JPH09114189A - 帯電部材及びその製造方法 - Google Patents

帯電部材及びその製造方法

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JPH09114189A
JPH09114189A JP27103695A JP27103695A JPH09114189A JP H09114189 A JPH09114189 A JP H09114189A JP 27103695 A JP27103695 A JP 27103695A JP 27103695 A JP27103695 A JP 27103695A JP H09114189 A JPH09114189 A JP H09114189A
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latex
conductive
nbr
sbr
roll
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JP27103695A
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English (en)
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Kentaro Ueishi
健太郎 上石
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導電性領域における抵抗値のバラツキがな
く、画像欠陥が生じにくい半導電性ロール等の帯電部材
とその製造方法を提供する。 【解決手段】 電子写真複写機、静電記録装置等の画像
形成装置に用いられる転写ロール、帯電ロール等の帯電
部材1の導電性弾性体層12の表面に抵抗層13を有す
る。この抵抗層13は、導電性弾性体層12の表面にN
BRラテックスとSBRラテックスの混合物に対し、導
電化剤を添加して得られる液を前記導電性弾性体層12
の表面に塗布し、加熱硬化させることによって得られ
る。NBRラテックスとSBRラテックスとのブレンド
比は、5/95〜95/5の範囲が望ましく、導電化剤
には、カーボンブラック及び/又は過塩素酸塩が使用さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被帯電体に接触して
これに所定極性の電位を付与するための帯電部材に関
し、さらに詳しくは電子写真複写機、静電記録装置等の
画像形成装置に用いられ、像担持体に形成されたトナー
像を転写媒体に転写するための転写ロールや像担持体の
表面を一様に帯電するための帯電ロール等として使用さ
れる半導電性ロール等の帯電部材に関する。
【0002】従来、電子写真複写機や静電記録装置等の
画像形成装置においては、環境安定性、低騒音性、低汚
染性、低コストの要求がさらに高まってきており、これ
らの要求に答える技術として、感光体ドラム等からなる
像担持体の帯電や像担持体に形成されたトナー像の転写
等を行うコロナ放電方式に代えて像を担持体に接触した
状態で帯電や転写等を行う半導電性ロールを用いたもの
が提案されている。この接触型の半導電性ロールは、オ
ゾン等のコロナ放電生成物がほとんど発生せず、しかも
低電圧電源ですみ大型の高圧電源を必要としないため、
その分消費電力を定着装置等に回して定着効率の向上を
図ることができ、画像形成装置の軽量化及び高速化を達
成することができる。
【0003】このような半導電性ロールを用いた画像形
成装置としては、例えば、図4に示すように、感光体ド
ラム101の表面を帯電ロール100によって所定の電
位に一次帯電した後、画像露光103を施して静電潜像
を形成し、この静電潜像を現像装置104により顕像化
してトナー像を転写ロール105により転写用紙109
に転写することにより、画像を形成するように構成した
ものがある。なお、トナー像の転写工程が終了した感光
体ドラム101の表面は、クリーニングブレード108
によって残留トナー等が清掃され、次の画像形成工程に
備えるようになっている。
【0004】ところで、この種の画像形成装置の転写ロ
ールや帯電ロールとして使用される半導電性ロールにお
いては、導電性支持体上に抵抗層が形成されており、こ
の抵抗層として、EPDM(エチレン−プロピレン−ジ
エン3元共重合体)、ウレタンゴム、シリコンゴム、オ
レフィン系ゴム等の一般のエラストマー(弾性体)に、
金属酸化物、カーボンブラック等の導電化剤や有機又は
無機電解質等の導電性物質を分散させて導電性を付与し
た層からなるものが使用されている。
【0005】しかしながら、カーボンブラック等の導電
化剤や有機又は無機電解質等の導電性物質を分散させて
導電性を付与したロールの場合、ロール内の抵抗値を半
導電性ロールとして望ましい抵抗値である104 〜10
9 Ω・cmの範囲内に設定しようとすると、電気抵抗値
のバラツキが大きくなり、この結果、この半導電性ロー
ルを用いた装置により画像を形成すると、画像部に黒
点、白点、あるいは部分的な帯電及び転写不良による画
像欠陥部が生じたり、感光体のピンホールリークが発生
しやすい。
【0006】また、導電化剤として、従来から各種の帯
電防止剤あるいは高誘電性の液体等を用いる試みもなさ
れている。しかし、これらの導電化剤を用いた半導電性
弾性体層は、電気抵抗が不安定で低温低湿環境下での帯
電不良が発生しやすく、また、経時変化しやすく、特に
半導電性弾性体層からの導電化剤が滲み出し、この滲み
出した導電化剤が半導電性ロールの表面を汚染し、良好
な画像を形成することが困難となる。
【0007】これらの問題を解消した新たな導電化剤の
提案がなされている。例えば、特開昭63−18987
6号公報、特開平2−198470号公報には、アルカ
リ金属塩としての過塩素酸塩を導電化剤として使用する
ことが開示されている。これらの導電化剤、特に過塩素
酸塩としての過塩素酸リチウムは、各種溶剤への溶解性
も高く導電性のバラツキが少なく、安定した電気抵抗を
保持でき、しかも導電化剤の滲み出しによる汚染の問題
は回避可能である。
【0008】過塩素酸塩としての過塩素酸リチウムは、
半導電性ロールの抵抗層を構成する高分子成分、例え
ば、ポリエーテル、ウレタンマトリックスとの相互作用
が大きく、高速化に対応した低抵抗領域の電気特性の安
定化を図ることができる。しかし、過塩素酸塩としての
過塩素酸リチウムを含有する半導電性ロールでは、半導
電性ロールの抵抗層を構成する高分子成分、例えば、ポ
リエーテル、ウレタンマトリックスとの静電的相互作用
を発揮できる期間が短いため、半導電性ロールの寿命が
短く、性能低下が速いため、半導電性ロールの交換頻度
が高く経済的に不利である。
【0009】また、特開平34−145463号には、
フッ素ゴムラテックス中にフッ素樹脂、カーボンブラッ
ク等を分散させた塗布液を導電性弾性体層に塗布し、加
熱硬化させて抵抗層を形成することが開示されている。
しかしながら、このような抵抗層の場合、カーボンブラ
ック等の導電材料の添加による抵抗バラツキの低減や環
境による抵抗値の変動が生じやすく、安定した抵抗値の
制御が充分ではない。
【0010】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決するためになされたものであって、その目的とすると
ころは、特に半導電性領域における抵抗値のバラツキが
少なく、画像形成に際して、画像欠陥が生じにくい半導
電性ロール等の帯電部材及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0011】さらに本発明の目的とするところは、半導
電性領域における電気抵抗値のバラツキが少なく、低温
低湿から高温高湿の環境下での帯電不良がなく、導電化
剤の滲み出しによる汚染の問題が解消でき、しかも性能
低下の少ない半導電性ロール等の帯電部材及びその製造
方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の帯電部材は、被帯電体に接触して、この被帯電体に所
定極性の電位を付与するための帯電部材であって、その
表面に抵抗層を有する帯電部材において、前記抵抗層が
NBR成分とSBR成分との混合物を主成分とし、両成
分が互いに非相溶性であると共に導電化剤を含有させて
構成したものである。
【0013】本発明の請求項2に記載の帯電部材は、N
BRとSBRとの混合比率が5/95〜95/5である
帯電部材である。
【0014】本発明の請求項3に記載の帯電部材は、導
電化剤がカーボンブラック及び/又は過塩素酸塩である
帯電部材である。
【0015】本発明の請求項4に記載の帯電部材は、過
塩素酸塩が過塩素酸リチウムである帯電部材である。
【0016】本発明の請求項5に記載の帯電部材の製造
方法は、被帯電体に当接され、この被帯電体に所定極性
の電位を付与するための帯電部材であって、導電性弾性
体層の表面に抵抗層を有する帯電部材の製造方法におい
て、前記導電性弾性体層の表面にNBRラテックスとS
BRラテックスの混合物に対し、導電化剤を添加して得
られる液を前記導電性弾性体層の表面に塗布し、加熱硬
化させることを特徴とする。
【0017】以下、本発明をさらに詳細に説明する。図
1は本発明の帯電部材としての半導電性ロールの一実施
例を示す断面図である。この半導電性ロール1は、ステ
ンレス(SUS)や鉄にNiメッキを施した導電性金属
芯材11の外周に、発泡性弾性体層12を被覆して構成
されている。発泡弾性体層12は、例えば、ウレタン、
EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合
体)、シリコン等の高分子物質に導電性カーボンブラッ
クを分散させた構成からなっている。この発泡弾性体層
12の外周表面に抵抗層13が形成されている。上記の
半導体電性ロール1は、感光体ドラム2に接触して感光
体ドラム2に所定極性の電位を付与するようになってい
る。
【0018】本発明は、上記のような発泡弾性体層12
の外周に形成される抵抗層13における配合組成に特徴
を有している。この抵抗層13は、NBR(ニトリル−
ブタジエン共重合体ゴム)ラテックスとSBR(スチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム)ラテックスとの混合物の
高分子マトリックスからなる。NBRラテックスは、そ
の共重合成分のアクリロニトリル(以下、CNと略)量
が極性に影響するが、本発明におけるNBRラテックス
はCN量が低CN量=25%〜高CN量=39%までの
ものが望ましいが、これに限定されるものでなく、15
%〜50%のものを使用することができる。NBRラテ
ックスの共重合成分のCN量の変化に対応してNBRラ
テックスに混合されるSBRラテックスの量を調整する
ことができる。NBRラテックスとしては、変成された
NBRラテックスでもよい。変成されたNBRラテック
スには、例えば、過塩素酸リチウムイオンとの静電的相
互作用の向上の点から、カルボキシ変成NBRラテック
スが好適である。
【0019】SBRラテックスは、その共重合成分のス
チレン(以下、Stの略)量が極性に影響するが、本発
明におけるSBRラテックスは低St量=15%〜高S
t量=40%のものが望ましいが、これに限定されるも
のでなく、5%〜48%のものを使用することができ
る。SBRラテックスの共重合成分のSt量に対応して
SBRラテックスに混合されるNBRラテックスの量を
調整することができる。SBRラテックスとしては、変
成されたSBRラテックスでもよい。変成されたSBR
ラテックスには、例えば、過塩素酸リチウムイオンとの
静電的相互作用の向上の点から、カルボキシ変成SBR
ラテックスが好適である。
【0020】本発明において、溶解度パラメータ値(S
P値)が異なるNBR(SP値=9.7)とSBR(S
P値=8.6)を組み合わせると、非相溶性のイオン導
電相としての高極性のNBRラテックスと低極性のSB
Rラテックスとの混合物からなる高分子マトリックスを
形成することができる。すなわち、SBR相とNBR相
とがそれぞれの高分子マトリックス相を形成し、均一に
構成されている。
【0021】この高分子マトリックスは、所謂、海島構
造を形成し、このような海島構造を形成するためには、
NBRラテックスとSBRラテックスの混合比は、5/
95〜95/5が望ましく、更に好ましくは30/70
〜70/30とするのがよい。NBRラテックスは帯電
時の放電現象により生じるオゾンによる劣化が発生じや
すく、単独での使用が困難であり、少なくとも耐オゾン
劣化性の点から耐オゾン性に優れたSBRラテックスの
併用が必要である。ただし、NBRのブレンド比率が増
加するにつれて104 〜109 Ω・cmまでのイオン導
電性が変化し、SBRとNBRとのブレンド中、NBR
のブレンド比率が50%以上であると、電解質が選択的
に浸透して安定した抵抗の維持が可能となる。
【0022】ただし、NBRラテックス構成比により、
すなわちSBRラテックスとNBRラテックスとの混合
比によって2相の海島構造が変化する。この海島構造
は、NBR成分が島部分を形成し、この島が連続的に実
質的に繋がっており、この島の周辺がSBR成分による
海部分を形成している。
【0023】本発明は、これらのNBR成分とSBR成
分に対して、導電化剤が配合される。導電化剤には、導
電性カーボン等の導電性微粒子や過塩素酸塩等のイオン
導電化剤等が挙げられる。導電性カーボンには、ケッチ
ェンブラック、サーマルブラック、アセチレンブラッ
ク、黒鉛等が使用可能であり、イオン導電化剤には、過
塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシ
ウム、長鎖アルキル4級アンモニウム過塩素酸塩等が挙
げられる。
【0024】ケッチェンブラックは、給油性が高く導電
性に優れた特性を有しており、サーマルブラックは給油
性が小さくゴム補強性が強い特性を有している。これら
の導電性カーボンは、単独でも使用可能であるが、特に
ケッチェンブラックとサーマルブラックとを併用する
と、半導電性領域での抵抗値の急激な変化を抑えること
ができ、比較的少量の使用で半導電性領域でのバラツキ
の少ない導電性化が可能である。導電性カーボンは、N
BRラテックスとSBRラテックスとの高分子マトリッ
クスからなる海島構造の界面に偏在することによって、
導電性カーボンの添加量を少なくでき、これによって帯
電電流の集中によるピンホールリーク現象を回避するこ
とができる。
【0025】これらの導電性カーボンブラックの使用量
は、NBRとSBRとのブレンド比率やNBRのCN
量、及び目的とする抵抗値により異なるが、NBRとS
BR(固形分)100重量部に対して、ケッチェンブラ
ックは3〜20重量部、サーマルブラックは10〜40
重量部が好ましい。
【0026】イオン導電性導電化剤の中で、特に過塩素
酸リチウムはNBRラテックスとの高分子マトリックス
に対する相溶性がよく、過塩素酸リチウムの添加量とN
BR比率の調整により抵抗層を104 〜109 Ω・cm
の範囲の抵抗値に制御するときに有効であり、また、特
に長鎖アルキル4級アンモニウム過塩素酸塩はその添加
量により抵抗層を107 〜109 Ω・cmの範囲の抵抗
値に制御するときに有効である。
【0027】NBRラテックスとSBRラテックスとの
高分子マトリックスに対して、イオン導電化剤を配合す
ると、NBR相がイオン導電相を形成し、NBR相が選
択的にイオン導電路を形成し、大幅にイオン導電性が向
上して104 Ω・cm程度の低抵抗領域が安定して得ら
れる。一方、SBR相は機械的強度を保持する支持体の
役割を果たす。
【0028】イオン導電化剤の使用量は、NBRとSB
Rとのブレンド比率やNBRのCN量、及び目的とする
抵抗値により異なるが、NBRとSBR(固形分)10
0重量部に対して、0.1〜2.0重量部が好ましい。
イオン導電化剤の使用量がこの範囲以上添加では、SB
R配合量が多くなると、析出し、溶解性が低下する。
【0029】また、本発明において、導電性カーボンと
イオン導電化剤と、各々単独で使用してもよく、併用し
てもよい。
【0030】したがって、本発明においては、NBRラ
テックスとSBRラテックスのブレンド比率によって設
定される2相の海島構造の調整と、これに添加される導
電化剤により抵抗値の制御が可能であり、導電化剤の添
加が実質的に抵抗値を制御する従来の方法に比較して導
電化剤の使用量が少なくともよい利点がある。
【0031】本発明は、上記したNBRラテックスとS
BRラテックスと共に導電性カーボン及び/又はイオン
導電化剤にさらに硬化促進剤、希釈剤等を配合した塗布
液を調整し、この塗布液を導電性弾性体層面に塗工する
ことによって抵抗層が形成される。このような塗工方法
としては、例えば、浸漬コーテイング法、スプレーコー
テイング法、スピナーコーテイング法、ワイヤーバーコ
ーテイング法、ブレードコーテイング法、ローラーコー
テイング法、カーテンコーテイング法等のコーテイング
法等が挙げられる。
【0032】導電性弾性体層の表面に抵抗層を構成する
塗液を塗布した後、所定の温度、時間に加熱・乾燥して
抵抗層が形成される。この場合、ラテックス中の残留分
散剤や水分の影響をできるだけ少なくなるように、加熱
・乾燥を行うと、帯電部材の環境による抵抗変化を抑
え、安定した抵抗の維持が容易となる。また、このよう
な塗布後の加熱・乾燥によって加熱硬化させるため及び
ラテックス成分がNBRとSBRとからなるため、抵抗
層と導電性弾性体層との密着性が高くなり、抵抗層の耐
久性が向上する。
【0033】抵抗層の厚みは20〜100μmが望まし
い。抵抗層の厚みが20μmよりも薄いと、表面層の抵
抗が経時劣化し易くなるため好ましくなく、一方、抵抗
層の厚みが100μmよりも厚いと膜厚のバラツキが画
像上のムラとして発生し、安定した抵抗均一性の維持が
困難となるため好ましくない。
【0034】また、抵抗層の硬度は特にJIS A硬度
で30度〜60度が好ましい。硬度が30度よりも低い
と、画像担持体の摩耗が大きく放電性が減少し、一方、
硬度が60度よりも高いと不均一ニップとなり、放電生
成物が堆積し、帯電・転写の均一性が低下し、好ましく
ない。
【0035】図2は、本発明の帯電部材(半導電性ロー
ル)を転写ロールに適用した画像形成装置の一実施例を
示す概略的構成図であり、この画像形成装置は、電子写
真プロセスを利用したレーザービームプリンターとして
構成されたものである。図2において、21は像担持体
としての有機光導電体(OPC)等を用いた感光体ドラ
ムである。この感光体ドラム(外径30mm)21は、
図示していない駆動手段によって図中、矢印方向に所定
のプロセススピード(28mm/secと56mm/s
ecの2段階切替え可能である。)で回転駆動されるよ
うになっている。感光体ドラム21の表面は、この感光
体ドラム21の表面に接触する帯電部材としての帯電ロ
ール(外径12mm)22によって所定の電位に一次帯
電される。この帯電ロール22には、例えば、電源23
によって電圧−350VのDC成分と周波数350Hz
・電圧2000Vppの正弦波のAC成分が重畳された
振動電圧が印加されており、感光体ドラム21の表面
は、帯電ロール22によって印加電圧のDC成分に等し
い−350Vに一様に帯電される。その後、感光体ドラ
ム21の表面には、レーザー書込み装置からの画像情報
に応じて出力される図示していない画像露光が施され、
画像情報に応じた静電潜像が形成される。
【0036】次に感光ドラム21上に形成された静電潜
像は、磁性一成分の現像剤等を使用した現像装置24の
現像ロール25により現像されてトナー像となった後、
このトナー像は、所定のタイミングで給紙された転写媒
体としての転写用紙26上に転写ロール22の帯電によ
って転写される。この転写ロール22には、転写電流と
して3〜5μAに定電流制御された電流が通電されるよ
うになっている。その後、トナー像が転写された転写用
紙26は、図示していない除電用の放電装置の放電を受
けて感光体ドラム21の表面から分離され、図示してい
ない定着装置へと搬送され、この定着装置によって熱及
び/又は圧力によりトナー像が転写用紙26に定着され
て装置の外部に排出され、画像の形成工程が終了する。
【0037】なお、トナー像の転写工程が終了した感光
体ドラム21の表面は、クリーニング装置27のクリー
ニングブレード28によって残留トナー等が清掃され、
次の画像形成工程に備えるようになっている。また、2
9は帯電ロール22を感光体ドラム21の表面に接触さ
せるための加圧スプリングを示している。
【0038】
【実施例】
実施例1 日本合成ゴム製(SBRラテックス0696)又は日本
ゼオン製(SBRラテックスLX−462、NBRラテ
ックス1571)を使用し、イオウ系加硫剤NC−81
1を配合し、ラテックス100重量部に対して過塩素酸
リチウム0.5重量部を添加して塗布液を調整して12
0℃×30分乾燥した。
【0039】このときのNBR/SBRラテックス中の
NBR配合比率とイオン導電性との関係を図3に示す。
図3から明らかなように、NBR/SBRラテックス中
のNBR配合比率が増加するにつれてイオン導電性が変
化し、特にNBR/SBRラテックス中のNBR配合比
率が30重量%以上の場合、安定した抵抗値を示してお
り、さらに50重量%を超えるとさらに安定した抵抗値
を示している。
【0040】比較例1 実施例1におけるラテックスの代わりにアクリルラテッ
クス(日本合成ゴム製:AE−832)又はアクリルラ
テックス(日本ゼオン製:LX−854)を用いた場
合、使用時には、図3に示すように挙動を示さず、10
-7s/cm止まりであった。
【0041】実施例2 図2に示すレーザービームプリンターにおいて、帯電ロ
ール22として、図1に示す構造の帯電ロール1を用い
た。この帯電ロール1の導電性弾性体層12の表面の抵
抗層13を次のような方法で作製した。日本ゼオン製N
BR1571(CN量25% 固形分40重量%)ラテ
ックス/日本ゼオン製SBR LX−462(St量2
5% 固形分50重量%)ラテックス=70/30(重
量比)ブレンド物のラテックス100重量部に対して過
塩素酸リチウム0.5重量部を添加して塗布液を調整し
た。この塗布液を上記導電性弾性体層12の表面にスプ
レー塗布した後、100℃、10分間乾燥させて膜厚4
0μmの抵抗層を形成した。この抵抗層を有する帯電ロ
ールを図3に示すレーザービームプリンターに適用し
た。なお、この帯電ロールのDC100V印加時のロー
ル抵抗値は、104.6Ω・cm、アスカー硬度は46度
であった。
【0042】図2に示すレーザービームプリンターで低
温低湿下(15℃、30%RH)で画像形成実験を行っ
たところ、いずれのプロセススピード(28mm/se
cと56mm/sec)でも良好な画像が形成された。
【0043】実施例3 抵抗層の形成に際して、NBR(CN量25% )ラテ
ックス/日本合成ゴム製 JSR−910 SBR(S
t量 25% 固形分40重量%)ラテックス=50/
50(重量比)のラテックス(固形分50重量%)10
0重量部に対して、イオウ系加硫剤 NG−811(日
本ゼオン製)5重量%、導電性カーボンブラック(ライ
オンアクゾ製:ケッチェンブラック)5重量部を添加
し、サンドミル装置で10分間分散し、塗布液を得た。
得られた塗布液を浸漬コーテイング法により導電性弾性
体層の表面に塗布し、100℃、30分乾燥して20μ
mの膜厚からなる抵抗層を得た。この抵抗層を有する帯
電ローラの抵抗値はDC100V印加時104.4 Ω/c
m、アスカー硬度は53度であった。この帯電ローラを
用いて図2に示すレーザービームプリンターで低温低湿
下(15℃、30%RH)で画像形成実験を行ったとこ
ろ、いずれのプロセススピード(28mm/secと5
6mm/sec)でも良好な画像を得られた。
【0044】比較例2 抵抗層としてシリコン変性ポリオール(東レダウコーン
グ社製:SF8427)にポリイソシアネート(日本ポ
リウレタン製:MR400)を各100重量部の混合物
に対して過塩素酸リチウム0.5重量%を添加し、浸漬
コーテイング法により導電性弾性体層に塗布し100
℃、30分乾燥後、膜厚17μmの抵抗層を得た。この
抵抗層を有する帯電ローラの抵抗値はDC100V印加
時106.7Ω、アスカー硬度は50度であった。この帯
電ローラを用いて図2に示すレーザービームプリンター
で低温低湿下(15℃、30%RH)で画像形成実験を
行ったところ、プロセススピード28mm/secでは
良好な画質が得られたが、プロセススピード56mm/
secでは、帯電不良が生じた。
【0045】比較例3 抵抗層にアルコール可溶ナイロン(東レ製:CM800
0)80重量部、メタノール50重量部、ブタノール5
0重量部に導電性カーボンブラック(ライオンアクゾ
製:ケッチェンブラック)0.5重量部を分散させ、導
電性弾性層の表面にスプレーコーテイング法により塗布
し100℃、60分間乾燥させ、膜厚18μmの抵抗層
を得た。この抵抗層を有する帯電ローラの抵抗値はDC
100V印加時106.7 Ω、アスカー硬度は53度であ
った。この帯電ローラを用いて図2に示すレーザービー
ムプリンターで低温低湿下(15℃、30%RH)で画
像形成実験を行ったところ、画像濃度ムラと部分的帯電
不良による黒点、白点の発生がみられた。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の帯電部材によれば、高
極性のNBR成分と低極性のSBR成分とが高分子マト
リックスを形成し、これらのブレンド比の調整によって
抵抗値の調整が容易となる。特に海島構造を有する高分
子マトリックスの形成が容易であり、導電化剤の添加に
よりNBR相がイオン導電路を形成し、103 〜109
程度の範囲の抵抗値が均一に安定して得られる。このた
め、帯電電流の集中によるピンホールリークの発生を防
止することができる。
【0047】請求項5に記載の帯電部材の製造方法によ
れば、導電性弾性体層に対して、抵抗層を形成する液を
塗布し、乾燥硬化させるものであるため、導電性弾性体
層と抵抗層との密着に優れる共に耐久性に優れ、かつ導
電性弾性体層の残留する軟化剤や可塑剤等の滲み出しを
防止して安定した電位の付与が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電部材としての帯電ロールの一実施
例を示すための説明図である。
【図2】本発明の帯電部材を適用した電子写真用レーザ
ービームプリンターの例を示す概略的構成図である。
【図3】本発明におけるラテックス中のNBR配合比率
とイオン導電性との関係を示すグラフである。
【図4】従来の画像形成装置を示す概略的構成図であ
る。
【符号の説明】
1 帯電ロール 2 感光体ドラム 11 導電性金属芯材 12 導電性弾性体層 13 抵抗層 21 感光体ドラム 22 帯電ロール 23 電源 24 現像装置 25 現像ロール 26 転写用紙 27 クリーニング装置 28 クリーニングブレード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体に接触して、この被帯電体に所
    定極性の電位を付与するための帯電部材であって、その
    表面に抵抗層を有する帯電部材において、前記抵抗層が
    NBR成分とSBR成分との混合物を主成分とし、両成
    分が互いに非相溶性であると共に導電化剤を含有するこ
    とを特徴とする帯電部材。
  2. 【請求項2】 前記NBRとSBRとの混合比率が5/
    95〜95/5である請求項1に記載の帯電部材。
  3. 【請求項3】 前記導電化剤がカーボンブラック及び/
    又は過塩素酸塩である請求項1又は請求項2に記載の帯
    電部材。
  4. 【請求項4】 前記過塩素酸塩が過塩素酸リチウムであ
    る請求項3に記載の帯電部材。
  5. 【請求項5】 被帯電体に当接され、この被帯電体に所
    定極性の電位を付与するための帯電部材であって、導電
    性弾性体層の表面に抵抗層を有する帯電部材の製造方法
    において、前記導電性弾性体層の表面にNBRラテック
    スとSBRラテックスの混合物に対し、導電化剤を添加
    して得られる液を前記導電性弾性体層の表面に塗布し、
    加熱硬化させることを特徴とする帯電部材の製造方法。
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