JPH09118734A - ウレタン樹脂組成物及び被覆成形物 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物及び被覆成形物

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JPH09118734A
JPH09118734A JP27884295A JP27884295A JPH09118734A JP H09118734 A JPH09118734 A JP H09118734A JP 27884295 A JP27884295 A JP 27884295A JP 27884295 A JP27884295 A JP 27884295A JP H09118734 A JPH09118734 A JP H09118734A
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JP
Japan
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urethane resin
solution
coated
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acid
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Application number
JP27884295A
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English (en)
Inventor
Shinji Uchida
慎治 内田
Masayuki Tomita
雅之 冨田
Takeshi Nakato
毅 中藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防水性、指触性、滑性等の表面特性に優れた
被覆成形物に好適なウレタン樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ウレタン樹脂100重量部に対して、
0.3〜90重量部のポリスクシンイミドを含有するウ
レタン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウレタン樹脂組成物
及び該組成物で被覆された成形物に関するものである。
特に、防水性、表面感触(指触性)、滑性等の表面特性
に優れた被覆成形物に好適なウレタン樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、成形物をウレタン樹脂で被覆
した被覆成形物として、合成皮革、防水布、家庭用電気
製品、自動車内装材、床材等が知られている。これら被
覆成形物の表面感触、滑性等を改良するために、コラー
ゲン粉末、絹粉末、ウレタンビーズ等を被覆剤に配合す
ることが提案されている。しかし、これらの粉末やビー
ズはウレタン樹脂に不溶であるため、表面感触は必ずし
も満足のいくものではなく、滑性も十分でなかった。更
にこれらのものではコストが非常に高いという問題もあ
った。表面感触は感性面での商品価値に、また、表面滑
性は合成皮革、防水布等の縫製時のミシンがけに影響
し、縫製上の問題点となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
感触に優れ、滑性にも優れ、コスト面でも有利な、ウレ
タン樹脂組成物及び該組成物で被覆された被覆成形物を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
のため、鋭意検討した結果、ウレタン樹脂にポリスクシ
ンイミドを特定量配合することにより、表面感触に優
れ、滑性にも優れた被覆成形物が得られることを見いだ
し本発明に到達した。即ち、本発明によれば、ウレタン
樹脂100重量部に対して、0.3〜90重量部のポリ
スクシンイミドを含有することを特徴とするウレタン樹
脂組成物が提供される。また、本発明によれば、成形物
の表面に前記ウレタン樹脂組成物が被覆されていること
を特徴とする被覆成形物が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
[I]ウレタン樹脂組成物 (1)ウレタン樹脂 本発明に使用されるウレタン樹脂としては、特に限定な
く、通常のウレタン樹脂が使用可能である。通常、ウレ
タン樹脂はポリイソシアネートとポリオール、必要に応
じて、鎖延長剤を原料として製造される。また、前記ウ
レタン樹脂をポリアミノ酸で変性したもの、およびポリ
アミノ酸ウレタン共重合樹脂等のポリアミノ酸ウレタン
樹脂(以下、PAUと略記することがある)も含まれ
る。上記ポリイソシアネート成分としては、芳香族ジイ
ソシアネート、脂肪族ジイソシアネートまたは脂環式ジ
イソシアネート化合物が適宜選択して用いられる。これ
らの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイ
ソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4
−シクロヘキサンジイシシアネート、4,4’−ジシク
ロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、あるいはこれらの混合物等が使用できる。
例えば、湿式加工に用いる場合には、上記イソシアネー
トのうち芳香族ジイソシアネートが好ましく、耐光性が
要求される用途では脂肪族、脂環式ジイソシアネートが
好ましい。
【0006】上記ポリオール成分としては、目的に応じ
てポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、
ポリカーボネートポリオール、あるいはこれらを組み合
わせる等適宜選択して使用することができる。これらの
数平均分子量は200〜5000程度のものが好まし
い。これらの具体例としては、ポリプロピレンエーテル
グリコール、ポリエチレンプロピレンエーテルグリコー
ル、ポリペンタメチレンエーテルグリコール、ビスフェ
ノールAのプロピレンオキサイドまたはエチレンオキサ
イド付加物等の芳香環を有するグリコール等のポリエー
テルポリオール、あるいはポリカプロラクトンポリオー
ル、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサメチレングリ
コール等のグリコール類とコハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸等の二塩基酸との反応物であるポリエステルポリ
オール、ジエチルカーボネートまたはエチレンカーボネ
ートに過剰モル比の1,6−ヘキサンジオール、1,5
−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オールまたは1,4−ブタンジオール等を加え、脱エタ
ノールまたは脱エチレングリコール反応によって得られ
るポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
【0007】必要に応じて使用される鎖延長剤として
は、通常低分子のジオールまたはジアミンが用いられ
る。具体例としてはエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール、
ヒドラジン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジア
ミン、1,2−プロパンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等の1級ジアミン、ピペラジン等の2級ジアミン等
が挙げられる。
【0008】上記原料を用いてウレタン樹脂を製造する
際には溶媒を用いるのが通常である。該溶媒としては、
湿式加工に使用するときにはジメチルホルムアミド等が
好ましく、塗布、含浸等の方法を用いる場合にはトルエ
ン、キシレン、シクロヘキサン等の炭化水素類、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル
類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、ジオキサン等が挙げられる。また、水中油滴(O/
W)型エマルジョン等のように水を溶媒とすることも可
能である。
【0009】ウレタン樹脂の製造には、例えば次の各方
法を採用することができる。鎖延長剤として、前記ジオ
ールを用いる場合は、溶媒の存在下、ポリオールと鎖延
長剤のジオールを混合し、これにジイソシアネートを添
加するワンショット法、またはNCO/OH当量比1以
上の条件下にジイソシアネートとポリオールを反応させ
て末端にイソシアネート基を持つプレポリマーを得、こ
れをジオールで鎖延長させるプレポリマー法を採用する
ことができる。また、鎖延長剤としてジアミンを用いる
場合は、溶媒の存在下、予めNCO/OH当量比1以上
の条件下にジイソシアネートとポリオールを反応させ
て、末端にイソシアネート基を持つプレポリマーを得、
これを溶媒中ジアミンで鎖延長する方法を採用すること
ができる。
【0010】また、PAUの製造法においては、前記
の、ウレタン樹脂をポリアミノ酸で変性する方法とし
て、ウレタン樹脂とポリアミノ酸を各々別々に造り混合
する方法、又はウレタン樹脂溶液中でα−アミノ酸−N
−カルボン酸無水物(α−アミノ酸−NCAと略記す
る)を重合して得られる方法等が挙げられる。また、ポ
リアミノ酸ウレタン共重合樹脂の製造法としては、前記
ジイソシアネートとポリオールから得られたプレポリマ
ーを水、ヒドラジンまたは有機アミンを開始剤としてα
−アミノ酸−NCAと共重合して得られる方法が挙げら
れる。α−アミノ酸−NCAの具体例としては、アラニ
ンNCA、ロイシンNCA、アスパラギン酸−β−メチ
ルエステルNCA、アスパラギン酸−β−エチルエステ
ルNCA、アスパラギン酸−β−プロピルエステルNC
A、グルタミン酸−γ−メチルエステルNCA、グルタ
ミン酸−γ−エチルエステルNCA、グルタミン酸−γ
−ベンジルエステルNCA、フェニルアラニンNCA等
のD体、L体またはDL体が挙げられる。これらのNC
Aは、単独または混合して用いることができる。そし
て、アミノ酸含量の多いPAU溶液を製造する場合は、
アミノ酸鎖の重合度を高くする必要があることから、L
体又はD体の光学活性α−アミノ酸NCAを用いるのが
好ましい。上記ウレタン樹脂の製造における溶媒の使用
量としては、樹脂分濃度が通常は5〜60重量%、好ま
しくは20〜40重量%の範囲となる量である。樹脂分
濃度が上記範囲を越える場合には高粘度化し過ぎ樹脂溶
液の製造が困難になるか、ゲル化を起こし易いし、上記
範囲未満の場合には使用上必要な粘度の樹脂溶液が得ら
れ難い。
【0011】ジイソシアネート、ポリオール、及びジオ
ール、ジアミンの使用量は、イソシアネート当量がポリ
オール、ジオールまたはジアミンとの当量の和にほぼ等
しくすることが好ましい。イソシアネート当量が多すぎ
ると樹脂溶液が経時により、粘度上昇したり、ゲル化を
起こし易いし、一方イソシアネート当量が少ないと高分
子量化しにくい。ジイソシアネート、ポリオール及びジ
オールまたはジアミンの当量比率は2:1:1〜4:
1:3の範囲が好ましい。ジイソシアネートとジオール
またはジアミンの当量比が大きくなるに従って、ウレタ
ン樹脂中のハードセグメント含有比率が増加して、得ら
れる樹脂が硬くなる。また、当量比が少なくなるとハー
ドセグメント含有比率が低下して、得られる樹脂が軟ら
かくなる。樹脂が硬くなり過ぎると被覆成形物の風合い
が硬くなり、好ましくない。また、樹脂が軟らかくなり
過ぎると被覆成形物にベタツキが発生し、好ましくな
い。
【0012】(2)ポリスクシンイミド 本発明で使用されるポリスクシンイミド(以下、PSI
と略記することがある)は、特に限定されるものではな
く、通常のPSIが使用できる。該PSIは下記一般式
の繰り返し単位を含む、ポリ(アスパラギン酸)の前駆
物質である。
【0013】
【化1】
【0014】PSIの製造方法としては、従来公知のも
のが採用でき、例えば原料モノマーとしては、マレイン
酸とアンモニア、それらの反応物、マレアミド酸、アス
パラギン酸等が挙げられる。マレイン酸としては、その
無水物、部分および完全エステル等の誘導体を含み、ま
た、アンモニアとしては気体または溶液の両方が使用で
きる。溶液の場合には水に溶解させて、水酸化アンモニ
ウム水溶液としたもの、メタノール、エタノール等のア
ルコールや他の有機溶媒に溶解させたもの等が挙げられ
る。アスパラギン酸としては、D体、L体それらの混合
物でも使用できる。これらのPSIの製造法の例として
は、独国特許第3626672号、米国特許第4839
461号、米国特許第528681号明細書等に記載の
方法が挙げられる。
【0015】また、上記のモノマーには、本発明の効果
を損なわない範囲で共重合可能な他のモノマーも併用す
ることができる。共重合可能な他のモノマーの具体例と
しては、アスパラギン酸塩、グルタミン酸およびその
塩、アラニン、ロイシン、リシン等のアミノ酸、グリコ
ール酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカル
ボン酸、2−ヒドロキシエタノール、マレイン酸、6−
アミノカプロン酸等のアミノ基及び/またはカルボン酸
基と反応する官能基を2個以上有する化合物等が挙げら
れる。これらの具体的使用量はモノマー全体の50モル
%を越えないことが好ましい。
【0016】PSIの製造には溶媒を必ずしも必要とは
しないが、使用する場合には、o−、m−、p−キシレ
ン、o−、m−、p−ジエチルベンゼン、トルエン、ア
ミルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン等の芳
香族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン、o−、m−、p
−クロロトルエン、o−、m−、p−ジクロロベンゼ
ン、1,4−ジクロロブタン等のハロゲン化炭化水素系
溶媒;ジクロロエチルエーテル、ブチルエーテル、ジイ
ソアミルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶媒;
酢酸−n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸メチルイソア
ミル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン
酸−n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸イソア
ミル、酪酸−n−ブチル等のエステル系溶媒が挙げら
れ;また、非プロトン性極性溶媒として、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、テトラメチル尿素等のアミド系溶媒;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホス
ホロアミド等のイオウ系溶媒が挙げられ、これらの溶媒
は単独で又は混合して使用することができる。これら溶
媒の中でも、100℃以上の沸点を有するものが好まし
く、更に130℃以上の沸点を有するものが好ましい。
具体的には、これらのうちジエチルベンゼン、メシチレ
ン、クメン、クロロトルエン、1,4−ジクロロブタ
ン、ジイソアミルエーテル、酪酸−n−ブチル、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルホランが好適
な沸点を有するため好ましく、更には、メシチレン、ク
メン、クロロトルエン、1,3−ジメチル−2−イミダ
ゾリジノン、スルホランが特に好ましい。これら溶媒の
使用量はモノマー100重量部に対して、好ましくは1
00〜5,000重量部、更に好ましくは200〜2,0
00重量部である。
【0017】PSIの製造には触媒を必ずしも必要とは
しないが、使用する場合には、酸触媒が好ましい。具体
的には、硫酸、無水硫酸、リン酸、ポリリン酸、メタリ
ン酸、縮合リン酸、無水リン酸等の無機酸触媒;、p−
トルエンスルホン酸、トリクロ4ル酢酸、トリフルオロ
酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸触媒な
どが挙げられる。これらのうちでも、高収率でポリマー
が得られ易いため、リン酸類触媒が好ましい。これら触
媒の使用量は原料モノマーの1モルに対して好ましくは
0.0002〜2モル、更に好ましくは0.002〜1
モルの範囲である。
【0018】PSIの生成反応温度としては、通常は1
00〜280℃、好ましくは、130〜250℃の範囲
である。上記範囲未満では反応が遅く、またそれを超え
ると分解生成物が生じる可能性があり、好ましくない。
反応圧力としては、特に制限なく、常圧、減圧または加
圧のいずれも採用できるが、通常は10Pa〜1MPa
の範囲である。反応時間は1分〜100時間、好ましく
は10分〜50時間、最も好ましくは15分〜20時間
である。また、反応の実質上の終点は、反応中に副生し
てくる水の生成がなくなった点である。なお、アミン等
を共存させる等で分子量を制御することもできる。反応
の後処理として、遠心分離等で溶媒を除去する、更に水
や低沸点溶媒により洗浄するなど公知の工程を行うこと
も可能である。PSIの製造の例としては、特公昭48
−20638号公報、特開平6−145350号公報、
特開平6−206937号公報、特開平6−21198
2号公報等が挙げられる。
【0019】以上説明したPSIの分子量は、好ましく
は、重量平均分子量で1,000〜300,000、更に
好ましくは、2,000〜100,000、最も好ましく
は、2,000〜50,000の範囲である。上記範囲未
満ではPSI配合によるウレタン樹脂の滑性等の改良効
果が小さく、逆に範囲の上限を越えるとPSIの混合が
難しくなる。
【0020】(3)ウレタン樹脂組成物の製造 ウレタン樹脂組成物の製造するには、前記ウレタン樹脂
を溶媒中で製造して得られたウレタン樹脂溶液中に前記
PSIを所望の組成比で添加混合するか、あるいは任意
の溶媒にウレタン樹脂とPSIを所望の組成比で添加混
合する方法などが採用される。後述する任意の配合成分
を本発明のウレタン樹脂組成物に配合する場合には、P
SIと一緒に配合して混合することが好ましい。PSI
の配合量は、通常はウレタン樹脂100重量部に対して
0.3〜90重量部であるが、その使用目的、適用する
成形物に応じて、最適な配合量は細分化される。例え
ば、成形物が合成皮革、防水布等の柔軟性が要求される
成形物においては0.3〜50重量部、好ましくは1〜
40重量部である。上記範囲未満では表面感触、滑性向
上の効果が十分でなく、上記範囲を超えると柔軟性が低
下するので好ましくない。一方、家庭用電気製品、自動
車のインストールメントパネル、床材1等の硬質表面に
適用する場合には、0.3から90重量部、好ましくは
1〜80重量部と配合量を多くすることができる。
【0021】本発明のウレタン樹脂組成物には以上説明
したウレタン樹脂及びPSI以外に通常のウレタン樹脂
に配合する添加剤を配合することができる。例えば、接
着性を向上させるための硬化剤、耐光性を向上させる紫
外線吸収剤、酸化防止剤、着色の目的で着色剤、PSI
以外の滑性向上剤等が挙げられる。硬化剤としてはイソ
シアネート系硬化剤等が挙げられる。具体的にはトリレ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート
またはイソホロンジイソシアネートの3量体を主体とす
るポリイソシアネート、前記イソシアネートモノマーと
トリメチロールプロパンまたはグリセリン等との反応
物、ポリイソシアネートとフェノール類またはメチルエ
チルケトオキシムとを反応させたブロックタイプのイソ
シアネート系硬化剤等が挙げられる。該イソシアネート
系硬化剤の使用量は合成皮革、防水布等の柔軟性の要求
される成形物ではウレタン樹脂に対して0.1〜20重
量%、好ましくは0.5〜15重量%である。使用量が
少なければ接着性の向上効果が少なく、多ければ、被覆
物が硬くなり過ぎる。また、家庭用電気製品、自動車用
インストールメントパネル等の硬質表面にコーティング
する場合には0.1〜40重量%、好ましくは2〜30
重量%である。
【0022】[II]被覆成形物 (1)被覆方法 次に本発明のウレタン樹脂組成物による成形物の被覆方
法について、説明する。被覆方法については、特に限定
されるものではなく、被塗布物である成形物の形状、物
性に応じた公知の方法が適用可能であるが、代表例につ
いて説明する。例えば、成形物が帯状物である場合に
は、ナイフコーター、ロールコーター、バーコーター等
の塗布方式が特に好ましい。成形物が板状、箱状、曲面
状の場合には、浸漬法、スプレー法が好ましい。
【0023】(2)成形物 ウレタン樹脂組成物による被覆が施される成形物として
は特に限定されるものではないが、例えば、繊維基材、
合成皮革、防水布、樹脂成形品などが挙げられる。繊維
基材としては、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミ
ド繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル
繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリビニル系繊維等
の合成繊維;更にはトリアセテート等の半合成繊維;あ
るいはナイロン6/木綿、ポリエチレンテレフタレート
/木綿等の混紡繊維等から構成される織物、編物、不織
布等を挙げることができる。合成皮革としては、ポリウ
レタン、ポリ塩化ビニル、ポリアミノ酸ウレタン等で構
成されたもの等が挙げられる。防水布は前記繊維基材に
防水加工を施したもの等が挙げられる。樹脂成形品とし
ては家庭用電気製品や自動車内外装品に使用されるAB
S、ポリオレフィン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げら
れる。なお、これら成形物の表面に被覆される本発明の
ウレタン樹脂組成物の量は、用途により、相違するが、
例えば、合成皮革においては1〜500g/m2程度で
あり、防水布においては1〜200g/m2程度であ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例、および比較例により
更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えな
い限りこれらの実施例に限定されるものではない。 [被覆成形物の評価方法] 1.表面感触(指触性) 手で触感テストを行い、以下の4段階で評価した。 ◎ 粘着性がなく、ソフトである。 ○ 少し粘着性があるが、ソフトである。 △ やや粘着性がある。 × 粘着性がある。 2.表面滑性 コーティング面を合わせて擦った時の滑り性を以下の4
段階で評価した。 ◎ 膜面同士がスムースに滑る。 ○ 膜面同士にやや抵抗があるが滑る。 △ 膜面同士が滑りにくい。 × 膜面同士が滑らない。 3.透湿度 JIS Z−208に準拠して測定した。 4.耐水圧 JIS L−1092に準拠して測定した。
【0025】[合成例]a−1)ウレタン樹脂溶液(A)の製造 1,6−ヘキサンポリカーボネートジオール(OH価5
6.7)197.9g、ポリテトラメチレンエーテルグ
リコール(OH価57.0)196.8g及びエチレン
グリコール24.8gを溶融混合し、これにジメチルホ
ルムアミド(以下、DMFと略記することがある)12
71gを加えて溶解した後、60℃に保持して、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MD
Iと略記することがある)142.4g加え、70℃で
3時間反応させた。その後該反応物にMDI 10.6
gを加え、粘度55,000cp/25℃のウレタン樹
脂溶液(A)を得た。
【0026】a−2)ウレタン樹脂溶液(B)の製造 イソホロンジイソシアネート88.8gに、ポリカプロ
ラクトングリコール(OH価56.5)198.6gと
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(OH価57)
196.8gを混合して加え、窒素気流下60〜120
℃で8時間撹拌して反応させた。得られた末端イソシア
ネート基を有するプレポリマーをDMF484.2gに
溶解し、50重量%の溶液とした。次にイソホロンジア
ミン34gをDMF725gに溶解し、プレポリマー溶
液(50重量%)を滴下し、反応させて、粘度53,0
00cps/25℃のウレタン樹脂溶液(B)を得た。
【0027】a−3)ウレタン樹脂溶液(C)の製造 ポリブチレンアジペート(OH価57.2)196.1
6gとポリテトラメチレンエーテルグリコール(OH価
57)196.84g及びエチレングリコール18.6
gとをDMF1310gに溶解した後、60℃に保持し
て、MDI 142.4gを加え、70℃で3時間反応
させた。その後、MDI 46gを加え粘度62,000
cps/25℃のポリウレタン樹脂溶液(C)を得た。
【0028】b−1)ポリスクシンイミド(A)の製造 冷却器、温度計、撹拌機及び水分離器を備えた500m
lの四つ口フラスコ内に、L−アスパラギン酸200g
を仕込んだ。続いて、減圧下(10hP)、内温が20
0℃になるように、マントルヒーターで6時間加熱して
重縮合反応を行い、茶褐色のポリスクシンイミド(A)
123.7gを得た。該ポリスクシンイミドの重量平均
分子量は4,900であり、L−アスパラギン酸のポリ
マーへの転化率は99.7%であった。なお、重量平均
分子量は東ソー社製TSKgel GMHHR−Mカラ
ムとTSKgel G2000HHRカラムを用い、溶
離液に10mM(ミリモル)LiBrのDMF溶液を用い
たGPCクロマトグラフ(示差屈折計)により得られた
ポリスチレン換算値である。また、転化率は反応生成物
中のアスパラギン酸の含有率を液体クロマトグラフによ
り測定して求めた。
【0029】b−2)ポリスクシンイミド(B)の製造 窒素ガス雰囲気下、L−アスパラギン酸5kgと85%
リン酸500gとをスーパーミキサー(カワタ社製)で
5分間混合し、リン酸を分散させた。重縮合反応は、K
RCニーダ(栗本鉄工所社製、50φ×661.5L、
L/D=13.2)を用い、熱媒を260℃、スクリュ
ーの回転数を30rpmとし、吐出量が1kg/hr
(平均滞留時間16分間)になるように設定し、上記L
−アスパラギン酸とリン酸の混合物を供給して反応を行
い、茶褐色の粉末を得た。このポリスクシンイミド
(B)の重量平均分子量は17,000であり、転化率
は99.9%であった。
【0030】実施例1、比較例1及び2 (組成物の調製および合成皮革への適用)上記a−1で
得たウレタン樹脂溶液(A)100重量部に、b−1で
得たPSI(A)5重量部を加えて、淡褐色の溶液
(9,400cps/25℃)を得た。上記溶液100
重量部にDMF100重量部を加えて混合した後、ナイ
ロン織物の起毛布に0.8kg/m2で塗布し、20℃
に保持したDMF6重量%水溶液に入れ、浸漬凝固させ
た後、20℃の水で十分脱溶媒し、絞りをかけた後、1
20℃で10分間熱風乾燥した。得られた皮膜は粘着性
がなく、天然皮革調であり、表面滑性も優れていた。比
較のため、PSI(A)を加えない場合(比較例1)、
PSIのかわりに表面改質剤のコラーゲン(トリアゼッ
ト 昭和電工社製)を同量加えた場合(比較例2)を行
い、その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2、比較例3及び4 (組成物の調製および合成皮革への適用)上記a−1で
得たウレタン樹脂溶液(A)100重量部にDMF10
0重量部を加えて混合した後、ナイロン織物の起毛布に
0.8kg/m2で塗布し、20℃に保持したDMF6
重量%水溶液に入れ、浸漬凝固させた後、直ちに20℃
の水で浸漬と絞りを7回繰り返した後、120℃で10
分間熱風乾燥して、ベースコート品を得た。次にa−2
で得たウレタン樹脂溶液B100重量部にDMF100
重量部を加えて混合後、カーボンブラックを重量比で2
0重量%練り込んだPSI(B)10重量部を加えて塗
布液を調整した。該塗布液を離型紙上に塗布膜厚70μ
mとなるように塗布し、120℃で3分間乾燥した。次
いでその皮膜上に、接着剤[「クロロボン N−18
4」(大日本インキ化学工業社製)100重量部に架橋
剤「NY730S」(三菱化学社製)5重量部を加えて
トルエン/エチルアセテート70重量部とメチルエチル
ケトン30重量部で希釈したもの]を塗り、60℃、1
分間乾燥し、上記ベースコート品と貼り合わせ、120
℃、2分間熱風乾燥し、合成皮革を製造した。比較のた
め、PSI(B)を加えない場合(比較例3)、PSI
(B)のかわりにコラーゲン(「トリアゼット」昭和電
工社製)を同量加えた場合(比較例4)を行い、その結
果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3、比較例5、6 (組成物の調製および透湿性防水布への適用)ウレタン
樹脂溶液(C)100重量部にPSI(A)2重量部、
DMF20重量部加えて混合した後、撥水剤「アサヒガ
ードLS317」(旭硝子社製)で処理したナイロン織
布に、0.8kg/m2で塗布し、20℃に保持した水
に入れ、浸漬凝固させた後、50℃の温水で十分脱溶媒
し、絞りをかけた後、120℃で10分間熱風乾燥し
た。次いで撥水剤「アサヒガードAG710」(旭硝子
社製)5重量部、イソプロピルアルコール5重量部及び
水90重量部の混合液に浸漬して、絞りをかけ、120
℃で10分間乾燥後、150℃、1分間熱風乾燥し、透
湿性防水布を得た。比較のため、PSI(A)を加えな
い場合(比較例5)、PSI(A)のかわりにコラーゲ
ン(「トリアゼット」昭和電工社製)を同量加えた場合
(比較例6)を行い、その結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明のウレタン樹脂組成物は、従来の
ウレタン樹脂組成物よりも、表面感触(指触性)と表面
滑性に優れた被覆を得ることができ、透湿性、防水性に
もすぐれているため、種々の成形物の被覆に適用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06N 3/14 102 D06N 3/14 102 //(C08L 75/04 79:08)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウレタン樹脂100重量部に対して、
    0.3〜90重量部のポリスクシンイミドを含有するこ
    とを特徴とするウレタン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成形物の表面に請求項1記載のウレタン
    樹脂組成物が被覆されていることを特徴とする被覆成形
    物。
  3. 【請求項3】 成形物が繊維基材である請求項2記載の
    被覆成形物。
  4. 【請求項4】 成形物が合成皮革である請求項2記載の
    被覆成形物。
  5. 【請求項5】 成形物が防水布である請求項2記載の被
    覆成形物。
  6. 【請求項6】 成形物が合成樹脂成形品である請求項2
    記載の被覆成形物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100353869B1 (ko) * 2000-08-05 2002-09-27 한화종합화학 주식회사 직물을 포함하는 바닥장식재 및 이의 제조방법
JP2012158724A (ja) * 2011-02-02 2012-08-23 Fuji Xerox Co Ltd 樹脂材料、無端ベルト、ロール、画像定着装置、および画像形成装置
JP2012255244A (ja) * 2011-05-16 2012-12-27 Takemoto Oil & Fat Co Ltd 塗布型弾性繊維用処理剤、弾性繊維の処理方法及び弾性繊維

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