JP2004269618A - 導電性ゴムローラー - Google Patents
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Abstract
【課題】転写ローラーや帯電ローラーあるいは現像ローラー等で、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の極性ゴムを用いたローラーにおいて、通電劣化や環境変化等によるローラー抵抗値の変動量を小さくする方法を提供することである。
【解決手段】導電性芯材上にゴム層が成形されている導電性ゴムローラーにおいて、該ゴム層のゴム材料の主成分を極性ゴムとし、該主成分とプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体の混合物を100質量部としたときに、プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜20質量部含有されていることを特徴とする導電性ゴムローラー。
【選択図】 なし
【解決手段】導電性芯材上にゴム層が成形されている導電性ゴムローラーにおいて、該ゴム層のゴム材料の主成分を極性ゴムとし、該主成分とプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体の混合物を100質量部としたときに、プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜20質量部含有されていることを特徴とする導電性ゴムローラー。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写装置、プリンター及び静電記録装置等の画像形成装置において使用される導電性ローラーに関し、詳しくは、電子写真感光体等の像担持体に電子写真プロセスや静電記録プロセス等の作像手段で形成担持させたトナー像による可転写画像を紙等の記録媒体や転写材に転写させる転写装置の転写ローラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンター等、電子写真方式の画像形成装置の多くに帯電ローラー、転写ローラー、現像ローラー等の導電性ローラーが用いられている。従来、これらのゴムローラーに導電性を付与するのにカーボンブラック等の導電性の充填材を加える方法、あるいはアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性のゴム材料を配合する方法が挙げられる(例えば特許文献1)。
【0003】
これらの材料は、温度・湿度の環境変化による抵抗値変動が大きくなってしまうことが問題となっていた。また、これらのゴムローラーは用途の上で長時間、高い電圧をかけられ続けるものである。その結果、いずれのゴムにおいても長期使用による通電耐久によるゴムの変質から電気抵抗値の変化を起こしてしまう。このことから導電性ローラーは、その抵抗の耐久変化が比較的安定した後者のイオン導電性のアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムや、イオン導電剤を付与したゴム材料を用いる手段が主流となっている(例えば特許文献2)。
【0004】
しかし、これからの複写機やプリンターの高速化や長寿命化の要求から、導電性ゴムローラーにはさらなる強い通電耐久力が求められていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−28756号公報
【特許文献2】
特開2002−16751号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、転写ローラーや帯電ローラーあるいは現像ローラー等で、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の極性ゴムを用いたローラーにおいて、通電劣化や環境変化等によるローラー抵抗値の変動量を小さくする方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性芯材上にゴム層が成形されている導電性ゴムローラーにおいて、該ゴム層のゴム材料の主成分を極性ゴムとし、該主成分とプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体の混合物を100質量部としたときに、プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜20質量部含有されていることを特徴とする導電性ゴムローラーが提供される。
【0008】
本発明によれば、該プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜15質量部含有されていることが好ましく、特には10〜15質量部含有されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
本発明では、このような導電性ローラーを転写ローラーとして利用することにより、この用途での有用性を増すものである。
【0011】
図2に、本発明に係る導電性ローラーを画像形成装置に利用した一例を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式のプロセスカートリッジを使用したレーザープリンターであり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。また、同図に示す画像形成装置には、転写ローラーを有する転写装置が装着されている。
【0012】
同図に示す画像形成装置は、像担持体として、ドラム型の電子写真感光体1(以下「感光ドラム1」という)を備えている。感光ドラム1は、接地された円筒アルミニウム基体の外周面に、有機光導電体(OPC)からなる感光層を設けたものである。この感光ドラム1は、駆動手段(不図示)により、矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)、例えば50mm/secで回転駆動される。
【0013】
感光ドラム1表面は、接触帯電部材としての帯電ローラー2によって均一に帯電される。帯電ローラー2は、感光ドラム1表面に接触配置されており、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。帯電ローラー2には、帯電バイアス印加電源(高圧電源)により振動電圧(交流電圧VAC+直流電圧VDC)が印加され、これにより感光ドラム1表面は−600V(暗部電位Vd)に一様に帯電処理される。帯電後の感光ドラム1表面は、レーザースキャナから出力されてミラーによって反射されたレーザー光3、すなわち、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光により走査露光を受ける。これにより感光ドラム1表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像(明電部位Vl=−150V)が形成される。
【0014】
その静電潜像は、現像装置4の現像スリーブに印加された現像バイアスによって、負に帯電されたトナーが付着され、トナー像として反転現像される。
【0015】
一方、給紙部(不図示)から給搬送された紙等の転写材7が、転写ガイドにガイドされて、感光ドラム1と転写ローラー6との間の転写部(転写ニップ部)Tに、感光ドラム1上のトナー像とタイミングを合わせるようにして供給される。転写部Tに供給された転写材7は、転写バイアス印加電源により転写ローラー6に印加された転写バイアスによって、表面に感光ドラム1上のトナー像が転写される。このとき、転写材7に転写されないで感光ドラム1表面に残ったトナー(残留トナー)は、クリーニング装置9によって除去される。
【0016】
転写部Tを通った転写材7は、感光ドラム1から分離されて定着装置10へ導入され、ここでトナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント)として画像形成装置本体(不図示)外部に排出される。
【0017】
【実施例】
図1に示される本発明を実証する導電性ローラーは、以下のようにして作製した。
【0018】
<導電性ローラー>
ゴム組成物は、ゴム主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムを両者の混合物とし、これにプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を所定量混合する。また、カーボンブラック等の導電材他の助剤や硫黄等の加硫剤、スルフィド系の加硫促進剤、発泡剤を混合したものである。
【0019】
押出し機(不図示)を用いてゴム組成物を押出し、未加硫のチューブ状の導電性ゴム成形物を得た後、加硫缶にて160℃で30分間の加硫を行ないチューブ状の導電性ゴム成形物を作製し、次いでφ4〜10mmの導電性芯材を前記チューブ状の導電性ゴム成形物の内径部に圧入し、ローラー状の成形体を得た。この成形体を、研磨砥石GC80を取り付けた研磨機(不図示)にセットし、研磨条件として回転速度2000RPM、送り速度500m/分で外径がφ17mmになるように研磨し、導電性発泡ゴムローラーを作製した。
【0020】
なお、各実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りである。
【0021】
アクリロニトリルブタジエンゴム(*1)
[商品名:DN214、日本ゼオン(株)社製]
アクリロニトリルブタジエンゴム(*2)
[商品名:DN223、日本ゼオン(株)社製]
エピクロルヒドリンゴム
[商品名:ゼクロン3106、日本ゼオン(株)社製]
プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル
[商品名:ゼオスパン8030、日本ゼオン(株)社製]
【0022】
(ローラーの通電耐久試験方法)
ローラーの通電耐久試験は、導電性ローラーを50℃の環境下に置き、軸体に片側4.9Nの荷重が両方に掛かるようにして外径30mmのアルミニウム製のドラムに圧着し、回転させた状態で、軸体とアルミドラムとの間に25時間、80μAの定電流を印加し続けた。その後、N/N環境に戻して24時間以上放置した後で再びローラー抵抗を測定した。ここで初期の抵抗値と耐久後の抵抗値の差を桁数で表現したものを通電耐久量とした。これが小さいほど、導電性ゴムローラーの通電耐久性が良いといえる。変動量は0.1桁未満が好ましい。
【0023】
(ローラーの電気抵抗及び環境変動量の測定方法)
ローラー抵抗は、導電性ローラーの軸体に片側4.9Nの荷重が両方に掛かるようにし、外径30mmのアルミニウム製のドラムに圧着し、回転させた状態で、軸体とアルミドラムとの間に2kVの電圧を印加して測定した。この測定をL/L(15℃/10%RH)、N/N(23℃/55%RH)、H/H(35℃/85%RH)の各環境下にて48時間の放置後に測定した。環境変動量は、L/LとH/Hでの抵抗値の違いを桁で表した。変動量は1.6桁未満が好ましい。
【0024】
(実施例1〜6)
本発明のゴム材料の主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムを用いた混合物に5〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えたものを実施例として評価し、この結果を表1に示す。表1の結果から5〜15質量部の間で耐久変動量が小さくなることが判る。また、10〜20質量部の間では環境変動量が小さくなることが判り、更に、10〜15質量部の間では耐久変動量、環境変動量共に小さくなることが判る。
【0025】
(比較例1、2)
比較例としては、プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合物を加えなかったものと20質量部を超えて添加したのを評価し、この結果を表2に示す。表2の結果から耐久変動量が実施例よりも大きくなることが判る。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
以上に示したように、ゴム材料の主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムを用いた混合物に5〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合に環境変動や耐久変動での抵抗値の変動量が小さくなるという効果が表れる。
【0029】
また、該混合物に10〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合に、特に抵抗値の環境変動量が小さくなるという効果が表れる。
【0030】
更に該混合物に、10〜15質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合は抵抗値の耐久変動量と環境変動量が共に小さくなるという効果が表れる。
【0031】
【発明の効果】
よって、ゴム材料の主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムを用いた混合物に5〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合に本発明の課題とした通電劣化や環境変化等によるローラー抵抗値の変動量が小さくなるという効果が表れる。
【0032】
従って、上記導電性ゴムローラー用ゴム組成物を用いた導電性ローラーは、電子写真技術の画像形成に用いられる転写ローラー等に好適に使用することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転写ローラーの全体断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電装置
3 露光手段
4 現像装置
5 トナー
6 転写ローラー
7 記録媒体
8 クリーニングブレード
9 クリーニング装置
10 定着装置
61 芯金
62 弾性層
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写装置、プリンター及び静電記録装置等の画像形成装置において使用される導電性ローラーに関し、詳しくは、電子写真感光体等の像担持体に電子写真プロセスや静電記録プロセス等の作像手段で形成担持させたトナー像による可転写画像を紙等の記録媒体や転写材に転写させる転写装置の転写ローラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンター等、電子写真方式の画像形成装置の多くに帯電ローラー、転写ローラー、現像ローラー等の導電性ローラーが用いられている。従来、これらのゴムローラーに導電性を付与するのにカーボンブラック等の導電性の充填材を加える方法、あるいはアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のイオン導電性のゴム材料を配合する方法が挙げられる(例えば特許文献1)。
【0003】
これらの材料は、温度・湿度の環境変化による抵抗値変動が大きくなってしまうことが問題となっていた。また、これらのゴムローラーは用途の上で長時間、高い電圧をかけられ続けるものである。その結果、いずれのゴムにおいても長期使用による通電耐久によるゴムの変質から電気抵抗値の変化を起こしてしまう。このことから導電性ローラーは、その抵抗の耐久変化が比較的安定した後者のイオン導電性のアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムや、イオン導電剤を付与したゴム材料を用いる手段が主流となっている(例えば特許文献2)。
【0004】
しかし、これからの複写機やプリンターの高速化や長寿命化の要求から、導電性ゴムローラーにはさらなる強い通電耐久力が求められていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−28756号公報
【特許文献2】
特開2002−16751号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、転写ローラーや帯電ローラーあるいは現像ローラー等で、アクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム等の極性ゴムを用いたローラーにおいて、通電劣化や環境変化等によるローラー抵抗値の変動量を小さくする方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、導電性芯材上にゴム層が成形されている導電性ゴムローラーにおいて、該ゴム層のゴム材料の主成分を極性ゴムとし、該主成分とプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体の混合物を100質量部としたときに、プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜20質量部含有されていることを特徴とする導電性ゴムローラーが提供される。
【0008】
本発明によれば、該プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜15質量部含有されていることが好ましく、特には10〜15質量部含有されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
本発明では、このような導電性ローラーを転写ローラーとして利用することにより、この用途での有用性を増すものである。
【0011】
図2に、本発明に係る導電性ローラーを画像形成装置に利用した一例を示す。同図に示す画像形成装置は、電子写真方式のプロセスカートリッジを使用したレーザープリンターであり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。また、同図に示す画像形成装置には、転写ローラーを有する転写装置が装着されている。
【0012】
同図に示す画像形成装置は、像担持体として、ドラム型の電子写真感光体1(以下「感光ドラム1」という)を備えている。感光ドラム1は、接地された円筒アルミニウム基体の外周面に、有機光導電体(OPC)からなる感光層を設けたものである。この感光ドラム1は、駆動手段(不図示)により、矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)、例えば50mm/secで回転駆動される。
【0013】
感光ドラム1表面は、接触帯電部材としての帯電ローラー2によって均一に帯電される。帯電ローラー2は、感光ドラム1表面に接触配置されており、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。帯電ローラー2には、帯電バイアス印加電源(高圧電源)により振動電圧(交流電圧VAC+直流電圧VDC)が印加され、これにより感光ドラム1表面は−600V(暗部電位Vd)に一様に帯電処理される。帯電後の感光ドラム1表面は、レーザースキャナから出力されてミラーによって反射されたレーザー光3、すなわち、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光により走査露光を受ける。これにより感光ドラム1表面には、目的の画像情報に対応した静電潜像(明電部位Vl=−150V)が形成される。
【0014】
その静電潜像は、現像装置4の現像スリーブに印加された現像バイアスによって、負に帯電されたトナーが付着され、トナー像として反転現像される。
【0015】
一方、給紙部(不図示)から給搬送された紙等の転写材7が、転写ガイドにガイドされて、感光ドラム1と転写ローラー6との間の転写部(転写ニップ部)Tに、感光ドラム1上のトナー像とタイミングを合わせるようにして供給される。転写部Tに供給された転写材7は、転写バイアス印加電源により転写ローラー6に印加された転写バイアスによって、表面に感光ドラム1上のトナー像が転写される。このとき、転写材7に転写されないで感光ドラム1表面に残ったトナー(残留トナー)は、クリーニング装置9によって除去される。
【0016】
転写部Tを通った転写材7は、感光ドラム1から分離されて定着装置10へ導入され、ここでトナー像の定着処理を受け、画像形成物(プリント)として画像形成装置本体(不図示)外部に排出される。
【0017】
【実施例】
図1に示される本発明を実証する導電性ローラーは、以下のようにして作製した。
【0018】
<導電性ローラー>
ゴム組成物は、ゴム主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムを両者の混合物とし、これにプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体を所定量混合する。また、カーボンブラック等の導電材他の助剤や硫黄等の加硫剤、スルフィド系の加硫促進剤、発泡剤を混合したものである。
【0019】
押出し機(不図示)を用いてゴム組成物を押出し、未加硫のチューブ状の導電性ゴム成形物を得た後、加硫缶にて160℃で30分間の加硫を行ないチューブ状の導電性ゴム成形物を作製し、次いでφ4〜10mmの導電性芯材を前記チューブ状の導電性ゴム成形物の内径部に圧入し、ローラー状の成形体を得た。この成形体を、研磨砥石GC80を取り付けた研磨機(不図示)にセットし、研磨条件として回転速度2000RPM、送り速度500m/分で外径がφ17mmになるように研磨し、導電性発泡ゴムローラーを作製した。
【0020】
なお、各実施例及び比較例で使用した材料は以下の通りである。
【0021】
アクリロニトリルブタジエンゴム(*1)
[商品名:DN214、日本ゼオン(株)社製]
アクリロニトリルブタジエンゴム(*2)
[商品名:DN223、日本ゼオン(株)社製]
エピクロルヒドリンゴム
[商品名:ゼクロン3106、日本ゼオン(株)社製]
プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル
[商品名:ゼオスパン8030、日本ゼオン(株)社製]
【0022】
(ローラーの通電耐久試験方法)
ローラーの通電耐久試験は、導電性ローラーを50℃の環境下に置き、軸体に片側4.9Nの荷重が両方に掛かるようにして外径30mmのアルミニウム製のドラムに圧着し、回転させた状態で、軸体とアルミドラムとの間に25時間、80μAの定電流を印加し続けた。その後、N/N環境に戻して24時間以上放置した後で再びローラー抵抗を測定した。ここで初期の抵抗値と耐久後の抵抗値の差を桁数で表現したものを通電耐久量とした。これが小さいほど、導電性ゴムローラーの通電耐久性が良いといえる。変動量は0.1桁未満が好ましい。
【0023】
(ローラーの電気抵抗及び環境変動量の測定方法)
ローラー抵抗は、導電性ローラーの軸体に片側4.9Nの荷重が両方に掛かるようにし、外径30mmのアルミニウム製のドラムに圧着し、回転させた状態で、軸体とアルミドラムとの間に2kVの電圧を印加して測定した。この測定をL/L(15℃/10%RH)、N/N(23℃/55%RH)、H/H(35℃/85%RH)の各環境下にて48時間の放置後に測定した。環境変動量は、L/LとH/Hでの抵抗値の違いを桁で表した。変動量は1.6桁未満が好ましい。
【0024】
(実施例1〜6)
本発明のゴム材料の主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムを用いた混合物に5〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えたものを実施例として評価し、この結果を表1に示す。表1の結果から5〜15質量部の間で耐久変動量が小さくなることが判る。また、10〜20質量部の間では環境変動量が小さくなることが判り、更に、10〜15質量部の間では耐久変動量、環境変動量共に小さくなることが判る。
【0025】
(比較例1、2)
比較例としては、プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合物を加えなかったものと20質量部を超えて添加したのを評価し、この結果を表2に示す。表2の結果から耐久変動量が実施例よりも大きくなることが判る。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
以上に示したように、ゴム材料の主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴムを用いた混合物に5〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合に環境変動や耐久変動での抵抗値の変動量が小さくなるという効果が表れる。
【0029】
また、該混合物に10〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合に、特に抵抗値の環境変動量が小さくなるという効果が表れる。
【0030】
更に該混合物に、10〜15質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合は抵抗値の耐久変動量と環境変動量が共に小さくなるという効果が表れる。
【0031】
【発明の効果】
よって、ゴム材料の主成分としてアクリロニトリルブタジエンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムを用いた混合物に5〜20質量部のプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテルの共重合物を加えた場合に本発明の課題とした通電劣化や環境変化等によるローラー抵抗値の変動量が小さくなるという効果が表れる。
【0032】
従って、上記導電性ゴムローラー用ゴム組成物を用いた導電性ローラーは、電子写真技術の画像形成に用いられる転写ローラー等に好適に使用することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る転写ローラーの全体断面図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の全体断面図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電装置
3 露光手段
4 現像装置
5 トナー
6 転写ローラー
7 記録媒体
8 クリーニングブレード
9 クリーニング装置
10 定着装置
61 芯金
62 弾性層
Claims (3)
- 導電性芯材上にゴム層が成形されている導電性ゴムローラーにおいて、該ゴム層のゴム材料の主成分を極性ゴムとし、該主成分とプロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体の混合物を100質量部としたときに、プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜20質量部含有されていることを特徴とする導電性ゴムローラー。
- 上記プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が5〜15質量部含有されている請求項1に記載の導電性ゴムローラー。
- 上記プロピレンオキサイド−ポリエチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が10〜15質量部含有されている請求項1又は2に記載の導電性ゴムローラー。
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JP2003060063A JP2004269618A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | 導電性ゴムローラー |
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JP2003060063A JP2004269618A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | 導電性ゴムローラー |
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JP2003060063A Pending JP2004269618A (ja) | 2003-03-06 | 2003-03-06 | 導電性ゴムローラー |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100783221B1 (ko) | 2005-05-09 | 2007-12-06 | 캐논 가세이 가부시끼가이샤 | 도전성 고무 롤러 |
JP2010140034A (ja) * | 2005-02-14 | 2010-06-24 | Canon Chemicals Inc | 導電性ゴムローラーの製造方法および電子写真装置用ローラー |
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