JP2004061639A - 帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置 - Google Patents

帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004061639A
JP2004061639A JP2002216837A JP2002216837A JP2004061639A JP 2004061639 A JP2004061639 A JP 2004061639A JP 2002216837 A JP2002216837 A JP 2002216837A JP 2002216837 A JP2002216837 A JP 2002216837A JP 2004061639 A JP2004061639 A JP 2004061639A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charging
charging member
image
conductive
charged
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002216837A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004061639A5 (ja
Inventor
Atsushi Murata
村田 淳
Yoshiaki Nishimura
西村 芳明
Hisao Kato
加藤 久雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002216837A priority Critical patent/JP2004061639A/ja
Publication of JP2004061639A publication Critical patent/JP2004061639A/ja
Publication of JP2004061639A5 publication Critical patent/JP2004061639A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyethers (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Abstract

【課題】電気抵抗値の調整が容易であり、電気抵抗値のムラが小さく均一であり、被帯電部材との固着が抑制され、被帯電部材を汚染することも抑制され、通電耐久性、加工性に優れた帯電部材及びこれを用いた電子写真装置を提供することである。
【解決手段】電子写真装置に配設され、被帯電体面を電圧が印加された状態で帯電処理する帯電部材において、該帯電部材を構成する導電性弾性体層の主分散におけるコンダクタンスの交流周波数依存性が0.9以上1.0未満であることを特徴とする帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に用いられる帯電部材に関し、更に詳述すれば電圧を印加した帯電部材で被帯電体表面の帯電を行う帯電、現像、転写等の帯電部材及びそれを用いた電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置(複写機や光プリンター等)や静電記録装置等の画像形成装置において、感光体及び誘電体等の被帯電体としての像担支体面を帯電処理する手段としては、従来よりコロナ帯電器が利用されている。
【0003】
コロナ放電装置は、像担支体等の被帯電体面を所定の電位に均一に帯電処理する手段として有効である。しかし、高圧電源を必要とし、コロナ放電を用いるため好ましくないオゾンが発生する等の問題が懸念される。
【0004】
上記のコロナ放電装置に対して、前記のような電圧を印加した帯電部材を被帯電体に近接、又は接触させて被帯電体面を帯電処理する接触帯電装置は、電源の低圧化が図れ、オゾン発生量が少ない等の長所を有している。
【0005】
接触帯電装置では、像担持体等の被帯電体に、ローラー型(帯電ローラー)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型又はブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。帯電部材の電気抵抗値が高いと帯電不良が発生し、低いとピンホールリークの発生等の帯電不良を引き起こす場合があり、均一な半導電性が要求される。
【0006】
転写装置の場合、例えば複写機等の画像形成装置に用いられる転写ローラーは、感光体、中間転写体又は転写ドラム等の像担支体上のトナー像を転写材上に転写するための部材である。トナー像が現像された感光体等に被帯電体である転写材を介して転写ローラーを圧接し、トナー像のトナーと逆極性の電荷を供給することにより、感光体等の該トナーを紙等の転写材へ吸着させ、転写している。ここで、転写材へ供給する電荷密度の大きさは画質に大きな影響を及ぼす。即ち、電荷密度が少ないとトナー吸着力が弱くなるため、特に乾燥紙の場合「飛び散り」が発生したり、逆に多い場合はトナーの逆極性帯電による「ニジミ」が発生し、高品質の画像が得られない場合がある。
【0007】
また、電荷密度が不均一であるとベタ黒転写性に濃度ムラが生じたり、砂地等の斑点状の転写ムラが生じる場合がある。従って、やはり半導電性であり、表面の導電性が均一であることが望まれる。
【0008】
この要求を満足するため、金属等の導電性芯金材上にカーボンブラック、グラファイト、酸化チタン及び酸化錫等の金属酸化物、銅及び銀等の金属粉、これらを粒子表面に被覆処理して導電化した粒子等の導電性粒子を混合分散した導電性ゴムローラーが使用される。
【0009】
しかしながら、導電粒子を分散したゴムローラーは、その抵抗値調整が難しい場合がある。加えて、導電粒子の分散ムラによる局所的抵抗のバラツキが生じる場合があり、結果として帯電ムラを引き起こしたり、部分リークによる感光体破壊を生じたりする恐れがある。
【0010】
また、上記の様な方法を用いた場合、使用するポリマーの種類によってその電気抵抗値が制約を受けるため、使用目的によっては所望とする電気抵抗値を実現できない場合もある。
【0011】
更に、特許第2743278号公報に開示されているように、過塩素酸リチウム等のイオン導電剤を添加する電気抵抗値の調整方法では、その添加量で広範囲の電気抵抗値を実現できるものの、微量の添加量で電気抵抗値が急変するため扱い難く、また帯電部材の表面に導電剤が移行して被帯電体との固着を引き起こしたり、汚染が発生したりする場合がある。また、通電等により電気抵抗値が変動する等、耐久安定性が不十分な場合もある。
【0012】
加えて、特開平8−159148号公報に開示されているように表層に樹脂層を設けた多層構成も提案されているが、基層の電気抵抗の変動の影響を受けるため、同様の問題が懸念される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、以上の様な状況に鑑み、電気抵抗値の調整が容易であり、電気抵抗値のムラが小さく均一であり、被帯電部材との固着が抑制され、被帯電部材を汚染することも抑制され、通電耐久性、加工性に優れた帯電部材及びこれを用いた電子写真装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、電子写真装置に配設され、被帯電体面を電圧が印加された状態で帯電処理する帯電部材において、該帯電部材を構成する導電性弾性体層の主分散におけるコンダクタンスの交流周波数依存性が0.9以上1.0未満であることを特徴とする帯電部材が提供される。
【0015】
また本発明に従って、上記帯電部材を用いた電子写真装置が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
即ち、表面への移行性を考慮した場合、高分子量の導電性添加剤を使用することが好ましいが、この時の導電部材の電気特性を鋭意検討した結果、導電性弾性部材のコンダクタンスの周波数依存性にその特徴を見出したものである。その作用機構は明確でないが、高分子量の導電性添加剤を添加した場合、多くの場合親水性の極性基を有する。従って、導電性弾性体の誘電損も大きくなるためであると考えられる。この現象を数式で表現すると以下のように考えられる。
【0018】
即ち、導電機構を極性基の誘電緩和とキャリアの移動とし、それぞれが独立に導電性に寄与するとして考える時、コンダクタンスG=ωεε”+σdcであるが、主分散においては誘電損が支配的であるため、G≒ωεε”として記述できる。従って、周波数依存性は誘電損の数値を反映すると考えられる。実質の誘電損の大きさは、導電度の能力を表すものであると考えられる。従って、この数値が大きい方が導電度は良好であるが、あまり大きいと親水能力が大きくなり過ぎ、湿度依存性が大きくなり、抵抗値の環境依存性や耐久中の転写材の吸湿度によって抵抗値変動が大きくなる傾向に有る。
【0019】
我々の検討では、この値が0.9以上1.0未満の間で低抵抗化及び上記弊害のバランスがとれ、実用上好ましいことを見出した。
【0020】
このような特性を満たす材料としては、種々の極性高分子が適宜用いられるが、ポリエーテル系の高分子が他の材料に対しての混合性や材質の柔軟性において、電子写真用部材には好適である。特に、アルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合体は弾性に優れ、ゴムとの反応性が優れている点で有効である。
【0021】
特に、アルキレンオキサイドはエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体であることが好ましい。即ち、エチレンの部の柔軟性とプロピレン部の結晶性により適度な弾性と吸湿性の調和がなされるためである。更に、アリルグリシジルエーテルとの3元共重合体では、アリルグリシジルエーテルの優れた架橋反応性により他のゴムとのブレンドにおいても弾性を損なうことなく使用できるためである。また、電気抵抗値に与える影響がその添加量に対して緩慢であるため、電気抵抗値を容易に調整できる。ブレンドされた他のポリマーと反応させ固定化することもできる。従って、ポリエチレンオキサイドを構造に持つノニオン系界面活性剤と違って、移行することなく電気抵抗値が調整でき、かつ移行性がないため経時や通電耐久による電気抵抗値の変動を抑制できる。
【0022】
加えて、アルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合は極性が大きいため、他の極性ゴムとの相溶性に優れ均一な導電性弾性体が得られる。なお、特開平9−27215号公報に開示されているような同様な構造を持つヒドリンゴムに比べてエーテル酸素の含有量が多いため、比較的少量の添加で電気抵抗値を効率よく下げられるのも好適な理由である。よって、導電性弾性体全体の物性を変化させることなく、種々の極性材料を用いた場合において電気抵抗値の微調整が可能となる。また、アルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合の結晶性が低いため、電気抵抗値の環境依存性が抑制される効果もある。
【0023】
以上の様な理由により、本発明の帯電部材においては、電気抵抗値の調整が容易であり、電気抵抗値のムラが小さく均一であり、被帯電部材との固着が抑制され、被帯電部材を汚染することも抑制され、優れた通電耐久性を実現できる。
【0024】
この様な優れた特性を有する帯電部材は、電子写真装置に好適に配設することができ、転写ローラー及び帯電ローラー等として使用することができる。
【0025】
本発明で使用されるアルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合体の各成分の組成比は、相溶性、抵抗値、架橋反応性等の理由から、共重合体に対して、アルキレンオキサイド単位が80〜98モル%、不飽和エポキシが2〜20モル%が好ましい。ポリアルキレンオキサイドがポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とからなり、不飽和エポキシがアリルグリシジルエーテルからなる場合には、ポリエチレンオキサイド単位が10〜80モル%、ポリプロピレンオキサイド単位が10〜80モル%、アリルグリシジルエーテルが2〜20モル%が好ましい。
【0026】
更に、導電性弾性体層におけるアルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合体の配合量は、抵抗値制御の理由から、ポリマー合計100質量部に対して5〜80質量部が好ましい。加えて、相溶性が良好、加工性に優れ、抵抗値調整を容易にするために、ニトリルゴム(NBR)、ヒドリンゴム、アクリルゴム(ACM)及びクロロプレンゴム(CR)からなる群より選ばれる1種以上の極性ゴムを含むことが好ましい。
【0027】
また、導電性弾性体層に非極性ポリマーをブレンドすることにより、耐オゾン性等の耐候性や非粘着性を改善できる。ここで、非極性ポリマーとは、分子内に大きな双極子モーメントを持たない高分子であり、一般的に誘導率が小さい高分子である。
【0028】
このような非極性ポリマーとしては、具体的にはNR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンターポリマー)、IIR(ブチルゴム)やオレフィンエラストマー、SEBS系エラストマー及びポリスチレン系エラストマー等が挙げられる。
【0029】
特に、耐オゾン性等の耐候性が問題になる場合や、更に耐老化性を考慮する場合はEPDMの使用がその高耐候性の点から適している。特に、硫黄加硫の場合は共加硫性の点から、使用するEPDMのヨウ素価が20以上が好ましく、より好ましくは30以上が適している。
【0030】
また、必要に応じて、半導電性弾性層に、酸化亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリカ及び炭酸マグネシウム等の充填材、プロセスオイル及び液状ゴム等の軟化材や、ADCA(アゾジカルボジアミド)及びOBSH(オキシビスベンゼンスルフォニルヒドラジド)等の発泡剤、ファーネスブラック、導電性カーボン及びサーマルブラック等のカーボンブラックやグラファイト、TiO、SnO、Sb及びZnO等の金属酸化物、Cu及びAg等の金属、これらを粒子表面に被覆して導電化した粒子等の導電粒子、LiClO、KSCN、NaSCN、LiSCN及びLiCFSO等のイオン性電解質を弾性体中に適宜量分散させることにより、所望の抵抗値に調整することができる。また、ポリマー主鎖中あるいは側鎖に極性を有する分子あるいは原子団を導入したり、イオン対を形成する分子又は原子団を導入することによって導電化することも可能である。
【0031】
以下、図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
【0032】
図2には、本発明の帯電部材の例として、転写ローラーの構成例を示した。本例の転写ローラーは金属製等の導電性円柱基材よりなる芯金21の上に、導電性弾性体層22が設けられている。
【0033】
芯金は、ステンレス製、鉄製、又は防錆のため表面をニッケル−クロム鍍金等を施した鉄等より製造することができる。
【0034】
帯電部材の製造方法は、例えば原料はオープンロール、ニーダー、バンバリー又はインターミックス等の混合機を適宜使用して混合される。成形は押出し機チューブ成形したものを、オーブンや加硫缶又はUHF等の高周波で加硫又は加硫発泡し、更にオーブン等の加熱手段で2次加硫したチューブに前記芯金を圧入し、必要に応じて表面を研磨する等して外径を整える。この際、芯金には適宜接着剤を使用できる。また、押出しに際し芯金にゴムを被覆しながら押出す手段も用いられる。また、円筒型金型内に未加硫のゴムと芯金を装着し加熱加硫又は加硫発泡する手段も用いられる。更に、導電性弾性部材が少なくとも一層以上からなることが好ましく、必要に応じて表層を形成して使用される。
【0035】
導電性弾性体層と被帯電体との固着性は、導電性弾性体層に非極性ポリマーをブレンドすることにより改善されるが、更に改良する手段として表面改質を挙げることができる。
【0036】
例えば、シリコーン粒子やフッ素樹脂粒子等の離型粒子のブレンド、カップリング剤や反応性のフッ素系界面活性剤等による表面処理、希塩酸等の塩素系溶剤による表面洗浄等が挙げられる。
【0037】
導電性弾性層の最表面は、電子線(EB処理)、電磁波(紫外線(UV処理)、遠赤外線など)又はプラズマ処理(高電圧を印加した電極を近接させ、弾性層の表面間で放電させる)から選ばれる少なくとも一つの手段により処理されていることが好ましく、中でも、処理の簡易性、効果性の点から、UV(紫外線)照射処理が好ましい。これは、ゴム表面を酸化したり、ジエン結合間の架橋反応により、表面を非粘着化する効果がある。また、添加物やコート処理等と比べ物性への影響も少ない。
【0038】
UV照射条件として、波長は180nm〜600nmが好ましく、照射強度は10mW/cm〜100mW/cmが好ましい。帯電部材がローラー形状の場合は、ローラーを回転させながら照射すれば、UVを全面に均一照射でき、短時間で効果的に処理できる。
【0039】
また、この処理によって帯電部材表面に高離型性が付与されるため、仮に、トナーや紙粉等が付着したとしても、これらを簡単に除去することができる。更に、表面を加熱処理によって硬化させても有効である。
【0040】
なお、必要に応じて帯電部材の表層に離型層等の機能層を設けることがあるが、この様な場合においても、上記の処理は有効である。
【0041】
導電性弾性体層は、転写バイアス電圧を転写材に印加することができ、かつ均一に転写材に圧接することができる程度の電気抵抗を有するものであればよいが、電気抵抗値は10Ω〜1012Ωの範囲であることが好ましい。
【0042】
なお、電気抵抗値は図4に示す様な装置により測定される。即ち、ローラー形状の帯電部材として導電性弾性ローラーの電気抵抗測定装置の概略図を、図4に示した。導電性弾性ローラー41は、導電性芯金43の両端部に不図示の押圧手段で加重により円柱状のアルミニウムドラム42に圧接され、アルミニウムドラム42の回転駆動に伴い従動回転する。この状態で、導電性弾性ローラー41の芯金部分43に直流電圧を外部電源を用いて印加し、アルミニウムドラム42に直列に接続した電流計44の読取値より、電気抵抗値を算出する。
【0043】
また、導電性弾性体層はソリッドでも発泡体でも構わないが、低硬度であることが好ましい。より具体的には、スポンジ硬度(asker C)で20゜〜80゜が好ましい。asker C硬度が、この範囲内であれば、転写ローラー及び被帯電体とのニップ幅を十分確保でき、均一な帯電を行うことができる。特に被帯電体が転写部材の場合、線画の中央部が抜ける「中抜け」を抑制できる。
【0044】
なお、asker C硬度は、基準規格asker C型SRIS(日本ゴム協会規格)0101に従って作製した試験片を用いて、askerゴム硬度計(高分子計器(株)製)により測定される硬度である。
【0045】
以上では帯電部材として転写ローラーを例に取り説明したが、帯電ローラーに本発明を適用することも有用である。また、現像手段で使用される像担持体として半導電弾性部材を用いる場合に本発明を適用することも有用である。
【0046】
図1には、本発明の帯電部材を具備する電子写真装置の例を示した。被帯電体としての像担支体は、アルミニウム等の導電性基体層1bとその外周面に形成した光導電層1aを基本構成層とするドラム型の電子写真感光体1である。支軸1dを中心に矢印方向に所定の周速度をもって回転駆動させる。
【0047】
帯電ローラー2は、この感光体1面に接して感光体面を所定の極性及び電位に一様に一次帯電処理するものであり、均一な導電性が要求され、本発明の帯電部材である。帯電ローラー2は、中心芯金2cと、その外周に形成した下層の導電性あるいは半導電性弾性体層(ソリッド又は発泡体)2bと、更にその外周に形成した上層の抵抗層2aからなり所望の特性を得たものもある。更に、抵抗層2aの上に離型層(保護層)を適宜形成して構成される。
【0048】
本実施例では、中心芯金2cは直径6mmのステンレス製であり、また、弾性層2bとしては厚さが3mm、抵抗値が10Ω程度の発泡加硫したカーボン分散エチレンプロピレンゴム、コート層2aは厚さが30μmで、抵抗値が10Ω・cmのカーボン分散ウレタンアクリル樹脂である。得られた帯電部材の電気抵抗値を図4に示した装置を用いて、ローラーの両端を4.9Nの加重で当接しアルミニウム製ドラムを回転させながら測定したところ、電気抵抗値は、N/N環境下24時間放置後、直流電圧0.1kV印加で2×10Ωであった。
【0049】
芯金2cの両端部を不図示の押圧手段で感光体1に圧接され、感光体1の回転駆動に伴い従動駆動する。
【0050】
なお、抵抗層2a及び半導電弾性層2bの何れも、本発明の材料より作製することができる。抵抗層2aに用いる場合は、必要に応じて更に表層に離型層を設けてもよい。
【0051】
芯金2cには、所定の直流(DC)バイアス又は直流+交流(AC+DC)バイアスが電源3で摺擦電源3aにより印加され、回転感光体1の周面が所定の極性及び電位に接触帯電される。
【0052】
直流(DC)バイアスを印加して帯電する場合、凡そ−500Vの放電閾値を過ぎてから帯電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は−1000Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−500V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加して感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的である。
【0053】
より具体的に説明すると、厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラーを加圧当接させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0054】
つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位Vdを得るためには、帯電ローラーにはVd+Vthという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行う方法を「DC帯電方式」と称する。
【0055】
また、直流+交流(AC+DC)バイアス印加は、帯電均一化のためにAC帯電を重畳するものである。交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波又は三角波等が適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であってもよい。このように交番電圧の波形としては、周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。これらの方式では、帯電部材を被帯電体と放電距離内で離間させて使用することもできる。
【0056】
この他の接触帯電部材として、導電性繊維のブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるファーブラシ帯電方式でもよい。
【0057】
ファーブラシ帯電器は、固定タイプとロールタイプが実用化されている。半導電性の繊維を基布に折り込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて形成する。繊維密度としては100本/mm程度のものが比較的容易に得られる。ファーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプどちらも多くは、高い帯電バイアスを印加し放電現象を用いて帯電を行っている。
【0058】
この他にフェルトや布等の材質・形状のものも使用可能である。また、これらを積層し、より適切な弾性と導電性を得ることも可能である。
【0059】
更には、接触帯電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を用い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させる磁気ブラシ帯電方式がある。この磁気ブラシ帯電の場合は、その帯電機構は直接注入帯電が支配的である。
【0060】
磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速度差を設けることで、均一に直接帯電を可能にする。よって印加バイアスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能になる。
【0061】
この他、接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されることで被帯電体表面が帯電する直接注入帯電(直接帯電あるいは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される)方式でもよい。より詳しくは、半導電性の接触帯電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この帯電方式の場合、感光体表面にあるトラップ準位又は電荷注入層の導電粒子等の電荷保持部材に電荷を注入して接触注入帯電を行うことが可能である。放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみであり、オゾンの発生もない。更に、AC電圧を印加しないので、帯電音の発生もなく、ローラー帯電方式と比べると、オゾンレス、低電力の優れた帯電方式である。
【0062】
帯電部材2で均一に帯電処理を受けた感光体1面は、次いで露光手段10により目的画像情報の露光光(レーザービーム走査露光、原稿画像のスリット露光等)を受けることで、その周面に画像情報に対した静電潜像が形成される。
【0063】
得られた潜像は、次いで現像手段11によりトナー画像として順次に可視画像化されていく。現像手段の現像装置構成について特に限定するものではなく任意である。一般に静電潜像の現像方法は、非磁性トナーについては、ブレード等で現像剤担持体上にコーティングし、磁性トナーは磁気力により現像剤担持体上にコーティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で現像する方法(1成分非接触現像)と、接触状態で現像する方法(1成分接触現像)と、トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したものを現像剤として用いて磁気力によって現像剤担持体上にコーティングして搬送して像担持体に対して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)と、非接触状態で現像する方法(2成分非接触現像)との4種類に大別される。
【0064】
接触現像タイプでは、半導電弾性層を用いた現像部材を用いられるが、該半導電弾性部材に本発明の材料を用いることもできる。
【0065】
現像部材に対する印加帯電バイアスあるいは印加現像バイアスは、直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0066】
このトナー画像は次いで、転写手段12により不図示の給紙手段部から感光体1の回転と周期どりされて適正なタイミングをもって、感光体1と転写手段12との間の転写部へ搬送された転写材14面に順次転写されていく。
【0067】
本例の転写手段12は、転写ローラーであり本発明の帯電部材であり、転写材14の裏面からトナーと逆極性の帯電を行うことで感光体1面側が転写時14の表面側に転写されていく。
【0068】
トナー画像の転写を受けた転写材14は、感光体1面から分離されて不図示の像定着手段へ搬送されて像定着を受け、画像形成物として出力される。あるいは裏面にも像形成する場合、転写部への再搬送手段へ搬送される。
【0069】
像転写後の感光体1面は、クリーニング手段13で転写残りトナー等の付着汚染物の除去を受けて洗浄面化され、再び作像に供される。
【0070】
帯電部材としては、図1の例の画像形成装置に像担支体1の帯電手段として装着した帯電ローラー2ようなローラータイプ以外にも、ブレード状タイプ、ブロック状タイプ、ベルト状タイプ等の形態に構成できる。
【0071】
なお、帯電ローラー2は、面移動駆動される感光体1に従動駆動されてもよいし、非回転とされてもよいし、感光体1の面移動方向に順方向又は逆方向に所定の周速度をもって積極的に回転駆動されてもよい。
【0072】
また、電子写真装置として、上述の感光体や現像手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを画像形成装置本体、例えば、複写機やレーザービームプリンター等に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、帯電手段、現像手段、クリーニング手段の少なくとも一つを感光体と共に一体に支持しカートリッジ化し、装置本体に着脱自在のプロセスカートリッジとし、画像形成装置本体のレール等の案内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。この時、上記のプロセスカートリッジの方に帯電手段及び/又は現像手段を伴ってもよい。
【0073】
更に、電子写真装置としての各部材の説明を以下に述べる。
【0074】
被帯電体である感光ドラム1としては、例えばアルミニウムドラム基体上に、下引き層、正電荷注入防止層、電荷発生層、電荷輸送層の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体ドラムとして構成される。また更に、帯電性能を向上や耐磨耗性の向上を目的として電荷注入層を塗布してもよい。
【0075】
電荷注入層は、例えばバインダーとしての光硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)としてのSnOの超微粒子(径が約0.03μm)、重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法により膜形成したものが用いられる。
【0076】
また、加えて4フッ化エチレン樹脂等の滑剤も内包させることにより、ドラム表面の表面エネルギーを抑えて、トナー粒子の付着を全般的に抑える効果がある。
【0077】
その他表層の体積抵抗が約1013Ωcmであるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様な効果が得られる。
【0078】
また、導電性金属酸化物等の導電性粒子を介し、帯電部材から直接電荷を被帯電体に注入させる方式においては、ゴムブレード等によるクリーナーを有しないクリーナレスシステムにも用いられる。
【0079】
静電潜像形成のための露光手段としては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLED等の他の発光素子でも構わないし、蛍光灯等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるもの等、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0080】
像担持体は静電記録誘電体等であってもよい。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0081】
転写手段及び帯電手段はローラー方式に限らず、ベルト転写やコロナ放電転写等任意であり、本発明による弾性部材と適宜組み合わせて使用される。転写ドラムや転写ベルト等の中間転写体等を用いて、単色画像ばかりでなく、多重転写等により多色やフルカラー画像を形成する画像記録装置であってもよい。
【0082】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、特に明記しない限り、「部」は質量部を意味しており、試薬等は市販品を用いた。
【0083】
(実施例1)
図2に、本実施例で製造した転写ローラーを示した。22は導電性弾性体層、21は導電性円柱基材の芯金である。
【0084】
直径6mmのステンレス製の芯金上に導電性弾性ローラーを構成する。
【0085】
アルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合体としてポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体として日本ゼオン社製ゼオスパン8030(商品名)30部と、NBRとして日本ゼオン社製DN300(商品名、ニトリル分28%)40部と、日本ゼオン社製エピクロルヒドリンゴムGechron1000(商品名)30部と、日本ゼオン社製液状ニトリルゴム1312(商品名)30部と、酸化亜鉛3部と、ステアリン酸2部と、炭酸カルシウム40部とを加圧ニーダーにて混合し、硫黄0.5部と、加硫促進剤としてM(メルカプトベンゾチアゾール)2部、TRA(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)1.5部、ハイドロタルサイト3部及び6−メチルキノキサリン2,3−ジチオカーボネート1部と、発泡剤ADCA(アゾジカルボジアミド)4部とをオープンロールにて混合して、導電性弾性体層の原料ゴムを得た。
【0086】
このゴムを押出成形によってチューブ状に成形し、蒸気加硫によって加硫を160℃で30分間行い、更に電気炉によって2次加硫を150℃で30分間行い、加硫発泡物を得た。この様にして得られたチューブに、接着剤を塗布した芯金を圧入し接着後、研磨して直径15mmのローラー状帯電部材を得た。
【0087】
得られた帯電部材の電気抵抗値を図4に示した装置を用いて、ローラーの両端を4.9Nの加重で当接しアルミニウム製ドラムを回転させながら測定したところ、電気抵抗値は、N/N環境下24時間放置後、直流電圧2kV印加で5×10Ωであった。また、この帯電部材を1回転する間の電気抵抗値の最小値に対する最大値の比は1.1であった。更に、この帯電部材のasker C硬度は35°であった。
【0088】
得られたゴム材を幅10mm、長さ14mm、厚み2mmの短冊形状に切り出し、面積200mmのアルミニウム電極間に4000Paの圧力で固定した。この電極間に70Vの交流電圧を印加し、−50℃から+50℃まで乾燥窒素ガス流量0.01m/min.中で4℃/min,の速度で昇温し、交流周波数80Hz〜1.6kHzで測定し、主分散におけるコンダクタンス(G/S)(Gの極大値に相当)の測定を行ったところ、周波数(f/Hz)に対するコンダクタンスの交流周波数依存性を、A=logG/logfで表す時、A=0.94であった。なお、コンダクタンスの測定方法は図3に示した装置を用いて行った。使用した誘電率インターファイス及びアナライザーはSolartoron社製の1260システムを使用した。
【0089】
この帯電部材を転写ローラーとして図1の電子写真装置に搭載し、実装試験を行った。なお、プロセススピードは210mm/secとし、回転感光体である感光体ドラムの直径は30mmとした。また、感光ドラムはマイナス帯電OPC、トナーはプラス帯電、転写ローラーへの印加電圧は、転写中は−3kV、クリーニング中は+1.5kVとした。
【0090】
この様な条件で、乾燥紙を用いてN/N(23℃/50%R.H.)環境下で線画、べた黒、ハーフトーン画像を評価したところ、良好な画像が得られた。
【0091】
また、L/L(15℃/10%R.H.)環境下で乾燥紙を用いて両面転写の画像を評価したところ、同様に鮮明な画像が得られた。
【0092】
更に、H/H(32℃/80%R.H.)環境下においても同様にトナー飛び散り、リーク等のない良好な画像が得られた。
【0093】
加えて、連続30万の耐久評価を行ったが搬送性、電気抵抗値の変動による画像不良は発生しなかった。
【0094】
次に、40℃/95%R.H.の環境下で有機感光体と総圧9.8Nで圧接し2週間放置したが、感光体汚染等の弊害は発生しなかった。
【0095】
更に、この帯電部材を紫外線照射装置(185nm及び245nmが波長主成分)を用いて40mW/cmで4分間処理して得られた帯電部材を40℃/95%R.H.の環境下で有機感光体と総圧9.8Nで圧接し2週間放置したが、固着等の弊害は発生しなかった。
【0096】
(実施例2)
アルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合体としてポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体として日本ゼオン社製ゼオスパン8030(商品名)15部と、NBRとして日本ゼオン社製DN201(商品名、ニトリル分33.5%)65部と、日本ゼオン社製エピクロルヒドリンゴムGechron1000(商品名)20部とを使用する以外は、実施例1と同様にしてローラー状帯電部材を得た。
【0097】
得られた帯電部材の電気抵抗値は、N/N環境下に24時間放置後、直流電圧2kV印加で1.2×10Ωであった。また、この帯電部材を1回転する間の電気抵抗値の最小値に対する最大値の比は1.1であった。更に、この帯電部材のasker C硬度は32°であった。
【0098】
主分散におけるコンダクタンス(G/S)の測定を行ったところ、周波数(f/Hz)に対するコンダクタンスの交流周波数依存性を、A=logG/logfで表す時、A=0.98であった。
【0099】
以上の帯電部材を転写ローラーとして電子写真装置に搭載し、実施例1と同様に実装試験を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0100】
(実施例3)
アルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合体としてポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体として日本ゼオン社製ゼオスパン8030(商品名)20部と、NBRとして日本ゼオン社製DN201(商品名、ニトリル分33.5%)50部と、EPDMとして三井化学社製EPT9070E(商品名)36部とを使用し、加硫系を硫黄1部、加硫促進剤M(2−メルカプトベンゾチアゾール)2部、TRA(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)1.5部とする以外は、実施例1と同様にしてローラー状帯電部材を得た。
【0101】
得られた帯電部材の電気抵抗値は、N/N環境下に24時間放置後、直流電圧2kV印加で7×10Ωであり、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体を含まない場合と比べて、0.25桁、電気抵抗が低かった。また、この帯電部材を1回転する間の電気抵抗値の最小値に対する最大値の比は1.1であった。更に、この帯電部材のasker C硬度は30°であった。
【0102】
主分散におけるコンダクタンス(G/S)の測定を行ったところ、周波数(f/Hz)に対するコンダクタンスの交流周波数依存性を、A=logG/logfで表す時、A=0.97であった。
【0103】
以上の帯電部材を転写ローラーとして電子写真装置に搭載し、実施例1と同様に実装試験を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
【0104】
(実施例4)
アルキレンオキサイド−不飽和エポキシ共重合体としてポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体として日本ゼオン社製ゼオスパン8080(商品名)35部と、日本ゼオン社製エピクロルヒドリンゴムGechron1000(商品名)10部と、NBRとして日本ゼオン社製DN201(商品名、ニトリル分33.5%)40部と、EPDMとして三井化学社製EPT9070E(商品名)18部とを使用する以外は、実施例3と同様にしてローラー状帯電部材を得た。
【0105】
得られた帯電部材の電気抵抗値は、N/N環境下に24時間放置後、直流電圧2kV印加で4×10Ωであった。また、この帯電部材を1回転する間の電気抵抗値の最小値に対する最大値の比は1.1であった。更に、この帯電部材のasker C硬度は32°であった。
【0106】
主分散におけるコンダクタンス(G/S)の測定を行ったところ、周波数(f/Hz)に対するコンダクタンスの交流周波数依存性を、A=logG/logfで表す時、A=0.92であった。
【0107】
以上の帯電部材を転写ローラーとして電子写真装置に搭載し、実施例3と同様に実装試験を行ったところ、実施例3と同様に良好な結果が得られた。
【0108】
(比較例1)
NBRとして日本ゼオン社製DN300(商品名、ニトリル分28%)85部と、エピクロルヒドリンゴムとして日本ゼオン社製Gechron1000(商品名)15部と、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体を使用せずイオン導電剤としてトリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド0.5部とを使用する以外は、実施例1と同様にしてローラー状帯電部材を得た。
【0109】
得られた帯電部材の電気抵抗値は、N/N環境下に24時間放置後、直流電圧2kV印加で6×10Ωであった。また、帯電部材を1回転する間の電気抵抗値の最小値に対する最大値の比は1.1であった。更に、この帯電部材のasker C硬度は34°であった。
【0110】
主分散におけるコンダクタンス(G/S)の測定を行ったところ、周波数(f/Hz)に対するコンダクタンスの交流周波数依存性を、A=logG/logfで表す時、A=1.3であった。
【0111】
以上の帯電部材を転写ローラーとして電子写真装置に搭載し、連続20万の耐久試験をL/L環境下で行い画像を評価したところ、表面に微小なクラックが確認され材質の劣化現象が確認された。更に、導電剤の移行が見られた。また、電気抵抗値は上昇し、それによる画像不良が発生した。
【0112】
また、40℃/95%R.H.の環境下で有機感光体と総圧9.8Nで圧接し2週間放置したところ、感光体上に移行物が確認された。この状態で画像評価を行ったところ画像不良が発生した。
【0113】
更に、紫外線照射装置(185nm及び245nmが波長主成分)を用いて40mW/cmで4分間処理して得られた帯電部材を40℃/95%R.H.の環境下で有機感光体と総圧9.8Nで圧接し2週間放置したところ、染み出しによる画像不良が発生した。
【0114】
(比較例2)
NBRとして日本ゼオン社製DN300(商品名、ニトリル分28%)70部と、JSR社製ブタジエンゴムBR−01(商品名)30部と、液状NBRの代わりに大日本インキ化学工業社製ポリエステル系可塑剤W−305ELS(商品名)15部とを使用する以外は、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体を使用せず実施例1と同様にしてローラー状帯電部材を得た。
【0115】
得られた帯電部材の電気抵抗値は、N/N環境下に24時間放置後、直流電圧2kV印加で8×10Ωであった。また、帯電部材を1回転する間の電気抵抗値の最小値に対する最大値の比は1.1であった。更に、この帯電部材のasker C硬度は30°であった。
【0116】
主分散におけるコンダクタンス(G/S)の測定を行ったところ、周波数(f/Hz)に対するコンダクタンスの交流周波数依存性を、A=logG/logfで表す時、A=1.5であった。
【0117】
以上の帯電部材を転写ローラーとして電子写真装置に搭載し、連続30万枚の耐久試験をL/L、N/N及びH/Hの各環境下で行い画像を評価したところ、L/Lおいて電気抵抗値上昇に伴う画像不良が発生した。
【0118】
また、40℃/95%R.H.の環境下で有機感光体と総圧9.8Nで圧接し2週間放置したところ、感光体上に移行物が確認された。この感光体を使用して画像評価を行ったところ画像不良が発生した。
【0119】
更に、紫外線照射装置(185nm及び245nmが波長主成分)を用いて40mW/cmで4分間処理して得られた帯電部材を40℃/95%R.H.の環境下で有機感光体と総圧9.8Nで圧接し2週間放置したところ、帯電部材表面の移行物による画像不良が発生した。
【0120】
【発明の効果】
上述したように、本発明によって、電気抵抗値の調整が容易であり、ムラが小さく均一であり、環境依存性が小さく、感光体との固着性及び汚染性が抑制され、通電耐久性に優れた帯電部材及びそれを用いた電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯電部材を用いた電子写真装置の概略構成図である。
【図2】本発明の転写ローラーの構成を示す模式的断面図である。
【図3】本発明におけるコンダクタンス測定装置構成を示すブロック図である。
【図4】半導電弾性ローラーの電気抵抗値測定装置の構成を示した図である。
【符号の説明】
1  回転感光体
1a 光感光層
1b 導電性基体層
1d 支軸
2  帯電ローラー
2a 抵抗層
2b 導電性弾性体層
3  電源
3a 摺擦電源
10  感光手段
11  現像手段
12  転写手段
13  クリーニング手段
14  転写材
21  芯金(導電性円柱基材)
22  導電性弾性体層
31  誘電率インターファイス及びアナライザー
32  コンピューター
33  高圧アンプ
34  分圧分割器
35  恒温恒湿槽
36  試料部
41  導電性弾性ローラー(転写ローラー)
42  アルミニウムドラム
43  導電性芯金
44  電流計

Claims (7)

  1. 電子写真装置に配設され、被帯電体面を電圧が印加された状態で帯電処理する帯電部材において、該帯電部材を構成する導電性弾性体層の主分散におけるコンダクタンスの交流周波数依存性が0.9以上1.0未満であることを特徴とする帯電部材。
  2. 帯電部材が少なくともアルキレンオキサイド−不飽和エポキシド共重合体を含有する請求項1に記載の帯電部材。
  3. アルキレンオキサイド−不飽和エポキシド共重合体が少なくともアルキレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を含有する請求項1又は2に記載の帯電部材。
  4. 弾性部材がアルキレンオキサイド−不飽和エポキシド共重合体と極性ゴムの混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の帯電部材。
  5. 導電性弾性部材が少なくとも一層以上からなり、導電性弾性層の最表面が電子線、電磁波又はプラズマ処理から選ばれる少なくとも一つの手段により処理されている請求項1〜4のいずれかに記載の帯電部材。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の帯電部材が配置されたことを特徴とする電子写真装置。
  7. 転写部材が請求項1〜5いずれかに記載の帯電部材である請求項6に記載の電子写真装置。
JP2002216837A 2002-07-25 2002-07-25 帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置 Pending JP2004061639A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002216837A JP2004061639A (ja) 2002-07-25 2002-07-25 帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002216837A JP2004061639A (ja) 2002-07-25 2002-07-25 帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004061639A true JP2004061639A (ja) 2004-02-26
JP2004061639A5 JP2004061639A5 (ja) 2007-05-31

Family

ID=31938482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002216837A Pending JP2004061639A (ja) 2002-07-25 2002-07-25 帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004061639A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018101310A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 日本ゼオン株式会社 ポリエーテル系重合体組成物およびその製造方法、ならびにこれを用いたシート

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10160355A (ja) * 1996-11-29 1998-06-19 Tokyo Gas Co Ltd 酸化防止型軽金属溶解兼保持炉
JPH11272043A (ja) * 1998-03-19 1999-10-08 Nippon Zeon Co Ltd 半導電性ゴムロールおよび画像形成装置
JP2000181238A (ja) * 1998-12-21 2000-06-30 Mitsuboshi Belting Ltd 転写ベルト

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10160355A (ja) * 1996-11-29 1998-06-19 Tokyo Gas Co Ltd 酸化防止型軽金属溶解兼保持炉
JPH11272043A (ja) * 1998-03-19 1999-10-08 Nippon Zeon Co Ltd 半導電性ゴムロールおよび画像形成装置
JP2000181238A (ja) * 1998-12-21 2000-06-30 Mitsuboshi Belting Ltd 転写ベルト

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018101310A1 (ja) * 2016-11-30 2018-06-07 日本ゼオン株式会社 ポリエーテル系重合体組成物およびその製造方法、ならびにこれを用いたシート
JPWO2018101310A1 (ja) * 2016-11-30 2019-10-24 日本ゼオン株式会社 ポリエーテル系重合体組成物およびその製造方法、ならびにこれを用いたシート
JP7077953B2 (ja) 2016-11-30 2022-05-31 日本ゼオン株式会社 ポリエーテル系重合体組成物およびその製造方法、ならびにこれを用いたシート
US11459426B2 (en) 2016-11-30 2022-10-04 Zeon Corporation Polyether polymer composition, method for producing same, and sheet in which same is used

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH05341627A (ja) 帯電ローラ及びその製造方法,及び帯電ローラを用いた画像形成装置及びその帯電装置
JP2008209488A (ja) 帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
KR20080065893A (ko) 대전 장치, 화상 형성 장치 및 대전 방법
JP5239135B2 (ja) 導電性部材、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP3919615B2 (ja) 画像形成装置
US6559210B2 (en) Charging member and electrophotographic apparatus
JPH09114189A (ja) 帯電部材及びその製造方法
JP3382466B2 (ja) 帯電部材およびそれを用いた電子写真装置
JP2004061639A (ja) 帯電部材及び該帯電部材を用いた電子写真装置
US6832062B2 (en) Charging apparatus, process cartridge and image forming apparatus having electroconductive particles charged in a nip between a charging member and a member to be charged
JP3962473B2 (ja) 帯電装置
JP2002296930A (ja) 帯電部材および電子写真装置
JPH1184819A (ja) 帯電部材及びこれを用いた電子写真装置
JP2009199027A (ja) 帯電装置及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置
JP4371833B2 (ja) 帯電部材、画像形成装置、帯電方法およびプロセスカートリッジ
JP2002162835A (ja) 画像形成装置
JP2004109500A (ja) 画像形成装置及び画像記録装置
JP2001221224A (ja) 画像形成装置に用いられるゴムローラ
JPH07295332A (ja) 帯電部材及びこれを有する電子写真装置
JP6922191B2 (ja) 画像形成装置用導電性部材、画像形成装置用転写ユニット及び画像形成装置
JP2004245863A (ja) 帯電ローラー
JP2002287467A (ja) 画像形成装置、プロセスカートリッジ及び帯電部材
JP2003043765A (ja) 帯電部材および電子写真装置
JP3243337B2 (ja) 帯電用部材および帯電装置
JP2002139896A (ja) 帯電部材及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070604

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071029

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071121