JP2024020871A - 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性に優れ、耐熱クリープ性、経時安定性、耐層間剥離性、耐摩耗性、及び耐アルコール性が良好な湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を提供する。【解決手段】少なくとも脂肪族ジイソシアネート変性体を含むポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応から得られ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、架橋剤とを含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤であって、前記ポリオール成分が3官能以上の多官能ポリオールを含み、該3官能以上の多官能ポリオールの含有量を前記ポリオール成分中8質量%以下含み、前記架橋剤が非芳香族系イソシアネート化合物を含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤である【選択図】なし

Description

本発明は、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤に関する。
湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は常温固体の無溶剤接着剤であり、加熱溶融して基材に塗工し、他の基材を貼り合わせた後、湿気により硬化する接着剤である。溶剤を用いないため環境に配慮した接着剤であるが、耐光性のある無黄変型のポリウレタンホットメルト樹脂は、接着剤に残留する原料イソシアネートに起因する臭気の問題がある。
この問題を解決するため、特許文献1は、特定の製造方法で製造されたアロファネート基含有ポリイソシアネートを用いることにより、貯蔵安定性や耐候性等が良好であり、特に接着作業時の臭気の少ない無溶剤系湿気硬化接着剤を開示している。
また、特許文献2は、残存モノマー含有量の低減が図られ且つ硬化物の発泡が抑止された湿気硬化型ポリウレタンプレポリマーの製造方法を開示する。
特開2003-201460号公報 特許第5853295号公報
しかし、特許文献1では、耐熱クリープ性が十分ではなく、主に合成擬革用途の接着剤としては性能が不十分であった。このように、耐熱クリープ性が乏しいと、例えば、靴の後加工時においては、ソールとアッパーとの接着を荷重3kg、150~160℃の条件で、衣類の加工時には、シームテープでの貼り合わせを160~170℃の条件などで行う必要があることから、合皮が剥がれやすい問題がある。
また、特許文献2では、耐熱クリープ性のみならず、加工性(例えば、初期固化性)も低いという問題があった。
従って、本発明は、耐光性に優れ、耐熱クリープ性、経時安定性、耐層間剥離性、耐摩耗性、及び耐アルコール性が良好な湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を提供することを目的とする。
上記の課題は、下記の本発明によって達成される。すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 少なくとも脂肪族ジイソシアネート変性体を含むポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応から得られ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、架橋剤とを含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤であって、前記ポリオール成分が3官能以上の多官能ポリオールを含み、該3官能以上の多官能ポリオールの含有量は前記ポリオール成分中8質量%以下であり、前記架橋剤が非芳香族系イソシアネート化合物を含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[2] 前記非芳香族系イソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネート変性体である[1]に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[3] 前記架橋剤を前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して0.5~10質量部含む[1]又は[2]に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[4]
前記ポリイソシアネート成分におけるイソシアネート基の平均官能基数が2.0~3.0である[1]~[3]のいずれか1つに記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[5] 前記脂肪族ジイソシアネート変性体がアロファネート型ジイソシアネートを含む[1]~[4]のいずれか1つに記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[6] 前記脂肪族ジイソシアネート変性体がジオールのジイソシアネートアダクト体を含む[1]~[5]のいずれか1つに記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[7] 前記脂肪族ジイソシアネート変性体がヌレート型ポリイソシアネートを含む[1]~[6]に記載のいずれか1つに記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[8] 前記ヌレート型ポリイソシアネートを、前記ポリイソシアネート成分中10~37モル%含む[7]に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[9] 硬化後の熱軟化点が175℃以上である[1]~[8]のいずれか1つに記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
[10] 硬化後の25℃における破断伸度が300~1,000%である[1]~[9]のいずれか1つに記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
本発明によれば、耐光性に優れ、耐熱クリープ性、経時安定性、耐層間剥離性、耐摩耗性、及び耐アルコール性が良好な湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を提供することができる。
実施例の評価で使用した試料の形態を説明する模式的な説明図である。 実施例の評価で使用したギアオーブンの形態を説明する説明図である。
本発明の一実施形態(本実施形態)に係る湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、少なくとも脂肪族ジイソシアネート変性体を含むポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応から得られ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、架橋剤とを含む。
当該ウレタンプレポリマーは、上記ポリイソシアネート成分と上記ポリオール成分とが反応した反応生成物であり、当該反応の際に他の成分が含まれていてもよい。
本実施形態では、後述するような特定の脂肪族ジイソシアネート変性体を使用することで、耐光性に優れ、かつ3官能以上の多官能ポリオールの導入、及び、架橋剤の含有により、優れた種々の特性(耐熱クリープ性、経時安定性、耐層間剥離性、耐摩耗性、及び耐アルコール性等)を有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を提供できることを見出した。
以下、本実施形態に係る湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤について詳細に説明する。
(ポリイソシアネート成分)
既述のとおり、本実施形態では、ポリイソシアネート成分として、脂肪族ジイソシアネート変性体を含む。脂肪族ジイソシアネート変性体を含むことで、良好な耐光性と臭気低減を図ることができる。
本実施形態における脂肪族ジイソシアネート変性体とは、脂肪族ジイソシアネートのイソシアヌレート体(ヌレート型ポリイソシアネート:例えば、旭化成(株)製「TKA100」、三井化学(株)製「D376N」、Vencolex社製「IDT-70B」などをさす)、脂肪族ジイソシアネートのアロファネート体(アロファネート型ジイソシアネート:例えば、旭化成(株)製「A201H」、東ソー(株)製「C-2770」などをさす)、脂肪族ジイソシアネートのビウレット体(ビウレット型ジイソシアネート:例えば、旭化成(株)製「24A-100」などをさす)、又は、脂肪族ジイソシアネートとポリオールとのアダクト体(アダクト型ジイソシアネート:例えば、旭化成(株)製「D201」、三井化学(株)製「D-160N」などのジオールのジイソシアネートアダクト体をさす)を意味する。
本実施形態では、脂肪族ジイソシアネート変性体として、アロファネート型ジイソシアネート単独、又は少なくともアロファネート型ジイソシアネートを含むことが実用的な観点から好ましい。
脂肪族ジイソシアネート変性体の原料成分である脂肪族ジイソシアネートとしては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートが挙げられる。
なお、本発明の効果に問題ない範囲で、変性していないポリイソシアネートを併用できる。
ここで、イソシアヌレート体は、ジイソシアネートの3量体である。アロファネート体は、ジイソシアネートとアルコールとの反応により形成されたウレタン基にジイソシアネートを付加させることにより得られる。ビュレット体は、ジイソシアネートと水またはアミンとの反応により形成されたウレア基にジイソシアネートを付加させることにより得られる。アダクト体は、ジイソアネートを多価アルコールに付加させることにより得られる。
本実施形態において、ポリイソシアネート成分におけるイソシアネート基の平均官能基数は2.0~3.0であることが好ましく、2.0~2.8であることがより好ましく、2.0~2.4であることがさらに好ましい。平均官能基数が2.0以上であることで、硬化後に十分な皮膜物性が発現させやすくなる。また、3.0以下であることで、経時安定性をより向上させたり、合成擬革用途とした場合にレザーの風合い、耐寒屈曲性若しくは柔軟性を向上させたりすることができる。
上記ポリイソシアネート成分におけるイソシアネート基の平均官能基数とは、1種類の脂肪族ジイソシアネート変性体を用いた場合はそのイソシアネート官能基数を表し、複数の脂肪族ジイソシアネート変性体を用いた場合は各脂肪族ジイソシアネート変性体の官能基数にポリイソシアネート成分中のモル比率(モル%)を乗じた数の合計を表す。
例えば、2官能の脂肪族ジイソシアネート変性体50モル%と3官能の脂肪族ジイソシアネート変性体50モル%を組み合わせた場合、平均官能基数は、
2×0.5+3×0.5=2.5となる。なお、計算結果が小数第二位以下の数値を含む場合、小数第二位を四捨五入する。
本実施形態に係る脂肪族ジイソシアネート変性体の好ましい態様としては、脂肪族ジイソシアネート変性体に起因する効果をより確実に発揮させる観点から、下記のいずれかの組み合わせを含むことがより好ましい。
(1)アロファネート型ジイソシアネートとアダクト型ジイソシアネート(特に、ジオールのジイソシアネートアダクト体)との組み合わせ
(2)2種以上の構造の異なるアロファネート型ジイソシアネートの組み合わせ
(3)アロファネート型ジイソシアネート及び/又はアダクト型ジイソシアネート(特に、ジオールのジイソシアネートアダクト体)と、ヌレート型ポリイソシアネートとの組み合わせ
上記の(1)と(2)の組み合わせの場合、すなわち、アロファネート型ジイソシアネート(例えば、既述の「A201H」、「C-2770」など)とアダクト型ジイソシアネート(特に、ジオールのジイソシアネートアダクト体、例えば、既述の「D201」など)とを組み合わせる場合、あるいは、2種以上の構造の異なるアロファネート型ジイソシアネートを含む(例えば、既述の「A201H」と「C-2770」とを組み合わせる)場合には、30:70~70:30(ポリイソシアネート成分の配合比率=モル比)が好ましく、より好ましくは、60:40~40:60(モル比)である。
また、上記の(3)の組み合わせの場合、すなわち、アロファネート型ジイソシアネート及び/又はアダクト型ジイソシアネート(特に、ジオールのジイソシアネートアダクト体)に、ヌレート型ポリイソシアネート(例えば、既述の「TKA100」、「D376N」など)を組み合わせる場合は、ヌレート型ポリイソシアネートは、全ポリイソシアネート成分中10~37モル%とすることが好ましく、15~32モル%とすることがより好ましい。ヌレート型ポリイソシアネートの配合比率が10~37モル%であることで、所望のレザー風合いや耐寒屈曲性が得られやすくなる。
なお、ヌレート型ポリイソシアネートとしては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートや1,5-ペンタメチレンジイソシアネートを用いたものが挙げられるが、低粘度で良好なハンドリング性や加工適性を得られること、架橋密度が上がり高耐久性が得られることを考慮すると、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートのヌレート型ポリイソシアネートが好ましい。
なお、本発明の効果に問題ない範囲で変性していないポリイソシアネートを併用できるが、全ポリイソシアネート成分中、脂肪族ジイソシアネート変性体の割合は、95モル%以上であることが好ましく、98モル%であることがより好ましい。95モル%以上であることで、脂肪族ジイソシアネート変性体に起因する効果(特に、臭気低減効果)をより確実に発揮させることができる。
(ポリオール成分)
既述のとおりポリオール成分は、3官能以上の多官能ポリオールを含む。3官能以上の多官能ポリオールは、経時安定性や、レザーの風合い及び柔軟性を考慮すると、当該ポリオール成分中に8質量%以下含むことが好ましい。3官能以上の多官能ポリオールを含むことで、合成擬革用途の接着剤として必要とされる十分な耐熱クリープ性が得られる。十分な耐熱クリープ性をより高める観点から、3官能以上の多官能ポリオールは、0.4~8質量%含むことが好ましく、1~6質量%含むことがより好ましく、1.5~4質量%含むことがさらに好ましい。
前述したような脂肪族ジイソシアネート変性体を適切な比率で配合したポリイソシアネート成分の組み合わせ(1)~(3)のいずれかに、ポリオール成分として3官能以上のものを特定量配合することで、熱軟化点が向上する作用が良好に発現する結果、耐熱クリープ性と風合い(耐寒屈曲性)とを兼ね備えた接着剤を得ることができる。
3官能以上の多官能ポリオールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,5-ヘキサントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ポリエチレントリオール、ポリプロピレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシエチレンプロピレントリオール等が挙げられる。
なかでも、良好なゲル分率若しくは耐熱クリープ性の観点から、トリメチロールプロパン、ポリオキシプロピレントリオールが好ましく、更に好ましくはトリメチロールプロパンである。
良好な耐熱クリープ性、ゲル分率などの観点から、多官能ポリオールの数平均分子量は100~1000であることが好ましく、100~200であることがより好ましい。
数平均分子量が100~1000であることで良好な合成安定性を維持し、期待した効果が得られやすくなる。
3官能以上の多官能ポリオール以外のポリオールとしてはポリウレタンに使用される2官能ポリオールであり、例としてポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリメタクリレートジオール、ポリシロキサンポリオール等が挙げられる。
なお2官能ポリオールとしては、数平均分子量が500~6000であることが好ましく、700~4000であることがより好ましく、例えば、以下のものが挙げられる。
(1)ポリカーボネートポリオール
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリネオペンチルカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、及びこれらのランダム/ブロック共重合体などが挙げられる。
(2)ポリエーテルポリオール
ポリエーテルポリオールとしては、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)および複素環式エーテル(テトラヒドロフランなど)のいずれかを重合または共重合して得られるものが挙げられる。具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリテトラメチレングリコール(ブロックまたはランダム)、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびポリヘキサメチレングリコールなどが挙げられる。
(3)ポリエステルポリオール
ポリエステルポリオールとしては、脂肪族系ジカルボン酸類(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアゼライン酸など)、及び芳香族系ジカルボン酸(例えば、イソフタル酸およびテレフタル酸など)の少なくともいずれかと、低分子量グリコール類(例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,6-ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコールおよび1,4-ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンなど)と、を縮重合したものが挙げられる。
具体的にはポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ-3-メチルペンタンアジペートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリヘキサメチレンセバケートジオールおよびポリブチレンイソフタレートジオールなどが挙げられる。
(4)ポリラクトンポリオール
ポリラクトンポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール及びポリ-3-メチルバレロラクトンジオールなどが挙げられる。
(5)ポリオレフィンポリオール
ポリオレフィンポリオールとしては、ポリブタジエングリコールおよびポリイソプレングリコール、または、その水素化物などが挙げられる。
(6)ポリメタクリレートジオール
ポリメタクリレートジオールとしては、α,ω-ポリメチルメタクリレートジオールおよびα,ω-ポリブチルメタクリレートジオールなどが挙げられる。
(7)ポリシロキサンポリオール
ポリシロキサンポリオールとしてジメチルポリシロキサンが好ましい。滑性を付与することができるため、特に塗工剤として使用する場合に有用である。
これらのポリオールは単独或いは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
なお、本明細書において「数平均分子量」は、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)であり、通常ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の測定により求めることができる。
本実施形態に係る湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、少なくとも既述の脂肪族ジイソシアネート変性体を含むポリイソシアネート成分と既述のポリオール成分との反応から得られる、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを含むものであるが、当該ウレタンプレポリマーは、具体的には、これらポリイソシアネート成分とポリオール成分と、必要により鎖伸長剤等とを、イソシアネート基と水酸基との当量比(NCO/OH)が1.5~2.0となる配合で、ワンショット法、又は多段法により、40~150℃(好ましくは60~110℃)で、反応生成物が理論NCO%となるまで反応させることで製造することができる。
上記のとおり、イソシアネート成分のイソシアネート基とポリオール成分の水酸基の当量比(NCO/OH)は1.5~2.0であることが好ましく1.3~2.2であることがより好ましい。当量比(NCO/OH)が1.5~2.0であることで、ゲル物が生じなく、加工に適した粘度にすることができる。
また、鎖伸長剤としては、短鎖ジオール及び短鎖ジアミン等が挙げられる。
短鎖ジオールとしては、数平均分子量が500未満の化合物であり、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,6-ヘキサメチレングリコールおよびネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、1,4-ビスヒドロキシメチルシクロヘキサンおよび2-メチル-1,1-シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式系グリコール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、キシリレングリコールなどの芳香族グリコール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、ビスフェノールA、チオビスフェノールおよびスルホンビスフェノールなどのビスフェノール類およびそのアルキレンオキサイド低モル付加物(数平均分子量500未満)、およびC1~C18のアルキルジエタノールアミンなどのアルキルジアルカノールアミン類などの化合物が挙げられる。また、カルボキシル基、スルホ基、燐酸基、アミノ基などのイオン性基を含むジオールを使用することができる。
短鎖ジアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびオクタメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミン化合物、フェニレンジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-メチレンビス(フェニルアミン)、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルおよび4,4’-ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ジアミン化合物、シクロペンタンジアミン、シクロヘキシルジアミン、4,4-ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4-ジアミノシクロヘキサンおよびイソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン化合物、ヒドラジン、カルボジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのヒドラジン類などが挙げられる。
また、上記製造方法においては、必要に応じて触媒を使用できる。例えば、ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート、スタナスオクトエート、オクチル酸鉛、テトラn-ブチルチタネートなどの金属と有機および無機酸の塩、および有機金属誘導体、トリエチルアミンなどの有機アミン、ジアザビシクロウンデセン系触媒などが挙げられる。
本実施形態に係るウレタンプレポリマーは、有機溶媒を使用しない無溶剤で反応させることが好ましい。これにより、無溶剤ウレタンプレポリマーとすることができる。
本実施形態に係る樹脂成分(ウレタンプレポリマーを含み、架橋剤を含まない場合)のNCO%(イソシアネート基の含有量)は、加工性、レザーの風合いの観点から、2~4%であることが好ましく、2.5~3.7%であることがより好ましい。
なお、NCO%は計算によって得られる理論値であり、下記式により求めることができる。
NCO%(理論値)=[(イソシアネートの配合量)×(イソシアネートのNCO%)×(1-NCO/OH)/(NCO/OH)]/[イソシアネートの配合量+ポリオールの配合量+添加剤の配合量]
本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、既述のウレタンプレポリマーを90質量%以上含むことが好ましい。
ここで、本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、既述のとおり、イソシアネート系架橋剤を含む。イソシアネート系架橋剤を含むことで、イソシアネート系架橋剤を含まない場合に比べて、当該接着剤による被着材同士の層間剥離を防いだり、硬化皮膜物性破断強度の向上に伴い接着強度の底上げが図れたり、硬化皮膜物性熱軟化温度の向上に伴い耐熱性の向上が図れたりすることができる。
イソシアネート系架橋剤を含有させる場合、本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤における、当該イソシアネート系架橋剤の含有量は、既述のウレタンプレポリマー100質量部に対して0.5~10質量部であることが好ましく、1~7質量部であることがより好ましく、1.5~5質量部であることがさらに好ましい。0.5~10質量部であることで、耐層間剥離性をはじめとした種々の物性を向上させることができる。
上記イソシアネート系架橋剤としては、アリール基及びアリーレン基を含まない非芳香族系イソシアネート化合物を含み、非芳香族系イソシアネート化合物であることが好ましい。言い換えれば、芳香族系イソシアネート化合物を実質的に含有しない(好ましくは0質量%)。芳香族系イソシアネート化合物を実質的に含有しないことで、耐光性能やポットライフに悪影響を及ぼすことなく層間剥離性を向上することができる。
非芳香族系イソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネート変性体であることが好ましく、具体的には、既述の脂肪族ジイソシアネート変性体等が挙げられる。
なお、既述のウレタンプレポリマーに係る脂肪族ジイソシアネート変性体と本実施形態に係るイソシアネート系架橋剤とは、同一でも異なっていてもよい。
本実施形態に係る樹脂成分(ウレタンプレポリマーと架橋剤を含む場合)のNCO%(イソシアネート基の含有量)は、加工性、レザーの風合いの観点から、2.5~4.3%であることが好ましく、3.0~4.0%であることがより好ましく、さらに好ましくは3.2~4.0%である。
なお、ウレタンプレポリマーと架橋剤を含む場合のNCO%は計算によって得られる理論値であり、下記式により求めることができる。
NCO%(理論値)=[(ウレタンプレポリマーのNCO%)×(ウレタンプレポリマーの量)+(架橋剤のNCO%)×(架橋剤の量)]/[(ウレタンプレポリマーの量+架橋剤の量)]
イソシアネート系架橋剤を含有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、既述のウレタンプレポリマーを作製した後に、イソシアネート系架橋剤を所定量添加し撹拌等によって混合して作製することができる。
また、本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤においては、必要に応じて、熱可塑性ポリマー、粘着付与樹脂、触媒、顔料、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、難燃剤、充填剤、発泡剤等を適量配合してもよい。
ここで、光安定剤としては、種々ものが使用できるが、ヒンダードアミン系光安定剤等が好ましく挙げられる。
前述したような本発明のウレタンプレポリマーに対し、ヒンダードアミン系光安定剤を特定量添加すると、ゲル分率の向上、養生時間の短縮などの優れた効果が得られる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、(混合2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル/トリデシル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、(混合1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル/トリデシル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ〔4.5〕デカン-2,4-ジオン等を用いることができる。なかでも、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)が好ましい。
なお、これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は合成擬革用、すなわち、合成擬革用接着剤であることが好ましい。
本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は、被着体表面に塗布することにより被着体同士を容易に接着させることができる。被着体としては、上記の合成擬革用の基材以外に例えば、金属、非金属(ポリカーボネート、ガラス等)の基材が挙げられる。
ここで、本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤のゲル分率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
ゲル分率が85%以上であると、耐熱クリープ性、耐アルコール性、加工性(硬化速度)を向上させることができる。ゲル分率を高めるには、例えば、ウレタンプレポリマーへ、既述のヒンダードアミン系光安定剤を添加することができる。その添加量は、所望の効果(高いゲル分率、養生時間短縮化など)を得る観点から、ウレタンプレポリマーに対して0.2~1.0質量%が好ましく、0.2~0.5質量%がより好ましい。ゲル分率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の硬化後の熱軟化点(熱硬化温度)は175℃以上であることが好ましく、185~220℃であることがより好ましい。
硬化後の熱軟化点が175℃以上であると、耐熱クリープ性、耐候性、耐熱性、耐工業洗濯性が向上する。耐候性、耐熱性が向上することにより車輛用外装部材の接着剤として使用可能であり、耐工業洗濯性が向上することにより高温滅菌を必要とする衛生資材に使用可能となる。
熱軟化点は、実施例に記載の方法により測定することができる。なお、本明細書において、熱軟化点や後述の破断伸度は熱硬化後に測定するが、この硬化後とはIR測定によりNCOの消失が確認された後を意味する。
本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の硬化後の25℃における破断伸度は300~1000%であることが好ましく、400~800%であることがより好ましい。破断伸度が300%以上であると合成皮革にした場合、屈曲性を良好にすることができる。破断伸度が1,000%以下であると、耐熱クリープ性及び接着強度の低下が抑えられ、接着剤としての良好な機能が発揮されやすくなる。
破断伸度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、以下にある「部」は質量部、「%」は質量%を示す。表中、(カッコ書きの数字)は、「ポリイソシアネート成分におけるモル比(モル%)」を示す。
使用した材料は下記のとおりである。
(1)ポリエステルポリオール
・TPEP85:アジピン酸/1,4-ブタンジオール(60/40mol%)、数平均分子量2000、台精化学製
(2)ポリエーテルポリオール
・PTMG1000:数平均分子量1000、三菱ケミカル(株)製
(3)3官能ポリオール
・T-700:ポリオキシプロピレントリオール、数平均分子量700、三井化学(株)製
・TMP:トリメチロールプロパン、数平均分子量134、三菱ガス化学(株)製
(4)ポリイソシアネート成分
・A201H:デュラネートA201H、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート変性体でアロファネート型ジイソシアネート、重量平均分子量488.4、NCO%=17.2、旭化成(株)製
・D201:デュラネートD201、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート変性体でジオールのジイソシアネートアダクト体、重量平均分子量558.2、NCO%=15.9、旭化成(株)製
・C-2770:ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート型ジイソシアネート、重量平均分子量437.5、東ソー(株)製
なお、上記「A201H」と「C-2770」とは、いずれもヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート型ジイソシアネートだが、重量平均分子量、構造などにおいて互いに相違する。
(5)架橋剤(イソシアネート系架橋剤)
・TKA100:非芳香族系イソシアネート化合物、旭化成(株)製
・24A-100:非芳香族系イソシアネート化合物、旭化成(株)製
・D-376N:非芳香族系イソシアネート化合物、三井化学(株)製
・Tolonate IDT-70B:非芳香族系イソシアネート化合物、Vencolex社製
・D-160N:非芳香族系イソシアネート化合物、三井化学(株)製
・ミリオネートMR-110:芳香族系イソシアネート化合物、東ソー(株)製
・タケネートD-103H:芳香族系イソシアネート化合物、三井化学製
[実施例1]
撹拌機、温度計、ガス導入口等を付与したガラス製反応容器に、ポリオール成分として、ポリエステルポリオール(TPEP85)55部、ポリエーテルポリオール(PTMG1000)45部、及び、3官能以上の多官能ポリオール(T-700)3.0部と、ポリイソシアネート成分として、デュラネートA201Hを30部、及び、デュラネートD201を30部とを混合し、反応容器内を加熱減圧して脱水処理を行い、更に窒素ガスを封入して内温を110℃とした状態で120分間撹拌して反応させ、NCO/OH=1.7のウレタンプレポリマーを得た。次いで、得られたウレタンプレポリマー100部に対して2.0部(対樹脂2%)となるように、TKA-100(HDIヌレート体)を加え、30分間攪拌を行い、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を作製した。
[実施例2~20、比較例1~7]
ポリオール成分、ポリイソシアネート成分、架橋剤等の種類や配合を下記表1~3に示すようにした変更した以外は実施例1と同様にして湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を作製した。
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を用いて下記の評価を行った。結果を表1~3に示す。
[樹脂物性]
(評価用フィルムの作製)
各例の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を100℃で溶融し、塗布後の膜厚が50~70μmとなるように離型紙上に塗工した。その後、熟成工程として温度40℃、相対湿度60%の環境下で60時間熟成、更に室温(20℃)で1日保管して離型紙付きの評価用フィルムを得た。
この評価用フィルムは、樹脂物性を評価するために用いる。
<20%モジュラス、100%モジュラス、300%モジュラス、破断強度及び破断伸度>
離型紙を剥がして得られた評価用フィルムについて、JIS3に準じてダンベル状試験片を打ち抜き、島津製作所製オートグラフAGS-Jを用いて、JIS K-6251に準拠した測定方法によって、室温(25℃)における20%モジュラス、100%モジュラス、300%モジュラス(ML(MPa))、破断強度(MPa)及び破断伸度(%)を測定した。本評価において、破断強度が高いほどフィルムの強度が高いことを示す。また、破断伸度は、合成擬革用の接着剤としては、300~1000%が好ましい。
<熱軟化点>
離型紙を剥がして得られた評価用フィルム(幅1.5cm、長さ6cm)を用いて熱軟化点を測定した。
具体的には、まず図1に示すように、評価用フィルム10の上下にクリップ12を取り付け、セロテープ(登録商標)でさらにクリップ12を固定し、一方のクリップ12に吊り下げたときに450g/cmの荷重がかかるような重り14を取り付けて試料16を作製した。なお、評価用フィルム10の中央部長手方向2cmはセロテープ(登録商標)で覆われていない。
次に、図2に示すように、試料16の重り14が取り付けられていないクリップ12をギアオーブン20の回転盤22に取り付けた。その後、回転盤22を5rpmで回転させながら、室温から3℃/minの速度でギアオーブン20内を昇温した。評価用フィルム10が切断したとき、もしくは2倍に伸長したときの温度(℃)を熱軟化点とした。
本評価において、熱軟化点(熱軟化温度)が高いほど、フィルムとしての耐性(耐熱性)が高いことを示す。
[接着剤の評価]
<耐熱クリープ性>
クリープ試験として、高温状態で試験片に一定の荷重を長時間加え、変形量や破断するまでの時間を測定する試験を行った。具体的には下記1)~8)のようにして行った。
1)試験対象の湿気硬化型PUR-HM樹脂(各例の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤)とコーティング棒を110℃のオーブンに入れて予熱した。
2)湿式成膜布(A)のPU樹脂面にPUR-HM樹脂を200μGap(厚さ200μm)にて塗工し、直ちに湿式成膜布(B)のPU樹脂面と貼り合わせを行った。
なお、湿式成膜布(A)及び湿式成膜布(B)としては、基材として用いる不織布上にDMFを媒体としたポリウレタン樹脂配合液(レザミンCU-4340NS(PU樹脂固形分30%、大日精化工業(株)製)をDMFで固形分15%に希釈した配合液)を塗工し、水槽中で凝固・脱DMFを行った後、乾燥を行うことで得られるもので、基材上に乾燥後の厚みが800~1000μmのポーラス層が形成されている合成擬革を用いた。
3)上記貼り合わせ品を25℃/60%RHで24時間硬化させた後、下記手順で耐熱性を測定した。
4)オーブンを170℃に設定した。また、貼り合わせ品を幅3cm、長さ12cm以上で切り取り、試験片とした。
5)試験片端部を貼り合わせ面で剥離させ、湿式成膜布(A)側と湿式成膜布(B)側にそれぞれクランプを取り付け固定し、片側に3kgの重りを吊るした。
6)170℃のオーブンに入れ試験試料を吊るした後、素早くオーブンのドアを閉めた。
7)ドアを閉めた後、5分間放置した。
8)5分間経過後、直ちに試験片を取り出し、170℃/5分間放置にて剥離した長さ及び剥離状態を観察し下記評価基準にて評価した。なお、〇が合格である。
[評価基準]
◎:剥離なし
○:剥離した長さ2cm未満、剥離状態は基材破壊
△:剥離した長さ2cm以上5cm未満、剥離状態は基材破壊
×:剥離した長さ5cm以上、または湿式PU樹脂層面々剥離
(合成擬革の作製及び評価)
(表皮層の形成)
合成擬革表皮用として、溶剤型ウレタン樹脂であるレザミンNE-8875-30(大日精化工業(株)製)と、合成擬革用着色剤としてセイカセブンBS-780(大日精化工業(株)製)と、希釈溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)及びジメチルホルムアミド(DMF)とを混合し、離型紙上にバーコーターで250μm/wetの塗布量を均一に塗工した後、120℃で5分乾燥させ膜厚40~50μmの表皮層を得た。
(実施例1~20及び比較例1~7に係る合成擬革の作製)
上記離型紙上に形成された表皮層上に、実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を100℃に熱して、塗布膜厚100μmとなるよう塗工し、基布(織物)をラミネートロール温度30℃にて加圧圧着した。熟成工程として温度40℃、相対湿度60%の環境下で5日間熟成した。離型紙から剥離し、湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を使用した評価用合成擬革を作製した。
<耐アルコール性>
樹脂物性を測定した各評価用フィルムから離型紙を剥がして得られた評価用フィルムを50mm×50mmに切り取り、予めシャーレに入れておいた25℃のエタノール中に10分間浸漬させた。10分後、エタノール中から評価用フィルムを取り出し、評価用フィルムの状態を目視にて確認し、以下の評価基準にしたがって、耐アルコール性を評価した。
◎:評価用フィルムの一辺の線膨潤率が120%未満である。
○:評価用フィルムの一辺の線膨潤率が120%以上150%未満である。
△:評価用フィルムの一辺の線膨潤率が150%以上である。
×:評価用フィルムが溶解している。
<耐摩耗性>
実施例1~20及び比較例1~7に係る合成擬革について、直径11.5cmの円形試験片を作製した。この試験片とテーバー摩耗試験機(安田精機製作所社製)を用いて、荷重500g、回転速度60±2rpm、摩耗輪CS-10の条件にて、耐摩耗性試験を行った。そして、以下の評価基準にしたがって、耐摩耗性を評価した。
◎:1500回で傷等の外観の変化なし。
○:1000回で傷等の外観の変化なしで、1500回までに傷等の外観変化有り。
△:500回で傷等の外観の変化なしで、1000回までに傷等の外観変化有り。
×:500回未満で傷等の外観変化あり
<耐光性>
実施例1~20及び比較例1~7に係る合成擬革の試験片にキセノンランプ300-400nmを110W/mとなるようにして、積算光量が40MJ/mとなるようにした。また、ブラックパネル温度は89℃となるようにした。
〇:合成擬革表面が見られない。
×:合成擬革表面が変色している。
<経時安定性:Pot Life>
実施例及び比較例で得られた湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を100℃で溶融し、100℃、24時間の条件下で粘度の経時変化と目視で沈降物を評価した(使用可能レベルは〇)。
〇:沈降物なし、粘度変化が+100%未満である。
×:沈降物あり、粘度変化が+100%以上である。
なお、粘度は下記条件で測定した。
(粘度測定)
BM型粘度計(東京計器製造所)を用い、ローターNo.4/30rpm/100℃の条件で、各湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤の粘度を測定した。
<接着強度>
実施例1~20及び比較例1~7に係る合成擬革の表皮層の上面である樹脂層面に、140℃のアイロンにて1分間ホットメルトテープを圧着、1時間室温冷却した後に、基布と、ホットメルトテープに密着した表皮とを剥離させ、その強度をオートグラフにて測定することで接着強度とした。なお、合成擬革用の接着剤としては、測定値が1.2kgf/cm以上が好ましい。
<層間剥離試験>
1)試験対象の湿気硬化型PUR-HM樹脂(実施例及び比較例の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤)とコーティング棒を110℃のオーブンに入れて予熱した。
2)既述の(合成擬革の作製及び評価)の(表皮層の形成)で得られた表皮層上にPUR-HM樹脂を200μmGap(厚さ200μm)にて塗工し、直ちに既述の湿式成膜布(B)のPU樹脂面と貼り合わせを行った後、貼り合わせ品を40℃/60%RHで48時間硬化させた。
3)上記貼り合わせ品の表皮層の上面である樹脂層面に、140℃のアイロンにて1分間ホットメルトテープを圧着、1時間室温冷却した後に、基布と、ホットメルトテープに密着した表皮とを剥離させ、オートグラフにて強度を測定した。
また、剥離強度の基準としては、実施例1において架橋剤を添加せずに作製した湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤を試験対象として強度を測定したものを用いた。
層間剥離強度(層間剥離性)について、下記の評価指標を用いて各実施例の評価を行った。結果を表3に示す。
○:剥離強度の基準よりも層間剥離強度が10%以上向上した。
△:剥離強度の基準と層間剥離強度が同じか向上しても10%未満であった。
×:剥離強度の基準よりも層間剥離強度が低くなった。


なお、各表1~3中の「樹脂成分におけるNCO%」は、得られたウレタンプレポリマーと架橋剤を含む場合におけるNCO%である。
本実施形態の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤は合成擬革用、すなわち、合成擬革用の基材に対して利用可能であり、合成擬革用の基材以外に例えば、金属、非金属(ポリカーボネート、ガラス等)の基材に対しても利用することができる。また、優れた耐熱性を有するため、車輛用外装部材や高温滅菌を必要とする衛生資材への展開も期待できる。
10 評価用フィルム
12 クリップ
14 重り
16 試料
20 ギアオーブン
22 回転盤

Claims (10)

  1. 少なくとも脂肪族ジイソシアネート変性体を含むポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応から得られ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、架橋剤とを含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤であって、
    前記ポリオール成分が3官能以上の多官能ポリオールを含み、該3官能以上の多官能ポリオールの含有量は前記ポリオール成分中8質量%以下であり、
    前記架橋剤が非芳香族系イソシアネート化合物を含む湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  2. 前記非芳香族系イソシアネート化合物が脂肪族ジイソシアネート変性体である請求項1に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  3. 前記架橋剤を前記ウレタンプレポリマー100質量部に対して0.5~10質量部含む請求項1又は2に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  4. 前記ポリイソシアネート成分におけるイソシアネート基の平均官能基数が2.0~3.0である請求項1又は2に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  5. 前記脂肪族ジイソシアネート変性体がアロファネート型ジイソシアネートを含む請求項1又は2に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  6. 前記脂肪族ジイソシアネート変性体がジオールのジイソシアネートアダクト体を含む請求項1又は2に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  7. 前記脂肪族ジイソシアネート変性体がヌレート型ポリイソシアネートを含む請求項1又は2に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  8. 前記ヌレート型ポリイソシアネートを、前記ポリイソシアネート成分中10~37モル%含む請求項7に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  9. 硬化後の熱軟化点が175℃以上である請求項1又は2に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
  10. 硬化後の25℃における破断伸度が300~1,000%である請求項1又は2に記載の湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤。
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