JPH09114270A - 転写材担持部材及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

転写材担持部材及びそれを用いた画像形成装置

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JPH09114270A
JPH09114270A JP27547295A JP27547295A JPH09114270A JP H09114270 A JPH09114270 A JP H09114270A JP 27547295 A JP27547295 A JP 27547295A JP 27547295 A JP27547295 A JP 27547295A JP H09114270 A JPH09114270 A JP H09114270A
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JP27547295A
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Yasuko Hayashi
靖子 林
Teigo Sakakibara
悌互 榊原
Katsumi Aoki
活水 青木
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Canon Inc
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気的特性に優れ、更に機械的強度や潤滑性
にも優れるので、繰り返し使用しても転写ムラや転写ヌ
ケなどの欠陥の無い良好な画像の得られる転写材担持部
材及びそれを用いた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 膜厚が50μm以上110μm以下であ
る転写材担持部材、及びそれを有する画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写材担持部材及
びそれを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より画像担持体上の画像を転写材に
転写するときに用いられる転写材担持部材としては様々
なものがある。例えば、帯電−像露光−トナー現像−転
写−クリーニングといった像形成手段を有する電子写真
装置においては、感光体上のトナー像を転写材(例えば
紙)に転写する手段として図1及び図2に示されるよう
な転写ドラム及び転写装置が挙げられる。
【0003】転写ドラム10は両端に配置されたシリン
ダ12,13とこれらのシリンダを連結する連結部14
とから構成される支持体を有し、この支持体の外周面開
口域には転写材担持部材11が張設される。また、前記
連結部14には、給紙装置から送給された転写材を把持
する転写材グリッパ15を有する。更に、転写ドラム1
0の内側及び外側には転写用放電器21、及び除電手段
を構成する内側除電用放電器23及び外側除電用放電器
22,24が配置される。
【0004】感光ドラム33からのトナー像の転写行程
において、転写材担持部材11の像担持面の裏面からト
ナーと逆極性の帯電を行う。帯電による電荷は転写材担
持部材11及び転写材を通過し、転写材表面に至る。こ
の電荷により、感光ドラム33上のトナーは転写材表面
に引き付けられる。
【0005】転写材担持部材としてはテフロン、ポリエ
ステル、ポリフッ化ビニリデン、トリアセテート、及び
ポリカーボネートなどの一般的に高抵抗の樹脂フィルム
が用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、これらの
樹脂フィルムを転写材担持部材として用いた場合、転写
直前に転写材と感光ドラムとの間で絶縁破壊が生じた
り、転写直後に転写材が感光ドラムより剥離される時に
剥離放電が生じ、転写材がこの剥離放電に起因して帯電
し、この帯電電荷は逃げることができずに転写材及び転
写材担持部材に保持されてしまうことにより、転写材上
のトナー画像が乱れたり、次回の転写帯電が均一に行わ
れない場合があった。
【0007】上記の問題点を解決する手段として、特開
昭60−10625号公報に示されているようにカーボ
ンブラックなどの導電性物質を含有する樹脂や、低抵抗
樹脂を転写材担持部材として用いることもできる。しか
し、樹脂の抵抗が低過ぎると、紙の搬送性が悪かった
り、紙の膜厚ムラによる転写ムラ、転写ヌケと言った画
像欠陥が生じ易い場合が多かった。
【0008】また、樹脂中の導電性物質の分散状態が不
均一である場合、転写材担持部材の体積抵抗にムラが生
じるために画像欠陥を起こし易いという問題があった。
【0009】上述のように、絶縁破壊や剥離放電による
画像の乱れや転写不良、及び紙または転写材担持部材の
抵抗ムラによる転写ムラや転写ヌケを同時に解決する転
写材担持部材は未だ見い出されていない。
【0010】本発明の目的は、上述の絶縁破壊や剥離放
電による問題を解決すると同時に、転写ムラや転写ヌケ
の生じないように抵抗制御に優れ、且つ従来よりも耐久
性・耐油性に優れた転写材担持部材を提供するものであ
る。また、本発明の他の目的は、前記転写材担持部材を
用いて、常に良好な画像を得ることのできる画像形成装
置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、画像
形成装置に用いる転写材担持部材において、該転写材担
持部材の膜厚が50μm以上110μm以下であること
を特徴とする、転写材担持部材である。
【0012】本発明は、カーボンブラックを0.05重
量%以上3重量%以下含有する、上記転写材担持部材で
ある。
【0013】本発明は、下記式(1)
【0014】
【化5】 (式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖、あるいは
環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、
アリーレン基、アリーレンジアルキリデン基、−O−,
−S−,−CO−,−SO−又は−SO2 −を示し、R
1 ,R2 ,R3 及びR4 は水素、ハロゲン、炭素数1〜
4のアルキル基、又はアルケニル基を示す。)で示され
る構成単位及び下記式(2)
【0015】
【化6】 (式中、R5 は炭素数2〜6のアルキレン基、又はアル
キリデン基を示し、R6及びR7 は炭素数1〜3のアル
キル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、nは1
〜200の整数を示す。)で示される構成単位を有する
共重合体を含有する、上記転写材担持部材である。ま
た、本発明は、これら転写材担持部材を有することを特
徴とする画像形成装置である。
【0016】以下に本発明について詳細に述べる。
【0017】本発明の最大の特徴は、転写材担持部材を
従来のものよりも薄膜化することで、転写時に必要な転
写電流を小さくし、絶縁破壊や剥離放電による転写不良
を防ぐと同時に、転写材担持部材中に含有されるカーボ
ンブラックの含有量を少なくし、且つ均一に分散させる
ことで紙の膜厚ムラや転写材担持部材の抵抗ムラによる
転写ムラ、転写ヌケを防止する点である。
【0018】本発明に用いられる共重合体は、下記式
(3)
【0019】
【化7】 式中、R1 〜R4 は前記のものと同じで示される構造を
有するビスフェノールと下記式(4)
【0020】
【化8】 式中、R5 〜R7 は前記のものと同じで示される構造を
有するビスフェノールを、ホスゲン、炭酸エステル又は
クロロホーメートなどの存在下、界面重合させることに
よって得ることができる。
【0021】本発明においては、式(2)で示される構
成単位は共重合体の全重量の0.1〜50重量%であ
り、好ましくは0.1〜30重量%である。また、nは
1〜200の整数を示し、好ましくは5〜100であ
る。
【0022】特に上記の範囲の構成の樹脂においては、
溶融状態における樹脂の粘度が適正であり、成形時に薄
膜化し易い。R5 としてはエチレン、プロピレン、イソ
プロピレン、ブチレン、ペンチレン、及びヘキシレンな
どが挙げられるが、特にはエチレン、プロピレン、イソ
プロピレンが好ましい。
【0023】以下に式(3)(4)で示されるビスフェ
ノールの具体例を示すが、本発明に用いられるビスフェ
ノールはこれらに限定されるものではない。
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】 上述の化合物の中では特に例示化合物No.3,8,1
6,19及び21が好ましい。
【0028】次に、本発明に用いられるポリオルガノシ
ロキサンの具体例を示すが、これらに限られるものでは
ない。
【0029】
【化13】
【0030】本発明の共重合体は式(1)で示される構
成単位を2種類以上含有してもよく、式(2)で示され
る構成単位を2種類以上含有してもよい。
【0031】更に、上記の共重合体を他の樹脂と混合し
て用いることもできる。
【0032】また、所望に応じて、該樹脂に、公知の種
々の添加剤類が配合可能であり、これらとしては補強
剤、酸化防止剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、離型剤、染料、顔料、その他の難燃剤や耐衝撃性改
良用のエラストマーなどが挙げられる。例えば、安定剤
としては特に亜リン酸及びホスファイトが好適である。
また、離型剤としては飽和脂肪酸のモノマー及び多価ア
ルコールのエステルが挙げられ、ステアリルステアレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサオクトエートなどが
好適なものとして例示される。更に、通常のポリカーボ
ネート、ポリエステルカーボネート、ポリアリレートな
どの樹脂類も当然目的に応じて適宜好適に用いることが
できる。
【0033】本発明に用いられる共重合体は、前述した
ような従来転写材担持部材として用いられていた樹脂と
比較して、成形時に非常に優れた分散性及び潤滑性を有
するため、少量の導電性カーボンブラックを薄膜中でも
均一に分散することができる。更に、成形されたフィル
ムについても機械的強度及び潤滑性を損なうことがな
い。
【0034】そのため、本発明に用いられる共重合体を
導電性カーボン分散樹脂フィルムとした際も、広範囲に
わたって抵抗ムラが非常に小さく、抵抗のコントロール
も容易となり、更に薄膜のフィルムを生産することが可
能となる。かかるフィルムを転写材担持部材に用いる
と、特に多色画像形成のようにトナー像を重ねて転写す
る場合においても、薄膜化することにより、大きな転写
電流を用いることなく転写を行うことができる上、カー
ボン添加量を少量としているため、薄膜においても膜強
度の低下が生じない。
【0035】本発明に用いられる導電性カーボンブラッ
クは、転写電流を制御するために添加されるものであ
り、例えば、スーパーコンダクティブファーネスブラッ
ク、コンダクティブファーネスブラック、エクストラコ
ンダクティブファーネスブラック、スーパーアブレイジ
ョンファーネスブラック及びフィブリルカーボンなどが
挙げられる。
【0036】導電性カーボンブラックの添加量は本発明
の転写材担持部材に対して0.05重量%以上3重量%
以下である。
【0037】また、本発明のカーボンブラック分散樹脂
フィルムの体積抵抗率は1×105Ω・cm〜1×10
17Ω・cmが好ましく、比誘電率は2.5以上であるこ
とが好ましい。
【0038】カーボンブラックの添加量が3重量%より
も多い場合、特に100μmより薄い膜厚のフィルムを
成形する際に、フィルムの機械的強度が低下する恐れが
ある。
【0039】また、カーボンブラックの添加量が0.0
5重量%よりも少ない場合、転写材担持部材の体積抵抗
率が高くなり過ぎるために、多色画像形成時に転写材と
感光体との間で絶縁破壊が生じ易い。
【0040】上述したように、本発明の転写材担持部材
は抵抗コントロールに優れている上、従来よりも小さい
転写電流で常にムラのない安定した画像を得ることがで
きる。
【0041】更に、本発明の転写材担持部材は薄膜にも
かかわらず優れた機械的強度や潤滑性を有するため、画
像形成装置内で繰り返し使用された後も十分に本発明の
効果を発揮することができる。
【0042】また、本発明の転写材担持部材は、良好な
画像が得られるばかりでなく、生産安定性についても非
常に優れている。
【0043】本発明に用いられる転写材担持部材用樹脂
フィルムは押出成形、射出成形などの方法により成形さ
れることができる。形状はシート状でもシート端部を熱
融着、超音波融着及び接着剤による接着などの手段によ
りエンドレスベルト状としてもよく、用いる画像形成装
置によって任意の最も好ましい形状にするのがよい。フ
ィルムの膜厚は体積抵抗や比誘電率によって異なるが、
50μm〜110μmであることが必要であり、好まし
くは70μm〜100μmである。
【0044】本発明に用いられる共重合体樹脂の合成例
を以下に示す。
【0045】(合成例)水酸化ナトリウム3.8kgを
水45リットルに溶解し、20℃に保ちながら2,2ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.2kgと両
末端が2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基でシロ
キサン鎖の平均繰り返し数n=40のポリジメチルシロ
キサン(信越化学(株)製X−22−165B)1.3
kg、及びハイドロサルファイト8gを溶解した。
【0046】この溶液にメチレンクロライド32リット
ルを加えて攪拌しつつ、p−t−ブチルフェノール15
8gを加え、次いでホスゲン3.5kgを60分かけて
吹き込んだ。ホスゲン吹き込み後、激しく攪拌して反応
液を乳化させ、乳化後、8gのトリエチルアミン加え約
1時間攪拌を続け重合させた。
【0047】重合液を水層と有機層に分離し、有機層を
リン酸で中和した後、イソプロパノール35リットルを
加え、重合物を沈殿させ、沈殿物を濾過後、乾燥するこ
とにより本発明の共重合体を得た。
【0048】本発明の転写材担持部材を有する画像形成
装置の態様の具体例を図3及び図4に示す。図3及び図
4に示される画像形成装置はいずれも多色(フルカラ
ー)画像形成装置の例である。
【0049】まず図3を参照し簡単に説明する。図3に
示される多色電子写真複写装置には回転自在に軸支され
矢印a方向に回転する画像担持体、すなわち感光ドラム
33が配置され、その外周部に画像形成手段が配置され
る。画像形成手段は任意の手段とし得るが、本例では感
光ドラム33を均一に帯電する一次帯電器34と、色分
解された光像、又はこれに相当する光像を照射し、感光
ドラム33上に静電潜像を形成する、例えばレーザービ
ーム露光装置などからなる露光手段32と、感光ドラム
33上の静電潜像を可視画像とする回転式現像装置31
とを具備する。
【0050】回転式現像装置31はイエロー色現像剤、
マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤、及びブラック色現
像剤の4色の現像剤を各々収納する4個の現像器31
Y、31M、31C、31Bkと、これら4個の現像器
を保持しかつ回転自在に軸支された略円柱形状の筐体と
からなっている。前記回転式現像装置31は、筐体の回
転によって所望の現像器を感光ドラム33の外周面と対
向する位置に搬送し、感光ドラム上の静電潜像の現像を
行い4色分のフルカラー現像が可能となるように構成さ
れている。
【0051】感光ドラム33上の可視画像、すなわちト
ナー像は、転写装置10に担持されて搬送される転写材
Pに転写される。本例において転写装置10は回転自在
に軸支された転写ドラムとされ、以下に上述した構成の
多色電子写真複写装置によるフルカラー画像の形成工程
を簡単に説明する。
【0052】感光ドラム33に一次帯電器34により均
一な帯電を行った後露光手段32にて画像情報に応じた
光像Eを照射し、感光ドラム33上に静電潜像が形成さ
れる。該静電潜像は、回転式現像装置31により感光ド
ラム33に樹脂を基材としたトナーによりトナー像とし
て可視化される。
【0053】一方、転写材Pはレジストローラ36によ
り画像と同期して転写ドラム10へと送られ、グリッパ
15などによりその先端部を把持され、図中矢印b方向
に搬送される。
【0054】次いで、感光ドラム33と当接する領域に
おいて転写ドラム10が有する本発明の転写材担持部材
11の背面から転写用放電器21によってトナーと逆極
性のコロナ放電を受けることにより感光ドラム33上の
トナー像が転写材Pに転写される。
【0055】転写材Pは必要回数の転写工程が行われた
後、除電用放電器22,23及び24により除電を受け
つつ分離爪28の作用により転写ドラム10から剥離さ
れ搬送ベルト38により定着器39にて熱による定着を
受けた後、機外に排出される。
【0056】他方、感光ドラム33は表面の残留トナー
をクリーニング装置37で清掃された後彩度画像形成プ
ロセスに供せられる。
【0057】また、転写ドラム10の転写材担持部材1
1表面も同様にブレードまたはファーブラシなどを有す
るクリーニング装置35a及びクリーニング補助手段3
5bの作用により清掃された後彩度、画像形成プロセス
に供せられる。
【0058】本発明においては、図2に示すように転写
用コロナ放電器21の転写ドラム10の回転方向(矢印
bの方向)下流側シールド板に絶縁性部材26、例えば
ポリカーボネート樹脂板などを設けて、転写コロナのう
ち感光ドラム33方向に向かう転写コロナ量を多くした
構成とすることが好ましい。
【0059】また、本発明においては転写材担持部材1
1の導入側から、その移動方向下流側に向けて伸びる、
弾性を有した押圧部材27を設けてもよい。この押圧部
材27は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなどの、好まし
くは体積抵抗率が1010Ω・cm以上、特に好ましくは
1014Ω・cm以上であるような合成樹脂フィルムで構
成し、転写部の全域にわたって配設される。
【0060】また、該押圧部材27はそれ自身の持つ弾
性力により転写材担持部材11を押圧し、その転写材担
持部材11側の先端部は転写材Pが感光ドラム33に接
触し終えた位置、もしくは接触を開始する位置、又は極
力近接した位置に対応する位置とするのが好ましい。
【0061】図4には形状をエンドレスベルト状にした
場合の本発明の転写材担持部材を用いた画像形成装置の
具体例が示されている。
【0062】図4に示された画像形成装置は、感光ドラ
ム41a〜41dを有し、その回りに1次帯電器42a
〜42d、露光手段43a〜43d、現像器44a〜4
4d、転写帯電器45a〜45d、除電放電器46a〜
46d及び47a〜47d、感光ドラム用クリーニング
装置48a〜48dが配置され、更にこれらのユニット
を貫通するように感光ドラムの下方にエンドレスベルト
状の本発明の転写材担持部材40が配置され、ウレタン
ブレード49を有する転写材担持部材用クリーニング装
置50が配置される。
【0063】転写材P′は給紙ローラにより給紙された
後、エンドレスベルト状転写材担持部材40により各転
写用放電器45a〜45dが配置された転写部を通して
搬送される。
【0064】
【実施例】以下、実施例にて本発明を更に詳細に説明す
るが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0065】なお、カーボンブラックの分散性は、TE
Mでカーボンブラックの平均粒径を測定することで評価
した。
【0066】各実施例、比較例の評価結果は表1に示し
た。
【0067】[実施例1]合成例で得られた共重合体9
9.5重量%及び比表面積800m2 /gのケッチェン
ブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル
社製)0.5重量%をベント付二軸押出機を用いてペレ
ット化した。得られたペレットを押出成形して厚さ10
0μmのカーボン分散樹脂シートを得た。
【0068】得られたシートの体積抵抗値は2.0×1
16Ω・cmであった。また、比誘電率は3.5であっ
た。更にケッチェンブラックの分散性は非常に良く、平
均粒径を観察したところ0.2μmであった。
【0069】この樹脂フィルムの潤滑性を評価するため
に、表面性試験機(HEIDON−14、新東化学
(株)製)を用いて、荷重10gのときのウレタンブレ
ードに対する滑り性を測定した。その結果センサーの出
力値は、ポリエチレンテレフタレートフィルムの出力を
1とすると、0.30であった。なおこの場合、センサ
ーの出力値が小さいほうが滑り抵抗が小さい、すなわち
潤滑性が高いことを示す。
【0070】また、この樹脂フィルムの機械的強度を引
張り試験機((株)今田製作所製SV55)を用いて測
定した。その結果、引張り破壊強さは750kg/cm
2 であった。
【0071】また、この樹脂の耐油性を試験するため
に、フィルム上にユニウエイ180(日本製油(株)
製)を塗布し、1週間放置した後、上述の引張試験によ
り機械的強度を測定した。その結果引張破壊強さは75
0kg/cm2 であった。
【0072】この樹脂フィルムの両端を超音波により融
着し、エンドレスベルト状にして転写ベルトを作成し
た。
【0073】上記転写ベルトを用い、図4に示されるよ
うな画像形成装置にてマイナス極性に帯電された感光ド
ラム41a〜dに潜像を形成し、平均粒径が8μmのト
ナーを用いて反転現像にてトナー画像を得た。この時、
トナーは樹脂を色材その他微量の帯電制御性や潤滑性を
向上させるための添加剤などにより構成され、現像器中
でキャリア粒子と摩擦帯電されてマイナス極性に帯電す
るものであった。
【0074】その後該トナー画像を、図4の転写装置に
より転写材に転写した。このとき、転写電流として12
μA印加した。次いで転写材は、転写ベルトから分離
し、定着器にて定着した。
【0075】得られた画像は転写ムラやヌケがなく、画
質は良好であった。
【0076】更に、10000枚の画像出し耐久試験を
行ったが、感光体表面及び転写ベルト表面の劣化はなか
った。
【0077】[実施例2]実施例1におけるケッチェン
ブラックの添加量を0.3重量%とする以外は実施例1
と同様にしてペレットを作成し、実施例1と同様にして
膜厚80μmのカーボン分散樹脂フィルムを得た。
【0078】上記樹脂フィルムを用いて図1に示される
ような転写ドラムを作成した。すなわち、図1に示す転
写材担持部材11として、前記樹脂フィルムを二つのア
ルミニウムシリンダ12,13の間に張架して転写ドラ
ム10を作成した。転写材担持部材11の両端部は転写
ドラム10を構成する2つのアルミニウムシリンダ1
2,13を連結する連結部14上に固定した。本実施例
においては転写ドラム10の直径を160mm、移動速
度を160mm/secとした。また、転写用コロナ放
電器21の開口幅は19mmに、放電ワイヤー25と感
光ドラム33の外周面との距離は10.5mmに、放電
ワイヤー25と転写コロナ放電器21のシールド板底面
との距離は16mmに、それぞれ設定した。
【0079】また、押圧部材27としてはポリエチレン
テレフタレート樹脂フィルムを用いた。
【0080】本実施例においては、図3に示されるよう
な画像形成装置にてマイナス極性に帯電された感光ドラ
ム33に潜像を形成し、平均粒径が8μmのトナーを用
いて反転現像にてトナー画像を得た。この時、トナー
は、実施例1と同様の構成であり、現像器中でキャリア
粒子と摩擦帯電されてマイナス極性に帯電するものであ
った。
【0081】その後該トナー画像を、上記構成の転写装
置により転写材に転写した。このとき、転写電流として
12μA印加した。
【0082】次いで転写材は、転写ドラム10より分離
し、定着器にて定着した。
【0083】本実施例においては、転写ドラム10の転
写材担持部材11の表面を、ウレタンブレードを有する
クリーニング装置35a、及びクリーニング補助手段3
5bによりクリーニングする。
【0084】得られた画像は転写ムラやヌケがなく、画
質は良好であった。
【0085】更に10000枚の画像出し耐久試験を行
ったが、感光体表面及び転写ドラム表面の劣化はなかっ
た。
【0086】[実施例3]実施例1で用いたポリジメチ
ルシロキサン(信越化学(株)製X22−165B)
1.3kgの代りに、両末端が2−(3−ヒドロキシフ
ェニル)エチル基でシロキサン鎖の平均繰り返し数n=
40のポリジメチルシロキサン(信越化学(株)製X2
2−2975)1.3kgを用いた以外は、実施例1と
同様にして本発明の共重合体を得た。この共重合体99
重量%、及びケッチェンブラック1重量%を用いた以外
は実施例1と同様にして膜厚70μmの樹脂フィルムを
得た。
【0087】この樹脂フィルムの体積抵抗値とカーボン
ブラックの分散性を実施例1と同様にして評価した。更
に、この樹脂フィルムの両端を超音波により融着し、エ
ンドレスベルト状にして転写ベルトを作成した。
【0088】上記転写ベルトを用いて、図4の画像形成
装置にて実施例1と同様にして定着画像を得た。
【0089】得られた画像は転写ムラやヌケがなく、画
質は良好であった。
【0090】更に10000枚の画像出し耐久試験を行
ったが、感光体表面及び転写ベルト表面の劣化はなかっ
た。
【0091】[実施例4]実施例1で用いたポリジメチ
ルシロキサン1.3kgの代りに、両末端が3−(2−
ヒドロキシフェニル)プロピル基でシロキサン鎖の平均
繰り返し数n=100のポリジメチルシロキサン(東レ
ダウコーニングシリコン(株)製BY16−752E)
3.0kgを用い、メチレンクロライド38リットルを
用いた以外は、実施例1と同様にして本発明の共重合体
を得た。この共重合体99.6重量%及びケッチェンブ
ラック0.4重量%を用いた以外は実施例1と同様にし
て膜厚90μmの樹脂フィルムを得た。上記樹脂フィル
ムを用いて、実施例1と同様にして転写ベルトを作成し
た。
【0092】上記転写ベルトを用いて実施例1と同様の
評価を行った結果、実施例1と同様に良好な結果を得
た。
【0093】[実施例5]実施例4においてケッチェン
ブラックを2重量%とした以外は、実施例4と同様にし
て、膜厚110μmの樹脂フィルムを得た。
【0094】上記樹脂フィルムを用いて、実施例1と同
様にして転写ベルトを作成した。
【0095】上記転写ベルトを用いて実施例1と同様の
評価を行った結果、実施例1と同様に良好な結果を得
た。
【0096】[比較例1]実施例1において、ケッチェ
ンブラックの添加量を9重量%とし、樹脂フィルムの膜
厚を30μmとする以外は、実施例1と同様にして樹脂
シートを作成した。
【0097】得られたシートの体積抵抗値は5.0×1
13Ω・cmであった。また、比誘電率は8.0であっ
た。
【0098】また、この樹脂フィルムの機械的強度を実
施例1と同様に測定した結果、引張り破壊強さは300
kg/cm2 であった。
【0099】上記樹脂フィルムを用いて実施例1と同様
に転写ベルトを作成し、実施例1と同様に画像出し試験
を行った結果、転写ムラ・転写ヌケが発生した。
【0100】[比較例2]実施例4で用いた共重合体の
代りに下記式
【0101】
【化14】 で示される構造を有する重合体(重量平均分子量5.0
×104 )を用いた他は、実施例4と同様に転写材担持
部材を作成し、実施例1と同様に評価した。その結果、
画像出し試験において転写ムラ・転写ヌケが発生した。
【0102】[比較例3]実施例1において、ケッチェ
ンブラックの添加量を0.5重量%とし、樹脂フィルム
の膜厚を400μmとする以外は、実施例1と同様にし
て樹脂シートを作成した。
【0103】得られたシートの体積抵抗値は1.6×1
17Ω・cmであった。また、比誘電率は3.0であっ
た。
【0104】また、この樹脂フィルムの機械的強度を実
施例1と同様に測定した結果、引張り破壊強さは800
kg/cm2 であった。
【0105】上記樹脂フィルムを用いて実施例1と同様
に転写ベルトを作成し、実施例1と同様に画像出し試験
を行った結果、転写ムラ・転写ヌケが発生した。更に耐
久試験を行った結果、転写ベルト表面にクラック(割
れ)を生じた。
【0106】
【表1】
【0107】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば電気的特
性に優れ、更に機械的強度や潤滑性にも優れるので繰り
返し使用しても転写ムラや転写ヌケなどの欠陥の無い良
好な画像の得られる転写材担持部材及びそれを用いた画
像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写材担持部材を用いた転写ドラムの
概略構成例である。
【図2】本発明の転写材担持部材を用いた転写装置の概
略構成例である。
【図3】シート状の本発明の転写材担持部材を用いた画
像形成装置の概略構成例である。
【図4】エンドレスベルト状の本発明の転写材担持部材
を用いた画像形成装置の概略構成例である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置に用いる転写材担持部材に
    おいて、該転写材担持部材の膜厚が50μm以上110
    μm以下であることを特徴とする、転写材担持部材。
  2. 【請求項2】 該転写材担持部材がカーボンブラックを
    転写材担持部材に対して0.05重量%以上3重量%以
    下含有する、請求項1記載の転写材担持部材。
  3. 【請求項3】 該転写材担持部材が下記式(1) 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖、あるいは
    環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、
    アリーレン基、アリーレンジアルキリデン基、−O−,
    −S−,−CO−,−SO−又は−SO2 −を示し、R
    1 ,R2 ,R3 及びR4 は水素、ハロゲン、炭素数1〜
    4のアルキル基、又はアルケニル基を示す。)で示され
    る構成単位及び下記式(2) 【化2】 (式中、R5 は炭素数2〜6のアルキレン基、又はアル
    キリデン基を示し、R6及びR7 は炭素数1〜3のアル
    キル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、nは1
    〜200の整数を示す。)で示される構成単位を有する
    共重合体を含有する、請求項1又は2記載の転写材担持
    部材。
  4. 【請求項4】 転写材担持部材を有する画像形成装置に
    おいて、該転写材担持部材の膜厚が50μm以上110
    μm以下であることを特徴とする、画像形成装置。
  5. 【請求項5】 該転写材担持部材がカーボンブラックを
    転写材担持部材に対して0.05重量%以上3重量%以
    下含有する、請求項4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 該転写材担持部材が下記式(1) 【化3】 (式中、Aは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖、あるいは
    環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、
    アリーレン基、アリーレンジアルキリデン基、−O−,
    −S−,−CO−,−SO−又は−SO2 −を示し、R
    1 ,R2 ,R3 及びR4 は水素、ハロゲン、炭素数1〜
    4のアルキル基、又はアルケニル基を示す。)で示され
    る構成単位及び下記式(2) 【化4】 (式中、R5 は炭素数2〜6のアルキレン基、又はアル
    キリデン基を示し、R6及びR7 は炭素数1〜3のアル
    キル基、フェニル基又は置換フェニル基を示し、nは1
    〜200の整数を示す。)で示される構成単位を有する
    共重合体を含有する、請求項4又は5記載の画像形成装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7491346B2 (en) * 2004-05-20 2009-02-17 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Polycarbonate resin and electrophotographic photosensitive member using same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7491346B2 (en) * 2004-05-20 2009-02-17 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Polycarbonate resin and electrophotographic photosensitive member using same
USRE43604E1 (en) 2004-05-20 2012-08-28 Idemitsu Kosan Co. Ltd. Polycarbonate resin and electrophotographic photosensitive member using same

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