JPH06273811A - 光・電子機能材料およびその薄膜の製法 - Google Patents

光・電子機能材料およびその薄膜の製法

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JPH06273811A
JPH06273811A JP5061839A JP6183993A JPH06273811A JP H06273811 A JPH06273811 A JP H06273811A JP 5061839 A JP5061839 A JP 5061839A JP 6183993 A JP6183993 A JP 6183993A JP H06273811 A JPH06273811 A JP H06273811A
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thin film
compd
film
optical
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JP5061839A
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Inventor
Koji Hamano
浩司 浜野
Tetsuyuki Kurata
哲之 蔵田
Yuji Hizuka
裕至 肥塚
Hiroyuki Fuchigami
宏幸 渕上
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な有機n型FETやより優れたp型FE
Tなどの電子デバイス、電界効果型光変調素子などの優
れた光デバイスを得る。 【構成】 C化合物と、Cとは異なる電子供与性の
π共役系化合物から構成される光・電子機能材料。この
材料は、たとえばα−チェニレン6量体の膜22およびC
60の膜23として、基板20上の絶縁膜21ならびにソース電
極24およびドレイン電極25の上に積層されてn型FET
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子デバイスや光デバイ
スに用いられる光・電子機能材料、その薄膜の製法およ
びそれらの材料を用いた電界効果型トランジスタ、光変
調素子および光スイッチなどのデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】有機化合物の中には、その分子内の炭素
−炭素間の二重あるいは三重結合に基づくπ電子によっ
て種々の光電子機能を示す物質が知られている。その光
電子機能としては、電子デバイスへ適用できる半導体性
や、光デバイスに適用できる非線形光学特性が注目され
る。そのようなπ共役系化合物としては、フタロシアニ
ン類に代表される低分子π共役系化合物、あるいはポリ
アセチレン、ポリチオフェンに代表されるπ共役系高分
子、あるいは前記π共役系高分子と骨格が同じであるが
繰り返し単位数が小さいπ共役系オリゴマーなどが知ら
れている。これらの材料を種々のデバイスに適用するば
あいには、その目的とするデバイスに合わせて材料特性
の制御が必要となる。これらのπ共役系化合物では、そ
の材料特性が分子内のπ電子の電子状態によって支配さ
れていることから、材料特性の制御は主に電子状態の制
御方法であるドーピング処理を施すことによって行われ
ている。
【0003】π共役系化合物は無機の半導体と同様に、
価電子帯および伝導帯、およびこれらを隔てる禁制帯か
らなるバンド構造を有していると考えられている。した
がって、化学的方法、電気化学的方法、あるいはイオン
注入などの物理的方法などにより価電子帯から電子を引
き抜いたり(酸化)、または伝導帯に電子を注入したり
(還元)する、いわゆるドーピング処理によりその電子
状態を制御することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでに行
われているドーピングはほとんどが酸化ドーピングであ
り、材料は電子が引き抜かれて形成される正孔がキャリ
ヤーとなるp型の材料となる。このp型ドーピングとし
ては、ヨウ素などの腐食性酸化剤が用いられることが多
く、空気中では不安定なことが多いために実用上問題が
ある。
【0005】電子を注入して電子がキャリヤーとなる還
元ドーピングを行うばあいはナトリウムやカリウムなど
の活性金属が用いられることが多く、p型ドーピングよ
りもさらに不安定であり、n型ドーピングされた実用的
な材料はないといってよいのが現状である。
【0006】また、π共役系化合物の半導体性を利用し
た電子デバイスとしては、電界効果型トランジスタが作
製されている。電界効果型トランジスタとしてはポリチ
オフェン誘導体を用いたもの(アプライド フィジック
ス レターズ(Appl.Phys.Lett.)53
巻、195頁、1988年)、チオフェン6量体を用いたもの
(アドバンスド マテリアルズ(Adv.Materi
als)2巻、592頁、1990年)、金属フタロシアニン
を用いたもの(ケミカル フィジックス レターズ(C
hem.Phys.Lett.)145巻、343頁、1988
年)などの正の電荷をキャリヤーとするものが知られて
いるが、いずれもその特性、とくにえられる電流値は無
機材料であるアモルファスシリコンを半導体材料に用い
た電界効果型トランジスタには及ばないのが実状であ
る。
【0007】また、これまでの有機化合物を半導体とす
る電界効果型トランジスタでは、前述のようにそのキャ
リヤーはいずれも正であるpチャンネル型であり、キャ
リヤーが負であるnチャンネル型のトランジスタは現在
のところ知られていない。このため、pチャンネル型ト
ランジスタとnチャンネル型トランジスタを組み合わせ
てえられる論理素子を作製する上で、はなはだ支障をき
たしている。
【0008】また、π共役系化合物は前述したように非
線形光学材料としても知られており(たとえばポリジア
セチレン、亜鉛フタロシアニンなど)、これら化合物の
3次非線形光学特性を利用したいろいろな光デバイスが
試作され、検討されている。しかし、これら化合物の非
線形光学定数は低く実用上使用できるレベルには至って
いない。
【0009】本発明においては、π共役系化合物と一般
式C(nは60以上の整数)で示される化合物(以下、
化合物という)を組み合わせることによって、従来
よりも優れた性能を有する光デバイスや電子デバイスに
用いられる光・電子機能を有する材料を提供することを
目的とする。
【0010】また、π共役系化合物とC化合物を積
層、または混合することにより、キャリヤー数や移動度
などの電子特性や非線形光学定数などの光学特性を向上
させる薄膜の製法を提供することを目的とする。
【0011】また、電界効果型トランジスタに用いる半
導体材料として、π共役系化合物とC化合物を組み合
わせた材料を用いることによって、大きなソース・ドレ
イン間電流をうることができる電界効果型トランジスタ
を提供することを目的とする。
【0012】また、電界効果型トランジスタの半導体材
料として、π共役系化合物と前記C化合物を組み合わ
せた材料を用いることによって、キャリヤーが正のみな
らず負のトランジスタをも安定した状態で提供すること
を目的とする。
【0013】また、π共役系化合物とC化合物を組み
合わせることにより非線形光学特性を向上させ、これら
の材料を用いた光変調素子および光スイッチを提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、C化合物と
前記Cとは異なるπ共役系化合物(以下、C以外の
π共役系化合物という)を組み合わせた材料が、従来の
材料よりも大幅に半導体特性や非線形光学特性に優れた
材料であることを見出してなされた。
【0015】また、C化合物とC以外のπ共役系化
合物を積層構造とすることによって、両者の組み合わせ
によって形成される材料の特性を向上させかつ制御する
ことができる。
【0016】また、C化合物とC以外のπ共役系化
合物を真空中で混合蒸着することによって分子レベルで
混合し材料の特性を向上させ、かつ、組成を制御するこ
とができる。
【0017】また、前記材料を用いてpチャンネル型電
界効果型トランジスタを作製し、そのデバイス特性を向
上させることができる。
【0018】また、前記材料を用いて、従来にはないn
チャンネル型電界効果型トランジスタを作製することが
できる。
【0019】また、C化合物とC以外のπ共役系化
合物を組み合わせた材料は、従来の材料よりも優れた非
線形光学特性を有し、この材料を用いて優れた特性を示
す光変調素子や光スイッチを作製することができる。
【0020】
【作用】C化合物は腐食性がなく、またC以外のπ
共役系化合物と組み合わせた材料において、C以外の
π共役系化合物とのあいだで電子移動ないし電荷移動を
誘起する有効なドーピング剤として作用する。
【0021】たとえば、C化合物とC以外のπ共役
系化合物とを積層させることによって、両薄膜界面にお
いて有効にドーピングさせることができる。
【0022】また、C化合物とC以外のπ共役系化
合物を、同時に蒸発させて堆積することによって分子レ
ベルでC化合物とC以外のπ共役系化合物を混合さ
せることができ、有効にドーピングができる。
【0023】また、C化合物とC以外のπ共役系化
合物とを組み合わせることによって、有効にしかも安定
にドーピングすることができるために、前記組み合わせ
た材料を半導体層とする電界効果型トランジスタにおい
て、大きなソース・ドレイン間電流がえられるようにな
る。
【0024】また、C化合物とC以外のπ共役系化
合物とを組み合わせた材料において、C以外のπ共役
系化合物からC化合物に電子が移動し、C化合物は
安定なn型半導体となるために、前記組み合わせた材料
を半導体層とする電界効果型トランジスタでnチャンネ
ル型の動作が可能となる。
【0025】また、C化合物とC以外のπ共役系化
合物を組み合わせた材料においては、3次の非線形光学
特性が優れていることを見出したことにより、前記組み
合わせた材料を用いた光変調素子や光スイッチが実現し
た。
【0026】
【実施例】C化合物としては、nが60以上のものであ
ればいずれも使用可能であるが、材料コストおよび特性
面からnが60ないし70のものが好んで用いられる。この
ようなC化合物の構造はたとえば日経サイエンス、19
91年12月号、38〜39頁に記載されているようにC60分子
はサッカーボール型構造で12個の5角形と20個の6角形
があり、C70の分子構造はラグビーボールのような形
で、12個の5角形と25個の6角形でできている。また、
その製法はたとえばヘリウムガス中でカーボン電極間に
直流アーク放電を起こさせて、ススを発生させたのち、
このススをベンゼンに混合させて、フラーレン成分のみ
を溶出させる。このようにして分離したフラーレンを中
性アルミナによる液体クロマトグラフィーで精製するこ
とによりえられ、たとえば真空冶金株式会社などから市
販されている。
【0027】C以外のπ共役系化合物としては、低分
子化合物および高分子化合物のいずれをも使用でき、と
くに制限されない。C以外のπ共役系化合物として
は、金属フタロシアニンおよびその誘導体、金属フリー
フタロシアニンおよびその誘導体、金属ポルフィリンお
よびその誘導体、金属フリーポルフィリンおよびその誘
導体、フラン、ピロール、チオフェン、セレノフェン、
テルロフェンなどの複素環およびそれらの誘導体からな
る高分子やオリゴマー、イソチアナフテン、ベンゾチオ
フェン、アズレン、ベンゾフラン、カルバゾールなどの
複素芳香環およびそれらの誘導体からなる高分子やオリ
ゴマー、アセチレンおよびその誘導体からなる高分子や
オリゴマー、ジアセチレンおよびその誘導体からなる高
分子やオリゴマー、ベンゼン環や複素環とビニレンが交
互結合したアリレンビニレンおよびそれらの誘導体から
なる高分子やオリゴマー、イオウ原子と交互結合したア
リレンサルファイドおよびそれらの誘導体からなる高分
子やオリゴマー、酸素原子と交互結合したアリレンオキ
サイドおよびその誘導体やオリゴマー、ナフタレン、ピ
レン、ペリレンなどを主鎖中に有するアセチレンおよび
それらの誘導体などの化学構造を主鎖中または側鎖中に
含む高分子またはオリゴマーなどが用いられる。また、
前記の分子の化学構造を分子内に1個以上有していれば
よい。また、前記材料の2種以上を組み合わせた共重合
体や混合物でもよい。また、特性の観点からはこれら材
料の純度が高く分子量が一定であればさらによい。さら
にπ共役系化合物としては、C化合物とのあいだで電
子移動ないし電荷移動として現れるドーピングの容易さ
から、イオン化ポテンシャルの小さいものが好んで用い
られる。
【0028】これらC化合物とC以外のπ共役系化
合物とを組み合わせた材料は、C以外のπ共役系化合
物からC化合物に電子または電荷が移動するために、
これらを組み合わせた材料は優れた光・電子特性を保有
する。
【0029】前記材料の製法としては、種々の方法が可
能であるが、π共役系化合物とC化合物とのあいだに
電子移動ないし電荷移動を有効に誘起するためにはπ共
役系化合物とC化合物とを薄膜状態で積層して作製す
るか分子状態で混合した状態の薄膜とすることが、特性
上からもデバイスへの適用上からも有利である。
【0030】積層系のばあい、C化合物の層とC
外のπ共役系化合物の層がそれぞれ1つ以上積層され、
1つの層の厚さは分子の大きさである数Åから2000Åと
してよい。
【0031】混合系のばあい、C化合物とC以外の
π共役系化合物の混合比は、1:1000〜1000:1の範囲
が望ましく、C化合物とC以外のπ共役系化合物の
どちらを主な材料として用いるかによって比が変わる。
たとえばn型半導体として用いるときは、C化合物が
多い方が好ましく、とくにC化合物をC以外のπ共
役系化合物の2倍以上とするのが望ましい。また光デバ
イスとして用いるときは、1:100〜100:1が望まし
い。層の厚さはデバイスによって異なり、適宜選定すれ
ばよいが、電子デバイスであれば、数十Å〜数千Å程度
が望ましく、光デバイスでは数百Å〜数十μm程度が望
ましい。たとえば導波路として用いるばあい、0.5〜2
μm程度が適当である。
【0032】C化合物と、C以外のπ共役系化合物
の積層方法としては、真空蒸着法、イオンクラスタービ
ーム蒸着法、有機分子線蒸着法、有機CVD法、スパッ
タ法などのドライプロセス、ラングミュアーブロジット
(LB)法、電解重合法、スピンコート法などのウェッ
トプロセスなどの方法のいずれの方法も使用でき、これ
らの方法を単独あるいは2種以上組み合わせてもよい。
たとえば有機分子線蒸着法だけでC化合物の薄膜と、
以外のπ共役系化合物の薄膜を積層したり、スピン
コート法でC以外のπ共役系化合物またはその前駆体
薄膜を作製したのち(前駆体であればπ共役系化合物に
変換したのち)、有機分子線蒸着法でC 化合物の薄膜
を積層したりする方法や、電解重合法にてC以外のπ
共役系高分子化合物薄膜を設けたのちに、C化合物の
薄膜を真空蒸着法または有機分子線蒸着法などのドライ
プロセス、またはスピンコート法やLB法などのウェッ
トプロセスで設けることができる。
【0033】たとえば、前駆体を経由してπ共役系高分
子化合物となるポリアセチレン、ベンゼン環やフラン、
チオフェンなどの複素環とビニレンが交互に結合したア
リレンビニレンとその誘導体からなる高分子およびオリ
ゴマーはいかなる溶剤にも不溶であることから、スピン
コート法などのウェットプロセスで前駆体薄膜を形成
し、π共役系高分子化合物に変換後、C化合物を真空
蒸着法、有機分子線蒸着法などのドライプロセス、また
はスピンコート法やLB法などのウェットプロセスにて
π共役系高分子化合物薄膜上に薄膜として堆積させるこ
ともできる。
【0034】しかし、一般に薄膜中の分子の並び方(配
向)に規則性を有するものの方が、規則性を有しないも
のよりも光・電子特性に優れており、その配向制御性の
容易さから、C化合物と、C以外のπ共役系化合物
の薄膜の作製には、10-5Torr以下の高真空下で行う
蒸着、とくに有機分子線蒸着法が好んで用いられる。
【0035】C化合物と、C以外のπ共役系化合物
を同時に蒸発させて分子レベルでの混合による有効なド
ーピングのために用いられる方法としては、前記のいか
なるドライプロセスも使用可能である。
【0036】しかし、特性面からより精密な混合比の制
御のためには10-5Torr以下の高真空下での蒸着、と
くに有機分子線蒸着法が好んで用いられる。
【0037】本発明の光・電子機能材料が適用されるデ
バイスとしては、電界効果型トランジスタなどの半導体
素子、光変調素子、光スイッチ、光双安定素子、光メモ
リーなどがあげられる。
【0038】C化合物と、C以外のπ共役系化合物
とを組み合わせた材料を半導体材料として用いた電界効
果型トランジスタとしては、図1に示すプレーナー型
(図1(a))、逆スタガー型(図1(b))や図には
示されていないがスタガー型のいずれも使用可能であ
る。ここで、図1において1はソース電極、2はドレイ
ン電極、3はゲート電極、4は絶縁膜層、5は少なくと
も1種のC化合物とC以外の少なくとも1種以上の
π共役系化合物とからなる有機半導体層であり、6はた
とえばガラス基板である。pチャンネル型のトランジス
タにおいて、半導体材料となるC化合物と、C以外
のπ共役系化合物とを組み合わせた材料を作る方法とし
ては、前記ドライプロセスおよびウェットプロセスのい
ずれをも使用することができるが、材料の物性を制御す
る点から、ドライプロセスの方が好んで用いられる。半
導体材料をC化合物とC以外のπ共役系化合物の混
合物で形成するばあいには、C以外のπ共役系化合物
の混合割合を多くする必要があり、たとえばC化合物
としてC60を使用し、π共役系化合物としてα−チェニ
レン6量体(以下、6Tという)を用いたばあい、モル
比で6T:C60を1000:1にする。
【0039】nチャンネル型のトランジスタを作製する
には、C化合物と、C以外のπ共役系化合物の積層
が好ましく、ゲート絶縁膜に接してC化合物の薄膜が
接することが動作上必要である。プレーナー型のトラン
ジスタの作製では、ゲート電極、ゲート電極上の絶縁
膜、ゲート絶縁膜上に設けられた一対のソースおよびド
レインとして働く電極からなる基板上に、C化合物の
薄膜を前記ドライプロセスまたはウェットプロセスで設
けたのちに、C以外のπ共役系化合物薄膜をドライプ
ロセスで設けて作ることができる。しかし、トランジス
タの特性には、半導体材料の膜厚制御および配向性の制
御が重要なために、C化合物の薄膜およびC以外の
π共役系化合物薄膜のいずれもドライプロセスで作製す
ることが好ましく、より正確に膜厚を制御するには10-5
Torr以下の高真空下での蒸着、とくに有機分子線蒸
着法が好ましい。nチャンネル型のトランジスタでもC
化合物とC以外のπ共役系化合物の混合物で形成す
ることもできるが、そのばあいにはC化合物の混合割
合を多くする必要がある。たとえば、前述のC60と6T
を用いたばあい、モル比でC60:6Tを1000:1の割合
で混合する。
【0040】C化合物と、C以外のπ共役系化合物
を組み合わせて材料を光学材料として用いた光変調素子
や光スイッチには、図2に示す光カーシャッター型(図
2(a))、ループミラー型(図2(b))、マッハツ
ェンダー干渉計型(図2(c))、方向性結合型(図2
(d))、プリズム結合型(図2(e))、グレーティ
ング結合型(図2(f))、非線形エタロン型(図2
(g))の何れも使用可能である。ここで各図において
10は入力光、11は出力光、12は光または電気的なゲート
信号を示す。光学材料となるC化合物と、C以外の
π共役系化合物を組み合わせた材料を作る方法として
は、前記ドライプロセスおよびウェットプロセスの何れ
も使用可能である。しかし、光変調素子や光スイッチの
特性には、光学材料の膜厚制御および配向性の制御が重
要なために、C化合物の薄膜およびC以外のπ共役
系化合物薄膜共にドライプロセスで堆積することが好ま
しく、より正確に膜厚を制御するには10-5Torr以下
の高真空下での蒸着、とくに有機分子線蒸着法が好まし
く用いられる。
【0041】以下、具体例を示して本発明を説明する
が、勿論これらにより本発明が限定されるものではな
い。
【0042】[実施例1]一般式Cにおいてnが60で
ある化合物(以下、C60という)(真空冶金(株)から
市販されている高純度のもの)とπ共役系化合物の6T
をいずれも1×10-3mol/リットルとなるように同一の
ベンゼン溶液中に溶解した。この溶液の紫外可視吸収ス
ペクトルの測定を行ったところ、1.5eV付近にピーク
を有するブロードな吸収帯が観測された。この吸収帯は
60および6Tのそれぞれ単独のベンゼン溶液では観測
されないこと、およびポリチオフェンのカチオン状態で
現れる吸収帯とほぼ一致することから、6Tのカチオン
状態の吸収であると考えられる。したがって、6Tの電
子がC60に引き抜かれている、すなわち6TにC60がド
ーピングされた結果、6TからC60へ電子移動が起こっ
ていると考えられる。
【0043】[実施例2]実施例1で用いたC60粉末を
石英るつぼに入れて真空槽内の加熱セルにセットし、さ
らに25mm×40mm×1mmの合成石英板を真空槽内に
入れ、真空引きを行った。10-6Torrまで真空度が到
達したのち、セルを加熱して1Å/sec以下の堆積速
度で膜厚が1000Åになるまで石英基板上に堆積させた。
【0044】つぎに、前記のようにしてえられたC60
膜で被覆した合成石英板を別の真空槽に移し、6T粉末
を石英るつぼに入れて真空槽内の加熱セルにセットし、
10-6Torrになるまで真空引きを行ったのち、セルを
加熱して1Å/sec以下の堆積速度で6T膜厚が500
ÅになるまでC60薄膜上に堆積させ、積層膜を作製し
た。
【0045】つぎに作製した積層膜の紫外可視吸収スペ
クトルを図3に示す。この図において、横軸は吸収され
た光のエネルギー(eV)、縦軸は吸光度を示す。また
図3中の(I)は本実施例で作製した積層膜の吸収スペ
クトル、(II)は合成石英基板上に形成した1000ÅのC
60単独膜の吸収スペクトル、また(III)は合成石英基
板上に形成した500Åの6T単独膜の吸収スペクトルで
ある。図3中に示されるように、1.5eVのエネルギー
領域において、(II)、(III)では観測されなかった
新たな吸収帯が観測された。この吸収帯は実施例1で述
べたC60および6Tを溶解させたベンゼン溶液中におい
ても観測されており、6Tのカチオン状態の吸収である
と考えられる。これは6TからC60へ電子が移動してい
ることを示しており、本作製法により作製した積層膜は
6TとC60間でドーピングにより電子が移動しているこ
とがわかった。
【0046】[実施例3]実施例1で用いたC60粉末、
6T粉末をそれぞれ別の石英るつぼに入れて真空槽内の
加熱セルにセットし、さらに25mm×40mm×1mmの
合成石英板を真空槽内に入れ、真空引きを行った。10-6
Torrまで真空度が到達したのち、2つのセルを同時
に加熱してC60は1Å/sec以下、6Tは2Å/se
c以下の堆積速度の条件で膜厚が2000Åになるまで基板
上に堆積させ、6TとC60の混合薄膜を作製した。
【0047】つぎに作製した混合薄膜の紫外可視吸収ス
ペクトルを測定したところ、実施例2のばあいと同様
に、1.5eVのエネルギー領域において新たな吸収帯が
観測された。この吸収帯は6Tのカチオン状態の吸収と
考えられ、これは6TからC60へ電子が移動しているこ
とを示していることから、本作製法により作製した混合
薄膜は6TとC60間でドーピングにより電子が移動して
いることがわかった。
【0048】[実施例4]
【0049】
【化1】 で示されるポリ(2,5−チェニレンビニレン)の前駆体
ポリマー(mは約1000)の2重量%のN,N′−ジメチ
ルホルムアミド溶液を石英基板上に滴下し、スピンコー
ト法により膜厚が1000Åの薄膜を作製した。スピンコー
トは、回転数4000rpm、回転時間60秒、雰囲気温度60
℃にて空気中で行った。このようにして形成した前駆体
ポリマーからなる薄膜に対して、充分乾燥させたのち、
赤外線ゴールドイメージ炉を用いて塩化水素ガスを微量
含むチッ素気流下で約210℃にて約90分間、加熱処理を
した。この加熱処理を行うことにより、ポリ(2,5−チ
ェニレンビニレン)の前駆体ポリマーは、
【0050】
【化2】 で示されるポリ(2,5−チェニレンビニレン)に変換さ
れた。変換の確認は赤外吸収スペクトルにより確認し
た。
【0051】このポリ(2,5−チェニレンビニレン)薄
膜を形成した石英基板を真空槽に入れ、5×10-7Tor
rまで排気したのち、実施例1で用いたC60を真空蒸着
法によりポリ(2,5−チェニレンビニレン)薄膜上に500
Å積層させた。
【0052】このポリ(2,5−チェニレンビニレン)と
60との積層膜の紫外可視吸収スペクトルの測定を行っ
たところ、実施例3で述べたばあいと同様に1.5eV付
近にピークを有するブロードな吸収帯が観測された。こ
れは、チオフェンのカチオン状態の吸収であると考えら
れ、ポリ(2,5−チェニレンビニレン)とC60間でドー
ピングにより電子が移動していると考えられる。
【0053】[実施例5]3インチn型シリコン板(n
型、体積抵抗率=4〜8Ωcm)を酸素気流中で加熱
し、厚さ3000Åの酸化シリコン膜で被覆した。つぎに、
片側の酸化シリコン膜上に通常の真空蒸着法、フォトリ
ソグラフィー技術、エッチング技術を用いて500Åのア
ルミニウム電極または厚さ500Åのクロムを下地とする
厚さ500Åの金電極を6対設けた。この6対のアルミニ
ウム電極または金電極は、電界効果型トランジスター
(以下、FETという)素子においてソース電極とドレ
イン電極として働く。ここで一対の電極の幅、すなわち
チャンネル幅は2mmであり、両電極の間隔、すなわち
チャンネル長は5μmであるようにした。このようにし
て作製した基板を、電極材にアルミニウムを用いたもの
をAlFET素子基板、クロム−金を用いたものを金F
ET素子基板と呼ぶ。
【0054】この基板上に実施例2の方法を用いて実施
例1で用いたC60を1000Å堆積させたのち、その上に6
Tを500Å堆積させて積層膜を作製した。積層膜で被覆
したAlFET素子基板の他面の酸化シリコン膜を機械
的に剥離して、裸のシリコン表面にガリウムとインジウ
ムの合金を塗布してオーミック接触を取った。なお、こ
のばあいチャンネル層はC60である。
【0055】以上のようにして、シリコン板自体が6個
のFET素子の共通ゲート電極として働き、シリコン板
上の酸化シリコン膜が6個のFET素子の共通のゲート
絶縁膜として働くようにした。このようにして、図4に
示すプレナー型FET素子をえた。ここで20は基板兼ゲ
ート電極であるシリコン板であり、21は絶縁膜である酸
化シリコン膜、22は6T薄膜、23はC60薄膜、24および
25はそれぞれソースおよびドレイン電極として働くアル
ミニウム膜または金膜である。
【0056】つぎにC60上に6T薄膜を積層させた6個
のAlFET素子の電気特性を図5に示す。この図にお
いて、横軸はソース・ドレイン間電圧(VDS)であ
り、縦軸はソース・ドレイン間電流(I)である。ゲ
ート電圧(V)が0Vのときには、VDSが大きくな
ってもIはほとんど流れないが、正のVを印加した
ときには大きなIが流れるようになる。しかも、V
DSが大きな領域ではIの飽和が見られ、典型的なエ
ンハンス型のn型FETの電気特性がえられた。図5か
らわかるように、印加するゲート電圧によってソース・
ドレイン間電流を大きく変調させることができる。図5
の特性は作製した6個のFET素子のうちのひとつの素
子の特性であるが、残りのFET素子についても同様の
結果をえた。また、金FET素子においては、印加する
DS、Vの大きさは異なるが、図5と同様の特性を
えた。
【0057】[実施例6]実施例5で述べた金FET基
板上に、実施例2で述べた方法を用いて
【0058】
【化3】 で示すチェニレンビニレン3量体(以下、3TVとい
う)を1000Å堆積させたのち、その上に実施例1で用い
たC60を500Å堆積させて積層膜を作製した。
【0059】つぎに、この積層膜で被覆した金FET素
子基板の他面の酸化シリコン膜を機械的に剥離して、裸
のシリコン表面にガリウムとインジウムの合金を塗布し
てオーミック接触を取った。このばあいチャンネル層は
3TVである。
【0060】以上のようにして、図4に示したものと同
様のFET素子をえた。
【0061】つぎに3TVとC60薄膜を積層させた6個
の金FET素子の電気特性を図6に示す。この図におい
て、横軸はソース・ドレイン間電圧(VDS)であり、
縦軸はソース・ドレイン間電流(I)である。また点
線は6T単独薄膜の、V=−40Vのときにおけるソー
ス・ドレイン間電流である。ゲート電圧(V)が0V
のときにはVDSが大きくなってもIはほとんど流れ
ないが、負のVを印加したときには大きなIが流れ
るようになる。しかも、VDSが大きな領域ではI
飽和が見られ、典型的なエンハンス型のp型電界効果型
トランジスターの電気特性がえられた。図からわかるよ
うに、印加するゲート電圧によってソース・ドレイン間
電流を大きく変調させることができ、変調電流量も6T
単独薄膜のばあいよりもはるかに大きい。図6の特性は
作製した6個のFET素子のうちのひとつの素子の特性
であるが、残りのFET素子についても同様の結果をえ
た。
【0062】[実施例7]実施例2で述べた方法を用い
て、石英板上に膜厚がそれぞれ500Åの6T膜とC60
とをそれぞれ交互に形成し、図7のような10層の積層膜
をえた。ここで30は石英基板、31は6T薄膜、32はC60
薄膜である。
【0063】この積層膜の非線形光学定数を溶融石英を
基準とするTHGメーカフリンジ法(文献、固体物理、
24巻、903頁、1989年に記載)で測定したところ、C60
単独あるいは6T単独薄膜のばあいよりは大きい10-11
esuオーダーの値をえた。さらに6T膜、C60膜がと
もに50Åで前述のように交互に積層した10層の積層膜の
非線形光学定数は10-10esuオーダーとなった。この
ように本方法を用いると、材料の非線形光学特性を変化
させることができ、これにより実施例2の方法が非線形
光学特性を容易に制御できる薄膜を形成できる方法であ
ることがわかった。
【0064】[実施例8]実施例3で述べた方法を用い
て、石英板上に6TとC60を同時に堆積させ、混合膜を
形成した。なお堆積速度比は6T:C60=2:1および
1:2の2通りとして混合比率を変化させたばあいにつ
いて検討した。
【0065】この混合膜の非線形光学定数をTHGメー
カフリンジ法で測定したところ、混合比6T:C60
2:1のときはC60単独あるいは6T単独薄膜のばあい
よりは大きい10-11esuオーダーの値をえた。さらに
混合比6T:C60=1:2のときは10-10esuオーダ
ーとなった。このように本方法を用いると、材料の特性
を変化させることができ、これにより実施例3の方法が
膜の特性を容易に制御できる製法であることがわかっ
た。
【0066】[実施例9]実施例2で述べた方法を用い
て、石英基板上に実施例1で用いたC60を1000Å堆積さ
せたのち、6Tを500Å堆積させて積層膜を形成した。
【0067】つぎに、この薄膜を形成した基板に対して
垂直な方向から833nmのレーザーダイオード光を入射
し、また45°方向から6Tの強い吸収帯である355nm
のパルスレーザー光(1mJ/cm2、パルス幅10n
s)を入射したところ、レーザーダイオードの透過光量
がパルスレーザー光の入射に併せて図8のように変化し
た。ここで図8の横軸は時間、縦軸はレーザーダイオー
ド光の透過強度、また図中の点線は照射パルスレーザー
の波形を示す。以上の結果よりこの試料が光スイッチデ
バイスとして動作することがわかった。
【0068】[実施例10]実施例3の方法を用いて、
石英基板上に6TとC60を堆積速度比2:1で膜を堆積
させ、混合膜を形成した。
【0069】つぎに形成した混合薄膜の紫外可視吸収ス
ペクトルを測定したところ、実施例2のばあいと同様
に、1.5eVのエネルギー領域において新たな吸収帯が
観測された。
【0070】つぎに、この薄膜を形成した基板に対して
垂直な方向から833nmのレーザーダイオード光を入射
し、また45°方向から6Tの強い吸収帯である355nm
のパルスレーザー光(1mJ/cm2、パルス幅10n
s)を入射したところ、レーザーダイオードの透過光量
がパルスレーザー光の入射に併せて図9のように変化し
た。ここで図9の横軸は時間、縦軸はレーザーダイオー
ド光の透過強度、また図中の点線は照射パルスレーザー
の波形を示す。以上の特性は光スイッチの基本動作を示
しており、この試料が光カーシャッターとして動作する
ことがわかった。
【0071】[実施例11]25mm×40mm×1mmの
石英基板43上の一部分に金電極41を蒸着法により300Å
の厚さに形成したのち(図10(a))、この基板全体に
実施例2の方法で6Tを1000Å、C60を500Åの積層膜4
4を蒸着した(図10(b))。この積層膜44に従来より
知られているリソグラフィー技術を用いてマッハツェン
ダー素子のパターン40を作製した(図10(c))。さら
にこの上にスピンコート法によりシロキサンポリマー
(菱電化成製、商品名「ラダーポリマー」)を1μmの
膜厚に塗布したのち、再度図11の40に示す位置に金を30
0Å蒸着し、マッハツェンダー型の導波路素子を作製し
た(図10(d))。図11に図10(d)のA−A線におけ
る断面図を示す。ここで導波路膜の断面は500μm×300
μmとした。図11中の40は6TとC60からなる光導波路
膜である有機薄膜、41は金電極膜、42はシロキサンポリ
マー膜(絶縁膜)、43は基板を示す。
【0072】この素子の端面から833nmのレーザーダ
イオード光を入射し、また前記金電極間に1KHzの正
弦波の交流電場を印加したところ、図12に示すように電
場強度に対応して出力光の強度が変化した。以上より本
方法によって光変調素子を作製することができた。
【0073】[実施例12]石英基板上に金を300Å蒸
着したのち、実施例2の方法で6Tを1000Å、C60を50
0Å蒸着し、さらに基板の中央部に金を300Å蒸着した。
この積層膜に2個のサファイア製の三角プリズムを押し
つけて図13に示す構造の素子をえた。ここで50は6Tと
60とからなる光導波路膜である有機薄膜、51は電極
膜、52は三角プリズム、53は基板である。この片方のプ
リズムに833nmのレーザーダイオード光を入射して積
層膜中に光を導波させたのち、他方のプリズムで導波光
を取り出した。
【0074】この素子中の金電極間に1KHzの正弦波
の交流電場を印加したところ、図14に示すように電場強
度に対応して出力光が変化した。以上より本方法によっ
て光スイッチを作製することができた。
【0075】
【発明の効果】以上のように、少なくとも1種のC
合物と、前記Cとは異なる少なくとも1種のπ共役系
化合物を組み合わせることによりえられた材料を用いる
ことにより、従来の単独薄膜を半導体材料に用いたばあ
いよりも優れた特性を有し空気中で安定な正電荷をキャ
リヤーに用いた電界効果型トランジスタ、また従来には
全くない負電荷をキャリヤーに用いた電界効果型トラン
ジスタ、さらにマッハツェンダー型光変調素子や光スイ
ッチなどの非線形光学特性の優れた光デバイスを提供す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】電界効果型トランジスタ素子の説明図である。
【図2】光変調素子や光スイッチの概念図である。
【図3】C60上に6Tを積層させた薄膜の紫外可視吸収
スペクトルである。
【図4】プレナー型電界効果型トランジスタ素子の模式
的断面図である。
【図5】C60上に6Tを積層させたAlFET素子のト
ランジスター特性を示すグラフである。
【図6】3TV上にC60を積層させた金FET素子のト
ランジスター特性を示すグラフである。
【図7】石英板上にC60および6Tを交互蒸着した薄膜
の模式的断面図である。
【図8】石英板上の6TおよびC60積層膜の光変調特性
を示すグラフである。
【図9】石英板上の6TおよびC60混合膜の光変調特性
を示すグラフである。
【図10】マッハツェンダー型光変調素子の作製プロセ
スの概念図である。
【図11】マッハツェンダー型光変調素子の模式的断面
図である。
【図12】マッハツェンダー型光変調素子を用いた光変
調特性を示すグラフである。
【図13】プリズム結合型光変調素子の説明図である。
【図14】プリズム結合型光変調素子を用いた光変調特
性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ソース電極 2 ドレイン電極 3 ゲート電極 4 絶縁膜 5 半導体薄膜 6 ガラス基板 20 基板兼ゲート電極 21 絶縁膜 22 6T薄膜(半導体薄膜) 23 C60薄膜(半導体薄膜) 24 ソース電極 25 ドレイン電極 30 石英基板 31 6T薄膜 32 C60薄膜 40 6TとC60とからなる光導波路膜 41 電極膜 42 絶縁膜 43 石英基板 50 6TとC60とからなる光導波路膜 51 電極膜 52 三角プリズム 53 石英基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渕上 宏幸 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式C(nは60以上の整数)で示さ
    れる少なくとも1種の化合物と、前記Cとは異なる少
    なくとも1種のπ共役系化合物とから構成される光・電
    子機能材料。
  2. 【請求項2】 一般式C(nは60以上の整数)で示さ
    れる少なくとも1種の化合物と、前記Cとは異なる少
    なくとも1種のπ共役系化合物とから構成される光・電
    子機能材料の薄膜の製法であって、前記Cと前記π共
    役系化合物を、それぞれ少なくとも1回基板上に堆積さ
    せて積層することを特徴とする光・電子機能材料の薄膜
    の製法。
  3. 【請求項3】 一般式C(nは60以上の整数)で示さ
    れる少なくとも1種の化合物と、前記Cとは異なる少
    なくとも1種のπ共役系化合物とから構成される光・電
    子機能材料の薄膜の製法であって、前記Cと前記π共
    役系化合物を同時に蒸発させて、基板上に混合状態で堆
    積させることを特徴とする光・電子機能材料の薄膜の製
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の材料または請求項2もし
    くは3記載の方法により製造される材料の薄膜を半導体
    として用いた正の電荷をキャリヤーとする電界効果型ト
    ランジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の材料または請求項2もし
    くは3記載の方法により製造される材料の薄膜を半導体
    として用いた負の電荷をキャリヤーとする電界効果型ト
    ランジスタ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の材料または請求項2もし
    くは3記載の方法により製造される材料の薄膜を用いた
    光変調素子。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の材料または請求項2もし
    くは3記載の方法により製造される材料の薄膜を用いた
    光スイッチ。
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