JPH09117385A - 浴室ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を削減してコストダウンを図り、作
業性を良好にする。 【解決手段】 浴槽支持部材２の洗い場側に立ち下がり
壁部６が一体に形成され、洗い場防水パン３の浴槽１側
には、前記立ち下がり壁部６の下方に臨むよう、立ち上
がり片８を有する堰部７が形成されているタイプの浴室
ユニットにおいて、立ち下がり壁部６の下縁に、洗い場
側へ斜め下方に延出する折曲部１１を形成して、この折
曲部１１が、その背面のシール材１２とともに、折曲部
１１の前面側から堰部７とその立ち上がり片８との間の
隅部へ差し込まれるねじ１３により、堰部７側に連結部
材を介さずに直接的に結合されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴室ユニットに係
り、詳しくは、浴槽支持部材と洗い場防水パンとの連結
構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴室ユニットには、図３に示すよ
うな構造のものがある。同図において、符号１は浴槽、
２は浴槽支持部材、３は洗い場防水パン、４は浴槽エプ
ロンである。

【０００３】この浴室ユニットにおいて、浴槽支持部材
２はメガネ枠部５を有しており、このメガネ枠部５に浴
槽１が嵌め込まれるようになっている。また、浴槽支持
部材２の洗い場側には、洗い場仕切用の立ち下がり壁部
６が形成されており、この立ち下がり壁部６が洗い場防
水パン３の浴槽側の部分に結合されることで、浴槽支持
部材２と洗い場防水パン３とが連結される。

【０００４】この連結部分の構造の従来例を図４に示
す。

【０００５】洗い場防水パン３の浴槽側には、堰部７が
あって、この堰部７の端縁には短寸の立ち上がり片８が
一体に形成されている。一方、浴槽支持部材２の立ち下
がり壁部６は、ほぼ垂直の板状で、その下縁が前記堰部
７上に臨んでおり、その背面が堰部７の立ち上がり片８
の前面に対向する。

【０００６】ここで、浴槽支持部材２も洗い場防水パン
３も、ハンドレイアップ製法により製作されているた
め、前面もしくは上面となる表面は所定の形状の平滑面
であるが、背面が不規則な凹凸のある粗面となっている
ため、立ち上がり片８の前面に立ち下がり壁部６の背面
を押し当てて、両者を直接的に接合させようとすると、
両者の間に隙間が生じ、水密性を保つ上で問題が生じ
る。

【０００７】そこで、従来は、堰部７上に断面がほぼＵ
字形の連結部材９が配置され、この連結部材９を介して
立ち上がり片８と立ち下がり壁部６とが結合されてい
る。

【０００８】連結部材９は、立ち下がり壁部６や堰部７
の全長に及ぶ長尺材で、そのＵ字形下面には、同じく長
尺のパッキン１０が介装されている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような連結構造では、浴槽支持部材２および洗い場防水
パン３のほかに、長尺の連結部材９が別途必要となるた
め、部品点数が多くなり、容易にコストダウンが図れな
いという問題があった。

【００１０】また、前記の連結部材９は、浴槽支持部材
２の側にも、洗い場防水パン３の側にも取り付けるの
で、多くのねじ止め作業が必要となるばかりでなく、特
に、洗い場防水パン３の立ち上がり片８へのねじ止め
は、作業が面倒で、作業性が悪かった。

【００１１】すなわち、施工現場では、連結部材９をま
ず、浴槽支持部材２の立ち下がり壁部６の下縁に取り付
け、その後、この浴槽支持部材２を洗い場防水パン３に
対して所定位置に組み付けた後、連結部材９を洗い場防
水パン３の立ち上がり片８にねじ止めするのであるが、
そのねじ止めのために、作業者はメガネ枠部５の孔を通
じて浴槽支持部材２の背面側の空間に入り込み、背面か
らねじ止めを行う必要があり、作業者に面倒な作業を強
いるものであった。

【００１２】さらに、連結部材９は、浴槽支持部材２の
立ち下がり壁部６の下縁に全長にわたって取り付けられ
るもので、その取付位置に上下の狂いがあると、連結部
材９と堰部７との間隔が不均一になり、その間のパッキ
ン１０の圧縮度合も不均一になって、シール性が悪くな
る。そして、連結部材９の立ち下がり壁部６への取付の
仕方によっては、水密性が損なわれるおそれがあり、そ
れを防止しようとすれば、取付精度を高める必要があ
り、この点でも作業者への負担が大きい。

【００１３】本発明は、上記のような従来構造の問題に
鑑み、連結部材を用いず直接的に、浴槽支持部材の立ち
下がり壁部を洗い場防水パンの堰部側に支障なく結合し
うるようにして、コストダウンを図るとともに、作業性
を良好にすることを課題とする。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するために、浴槽の嵌め込まれるメガネ枠部の一辺に
洗い場仕切用の立ち下がり壁部が一体に形成された浴槽
支持部材と、浴槽に隣接配置される洗い場防水パンとを
備え、この洗い場防水パンの浴槽側には、前記浴槽支持
部材の立ち下がり壁部の下方に臨むよう、立ち上がり片
を有する堰部が形成されている浴室ユニットにおいて、
立ち下がり壁部の下縁には、洗い場側に向けて斜め下方
に延出する折曲部が形成されるとともに、この折曲部の
背面にはシール材が配置され、このシール材を介して折
曲部が、その前面側から洗い場防水パンの堰部とその立
ち上がり片との間の隅部へ差し込まれるねじにより、堰
部側に結合されている構成とした。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の一つの実施形態
に係る浴室ユニットの浴槽支持部材と洗い場防水パンと
の連結部分の縦断面図、図２は、その要部の分解状態を
示す縦断面図である。

【００１６】これらの図において、符号１は浴槽、２は
浴槽支持部材、３は洗い場防水パン、４は浴槽エプロン
である。

【００１７】浴槽支持部材２には、浴槽１が嵌め込まれ
るメガネ枠部５と、このメガネ枠部５の洗い場側に垂下
状に一体に形成された立ち下がり壁部６とがあり、ま
た、洗い場防水パン３の浴槽側には堰部７があって、こ
の堰部７の端縁には短寸の立ち上がり片８が一体に形成
されている点は、図３および図４に示した従来の浴室ユ
ニットと同様である。

【００１８】本発明では、立ち下がり壁部６の下縁に、
洗い場側に向けて斜め下方に延出する折曲部１１が形成
されている。この折曲部１１は、洗い場防水パン３の堰
部７とその立ち上がり片８との間の隅部を覆う程度の大
きさで、立ち下がり壁部６の全長にわたって設けられて
おり、その折曲角度は、具体的には４５度に設定されて
いる。

【００１９】折曲部１１には、タッピングねじ１３を差
し込むための下穴１５が長手方向に沿って所定のピッチ
で形成されており、また、折曲部１１の背面（立ち上が
り片８に対向する面）にはシール材として長尺のパッキ
ン１２が貼り付けられており、このパッキン１２を堰部
７とその立ち上がり片８との間の隅部に押し付けられる
形で、折曲部１１がタッピングねじ１３でもって堰部７
側に結合されている。

【００２０】タッピングねじ１３は、折曲部１１の前面
から下穴１５を通り斜め下向きにパッキン１２を貫通し
て、堰部７とその立ち上がり片８との間の隅部に差し込
まれている。折曲部１１の下縁は、タッピングねじ１３
の締め付けにより堰部７に当接することになるが、この
当接個所にはコーキング剤１４が塗布されている。

【００２１】なお、２０，２２はエプロン４の下端を浴
槽支持部材２に取り付るための取り付け用バネである。

【００２２】上記の構成において、浴槽支持部材２と洗
い場防水パン３との連結に当たっては、浴槽支持部材２
の立ち下がり壁部６を洗い場防水パン３の堰部７上に臨
ませ、立ち下がり壁部６の折曲部１１を、堰部７とその
立ち上がり片８との間の隅部を覆うように位置させてか
ら、折曲部１１にその前面側からタッピングねじ１３を
差し込めばよく、これによって、立ち下がり壁部６が直
接的に洗い場防水パン３の堰部７側に結合される。この
ように、タッピングねじ１３の締め付け作業は洗い場側
から行えるので、作業も容易に行える。

【００２３】そして、浴槽支持部材２と洗い場防水パン
３とを連結した状態では、その間のシールは主として折
曲部１１背面のパッキン１２により確保される。このパ
ッキン１２は、折曲部１１背面にできる断面三角形の空
間内に押し込められるが、その空間は、堰部７と立ち上
がり片８と折曲部１１とによって長さ方向各部の大きさ
がほぼ一定となっているから、パッキン１２も各部均一
に圧縮され、シール性にばらつきがない。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。

【００２５】(１) 浴槽支持部材の立ち下がり壁部の一
部である折曲部が直接的に洗い場防水パンの堰部側に結
合されるので、従来のように連結部材を介在させる必要
がなく、部品点数が減少し、コストダウンを図ることが
できる。

【００２６】(２) また、連結部材を介さずに直接的な
結合を行うので、ねじ止め個所が半減するばかりでな
く、そのねじ止めが立ち下がり壁部の前面からの作業だ
けで済み、従来のように、立ち下がり壁部の背面側に入
り込んでねじ止め作業をする必要がなく、作業性が著し
く向上する。

【００２７】(３) さらに、シール材は、堰部と立ち上
がり片と折曲部とによって大きさの決まる空間内に押し
込まれ圧縮されるので、その圧縮度合が各部均一とな
り、シール性が向上するばかりでなく、従来のようなシ
ール性確保のための作業者への負担も軽減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る浴室ユニットの浴槽支
持部材と洗い場防水パンとの連結部分の縦断面図であ
る。

【図２】図１の要部の分解状態を示す縦断面図である。

【図３】浴室ユニット全体の概略構成を示す縦断面図で
ある。

【図４】従来例に係る浴室ユニットの浴槽支持部材と洗
い場防水パンとの連結部分の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 浴槽、 ２ 浴槽支持部材、 ３
洗い場防水パン、５ メガネ枠部、 ６ 立ち
下がり壁部、 ７ 堰部、８ 立ち上がり片、 １
１ 折曲部、 １２ パッキン、１３ タッピ
ングねじ、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽の嵌め込まれるメガネ枠部の一辺に
   洗い場仕切用の立ち下がり壁部が一体に形成された浴槽
   支持部材と、浴槽に隣接配置される洗い場防水パンとを
   備え、この洗い場防水パンの浴槽側には、前記浴槽支持
   部材の立ち下がり壁部の下方に臨むよう、立ち上がり片
   を有する堰部が形成されている浴室ユニットにおいて、 前記立ち下がり壁部の下縁には、洗い場側に向けて斜め
   下方に延出する折曲部が形成されるとともに、この折曲
   部の背面にはシール材が配置され、このシール材を介し
   て折曲部が、その前面側から洗い場防水パンの堰部とそ
   の立ち上がり片との間の隅部へ差し込まれるねじによ
   り、堰部側に結合されていることを特徴とする浴室ユニ
   ット。