JPH09112427A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

密閉型圧縮機

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JPH09112427A
JPH09112427A JP27268895A JP27268895A JPH09112427A JP H09112427 A JPH09112427 A JP H09112427A JP 27268895 A JP27268895 A JP 27268895A JP 27268895 A JP27268895 A JP 27268895A JP H09112427 A JPH09112427 A JP H09112427A
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JP
Japan
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oil supply
supply passage
crankshaft
piston
centrifugal
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Application number
JP27268895A
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English (en)
Inventor
Masanori Kobayashi
正則 小林
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
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Publication date
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Publication of JPH09112427A publication Critical patent/JPH09112427A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B39/00Component parts, details, or accessories, of pumps or pumping systems specially adapted for elastic fluids, not otherwise provided for in, or of interest apart from, groups F04B25/00 - F04B37/00
    • F04B39/02Lubrication
    • F04B39/0223Lubrication characterised by the compressor type
    • F04B39/023Hermetic compressors
    • F04B39/0238Hermetic compressors with oil distribution channels
    • F04B39/0246Hermetic compressors with oil distribution channels in the rotating shaft
    • F04B39/0253Hermetic compressors with oil distribution channels in the rotating shaft using centrifugal force for transporting the oil

Abstract

(57)【要約】 【課題】 密閉型圧縮機において、圧縮機起動時でのス
ラスト軸受摺動部の潤滑不良による摩耗を防ぎ、信頼性
の高い密閉型圧縮機とすることを目的とする。 【解決手段】 傾斜シリンダ35と、傾斜シリンダ35
内に往復動可能に収納された遠心ピストン36と、給油
路29内に往復動可能に収納された可動管37と、遠心
ピストン36と可動管37を連結した連結機構38を備
えているので、圧縮機起動時のクランク軸が一定回転で
安定するまでの過渡状態で、スラスト摺動部への給油量
を増加して潤滑不良を防止し、摩耗が小さく信頼性の高
い密閉型圧縮機とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍冷蔵装置等に
使用される往復式密閉型圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷凍冷蔵装置等に使用される密閉型圧縮
機は、密閉容器内に電動圧縮要素が収納されているた
め、密閉容器内のメンテナンスや修理ができない。その
ため、信頼性の高いものが強く望まれている。
【0003】往復型圧縮機の摺動部については、冷媒ガ
スの圧縮により大きなガス圧荷重を受けるため、厳しい
摺動状態にあり、それらの摺動部の潤滑不良を防ぎ、信
頼性を高める方法が従来から考案されている。
【0004】例えば、クランク軸及びスラスト軸受摺動
部への給油方法については、実公昭49−13370号
公報に示されているような密閉型圧縮機がある。
【0005】以下、図面を参照しながら、上述した従来
の密閉型圧縮機の一例について説明する。
【0006】図3は従来の密閉型圧縮機の縦断面図であ
り、図4は従来の密閉型圧縮機のピストン装置の縦断面
図である。図3、4において、1は密閉型圧縮機であ
り、密閉容器2内には、上方に電動機3、下方に圧縮要
素部4が位置するように支持されている。
【0007】圧縮要素部4は、ブロック5と一体に設け
られたシリンダ6,ピストン7,偏芯部8a及びクラン
ク軸摺動部8b,8cを有するクランク軸8,コンロッ
ド9,軸受10等により構成されている。
【0008】また、電動機3は、ロータ11,ステータ
12より構成されており、ステータ12は前記ブロック
5に固定され、ロータ11はクランク軸8に固定されて
スラスト軸受13に支持されることで圧縮要素部4が一
体となり、電動圧縮要素14を形成している。
【0009】前記コンロッド9は、一端に小端穴15を
他端に大端穴16を有しており、前記小端穴15の中へ
ピストン7に固定されたピストンピン17が挿入される
と共に、クランク偏心部8aが大端穴16に挿入される
ことにより、ピストン7とクランク軸8を連結してい
る。給油路18は前記コンロッド9内を通り、前記小端
穴15と前記大端穴16とを連通している。
【0010】軸給油路19はクランク軸8内に開けられ
ており、大端穴給油路20は一端がクランク偏心部8a
の表面に設けられたオイル溜まり21に開口し、他端が
前記軸給油路19に連通する。
【0011】偏芯側スパイラル給油溝22及びモータ側
スパイラル給油溝23はそれぞれ、クランク軸摺動部8
b,8cの表面に設けられている。軸摺動部給油孔24
は偏芯側スパイラル給油溝22中に開口し、供給孔25
を介して軸給油路19と連通する。また、26は軸中抜
き部である。給油管27はクランク偏心部8aに固定さ
れ、前記軸給油路19に連通して、下端は密閉容器2底
部に貯溜したオイル28に浸かっている。
【0012】以上のように構成された密閉型圧縮機につ
いて、以下その動作を説明する。冷却回路(図示せず)
から循環してきた冷媒ガスは、電動機3によって駆動さ
れるクランク軸8の回転運動と連動するピストン7の往
復運動によりシリンダ6内へ導かれて圧縮された後、再
び冷却回路へ吐出される。
【0013】また、密閉容器2底部に溜まっているオイ
ル28は、偏芯部8aに固定された給油管27が回転す
ることで発生する遠心力により、給油管27及び軸給油
路19内を上昇する。
【0014】軸給油路19内を上昇したオイル28の一
部は大端穴給油路20を通ってオイル溜まり21に流出
し、大端穴16とクランク偏心部8aとの摺動部を潤滑
した後密閉容器2の下部に戻る。
【0015】さらに、クランク偏心部8aのオイル溜ま
り21中のオイルの一部は給油路18を通って小端穴1
5に至り、ピストンピン17と小端穴15の摺動部を潤
滑し、密閉容器2の下部に戻る。
【0016】また、大端穴給油路20へ流入しなっかた
軸給油路19内のオイル28は、供給孔25と軸摺動部
給油孔24を介して偏芯側スパイラル給油溝22へ供給
される。
【0017】供給された偏芯側スパイラル給油溝22中
のオイル28は、クランク軸8の回転と共に粘性ポンプ
作用によりクランク軸摺動部8bを潤滑しつつ偏芯側ス
パイラル給油溝22に沿って上昇し軸中抜き部26へ至
る。
【0018】その後、オイル28は回転するモータ側ス
パイラル給油溝23に沿ってクランク軸摺動部8cを潤
滑した後、軸受10の上端面とロータ11の下端面によ
り構成されるスラスト軸受13の摺動部を潤滑して密閉
容器2の下部に戻る。
【0019】以上の様なオイル28の流れにより、軸受
10とコンロッド9及びスラスト軸受13の摺動部の潤
滑がなされている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、密閉型圧縮機のスラスト軸受13の潤滑は
は、ロータ11の下端平面と軸受8の上端平面の平行摺
動であり、基本的にクランク軸8の一定速の回転運動の
みではスラスト荷重を支持する油膜圧力が発生しないた
め軸受等の回転摺動部と比べて非常に厳しく、常に一定
量以上の給油量の確保が必要である。
【0021】しかし、特に圧縮機の起動時におけるスラ
スト軸受13の給油は、スラスト軸受13が密閉容器2
の下部に溜まった潤滑油28の油面に対して最も高い位
置にあるため、主として他の摺動部に給油されてしま
い、クランク軸8の回転に伴う遠心ポンプでの潤滑油2
8の供給開始に最も時間が掛かってしまう。
【0022】そのため、潤滑油28の油温が過度に低く
粘度が非常に高い場合や、油面が低下する運転条件の場
合、スラスト軸受13は特に起動時の潤滑油28の供給
遅れや給油量の減少により潤滑状態が悪化し、油膜切れ
で摩耗量が大きくなり信頼性が低下する可能性があると
の欠点があった。
【0023】本発明は従来の課題を解決するもので、圧
縮機起動時のクランク軸8が一定回転で安定するまでの
過渡状態で遠心ポンプでの給油をスラスト軸受13へ集
中的に行うことにより、スラスト摺動部への給油量を増
加して潤滑不良を防止し、摩耗が小さく信頼性の高い密
閉型圧縮機とすることを目的とする。
【0024】また、本発明の他の目的は、停止時にクラ
ンク軸8内の給油路に潤滑油を貯留し、起動時にその潤
滑油を直接スラスト軸受13に供給することにより起動
直後確実にスラスト軸受を潤滑でき、摩耗が小さく信頼
性の高い密閉型圧縮機とすることである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の密閉型圧縮機
は、密閉容器と、前記密閉容器の下部に溜まった潤滑油
と、前記密閉容器内の上方に収納されステータ,ロータ
からなる電動機部と、前記ステータを固定するブロック
と、前記ブロックと一体に設けられたシリンダと、一端
が前記ロータに固定され他端に偏芯部を有するクランク
軸と、前記クランク軸を回転可能に収納し前記ブロック
に固定された軸受と、前記シリンダ内を往復動可能に収
納されたピストンと、前記クランク軸の偏芯部と前記ピ
ストンを連結するコンロッドとからなる圧縮要素部と、
一端が前記潤滑油中に開口し前記クランク軸内に設けら
れた給油路と、一端が前記給油路に開口し他端が前記軸
受と前記ロータとのスラスト摺動部に連通した第1の給
油孔と、一端が前記給油路に開口し他端が前記軸受の前
記偏芯部側摺動部に連通した第2の給油孔と、一端が前
記給油路に開口し他端が前記偏芯部の摺動部に連通した
第3の給油孔と、前記クランク軸内の回転中心近傍から
斜め上方に明けられた傾斜シリンダと、前記傾斜シリン
ダ内に往復動可能に収納された遠心ピストンと、前記給
油路内に往復動可能に収納され側面に穴を有する可動管
と、前記遠心ピストンと前記可動管を連結した連結機構
とからなるものである。
【0026】この発明によれば、圧縮機起動時のクラン
ク軸が一定回転で安定するまでの過渡状態で遠心ポンプ
での給油をスラスト軸受へ集中的に行うことにより、ス
ラスト摺動部への給油量を増加して潤滑不良を防止し、
摩耗が小さく信頼性の高い密閉型圧縮機とすることがで
きる。
【0027】また、密閉容器と、前記密閉容器の下部に
溜まった潤滑油と、前記密閉容器内の上方に収納されス
テータ,ロータからなる電動機部と、前記ステータを固
定するブロックと、前記ブロックと一体に設けられたシ
リンダと、一端が前記ロータに固定され他端に偏芯部を
有するクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に収納
し前記ブロックに固定された軸受と、前記シリンダ内を
往復動可能に収納されたピストンと、前記クランク軸の
偏芯部と前記ピストンを連結するコンロッドとからなる
圧縮要素部と、一端が前記潤滑油中に開口し前記クラン
ク軸内に設けられた給油路と、一端が前記給油路に開口
し他端が前記軸受と前記ロータとのスラスト摺動部に連
通した第1の給油孔と、一端が前記給油路に開口し他端
が前記軸受の偏芯部側摺動部に連通した第2の給油孔
と、一端が前記給油路に開口し他端が前記偏芯部の摺動
部に連通した第3の給油孔と、前記クランク軸内の回転
中心近傍から半径方向外周側に設けられた遠心シリンダ
と、前記遠心シリンダ内に往復動可能に収納された遠心
ピストンと、前記遠心ピストンと前記遠心シリンダの端
面を連結するスプリングと、前記給油路内に往復動可能
に収納され一端に前記第2の給油孔の上方で前記給油路
を封止可能な封止面を有し且つ側面に穴を有する可動管
と、前記遠心ピストンと前記可動管を連結した連結機構
とからなるものである。
【0028】この発明によれば、停止時にクランク軸内
の給油路に潤滑油を貯留し、起動時にその潤滑油を直接
スラスト軸受に供給することにより起動直後確実にスラ
スト軸受を潤滑でき、摩耗が小さく信頼性の高い密閉型
圧縮機とすることである。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、密閉容器と、前記密閉容器の下部に溜まった潤滑油
と、前記密閉容器内の上方に収納されステータ,ロータ
からなる電動機部と、前記ステータを固定するブロック
と、前記ブロックと一体に設けられたシリンダと、一端
が前記ロータに固定され他端に偏芯部を有するクランク
軸と、前記クランク軸を回転可能に収納し前記ブロック
に固定された軸受と、前記シリンダ内を往復動可能に収
納されたピストンと、前記クランク軸の偏芯部と前記ピ
ストンを連結するコンロッドとからなる圧縮要素部と、
一端が前記潤滑油中に開口し前記クランク軸内に設けら
れた給油路と、一端が前記給油路に開口し他端が前記軸
受と前記ロータとのスラスト摺動部に連通した第1の給
油孔と、一端が前記給油路に開口し他端が前記軸受の前
記偏芯部側摺動部に連通した第2の給油孔と、一端が前
記給油路に開口し他端が前記偏芯部の摺動部に連通した
第3の給油孔と、前記クランク軸内の回転中心近傍から
斜め上方に明けられた傾斜シリンダと、前記傾斜シリン
ダ内に往復動可能に収納された遠心ピストンと、前記給
油路内に往復動可能に収納され側面に穴を有する可動管
と、前記遠心ピストンと前記可動管を連結した連結機構
とからなる密閉型圧縮機であり、圧縮機起動時のクラン
ク軸が一定回転で安定するまでの過渡状態で、密閉容器
の下部に溜まった潤滑油をクランク軸の遠心ポンプで給
油をスラスト軸受へ集中的に行うことができ、スラスト
摺動部への給油量を増加できるという作用を有する。
【0030】請求項2に記載の発明は、一端が潤滑油中
に開口しクランク軸内に設けられた給油路と、一端が前
記給油路に開口し他端が軸受とロータとのスラスト摺動
部に連通した第1の給油孔と、一端が前記給油路に開口
し他端が前記軸受の偏芯部側摺動部に連通した第2の給
油孔と、一端が前記給油路に開口し他端が前記偏芯部の
摺動部に連通した第3の給油孔と、前記クランク軸内の
回転中心近傍から半径方向外周側に設けられた遠心シリ
ンダと、前記遠心シリンダ内に往復動可能に収納された
遠心ピストンと、前記遠心ピストンと前記遠心シリンダ
の端面を連結するスプリングと、前記給油路内に往復動
可能に収納され一端に前記第2の給油孔の上方で前記給
油路を封止可能な封止面を有し且つ側面に穴を有する可
動管と、前記遠心ピストンと前記可動管を連結した連結
機構とからなる請求項1記載の密閉型圧縮機であり、停
止時にクランク軸内の給油路に潤滑油を貯留し、起動時
にその潤滑油を直接スラスト軸受に供給することにより
起動直後確実にスラスト軸受を潤滑できるという作用を
有する。
【0031】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図2を用いて説明する。 (実施の形態1)以下、本発明の密閉型圧縮機の実施の
形態1について図面を参照しながら説明する。尚、従来
と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を
省略する。
【0032】図1は本発明の第1の実施例による密閉型
圧縮機のピストン装置の縦断面図である。
【0033】図1において、29は給油路であり一端が
潤滑油28中に開口しクランク軸30内に設けられてい
る。31は第1の給油孔であり一端が給油路29に開口
し他端が軸受10とロータ32とのスラスト摺動部に連
通している。33は第2の給油孔であり一端が給油路2
9に開口し他端が軸受10の偏芯部側摺動部とのスラス
ト摺動部に連通している。34は第3の給油孔であり一
端が給油路29に開口し他端が偏芯部30aの摺動部に
連通している。35は傾斜シリンダでありクランク軸3
0内の回転中心近傍から斜め上方に明けられている。3
6は遠心ピストンであり傾斜シリンダ35内に往復動可
能に収納される。37は可動管であり給油路29内に往
復動可能に収納され側面に穴37a、37bを有する。
38は連結機構であり遠心ピストン36と可動管37を
連結している。
【0034】以上のように構成された密閉型圧縮機につ
いて、以下その動作を説明する。本実施例の密閉型圧縮
機は、停止時において遠心ピストン36及び可動管37
は、自重で傾斜シリンダ35と給油路29の下方で停止
している。この時可動管37は、給油路29内で第2の
給油孔と第3の給油孔を塞ぐ位置で停止しており、可動
管37の側面に設けられた穴37a、37bはそれぞれ
第2の給油孔33と第3の給油孔34の直下に位置して
いる。
【0035】密閉型圧縮機が起動すると、密閉容器2の
底部に溜まっている潤滑油28は、偏芯部30aに固定
された給油管27が回転することで発生する遠心力によ
り、給油管27及び給油路29内を上昇し始める。同時
に、クランク軸30の回転に伴って傾斜シリンダ35内
の遠心ピストン36は、回転に伴い生じる遠心力によ
り、回転軸からロータ33方向に傾斜シリンダ35に沿
って移動しようとする。
【0036】この時、給油路29内を上昇し始めた潤滑
油28は、第2の給油孔33と第3の給油孔34が可動
管37により塞がれているため、殆どが可動管37内を
上昇し、第1の給油孔を介してスラスト摺動部に供給さ
れる。従って、最も厳しい潤滑状態であるスラスト摺動
部の給油量を増大でき、耐摩耗性を向上することができ
る。
【0037】その他の給油路29内を上昇し始めた潤滑
油28の一部は、微小量が給油路29と可動管37の外
周とのすき間を介してコンロッド9と軸受10と摺動部
にの供給されるが、起動初期で負荷荷重が小さいため信
頼性に対しては問題ない。
【0038】その後、回転数が上昇し安定回転数に近ず
くにつれて、遠心ポンプによる給油量は増加し、遠心ピ
ストン36に作用する遠心力も大きくなり、さらにロー
タ33方向へ移動すると共に、連結機構38で連結され
ている可動管37も上方に移動する。この時、第2の給
油孔及び第3の給油孔と可動管37の側面の穴37a、
37bは、それぞれ徐々に連通し始め、負荷荷重が増加
し始めたコンロッド9と軸受10の摺動部への給油量を
増大させる。
【0039】回転数が所定の回転数で安定すると、給油
はスラスト軸受部、主軸受部、コンロッド部の各摺動部
へ一定の比率で安定的に供給され、潤滑がなされる。
【0040】以上のように本実施例の密閉型圧縮機は、
一端が潤滑油28中に開口しクランク軸30内に設けら
れた給油路29と、一端が給油路29に開口し他端が軸
受とロータ33とのスラスト摺動部に連通した第1の給
油孔31と、一端が給油路に開口し他端が軸受10の偏
芯部側摺動部に連通した第2の給油孔33と、一端が給
油路29に開口し他端が偏芯部30aの摺動部に連通し
た第3の給油孔34と、クランク軸30内の回転中心近
傍から斜め上方に明けられた傾斜シリンダ35と、傾斜
シリンダ35内に往復動可能に収納された遠心ピストン
36と、給油路29内に往復動可能に収納され側面に穴
37a、37bを有する可動管37と、遠心ピストン3
6と可動管37を連結した連結機構38を備えているの
で、圧縮機起動時のクランク軸が一定回転で安定するま
での過渡状態で遠心ポンプでの給油をスラスト軸受へ集
中的に行うことにより、スラスト摺動部への給油量を増
加して潤滑不良を防止し、摩耗が小さく信頼性の高い密
閉型圧縮機とすることができる。
【0041】(実施の形態2)次に、本発明の密閉型圧
縮機の実施の形態2について図面を参照しながら説明す
る。尚、従来と同一構成については、同一符号を付して
詳細な説明を省略する。
【0042】図2は本発明の第2の実施例を示す密閉型
圧縮機のピストン装置の断面図である。
【0043】図2において、39は給油路であり、一端
が潤滑油28中に開口しクランク軸40内に設けられて
いる。41は遠心シリンダであり、クランク軸40内の
回転中心近傍から半径方向外周側に設けらている。42
は遠心ピストンであり、遠心シリンダ41内に往復動可
能に収納されている。43はスプリングであり遠心ピス
トンと遠心シリンダの端面を連結している。44は可動
管であり、給油路内に往復動可能に収納され一端に第2
の給油孔33の上方で給油路39を封止可能な封止面4
5を有し且つ側面に穴44a、44bを有している。4
6は連結機構であり、遠心ピストン42と可動管44を
連結している。
【0044】以上のように構成された密閉型圧縮機につ
いて、以下その動作を説明する。本実施例の密閉型圧縮
機は、停止時において遠心ピストン42と連結機構46
により連結された可動管44は、スプリング43によっ
て上方に引っ張られ、封止面45で給油路39内を第2
の給油孔の上方で封止している。この封止面45の上方
には停止直前に給油されていた潤滑油47が溜められて
いる。この時可動管44は、給油路39内で第2の給油
孔と第3の給油孔を塞ぐ位置で停止しており、可動管4
4の側面に設けられた穴44a、44bはそれぞれ第2
の給油孔33と第3の給油孔34の真上に位置してい
る。
【0045】密閉型圧縮機が起動すると、給油路39内
の封止面45の上方に溜められている潤滑油47がクラ
ンク軸40の回転と同時に第1の給油孔を介してスラス
ト摺動部に確実に供給され潤滑がなされる。さらに、ク
ランク軸40の回転に伴って、遠心シリンダ41内の遠
心ピストン42がロータ33側へスライドし、連結して
いる可動管44が下方へ移動する。この時、可動管44
の側面の穴44aと44bがそれぞれ、第2の給油孔と
第3の給油孔に一致して他の摺動部にも潤滑油が供給さ
れる。
【0046】以上のように本実施例の密閉型圧縮機は、
一端が潤滑油中に開口しクランク軸内に設けられた給油
路39と、一端が給油路39に開口し他端が軸受10と
ロータ33とのスラスト摺動部に連通した第1の給油孔
31と、一端が給油路39に開口し他端が軸受10の偏
芯部側摺動部に連通した第2の給油孔33と、一端が給
油路39に開口し他端が偏芯部の摺動部に連通した第3
の給油孔34と、前記クランク軸内の回転中心近傍から
半径方向外周側に設けられた遠心シリンダ41と、遠心
シリンダ41内に往復動可能に収納された遠心ピストン
42と、遠心ピストン42と遠心シリンダ41の端面を
連結するスプリング43と、給油路39内に往復動可能
に収納され一端に第2の給油孔33の上方で給油路39
を封止可能な封止面を有し且つ側面に穴を有する可動管
44と、遠心ピストン42と可動管44を連結した連結
機構46とからなるため、停止時にクランク軸40内の
給油路39に潤滑油47を貯留し、起動時にその潤滑油
47を直接スラスト軸受13に供給することにより起動
直後確実にスラスト軸受13を潤滑でき、摩耗が小さく
信頼性の高い密閉型圧縮機とすることができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、密閉容器
と、密閉容器の下部に溜まった潤滑油と、密閉容器内の
上方に収納されステータ,ロータからなる電動機部と、
ステータを固定するブロックと、ブロックと一体に設け
られたシリンダと、一端がロータに固定され他端に偏芯
部を有するクランク軸と、クランク軸を回転可能に収納
しブロックに固定された軸受と、シリンダ内を往復動可
能に収納されたピストンと、クランク軸の偏芯部とピス
トンを連結するコンロッドとからなる圧縮要素部と、一
端が潤滑油中に開口しクランク軸内に設けられた給油路
と、一端が給油路に開口し他端が軸受とロータとのスラ
スト摺動部に連通した第1の給油孔と、一端が給油路に
開口し他端が軸受の偏芯部側摺動部に連通した第2の給
油孔と、一端が給油路に開口し他端が偏芯部の摺動部に
連通した第3の給油孔と、クランク軸内の回転中心近傍
から斜め上方に明けられた傾斜シリンダと、傾斜シリン
ダ内に往復動可能に収納された遠心ピストンと、給油路
内に往復動可能に収納され側面に穴を有する可動管と、
遠心ピストンと可動管を連結した連結機構を備えている
ので、圧縮機起動時のクランク軸が一定回転で安定する
までの過渡状態で遠心ポンプでの給油をスラスト軸受へ
集中的に行うことにより、スラスト摺動部への給油量を
増加して潤滑不良を防止し、摩耗が小さく信頼性の高い
密閉型圧縮機とすることができる。
【0048】また、密閉容器と、密閉容器の下部に溜ま
った潤滑油と、密閉容器内の上方に収納されステータ,
ロータからなる電動機部と、ステータを固定するブロッ
クと、ブロックと一体に設けられたシリンダと、一端が
ロータに固定され他端に偏芯部を有するクランク軸と、
クランク軸を回転可能に収納しブロックに固定された軸
受と、シリンダ内を往復動可能に収納されたピストン
と、クランク軸の偏芯部とピストンを連結するコンロッ
ドとからなる圧縮要素部と、一端が潤滑油中に開口しク
ランク軸内に設けられた給油路と、一端が給油路に開口
し他端が軸受とロータとのスラスト摺動部に連通した第
1の給油孔と、一端が給油路に開口し他端が軸受の偏芯
部側摺動部に連通した第2の給油孔と、一端が給油路に
開口し他端が偏芯部の摺動部に連通した第3の給油孔
と、クランク軸内の回転中心近傍から半径方向外周側に
設けられた遠心シリンダと、遠心シリンダ内に往復動可
能に収納された遠心ピストンと、遠心ピストンと遠心シ
リンダの端面を連結するスプリングと、給油路内に往復
動可能に収納され一端に第2の給油孔の上方で給油路を
封止可能な封止面を有し且つ側面に穴を有する可動管
と、遠心ピストンと可動管を連結した連結機構とからな
るため、停止時にクランク軸内の給油路に潤滑油を貯留
し、起動時にその潤滑油を直接スラスト軸受に供給する
ことにより起動直後確実にスラスト軸受を潤滑でき、摩
耗が小さく信頼性の高い密閉型圧縮機とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す密閉型圧縮機のピ
ストン装置の縦断面図
【図2】本発明の第2の実施例を示す密閉型圧縮機のピ
ストン装置の縦断面図
【図3】従来の密閉型圧縮機の縦断面図
【図4】従来の密閉型圧縮機のピストン装置の縦断面図
【符号の説明】
2 密閉容器 5 ブロック 6 シリンダ 7 ピストン 8 クランク軸 9 コンロッド 10 軸受 29 給油路 30 クランク軸 31 第1の給油孔 32 ロータ 33 第2の給油孔 34 第3の給油孔 35 傾斜シリンダ 36 遠心ピストン 37 可動管 38 連結機構 41 遠心シリンダ 43 スプリング 45 封止面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器と、前記密閉容器の下部に溜ま
    った潤滑油と、前記密閉容器内の上方に収納されステー
    タ,ロータからなる電動機部と、前記ステータを固定す
    るブロックと、前記ブロックと一体に設けられたシリン
    ダと、一端が前記ロータに固定され他端に偏芯部を有す
    るクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に収納し前
    記ブロックに固定された軸受と、前記シリンダ内を往復
    動可能に収納されたピストンと、前記クランク軸の偏芯
    部と前記ピストンを連結するコンロッドとからなる圧縮
    要素部と、一端が前記潤滑油中に開口し前記クランク軸
    内に設けられた給油路と、一端が前記給油路に開口し他
    端が前記軸受と前記ロータとのスラスト摺動部に連通し
    た第1の給油孔と、一端が前記給油路に開口し他端が前
    記軸受の前記偏芯部側摺動部に連通した第2の給油孔
    と、一端が前記給油路に開口し他端が前記偏芯部の摺動
    部に連通した第3の給油孔と、前記クランク軸内の回転
    中心近傍から斜め上方に明けられた傾斜シリンダと、前
    記傾斜シリンダ内に往復動可能に収納された遠心ピスト
    ンと、前記給油路内に往復動可能に収納され側面に穴を
    有する可動管と、前記遠心ピストンと前記可動管を連結
    した連結機構とからなる密閉型圧縮機。
  2. 【請求項2】 密閉容器と、前記密閉容器の下部に溜ま
    った潤滑油と、前記密閉容器内の上方に収納されステー
    タ,ロータからなる電動機部と、前記ステータを固定す
    るブロックと、前記ブロックと一体に設けられたシリン
    ダと、一端が前記ロータに固定され他端に偏芯部を有す
    るクランク軸と、前記クランク軸を回転可能に収納し前
    記ブロックに固定された軸受と、前記シリンダ内を往復
    動可能に収納されたピストンと、前記クランク軸の偏芯
    部と前記ピストンを連結するコンロッドとからなる圧縮
    要素部と、一端が前記潤滑油中に開口し前記クランク軸
    内に設けられた給油路と、一端が前記給油路に開口し他
    端が前記軸受と前記ロータとのスラスト摺動部に連通し
    た第1の給油孔と、一端が前記給油路に開口し他端が前
    記軸受の偏芯部側摺動部に連通した第2の給油孔と、一
    端が前記給油路に開口し他端が前記偏芯部の摺動部に連
    通した第3の給油孔と、前記クランク軸内の回転中心近
    傍から半径方向外周側に設けられた遠心シリンダと、前
    記遠心シリンダ内に往復動可能に収納された遠心ピスト
    ンと、前記遠心ピストンと前記遠心シリンダの端面を連
    結するスプリングと、前記給油路内に往復動可能に収納
    され一端に前記第2の給油孔の上方で前記給油路を封止
    可能な封止面を有し且つ側面に穴を有する可動管と、前
    記遠心ピストンと前記可動管を連結した連結機構とから
    なる密閉型圧縮機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100343512C (zh) * 2001-08-31 2007-10-17 巴西船用压缩机有限公司 密闭式压缩机的轴向轴承结构
CN100374720C (zh) * 2005-04-21 2008-03-12 张坤林 微型气泵活塞驱动机构
CN106089646A (zh) * 2016-08-09 2016-11-09 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 控油结构及变频活塞压缩机

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