JPH072798Y2 - カルバート用多目的台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はボックスカルバート構築工事において別に設
けた内側鉄筋台車と共に打設コンクリート養生期間を活
用し加工した鉄筋ブロックの搬入、セットおよび鉄筋組
立足場に使用後外側型枠の搬入セットにも供し得るカル
バート用多目的台車に関するものである。

（従来の技術） 従来、カルバートボックスの構築施工においては、コン
クリート打設後その養生期間を経て、内側型枠を脱型し
た後、次の場所に移動して内側型枠に基づき、カルバー
トの鉄筋の加工を行い、鉄筋ブロックを組立たあとでク
レーンまたは外側型枠専用の移動台車により外側型枠を
脱型し移動させる。従って、養生時の所要期間はそのま
ま作業の手持ちとなって全体的に見て非能率な作業手順
となることは避けることができなかった。

（考案が解決しようとする課題） この考案は上述の事情のように鉄筋組立と型枠セットに
かかる手間と養生期間の手持ちによって施工コストと工
事の手順に関して改善すべき課題が残されていた。

この考案の目的は上述の課題を解決できる鉄筋組立、型
枠セットの能率化と省力化を可能とするカルバート用多
目的台車を提示しようとするものである。

（課題を解決するための手段） この考案は上記の目的を達成するため、打設コンクリー
ト養生期間を作業の手持ちとせず活用する手段として、
別に設けた内側鉄筋台車により別の作業ヤードにおいて
鉄筋ブロックを組立てておき、打設区間に鉄筋ブロック
を吊上げ搬入セットし、かつ鉄筋組立足場として使用し
た後、足場を収納状態で懸架したまま同一吊上げ位置に
外側型枠を前打設区間よりの脱型し搬入セットを可能と
するため、複数のチェンブロックを門形架台の横桁に吊
設すると共に、両側支柱に折畳み自在に軸支される複数
の足場を吊設した構成を有するカルバート用多目的台車
である。

（作用） この考案は上述のような基本的構成を有するので従来の
技術において生じていた非能率とコストアップの課題を
解決する作用効果を奏するものである。

即ち、この考案のカルバート用多目的台車を使用して行
うカルバート構築作業手順は次の通りとなる。これに使
用する機材の構成は実施例を参照して説明する。

（１）内側型枠KIおよび外側型枠KOをセットした打設区
間にコンクリート打設し養生を行う。

（２）コンクリート養生の間に多目的台車１の足場３を
作業位置１にして鉄筋組立を行う。

（３）次に内側鉄筋台車２および多目的台車１によって
別の作業ヤードで鉄筋ブロックＣの組立加工を行う。

（４）鉄筋組立が完了したら多目的台車１のチェーンブ
ロックCHに吊上げた鉄筋吊桁27のフック28にて鉄筋ブロ
ックＣを吊り内側鉄筋台車２上に移動させ、鉄筋ブロッ
ク等の組立を行う。

（５）養生の終わった内側型枠KIの脱型移動を行うため
内側鉄筋台車２は多目的台車１のチェンブロックCHで鉄
筋ブロックＣを吊った状態で次の鉄筋組立位置に移動さ
せる。

（６）次に多目的台車１の鉄筋吊桁27のフック28を外
し、ステー材14を折畳み、足場３を収納位置IIIになる
ようにチェンブロックCHを吊下げる。

（７）上記の状態にて多目的台車１の同一チェンブロッ
クCHにより前打設区間から外側型枠KOを脱型、移動し次
打設区間にセットする。

以下、順次この作業手順を繰り返すことによって能率化
され省力化された作用効果を得ることができる。なお、
内側型枠KIの使用手順については従来と異なるところは
ない。

（実施例） この考案の実施例を以下図面に基づいて説明する。

第１図、第２図はこの考案のカルバート用多目的台車１
の実施例をカルバートボックスの断面において示し、ま
た第３図はその側面図を示すものである。

第１図において、カルバートの上下中心線XXに関して左
側には打設区間に鉄筋ブロックＣを搬入し、コンクリー
ト基盤Ｂ上にセットされた内側鉄筋台車２に受けた状態
において、多目的台車１の足場３を作業位置１にした鉄
筋組立時の使用状態を示し、右側には打設区間に外側型
枠KOを搬入セットするため多目的台車１の足場３を収納
位置IIIに折畳みチェンブロックCHに吊下げると共に、
外側型枠KOを吊下げてセットし、内側台車IDによってセ
ットされる内側型枠KIによってボックスカルバートの構
築施工状態を示すものである。

カルバート多目的台車１は門形架台５の左右両側支柱４
の下端部を案内軌条Ｇ上を移動可能の案内車輪６を介し
て支持され、支柱４の対向する内側面７には第２図にも
一部示される片持状に鉄筋ブロックＣに臨む複数の足場
３（本実施例では３段）を上下に配設し、支柱４の内側
面７に取り付けたブラケット８に回動自在に軸支される
支持アーム９に両側から支持される踏板10の突端側と支
柱側に前後に溝形材からなる支持桁11を設けてなる足場
板12を取り付ける。

一方、支持アーム９の長手方向の中間部位に係脱自在に
ピン13止めして一端を軸支され水平方向の足場板12に対
して傾斜して足場３を支持できる折畳みステー材14を設
け、その他端を支柱４に設けた足場用のブラケット８の
下側に設けた補強用のブラケット15に回動自在に軸支
し、ピン13を離脱したとき想像線で示す位置IIに回動し
て折畳み可能に形成する。

一方、足場板12の支持桁11の突端側に近接して足場板12
の作業位置１となる水平方向に大し上下方向Ａに昇降で
きるチェンブロックCHの下端に懸架できる支軸16を頂部
17に設けた連結棒18の下部19を下方の足場板３に連接で
きる支軸16に取付け、さらに下方の連結棒18と逐次連接
して足場板12を並設する。この場合連接用の支軸16には
それぞれ連結用のブラケット20を突設し、足場３の作業
位置１においてその突端部21の支持桁11の角隅部22を形
成する直交する上端面と突端面に基部23を着設し、支軸
16に枢着し、チェンブロックCHに吊設され片方の足場３
の作業位置１を上下に逐次保持できるように同様のブラ
ケット20で連接する。

次に、足場３の収納位置IIIにするため前述の折畳みス
テー材14を取り外した上、チェンブロックCHを降下させ
て想像線で示す降下状態IVにおいて足場３の支持アーム
９の回動と共に、連結用のブラケット20も想像線で示す
位置IIに移動し足場３がブラケット20を介して折畳まれ
第１図の右側に示す状態となる。なお、それぞれの足場
３の支持桁11の突端側に差し込み式手摺24を係脱自在に
垂設する。

次に、鉄筋組立時において、多目的台車１の門形架台５
の横桁25には複数のチェンブロックCH（実施例では４個
所）を吊設し、吊下げワイヤー26を介して水平方向に懸
架された鉄筋吊桁27に設けた複数のフック28に適当な作
業ヤードで加工された鉄筋ブロックＣを吊上げて打設区
間に移動し、カルバート構築施工ができるようにセット
することができる。なお、この場合内側鉄筋台車２を別
に設け、内側型枠KIの内側台車IDと同様の案内軌条CI上
を移動し足場29を上下に構設すると共に天端側の角隅部
側に伸縮ジャッキ30を介して鉄筋ブロックＣの支保材31
を適数突設し、搬入された鉄筋ブロックＣを受けて鉄筋
組立に便ならしめる一方、予め前打設区間の養生期間中
に鉄筋ブロックＣの加工組立作業に使用される。

次に、前打設区間から外側型枠KOを脱型し移動する場合
は、前述の足場３を収納位置IIIにした多目的台車１の
両端側に設けたチェンブロックCHに直下の位置において
外側型枠KOを吊上げ移動し次打設区間に組立された鉄筋
ブロックＣの外側にセットし、内側型枠KIを支保する内
側台車IDと共にカルバート構築打設を施工することがで
きる。

即ち、この実施例は内側型枠KIと外側型枠KO並びに内側
鉄筋台車２および外側型枠KOの組立用門形クレーンと鉄
筋組立足場からなるカルバート用多目的台車１の４組の
機材を用いたカルバート施工手段を示すものである。

（考案の効果） この考案は上述のように構成されているので下記の利点
がある。

（１）ボックスカルバート構築において鉄筋組立に要す
る作業をコンクリート打設の養生期間の間に実施できる
ので手持ちがなく、さらに養生のすんだ外側型枠の脱
型、セットを直ちに行うことができる多目的台車である
ので施工コストの節減と工期の短縮をはかることができ
ること。

（２）また、同時にこれらの機材の使用により省力化が
可能となり、高い人件費を機材費に振り替えることによ
り経済的効果が大きいこと。

（３）また、足場、支保工などの組立、解体作業が少な
くなり安全上の効果も大きいこと。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のカルバート用多目的台車の実施例の
全体要部説明正面図、中心線の左側に鉄筋組立時、右側
に外側型枠脱型移動時のカルバート断面における作用状
態を示す、第２図は外側台車の足場の部分要部作用説明
図、第３図はカルバート用多目的台車の全体要部説明側
面図である。 （主要部分の符号の説明） １……カルバート用多目的台車 ２……内側鉄筋台車 ３……足場 ４……支柱 ５……門形架台 17……頂部 18……連結棒 20……ブラケット 25……横桁 CH……チェンブロック CH−ａ……チェンブロック KO……外側型枠 Ｃ……鉄筋ブロック Ｉ……作業位置（足場） III……収納位置（足場）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 国谷 光弘 宮城県仙台市青葉区二日町１番27号 鹿島 建設株式会社東北支店内 (72)考案者 正田 真司 岐阜県岐阜市加納愛宕町10番地 (72)考案者 岩田 光司 岐阜県本巣郡穂積町宝江370番地 (56)参考文献 特開 昭57−9998（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−33978（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−153650（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボックスカルバートの構築施工における外
   側型枠（KO）の組立用門形クレーンを設けた外側台車で
   あって、 門形架台（５）の両側支柱（４）に対向して片持状に軸
   支された左右の外側型枠（KO）に臨む上下の作業位置
   （Ｉ）に複数の足場（３）を並設し、その突端に設けた
   ブラケット（20）を介して軸支され連接する連結棒（1
   8）の頂部（17）を門形架台（５）の横桁（25）に吊設
   したチェンブロック（CH）に連結し、作業位置（Ｉ）の
   足場（３）を回動し収納位置（III）に折畳み、移動可
   能に形成する一方、門形架台（５）の横桁（25）に横行
   自在に吊設した複数のチェンブロック（CH）を介して内
   側鉄筋台車（２）を設けて鉄筋組立時に組立加工された
   鉄筋ブロック（Ｃ）を搬入する。また、門形架台（５）
   の横桁（25）の下部フランジに吊設したチェンブロック
   （CH−ａ）で鉄筋ブロックの接続および単独鉄筋の組立
   を行い、セット後の鉄筋組立足場（３）を形成し、次の
   形枠セット時には前打設区内より外側型枠（KO）を脱
   型、移動し、次打設区内にセットできることを特徴とす
   るカルバート用多目的台車。