紙を本体カバー62に沿って
供給する。そして、紙くわえ60により印刷用紙の先端
を保持した状態で紙胴2を180度回転させ、印刷版の
後端を吸着保持することにより、印刷用紙を紙胴2の外
周面に装着する。2枚の印刷用紙に印刷を行う場合に
は、この動作を繰り返し、2枚の印刷用紙を紙胴2の外
周面に装着する。
【0090】次に、版定盤1上に最初に印刷を行う色の
印刷版を供給する(ステップS4)。まず、ステップ1
で入力した印刷版のサイズに応じて、第2の吸着盤38
を印刷版のサイズと対応する位置まで移動させる。次
に、載置テーブル32を一対のリニアガイド17の間を
通過させ、印刷版の供給位置まで上昇させる。そして、
印刷版の両端を第1、第2の吸着盤37、38により吸
着保持した後、載置テーブル32を待機位置まで下降さ
せる。続いて、版定盤1をを印刷版の供給位置Aまで移
動させた後、第1、第2の吸着盤37、38を下降さ
せ、そこに保持した印刷版を版定盤1上に載置する。こ
のとき、版定盤1における位置決めピン11は上昇して
おり、版定盤1上に載置される印刷版は、この位置決め
ピン11により位置決めされる。なお、印刷版を第1、
第2の吸着盤37、38により吸着保持して搬送する際
に、マークリーダ23により印刷版に予め設けられた刷
色を示すマークを読み取り、ステップS1で入力した色
順のデータと照合することにより、次に印刷を行う刷色
を確認する。
【0091】次に、最初に印刷を行う色に対応したイン
キ供給ローラ群65aにインキを吐出する(ステップS
5)。このインキ供給ローラ群65aは、ステップS1
において予めインキ吐出位置に移動している。このイン
キ供給ローラ群65aの各インキ供給ローラ74、7
6、77、78、79を回転させた状態で、インキ吐出
部85aにより最初に印刷を行う色のインキを吐出す
る。そして、各インキ供給ローラ74、76、77、7
8、79の回転を継続することにより、インキ練りを行
う。インキ練りが終了すれば、回転板64を時計方向に
90度回転させ、インキ供給ローラ群65aをインキ供
給位置まで移動させる。
【0092】上記ステップS3、S4、S5は、並行し
て実行される。すなわち、紙胴2への印刷用紙の供給動
作と、版定盤1への印刷版の供給動作と、インキ供給ロ
ーラ群65aへのインキ吐出動作とは並行して実行さ
れ、これにより印刷開始までの準備動作に必要な時間が
短縮される。なお、インキ供給ローラ群65aへのイン
キの吐出動作(ステップS5)は、載置テーブル32へ
の印刷版の載置動作(ステップS2)とともに実行して
もよい。
【0093】次に、版定盤1上の印刷版に、湿し水とイ
ンキとを供給する(ステップS6)。まず、印刷版の供
給位置Aに移動している版定盤1を印刷版の排出位置B
方向に移動させる。そして、版定盤1が湿し水供給装置
5の下方の位置に達した段階で、2本の供給ローラ11
6、117を下降させ、版定盤1上の印刷版と当接させ
る。この状態で版定盤1が水平移動を継続することによ
り、供給ローラ116、117が水平移動する印刷版上
を転動し、印刷版上に湿し水が供給される。続いて、版
定盤1がインキ供給装置4の下方の位置に達した段階
で、インキ供給ローラ群65aにおけるローラ76、7
7、78、79を昇降機構67により下降させ、インキ
供給ローラ76、77を印刷版と当接させる。このと
き、インキ供給ローラ群65aの各インキ供給ローラ7
4、76、77、78、79はモータ103の駆動によ
り予め回転している。この状態で版定盤1が水平移動を
継続することにより、インキ供給ローラ76、77が印
刷版上を転動し、印刷版上にインキが供給される。この
印刷版への湿し水とインキの供給は、版定盤が印刷版の
排出位置Bから印刷版の供給位置Aへ移動する際にも行
われる。なお、版定盤1を複数回往復移動させることに
より、湿し水とインキとを複数回に分けて供給するよう
にしてもよい。
【0094】次に、印刷版上のインキ像をブランケット
に転写する(ステップS7)。まず、印刷版の排出位置
Bに移動している版定盤1を印刷版の供給位置A方向に
移動させる。そして、版定盤1がブランケット胴3の下
方の位置に達した状態で、ブランケット胴3を偏芯機構
50により図1において二点鎖線で示す第1の位置Fに
移動さる。これにより、ブランケット胴3のギヤ15と
版定盤1のラック16とが噛合し、ブランケット胴3の
回転速度と版定盤1の水平移動速度は同期する。この状
態で版定盤1が水平移動を継続することにより、版定盤
1上の印刷版のインキ像がブランケット胴3の外周面に
装着されたブランケットに転写される。なお、版定盤1
を複数回往復移動させることにより、ブランケット上に
インキ像を複数回転写するようにしてもよい。
【0095】次に、ブランケット上のインキ像を印刷用
紙上に転写して印刷を行う(ステップS8)。まず、ブ
ランケット胴3を偏芯機構50により図1において実線
で示す第2の位置Gに移動さる。これにより、ブランケ
ット胴3のギヤ15と紙胴2のギヤ24とが噛合し、ブ
ランケット胴3と紙胴2の回転速度が同期する。この状
態において紙胴2を180度回転させることにより、1
枚目の印刷用紙にブランケット上のインキ像が転写さ
れ、1色目の印刷が行われる。2枚目の印刷用紙に印刷
を行う場合には、ブランケット胴3を第1の位置Fに移
動させた後、上記ステップS6およびS7を再度実行す
る。そして、ブランケット胴3を第2の位置に復帰させ
た後、紙胴2をさらに180度回転させる。ここで、ブ
ランケット胴1は、第2の位置Gに移動する前に、ギヤ
54およびモータ55から成る回転機構と当たり部材5
6およびエアシリンダ57から成る位置決め機構とによ
り、所定の角度位置に位置決めされている。このため、
ブランケット胴3のギヤ15が版定盤のラック16との
係合を解かれることによりブランケット胴3が慣性力で
回転しても、紙胴2との相対的な位置関係は一定に保持
される。
【0096】次に、最初に印刷を行った色の印刷版を版
定盤1上から排出する(ステップS9)。まず、版定盤
1を印刷版の排出位置Bまで移動させる。そして、版く
わえ12を上昇させ印刷版の固定を解除すると共に、吸
着盤151により印刷版の先端を吸着保持する。そし
て、印刷版をローラ149により支持して後段の洗浄装
置156へ搬送する。
【0097】上記ステップS8とS9は並行して実行さ
れる。すなわち、ブランケットから印刷用紙へインキ像
を転写する印刷動作と、印刷版の排出動作とは並行して
実行され、これにより次の印刷版の供給に必要な時間が
短縮される。
【0098】次に、続いて印刷を行うべき印刷版がある
か否か、すなわち4色の印刷が完了したか否かを判断す
る(ステップS10)。上記の場合には、続いて2色目
の印刷版により印刷を行うことから、ステップS10に
おける判断は「Yes」となり、2色目の印刷について
ステップS4〜S9の動作を繰り返す。
【0099】このとき、2色目の印刷についてのステッ
プS5は、一色目の印刷についてのステップS6、S
7、S8、S9と並行して実行される。すなわち、イン
キ供給ローラ群65a、65b、65c、65dは一般
的な印刷順序と同じ色順でならんでいるため、一般的な
印刷順序で印刷を行う場合には、一色目の印刷版にイン
キの供給を行うためにインキ供給ローラ群65aがイン
キ供給位置へ移動することにより、2色目のインキを供
給するインキ供給ローラ群65bはインキの吐出位置に
移動する。このため、この位置において、インキ吐出部
85bからインキ供給ローラ群65bに予めインキを供
給し、インキ練りを完了しておく。これにより、2色目
の印刷開始までの準備動作に必要な時間が短縮できる。
【0100】なお、上記実施態様においては、1色目の
印刷を行ってから2色目の印刷を行うまでの間に、ブラ
ンケットの洗浄を行っていない。また、2色目の印刷を
行ってから3色目の印刷を行うまでの間、および、3色
目に印刷を行ってから4色目の印刷を行うまでの間にお
いても、ブランケット洗浄は行わない。これは、以下の
理由による。
【0101】すなわち、1色目の印刷を行った後、ブラ
ンケットの洗浄を行って2色目の印刷を行った場合に
は、印刷用紙に先に転写されたインキが再度ブランケッ
トと接触する際に再びブランケットに転写されてしま
う、いわゆるバックトラッピングという現象が発生す
る。このため、印刷開始時には印刷用紙に先に印刷した
インキの量が極端に低くなるという問題を生ずる。この
バックトラッピングは、ある程度の枚数の印刷を行えば
安定するが、検版印刷工程ではごく限られた枚数の印刷
用紙に印刷を行うのみであるため、バックトラッピング
の発生が特に支障を来す。このため、この印刷装置にお
いては、単一のブランケット胴3を用いて印刷すること
を利用し、先に印刷した色のインキをブランケット上に
残存させた状態で印刷を行うことにより、上述したバッ
クトラッピングの発生を防止している。
【0102】4色の印刷が終了し、ステップS10にお
ける判断が「No」となれば、印刷用紙を排出する(ス
テップS11)。この印刷用紙の排出は、ステップS3
における印刷用紙の供給と逆の動作により行う。
【0103】そして、ブランケットの洗浄を行う(ステ
ップS12)。まず、エアシリンダ129の駆動によ
り、ブランケット洗浄装置6を版定盤1の水平移動経路
の下方に位置する待機位置から一対のリニアガイド17
の間を通過させ、ブランケット洗浄位置間で上昇させ
る。そして、ブランケット洗浄装置6の洗浄ローラ12
1、122とブランケット胴3とを回転させた後、これ
らを互いに当接させ、ブランケットの洗浄を行う。ブラ
ンケットの洗浄が終了すれば、ブランケット洗浄装置6
を待機位置まで下降させる。
【0104】次に、さらに別の絵柄について4色の印刷
を行うか否かを判断する(ステップS13)。印刷を行
う場合には、ステップS1に戻り、作業を継続する。こ
のとき、ステップS1における次の絵柄についての初期
設定を予め完了しておけば、ステップS12におけるブ
ランケットの洗浄中に、次の絵柄の印刷を行うためのス
テップS2〜S5を予め実行することにより、次の絵柄
に印刷のための準備動作に必要な時間を短縮することが
できる。
【0105】印刷を終了する場合には、一般的にインキ
の洗浄を行う(ステップS14)。まず、エアシリンダ
129の駆動により、インキ洗浄装置7を版定盤1の水
平移動経路の下方に位置する待機位置から一対のリニア
ガイド17の間を通過させ、インキ洗浄位置まで上昇さ
せる。そして、各インキ供給ローラ群65a、65b、
65c、65dのうちの一つのインキ供給ローラ群のイ
ンキ供給ローラ76、77とインキ洗浄装置7の洗浄ロ
ーラ136、137を互いに当接させ、インキ供給ロー
ラ74、76、77、78、79を洗浄する。最初のイ
ンキ供給ローラ群におけるインキ供給ローラ74、7
6、77、78、79の洗浄が完了すれば、回転板64
を90度回転させて次のインキ供給ローラ群におけるイ
ンキ供給ローラ74、76、77、78、79を洗浄す
る。全てのインキ供給ローラ群におけるインキ供給ロー
ラ74、76、77、78、79の洗浄が終了すれば、
インキ洗浄装置7を待機位置まで下降させる。
【0106】なお、上記ステップS14はステップS1
2と並行して実行される。すなわち、印刷を終了する場
合には、ブランケットの洗浄とインキの洗浄とが並行し
て実行され、作業終了までの準備動作に必要な時間が短
縮される。このとき、インキの洗浄動作については、ス
テップS6におけるインキ供給動作が完了した時点で開
始するようにしてもよい。
【0107】インキの洗浄が終了すれば、装置を停止さ
せ、作業を終了する。なお、インキの洗浄を行わずに作
業を終了させるようにしてもよい。
【0108】上述した実施の形態においては、ブランケ
ット胴3の回転速度と版定盤1の移動速度とを同期させ
るための第1の同期手段として、ブランケット胴3に設
けたギヤ15と版定盤1に設けたラック16とを使用し
た場合について述べたが、ブランケット胴3と版定盤1
との各々にモータ等の駆動機構を設け、それらの駆動機
構を同期させるように構成してもよい。また、同様に、
上述した実施の形態においては、ブランケット胴3の回
転速度と紙胴2の回転速度とを同期させるための第2の
同期手段として、ブランケット胴3に設けたギヤ15と
紙胴2に設けたギヤ24とを使用した場合について述べ
たが、ブランケット胴3と紙胴2との各々にモータ等の
駆動機構を設け、それらの駆動機構を同期させるように
構成してもよい。
【0109】また、上述した実施形態においては、マー
クリーダ23により印刷版に設けられた刷色を示すマー
クを読み取り、これを予め入力した色順のデータと照合
しているが、マークリーダ23により印刷版から読み取
ったデータに基づき、インキ供給装置4等を制御するよ
うにしてもよい。同様に、印刷版のサイズを示すデータ
を予め入力するかわりに、印刷版供給装置8に設けたセ
ンサーにより印刷版のサイズを検出するようにしてもよ
い。
【0110】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ブラン
ケット胴がブランケットと印刷版とが当接可能な第1の
位置とブランケットと印刷用紙とが当接可能な第2の位
置との間を選択的に移動可能であることから、例えば印
刷用紙への印刷と印刷版の交換などの印刷のために必要
な複数の工程を並行して行うことが可能となる。このた
め、複数色の印刷を行う場合においても、短時間で印刷
を完了することができる。また、複数色の印刷を行うた
めに複数個のブランケット胴等を列設する必要がないこ
とから、装置を小型化することが可能となる。
【0111】請求項2に記載の発明によれば、紙胴の外
周に複数枚の印刷用紙を装着できるため、一工程で複数
枚の印刷用紙に印刷を行うことができる。
【0112】請求項3に記載の発明によれば、ブランケ
ット胴を版定盤や紙胴とは無関係に回転させることが可
能であることから、ブランケットの洗浄やブランケット
胴のメンテナンス等を他の工程と並行して行うことがで
きる。
【0113】請求項4に記載の発明によれば、印刷版に
4色のインキを供給するためのインキ供給ローラ群を回
転軸を中心とする円周上に配設していることから、印刷
版に4色のインキを供給するために必要な装置をコンパ
クトに構成することが可能となり、印刷装置全体の占有
面積を小さくすることができる。
【0114】請求項5に記載の発明によれば、印刷版の
供給手段と排出手段を備えることから、印刷作業をより
効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る印刷装置の右側面図である。
【図2】この発明に係る印刷装置の左側面図である。
【図3】版定盤1およびその移動機構の概要を示す平面
図である。
【図4】インキ供給ローラ群65aを示す右側面図であ
る。
【図5】インキ吐出機構66の概要を示す正面図であ
る。
【図6】インキ吐出部85aを示す右側面図である。
【図7】湿し水供給装置5の右側面概要図である。
【図8】ブランケット洗浄装置6の右側面概要図であ
る。
【図9】インキ洗浄装置7の右側面概要図である。
【図10】印刷版排出装置9の概要を示す斜視図であ
る。
【図11】印刷版の排出動作を模式的に示す右側面図で
ある。
【図12】この発明に係る印刷装置の印刷動作を示すフ
ローチャートである。
【図13】従来の4色校正機を示す側面概要図である。
【符号の説明】
1 版定盤 2 紙胴 3 ブランケット胴 4 インキ供給装置 5 湿し水供給装置 6 ブランケット洗浄装置 7 インキ洗浄装置 8 印刷版供給装置 9 印刷版排出装置 15 ギヤ 16 ラック 19 ボールネジ 24 ギヤ 55 モータ 60 紙くわえ 63 軸 64 回転板 65a インキ供給ローラ群 65b インキ供給ローラ群 65c インキ供給ローラ群 65d インキ供給ローラ群

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷版のインキ像をブランケットを介し
    て印刷用紙に転写する印刷装置において、 その表面に前記印刷版を装着して水平方向に移動する版
    定盤と、 前記版定盤に装着された印刷版に湿し水を供給する湿し
    水供給手段と、 前記版定盤に装着された印刷版にインキを供給するイン
    キ供給手段と、 その外周面に前記印刷用紙を装着する紙胴と、 その外周面に前記ブランケットを装着するとともに、前
    記ブランケットが前記版定盤に装着された印刷版と当接
    可能な第1の位置と前記ブランケットが前記紙胴に装着
    された印刷用紙に当接可能な第2の位置との間を選択的
    に移動するブランケット胴と、 前記ブランケットと前記印刷版とが当接した状態におい
    て、前記ブランケット胴の回転速度と前記版定盤の移動
    速度とを同期させる第1の同期手段と、 前記ブランケットと前記印刷用紙とが当接した状態にお
    いて、前記ブランケット胴の回転速度と前記紙胴の回転
    速度とを同期させる第2の同期手段と、 を備えたことを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の印刷装置において、 前記紙胴がブランケット胴の直径の2倍以上の直径を有
    し、その外周面に複数枚の印刷用紙を装着するための印
    刷用紙の装着手段を備える印刷装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2いずれかに記載の印刷
    装置において、 前記ブランケットが前記印刷版と前記印刷用紙のいずれ
    にも当接しない状態において、前記ブランケット胴を単
    独で回転させるブランケット胴回転手段を備える印刷装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかに記載の印刷装
    置において、 前記インキ供給手段が、 その軸芯が水平方向を向く複数のローラより構成され、
    それぞれ異なる色のインキを前記印刷版に供給するため
    の4群のインキ供給ローラ群と、 前記各インキ供給ローラ群を、水平方向を向く回転軸を
    中心とした円周上の等間隔離隔した位置において支持す
    る支持手段と、 前記支持手段を前記回転軸を中心として回転させる回転
    駆動手段と、 を備える印刷装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載の印刷装
    置において、 前記版定盤に前記印刷版を供給する印刷版供給手段と、 前記版定盤から前記印刷版を排出する印刷版排出手段
    と、 をさらに備える印刷装置。
JP30385295A 1995-10-27 1995-10-27 印刷装置 Pending JPH09123391A (ja)

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JP30385295A JPH09123391A (ja) 1995-10-27 1995-10-27 印刷装置

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020006541A (ja) * 2018-07-05 2020-01-16 株式会社リコー 印刷装置、対象検知装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020006541A (ja) * 2018-07-05 2020-01-16 株式会社リコー 印刷装置、対象検知装置

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