JPH09112524A - 車両部材の締結機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレームのサイドレールに角孔を穿孔しない
でクロスメンバと丸頭ボルトで締結すること。 【解決手段】 隣接するボルト（２）と共通の複数の角
孔を有するパッチ（３）を介して、角部（２ａ）を有す
る丸頭ボルト（２）で締結している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の被締結部材
を複数の丸頭ボルトで締結する車両部材の締結機構に関
する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、図７に示すように車両のフレー
ムのサイドレール１にクロスメンバ４を取り付ける場
合、デザイン上の要請から丸頭ボルト２が広く使用さ
れ、図８を参照して、丸頭と軸部との間に角部２ａを設
けた丸頭ボルト２を使用し、サイドレール１側のボルト
孔を角孔１６としてボルトの回り止めとする技術は知ら
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、角孔を
設けると応力集中係数が高くなるので、応力が高く車輌
の骨格となるサイドレールの強度が低下するという問題
があった。

【０００４】また、実開平３−７７７８５号公報の技術
が開示されているが、サイドレールとクロスメンバとを
エポキシ系接着剤により接着する技術であり、実開平６
−７５９６３号公報の技術があるが、サイドレール上の
リベットの頭を隠してフラットにするもので、何れも本
願の課題と目的の異なる技術である。

【０００５】したがって、本発明は角部を有する丸頭ボ
ルトを使用しても強度が低下しない車両部材の締結機構
を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
被締結部材を複数の丸頭ボルトで締結する車両部材の締
結機構において、丸頭ボルト側にパッチを介装し、該パ
ッチは被締結部材寄りも圧縮強度が強い材質で構成さ
れ、且つ隣接する複数の丸頭ボルトについて共通して用
いられており、該パッチの丸頭ボルトの角部に対応する
位置には角孔が穿孔されており、被締結部材の丸頭ボル
トに対応する位置には丸孔が穿孔されている。

【０００７】また、本発明によれば、前記被締結部材は
フレームのサイドレールとクロスメンバである。

【０００８】また、本発明によれば、前記パッチは複数
の丸頭ボルトの角部に対応する位置に角孔を穿孔した帯
状板としており、前記パッチの角孔間が打ち抜かれてい
てもよい。

【０００９】また、本発明によれば、丸頭ボルトのナッ
ト側にも丸孔を穿孔した前記パッチを介装している。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。

【００１１】図において、従来技術と同じ機能の部材に
は同じ符合を付して重複説明は省略する。図１は本発明
に係る車輌部材の締結機構によるフレームのサイドレー
ルとクロスメンバとの締結の実施の形態の例を示し、ア
ルミ合金製のサイドレール（フランジ部の一部を示す）
１にはアルミ合金製のクロスメンバ４が両端部を半円状
に形成され隣接する２本のボルトの角部が貫通する角孔
を有する帯状のスチール製のパッチ３を介して丸頭ボル
ト２で締結されている。

【００１２】図２は図１のＡ−Ａ断面を示し、丸孔７を
穿孔されたサイドレール１と丸孔８を穿孔されたクロス
メンバ４とは、角部を有する丸頭側に２個の角孔６を穿
孔されたパッチ３と、ナット側に２個の丸孔９を有する
パッチ５とを介して角部２ａを有する丸頭ボルト２とナ
ット１０とで締結されている。

【００１３】したがって、ナット１０を締め付ける場合
はパッチ３の角孔６と丸頭ボルト２の角部２ａとが係合
してボルトの回り止めの機能を果たすのでナットの締付
けは容易であり、面積の広いスチール製のパッチ３を介
しているので、アルミ製のサイドレール１、クロスメン
バ４に対する面圧は低下するのでアルミ合金側が陥没す
ることがない。さらに、サイドレール１に従来技術のよ
うに角孔を穿孔する必要がないので応力集中係数が高く
なってサイドレールの強度が低下する心配もないのでス
チール製のサイドレール、クロスメンバに対しても有効
であり、ナット側のパッチは省略してもよい。

【００１４】図３は本発明の別の実施の形態を示し、表
側のパッチ３と鎖線で示す裏側のパッチ３Ａとの向きが
異なっている場合を示している。

【００１５】図４は別のパッチ形状を示し、角孔間に打
ち抜きの窓を設けたものであり、軽量である。

【００１６】図５は他のパッチ形状を示し、角孔間に幅
の狭い帯状部１３を設けたものであり、図４同様に軽量
化ができる。

【００１７】図６はその他のパッチ形状を示し、３角形
状のパッチ１４に角孔を３個有する場合であり、小型の
クロスメンバを締結する場合等便利である。

【００１８】

【発明の効果】本発明は上記のように構成されており、
以下の優れた効果を奏することができる。 （１） サイドレールに角孔を設ける必要がないので、
応力集中係数が高くなることがない。 （２） 複数のボルトに共通するパッチを介装するの
で、面圧が低下する。 （３） したがって、フレームの強度低下を防止でき、
サイドレール、クロスメンバの陥没がないので、アルミ
合金のフレームに適用すれば効果が大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の例を示すフレームの部分
平面図。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】本発明の別の実施の形態を示す図。

【図４】本発明の別のパッチ形状を示す図。

【図５】本発明の他のパッチ形状を示す図。

【図６】本発明のその他のパッチ形状を示す図。

【図７】従来の技術のフレームの一部を例示する斜視
図。

【図８】図７のボルト部の断面図。

【符号の説明】

１・・・サイドレール ２・・・丸頭ボルト ２ａ・・・角部 ３、５・・・パッチ ４・・・クロスメンバ ６、１６・・・角孔 ７、８、９・・・丸孔 １０・・・ナット

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の被締結部材を複数の丸頭ボルトで
   締結する車両部材の締結機構において、丸頭ボルト側に
   パッチを介装し、該パッチは被締結部材よりも圧縮強度
   が強い材質で構成され、且つ隣接する複数の丸頭ボルト
   について共通して用いられており、該パッチの丸頭ボル
   トの角部に対応する位置には角孔が穿孔されており、被
   締結部材の丸頭ボルトに対応する位置には丸孔が穿孔さ
   れていることを特徴とする車輌部材の締結機構。
2. 【請求項２】 前記被締結部材はフレームのサイドレー
   ルとクロスメンバである請求項１に記載の車輌部材の締
   結機構。
3. 【請求項３】 前記パッチは複数の丸頭ボルトの角部に
   対応する位置に角孔を穿孔した帯状板とした請求項１、
   ２の何れかに記載した車輌部材の締結機構。
4. 【請求項４】 前記パッチの角孔間が打ち抜かれている
   請求項３に記載の車輌部材の締結機構。
5. 【請求項５】 丸頭ボルトのナット側にも丸孔を穿孔し
   た前記パッチを介装した請求項１、２、３、４の何れか
   に記載の車輌部材の締結機構。