JP2004063978A - 電界効果トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】有機半導体を用いた電界効果トランジスタであって、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する電界効果トランジスタを提供する。
【解決手段】絶縁体層3と、この絶縁体層3により隔離されたゲート電極2及び有機半導体層4と、この有機半導体層4に接するように設けられたソース電極5及びドレイン電極6を、絶縁性支持基板上1に有する電界効果トランジスタ。有機半導体層4中の金属含有量を10重量%以下とすることにより、誘起電荷が移動する有機半導体層の有機半導体分子の配列の乱れを効果的に抑制し、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを実現する。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁体層3と、この絶縁体層3により隔離されたゲート電極2及び有機半導体層4と、この有機半導体層4に接するように設けられたソース電極5及びドレイン電極6を、絶縁性支持基板上1に有する電界効果トランジスタ。有機半導体層4中の金属含有量を10重量%以下とすることにより、誘起電荷が移動する有機半導体層の有機半導体分子の配列の乱れを効果的に抑制し、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを実現する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機半導体を用いた電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
電界効果トランジスタは、バイポーラトランジスタと並んで重要なスイッチ、増幅素子として広く利用されている。電界効果トランジスタは、半導体材料にソース電極及びドレイン電極と、絶縁体層を介してゲート電極を設けた構造を有する。電界効果トランジスタの動作特性は、用いられる半導体のキャリア移動度μ、電気伝導度σ、絶縁層の静電容量Ci、素子の構成(ソース電極−ドレイン電極間距離L及び幅W、絶縁層の膜厚d等)により決まるが、この中で、半導体材料の特性としては、高い移動度(μ)を有するものが良好な特性を示すことになる。
【0003】
現在、半導体材料としてはシリコンが広く用いられている。シリコンに代表される無機半導体は、製造時に300℃以上の高温で処理する必要があることから、基板にプラスチック基板やフィルムを用いることが難しく、かつ製造に多くのエネルギーを必要とするという欠点がある。また、真空での素子作製プロセスを経るため、製造ラインに高価な設備を必要とし、高コストになるという欠点もある。
【0004】
これに対して、有機半導体を用いたトランジスタは、その殆どが無機半導体より低温プロセスで製造することができるため、基板としてプラスチック基板やフィルムを用いることができ、軽量で壊れにくい素子を作製することができる。また、溶液の塗布や印刷法を用いた素子作製が可能なものもあり、大面積の素子を低コストで製造することが可能である。更に、材料のバリエーションが豊富であり、分子構造を変化させることにより容易に材料特性を根本的に変化させることが可能であるため、異なる機能を組み合わせることで、無機半導体では不可能な機能、素子を実現することも可能である。
【0005】
半導体として有機半導体を用いたトランジスタについて、特開昭61−202467号公報には、導電性高分子、共役高分子を利用したものが記載され、特許2984370号公報には、低分子化合物を利用したものが記載されている。
【0006】
従来の半導体として有機半導体を用いたトランジスタの代表的な構造を図1〜3に示す。
【0007】
図1の電界効果トランジスタにあっては、絶縁性支持基板1上にゲート電極2が設けられ、更にこの上に絶縁体層3及び有機半導体層4が設けられている。この有機半導体層4に接するように、ソース電極5とドレイン電極6が絶縁体層3上に設けられている。この電界効果トランジスタはボトムゲート・ボトムコンタクト型と称される。
【0008】
図2の電界効果トランジスタにあっては、絶縁体層3上の有機半導体層4上にソース電極5とドレイン電極6が設けられている点が図1に示す電界効果トランジスタと異なり、その他は同様の構成とされている。この電界効果トランジスタはボトムゲート・トップコンタクト型と称される。
【0009】
図3に示す電界効果トランジスタにあっては、絶縁性支持基板1上にソース電極5とドレイン電極6が設けられ、絶縁性支持基板1上に有機半導体層4及び絶縁体層3が積層され、絶縁体層3上にゲート電極2が設けられている。この電界効果トランジスタは、トップゲート・ボトムコンタクト型と称される。
【0010】
このような電界効果トランジスタでは、ゲート電極2に電圧が印加されると、有機半導体層4と絶縁体層3の界面近傍における有機半導体層のキャリア密度を変化させて、ソース−ドレイン電極5,6間に流れる電流量を変化させる。
【0011】
このような種々の構造のトランジスタにおいて種々の有機半導体を用いて活発に研究がなされており、さらに有機半導体物質中のハロゲン化物が電界効果トランジスタの性能の一つであるon/off比に影響を及ぼすようなことも判ってきた(USP5574291A、Lucent Pat.)。しかし、有機半導体層中に残存する金属不純物が有機電界効果トランジスタとしての性能(移動度、リーク電流値、on/off比等)にどのように悪影響を及ぼすかは明らかとなっていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを達成することができ、かつこれらのトランジスタ性能が安定した有機トランジスタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の電界効果トランジスタは、絶縁体層と、該絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、該有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、絶縁性支持基板とを有する電界効果トランジスタにおいて、
該有機半導体層中の金属の総含有量が10重量%以下である、
該有機半導体層は溶媒を用いた塗布法により形成された層であり、該有機半導体層中の残留溶媒量が1重量%以下である、
或いは
該有機半導体層中の吸着水分量が1重量%以下である
ことを特徴とする。
【0014】
本発明者らは、従来の電界効果トランジスタにおけるトランジスタ性能の不安定性について鋭意検討した結果、有機半導体層を成膜する過程で有機半導体層中に残存する、有機半導体の合成触媒由来の金属が、有機半導体層の有機半導体分子の配向、配列、或いはモルホロジーに影響して有機半導体分子の配列を乱すこと、そして、この配列の乱れは、有機半導体分子間のπ軌道の相互作用を弱くし、誘起電荷移動に悪影響を及ぼす結果となり、トランジスタ性能(移動度、リーク電流値、on/off比等)が損なわれることを見出した。
【0015】
即ち、従来法においては、金属触媒を使用して有機半導体を合成する場合には、必然的に多量の金属が残存し、結果として形成される有機半導体層中に少なからぬ金属が含有されている。このような有機半導体層中の金属の含有量は、特に有機トランジスタがフレキシブルディスプレイにおけるスイッチング素子として用いられる場合に大きく影響を与えると考えられるが、このような金属と種類や量と移動度との相関関係については、従来全く考慮されていなかった。
【0016】
これに対して、本発明に従って、有機半導体層中の金属の総含有量、即ち、有機半導体層中の金属の合計の含有量を10重量%以下とすることにより、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する有機トランジスタを実現することができる。
【0017】
なお、有機半導体層中の金属の含有量(重量%)は、例えば、有機トランジスタの有機半導体層を物理的剥離又は溶剤による溶解により分離し、誘導結合高周波プラズマ分光分析法により測定することができる。
【0018】
また、有機半導体層が溶媒を用いた塗布法により形成されたものである場合、有機半導体層中に残留する溶媒量も、金属と同様に有機半導体層の有機半導体分子の配向、配列、或いはモルホロシーに影響を及ぼし、その結果、トランジスタ性能(移動度、リーク電流値、on/off比等)を低下させる原因となる。
【0019】
本発明に従って、溶媒を用いた塗布法により形成された有機半導体層中の残留溶媒量を1重量%以下とすることにより、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する有機トランジスタを実現することができる。
【0020】
更に、大気中に存在し有機半導体層を形成する際に取り込まれてしまうことに起因する有機半導体層中の吸着水分量も、有機半導体層の有機半導体分子の配向、配列、或いはモルホロシーに影響を及ぼし、その結果、トランジスタ性能を低下させる原因となる。
【0021】
本発明に従って、有機半導体層中の吸着水分量を1重量%以下とすることにより、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する有機トランジスタを実現することができる。
【0022】
なお、有機半導体層中の残留溶媒量(重量%)は、例えば、有機トランジスタの有機半導体層を物理的剥離又は溶剤溶解により分離し、ガスクロマトグラフ法により測定することができる。また、有機半導体層中の吸着水分量(重量%)は、有機トランジスタの有機半導体層を物理的剥離又は溶剤溶解により分離し、例えば乾燥減量法や近赤外吸収法により測定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の電界効果トランジスタの実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
本発明の電界効果トランジスタは、絶縁体層と、この絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、この有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極とを、絶縁性支持基板上に有するものであり、その構造には特に制限はなく、図1に示すボトムゲート・ボトムコンタクト型、図2に示すボトムゲート・トップコンタクト型、図3に示すトップゲート・ボトムコンタクト型などが挙げられる。
【0025】
本発明においては、このような電界効果トランジスタにおいて、有機半導体層4中に含まれる金属の合計の含有量を10重量%以下、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下とする。有機半導体層中には、周期表の第1族〜第15族に族する金属であれば複数種類含有されていても良いが、それらの金属の合計量を10重量%以下とする必要がある。
【0026】
また、金属の中でも、有機半導体層中に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属、特にはナトリウム及び/又はマグネシウムの含有量を5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0027】
また、金属の中でも、有機半導体中層に含まれる周期表第4族及び第5族から選ばれる金属、特にはチタン及び/又はバナジウムの含有量が5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0028】
また、金属の中でも、有機半導体層中に含まれる、周期表第7族及び第8族から選ばれる金属、特にはマンガン及び/又は鉄の含有量が5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0029】
また、金属の中でも、有機半導体中に含まれる、周期表第10族〜第12族及び14族から選ばれる金属、特にはニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、及び亜鉛から選ばれる金属の含有量が5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0030】
上記の金属の含有量の下限値は特に限定されないが、金属含有量を0にするために、有機半導体層を形成する有機半導体について精度の高い精製を実施することは経済的でないため、0.001重量%以上、更には0.005重量%以上であっても良い。
【0031】
このように、有機半導体層中の金属の含有量を本発明の範囲内に制御することにより、電荷移動度が向上し、高いon電流及び低いリーク電流、高いon/off比を達成することが可能となる。
【0032】
有機半導体層中の金属は、有機半導体層の成膜に用いる有機半導体を合成する過程で使用される金属触媒が有機半導体中に残存し、その結果、このような有機半導体を用いて成膜された有機半導体層中に混入することによるものと予想される。従って、上述した範囲に金属の含有量を低減する方法としては、有機半導体を製造する際に、金属触媒量が少量でも製造可能な合成法を採用するか、或いは、合成された有機半導体を昇華精製、カラムクロマト分離、再結晶等を繰り返して精製することにより、金属の残存量を調節する方法が挙げられる。
【0033】
本発明においては、溶媒を用いた塗布法により形成された有機半導体層にあっては、有機半導体層中の残留溶媒量が1重量%以下、好ましくは5000ppm以下、更には2000ppm以下、更には1000ppm以下、とりわけ500ppm以下であることが好ましく、これにより、電荷移動度が向上し、高いon電流及び低いリーク電流、高いon/off比を達成することが可能となる。なお、有機半導体層中の残留溶媒量の下限は特に限定されないが、有機半導体層の成膜上の制約等から含有量を0にすることは困難であり0.00001ppm以上、更には0.0001ppm以上であっても良い。
【0034】
本発明において、有機半導体層中の残留溶媒量を上記特定量以下とすることは、有機半導体層に接する絶縁体層がモノマーを塗布した後架橋させることにより形成される場合において、このモノマーが完全に架橋せず、不飽和な状態で残留する場合に、より効果的である。即ち、絶縁体層中に不飽和のモノマーが残留し、有機半導体層中に溶媒が残留していると、絶縁体層と有機半導体層との接触界面において、溶媒と不飽和モノマーとの親和性により、有機半導体層中の溶媒が絶縁体層中に浸入したり、絶縁体層中のモノマーが有機半導体層中に浸入したりすることにより、絶縁体層及び有機半導体層の特性が損なわれる。有機半導体層中の残留溶媒量を低減することにより、このような問題も防止される。
【0035】
有機半導体層中の残留溶媒量は、塗布法により有機半導体層を形成する際の乾燥条件(温度や時間等)を厳密に制御することにより、上記好適範囲に低減することができる。
【0036】
また、本発明においては、有機半導体層中の吸着水分量が1重量%以下、特に5000ppm以下、更には2000ppm以下、更には1000ppm以下、とりわけ500ppm以下であることが好ましく、これにより、電荷移動度が向上し、高いon電流及び低いリーク電流、高いon/off比を達成することが可能となる。なお、有機半導体層中の吸着水分量の下限は特に限定されないが、有機半導体層の成膜、精製のコスト上の制約等から含有量を0にすることは困難であり0.00001ppm以上、更には0.0001ppm以上であっても良い。
【0037】
有機半導体層中の吸着水分量は、有機半導体の合成過程や製膜過程で水分の吸着を低減できるような条件(例えば露点を下げた条件下のグローブボックス内の製造)にコントロールするか、合成後の有機半導体について、精製を繰り返す等の方法により、上記好適範囲に低減することができる。
【0038】
本発明では、有機半導体層の金属の含有量に関わりなく、残留溶媒量及び/又は吸着水分量が上記範囲であっても良い。
【0039】
本発明において、電界効果トランジスタの構成材料自体には特に制限はなく、従来電界効果トランジスタに適用されているものをいずれも好適に用いることができる。
【0040】
絶縁性支持基板の材料としては、絶縁性を示し電界効果トランジスタ及びその上に作成される表示素子、表示パネル等を支持できるものであれば良く、公知のもの、例えば、ガラス、プラスチック、石英をいずれでも用いることができ、より具体的には、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、アモルファスシリコン、アモルファスポリオレフィン、エポキシ樹脂、ガラス等が挙げられる。中でもポリマー基板が好ましく、強度の点ではポリエステル又はポリカーボネートが好ましく、特にはポリエチレンテレフタレート等のポリエステルが好ましい。絶縁性支持基板の厚みは0.05 mmから2 mmが好ましく、0.1 mmから1 mmが更に好ましい。
【0041】
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の構成材料は、導電性を示すものであれば良く、公知のものをいずれでも用いることができ、例えば白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属、InO2、SnO2、ITO等の導電性酸化物、樟脳スルホン酸がドープされたポリアニリン、パラトルエンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン等のドープされ良好な電気伝導度を示す導電性高分子、カーボンブラック、金属微粒子、グラファイト粉等がバインダーに分散されてなり良好な電気伝導度を示す導電性複合材料などが挙げられる。
【0042】
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の形成法としては、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等が挙げられ、更にそのパターニング方法としては、フォトレジストのパターニングとエッチング液や反応性のプラズマでのエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法及びこれらの手法を複数組み合わせた手法などが挙げられる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去することや材料の導電性を変化させることにより、直接パターンを作製することも可能である。
【0043】
これらゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の厚みは0.01μmから2μmが好ましく、0.02μmから1μmが更に好ましい。
【0044】
なお、ソース電極−ドレイン電極間距離(チャンネル長さL)は通常100μm以下、好ましくは50μm以下であり、チャンネル幅Wは通常2000μm以下、好ましくは500μm以下であり、L/Wは通常0.1以下、好ましくは0.05以下である。
【0045】
絶縁層の絶縁体としては、ゲート電極への電流の漏れを防ぎかつ低ゲート電圧で電界効果トランジスタを駆動させることができるように絶縁性に優れかつ比較的大きな比誘電率を持つものであれば公知のものをいずれでも用いることができ、例えばポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、窒化珪素等の窒化物、SrTiO3、BaTiO3等の強誘電性酸化物、あるいは、上記酸化物や窒化物、強誘電性酸化物等の粒子を分散させたポリマー膜等が挙げられる。中でもエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂が好ましい。また、絶縁体の前駆物質としてモノマーを塗布した後、光を照射して硬化させることにより絶縁体を形成する光硬化樹脂も好適に用いられる。
【0046】
絶縁体層の形成方法としては、スピンコートやブレードコートなどの塗布法、蒸着法、スパッタ法、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法等、材料の特性に合わせた形成方法を採用することができる。
【0047】
このようにして形成される絶縁体層は、前述の如く、ゲート電極への漏れ電流、電界効果トランジスタの低ゲート電圧駆動に関係することから、室温での電気伝導度が10−12 S/cm以下、更には10−14 S/cm以下、比誘電率が2.0以上、更には2.5以上を示すことが好ましい。
【0048】
このような絶縁体層の厚みは0.1μmから4μmが好ましく、0.2μmから2μmが更に好ましい。
【0049】
有機半導体層は、金属含有量、更には残留溶媒量及び吸着水分量が前述の範囲であれば良く、有機半導体層を形成する有機半導体は特に限定されず、π共役系の低分子及び高分子であれば公知のものをいずれでも用いることができ、例えばペンタセン、オリゴチオフェン、置換基を有するオリゴチオフェン、ビスジチエノチオフェン、置換基を有するジアルキルアントラジチオフェン、金属フタロシアニン、ベンゾポルフィリン、フッ素置換された銅フタロシアニン、N, N’−ジアルキル−ナフタレン−1, 4, 5, 8−テトラカルボン酸ジイミド置換体、3, 4, 9, 10−ペリレンテトラカルボン酸ジアンハイドライド、N, N’−ジアルキル−3, 4, 9, 10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、フラーレンなどのπ共役系低分子やレジオレギュラーポリ(3−ヘキシルチオフェン)に代表されるレジオレギュラーポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ−9, 9’−ジアルキルフルオレンコビチオフェンなどのπ共役系共重合体等のπ共役系高分子が挙げられる。
【0050】
これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、有機半導体層を形成した場合、そのソース電極−ドレイン電極方向の電気伝導度が10−4 S/cm以下、10−12 S/cm以上を示すものが好ましく、特に10−6 S/cm以下、10−11 S/cm以上、とりわけ10−7 S/cm以下、10−10 S/cm以上を示すものがより好ましい。更にまた、これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、有機半導体層を形成した場合に電界効果移動度とソース電極−ドレイン電極方向の電気伝導度、及び電荷素量から求めたキャリア密度が107 cm−3以上、1018 cm−3以下を示すものが好ましく、特に108 cm−3以上、1017 cm−3以下を示すものがより好ましい。また、これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、有機半導体層を形成した場合に電界効果移動度の室温以下での温度依存性から求められる電荷移動に要する活性化エネルギーが0.2eV以下を示すものが好ましく、特に0.1eV以下を示すものがより好ましい。
【0051】
更にまた、これらπ共役系低分子のなかでも分子長が40Å以下のものにおいては、該電界効果トランジスタに用いた絶縁体層と同じ絶縁体層上に有機半導体層を形成した場合、層表面に対する法線に対して60°の角度から入射光を入れて測定した偏光吸収において、これらπ共役系低分子の分子軸方向の遷移モーメントに由来する吸収ピーク強度のp偏光成分とs偏光成分の比であるp偏光成分/s偏光成分が1.5以上、更には2.0以上、特には3.0以上を示す特性を持つものが好ましい。
【0052】
また一方で、分子長が40Åより大きいπ共役系高分子においては、該電界効果トランジスタに用いた絶縁体層と同じ絶縁体層上に有機半導体層を形成した場合、層表面に垂直方向から入射光を入れて測定した偏光吸収において、これらπ共役系高分子の主鎖方向の遷移モーメントに由来する吸収ピーク強度のソース電極−ドレイン電極方向成分とそれに垂直方向成分の比であるソース電極−ドレイン電極方向成分/垂直方向成分が3.5以上、更には4.5以上、特には5.0以上を示す特性を持つものが好ましい。
【0053】
更にまた、これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、該電界効果トランジスタに用いた絶縁体層と同じ絶縁体層上に有機半導体層を形成した場合、最隣接分子或いは高分子間の距離が3.9Å以下、更には3.85Å以下、特には3.8Å以下である特性を示すものが好ましい。
【0054】
このような有機半導体層の膜厚は1 nmから10 μmが好ましく、10 nmから500nmが更に好ましい。
【0055】
これらの有機半導体を用いた有機半導体層を形成する方法としては、低分子有機半導体の場合には、真空蒸着により絶縁体層又は絶縁性支持基板上に蒸着して形成する方法、溶媒に溶解してキャスト、ディップ、スピンコートなどにより塗布して形成する方法などが挙げられる。高分子有機半導体の場合は、溶媒に溶解してキャスト、ディップ、スピンコートなどにより塗布して形成する方法などが挙げられる。また、目的とする低分子前駆体或いは目的とする高分子前駆体を用いて前述の適切な方法により層形成し、その後に加熱処理等により目的とする有機半導体層に変換する方法も挙げられる。
【0056】
なお、有機半導体層を蒸着法により形成する場合、蒸着原料中に金属が含まれていても、金属と有機半導体との昇華温度が異なり、有機半導体の方が金属よりも昇華温度が低いために、有機半導体が優先的に昇華して蒸着されるため、原料中の金属による、有機半導体層の金属含有量に対する影響は少ない。これに対して、塗布法で有機半導体層を形成する場合には、原料中の金属がそのまま形成される有機半導体層中に含まれることとなる。
【0057】
従って、このようなことから、本発明は特に塗布法により有機半導体層を成膜する場合に有効であり、原料として金属含有量の少ないものを用いることにより、トランジスタ性能に優れた電界効果トランジスタを作製することができる。
【0058】
本発明の電界効果トランジスタの基本的な構造は、絶縁体層と、この絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、この有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極とを絶縁性支持基板上に有するものであり、その具体的な構造としては図1〜3に示すようなものが挙げられるが、本発明の電界効果トランジスタは、何ら図1〜3に示す構造の電界効果トランジスタに限定されず、更に図1〜3に示される層以外の層が形成されていても良い。
【0059】
例えば、図1,2に示す電界効果トランジスタのように、有機半導体層が表出している電界効果トランジスタにあっては、有機半導体に対する外気の影響を最小限にするために、更にこの上に保護膜を形成しても良く、この場合、保護膜の材料としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール等のポリマーや酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物や窒化物等が挙げられる。保護膜の形成方法としては塗布法や真空蒸着法などが挙げられる。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の電界効果トランジスタによれば、有機半導体層中の金属含有量を特定値以下とすることにより、誘起電荷が移動する有機半導体層の有機半導体分子の配列の乱れを効果的に抑制し、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する電界効果トランジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。
【図2】電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。
【図3】電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性支持基板
2 ゲート電極
3 絶縁体層
4 有機半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 界面
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機半導体を用いた電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
電界効果トランジスタは、バイポーラトランジスタと並んで重要なスイッチ、増幅素子として広く利用されている。電界効果トランジスタは、半導体材料にソース電極及びドレイン電極と、絶縁体層を介してゲート電極を設けた構造を有する。電界効果トランジスタの動作特性は、用いられる半導体のキャリア移動度μ、電気伝導度σ、絶縁層の静電容量Ci、素子の構成(ソース電極−ドレイン電極間距離L及び幅W、絶縁層の膜厚d等)により決まるが、この中で、半導体材料の特性としては、高い移動度(μ)を有するものが良好な特性を示すことになる。
【0003】
現在、半導体材料としてはシリコンが広く用いられている。シリコンに代表される無機半導体は、製造時に300℃以上の高温で処理する必要があることから、基板にプラスチック基板やフィルムを用いることが難しく、かつ製造に多くのエネルギーを必要とするという欠点がある。また、真空での素子作製プロセスを経るため、製造ラインに高価な設備を必要とし、高コストになるという欠点もある。
【0004】
これに対して、有機半導体を用いたトランジスタは、その殆どが無機半導体より低温プロセスで製造することができるため、基板としてプラスチック基板やフィルムを用いることができ、軽量で壊れにくい素子を作製することができる。また、溶液の塗布や印刷法を用いた素子作製が可能なものもあり、大面積の素子を低コストで製造することが可能である。更に、材料のバリエーションが豊富であり、分子構造を変化させることにより容易に材料特性を根本的に変化させることが可能であるため、異なる機能を組み合わせることで、無機半導体では不可能な機能、素子を実現することも可能である。
【0005】
半導体として有機半導体を用いたトランジスタについて、特開昭61−202467号公報には、導電性高分子、共役高分子を利用したものが記載され、特許2984370号公報には、低分子化合物を利用したものが記載されている。
【0006】
従来の半導体として有機半導体を用いたトランジスタの代表的な構造を図1〜3に示す。
【0007】
図1の電界効果トランジスタにあっては、絶縁性支持基板1上にゲート電極2が設けられ、更にこの上に絶縁体層3及び有機半導体層4が設けられている。この有機半導体層4に接するように、ソース電極5とドレイン電極6が絶縁体層3上に設けられている。この電界効果トランジスタはボトムゲート・ボトムコンタクト型と称される。
【0008】
図2の電界効果トランジスタにあっては、絶縁体層3上の有機半導体層4上にソース電極5とドレイン電極6が設けられている点が図1に示す電界効果トランジスタと異なり、その他は同様の構成とされている。この電界効果トランジスタはボトムゲート・トップコンタクト型と称される。
【0009】
図3に示す電界効果トランジスタにあっては、絶縁性支持基板1上にソース電極5とドレイン電極6が設けられ、絶縁性支持基板1上に有機半導体層4及び絶縁体層3が積層され、絶縁体層3上にゲート電極2が設けられている。この電界効果トランジスタは、トップゲート・ボトムコンタクト型と称される。
【0010】
このような電界効果トランジスタでは、ゲート電極2に電圧が印加されると、有機半導体層4と絶縁体層3の界面近傍における有機半導体層のキャリア密度を変化させて、ソース−ドレイン電極5,6間に流れる電流量を変化させる。
【0011】
このような種々の構造のトランジスタにおいて種々の有機半導体を用いて活発に研究がなされており、さらに有機半導体物質中のハロゲン化物が電界効果トランジスタの性能の一つであるon/off比に影響を及ぼすようなことも判ってきた(USP5574291A、Lucent Pat.)。しかし、有機半導体層中に残存する金属不純物が有機電界効果トランジスタとしての性能(移動度、リーク電流値、on/off比等)にどのように悪影響を及ぼすかは明らかとなっていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の実状に鑑みてなされたものであって、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを達成することができ、かつこれらのトランジスタ性能が安定した有機トランジスタを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の電界効果トランジスタは、絶縁体層と、該絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、該有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、絶縁性支持基板とを有する電界効果トランジスタにおいて、
該有機半導体層中の金属の総含有量が10重量%以下である、
該有機半導体層は溶媒を用いた塗布法により形成された層であり、該有機半導体層中の残留溶媒量が1重量%以下である、
或いは
該有機半導体層中の吸着水分量が1重量%以下である
ことを特徴とする。
【0014】
本発明者らは、従来の電界効果トランジスタにおけるトランジスタ性能の不安定性について鋭意検討した結果、有機半導体層を成膜する過程で有機半導体層中に残存する、有機半導体の合成触媒由来の金属が、有機半導体層の有機半導体分子の配向、配列、或いはモルホロジーに影響して有機半導体分子の配列を乱すこと、そして、この配列の乱れは、有機半導体分子間のπ軌道の相互作用を弱くし、誘起電荷移動に悪影響を及ぼす結果となり、トランジスタ性能(移動度、リーク電流値、on/off比等)が損なわれることを見出した。
【0015】
即ち、従来法においては、金属触媒を使用して有機半導体を合成する場合には、必然的に多量の金属が残存し、結果として形成される有機半導体層中に少なからぬ金属が含有されている。このような有機半導体層中の金属の含有量は、特に有機トランジスタがフレキシブルディスプレイにおけるスイッチング素子として用いられる場合に大きく影響を与えると考えられるが、このような金属と種類や量と移動度との相関関係については、従来全く考慮されていなかった。
【0016】
これに対して、本発明に従って、有機半導体層中の金属の総含有量、即ち、有機半導体層中の金属の合計の含有量を10重量%以下とすることにより、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する有機トランジスタを実現することができる。
【0017】
なお、有機半導体層中の金属の含有量(重量%)は、例えば、有機トランジスタの有機半導体層を物理的剥離又は溶剤による溶解により分離し、誘導結合高周波プラズマ分光分析法により測定することができる。
【0018】
また、有機半導体層が溶媒を用いた塗布法により形成されたものである場合、有機半導体層中に残留する溶媒量も、金属と同様に有機半導体層の有機半導体分子の配向、配列、或いはモルホロシーに影響を及ぼし、その結果、トランジスタ性能(移動度、リーク電流値、on/off比等)を低下させる原因となる。
【0019】
本発明に従って、溶媒を用いた塗布法により形成された有機半導体層中の残留溶媒量を1重量%以下とすることにより、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する有機トランジスタを実現することができる。
【0020】
更に、大気中に存在し有機半導体層を形成する際に取り込まれてしまうことに起因する有機半導体層中の吸着水分量も、有機半導体層の有機半導体分子の配向、配列、或いはモルホロシーに影響を及ぼし、その結果、トランジスタ性能を低下させる原因となる。
【0021】
本発明に従って、有機半導体層中の吸着水分量を1重量%以下とすることにより、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する有機トランジスタを実現することができる。
【0022】
なお、有機半導体層中の残留溶媒量(重量%)は、例えば、有機トランジスタの有機半導体層を物理的剥離又は溶剤溶解により分離し、ガスクロマトグラフ法により測定することができる。また、有機半導体層中の吸着水分量(重量%)は、有機トランジスタの有機半導体層を物理的剥離又は溶剤溶解により分離し、例えば乾燥減量法や近赤外吸収法により測定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の電界効果トランジスタの実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
本発明の電界効果トランジスタは、絶縁体層と、この絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、この有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極とを、絶縁性支持基板上に有するものであり、その構造には特に制限はなく、図1に示すボトムゲート・ボトムコンタクト型、図2に示すボトムゲート・トップコンタクト型、図3に示すトップゲート・ボトムコンタクト型などが挙げられる。
【0025】
本発明においては、このような電界効果トランジスタにおいて、有機半導体層4中に含まれる金属の合計の含有量を10重量%以下、好ましくは5重量%以下、更に好ましくは1重量%以下、特に好ましくは0.5重量%以下とする。有機半導体層中には、周期表の第1族〜第15族に族する金属であれば複数種類含有されていても良いが、それらの金属の合計量を10重量%以下とする必要がある。
【0026】
また、金属の中でも、有機半導体層中に含まれるアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属、特にはナトリウム及び/又はマグネシウムの含有量を5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0027】
また、金属の中でも、有機半導体中層に含まれる周期表第4族及び第5族から選ばれる金属、特にはチタン及び/又はバナジウムの含有量が5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0028】
また、金属の中でも、有機半導体層中に含まれる、周期表第7族及び第8族から選ばれる金属、特にはマンガン及び/又は鉄の含有量が5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0029】
また、金属の中でも、有機半導体中に含まれる、周期表第10族〜第12族及び14族から選ばれる金属、特にはニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、及び亜鉛から選ばれる金属の含有量が5重量%以下、特に3重量%、とりわけ1重量%以下とするのが好ましい。
【0030】
上記の金属の含有量の下限値は特に限定されないが、金属含有量を0にするために、有機半導体層を形成する有機半導体について精度の高い精製を実施することは経済的でないため、0.001重量%以上、更には0.005重量%以上であっても良い。
【0031】
このように、有機半導体層中の金属の含有量を本発明の範囲内に制御することにより、電荷移動度が向上し、高いon電流及び低いリーク電流、高いon/off比を達成することが可能となる。
【0032】
有機半導体層中の金属は、有機半導体層の成膜に用いる有機半導体を合成する過程で使用される金属触媒が有機半導体中に残存し、その結果、このような有機半導体を用いて成膜された有機半導体層中に混入することによるものと予想される。従って、上述した範囲に金属の含有量を低減する方法としては、有機半導体を製造する際に、金属触媒量が少量でも製造可能な合成法を採用するか、或いは、合成された有機半導体を昇華精製、カラムクロマト分離、再結晶等を繰り返して精製することにより、金属の残存量を調節する方法が挙げられる。
【0033】
本発明においては、溶媒を用いた塗布法により形成された有機半導体層にあっては、有機半導体層中の残留溶媒量が1重量%以下、好ましくは5000ppm以下、更には2000ppm以下、更には1000ppm以下、とりわけ500ppm以下であることが好ましく、これにより、電荷移動度が向上し、高いon電流及び低いリーク電流、高いon/off比を達成することが可能となる。なお、有機半導体層中の残留溶媒量の下限は特に限定されないが、有機半導体層の成膜上の制約等から含有量を0にすることは困難であり0.00001ppm以上、更には0.0001ppm以上であっても良い。
【0034】
本発明において、有機半導体層中の残留溶媒量を上記特定量以下とすることは、有機半導体層に接する絶縁体層がモノマーを塗布した後架橋させることにより形成される場合において、このモノマーが完全に架橋せず、不飽和な状態で残留する場合に、より効果的である。即ち、絶縁体層中に不飽和のモノマーが残留し、有機半導体層中に溶媒が残留していると、絶縁体層と有機半導体層との接触界面において、溶媒と不飽和モノマーとの親和性により、有機半導体層中の溶媒が絶縁体層中に浸入したり、絶縁体層中のモノマーが有機半導体層中に浸入したりすることにより、絶縁体層及び有機半導体層の特性が損なわれる。有機半導体層中の残留溶媒量を低減することにより、このような問題も防止される。
【0035】
有機半導体層中の残留溶媒量は、塗布法により有機半導体層を形成する際の乾燥条件(温度や時間等)を厳密に制御することにより、上記好適範囲に低減することができる。
【0036】
また、本発明においては、有機半導体層中の吸着水分量が1重量%以下、特に5000ppm以下、更には2000ppm以下、更には1000ppm以下、とりわけ500ppm以下であることが好ましく、これにより、電荷移動度が向上し、高いon電流及び低いリーク電流、高いon/off比を達成することが可能となる。なお、有機半導体層中の吸着水分量の下限は特に限定されないが、有機半導体層の成膜、精製のコスト上の制約等から含有量を0にすることは困難であり0.00001ppm以上、更には0.0001ppm以上であっても良い。
【0037】
有機半導体層中の吸着水分量は、有機半導体の合成過程や製膜過程で水分の吸着を低減できるような条件(例えば露点を下げた条件下のグローブボックス内の製造)にコントロールするか、合成後の有機半導体について、精製を繰り返す等の方法により、上記好適範囲に低減することができる。
【0038】
本発明では、有機半導体層の金属の含有量に関わりなく、残留溶媒量及び/又は吸着水分量が上記範囲であっても良い。
【0039】
本発明において、電界効果トランジスタの構成材料自体には特に制限はなく、従来電界効果トランジスタに適用されているものをいずれも好適に用いることができる。
【0040】
絶縁性支持基板の材料としては、絶縁性を示し電界効果トランジスタ及びその上に作成される表示素子、表示パネル等を支持できるものであれば良く、公知のもの、例えば、ガラス、プラスチック、石英をいずれでも用いることができ、より具体的には、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、アモルファスシリコン、アモルファスポリオレフィン、エポキシ樹脂、ガラス等が挙げられる。中でもポリマー基板が好ましく、強度の点ではポリエステル又はポリカーボネートが好ましく、特にはポリエチレンテレフタレート等のポリエステルが好ましい。絶縁性支持基板の厚みは0.05 mmから2 mmが好ましく、0.1 mmから1 mmが更に好ましい。
【0041】
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の構成材料は、導電性を示すものであれば良く、公知のものをいずれでも用いることができ、例えば白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属、InO2、SnO2、ITO等の導電性酸化物、樟脳スルホン酸がドープされたポリアニリン、パラトルエンスルホン酸がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン等のドープされ良好な電気伝導度を示す導電性高分子、カーボンブラック、金属微粒子、グラファイト粉等がバインダーに分散されてなり良好な電気伝導度を示す導電性複合材料などが挙げられる。
【0042】
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の形成法としては、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等が挙げられ、更にそのパターニング方法としては、フォトレジストのパターニングとエッチング液や反応性のプラズマでのエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法及びこれらの手法を複数組み合わせた手法などが挙げられる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去することや材料の導電性を変化させることにより、直接パターンを作製することも可能である。
【0043】
これらゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の厚みは0.01μmから2μmが好ましく、0.02μmから1μmが更に好ましい。
【0044】
なお、ソース電極−ドレイン電極間距離(チャンネル長さL)は通常100μm以下、好ましくは50μm以下であり、チャンネル幅Wは通常2000μm以下、好ましくは500μm以下であり、L/Wは通常0.1以下、好ましくは0.05以下である。
【0045】
絶縁層の絶縁体としては、ゲート電極への電流の漏れを防ぎかつ低ゲート電圧で電界効果トランジスタを駆動させることができるように絶縁性に優れかつ比較的大きな比誘電率を持つものであれば公知のものをいずれでも用いることができ、例えばポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、窒化珪素等の窒化物、SrTiO3、BaTiO3等の強誘電性酸化物、あるいは、上記酸化物や窒化物、強誘電性酸化物等の粒子を分散させたポリマー膜等が挙げられる。中でもエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂が好ましい。また、絶縁体の前駆物質としてモノマーを塗布した後、光を照射して硬化させることにより絶縁体を形成する光硬化樹脂も好適に用いられる。
【0046】
絶縁体層の形成方法としては、スピンコートやブレードコートなどの塗布法、蒸着法、スパッタ法、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法等、材料の特性に合わせた形成方法を採用することができる。
【0047】
このようにして形成される絶縁体層は、前述の如く、ゲート電極への漏れ電流、電界効果トランジスタの低ゲート電圧駆動に関係することから、室温での電気伝導度が10−12 S/cm以下、更には10−14 S/cm以下、比誘電率が2.0以上、更には2.5以上を示すことが好ましい。
【0048】
このような絶縁体層の厚みは0.1μmから4μmが好ましく、0.2μmから2μmが更に好ましい。
【0049】
有機半導体層は、金属含有量、更には残留溶媒量及び吸着水分量が前述の範囲であれば良く、有機半導体層を形成する有機半導体は特に限定されず、π共役系の低分子及び高分子であれば公知のものをいずれでも用いることができ、例えばペンタセン、オリゴチオフェン、置換基を有するオリゴチオフェン、ビスジチエノチオフェン、置換基を有するジアルキルアントラジチオフェン、金属フタロシアニン、ベンゾポルフィリン、フッ素置換された銅フタロシアニン、N, N’−ジアルキル−ナフタレン−1, 4, 5, 8−テトラカルボン酸ジイミド置換体、3, 4, 9, 10−ペリレンテトラカルボン酸ジアンハイドライド、N, N’−ジアルキル−3, 4, 9, 10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド、フラーレンなどのπ共役系低分子やレジオレギュラーポリ(3−ヘキシルチオフェン)に代表されるレジオレギュラーポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ−9, 9’−ジアルキルフルオレンコビチオフェンなどのπ共役系共重合体等のπ共役系高分子が挙げられる。
【0050】
これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、有機半導体層を形成した場合、そのソース電極−ドレイン電極方向の電気伝導度が10−4 S/cm以下、10−12 S/cm以上を示すものが好ましく、特に10−6 S/cm以下、10−11 S/cm以上、とりわけ10−7 S/cm以下、10−10 S/cm以上を示すものがより好ましい。更にまた、これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、有機半導体層を形成した場合に電界効果移動度とソース電極−ドレイン電極方向の電気伝導度、及び電荷素量から求めたキャリア密度が107 cm−3以上、1018 cm−3以下を示すものが好ましく、特に108 cm−3以上、1017 cm−3以下を示すものがより好ましい。また、これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、有機半導体層を形成した場合に電界効果移動度の室温以下での温度依存性から求められる電荷移動に要する活性化エネルギーが0.2eV以下を示すものが好ましく、特に0.1eV以下を示すものがより好ましい。
【0051】
更にまた、これらπ共役系低分子のなかでも分子長が40Å以下のものにおいては、該電界効果トランジスタに用いた絶縁体層と同じ絶縁体層上に有機半導体層を形成した場合、層表面に対する法線に対して60°の角度から入射光を入れて測定した偏光吸収において、これらπ共役系低分子の分子軸方向の遷移モーメントに由来する吸収ピーク強度のp偏光成分とs偏光成分の比であるp偏光成分/s偏光成分が1.5以上、更には2.0以上、特には3.0以上を示す特性を持つものが好ましい。
【0052】
また一方で、分子長が40Åより大きいπ共役系高分子においては、該電界効果トランジスタに用いた絶縁体層と同じ絶縁体層上に有機半導体層を形成した場合、層表面に垂直方向から入射光を入れて測定した偏光吸収において、これらπ共役系高分子の主鎖方向の遷移モーメントに由来する吸収ピーク強度のソース電極−ドレイン電極方向成分とそれに垂直方向成分の比であるソース電極−ドレイン電極方向成分/垂直方向成分が3.5以上、更には4.5以上、特には5.0以上を示す特性を持つものが好ましい。
【0053】
更にまた、これらπ共役系低分子、高分子のなかでも、該電界効果トランジスタに用いた絶縁体層と同じ絶縁体層上に有機半導体層を形成した場合、最隣接分子或いは高分子間の距離が3.9Å以下、更には3.85Å以下、特には3.8Å以下である特性を示すものが好ましい。
【0054】
このような有機半導体層の膜厚は1 nmから10 μmが好ましく、10 nmから500nmが更に好ましい。
【0055】
これらの有機半導体を用いた有機半導体層を形成する方法としては、低分子有機半導体の場合には、真空蒸着により絶縁体層又は絶縁性支持基板上に蒸着して形成する方法、溶媒に溶解してキャスト、ディップ、スピンコートなどにより塗布して形成する方法などが挙げられる。高分子有機半導体の場合は、溶媒に溶解してキャスト、ディップ、スピンコートなどにより塗布して形成する方法などが挙げられる。また、目的とする低分子前駆体或いは目的とする高分子前駆体を用いて前述の適切な方法により層形成し、その後に加熱処理等により目的とする有機半導体層に変換する方法も挙げられる。
【0056】
なお、有機半導体層を蒸着法により形成する場合、蒸着原料中に金属が含まれていても、金属と有機半導体との昇華温度が異なり、有機半導体の方が金属よりも昇華温度が低いために、有機半導体が優先的に昇華して蒸着されるため、原料中の金属による、有機半導体層の金属含有量に対する影響は少ない。これに対して、塗布法で有機半導体層を形成する場合には、原料中の金属がそのまま形成される有機半導体層中に含まれることとなる。
【0057】
従って、このようなことから、本発明は特に塗布法により有機半導体層を成膜する場合に有効であり、原料として金属含有量の少ないものを用いることにより、トランジスタ性能に優れた電界効果トランジスタを作製することができる。
【0058】
本発明の電界効果トランジスタの基本的な構造は、絶縁体層と、この絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、この有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極とを絶縁性支持基板上に有するものであり、その具体的な構造としては図1〜3に示すようなものが挙げられるが、本発明の電界効果トランジスタは、何ら図1〜3に示す構造の電界効果トランジスタに限定されず、更に図1〜3に示される層以外の層が形成されていても良い。
【0059】
例えば、図1,2に示す電界効果トランジスタのように、有機半導体層が表出している電界効果トランジスタにあっては、有機半導体に対する外気の影響を最小限にするために、更にこの上に保護膜を形成しても良く、この場合、保護膜の材料としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール等のポリマーや酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物や窒化物等が挙げられる。保護膜の形成方法としては塗布法や真空蒸着法などが挙げられる。
【0060】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の電界効果トランジスタによれば、有機半導体層中の金属含有量を特定値以下とすることにより、誘起電荷が移動する有機半導体層の有機半導体分子の配列の乱れを効果的に抑制し、より高い移動度と、高いon電流及び低いリーク電流と、高いon/off比とを有する電界効果トランジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。
【図2】電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。
【図3】電界効果トランジスタの構造例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁性支持基板
2 ゲート電極
3 絶縁体層
4 有機半導体層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 界面
Claims (18)
- 絶縁体層と、該絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、該有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、絶縁性支持基板とを有する電界効果トランジスタにおいて、
該有機半導体層中の金属の総含有量が10重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 請求項1において、該有機半導体層中に含まれる、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属の含有量が5重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項2において、該アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選ばれる金属が、ナトリウム及び/又はマグネシウムであることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、該有機半導体層中に含まれる、周期表第4族及び第5族から選ばれる金属の含有量が5重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項4において、該周期表第4族及び第5族から選ばれる金属が、チタン及び/又はバナジウムであることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、該有機半導体層に含まれる、周期表第7族及び第8族から選ばれる金属の含有量が5重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項6において、該周期表第7族及び第8族から選ばれる金属が、マンガン及び/又は鉄であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、該有機半導体層中に含まれる、周期表第10族〜第12族及び第14族から選ばれる金属の含有量が5重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項8において、該周期表第10族〜第12族及び第14族から選ばれる金属が、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、及び亜鉛から選ばれる金属であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし9のいずれか1項において、該有機半導体層は溶媒を用いた塗布法により形成された層であり、該有機半導体層中の残留溶媒量が1重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし10のいずれか1項において、該有機半導体層中の吸着水分量が1重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 絶縁体層と、該絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、該有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、絶縁性支持基板とを有する電界効果トランジスタにおいて、
該有機半導体層は溶媒を用いた塗布法により形成された層であり、該有機半導体層中の残留溶媒量が1重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 絶縁体層と、該絶縁体層により隔離されたゲート電極及び有機半導体層と、該有機半導体層に接するように設けられたソース電極及びドレイン電極と、絶縁性支持基板とを有する電界効果トランジスタにおいて、
該有機半導体層中の吸着水分量が1重量%以下であることを特徴とする電界効果トランジスタ。 - 請求項1ないし13のいずれか1項において、前記ゲート電極が前記絶縁性支持基板上に設けられており、該ゲート電極上に絶縁体層を介して有機半導体層が設けられていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし14のいずれか1項において、前記ソース電極及びドレイン電極が前記絶縁体層に接していることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし14のいずれか1項において、前記ソース電極及びドレイン電極が前記有機半導体層上に設けられていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし13のいずれか1項において、前記ソース電極及びドレイン電極が前記絶縁性支持基板上に設けられていることを特徴とする電界効果トランジスタ。
- 請求項1ないし17のいずれか1項において、前記絶縁性支持基板が、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、アモスファスポリオレフィン、ポリエーテルスルフォン及びエポキシ樹脂よりなる群から選択されるプラスチック基板であることを特徴とする電界効果トランジスタ。
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