JPH09116388A - 有限長インパルス応答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法 - Google Patents

有限長インパルス応答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法

Info

Publication number
JPH09116388A
JPH09116388A JP29350895A JP29350895A JPH09116388A JP H09116388 A JPH09116388 A JP H09116388A JP 29350895 A JP29350895 A JP 29350895A JP 29350895 A JP29350895 A JP 29350895A JP H09116388 A JPH09116388 A JP H09116388A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
coefficient
tap
digital signal
equation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29350895A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Takada
敏男 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP29350895A priority Critical patent/JPH09116388A/ja
Publication of JPH09116388A publication Critical patent/JPH09116388A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、小型でかつ簡易な構成でデイジタル
フイルタ演算処理を高速に実行するようにする。 【解決手段】本発明は、オーバーサンプリング方式によ
りサンプリングしたデータを演算処理する有限長インパ
ルス応答フイルタにおいて、一定周期の時間遅れで処理
される入力データ群ごとにグループ分けされた各グルー
プのデータを所定の遅延時間づつ遅延させ、遅延させた
データの内、同一のタツプ係数を乗算するべきデータ同
士をそれぞれ加算した後に、所定のタツプ係数が乗算さ
れてなるデータを全て加算して出力することにより、演
算処理部の規模を半分にすることができ、かくしてデイ
ジタルフイルタ演算処理を高速に実行し得る小型でかつ
簡易な構成の有限長インパルス応答フイルタ、デイジタ
ル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法を実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。 発明の属する技術分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 (1)FIR型デイジタルフイルタの並列処理の原理
(図1) (2)演算処理部の構成(図2及び図3) (3)タツプ係数の係数配列 (3−1)4分割(偶数分割)時の係数配列(図4及び
図5) (3−2)6分割(偶数分割)時の係数配列(図6及び
図7) (3−3)5分割(奇数分割)時の係数配列(図8及び
図9) (4)実施例の構成(図10〜図15) (5)実施例の動作 (6)実施例の効果 (7)他の実施例(図16) 発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は有限長インパルス応
答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信
号処理方法に関し、特に半導体集積回路化されたものに
適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、例えばデイジタル画像信号やデイ
ジタル音声信号等についてのデイジタル信号処理回路
(Digital Signal Processor 以下、これをDSPとす
る)において、有限長インパルス応答(finite impulse
response (FIR))フイルタが用いられている。
【0004】このデイジタルフイルタの応用分野の一つ
である計測(Instrumentation )分野において、デイジ
タルフイルタ演算処理を実行する代表的なものとして
は、汎用CPU(Central Processing Unit )とソフト
ウエアによる組合せ、トランジスタトランジスタ論理回
路等のデイスクリート部品によるハードウエア構成、汎
用デイジタル信号処理回路とソフトウエアによる組合
せ、専用のデイジタル信号処理回路等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところでかかる構成の
デイジタルフイルタにおいて、汎用CPUとソフトウエ
アによる組合せからなるデイジタルフイルタは、構成は
簡単であるが演算処理の処理速度が遅いという問題があ
つた。
【0006】またトランジスタトランジスタ論理回路等
のデイスクリート部品によるハードウエア構成からなる
デイジタルフイルタは、データを高速で演算処理できる
がデイジタルフイルタ自体の規模が大きくなるという問
題があつた。
【0007】また汎用デイジタル信号処理回路とソフト
ウエアによる組合せからなるデイジタルフイルタは、デ
イジタルフイルタ自体の規模は小さく、幅広く使用でき
ると共にデータを高速で演算処理できる。ところがこの
種のデイジタルフイルタは、マイクロコードのプログラ
ミングが複雑になるという問題があつた。
【0008】さらに専用のデイジタル信号処理回路から
なるデイジタルフイルタは、汎用性はないがデータを高
速で演算処理でき、ユーザにとつて扱い易いという利点
をもつている。従つて、デイジタルフイルタ演算処理だ
けを実行する場合には、専用のデイジタル信号処理回路
で実行することが最適である。ところが、この専用のデ
イジタル信号処理回路ではIC単体の処理速度以上の速
度で演算処理することは難しいという問題があつた。
【0009】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、デイジタルフイルタ演算処理を高速で実行し得る小
型でかつ簡易な構成の有限長インパルス応答フイルタ、
デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法を
提案しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、オーバーサンプリング方式により
サンプリングしたデータを演算処理する有限長インパル
ス応答フイルタにおいて、一定周期の時間遅れで処理さ
れる入力データ群ごとにグループ分けされた各グループ
のデータを演算処理する複数の演算処理ブロツクを具
え、各演算処理ブロツクは、所定の遅延時間づつ遅延さ
せる複数の遅延素子と、複数の遅延素子により遅延され
たデータの内、同一のタツプ係数を乗算するべきデータ
同士を加算する複数の第1の加算器と、複数の第1の加
算器により加算されたデータに所定のタツプ係数をそれ
ぞれ乗算する複数の乗算器と、複数の乗算器により所定
のタツプ係数がそれぞれ乗算されてなるデータを全て加
算して出力する第2の加算器とを設ける。
【0011】オーバーサンプリング方式によりサンプリ
ングしたデータを演算処理する有限長インパルス応答フ
イルタにおいて、一定周期の時間遅れで処理される入力
データ群ごとにグループ分けされた各グループのデータ
を所定の遅延時間づつ遅延させ、遅延させたデータの
内、同一のタツプ係数を乗算するべきデータ同士を加算
した後に、所定のタツプ係数がそれぞれ乗算されてなる
データを全て加算して出力することにより、演算処理部
の規模を半分にすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
【0013】(1)FIR型デイジタルフイルタの並列
処理の原理 図1に示すように、FIR型デイジタルフイルタ1は、
入力データの時間系列X(t) のZ変換をX(z) 、伝達関
数をH(z) で表し、出力データの時間系列Y(t) のZ変
換をY(z) で表すとY(z) は、次式
【数15】 で表すことができる。以下、(15)式を基本システムと
呼ぶ。
【0014】ここで、X(t) のZ変換X(z) は、次式
【数16】 で定義される。また、ここでz-1は時間軸における1単
位の遅れを表すので、X(z) をm分割して時間的なグル
ープごとにグループ分けすることにより、時分割並列処
理させ得るようになされている。ここでは、X(z) を4
分割(m=4)して個々の時間的なグループを4n、4n+
1、4n+2、4n+3として考えると、(16)式は次式
【数17】 に変形することができる。
【0015】今、各グループごとに処理される入力デー
タの時間系列のZ変換X(4n)、X(4n+1)、X(4n+2)、X
(4n+3)をX0 、X1 、X2 、X3 として表すと、(17)
式は次式
【数18】 として表すことができる。これにより(15)式は、次式
【数19】 として変形することができ、この(19)式を並列的に演
算処理することによつて全体として基本システムの4倍
の速度で演算処理することができる。
【0016】ところで、オーバーサンプリングされたデ
ータを半分のデータレートにする場合、(19)式を全て
演算してからデータを半分に間引く方法が考えられる。
ところがこの場合、(19)式を全て演算するために回路
構成が大きくなるうえ、間引処理を施さなければならな
い。そこで、DSP用IC内部の回路構成とタツプ係数
の対称性を考慮して、間引処理を施すことなく従来に比
べて約半分の規模の回路構成で高速に演算処理を実行し
得るFIR型デイジタルフイルタを考える。
【0017】(2)演算処理部の構成 図2には、(15)式による演算処理を実行するためのF
IR型デイジタルフイルタ2の基本構成を示す。このF
IR型デイジタルフイルタ2は、トランスバーサルフイ
ルタ構造をなしており、それぞれ所定の遅延時間z-1
有する21個の遅延素子3〜23、所定のタツプ係数
(h0 〜 h20)を有した21個の乗算器24〜44、1
個の総加算器45から構成されている。
【0018】このFIR型デイジタルフイルタ2では、
サンプリングされた入力データを各遅延素子3〜23に
より所定の遅延時間づつ遅延させた後、乗算器24〜4
4によつて係数h0〜h20 をそれぞれ乗算し、乗算された
それぞれのデータを最後に総加算器45で加算して出力
するようになされている。
【0019】続いて図3には、FIR型デイジタルフイ
ルタの特徴である直線位相特性(タツプ係数の対称性)
を有した構成のFIR型デイジタルフイルタ50を示
す。このFIR型デイジタルフイルタ50は、タツプ係
数が中央タツプを中心として左右対称になつているの
で、タツプ係数h10 を中央タツプとして相互に等しいタ
ツプ係数(h0=h20 、h1=h19 、……、h9=h11 )を有
した11個の乗算器46〜56で構成されている。
【0020】このFIR型デイジタルフイルタ50で
は、21個の遅延素子3〜23が中央の遅延素子13で
前部と後部に分けられ、前部には11個の遅延素子3〜
13、後部には10個の遅延素子14〜23がそれぞれ
設けられている。この前部と後部に対向して設けられた
遅延素子3と遅延素子23、遅延素子4と遅延素子2
2、……、遅延素子12と遅延素子14は、入力データ
を遅延させて加算器57〜66にそれぞれ送出する。加
算器57〜66は、各遅延素子によつて遅延された2つ
のデータを加算して乗算器46〜56にそれぞれ送出す
る。乗算器46〜56は、係数値が互いに等しいタツプ
係数(h0=h20 、h1=h19 、……、h9=h11 )を有して
おり、加算されたデータに所定のタツプ係数を乗算した
後、乗算した全てのデータを総加算器67に送出して、
総加算器67で最後に加算して出力するようになされて
いる。ここで乗算器56は、遅延されたデータが1つな
のでタツプ係数h10 の半分の係数値を乗算するようにな
されている。
【0021】このようにFIR型デイジタルフイルタ5
0では、直線位相特性を持つ互いに等しいタツプ係数
(h0=h20 、h1=h19 、……、h9=h11 、h10)からな
る11個の乗算器46〜56を用いて構成することによ
り、FIR型デイジタルフイルタ2に比べて乗算器の個
数を21個から11個に減少させることができる。この
結果、FIR型デイジタルフイルタ50では、演算処理
部全体の規模を小さくすることができる。
【0022】ところでFIR型デイジタルフイルタ50
では、オーバーサンプリングされたデータをデイジタル
フイルタ演算処理して半分のデータレートにする場合、
伝達係数H(z) をX(z) のように4分割して時間的なグ
ループごとにグループ分けすると、伝達係数H(z) は次
【数20】 で表すことができる。従つて(19)式は次式
【数21】 で表され、さらに(21)式を展開すると次式
【数22】 で表すことができる。(22)式に示すようにY(z) は、
時間的なグループごとに4つのカツコでくくり、その各
グループを順に最初からY0 、Y1 、Y2 、Y3とする
と、次式
【数23】 となる。
【0023】従つてFIR型デイジタルフイルタ50で
は、オーバーサンプリングされたデータを半分のデータ
レートにする場合、Y(z) は(23)式のY0 +Y2 、あ
るいはY1 +Y3 のみ演算すれば、(19)式を全て演算
させてから半分に間引くのと同じ結果になる。これによ
り、FIR型デイジタルフイルタ50は、(19)式を全
て演算する必要はなくなる。この結果、FIR型デイジ
タルフイルタ50では演算処理部の演算処理時間を半分
に短縮することができる。
【0024】(3)タツプ係数の係数配列 (3−1)4分割(偶数分割)時の係数配列 続いて、タツプ係数の係数配列について説明する。図4
に示すように、例えば17タツプでなるFIR型デイジ
タルフイルタのタツプ係数を4分割する場合を考える。
この場合、タツプ係数は中央タツプh8で左右対称になつ
ている。
【0025】ここでグループAのタツプ係数は、h0、h
4、h8、h12 、h16 となつており、h8を中心にして中央
タツプを含んだ自己対称形の係数配列となる。またグル
ープCのタツプ係数は、h2、h6、h10 、h14 となつてお
り、h8の中央タツプを中心にした自己対称形の係数配列
となる。さらにグループBのタツプ係数は、h1、h5、h
9、h13 となつており、またグループDのタツプ係数はh
3、h7、h11 、h15 となつており、このグループBとグ
ループDとは互いに順序が逆でタツプ係数の値が等しい
相互対称形の係数配列となる。すなわちh1とh15 、h5と
h11 、h9とh7、h13 とh3のタツプ係数は互いに等しくな
る。
【0026】ここで、グループA〜Dは4分割した伝達
係数H0 〜H3 にそれぞれ相当している。従つて、上述
の直線位相特性を考慮した構成と、(22)式に対応した
時分割並列処理し得る構成とを組み合わせたFIR型デ
イジタルフイルタを図5に示す。図5に示すようにFI
R型デイジタルフイルタ70では、(23)式のY0 に相
当する部分である次式
【数24】 に基づいて演算処理し得るように構成されている。
【0027】すなわちFIR型デイジタルフイルタ70
では、グループC(H2 )のタツプ係数を持つ2個の乗
算器71、72、2個の加算器73、74、4個の遅延
素子75〜78でなる演算処理ブロツク79で入力デー
タX2 を演算処理し、またグループA(H0 )のタツプ
係数を持つ3個の乗算器80〜82、3個の加算器83
〜85、6個の遅延素子86〜91でなる演算処理ブロ
ツク92で入力データX0 を演算処理し、さらにグルー
プB(H1 )及びグループD(H3 )のタツプ係数を持
つ4個の乗算器93〜96、4個の加算器97〜10
0、8個の遅延素子101〜108でなる演算処理ブロ
ツク109で入力データX3 及びX1 を演算処理する。
そしてFIR型デイジタルフイルタ70は、各演算処理
ブロツク79、92、109で演算処理したデータを総
加算器110で最後に加算することにより、Y0 (Y[4
n])を出力するようになされている。
【0028】(3−2)6分割(偶数分割)時の係数配
列 続いて図6に示すように、例えば25タツプでなるFI
R型デイジタルフイルタのタツプ係数を6分割する場合
を考える。この場合、タツプ係数は中央タツプh12で左
右対称になつている。
【0029】ここでグループAのタツプ係数は、h0、h
6、h12 、h18 、h24 となつており、h12を中心にして中
央タツプを含んだ自己対称形の係数配列となる。またグ
ループDのタツプ係数は、h3、h9、h15 、h21 となつて
おり、h8の中央タツプを中心にした自己対称形の係数配
列となる。
【0030】さらにグループBのタツプ係数は、h1、h
7、h13 、h19 となつており、またグループFのタツプ
係数はh5、h11 、h17 、h23 となつており、このグルー
プBとグループFとは互いに順序が逆で係数値が等しい
相互対称形の係数配列となる。すなわち、h1とh23 、h7
とh17 、h13 とh11 、h19 とh5のタツプ係数は互いに等
しくなる。続いて、グループCのタツプ係数は、h2、h
8、h14 、h20 となつており、またグループEのタツプ
係数はh4、h10 、h16 、h22 となつており、この場合も
グループCとグループEとは互いに順序が逆で係数値が
等しい相互対称形の係数配列となる。すなわち、h2とh2
2 、h8とh16 、h14 とh10 、h20 とh4のタツプ係数は互
いに等しくなる。
【0031】このようにタツプ係数を6分割する場合、
H(z) 及びX(z) を6分割して時間的なグループごとに
グループ分けすると、伝達係数H(z) は次式
【数25】 で表すことができる。従つて基本システムは、次式
【数26】 で表され、この(26)式を展開し、時間的なグループご
とに6つのカツコでくくり、その各グループを順に最初
からY0 、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 、Y5 とすると、次
【数27】 となる。
【0032】ここで、グループA〜Fは6分割した伝達
係数H0 〜H5 にそれぞれ相当している。従つて、直線
位相特性を考慮した構成と、時分割並列処理し得る構成
とを組み合わせたFIR型デイジタルフイルタを図7に
示す。図7に示すようにFIR型デイジタルフイルタ1
20では、(27)式のY0 に相当する部分である次式
【数28】 に基づいて演算処理し得るようになされている。
【0033】すなわちFIR型デイジタルフイルタ12
0では、グループD(H3 )のタツプ係数を持つ2個の
乗算器121、122、2個の加算器123、124、
4個の遅延素子125〜128でなる演算処理ブロツク
129が入力データX3 を演算処理する。またグループ
A(H0 )のタツプ係数を持つ3個の乗算器130〜1
32、3個の加算器133〜135、6個の遅延素子1
36〜141でなる演算処理ブロツク142が入力デー
タX0 を演算処理し、さらにグループB(H1 )及びグ
ループF(H5 )のタツプ係数を持つ4個の乗算器14
3〜146、4個の加算器147〜150、8個の遅延
素子151〜158でなる演算処理ブロツク159が入
力データX5 及びX1 を演算処理する。同様にグループ
C(H2 )及びグループE(H4 )のタツプ係数を持つ
4個の乗算器160〜163、4個の加算器164〜1
67、8個の遅延素子168〜175でなる演算処理ブ
ロツク176が入力データX2 及びX4 を演算処理す
る。そしてFIR型デイジタルフイルタ120は、各演
算処理ブロツク129、142、159、176で演算
処理したデータを総加算器177で最後に加算すること
により、Y0 (Y[6n])を出力するようになされてい
る。
【0034】このようにFIR型デイジタルフイルタ7
0及び120においては、Q個のタツプ係数(係数値h
i (i= 0,1,……,<Q) )を偶数(m)分割して並列的に
演算処理する場合、中央タツプを含んだ自己対称形の係
数配列でなる自己対称形グループのタツプ係数は次式
【数29】 で表すことができる。また自己対称形の係数配列でなる
自己対称形グループのタツプ係数は次式
【数30】 で表すことができる。さらに相互対称形の係数配列でな
る相互対称形グループのタツプ係数は次式
【数31】 と、次式
【数32】 で表すことができ、この(31)式と(32)式の2式で一
組の相互対称形グループのタツプ係数となる。
【0035】上述のようにFIR型デイジタルフイルタ
70、120では、偶数(m)分割の場合、中央タツプ
を含んだ自己対称形グループのタツプ係数が1個、自己
対称形グループのタツプ係数が1個、さらに相互対称形
グループのタツプ係数が(m−2)個で構成される。実
際上、FIR型デイジタルフイルタ70では、中央タツ
プを含んだ自己対称形グループが1個、自己対称形グル
ープが1個、さらに相互対称形グループが2個(1組)
のタツプ係数で構成される。またFIR型デイジタルフ
イルタ120では、中央タツプを含んだ自己対称形グル
ープが1個、自己対称形グループが1個、さらに相互対
称形グループが4個(2組)のタツプ係数で構成され
る。
【0036】(3−3)5分割(奇数分割)時の係数配
列 ところで図8に示すように、例えば25タツプでなるF
IRデイジタルフイルタのタツプ係数を5分割する場合
を考える。この場合、タツプ係数は中央タツプh12で対
称になつている。
【0037】ここでグループAのタツプ係数は、h2、h
7、h12 、h17 、h22 となつており、h12を中心にして中
央タツプを含んだ自己対称形の係数配列となる。またグ
ループBのタツプ係数は、h1、h6、h11 、h16 、h21 と
なつており、またグループDのタツプ係数はh3、h8、h1
3 、h18 、h23 となつており、このグループBとグルー
プDとは互いに順序が逆で係数値が等しい相互対称形の
係数配列となる。すなわち、h1とh23 、h6とh18 、h11
とh13 、h16 とh8、h21 とh3のタツプ係数は互いに等し
くなる。
【0038】さらにグループCのタツプ係数は、h0、h
5、h10 、h15 、h20 となつており、またグループEの
タツプ係数はh4、h9、h14 、h19 、h24 となつており、
このグループCとグループEとは互いに順序が逆で係数
値が等しい相互対称形の係数配列となる。すなわち、h0
とh24 、h5とh19 、h10 とh14 、h15 とh9、h20 とh4の
タツプ係数は互いに等しくなる。
【0039】このようにタツプ係数を5分割する場合、
H(z) 及びX(z) を5分割して時間的なグループごとに
グループ分けすると、伝達係数H(z) は次式
【数33】 で表すことができる。従つて基本システムは、次式
【数34】 で表され、この(34)式を展開し、時間的なグループご
とに5つのカツコでくくり、その各グループを順に最初
からY0 、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 とすると、次式
【数35】 となる。
【0040】ここで、グループAは伝達係数H0 に相当
し、グループBは伝達係数H4 に相当し、グループCは
伝達係数H3 に相当し、グループDは伝達係数H1 に相
当し、グループEは伝達係数H2 に相当している。これ
により、直線位相特性を考慮した構成と、時分割並列処
理し得る構成とを組み合わせたFIR型デイジタルフイ
ルタを図9に示す。図9に示すようにFIR型デイジタ
ルフイルタ200では、(35)式のY0 に相当する部分
である次式
【数36】 に基づいて演算処理し得るようになされている。
【0041】すなわちFIR型デイジタルフイルタ20
0では、グループA(H0 )のタツプ係数を持つ3個の
乗算器201〜203、3個の加算器204〜206、
6個の遅延素子207〜212でなる演算処理ブロツク
213で入力データX0 を演算処理し、またグループB
(H4 )及びグループD(H1 )のタツプ係数を持つ5
個の乗算器214〜218、5個の加算器219〜22
3、10個の遅延素子224〜233でなる演算処理ブ
ロツク234で入力データX1 、X4 を演算処理し、さ
らにグループC(H3 )及びグループE(H2 )のタツ
プ係数を持つ5個の乗算器235〜239、5個の加算
器240〜244、10個の遅延素子245〜254で
なる演算処理ブロツク255で入力データX2 、X3
演算処理する。そしてFIR型デイジタルフイルタ20
0は、各演算処理ブロツク213、234、255で演
算処理したデータを総加算器256で加算することによ
り、Y0 (Y[5n])を出力するようになされている。
【0042】このようにFIR型デイジタルフイルタ2
00においては、Q個のタツプ係数を奇数(m)分割し
て並列的に演算処理する場合、中央タツプを含んだ自己
対称形の係数配列でなる自己対称形グループのタツプ係
数は次式
【数37】 で表すことができる。また相互対称形の係数配列でなる
相互対称形グループのタツプ係数は次式
【数38】 と、次式
【数39】 で表すことができ、(38)式と(39)式の2式で一組の
相互対称形グループのタツプ係数となる。
【0043】上述のように、FIR型デイジタルフイル
タ200は、奇数(m)分割の場合、中央タツプを含ん
だ自己対称形グループのタツプ係数が1個、相互対称形
グループのタツプ係数が(m−1)個で構成されてい
る。ここでFIR型デイジタルフイルタ200では、奇
数(m)分割の場合、自己対称形グループが存在するこ
とはない。実際上、FIR型デイジタルフイルタ200
は、中央タツプを含んだ自己対称形グループが1個、相
互対称形グループが4個(2組)のタツプ係数で構成さ
れる。
【0044】上述のように、FIR型デイジタルフイル
タ70、120においては、偶数分割時におけるタツプ
係数の係数配列が、(29)〜(32)式により求められて
構成される。またFIR型デイジタルフイルタ200で
は、奇数分割時における各グループのタツプ係数の係数
配列が、(37)〜(39)式により求められて構成され
る。
【0045】かくしてFIR型デイジタルフイルタ7
0、120及び200においては、オーバーサンプリン
グされたデータを半分のデータレートにする場合、(2
3)式のY0 +Y2 、あるいはY1 +Y3 のみ演算すれ
ば良いことにより、演算処理した後の間引き処理が不要
になると共に、演算処理部の規模を半分にすることがで
き、かくして2倍の速度で演算処理することができる。
【0046】(4)実施例の構成 図10に示すように、本発明の一実施例によるインター
フエース装置300は、VLBI(超長基線電波干渉計
法)観測による信号(64MHZ でサンプリング)をデイジ
タルデータに変換し、デイジタルフイルタ(63TAP( 分解
能1MHZ ))により帯域制限した後にデイジタルデータレ
コーダに記録するようになされている。このインターフ
エース装置300は、64[MHz] のサンプリングレートで
取り込んだ 8[bit] のシリアルデータを 64[MHz]のクロ
ツク信号CLK1及び16[MHz]のクロツク信号CLK2
に基づいて 16[MHz]のデータレートの8[bit]でなるパラ
レルデータX0 〜X3 に変換するシリアル/パラレル変
換部301、入力するパラレルデータX0 〜X3 を演算
処理するデイジタルフイルタ部から構成されている。
【0047】このデイジタルフイルタ部には、専用のD
SP(Max Clock 18[MHz] 、対称タツプ係数32TAP )3
02〜305が4個設けられている。このDSP302
には、パラレルデータX2 及びX0 がレジスタ306及
び307を介して入力するようになされていると共に、
DSP303には、パラレルデータX3 が9個のレジス
タ308〜316を介して入力し、パラレルデータX1
が11個のレジスタ317〜327を介して入力するよ
うになされている。これにより、DSP302及び30
3では、各レジスタでそれぞれ遅延されて入力されたパ
ラレルデータX0 〜X3 を演算処理し、Y0 (Y[4n])
を出力するようになされている。
【0048】また同様にDSP304には、パラレルデ
ータX2 がレジスタ306を介して入力すると共に、パ
ラレルデータX0 がレジスタを介することなく入力する
ようになされている。さらにDSP305には、パラレ
ルデータX3 が9個のレジスタ308〜316及び2個
のレジスタ328、329を介して入力するようになさ
れ、パラレルデータX1 が8個のレジスタ317〜32
4を介して入力するようになされている。これにより、
このDSP304及び305では、各レジスタによりそ
れぞれ遅延されて入力されたパラレルデータX0 〜X3
を演算処理し、Y2 (Y[4n+2])を出力するようになさ
れている。
【0049】従つて、インターフエース装置300で
は、オーバーサンプリングされたデータを半分のデータ
レートにする場合、入力されたパラレルデータX0 〜X
3 をDSP302、303及び304、305で演算処
理することにより、Y0 及びY2 を求めることができ、
かくして間引き処理を不要にして演算処理部の規模を半
分にし得るようになされている。
【0050】ここで図11(A)には、同一の内部構造
でなる各DSP302〜305の構成を示す。これらの
各DSP302〜305内では、入力されたパラレルデ
ータX0 、X2 又はX1 、X3 を複数のレジスタを介し
てそれぞれ遅延させ、4個の内積演算ブロツク401〜
404で演算処理し、4個の出力ブロツク405〜40
8を介して出力し得るようになされている。ここで図1
1(B)に示すように、各出力ブロツク405〜408
は、シフタ491、リミツタ492及びスイツチ493
から構成され、出力するデータをシフトさせたりリミツ
トさせるようになされている。
【0051】さらに図12(A)には、同一の内部構造
でなる各内積演算ブロツク401〜404の構成を示
す。これらの各内積演算ブロツク401〜404内で
は、遅延回路451と458、遅延回路452と45
7、遅延回路453と456、遅延回路454と455
とが入力データをそれぞれ遅延させて加算器459〜4
62にそれぞれ送出する。これらの加算器459〜46
2では、遅延された入力データをそれぞれ加算し、レジ
スタ463〜466をそれぞれ介して乗算器467〜4
70に送出する。また乗算器467〜470では、加算
されたデータに所定のタツプ係数を乗算した後、レジス
タ471〜474をそれぞれ介して加算器475〜47
8に送出する。そして加算器475〜478では、入力
したデータが丸め回路479によりそれぞれ丸め演算さ
れた後に全てのデータを加算して出力するようになされ
ている。
【0052】ここで図12(B)に示すように、各遅延
回路451〜454は2個のレジスタ481、482と
スイツチ483から構成され、各遅延回路455〜45
8は2個のレジスタ484、485とスイツチ486か
ら構成されている。ここで遅延回路451〜454と遅
延回路455〜458とは、データの送られる方向が互
いに逆向きになるように構成されている。
【0053】さらに図13には、DSP302〜305
を作動させる場合の設定内容を示す。例えばこの場合、
M13で0が設定されると加算器475〜478に入力さ
れたデータは丸め演算されない。またM13で1が設定さ
れると加算器475〜478に入力されたデータは切り
捨てられずに四捨五入して丸め演算される。このように
DSP302〜305では、M1 〜M27の設定条件によ
りデータの演算処理内容を所望の条件に設定し得るよう
になされている。
【0054】続いて図14、15には、パラレルデータ
0 〜X3 を演算処理してY0(Y[4n]) を出力するDS
P302、303の演算処理部であるFIR型デイジタ
ルフイルタ500の回路構成(等価回路)を示す。ちな
みにパラレルデータX0 〜X3 を演算処理してY2(Y[4
n+2]) を出力するDSP304、305の演算処理部で
あるFIR型デイジタルフイルタ(図示せず)は、入力
データが異なるだけでFIR型デイジタルフイルタ50
0と同一の構成になる。
【0055】このFIR型デイジタルフイルタ500
は、パラレルデータX2 を演算処理する演算処理ブロツ
ク501及び502、パラレルデータX0 を演算処理す
る演算処理ブロツク503及び504、パラレルデータ
3 及びX1 を演算処理する演算処理ブロツク505、
506及び演算処理ブロツク507、508から構成さ
れている。
【0056】ここで演算処理ブロツク501及び502
では、自己対称形グループのタツプ係数でなる伝達係数
1 が用いられており、演算処理ブロツク503及び5
04では、中央タツプを含んだ自己対称形グループのタ
ツプ係数でなる伝達係数H3が用いられている。また演
算処理ブロツク505、506及び演算処理ブロツク5
07、508では、相互対称形グループのタツプ係数で
なる伝達係数H0 、H2 が用いられている。
【0057】この演算処理ブロツク501及び502で
は、パラレルデータX2 をレジスタ503で3単位分遅
延させ、レジスタ504〜519により所定の遅延時間
づつ遅延させるようになされている。上段と下段に分か
れて構成されたレジスタ504と519、レジスタ50
5と518、……、レジスタ511と512は、遅延さ
せたデータを加算器520〜527にそれぞれ送出す
る。
【0058】これらの加算器520〜527では、遅延
されたデータをそれぞれ加算して乗算器528〜535
にそれぞれ送出する。乗算器528〜531では、加算
されたデータに所定のタツプ係数をそれぞれ乗算して総
加算器536に送出する。また乗算器532〜535も
同様に、加算されたデータに所定のタツプ係数をそれぞ
れ乗算して総加算器537に送出する。この総加算器5
36は、所定のタツプ係数が乗算されたデータを全て加
算すると共に、総加算器537においても所定のタツプ
係数が乗算されたデータを全て加算するようになされて
いる。
【0059】また同様に演算処理ブロツク503及び5
04では、パラレルデータX0 をレジスタ538で7単
位分遅延させ、レジスタ539〜554により所定の遅
延時間づつ遅延させるようになされている。上段と下段
に分かれて構成されたレジスタ539と554、レジス
タ540と553、……、レジスタ546と547は、
遅延させたデータを加算器555〜562にそれぞれ送
出する。
【0060】これらの加算器555〜562では、遅延
されたデータをそれぞれ加算して乗算器563〜570
にそれぞれ送出する。乗算器563〜566では、加算
されたデータに所定のタツプ係数をそれぞれ乗算して総
加算器571に送出する。また乗算器567〜570も
同様に、加算されたデータに所定のタツプ係数をそれぞ
れ乗算して総加算器572に送出する。総加算器571
は、所定のタツプ係数が乗算されたデータを全て加算す
ると共に、総加算器572においても乗算器567〜5
70で所定のタツプ係数が乗算されたデータを全て加算
するようになされている。
【0061】さらに演算処理ブロツク505、506及
び演算処理ブロツク507、508では、パラレルデー
タX1 をレジスタ580で7単位分遅延させ、レジスタ
581〜596により所定の遅延時間づつ遅延させると
共に、パラレルデータX3 をレジスタ597で2単位
分、レジスタ598で7単位分遅延させ、レジスタ59
9〜614により所定の遅延時間づつ遅延させるように
なされている。上段と下段に分かれて構成されたレジス
タ581と614、レジスタ582と613、……、レ
ジスタ596と599は、遅延させたデータを加算器6
15〜630にそれぞれ送出する。
【0062】この加算器615〜630では、遅延した
データをそれぞれ加算して乗算器631〜646にそれ
ぞれ送出する。乗算器631〜634では、加算された
データに所定のタツプ係数をそれぞれ乗算して総加算器
647に送出する。また乗算器635〜638も同様
に、加算されたデータに所定のタツプ係数をそれぞれ乗
算して総加算器648に送出する。さらに乗算器639
〜642も同様に、加算されたデータに所定のタツプ係
数をそれぞれ乗算して総加算器649に送出する。続い
て乗算器643〜646も同様に、加算されたデータに
所定のタツプ係数をそれぞれ乗算して総加算器650に
送出する。これらの総加算器647〜650は、所定の
タツプ係数が乗算されたデータを全て加算するようにな
されている。
【0063】最後にFIR型デイジタルフイルタ500
では、総加算器536と572との間に設けられたレジ
スタ651、総加算器571と650の間に設けられた
レジスタ652〜655、総加算器647の後に設けら
れたレジスタ656、657を介して、総加算器53
6、537、571、572、647〜650で加算さ
れた全てのデータを最後に加算してY0(Y[4n]) を出力
するようになされている。
【0064】(5)実施例の動作 以上の構成において、インターフエース装置300で
は、64[MHz] のサンプリングレートで取り込んだ 8[bi
t] のシリアルデータがシリアル/パラレル変換部30
1により16[MHz] のデータレートの 8[bit] でなるパラ
レルデータX0 〜X3 に変換されてDSP302、30
3及び304、305に送出される。DSP302、3
03に入力されたパラレルデータX0 〜X3 は、内部に
設けられた直線位相特性を有したFIR型デイジタルフ
イルタ500により演算処理されてY0 として出力され
る。またDSP304、305に入力されたパラレルデ
ータX0 〜X3 も同様に、内部に設けられた直線位相特
性を有したFIR型デイジタルフイルタ(図示せず)に
より演算処理されてY2 として出力される。
【0065】このインターフエース装置300は、オー
バーサンプリングされたシリアルデータを半分のデータ
レートにして出力する場合、Y0 +Y2 (又はY1 +Y
3 )のみを演算すれば良いのでY1 +Y3 (又はY0
2 )を演算する必要はない。従つてインターフエース
装置300では、Y0 〜Y3 を全て演算した後に間引き
処理を行う場合と比べて回路構成を半分にできる。かく
して、インターフエース装置300は、間引き処理をし
ない分、演算処理を半分にでき、かくして2倍の速度で
演算処理を実行できる。
【0066】(6)実施例の効果 以上の構成によれば、インターフエース装置300で
は、入力したシリアルデータをシリアル/パラレル変換
部301でパラレルデータX0 〜X3 に変換し、DSP
302〜305の内部に設けた直線位相特性を有したF
IR型デイジタルフイルタを介して並列的に演算処理す
ることにより、オーバーサンプリングされたシリアルデ
ータを半分のデータレートにして出力する場合、半分の
演算処理で出力することができる。この結果、インター
フエース装置300は、従来と比べて回路規模を半分に
できると共に、デイジタルフイルタ演算処理を2倍の速
度で実行することができる。
【0067】(7)他の実施例 なお上述の実施例においては、FIR型デイジタルフイ
ルタ70の演算処理ブロツク109(図5)のように左
右別方向からそれぞれデータを供給して加算器で加算す
るようにした場合について述べたが、本発明はこれに限
らず、図16に示すように、最初に2つの入力データX
3 及びX1 の並びを考慮した上で予め加算したデータ
(X3 +X1 )を入力するようにしても良い。この場合
にも上述の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0068】また上述の実施例においては、オーバーサ
ンプリングされたシリアルデータを半分のデータレート
にするようにした場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、(23)式のY0(又はY1 、Y2 、Y3 ) のみ
を演算することにより1/4 に帯域圧縮するようにしても
良い。また帯域圧縮しない場合は、(23)式を全て演算
すれば良い。
【0069】さらに上述の実施例においては、タツプ係
数の係数配列を偶数分割及び奇数分割する場合の例とし
て、4分割、5分割及び6分割するようにした場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、所望の分解能に
応じて種々の分割数を用いても良い。
【0070】さらに上述の実施例においては、パラレル
データX0 〜X3 を供給する手段としてFIR型デイジ
タルフイルタ500を用いるようにした場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の構成による
FIR型デイジタルフイルタを用いるようにしても良
い。
【0071】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、オーバー
サンプリング方式によりサンプリングしたデータを演算
処理する有限長インパルス応答フイルタにおいて、一定
周期の時間遅れで処理される入力データ群ごとにグルー
プ分けされた各グループのデータを所定の遅延時間づつ
遅延させ、遅延させたデータの内、同一のタツプ係数を
乗算するべきデータ同士を加算した後に、所定のタツプ
係数がそれぞれ乗算されてなるデータを全て加算して出
力することにより、演算処理部の規模を半分にすること
ができ、かくしてデイジタルフイルタ演算処理を高速で
実行し得る小型でかつ簡易な構成の有限長インパルス応
答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信
号処理方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による基本システムの構成を
示すブロツク図である。
【図2】本発明の一実施例によるFIR型デイジタルフ
イルタ(1)の構成を示すブロツク図である。
【図3】本発明の一実施例によるFIR型デイジタルフ
イルタ(2)の構成を示すブロツク図である。
【図4】本発明の一実施例によるタツプ係数を4分割し
た場合の係数配列を示す略線図である。
【図5】本発明の一実施例によるタツプ係数を4分割し
た場合のFIR型デイジタルフイルタの構成を示すブロ
ツク図である。
【図6】本発明の一実施例によるタツプ係数を6分割し
た場合の係数配列を示す略線図である。
【図7】本発明の一実施例によるタツプ係数を6分割し
た場合のFIR型デイジタルフイルタの構成を示すブロ
ツク図である。
【図8】本発明の一実施例によるタツプ係数を5分割し
た場合の係数配列を示す略線図である。
【図9】本発明の一実施例によるタツプ係数を5分割し
た場合のFIR型デイジタルフイルタの構成を示すブロ
ツク図である。
【図10】本発明の一実施例によるインターフエース装
置の構成を示すブロツク図である。
【図11】本発明の一実施例によるインターフエース装
置内のデイジタル信号処理部の構成を示すブロツク図で
ある。
【図12】本発明の一実施例によるデイジタル信号処理
部内の内積演算ブロツクの構成を示すブロツク図であ
る。
【図13】本発明の一実施例によるデイジタル信号処理
部の設定内容を示す図表である。
【図14】本発明の一実施例によるFIR型デイジタル
フイルタ(1)の構成を示す略線図である。
【図15】本発明の一実施例によるFIR型デイジタル
フイルタ(2)の構成を示す略線図である。
【図16】他の実施例による加算器を外部で持たせたF
IR型デイジタルフイルタの構成を示す略線図である。
【符号の説明】
1……基本システム、2、50、70、120、20
0、500……FIR型デイジタルフイルタ、300…
…インターフエース装置、3〜23、75〜78、86
〜91、101〜108、125〜128、136〜1
41、151〜158、168〜175、207〜21
2、224〜233、245〜254……遅延素子、2
4〜44、46〜56、71、72、80〜82、93
〜96、121、122、130〜132、143〜1
46、160〜163、201〜203、214〜21
8、235〜239、467〜470、528〜53
5、562〜570、631〜646……乗算器、57
〜66、73、74、83〜85、97〜100、12
3、124、133〜135、147〜150、164
〜167、204〜206、219〜223、240〜
244、459〜462、475〜478、520〜5
27、555〜562、615〜630……加算器、4
5、67、110、177、256、536、537、
571、572、647〜650……総加算器。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーバーサンプリング方式によりサンプリ
    ングしたデータを演算処理する有限長インパルス応答フ
    イルタにおいて、 一定周期の時間遅れで処理される入力データ群ごとにグ
    ループ分けされた各グループのデータを演算処理する複
    数の演算処理ブロツクを具え、 上記各演算処理ブロツクは、所定の遅延時間づつ遅延さ
    せる複数の遅延素子と、 上記複数の遅延素子により遅延されたデータの内、同一
    のタツプ係数hi を乗算するべきデータ同士を加算する
    複数の第1の加算器と、 上記複数の第1の加算器により加算されたデータに、所
    定のタツプ係数hi をそれぞれ乗算する複数の乗算器
    と、 上記複数の乗算器により所定のタツプ係数hi がそれぞ
    れ乗算されてなるデータを全て加算して出力する第2の
    加算器とを具えることを特徴とする有限長インパルス応
    答フイルタ。
  2. 【請求項2】上記タツプ係数hi ={h0 、h1 、h2
    、……hQ-1 }から係数をm分割した場合の配列は、
    偶数分割時において、 中央タツプを含んだ自己対称形の係数配列の場合、次式 【数1】 となり、自己対称形の係数配列の場合、次式 【数2】 となり、相互対称形の係数配列の場合、次式 【数3】 【数4】 となることを特徴とする請求項1に記載の有限長インパ
    ルス応答フイルタ。
  3. 【請求項3】上記タツプ係数の係数配列は、奇数分割時
    において、 中央タツプを含んだ自己対称形の係数配列の場合、次式 【数5】 となり、相互対称形の係数配列の場合、次式 【数6】 【数7】 となることを特徴とする請求項1に記載の有限長インパ
    ルス応答フイルタ。
  4. 【請求項4】オーバーサンプリング方式によりサンプリ
    ングしたデータを演算処理するデイジタル信号処理装置
    において、 入力されるシリアルデータを一定周期の時間遅れで処理
    されるデータ群に対応するビツトに振り分けてパラレル
    データに変換するシリアル/パラレル変換部と、 上記各パラレルデータを演算処理する複数の演算処理ブ
    ロツクとを具え、 上記各演算処理ブロツクは、所定の遅延時間づつ遅延さ
    せる複数の遅延素子と、 上記複数の遅延素子により遅延されたデータの内、同一
    のタツプ係数を乗算するべきデータ同士を加算する複数
    の第1の加算器と、 上記複数の第1の加算器により加算されたデータに、所
    定のタツプ係数をそれぞれ乗算する複数の乗算器と、 上記複数の乗算器により所定のタツプ係数がそれぞれ乗
    算されてなるデータを全て加算して出力する第2の加算
    器とを具えることを特徴とするデイジタル信号処理装
    置。
  5. 【請求項5】上記タツプ係数の係数配列は、偶数分割時
    において、 中央タツプを含んだ自己対称形の係数配列の場合、次式 【数8】 となり、自己対称形の係数配列の場合、次式 【数9】 となり、相互対称形の係数配列の場合、次式 【数10】 【数11】 となることを特徴とする請求項4に記載のデイジタル信
    号処理装置。
  6. 【請求項6】上記タツプ係数の係数配列は、奇数分割時
    において、 中央タツプを含んだ自己対称形の係数配列の場合、次式 【数12】 となり、相互対称形の係数配列の場合、次式 【数13】 【数14】 となることを特徴とする請求項4に記載のデイジタル信
    号処理装置。
  7. 【請求項7】オーバーサンプリング方式によりサンプリ
    ングしたデータを演算処理する有限長インパルス応答フ
    イルタにおいて、 一定周期の時間遅れで処理される入力データ群ごとにグ
    ループ分けされた各グループのデータを複数の遅延素子
    により所定の遅延時間づつ遅延させ、 上記複数の遅延素子により遅延されたデータの内、同一
    のタツプ係数を乗算するべきデータ同士を加算し、 上記同一のタツプ係数を乗算するべきデータ同士が加算
    されてなるデータに、所定のタツプ係数をそれぞれ乗算
    し、 上記所定のタツプ係数がそれぞれ乗算されてなるデータ
    を全て加算して出力することを特徴とする有限長インパ
    ルス応答フイルタによるデイジタル信号処理方法。
JP29350895A 1995-10-16 1995-10-16 有限長インパルス応答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法 Pending JPH09116388A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29350895A JPH09116388A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 有限長インパルス応答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29350895A JPH09116388A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 有限長インパルス応答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09116388A true JPH09116388A (ja) 1997-05-02

Family

ID=17795652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29350895A Pending JPH09116388A (ja) 1995-10-16 1995-10-16 有限長インパルス応答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09116388A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000074267A1 (fr) * 1999-05-31 2000-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Recepteur et procede d'egalisation
WO2000074266A1 (fr) * 1999-05-31 2000-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif de reception et procede de production de signal replique
CN109951173A (zh) * 2019-03-06 2019-06-28 西安迪菲电子科技有限公司 一种多路并行输入并行处理的fir滤波方法及滤波器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000074267A1 (fr) * 1999-05-31 2000-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Recepteur et procede d'egalisation
WO2000074266A1 (fr) * 1999-05-31 2000-12-07 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif de reception et procede de production de signal replique
KR100403662B1 (ko) * 1999-05-31 2003-10-30 마츠시타 덴끼 산교 가부시키가이샤 무선 수신 장치 및 등화 처리 방법
US6810096B1 (en) 1999-05-31 2004-10-26 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Reception apparatus and replica signal generating method
CN109951173A (zh) * 2019-03-06 2019-06-28 西安迪菲电子科技有限公司 一种多路并行输入并行处理的fir滤波方法及滤波器
CN109951173B (zh) * 2019-03-06 2023-03-21 西安迪菲电子科技有限公司 一种多路并行输入并行处理的fir滤波方法及滤波器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2724188B2 (ja) デイジタル補間装置
JP2777207B2 (ja) 再構成可能マルチプロセサ
US20120331026A1 (en) Digital Filter
US5367476A (en) Finite impulse response digital filter
JPH02189016A (ja) プログラム可能なディジタルフィルタ
JPH09116388A (ja) 有限長インパルス応答フイルタ、デイジタル信号処理装置及びデイジタル信号処理方法
JP3320542B2 (ja) デジタル信号をろ波する方法及びデジタル・フィルタ・アーキテクチャ
WO2006134688A1 (ja) 補間処理回路
KR960004127B1 (ko) 입력가중형 트랜스버셜 필터
JPH0126204B2 (ja)
JPH0458608A (ja) 入力加重形トランスバーサルフィルタ
JP2885121B2 (ja) ディジタルフィルタ
WO2005002051A1 (ja) デジタルフィルタ
JP2527019B2 (ja) 非巡回形補間フィルタ
JPH0590897A (ja) オーバーサンプリングフイルタ回路
JP3090043B2 (ja) ディジタル補間フィルタ回路
JPH0681009B2 (ja) デジタルフイルタ装置
JPH09298451A (ja) デジタルフィルタ回路およびその制御方法
JP2643165B2 (ja) 演算回路
JPH01293007A (ja) 非巡回形ダウンサンプリングフィルタ
JPH0449708A (ja) Firフィルタ回路
JPH0716145B2 (ja) ディジタルトランスバーサルフィルタ
JP2628506B2 (ja) ディジタルフィルタ
JPH0795671B2 (ja) デイジタルフイルタ
JPH043689B2 (ja)