JPH0911603A - ハイレリーフ模様形成用転写シート及びその製造方法 - Google Patents

ハイレリーフ模様形成用転写シート及びその製造方法

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JPH0911603A
JPH0911603A JP18788295A JP18788295A JPH0911603A JP H0911603 A JPH0911603 A JP H0911603A JP 18788295 A JP18788295 A JP 18788295A JP 18788295 A JP18788295 A JP 18788295A JP H0911603 A JPH0911603 A JP H0911603A
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ionizing radiation
pattern
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sheet
pattern layer
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JP18788295A
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English (en)
Inventor
Masabumi Shimizu
正文 清水
Yoji Masuda
洋史 増田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明な中間層を厚く形成可能であり、その両
面に絵柄模様層を形成可能であり、またその製造も容易
である、意匠性に優れたハイレリーフ模様形成用転写シ
ート及びその製造方法を提供する。 【構成】 電離放射線透過性シートの一方の面に、第一
絵柄層、電離放射線硬化性樹脂層、第二絵柄層が順に設
けられた転写シートにおいて、前記電離放射線硬化性樹
脂層が10〜250μmの厚みよりなり、且つ第一絵柄
層が少なくとも電離放射線透過性模様層からなるハイレ
リーフ模様形成用転写シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合板、プラスチック成
形品、金属板等の各種物品の表面にハイレリーフ感に優
れた絵柄模様を形成するために用いられる転写シート、
及びその転写シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、予め各種形状に形成された材
料の表面に意匠を付与するために、転写シートが広く用
いられている。この転写シートは剥離性基材の表面に所
望の絵柄等の意匠が形成された転写層が設けられてお
り、この意匠を物品(被転写体)の表面に転移すること
で、物品の表面に簡単に所望の意匠を付与することが出
来る。従来の転写シートの転写層として、印刷により絵
柄や艶等が設けられたものが古くから使用されていた。
しかし、この絵柄のみが設けられた転写層の場合、絵柄
が平面的で意匠的に単調なものであり、また、絵柄が被
転写体から剥離し易く物性的にも劣るという問題があっ
た。
【0003】そこで本発明者等は以上の如き欠点を解消
する転写シートとして特願平6−338318号を出願
した。しかしながら前記転写シートは深い凹部を有し、
厚い凹凸樹脂層を有するものが得られたが絵柄模様層が
透明な中間層の片面にしか設けられていないために、ハ
イレリーフ調の深みのある高意匠のものが得られなく、
意匠的にいまだ劣るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、透明な中間層を厚く形成可能であり、その両
面に絵柄模様層を形成可能であり、またその製造も容易
である、意匠性に優れたハイレリーフ模様形成用転写シ
ート及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートは、
電離放射線透過性シートの一方の面に、第一絵柄層、電
離放射線硬化性樹脂層、第二絵柄層が順に設けられた転
写シートにおいて、前記電離放射線硬化性樹脂層が10
〜250μmの厚みよりなり、且つ前記第一絵柄層が少
なくとも電離放射線透過性模様層からなることを特徴と
するものである。
【0006】そして、前記第一絵柄層が電離放射線透過
性模様層及び電離放射線遮蔽性模様層よりなることを特
徴とすることが好ましいものである。
【0007】また、本発明のハイレリーフ模様形成用転
写シートの製造方法は、少なくとも電離放射線透過性模
様層を有する第一絵柄層が設けられた電離放射線透過性
シートと、第二絵柄層が設けられた印刷シートとを、前
記第一絵柄層と前記第二絵柄層とが10〜250μmの
電離放射線硬化性樹脂層を介して相対するように積層さ
れた積層体に、前記電離放射線透過性シート側から電離
放射線を照射することにより、前記積層体を硬化一体化
させ、しかる後に、前記硬化一体化している積層体から
前記印刷シートを引き剥がして形成することを特徴とす
るものである。
【0008】
【作用】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シート
は、電離放射線透過性シートの一方の面に設けられた電
離放射線透過性模様層からなる第一絵柄層面に、電離放
射線硬化性樹脂層からなる厚い中間層を形成し、第一絵
柄層面に第二絵柄層を積層した構成とすることにより、
第一絵柄層と第二絵柄層との間に透明な中間層が介在す
ることとなり、それにより視覚的に立体効果を現出す
る。また、第一絵柄層として電離放射線透過性模様層及
び電離放射線遮蔽性模様層を設けることで、表面に凹凸
模様と絵柄模様が設けられるため、更に表面意匠性が優
れる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明のハイレリーフ模様形成用転写
シートの一実施例を示す積層断面図、図2は本発明のハ
イレリーフ模様形成用転写シートの一実施例の製造工程
を説明する積層断面図、図3は本発明のハイレリーフ模
様形成用転写シートの他の実施例を示す積層断面図、図
4は本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートを用い
て製造した化粧板の一実施例を示す積層断面図、図5は
本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートを用いて製
造した化粧板の他の実施例を示す積層断面図であり、
1、1’はハイレリーフ模様形成用転写シート、2は電
離放射線透過性シート、3は印刷シート、4は第一絵柄
層、4aは電離放射線透過性模様層、4bは電離放射線
遮蔽性模様層、5は第二絵柄層、6は電離放射線硬化性
樹脂層、6aは電離放射線硬化性樹脂層の硬化部分、6
bは電離放射線硬化性樹脂層の未硬化部分、7は接着剤
層、8は基板、9は凹部、10、10’は化粧板、Rは
電離放射線をそれぞれ表している。
【0010】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シー
ト1は、図1に示すように、第一絵柄層4として電離放
射線透過性模様層4aが設けられた電離放射線透過性シ
ート2の上面に電離放射線硬化性樹脂層6aが設けら
れ、該樹脂層6aの表面に第二絵柄層5が形成されて構
成される。ハイレリーフ模様形成用転写シート1の特徴
は、厚み10〜250μmの電離放射線硬化性樹脂層6
aの両面に絵柄層4a及び5が設けられており、透明な
中間層を介在させて視覚的に立体効果を有するようにし
た点にある。
【0011】以下、上記のハイレリーフ模様形成用転写
シート1の製造方法について説明する。ハイレリーフ模
様形成用転写シート1を製造するには、先ず、図2
(イ)に示すように第一絵柄層4として電離放射線透過
性模様層4aが設けられた電離放射線透過性シート2
と、第二絵柄層5が設けられた印刷シート3を準備す
る。次に図2(ロ)に示すように上記印刷シート3の第
二絵柄層5の上に電離放射線硬化性樹脂の組成物を塗工
して電離放射線硬化性樹脂層6を形成し(樹脂層は未硬
化の状態)、更に、上記電離放射線硬化性樹脂層6の上
から、該樹脂組成物が未硬化の状態で電離放射線透過性
シート2を電離放射線透過性模様層4aが該樹脂組成物
に接するよう積層する。次に図2(ハ)に示すように電
離放射線透過性シート2側から積層物に電離放射線Rを
照射する。電離放射線硬化性樹脂は硬化して硬化部分6
aとなり、図2(ニ)に示す如き本発明のハイレリーフ
模様形成用転写シート1が得られる。
【0012】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シー
ト1に用いられる電離放射線透過性シート2は、使用す
る電離放射線を透過可能であり、かつ硬化した電離放射
線硬化性樹脂と離型可能な材質であればよい。電離放射
線透過性シート2の材質としては、電離放射線が紫外線
の場合は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、ビニロン等のビニル系樹脂,ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート−イソフタレート共重合体等のポリエステ
ル樹脂、ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル
酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル等のアクリル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等の
ポリアミド、三酢酸セルロース、セロファン等のセルロ
ース系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリア
リレート、ポリイミド等の延伸フイルム又は、シートが
挙げられ、紫外線の透過性を阻害する着色料等を含まな
いものが好ましい。電離放射線が電子線の場合は、電子
線の透過性が高いので特に制約はなく、上記の紫外線を
透過するシートのみならず、紙に至までも使用できる。
従って、印刷適性、転写時の適性を重点的にした選択が
可能であり、電離放射線透過性シート2の厚みは、5〜
200μmのものが好ましく用いられる。
【0013】電離放射線透過性シート2の一方の面に第
一絵柄層4として設けられる電離放射線透過性模様層4
aは、電離放射線硬化性樹脂よりなる透明な中間層の上
面に転写形成されるものであり、用途に応じて種々の塗
料若しくはインキを使用して形成される。電離放射線透
過性模様層4aは電離放射線を透過させて後述の電離放
射線硬化性樹脂層6を硬化させる必要があるため電離放
射線透過性を有する。この第一絵柄層4は、電離放射線
が紫外線であるときは紫外線透過性を確保するために、
紫外線透過性を妨げる顔料、充填剤の多用は避けたほう
がよく、染料により着色するか、粒子径の極めて小さい
顔料を使用するのが好ましい。また、絵柄層は部分的に
形成しても、あるいは全面に設けてもよく、1色の印刷
層であっても2色以上の印刷層であってもよい。
【0014】印刷シート3に設けられる第二絵柄層5に
は所望の絵柄模様が形成される。この絵柄模様として
は、例えば木目、石目、布目、図形、文字等の模様が用
いられる。絵柄模様は公知の印刷インキを用いて公知の
印刷方法によって印刷シートの表面に形成される。ま
た、絵柄模様は全面に形成しても部分的に形成してもい
ずれでもよい。第一絵柄層4の電離放射線透過性模様4
aと第二絵柄層5とは、両者の柄パターンを組み合わせ
て形成することが好ましい。両者の絵柄模様同士が同調
するように位置を合わせて用いることで極めて優れた意
匠効果を表現することができる。この模様層を構成する
バインダーは、特に限定されず、例えば一般の印刷イン
キに使用する熱可塑性樹脂、又は最終的に硬化させた場
合、優れた耐久性を持つ絵柄を形成する熱硬化性樹脂を
用いることができる。
【0015】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シー
ト1において電離放射線硬化性樹脂層6aは、意匠面で
視覚的に立体効果を発する透明な中間層として構成され
るものであり、電離放射線硬化性樹脂層6aの厚みは、
10〜250μmに形成されるのが好ましい。即ち、厚
みが10μm未満だと奥行き深みが不足し意匠性に乏し
く、逆に250μmを超えると塗膜作成時に気泡の抱き
込み等が発生しやすく、また、コストが高くなる。
【0016】電離放射線硬化性樹脂層6に用いられる樹
脂は、分子中に、(メタ)アクリロイル基、(メタ)ア
クリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、又は
エポキシ基等のカチオン重合性官能基を有する単量体、
プレポリマー又はポリマー(以下、これらを総称して化
合物と呼称する)からなる。これら単量体、プレポリマ
ー、及びポリマーは、単体で用いるか、或いは複数種混
合して用いる。尚、本明細書で(メタ)アクリレートと
は、アクリレート又はメタアクリレートの意味で用い
る。
【0017】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン
(メタ)アクリレート、ポリビニルピロリドン等が挙げ
られる。このプレポリマーは、通常、分子量が100〜
10000程度のものが用いられる。分子量が100未
満の場合は、硬化した樹脂層の伸び、可撓性等が不足
し、衝撃を受けた場合に亀裂や破損を生じやすくなり、
又、分子量が10000を超えると硬化した樹脂層の耐
擦傷性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の表面物性が不
足する。プレポリマーとしては、表面物性が良好であり
且つ伸びや可撓性が充分であり、両物性に優れるウレタ
ン(メタ)アクリレートが好ましい。上記のアクリレー
トとメタアクリレートは共用し得るが、電離放射線での
架橋硬化速度という点ではアクリレートの方が速い為、
高速度、短時間で能率よく硬化させるという目的ではア
クリレートの方が有利である。
【0018】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーとしては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ系
樹脂、脂肪族系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテ
ル、ウレタン系ビニルエーテル、エステル系ビニルエー
テル等のビニルエーテル系樹脂、環状エーテル化合物、
スピロ化合物等のプレポリマーが挙げられる。
【0019】ラジカル重合性不飽和基を有する単量体の
例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官能単量
体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N
−ジベンジルアミノエチル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリ
レート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フ
ェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシプロピレ
ングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイド
ロゲンテレフタレート等が挙げられる。
【0020】また、ラジカル重合性不飽和基を有する多
官能単量体として、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコール(メタ)アクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオ
キサイドトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンポリエチレン
オキサイドトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)
アクリロイルオキシエチルフォスフェ−ト等が挙げられ
る。
【0021】カチオン重合性官能基を有する単量体は、
上記カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの単量
体を用いることができる。
【0022】電離放射線硬化性樹脂層6を紫外線又は可
視光線で硬化させる場合には、光重合開始剤を添加す
る。ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合の光
重合開始剤は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、
チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケト
ン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイ
ド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾー
ル、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエー
ト等を単独又は混合して用いることができる。又、カチ
オン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、芳香族ジア
ゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、メタロセン化合
物、ベンゾインスルホン酸エステル、フリールオキシス
ルホキソニウムジアリルヨードシル塩等を単独又は混合
物として用いることができる。尚、これら光開始剤の添
加量は一般に、電離放射線硬化性樹脂100重量部にた
いして、0.1〜10重量部程度である。
【0023】電離放射線硬化性樹脂層6の組成物の塗工
方法は、グラビアコート、グラビアリバースコート、グ
ラビアオフセットコート、スピンナーコート、ロールコ
ート、リバースロールコート、キスコート、ホイラーコ
ート、シルクスクリーンによるベタコート、フローコー
ト、スプレーコート等の公知の塗工手段を用いることが
できる。
【0024】本発明において用いる電離放射線Rは、電
磁波または荷電粒子線のうち分子を重合、架橋し得るエ
ネルギー量子を有するものを意味し、可視光線、紫外線
(近紫外線、真空紫外線等)X線、電子線、イオン線等
がある。通常は紫外線や電子線が用いられる。紫外線源
としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カ
ーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライ
ドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長として
は、通常1900〜3800Åの波長域が主として用い
られる。又、電子線源としては、コックロフトワルトン
型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器
型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型灯の
各種電子線加速器を用い、100〜1000KeV、好
ましくは100〜300KeVのエネルギーをもつ電子
を照射するものを使用できる。電離放射線の照射によ
り、電離放射線硬化性樹脂は架橋重合反応を起こし3次
元の高分子構造に変化する。
【0025】図3に示すように、本発明の他の実施例の
ハイレリーフ模様形成用転写シート1’は、第一絵柄層
4として電離放射線透過性模様層4a及び電離放射線遮
蔽層4bを有する電離放射線透過性シート2の第一絵柄
層4面に電離放射線硬化性樹脂層6が設けられ、該樹脂
層6の表面に第二絵柄層5が形成されて構成され、該電
離放射線硬化性樹脂層6は、電離放射線遮蔽性模様層4
bに対応する部分が未硬化の状態である未硬化部分6b
と、電離放射線透過性模様層4aに対応する部分が硬化
している状態にある硬化部分6aとから構成される。
【0026】電離放射線遮蔽模様層4bは、電離放射線
透過性シート2のシート側から、照射した電離放射線R
を遮蔽し、電離放射線硬化性樹脂層6を部分的に硬化
し、転写シートの凹凸模様を形成するためのマスクパタ
ーンの作用を持つものである。従って、電離放射線遮蔽
模様層4bを形成する材料は、電離放射線が紫外線のと
きは、紫外線を遮蔽、又は吸収するものである0.3〜
10μmの酸化チタン、カーボンブラック等の着色顔料
や、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の充填剤を含むイ
ンキ、または、ベンゾフェノン系、サリチレート系、ベ
ンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系の紫外線吸収
剤を含むインキが挙げられる。また、電離放射線が電子
線の場合は、密度の大きい顔料である鉛白、黄鉛、酸化
チタンの他、金属粉であるアルミニウム粉、鉄粉等を含
むインキが挙げられる。電離放射線遮蔽模様層4bの印
刷は、これらのインキを用いて通常の印刷法は採用でき
るが、好ましくは、グラビア印刷、シルクスクリーン印
刷等インキ転移量が多い印刷方式である。
【0027】図4は本発明のハイレリーフ模様形成用転
写シート1を用いて製造した化粧板の一実施例を示す積
層断面図である。図4に示すように、基板8の表面に図
1に示す転写シート1を第二絵柄層5が基板8側となる
ように、接着剤層7を介して積層する。次いで転写シー
ト1の電離放射線透過性シート2を電離放射線硬化性樹
脂層6aから剥離して、電離放射線硬化性樹脂層6aの
上面に電離放射線透過性模様層4a、下面に第二絵柄層
5が設けられたハイレリーフ模様を有する化粧板10が
得られる。
【0028】また、図5は本発明のハイレリーフ模様形
成用転写シート1’を用いて製造した化粧板の他の実施
例を示す積層断面図であり、図5に示すように、基板8
の表面に図3に示す転写シート1’を第二絵柄層5が基
板8側となるように、接着剤層7を介して積層する。次
いで転写シート1’の電離放射線透過性シート2を電離
放射線硬化性樹脂層6から剥離する。電離放射線透過性
シート2を剥離すると電離放射線硬化性樹脂層6の電離
放射線硬化性樹脂の未硬化部分6bが電離放射線遮蔽性
模様層4bに付着して該電離放射線透過性シート2の剥
離とともに付着した部分が除去され凹部9が形成され、
電離放射線硬化性樹脂層6aの上面に電離放射線透過性
模様層4aと凹部9が設けられ、下面に第二絵柄層5が
設けられたハイレリーフ模様を有する化粧板10’が得
られる。
【0029】基板8としては、木、合板、パーチクルボ
ード、中密度繊維板等の木質系基板、石膏ボード、石綿
パーライト板、珪酸カルシウム板、石綿セメント板等の
無機質系基板、鉄板、亜鉛メッキ板、アルミ板、ステン
レス板等の金属基板、フェノール樹脂板、メラミン樹脂
板、ポリエステル樹脂板、アクリル樹脂板等の合成樹脂
基板等を、単独、あるいはそれらを適宜組み合わせた複
合材料として用いられる。形状としては平板、曲面板、
フイルム、シート、立体成形体、柱状体等の任意の材質
が利用できる。
【0030】実施例1 厚み38μmのポリエステルフイルムを基材シートとし
て用い、該シートの表面にイソシアネート硬化ポリウレ
タン樹脂をビヒクルとする紫外線を透過する透明着色イ
ンキを用いて木目導管柄をグラビア印刷にて設けて電離
放射線透過性シートを形成した。別途、厚さ38μmの
ポリエステルフイルムの表面にイソシアネート硬化ポリ
ウレタン樹脂よりなる着色絵柄インキを用い、木目模様
柄をグラビア印刷して印刷絵柄シートを得た。この印刷
絵柄シートの印刷面にナイフコートにてウレタンアクリ
レート系紫外線硬化型樹脂の未硬化樹脂液を100μm
の厚みに塗工し、速やかに電離放射線透過性シートを紫
外線透過性模様の面を上記樹脂液と接するようにしてラ
ミネートする。この際、木目導管柄と木目模様柄が同調
するように位置を合わせた。上記のラミネートしたシー
トの紫外線透過性シート側から高圧水銀灯(80W/c
m×1灯)を20m/minの速さで照射して、塗工し
た樹脂液を均一に硬化一体化させた。そして絵柄印刷シ
ートのポリエステルフイルムのみを剥離し絵柄が樹脂層
に設けられている転写シートを得た。更にこの転写シー
トを、表面を目止め研磨した木質合板からなる被転写基
材に接着剤を介して貼付け、しかる後、基材シート(ポ
リエステルフイルム)を剥離してハイレリーフ模様を有
する化粧板を得た。
【0031】実施例2 厚み38μmのポリエステルフイルムを基材シートとし
て用い、該シートの表面に紫外線を遮蔽する白色インキ
(イソシアネート硬化ポリウレタン樹脂)にて木目の導
管模様を版深60μmのグラビア版にて印刷した後、イ
ソシアネート硬化ポリウレタン樹脂をビヒクルとする紫
外線を透過する着色パールインキを用いて木目の木目模
様をインラインで設けて転写シートを形成した。別途、
厚さ38μmのポリエステルフイルムの表面にイソシア
ネート硬化ポリウレタン系樹脂よりなる着色絵柄インキ
を用い、木目の木目模様をグラビア印刷して印刷絵柄シ
ートを得た。この印刷絵柄シートの印刷面にナイフコー
トにて紫外線硬化型樹脂の未硬化樹脂液を100μmの
厚みに塗工し、速やかに紫外線透過性シートを紫外線透
過性模様の面を上記樹脂液と接するようにしてラミネー
トする。この際、紫外線遮蔽インキによる木目の導管模
様と着色絵柄インキによる木目の木目模様が同調するよ
うに位置を合わせた。上記のラミネートしたシートの紫
外線透過性シート側から出力80W/cmの高圧水銀灯
を1灯設置した照射装置中を20m/minの速さで通
過させながら照射して、硬化度合いの異なる紫外線硬化
性樹脂層をもつハイレリーフ模様形成用転写シートを得
た。そして印刷絵柄シートのポリエステルフイルムのみ
を剥離し、硬化度合いの異なる紫外線硬化性樹脂層をも
ち絵柄が樹脂層に設けられているハイレリーフ模様形成
用転写シートを得た。更にこの転写シートを、表面を目
止め研磨した木質合板からなる被転写基材に接着剤を介
して貼付け、しかる後、基材シート(ポリエステルフイ
ルム)を剥離して、遮蔽柄直下の未硬化樹脂の一部を基
材シートに付着させて除去して木目の導管溝形状の凹部
を形成し、更に再度樹脂層に紫外線を照射して、凹部に
残留していた未硬化の樹脂を硬化させて化粧板を得た。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明のハイレリー
フ模様形成用転写シートは、上記構成を採用したことに
より、両面に絵柄模様を有し、厚い透明な中間層を有す
るものが得られ全体が均一に硬化された電離放射線硬化
性樹脂層により構成されているため、転写シートを取り
扱う場合に電離放射線硬化性樹脂がはみ出したり厚みが
変化してムラが発生する事などがなく、安定した転写を
行うことができ、各種材料に深みのあるハイレリーフ模
様を簡単に形成できる。更に、前記電離放射線透過性シ
ートに設ける第一絵柄層を電離放射線透過性模様層と電
離放射線遮蔽性模様層とする構成にすることにより、両
面に絵柄模様を有し、しかも深い凹部を有し厚い凹凸樹
脂層を有するものが得られ、意匠性を高めることができ
る。、各種材料にシャープで深い凹凸模様を簡単に形成
できる。
【0033】又、本発明のハイレリーフ模様形成用転写
シートの製造方法は、透明な中間層の両面に絵柄模様を
形成する電離放射線透過性シート及び印刷シートの絵柄
層をインライン工程で印刷形成すればよいので転写シー
トの製造が極めて容易である。更に、透明な中間層の硬
化は電離放射線を用いて行うため短時間に硬化が完了
し、作業効率よく厚みの厚い透明な中間層が形成された
樹脂層を形成可能であり、生産性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートの
一実施例を示す積層断面図である。
【図2】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートの
一実施例の製造工程を説明する積層断面図である。
【図3】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートの
他の実施例を示す積層断面図である。
【図4】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートを
用いて製造した化粧板の一実施例を示す積層断面図であ
る。
【図5】本発明のハイレリーフ模様形成用転写シートを
用いて製造した化粧板の他の実施例を示す積層断面図で
ある。
【符号の説明】
1、1’ ハイレリーフ模様形成用転写シート 2 電離放射線透過性シート 3 印刷シート 4 第一絵柄層 4a 電離放射線透過性模様層 4b 電離放射線遮蔽性模様層 5 第二絵柄層 6 電離放射線硬化性樹脂層 6a 電離放射線硬化性樹脂の硬化部分 6b 電離放射線硬化性樹脂の未硬化部分 7 接着剤層 8 基板 9 凹部 10、10’化粧板 R 電離放射線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電離放射線透過性シートの一方の面に、
    第一絵柄層、電離放射線硬化性樹脂層、第二絵柄層が順
    に設けられた転写シートにおいて、前記電離放射線硬化
    性樹脂層が10〜250μmの厚みよりなり、且つ前記
    第一絵柄層が少なくとも電離放射線透過性模様層からな
    ることを特徴とするハイレリーフ模様形成用転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記第一絵柄層が電離放射線透過性模様
    層及び電離放射線遮蔽性模様層よりなることを特徴とす
    る請求項1記載のハイレリーフ模様形成用転写シート。
  3. 【請求項3】 少なくとも電離放射線透過性模様層を有
    する第一絵柄層が設けられた電離放射線透過性シート
    と、第二絵柄層が設けられた印刷シートとを、前記第一
    絵柄層と前記第二絵柄層とが10〜250μmの電離放
    射線硬化性樹脂層を介して相対するように積層された積
    層体に、前記電離放射線透過性シート側から電離放射線
    を照射することにより、前記積層体を硬化一体化させ、
    しかる後に、前記硬化一体化している積層体から前記印
    刷シートを引き剥がして形成することを特徴とするハイ
    レリーフ模様形成用転写シートの製造方法。
JP18788295A 1995-06-30 1995-06-30 ハイレリーフ模様形成用転写シート及びその製造方法 Pending JPH0911603A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013099909A (ja) * 2011-11-10 2013-05-23 Nissha Printing Co Ltd 転写シートおよび真空圧着法による加飾成形品の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013099909A (ja) * 2011-11-10 2013-05-23 Nissha Printing Co Ltd 転写シートおよび真空圧着法による加飾成形品の製造方法

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