JP2533437B2 - 合成皮革用接着剤組成物 - Google Patents

合成皮革用接着剤組成物

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JP2533437B2
JP2533437B2 JP4263038A JP26303892A JP2533437B2 JP 2533437 B2 JP2533437 B2 JP 2533437B2 JP 4263038 A JP4263038 A JP 4263038A JP 26303892 A JP26303892 A JP 26303892A JP 2533437 B2 JP2533437 B2 JP 2533437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は速硬化性に優れる合成皮
革用接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、乾式合成皮革の製造法としては一
般的にはキャスティング法が採用されている。即ち離型
紙などの離型基材を支持体とし、該支持体上にポリウレ
タン樹脂溶液を塗工し、加熱乾燥してこれを表皮層と
し、この表皮上に接着層としての2液型ポリウレタン樹
脂溶液を塗工してから基布を貼合わせるという方法であ
る。
【0003】上記のキャスティング法による合成皮革製
造時に用いる接着剤としては、従来から末端にOH基を
有するポリウレタン樹脂と、トリメチロールプロパンに
トリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシア
ネートを付加した3官能イソシアネートを組み合わせた
2液型接着剤が広く知られている。
【0004】しかしこのタイプの接着剤は80〜130
℃で2〜5分の加熱硬化反応の後に更に20〜40℃で
数十時間の長い熟成工程を必要とする為、実際の生産
で、離型紙等の支持体から合成皮革を早期に剥離できな
いため、生産から出荷までに数日を要し、エージングの
ためのスペースが必要で、かつ大量の離型紙を準備する
等生産コスト上も種々の問題がある。
【0005】また仕上がった合成皮革が時として接着剤
層の硬化不足のために接着層の経時的変形をひき起こ
し、ひいては表皮層の平滑性が失われたり、シボ模様が
変形したりすることによる合皮の表面光沢不良あるいは
表面のしぼ流れ等の不良要因を包含することも少なくな
い。
【0006】これに対し、特開昭60−199087号
公報に記載されたごとく、マスキング剤で末端イソシア
ネート基をマスキングしたウレタンプレポリマーと、反
応性の高いポリアミン系の硬化剤を使用し、加熱による
マスキング剤の解離と同時にイソシアネート基と遊離し
たポリアミンとを反応させ接着剤層を速硬化させようと
する方法がある。
【0007】また、特開昭62−199610号公報に
記載されたごとく、第3級アミノ基を含有するジオール
と有機ジイソシアネートからなる末端OH基を有するポ
リウレタン樹脂に、蟻酸等の140℃以下の温度で蒸発
する酸性物質を添加したポリウレタン樹脂溶液を使用し
て加熱硬化を促進する方法が提唱されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭60−
199087号公報記載の方法はブロック化剤の解離の
後、架橋反応が進むため硬化条件が厳しくなり、ポリア
ミンに起因する着色黄変があり、また硬化後の三次元架
橋密度が低い為、基布との接着性が劣る。また、架橋密
度が不足するため、耐溶剤性が不十分となり、後処理に
使用する溶剤により合成皮革の外観を損なうトラブルが
発生しやすいという問題点がある。
【0009】また、特開昭62−199610号公報に
記載の方法では、触媒活性を高める為に分子内に導入さ
れた第三級アミノ基が硬化後のポリウレタン樹脂の耐加
水分解性を低下させるという問題点や、加熱時に遊離し
た酸が悪臭を放つため回収装置が必要となったり、製造
設備を腐食させる問題点があり実用的でない。
【0010】
【課題を解決する為の手段】本発明者は上記のごとき問
題点を解決し、さらに速硬化性に優れ、且つ風合い、耐
溶剤性、基布との接着性、耐加水分解性も良好で、製造
時に悪臭や製造設備の腐食の問題の無い乾式合成皮革用
接着剤を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至
った。
【0011】すなわち、本発明は重量平均分子量が50
00〜15万であり、活性水素基を含有したポリウレタ
ン樹脂(A)、イソシアヌレート環を含有したポリイソ
シアネート(b)を20重量%以上含んでなる有機ポリ
イソシアネート(B)、およびジアザ−ビシクロ−アル
ケン類の塩(C)からなる合成皮革用接着剤組成物であ
る。
【0012】本発明に用いられるイソシアヌレート環を
含有したポリイソシアネート(b)を20重量%以上含
んでなる有機ポリイソシアネート(B)中のNCO基
は、活性水素基を含有したポリウレタン樹脂(A)中の
活性水素基と主に反応するが、他に(A)中のウレタン
基とも反応し、また、条件によってNCO基どうし反応
し2量化、3量化することも多い。従って(A)中の活
性水素基を−AHと表すと、通常は(B)中のNCO基
と(A)中の活性水素基の比は当量比で、当量かNCO
基過剰、すなわちNCO/AH≧1の配合比で配合し硬
化させる。また、本発明に用いられる活性水素基を含有
したポリウレタン樹脂(A)は、活性水素基がポリウレ
タン樹脂の分子内の末端に結合したもの、および末端以
外の分子鎖中、あるいは分子鎖より枝別れした分岐部分
に結合したものであり、1分子当り活性水素基を1個以
上、多くの場合2個以上含む。活性水素基1個当りの分
子量は通常500〜10万である。本発明の組成物中に
は、活性水素基を含まないポリウレタン樹脂を一部含有
しても良い。
【0013】本発明に用いられる活性水素基を含有した
ポリウレタン樹脂(A)は、有機ジイソシアネート
(α)および、数平均分子量500〜5000の高分子
ポリオールもしくは高分子ポリアミン(β)と、必要に
より低分子量の鎖伸長剤(γ)からなる。有機ジイソシ
アネート(α)としては芳香族ジイソシアネート〔4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネ
ート(TDI)など〕;脂肪族ジイソシアネート(ヘキ
サメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート
など);脂環式ジイソシアネート(イソホロンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソ
シアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(テト
ラメチルキシリレンジイソシアネートなど)などおよび
これら2種以上の混合物が挙げられる。有機ジイソシア
ネート(α)として好ましいものはMDI、TDI、イ
ソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネートであり、特に好ましいものはMDI、TDIで
ある。
【0014】数平均分子量500〜5000の高分子ポ
リオールまたは高分子ポリアミン(β)としては例えば
ポリエーテルポリオール(イ)、ポリエステルポリオー
ル(ロ)、ポリカーボネートジオール(ハ)、ポリブタ
ジエンジオール(ニ)、水添ポリブタジエンジオール
(ホ)、ポリオキシアルキレンポリアミン(ヘ)などお
よびこれら2種以上の混合物で上記範囲の数平均分子量
のものが挙げられる。
【0015】ポリエーテルポリオール(イ)としては、
低分子量ポリオール(例えばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェ
ノールA、グリセリン、トリメチロールプロパンなど)
にアルキレンオキシド(炭素数2〜4のアルキレンオキ
シド;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2
−ブチレンオキシドなど)または環状エーテル(テトラ
ヒドロフランなど)を開環重合または開環共重合(ブロ
ックおよび/またはランダム)させて得られるものが挙
げられる。例えばポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリエチレン−ポリプロピレン(ブロ
ックまたはランダム)グリコール、ポリテトラメチレン
グリコール、ポリテトラメチレン−エチレン(ブロック
またはランダム)グリコールなどおよびこれらの2種以
上の混合物が挙げられる。
【0016】ポリエステルポリオール(ロ)としては、
低分子量ポリオールとジカルボン酸とを反応させて得ら
れる縮合ポリエステルポリオールや、ラクトンの開環重
合により得られるポリカプロラクトンポリオールおよび
ポリバレロラクトンポリオールなどが挙げられる。上記
低分子量ポリオールとしては(イ)の項で例示した低分
子量ポリオールと同じものが挙げられる。ジカルボン酸
としては脂肪族ジカルボン酸(例えばコハク酸、アジピ
ン酸、セバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(テレフ
タル酸、イソフタル酸など)などおよびこれらの2種以
上の混合物が挙げられる。ラクトンとしては例えばε−
カプロラクトン、バレロラクトンが挙げられる。これら
のポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチ
レンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレ
ンブチレンアジペート、ポリカプロラクトンポリオー
ル、ポリバレロラクトンポリオールなどおよびこれらの
2種以上の混合物が挙げられる。
【0017】ポリカーボネートジオール(ハ)として
は、例えばポリブチレンカーボネートジオール、ポリヘ
キサメチレンカーボネートジオールなどが挙げられる。
【0018】ポリオキシアルキレンポリアミン(ヘ)と
しては例えばポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキ
シエチレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン
などが挙げられる。
【0019】低分子量の鎖仲長剤(γ)としては、
(イ)の項で例示した低分子量ポリオール、脂肪族ジア
ミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンな
ど)、脂環族ジアミン(イソホロンジアミンなど)、芳
香族ジアミン(4,4’−ジアミノジフェニルメタンな
ど)、芳香脂肪族ジアミン(キシリレンジアミンな
ど)、ヒドラジンなど、およびこれらの2種以上の混合
物が挙げられる。
【0020】活性水素基を含有するポリウレタン樹脂
(A)の製造は、通常の方法で行うことができ、
(α)、(β)および(γ)を同時に反応させるワンシ
ョット法;(α)と(β)を反応させてNCO末端プレ
ポリマーを製造し次いでこれを(γ)と反応させるプレ
ポリマー法などが挙げられる。(α)、(β)および
(γ)合計中のNCO基と活性水素基の当量比は活性水
素過剰またはNCO過剰で反応させる。
【0021】活性水素基を含有するポリウレタン樹脂
(A)の製造に際し、反応温度はポリウレタン化反応に
通常採用される温度と同じで良く、溶媒を使用する場合
は通常20〜140℃、無溶媒の場合は通常20〜22
0℃である。
【0022】また、NCO過剰で重合させた場合はポリ
ウレタン樹脂の末端がNCO基となる。この場合は、更
にアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミンなど);ポリオール(エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
トリメチロールプロパンなど);ポリアミン(エチレン
ジアミン、イソホロンジアミンなど);水などおよびこ
れらの2種以上の混合物を末端のNCO基と反応させる
ことにより、活性水素基を含有するポリウレタン樹脂を
得ることができる。これらのうち好ましいのはアルカノ
ールアミンおよびポリアミンである。
【0023】活性水素基を含有したポリウレタン樹脂
(A)の重量平均分子量は通常5000〜15万であ
る。好ましくは1万〜8万であり、特に好ましくは2万
〜7万である。
【0024】重量平均分子量が5000未満の場合は硬
化後の樹脂の可とう性が不足し、風合いや耐屈曲性が不
十分となる。また、15万を越える場合は、コーティン
グ適性粘度に調整するために希釈溶剤を多く使用せねば
ならず、そのため、表皮層に重ね塗りした場合、表皮層
の溶解や膨潤現象が起こりやすく得られた合成皮革の表
面外観が不良となる等の不都合がおこりやすい。また乾
燥にも多大なエネルギーを要し、省エネルギー面からも
好ましくない。
【0025】本発明に用いられるイソシアヌレート環を
含有したポリイソシアネート(b)としては、TDI、
MDI、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネートなどのポリイソシアネートをイソシア
ヌレート環形成重合したもの、またはこれらイソシアヌ
レート環形成重合したポリイソシアネート中のイソシア
ネート基の一部をOH基やアミノ基などの活性水素を含
有した化合物と反応させた誘導体などがあげられる。そ
してこれらのイソシアヌレート環を含有したポリイソシ
アネートのうち好ましいのは芳香族ポリイソシアネート
である。また、好ましい分子量は350〜5000であ
る。(b)はこれらの2種以上の混合物を用いてもよ
い。(B)として用いる(b)以外の有機ポリイソシア
ネート成分としては、TDI、MDI、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートや、こ
れらのトリメチロールプロパンアダクト体、カルボジイ
ミド変性体、ビュレット結合体など、およびこれら2種
以上の混合物があげられる。
【0026】イソシアヌレート環を含有したポリイソシ
アネート(b)の含有量が20重量%未満の時は十分な
硬化速度は得られず、加熱硬化反応の後、離型紙を即時
に剥離した場合、接着剤層の硬化不足のために接着層の
経時的流動を引き起こし、ひいては表皮層の平滑性が失
われたり、シボ模様が変形したりすることによる合皮の
表面光沢不良あるいは表面のしぼ流れなどの問題を生ず
る。
【0027】活性水素基を含有したポリウレタン樹脂
(A)の樹脂固形分重量100部に対し、(B)の使用
量は通常、2〜50部、好ましくは5〜20部である。
2部より少ないと硬化性が不十分となり、基布との接着
性、接着層の耐溶剤性が不十分である。50部を越える
と三次元架橋密度が高くなり過ぎ、接着層樹脂の可とう
性が不足し、合成皮革の風合いや耐屈曲性が悪くなる。
【0028】本発明には、ジアザ−ビシクロ−アルケン
類の塩(C)が、触媒として用いられる。
【0029】このジアザ−ビシクロ−アルケン類の塩の
ジアザ−ピシクロ−アルケン類としては1,5−ジアザ
−ビシクロ(4,2,0)オクテン−5、1,8−ジア
ザ−ビシクロ(7,2,0)ウンデセン−8、1,4−
ジアザ−ビシクロ(3,3,0)オクテン−4、1,8
−ジアザ−ビシクロ(7,3,0)ドデセン−8、1,
7−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン−6、1,
5−ジアザ−ビシクロ(4,4,0)デセン−5、1,
8−ジアザ−ビシクロ(7,4,0)トリデセン−8、
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,3,0)デセン−7、
9−メチル−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,3,0)
デセン−7、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7などおよびこれらの混合物が挙げられ
る。
【0030】また、これらと塩を形成する化合物として
はフェノール類(フェノール、クレゾール、ナフトール
など);脂肪酸(蟻酸、酢酸、プロビオン酸、酪酸、吉
草酸、ヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン
酸、アクリル酸、クロトン酸、乳酸、グリコール酸、ア
ジピン酸など);炭素環カルボン酸(安息香酸、トルイ
ル酸など);複素環カルボン酸(ニコチン酸、フロ酸な
ど);スルホン酸類(トルエンスルホン酸、エタンスル
ホン酸など);炭酸などおよびこれら2種以上の混合物
が挙げられる。このうち好ましいのはフェノールと脂肪
酸で、特に好ましいのはフェノール、蟻酸、2−エチル
ヘキサン酸、オレイン酸である。
【0031】触媒として用いられるジアザ−ビシクロ−
アルケン類の塩(C)は、活性水素基を含有したポリウ
レタン樹脂(A)とイソシアヌレート環を含有したポリ
イソシアネートを20重量%以上を含んでなる有機ポリ
イソシアネート(B)の合計固形分重量100部に対し
て通常、0.01〜3部使用する。0.01部未満の場
合は十分な速硬化性が得られず、3部以上の場合は合成
皮革の耐加水分解性に悪影響を及ぼし、好ましくない。
【0032】本発明の合成皮革用接着剤組成物には、必
要により溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、顔
料、フィラー、可塑剤、帯電防止剤、殺菌剤などを含ん
でもよい。溶剤としてはアミド系〔ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、ジメチルアセトアミドなど〕;スルホキ
シド系溶媒(ジメチルスルホキシドなど);ケトン系溶
媒〔メチルエチルケトン(MEK)など〕;エーテル系
溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフランなど);エステ
ル系溶媒(酢酸エチルなど);芳香族炭化水素系溶媒
(トルエン、キシレンなど)などおよびこれらの2種以
上の混合物が挙げられる。酸化防止剤としては4,4’
−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)などのヒンダードフェノール;トリフェニルホ
スファイト、トリクロルエチルホスファイトなどの有機
ホスファイトなどおよびこれらの2種以上の混合物が挙
げられる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系;ベ
ンゾトリアゾール系などおよびこれら2種以上の混合物
が挙げられる。安定剤としてはハロゲン化フェノールな
どが挙げられる。顔料としては酸化チタン、カーボンブ
ラックなどが挙げられる。フィラーとしては炭酸カルシ
ウムなどが挙げられる。
【0033】
〔活性水素基を含有したポリウレタン樹脂(A−1)の製造法〕
数平均分子量1500のポリ−ε−カプロラクトンジオ
ール3394部、1,4ブタンジオール151部および
MDI955部をMEK3575部、DMF1925部
中で70℃で15時間反応させ樹脂濃度45%、20℃
の粘度350ポイズ、残存NCO%0.005%以下の
活性水素基を含有したポリウレタン樹脂溶液を得た。本
樹脂をGPC装置〔東ソー製HLC−8020、溶媒:
テトラヒドロフラン、カラム:ウェーターズ社製ウルト
ラスタイラジェルリニア(2本)、検出器:RI、東ソ
ー社製標準ポリスチレンにて分子量を較正〕を使用して
重量平均分子量を測定したところ、73,400であっ
た。
【0034】〔イソシアヌレート環を含有したポリイソ
シアネート(b−1)の製造法〕 酢酸エチル500部、TDI495部およびナフテン酸
カルシウム5部を混合し、65℃にて6時間反応を行
う。その後燐酸0.3部を仕込み、イソシアヌレート環
重合反応を停止させ、固形分濃度50%、NCO含量1
0.8%のイソシアヌレート環を含有した芳香族ポリイ
ソシアネートを得た。
【0035】〔イソシアヌレート環を含有したポリイソ
シアネート(b−2)の製造法〕 ヘキサメチレンジイソシアネート990部およびナフテ
ン酸カルシウム10部を混合し、80℃にて6時間反応
を行う。その後燐酸0.6部を仕込み、イソシアヌレー
ト環重合反応を停止させ、NCO含量22.6%のイソ
シアヌレート環を含有したポリイソシアネートを得た。
【0036】(参考例1) 離型紙(大日本印刷社製:DE−43)上にポリウレタ
ン樹脂溶液(三洋化成工業社製:サンプレンLQ−19
5)100部と黒色トナー(東洋インキ社製:リオエー
スM915)10部とで調整した表皮層樹脂溶液を約6
0g/m塗布し、120℃×2分間乾燥し、表皮層を
得た。次いで活性水素基を含有したポリウレタン樹脂
(A−1)100部とトリエチレンジアミン0.3部の
混合物とイソシアヌレート環を含有したポリイソシアネ
ート(b−1)10部を表皮層上に約150g/m
布した。10秒後にポリエステル/レーヨン片面起毛布
を貼合わせ、120℃×2分間加熱硬化した後、すぐに
離型紙を剥離して合成皮革1を得た。
【0037】(実施例1) 参考例1のトリエチレンジアミン0.3部の代わりに
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7の2−エチルヘキサン酸塩0.3部を用いた他は参考
例1と同様にして合成皮革2を得た。(実施例2) 参考例1のトリエチレンジアミン0.3部の代わりに
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7のフェノール塩0.3部を用いた他は参考例1と同様
にして合成皮革3を得た。
【0038】(参考例2) 参考例1のイソシアヌレート環を含有したポリイソシア
ネート(b−1)10部の代わりにイソシアヌレート環
を含有したポリイソシアネート(b−1)5部とコロネ
ートL(日本ポリウレタン社製 トリメチロールプロパ
ンにトリレンジイソシアネートを付加した芳香族ポリイ
ソシアネートの酢酸エチル25%含有品)5部を用いた
他は参考例1と同様にして合成皮革4を得た。
【0039】(参考例3) 参考例1のイソシアヌレート環を含有したポリイソシア
ネート(b−1)10部の代わりにイソシアヌレート環
を含有したポリイソシアネート(b−2)10部を用い
た他は参考例1と同様にして合成皮革5を得た。
【0040】(比較例1) 参考例1のイソシアヌレート環を含有したポリイソシア
ネート(b−1)10部の代わりにコロネートL10部
を用いた他は参考例1と同様にして合成皮革6を得た。
【0041】(比較例2) 特開昭60−199087号公報記載の方法に準じて、
以下の通りポリウレタン樹脂接着剤溶液を得た。数平均
分子量2000のポリエチレンブチレンアジペート36
00部、DMF800部を窒素気流下で溶解し、これに
TDI348部を加えて100℃で1時間保持し、NC
O末端ウレタン樹脂溶液を得た。その後MEK800
部、トルエン2376部を加え、このウレタン樹脂溶液
を60℃まで冷却した。この時のNCO含量は0.17
0%であった。そしてメチルエチルケトンオキシム28
部を徐々に添加した。このようにして得られたマスキン
グ化ウレタン樹脂溶液は固形分濃度が50%で20℃の
粘度は90ポイズであった。次にこの末端NCO基をマ
スキングしたウレタン樹脂溶液100部に硬化剤として
イミノビスプロピルアミン1部を加え、よくかき混ぜて
ポリウレタン接着剤樹脂溶液を得た。そしてこれを参考
例1で得た表皮層の上に約150g/m塗布し、10
秒後にポリエステル/レーヨン片面起毛布を貼合わせ、
120℃×2分間加熱硬化した後、すぐに離型紙を剥離
して合成皮革7を得た。
【0042】(比較例3) 特開昭62−199610号公報記載の方法に準じて、
以下の通りポリウレタン樹脂接着剤溶液を得た。数平均
分子量2000のネオペンチルグリコール−アジピン酸
エステル1000部、モノメチルジエタノールアミン1
81部をMEK1680部に窒素気流下で溶解し、次い
でMDI511部を加えて70℃で8時間反応した後、
50℃に冷却して90%蟻酸75部を加え、2時間攪拌
し、固形分濃度50%で30℃の粘度が300ポイズの
ポリウレタン樹脂溶液を得た。そしてこのポリウレタン
樹脂溶液100部にMEK10部、コロネートL8部、
ジブチルチンジラウレート0.01部添加し、よくかき
まぜてポリウレタン接着剤樹脂溶液を得た。そしてこれ
を参考例1で得た表皮層の上に約150g/m塗布
し、10秒後にポリエステル/レーヨン片面起毛布を貼
合わせ、120℃×2分間加熱硬化した後、すぐに離型
紙を剥離して合成皮革8を得た。
【0043】得られた1〜8の合成皮革についてその性
能を調べたところ表1〜3の結果を得た。本発明の合成
皮革用接着剤組成物は速硬化性に優れているため、12
0℃×2分の加熱硬化後、すぐに離型紙から剥離しても
表面光沢、しぼ流れ共に良好であった。また基布との接
着力、耐加水分解性、耐溶剤性、風合いにも優れ、加熱
乾燥時の臭気の問題もなく、合成皮革の製造についても
有用であることが認められた。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】なお、試験方法は下記の要領で実施した。 (基布との接着力) 20℃、相対湿度65%下で島津製作所製のオートグラ
フS−100−Dによりクロスヘッドスピード200m
m/minで合成皮革のポリウレタン樹脂層と基布をT
剥離した時の接着力を測定した。 (耐加水分解性) 合成皮革を70℃、相対湿度95%中で14日間暴露
し、基布との接着力の保持率を測定した。 保持率(%)=〔(暴露後の基布との接着力)/(暴露
前の基布との接着力)〕×100(耐溶剤性) 合成皮革をMEKに1時間浸漬して、接着剤層の耐溶剤
性を評価した。 (風合い) 手触りにより、実施例−1で得た合成皮革−1の風合い
を標準として合成皮革2〜8を比較した。
【0048】
【発明の効果】本発明の合成皮革用接着剤組成物は従来
のものに比べ更に速硬化性に優れ、且つ加熱乾燥時の臭
気の問題や製造設備の腐食の問題もない。また得られた
合成皮革も基布との接着性、耐加水分解性、耐溶剤性も
良好である。上記効果を奏することから本発明の接着剤
組成物は靴用、衣料用、鞄用、雑貨用などの合成皮革接
着剤用として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/564 (56)参考文献 特開 平1−156580(JP,A) 特開 昭60−199610(JP,A) 特開 昭60−199087(JP,A) 特開 平2−30024(JP,A) 特公 昭63−12888(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が5000〜15万であ
    り、活性水素基を含有したポリウレタン樹脂(A)、イ
    ソシアヌレート環を含有したポリイソシアネート(b)
    を20重量%以上含んでなる有機ポリイソシアネート
    (B)、およびジアザ−ビシクロ−アルケン類の塩
    (C)からなる合成皮革用接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 該イソシアヌレート環を含有したポリイ
    ソシアネート(b)が分子量350〜5000の芳香族
    ポリイソシアネートである請求項記載の合成皮革用接
    着剤組成物。
  3. 【請求項3】 ジアザ−ビシクロ−アルケン類の塩
    (C)が、ジアザ−ビシクロ−アルケン類と脂肪酸もし
    くはフェノールとの塩である請求項1または2記載の合
    成皮革用接着剤組成物。
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