JPH09116163A - 電界効果トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタ及びその製造方法

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JPH09116163A
JPH09116163A JP7274283A JP27428395A JPH09116163A JP H09116163 A JPH09116163 A JP H09116163A JP 7274283 A JP7274283 A JP 7274283A JP 27428395 A JP27428395 A JP 27428395A JP H09116163 A JPH09116163 A JP H09116163A
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organic semiconductor
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source electrode
drain electrode
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Atsushi Tanaka
淳 田中
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/40Organic transistors
    • H10K10/46Field-effect transistors, e.g. organic thin-film transistors [OTFT]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 能動素子としての性能(応答速度及びキャリ
ア移動度等)を実用レベルに到達させることを課題とす
る。 【解決手段】 活性層15が有機半導体からなる電界効
果トランジスタにおいて、該有機半導体が基板面に沿っ
た方向に成長した複数の繊維状組織15aの集合した構
造からなり、かつ、該複数の繊維状組織15aの主鎖が
各々、ソース電極14a及びドレイン電極14bを結ぶ
直線に対して垂直方向に配向したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界効果トランジ
スタ及びその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明
は、活性層の構成材料として有機半導体を用いた電界効
果トランジスタ及びその製造方法に関する。本発明の電
界効果トランジスタは、液晶表示装置の能動素子(薄膜
トランジスタ等)として特に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、電界効果トランジスタ(FET)
の活性層には、SiやGaAs等の無機半導体が多く使
用されてきた。しかしながら、これらの無機半導体のウ
エハの大きさには制限があるため、大面積を必要とする
液晶表示装置の能動素子等に用いることが難しい。この
ため、比較的大面積が必要な場合にはアモルファスシリ
コン等の薄膜を用いたトランジスタが用いられている。
このような液晶表示装置を作製する場合、基板としては
通常、ガラス基板が用いられている。
【0003】しかし、ガラス基板は衝動等に弱いので、
衝撃に対する基板の割れや液晶表示装置の小型、軽量化
に対応するため、基板としてプラスチックもしくは高分
子フィルムを用いることが提案されている。これらの基
板上に能動素子を形成する場合には、基板の耐熱性が十
分でないため、低温プロセスで形成可能な有機半導体か
らなる活性層を使用することが検討されている。
【0004】有機半導体は、一般に、電荷移動錯体と導
電性高分子の二つに大別でき、能動素子としては、特に
後者が近年盛んに研究されている。導電性高分子は一般
に、π−共役二重結合からなる骨格を有するπ−共役高
分子である。また、導電性高分子は、π−分子軌道の重
なりによって生じる荷電子帯と伝導帯、及びそれらを隔
てる禁制帯からなるバンド構造を有していると考えられ
ている。
【0005】普通、導電性高分子は禁制帯の幅が1〜4
eV程度であり、また、不純物添加(ドーピング)を行
うことによって伝導度やフェルミ準位を制御することが
できるという点で、一般的な無機半導体とよく似た特徴
を持ち合わせている。また、導電性高分子は、その主鎖
長が十分長い場合には、主鎖に沿った一次元的なπ電子
の広がりを持つため、主鎖方向とそれに垂直な方向とで
電気的特性をはじめ、物性面で大きな異方性が見られ
る。
【0006】したがって、導電性高分子固有の物性を最
大限に利用するためには、導電性高分子の主鎖を一方向
に揃える、すなわち配向させることによって、異方性を
有効に発揮させる必要がある。実際、配向を制御する膜
質改善を行った結果、伝導度の向上した例は数多く知ら
れている。ところで、有機半導体からなる活性層を得る
手段としては、気相成膜法が一般的に知られている。特
に有機半導体としてポリマーやオリゴマーを用いる場合
には、重合と同時に成膜できる気相重合法がプロセス面
で有利である。このような成膜法の例としては、高濃度
チーグラー・ナッタ触媒を用いたポリアセチレンの成膜
(J.Polym. Sci. Polym., Chem. ed., 12, p11, 1974)
や、エキシマレーザー光を用いたチオフェン・オリゴマ
ーの成膜(1995年春季第42回応用物理学会予稿集29P-ZT
-6)等が知られている。
【0007】上記成膜法により得られた活性層は、一般
に、複数のポリマー鎖もしくはオリゴマー鎖が寄り集ま
ってできた、太さ数百Å〜数μmの繊維状組織(フィブ
リル)が絡み合って構成されている。通常、活性層中で
は、フィブリルがランダムに交差しているため、主鎖の
方向が揃わないだけでなく、フィブリル同志の接触面積
が小さくなっている。
【0008】このため、フィブリル間でのキャリアのホ
ッピング等による伝導が生じにくくなり、材料が固有に
持つ物性を引き出すことができない。この結果として活
性層の電気的特性は非常に低いものとなる。したがっ
て、このような活性層を能動素子として利用するために
は、フィブリルの制御を行ない、十分に特性を引き出す
ことが必要不可欠である。
【0009】しかしながら、導電性高分子のような有機
半導体の多くは不溶不融であるため、通常、活性層を任
意の形状に成型し、かつ配向させることは大きな困難を
伴う。このため、活性層として成型した試料を延伸させ
るか、あるいは、予め重合済みの高分子(ポリマー)も
しくはオリゴマーを真空蒸着させる等の手法が研究され
てきたが、いずれも重合、成膜、配向の過程を複数のプ
ロセスに分けて行う必要があり、能動素子作製の観点か
らは不利であった。
【0010】以上の観点から、成膜と同時に配向を行な
い、かつ有機半導体からなる活性層を用いたFETの作
製を行った研究が数多く報告されている。例えば、有機
半導体としてポリアセチレンを用いたFET(J.Appl.
Phys. 54,p3255, 1983 )、ポリチオフェンを用いたF
ET(Appl. Phys.lett 49, p1210, 1986 )等が挙げら
れる。また、別の例として、基板上に予め形成しておい
た溝に触媒溶液を導入し、この触媒を用いてポリアセチ
レンを成膜すると同時にソース電極及びドレイン電極を
結ぶ直線と平行方向に配向させたFETの製造方法(特
開平6−29515号公報)や、フィブリルを制御して
いないが、ポリシラン薄膜をソース電極及びドレイン電
極を結ぶ直線と平行方向に配向させたFETの製造方法
(特開平5−275695号)等があげられる。
【0011】又、このような従来の報告例においては、
有機半導体は主鎖方向の伝導が支配的な擬一次的な伝導
挙動を示す、との考え方が根底にあり、活性層115に
含まれる繊維状組織115aの主鎖の配向方向は図7に
示すようにソース電極114a及びドレイン電極114
bを結ぶ直線と平行方向になっている。実際、良質のポ
リアセチレン薄膜を延伸して配向させることにより、延
伸方向の導電率が大きく上昇することが知られている。
しかしながら、欠陥等の原因により比較的短い有効長し
か有していないポリマーや、もともと有効長の短いオリ
ゴマーにおいては、主鎖に垂直方向の伝導が支配的にな
り、分子が配向している場合、二次元的な伝導挙動を示
す。この場合、電気伝導を担うキャリアは鎖間をホッピ
ングによって移動するものと考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これら有機半導体を液
晶表示装置の能動素子として用いる場合、能動素子とし
ての性能が不足していることが大きな問題となってい
る。特に、電子デバイスの応答速度や、得られるON電
流の大きさを決めるキャリア移動度の値が、実用化され
ている無機半導体の値(例えば、アモルファスシリコン
の場合、0.5cm 2/Vsec程度)と比べて1〜5
桁も小さいので、実用レベルに達していない。従って、
有機半導体を能動素子の活性層として実用化するために
は、有機半導体からなる活性層の膜質そのものを改善
し、実用化に耐え得るだけの性能を実現する必要があ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するためになされたものであり、有機半導体からな
る活性層の構造を制御することにより、優れた特性を有
する電界効果トランジスタを得ることを目的とするもの
である。かくして本発明によれば、基板上に有機半導体
からなる活性層と活性層の両側にソース電極及びドレイ
ン電極とを有し、該有機半導体が、基板面に沿った方向
に成長した複数の繊維状組織が集合した構造を有し、か
つ、複数の繊維状組織の主鎖が、各々ソース電極及びド
レイン電極を結ぶ直線に対して垂線方向に配向している
ことを特徴とする電界効果トランジスタが提供される。
【0014】更に、本発明によれば、基板上に、有機半
導体原料を積層し、重合させ、配向処理することによ
り、基板面に沿った方向に成長した複数の繊維状組織が
集合した構造を有し、かつ、複数の繊維状組織の主鎖
が、各々ソース電極及びドレイン電極を結ぶ直線に対し
て垂直方向に配向した有機半導体からなる活性層を製造
することを特徴とする電界効果トランジスタの製造方法
が提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の電界効果トランジスタ
(FET)を作製するための基板としては、シリコン基
板等の公知の不透明基板を用いてもよいが、FETを透
過型液晶表示装置の能動素子として用いる場合には、透
光性の絶縁性基板が望ましい。この場合の基板として
は、例えば、ガラス、石英、プラスチック等を用いるこ
とができる。また、これら基板の表面に、酸化シリコ
ン、窒化シリコン等のアンダーコート膜を設けたものを
用いてもよい。
【0016】基板上に積層される活性層を構成する有機
半導体としては、アセチレン、ピロール、チオフェン、
アニリン、ベンゼン等、及びこれらの誘導体等のモノマ
ーの内の1種あるいは2種以上によるポリマー、もしく
はオリゴマー等の導電性高分子が利用できる。また、成
膜方法としては、溶液塗布法、電解重合法、気相重合
法、気相光重合法、真空蒸着法等が利用できる。また、
成膜された有機半導体は、公知のフォトリソグラフィ工
程及びエッチング工程を使用して所望の形状に加工さ
れ、活性層となる。
【0017】成膜方法の内、重合、積層及び配向処理が
同時に行えるという観点から、気相光重合法で活性層を
積層することが、プロセス上好ましい。気相光重合法に
よれば、活性層の形成を所望する部分のみに光を照射し
て有機半導体原料を重合させ有機半導体とし、次いで有
機半導体原料を溶解するが有機半導体を溶解しない溶媒
で、洗浄することによりフォトリソグラフィ工程及びエ
ッチング工程を使用せずに、活性層を形成することがで
きる。
【0018】気相光重合法に使用できるレーザーは、A
rFエキシマレーザー(波長:193nm)、KrFエ
キシマレーザー(波長:248nm)、又は同波長のエ
キシマランプを用いることができる。ここでレーザー
は、基板面に対して垂線方向以外の一方向から照射する
ことが好ましい。更に、基板面に対して30〜60℃の
角度で斜めから照射することがより好ましい。また、ソ
ース電極及びドレイン電極を結ぶ直線と平行に照射する
ことが好ましい。なお、基板は予め液体窒素等で冷却し
ておいてもよい。ここで、活性層の厚さは、使用する有
機半導体により異なるが、10mm〜数mm程度であ
る。
【0019】本発明においては、この活性層はフィブリ
ルが集合した構造を有する薄膜であり、各フィブリルの
主鎖は、以下に説明するソース電極及びドレイン電極を
結ぶ直線に対し、垂直方向に配向している。従って、欠
陥等の原因により、比較的短い有効長しか有していない
ポリマーや、もともと有効長の短いオリゴマーを用いる
場合には、電気伝導を担うキャリアが主鎖方向ではな
く、主鎖とは垂直方向に鎖間をホッピングすることによ
って移動するものと考えられる。そのため、フィブリル
が、ソース電極及びドレイン電極を結ぶ直線に対して平
行に配向している場合よりも、本発明の垂直に配向して
いる場合の方が優れた特性を示すことになる。なお、個
々のフィブリル太さは、数百Å〜数μmである。
【0020】次に、ソース電極及びドレイン電極は、そ
れぞれ活性層の両側に接触するようにして基板上に所定
の間隔を保ちつつ形成される。ソース電極及びドレイン
電極の原料としては例えば、アルミニウム、タンタル、
ニッケル、チタン、クロム、ITO(Indium Tin Oxid
e)、銅、銀、金、白金、等の導電材の中から、活性層
に用いる原料に応じて適当な原料を用いる。
【0021】活性層に上記導電性高分子を用いる場合、
オーミック接触を得るためには、金、白金等がよく用い
られる。これらの導電材は、蒸着法、スパッタ法等によ
り膜厚50〜500nm程度に成膜され、通常のフォト
リソグラフィ工程及びエッチング工程を経て、所望の形
状に加工される。金、白金等の導電材を用いた場合に
は、所望の形状に加工するためにリフトオフ等の加工手
段を用いてもよい。
【0022】活性層の積層前に、基板上に、ゲート電極
を形成してもよい。ゲート電極の原料としては、例え
ば、アルミニウム、タンタル、銅、銀、ニッケル、チタ
ン、クロム、ITO等の導電材を用いることができる。
これらの導電材は、蒸着法スパッタ法等により膜厚50
〜500nm程度に成膜され、通常のフォトリソグラフ
ィ工程及びエッチング工程を経て、所望の形状に加工さ
れる。
【0023】更に、少なくともゲート電極を覆うよう
に、ゲート絶縁膜を形成することが好ましい。ゲート絶
縁膜の原料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸
化タンタル等の無機絶縁膜や、絶縁性樹脂等の有機絶縁
膜を用いることができ、また、これらを組み合わせて用
いることもできる。これらの絶縁膜の原料は、スパッタ
法、CVD法、蒸着法、陽極酸化法、溶液塗布法等の手
段を用い、原料の比誘電率を考慮して膜厚50nm〜1
μm程度に成膜し、必要に応じて通常のフォトリソグラ
フィ工程及びエッチング工程を経て、所望の形状に加工
することができる。また、活性層上には、必要に応じて
保護膜を形成してもよい。
【0024】本発明のFETの一例を図1に示す。以下
では、図1のFETを製造方法と共に説明する。まず、
表面にコーティング処理を施した基板11上に、ゲート
電極の原料を、例えば蒸着法、スパッタ法等の手段によ
り成膜し、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程
を経て所望の形状にパターニングし、ゲート電極12を
形成する。 次いで、ゲート電極12上に、ゲート絶縁
膜の原料を、例えば、スパッタ法、CVD法、蒸着法、
溶液塗布法、陽極酸化法等の手段を用いて成膜し、必要
な場合には、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工
程により所望の形状にパターニングして、ゲート絶縁膜
13を形成する。
【0025】ゲート絶縁膜13上には、ソース電極及び
ドレイン電極の原料を、例えば、スパッタ法、蒸着法等
の手段を用いて成膜し、フォトリソグラフィ工程及びエ
ッチング工程によりゲート電極12上のゲート絶縁膜1
3を露出させるようにパターニングして、ソース電極1
4a及びドレイン電極14bを形成する。なお、リフト
オフ法を用いる場合には、成膜前にフォトレジストによ
るパターンを形成しておくことが好ましい。
【0026】ソース電極14a及びドレイン電極14b
に接触するようにして、ソース電極及びドレイン電極間
のゲート絶縁膜13上に有機半導体を気相重合法により
成膜し、活性層15を作製する。本発明においては、こ
の活性層15は、フィブリルが集合した構造を有する薄
膜であり、各フィブリルの主鎖はソース電極及びドレイ
ン電極を結ぶ直線に対し、垂直方向に配向している。例
えば、レーザー光を基板面に対して垂線方向以外の一方
向、かつソース電極及びドレイン電極を結ぶ直線と平行
方向から照射しながら気相光重合する方法を用いること
により、積層と同時にフィブリルが配向した活性層を得
ることができる。さらにフィブリルの配向性を高めるた
めにレーザー光に偏光板等を用いても良い。
【0027】活性層は積層後、所定の形状に加工する必
要があるが、レーザー光が照射されない場合には成膜反
応が進まないことを利用して、成膜時に所望の部分のみ
に有機半導体を形成し、加工工程を省略することも可能
である。もちろん、全面に積層した後、通常のフォトリ
ソグラフィ工程及びエッチング工程を用いて、あるい
は、リフトオフ法を用いてパターニングを行ってもよ
い。
【0028】また、活性層15上には、必要に応じて保
護膜16を形成してもよい。本発明の電界効果トランジ
スタにおいては、図2(a)に示すように基板面に沿っ
た方向に成長したフィブリル15aの集合した構造から
なる活性層15が、該フィブリルが各々、ソース電極1
4a及びドレイン電極14bを結ぶ直線に対して垂直方
向に配向した構造を有している。このため、フィブリル
間の接触面積が大きくなり、フィブリル間をホッピング
することにより電気伝導を担っているキャリアが移動し
やすくなる。この移動方向とトランジスタのソース電極
14a及びドレイン電極14bを結ぶ方向が一致してい
るため、トランジスタ特性は著しく向上する。
【0029】また、本発明によれば、気相光重合法で活
性層を積層することで、有機半導体として用いるモノマ
ーもしくはオリゴマーの重合、積層及び配向処理が一度
に行え、煩雑な製造工程が一部省略される。更に、気相
光重合法を用い、活性層の形成を所望する部分にのみレ
ーザーを照射することにより、活性層の加工も同時に行
われ、製造工程がより一層簡略化される。
【0030】本発明のFETは、液晶表示装置の能動素
子(薄膜トランジスタ(TFT))等に特に有用に使用
することができる。
【0031】
【実施例】本発明の電界効果トランジスタであるTFT
の製造方法を図5(a)〜(d)を参照して説明する。
まず、ソーダガラス(コーニング♯7059等)の表面
に酸化シリコンによるアンダーコート膜(図示せず)を
設けた基板11上に、ゲート電極原料であるアルミニウ
ムを通常のスパッタ法により100nm程度の膜厚で成
膜した。次いで、フォトリソグラフィ工程及びエッチン
グ工程により所望の形状にパターニングして、ゲート電
極12を形成した(図5(a)参照)。
【0032】次いで、ゲート電極12上にゲート絶縁膜
原料である酸化シリコンをスパッタ法を用いて100n
m程度の膜厚で成膜した。更に、フォトリソグラフィ工
程及びエッチング工程により所望の形状にパターニング
して、ゲート絶縁膜13を形成した(図5(b)参
照)。ゲート絶縁膜13上に、ソース電極及びドレイン
電極原料として金を蒸着法により100nm程度の膜厚
で成膜した。本実施例ではソース電極及びドレイン電極
の加工法としてリフトオフ法を用いた。すなわち、金の
蒸着法に、予めフォトリソグラフィ工程によりソース電
極及びドレイン電極を形成する領域以外をフォトレジス
トで覆うパターンを形成しておいた。金の成膜後に、フ
ォトレジストの除去と共にフォトレジスト上の金を除去
(リフトオフ)することにより、金を所望の形状にパタ
ーニングし、ソース電極14a及びドレイン電極14b
を形成した(図5(c)参照)。
【0033】続いて、ゲート絶縁膜13上に気相光重合
法により有機半導体を形成した。形成は下記条件で行っ
た。 モノマー;2,5−ジクロロチオフェン(東京化成製) 圧力;1×10-6Torr 温度;90〜100℃ 使用光源;ArFエキシマレーザー(波長193nm) 照射パルス;20mJ/パルス 照射時間;5分間 周波数;25Hz なお、レーザー光31aは、図3に示すように、基板面
に対して垂線以外の30〜60°(図3中、θに相当す
る)、かつソース電極及びドレイン電極を結ぶ直線と平
行な方向から照射した。
【0034】得られた有機半導体32aは、チオフェン
オリゴマー分子が直径0.2〜0.5μm程度で集合し
た複数のフィブリルから構成され、図2(a)に示すよ
うに、各フィブリル15aの主鎖は、ソース電極14a
及びドレイン電極14bを結ぶ直線と垂直な方向に配向
していた。なお、有機半導体の厚さは1μmであった。
図3のように、エキシマレーザーを基板全面に照射し
て成膜したチオフェンオリゴマーからなる有機半導体の
場合、通常のフォトリソグラフィ工程及び酸素プラズマ
等の加工手段を用いて、ソース電極14a及びドレイン
電極14bに接触するように、活性層15を形成した
(図5(d)参照)。
【0035】活性層15上には、ポリメタクリル酸メチ
ルをバーコーターを用いて溶液塗布法により成膜し、保
護膜16を形成した(図5(e)参照)。図6及び表1
に、上記実施例により作製されたTFT(A)と従来の
技術により作製したTFT(B)の特性の一例を示す。
なお、図6は、ドレイン電流とゲート電圧との関係を示
している。
【0036】なお、従来の技術により作製したTFT
(B)は、有機半導体を成膜する際、レーザー光をソー
ス電極及びドレイン電極を結ぶ直線と垂直方向から照射
し、フィブリルをソース電極とドレイン電極を結ぶ直線
と平行な方向に配向させたことを除いては本実施例のT
FT(A)と同様に製造した。
【0037】
【表1】
【0038】図6及び表1から、本実施例により作製し
たTFTの特性は、しきい値電圧(Vth(V))、移動
度(μ(cm2/Vs))、ソース電極及びドレイン電
極間電流のオン・オフ比(ION/IOFF)とも従来のT
FTと比較して、十分に改善されており、アモルファス
シリコンを用いたTFTと同程度の特性が得られてい
る。この結果、本実施例のTFTを用いれば、従来の有
機半導体を用いたトランジスタでは不可能であった、液
晶パネルの能動素子としての利用が可能となる。
【0039】実施例2 図4のように、基板に対して、レーザー光を照射する角
度を考慮してフォトマスク(図示せず)を設計し、この
フォトマスクを用いて、活性層として必要な部分のみに
レーザー光31bを照射して成膜を行うこと以外は、実
施例1と同様にしてTFTを製造した。本実施例2の方
法によれば、予め所望する形状にパターカ化された活性
層32bを得ることができた。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によるTFTは、
活性層を構成する複数のフィブリルがソース電極及びド
レイン電極を結ぶ直線と垂直方向に配向している。この
ように、FETの構造を制御し、膜質を向上させた有機
半導体からなる活性層を用いた結果、トランジスタ特性
が実用に耐え得るレベルにまで向上したFETを提供す
ることができる。
【0041】また、本発明の気相光重合法によれば、重
合、成膜、配向処理を同時に行なうことができ、FET
の製造工程の削減及び製造コストの低減を実現できる。
更に、レーザー光を、所望する部分にのみ照射し、所望
の領域にのみ配向状態で有機半導体を積層することによ
り、半導体層の加工も同時に行うことができるため、F
ET素子の製造工程をより削減し、製造コストをより低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFETの要部の概略断面図である。
【図2】図1のFETの活性層の上部の配向状態を示す
概略図である。
【図3】実施例1の活性層の成膜工程を説明するための
概略断面図である。
【図4】実施例2の活性層の成膜工程を説明するための
概略断面図である。
【図5】本発明のFETの製造工程を説明するための要
部の概略断面図である。
【図6】本発明(A)及び従来の技術(B)による有機
半導体を用いたFETのゲート電圧(VG)−ドレイン
電流(ID)特性を示す図である。
【図7】従来の技術による有機物半導体を用いたFET
の活性層の上部の配向状態を示す概略図である。
【符号の説明】
11 基板 12 ゲート電極 13 ゲート絶縁膜 14a、114a ソース電極 14b、114b ドレイン電極 15、115 活性層 15a、115a 繊維状組織(フィブリル) 16 保護膜 31a、31b レーザー光 32a 有機半導体 32b 活性層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に有機半導体からなる活性層と活
    性層の両側にソース電極及びドレイン電極とを有し、該
    有機半導体が、基板面に沿った方向に成長した複数の繊
    維状組織が集合した構造を有し、かつ、複数の繊維状組
    織の主鎖が、各々ソース電極及びドレイン電極を結ぶ直
    線に対して垂直方向に配向していることを特徴とする電
    界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 有機半導体が、レーザー光を用いた気相
    光重合法により配向状態で積層されてなる請求項1記載
    の電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 基板上に、有機半導体原料を積層し、重
    合させ、配向処理することにより、基板面に沿った方向
    に成長した複数の繊維状組織が集合した構造を有し、か
    つ、複数の繊維状組織の主鎖が、各々ソース電極及びド
    レイン電極を結ぶ直線に対して垂直方向に配向した有機
    半導体からなる活性層を製造することを特徴とする電界
    効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 活性層が、基板上に有機半導体原料を基
    板面に対して垂線方向以外の一方向からレーザー光で照
    射して気相光重合させ、かつ配向状態で積層される請求
    項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 レーザー光が、ソース電極及びドレイン
    電極を結ぶ直線と平行に照射される請求項4記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 レーザー光が、所望する領域にのみ照射
    され、該領域にのみ配向状態で有機半導体を積層するこ
    とからなる請求項4又は5記載の製造方法。
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