JPH09111785A - トンネル状コンクリート構造物における連続施工方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トンネル状コンクリート構造物のブロック単
位の施工を、コンクリート打設後の養生期間中も中断さ
せること無く、各作業別に並行して施工することで、中
断無く連続して施工する。 【構成】掘削、土留め支保工を施工の後、壁及び床版型
枠を有する所定形状型枠及びその支保工を組立施工する
と共に所定形状に鉄筋組立を行ない、それを一ブロック
とし、該ブロックにコンクリート打設、その養生期間中
に並行して次のブロックに鉄筋組立台及び仮床版型枠を
設けて該仮床版型枠上で予め鉄筋組立を行ない、鉄筋組
立後、該鉄筋を支保工に吊設させると共に鉄筋組立台及
び仮床版型枠を次のブロックに移動させる。そしてコン
クリート養生期間終了後、予め鉄筋が吊設された次のブ
ロックに所定形状型枠及びその支保工を移動させ、そこ
で新たにコンクリートを打設する、これら順次繰返し行
なうことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トンネル状コンクリー
ト構造物を施工するときの各作業を、各施工工程順及び
並行させ、中断させること無く連続して行なう施工方法
及びその装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、露天掘りで掘削し、トンネルなど
の連続するトンネル状コンクリート構造物を施工する工
法に於いて、掘削、土留め支保工の施工の後、ブロック
単位で壁及び床版型枠の所定形状型枠及びその支保工を
組立すると共に該所定形状型枠に剥離剤を塗布し、さら
に該所定形状型枠上で鉄筋組立作業を行なっていた。

【０００３】そして壁及び床版型枠の所定形状型枠に沿
って組立られた鉄筋部分にコンクリートを流し込み、コ
ンクリート打設、養生後、固化したコンクリート構造物
より壁及び床版型枠の所定形状型枠及びその支保工を取
り外して次のブロックの所定位置に移動させ、また新た
に、鉄筋組立の後、コンクリートを打設するように各作
業をブロック単位で繰返し連続して施工していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の工法では、
一つの壁及び床版型枠の所定形状型枠をコンクリート構
造物の型枠と鉄筋の組立台の兼用として順次移動させて
使用するため、コンクリート打設後の養生期間中は、鉄
筋の組立台として使用できないので、先行してつぎの施
工位置に鉄筋組立の施工を行なうことが出来ず、鉄筋組
立作業が手待ちとなり、その手待ちの無駄な期間が施工
コストに跳ね返っていた。

【０００５】また、各作業毎に床版型枠の組ばらしを行
なう必要があるので作業が煩雑となり、上記と同様コス
ト高の原因となっていた。

【０００６】さらに、支保工によって支持固定された壁
及び床版型枠の所定形状型枠の上で鉄筋を仮置きし、ま
た組立作業などを行なうので、予め該所定形状型枠に塗
布された剥離剤によって滑り、作業員の転倒事故が発生
し、危険であった。

【０００７】加えて、鉄筋組立作業に入るときなど、特
に荷降及び鉄筋組立作業中は面板上に鉄筋を仮置きする
ため、壁及び床版型枠の所定形状型枠の面板を傷付ける
ことが有り、注意しながらの作業では、その作業に専念
することが出来ず、作業効率が悪く、また作業中に付け
た傷による床版型枠などの面板の張替、補修などコスト
上昇を招いていた。

【０００８】そこで本発明は上記のような欠点を解消
し、コンクリート打設養生期間中に、次の施工場所の鉄
筋組立作業を先行して効率良く施工できるので工期短縮
が図れることでコストの低減が図れ、また仮床版型枠上
で鉄筋組立作業を行なうので、特に床版型枠の面板も傷
付けること無く、さらに床版型枠に塗布された剥離剤に
よって作業員の転倒事故も無く、安全に作業ができると
共に効率良く、各作業に専念できるトンネル状コンクリ
ート構造物における連続施工方法及びその装置の提供を
目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記欠点を解消するため
に、第１に、掘削、土留め支保工を施工の後、所定距離
を一ブロックとして壁及び床版型枠を有する所定形状型
枠及びその支保工を組立すると共に該所定形状型枠に剥
離剤を塗布し、その所定形状型枠の上で鉄筋組立を行な
い、該鉄筋施工部にコンクリートを打設して所定形状の
トンネル状コンクリート構造物を形成し、該コンクリー
ト打設養生後、固化した該コンクリート構造物より所定
形状型枠及びその支保工と共に取り外して次の施工場所
に移動させ、ブロック単位で繰返し施工するトンネル状
コンクリート構造物における連続施工方法に於いて、コ
ンクリート打設後の養生期間中に並行して、次の施工場
所に鉄筋組立台及び仮床版型枠を設け、該仮床版型枠上
で鉄筋組立を先行して行ない、鉄筋組立後、左右の土留
め支保工に突っ張り状に設けられた支保工に、該鉄筋を
吊設させると共に上記鉄筋組立台及び仮床版型枠を、次
のブロックに移動させる。そして、コンクリート養生期
間終了後、上記鉄筋が吊設された下部位置に壁及び床版
型枠を有する所定形状型枠及びその支保工を移動させ、
そこにまた新たにコンクリートを打設して上述各作業を
ブロック単位で繰返し、順次移動しながら連続して施工
している。

【００１０】第２に、所定形状に形成された移動可能な
支保工などの鉄筋組立台と、その上部に所定形状の仮床
版型枠を設けている。

【００１１】

【作用】上述の如く構成及び施工されているから、最初
にコンクリート打設され、その養生期間中に並行して次
の施工ブロックに、所定形状の仮床版型枠を設置すると
共にその仮床版型枠の上で所定形状に鉄筋を組立、該鉄
筋組立後、支保工に吊設させることで、仮床版型枠と共
に鉄筋組立台を次のブロックに移動させ、繰返し先行し
て、鉄筋の施工が行なわれる。

【００１２】そしてコンクリート養生期間終了後、壁及
び床版型枠の所定形状型枠とその支保工をコンクリート
構造物より外し、該所定形状型枠及びその支保工を次の
ブロックの吊設された鉄筋の下に移動させると共に該所
定形状型枠を支保工により支持固定させ、その所定形状
型枠及び先組みされた鉄筋施工部にコンクリートを打設
する。そして、順次各ブロック毎に同様の作業を繰返
し、トンネル状コンクリート構造物が施工される。

【００１３】

【実施例】本発明の施工例及び実施例を図面に基づいて
説明する。図１に示すように、施工場所を掘削の後、土
留１及びＨ型鋼などを使用した土留支保工２と、該土留
支保工２、２の間をＨ型鋼などを使用した支保工３、３
で突っ張り状に配設して施工される。

【００１４】上記施工された所定距離を一のブロックと
し、そこにトンネル構造物４を施工し、該トンネル構造
物４は、壁型枠５、５及び床版型枠６を有する所定形状
型枠７と該所定形状型枠７を支持する鳥居型の建枠体な
どの支保工８とによって支持されている。

【００１５】該所定形状型枠７に沿って鉄筋９が配置さ
れ、そして該鉄筋９の施工部にコンクリートを打設し
て、所定形状のトンネル構造物４が形成される。

【００１６】そこで図２に示すように、上記コンクリー
ト打設後の養生期間中に並行して次のブロックの施工場
所に鳥居型の建枠体などで組立られた鉄筋粗立台１０、
１０、…及びその上部に、上記所定形状の床版型枠６と
略同形状の仮床版型枠１１を設け、その仮床版型枠１１
上で鉄筋９の荷降及び組立を先行して行なう。

【００１７】その鉄筋９の組立後、図３に示すように左
右の土留め支保工２、２に突っ張り状に設けている上述
した支保工３、３に設けられたチェンブロックなどの吊
り上げ具１２によって該鉄筋９を吊設保持させた状態
で、図１及び図２に示すように、鉄筋組立台１０、１
０、…の下部に設けられた車輪１４によって、上記鉄筋
組立台１０、１０、…及び仮床版型枠１１を次のブロッ
クに移動させる。

【００１８】そして、コンクリート養生期間終了後、図
４に示すように、鳥居型の建枠体などの支保工８の上下
に夫々設けられた、ジャッキ１３、１３を介して支持固
定されている所定形状型枠７を、トンネル構造物４から
ジャッキ１３、１３を緩めることにより外し、取り外さ
れたその所定形状型枠７と支保工８を、次の施工ブロッ
クに吊設されている上述の組立られた鉄筋９の下に移動
させ、再度、該所定形状型枠７を該支保工８などにより
支持固定して設置する。

【００１９】そこにまた新たに、コンクリートを打設し
て上述各作業をブロック単位で繰返し、順次移動しなが
ら連続して所定形状のトンネル構造物４を施工する。

【００２０】なお、Ｈ型鋼及び鳥居型の建枠体は、通常
汎用に使用されているもので、細説は省略した。

【００２１】また、鳥居型の建枠体などの支保工８の上
下に夫々設けられた、ジャッキ１３、１３は、地面など
凹凸及び上部の高さ調整に対応して夫々高さを調整する
ためのものである。

【００２２】しかして、最初のブロックにコンクリート
打設された後、そのコンクリートの養生期間中に、並行
して次のブロックに鉄筋組立台１０、１０、…及び仮床
版型枠１１を設置すると共にその仮床版型枠１１の上に
鉄筋９を荷降し、そこで鉄筋９を所定形状に組立る。

【００２３】鉄筋９の組立後、該鉄筋９を支保工３、３
に吊設させ、仮床版型枠１１及び鉄筋組立台１０、１
０、…を次のブロックに移動させ、さらに先行して鉄筋
９の組立をする。

【００２４】そしてコンクリート養生期間終了後、該ト
ンネル構造物４より所定形状型枠７及びその支保工８を
取り外し、次の施工ブロックに吊設された上述の鉄筋９
の下にその所定形状型枠７とその支保工８を移動させ、
再び所定形状型枠７とその支保工８を所定位置に設置
し、そこにコンクリートを打設する。

【００２５】上述の如く、仮床版型枠１１及び鉄筋組立
台１０、１０、…を使用して、順次鉄筋９の組立作業を
先行して行なうことで、コンクリート養生期間中に並行
して作業をし、これによってトンネル構造物４が連続施
工できる。

【００２６】なお、仮床版型枠１１は、必ずしも型枠に
こだわらず、台状でその上に乗って鉄筋組立作業ができ
るものであれば良いが、図示は省略した。

【００２７】また、支保工８は、鳥居型の建枠体などに
限定せず、ポール状で高さの調整ができるもなどを使用
しても良いが、図示は省略した。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、上記構成、作用によって所期
の目的を有効に達成したもので、第１に、コンクリート
打設後の養生期間中に並行して、次の施工場所に鉄筋組
立台及び仮床版型枠を設け、該仮床版型枠上で鉄筋組立
を先行して行ない、鉄筋組立後、左右の土留め支保工に
突っ張り状に設けられた支保工に該鉄筋を吊設させると
共に上記鉄筋組立台及び仮床版型枠を次のブロックに移
動させる。そして、コンクリート養生期間終了後、上記
鉄筋が吊設された下部位置に壁及び床版型枠を有する所
定形状型枠及びその支保工を移動させ、そこにまた新た
にコンクリートを打設して上述各作業をブロック単位で
繰返し、順次移動しながら連続して施工しているので、
コンクリート打設養生期間中に、次の施工場所の鉄筋組
立作業が先行できるので効率良く各作業を並行して施工
でき、よって工期短縮が図れると共にコストの低減とな
る。

【００２９】第２に、所定形状に形成された移動可能な
支保工などの鉄筋組立台と、その上部に所定形状の仮床
版型枠を設けているので、従来工法の床版型枠に塗布さ
れた剥離剤によって作業員が転倒すること無く、仮床版
型枠上で鉄筋組立作業を行なえるので、安全に、また各
作業に専念できるので効率良く施工ができる。さらに、
床版型枠の面板を傷付けることが無く、床版型枠の取替
えなどによる煩雑な作業、またそのコストの低減が図ら
れ、実用上、著大な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一施工例を示す斜視図である。

【図２】仮床版型枠１１の要部の施工例を示す正面図で
ある。

【図３】鉄筋９を吊設した要部の施工例を示す正面図で
ある。

【図４】コンクリートを打設した要部の施工例を示す正
面図である。

【符号の説明】

１ 土留 ２ 土留支保工 ３ 支保工 ４ トンネル構造物４ ５ 壁型枠 ６ 床版型枠 ７ 所定形状型枠 ８ 支保工 ９ 鉄筋 １０ 鉄筋組立台 １１ 仮床版型枠

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 掘削、土留め支保工を施工の後、所定距
   離を一ブロックとして壁及び床版型枠を有する所定形状
   型枠及びその支保工を組立すると共に該所定形状型枠に
   剥離剤を塗布し、その所定形状型枠の上で鉄筋組立を行
   ない、該鉄筋施工部にコンクリートを打設して所定形状
   のトンネル状コンクリート構造物を形成し、該コンクリ
   ート打設養生後、固化した該コンクリート構造物より所
   定形状型枠及びその支保工と共に取り外して次の施工場
   所に移動させ、ブロック単位で繰返し施工するトンネル
   状コンクリート構造物における連続施工方法に於いて、
   コンクリート打設後の養生期間中に並行して、次の施工
   場所に鉄筋組立台及び仮床版型枠を設け、該仮床版型枠
   上で鉄筋組立を先行して行ない、鉄筋組立後、左右の土
   留め支保工に突っ張り状に設けられた支保工に該鉄筋を
   吊設させると共に上記鉄筋組立台及び仮床版型枠を次の
   ブロックに移動させる。そして、コンクリート養生期間
   終了後、上記鉄筋が吊設された下部位置に壁及び床版型
   枠を有する所定形状型枠及びその支保工を移動させ、そ
   こにまた新たにコンクリートを打設して上述各作業をブ
   ロック単位で繰返し、順次移動しながら連続して施工す
   ることを特徴としたトンネル状コンクリート構造物にお
   ける連続施工方法。
2. 【請求項２】 所定形状に形成された移動可能な支保工
   などの鉄筋組立台と、その上部に所定形状の仮床版型枠
   を設けたことを特徴とするトンネル状コンクリート構造
   物における連続施工装置。