JPH09111699A - グラシン剥離紙の製造方法 - Google Patents

グラシン剥離紙の製造方法

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JPH09111699A
JPH09111699A JP7272202A JP27220295A JPH09111699A JP H09111699 A JPH09111699 A JP H09111699A JP 7272202 A JP7272202 A JP 7272202A JP 27220295 A JP27220295 A JP 27220295A JP H09111699 A JPH09111699 A JP H09111699A
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glassine
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JP7272202A
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Tomonari Deguchi
朋斉 出口
Kazuya Nishikawa
一哉 西川
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】無溶剤型シリコーン剥離剤を使用した剥離紙に
関するものであり、特に剥離紙を構成する剥離剤層(皮
膜)にピンホールや凹凸を発生させることなく糊残り現
象を解消し、さらにカールや寸法変化が少なく、印刷加
工工程やラベリング工程の作業性を改善したグラシン剥
離紙を提供する。 【解決手段】抄紙機の乾燥機中間部に設置されたサイズ
プレス、ゲートロールコーターおよびバーコーターの中
から選ばれた1種の塗工機により、アクリル酸エステル
系樹脂を主成分とする塗液を原紙に塗布し、該原紙を圧
縮処理して得たグラシン紙に、剥離剤を塗布するグラシ
ン剥離紙の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラシン紙を剥離
紙原紙に用いたグラシン剥離紙に関し、特に無溶剤型シ
リコーン剥離剤を使用したグラシン剥離紙に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、粘着シートは、一般に表面基材、
粘着剤および剥離紙から構成されており、商業用、事務
用、家庭用等、非常に広範囲の用途に、ラベル、シー
ル、ステッカー、ワッペン等の形に加工されて使用され
ている。表面基材としては、その種類によって上質紙、
コート紙、キャストコート紙、感熱記録紙等の一般紙
類、さらにアルミ箔ラミ紙、アルミ蒸着紙、樹脂含浸紙
およびPETフィルム、合成紙、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニール等の特殊紙やフィルム類が使われている。
【0003】粘着剤としては、ゴム系およびアクリル系
が多く使われており、特に、アクリル酸エステルを主体
にアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビ
ニル、スチレン、アクリロニトリル等を共重合させたも
のを主成分としたアクリル系粘着剤がよく使用されてい
る。また、剥離紙としては、グラシン紙、クレーコート
紙、スーパーカレンダー紙、ポリラミ紙、あるいはプラ
スチックフィルム等の支持体を原紙として用い、これに
エマルジョンや溶剤型または無溶剤型のシリコーン化合
物等の剥離剤を有する剥離剤層を設けたものが使用され
ている。
【0004】中でも、グラシン紙を原紙に用いた剥離紙
は、印刷加工の工程やプリンターラベリングの工程で、
その透明性を利用して、光電管装置によって位置検出を
行うことに有効に使用されている。また、比較的紙厚の
薄い剥離紙が得られるため、巻取径やケースの大きさに
対して多面積にできる特徴を生かして、粘着用の剥離紙
として重要な位置を占めている。
【0005】一般に、剥離紙の製造方法は、剥離剤とし
てシリコーン化合物を溶剤で希釈して使用する溶剤型シ
リコーン剥離剤を原紙に塗工して剥離剤層を形成してい
る。溶剤型シリコーン剥離剤は、剥離剤に必要な品質、
例えば剥離力の設定あるいは剥離剤を塗布する際の流動
性等を適宜調節することが可能であり、剥離剤による原
紙表面のカバーリングが容易にできるという溶剤型剥離
剤のもつ特徴を利用して最も多く使用されてきた。
【0006】しかし近年、安全面や公害面に対する配慮
が強く求められ、特に作業者の健康保持の面からも、溶
剤の使用を止めて無溶剤型シリコーン剥離剤へ切替える
ことが強く望まれている。溶剤型剥離剤を原紙上に塗工
する場合には、剥離剤が溶剤で希釈されているので塗工
する液量を多くすることができるが、無溶剤型剥離剤を
原紙上に塗工する場合には、溶剤を使用していないの
で、剥離剤の固形分がそのまま塗工量となるため塗工す
る液量は少ない。そのために、無溶剤型剥離剤を用いる
場合には、溶剤型剥離剤に比べて、より薄い均一な剥離
剤皮膜を原紙上に形成させなければならない。原紙とし
て、例えば、従来のグラシン紙を使用すると、無溶剤型
剥離剤をグラシン紙の表面に十分にカバーリングするこ
とが困難で、剥離剤被膜の均一な層を形成させることが
できなかった。
【0007】このような状態の剥離紙に粘着剤を塗工し
た場合は、剥離剤層上に粘着剤層を形成させる工程で、
粘着剤が剥離剤層のピンホールや凹部に入り込んでしま
い、表面基材とともに粘着剤層を剥離紙から剥離した際
に、剥離紙上に粘着剤が残るという現象(糊残りと呼
ぶ)が見られる。この糊残りは、例えば粘着製品をフォ
ーム印刷やシール印刷加工の工程で、印刷、ダイカット
(打ち抜き)、粕取り等をする際に、粕取り後の剥離剤
層表面に接触するガイドロール等に残った粘着剤が付着
し、紙送り不良や印刷ずれ等のトラブルを起こし、作業
性や品質面に極めて重大な障害となる。また、オートラ
ベラーやハンドラベラー等でプリントやラベリングを行
う工程でも、同様に剥離剤層表面の糊残りが問題とな
る。
【0008】このような糊残りする問題を解決するため
に、グラシン紙表面にポリビニルアルコールの塗被層を
設けることが行われているが、カールや寸法変化が生じ
易く、新たなトラブルの原因となっている。グラシン紙
は、多湿雰囲気におくと水分が繊維内に吸収され、繊維
の膨張による繊維間の歪みを吸収できなくなり、カール
や寸法変化が発生し、剥離剤の塗工の際、粘着剤の塗工
の際、印刷加工の際、ラベリング使用の際等における加
工適性や作業性が低下する問題も抱えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、グラシン紙
に無溶剤型シリコーン剥離剤を使用した剥離紙に関する
ものであり、特に剥離紙を構成する剥離剤層(皮膜)に
ピンホールや凹凸を発生させることなく糊残り現象を解
消し、さらにカールや寸法変化が少なく、印刷加工工程
やラベリング工程の作業性を改善したグラシン剥離紙を
提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は無溶剤型シ
リコーン剥離剤を用いたグラシン剥離紙について、特に
粘着剤が剥離剤層上のピンホールや凹部に入り込むこと
により引き起こされる糊残り現象がなく、カールや寸法
変化の少ないグラシン剥離紙の開発について鋭意研究を
重ねてきた。その結果、グラシン原紙の剥離剤塗工面に
抄紙機の乾燥機中間部に設置されたサイズプレス、ゲー
トロールコーターおよびバーコーターの中から選ばれた
1種の塗工機で、ポリアクリル酸エステル系樹脂を主成
分とする塗被層を設け、その上に無溶剤型シリコーン剥
離剤を塗工することにより、糊残り現象のない、カール
や寸法変化の少ないグラシン剥離紙が得られることを見
出した。
【0011】本発明は、抄紙機の乾燥機中間部に設置さ
れたサイズプレス、ゲートロールコーターおよびバーコ
ーターの中から選ばれた1種の塗工機により、アクリル
酸エステル系樹脂を主成分とする塗液を原紙に塗布し、
該原紙を圧縮処理して得たグラシン紙に、剥離剤を塗布
するグラシン剥離紙の製造方法である。また、該剥離剤
が無溶剤型シリコーン剥離剤である剥離紙の製造方法で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、抄紙機の乾燥機中間部
に設置されたサイズプレス、ゲートロールコーターおよ
びバーコーター方式の中から選ばれた1種の塗工機を用
いて、アクリル酸エステル系樹脂を主成分とする塗液を
グラシン原紙に塗布するところに特徴がある。
【0013】サイズプレスは、2本のロールが形成する
塗液のポンドに原紙を通紙する機構で原紙表面に塗被層
を形成するもので、原紙の全面に無溶剤シリコーンの浸
透を抑制する層を効果的に形成することができるのであ
り、本発明のグラシン紙を製造する場合、原紙の両面に
塗布してもかまわないが、剥離剤塗工面にのみ塗液が塗
被されるように通紙することが好ましい。また、ゲート
ロールコーターは、片面3本のロールが形成するニップ
間で塗液が練られ、原紙に塗液を転写させるもので、こ
の方式もまた、原紙表面に塗被層を形成するもので、原
紙の全面に無溶剤シリコーンの浸透を抑制する層を効果
的に形成することができるのである。さらに、バーコー
ターは、塗液がロット表面の巻かれたワイヤーの隙間を
通って原紙に転写される方式であるため、この場合もま
た、原紙表面に塗被層を形成するもので、原紙の全面に
無溶剤シリコーンの浸透を抑制する層を効果的に形成す
ることができるのである。
【0014】なお、一般的に広く用いられているブレー
ドコーターやエアナイフコーター等の塗工機は、原紙に
過剰な塗液を供給し、次いで、ブレードやエアジェット
により過剰な塗液を掻き落とす、トレーリングタイプで
あるため、原紙の凸部の塗液はほとんどが掻き落とされ
てしまい、原紙の全面を塗被層が覆いきれず、原紙の全
面に無溶剤シリコーンの均一な塗被層を形成することが
できなくなる。また、抄紙機の外部の塗工機を用いての
塗工は、目的の目止め効果を得る上では可能であるが、
生産工程の煩雑さが増すばかりでなく、二度の工程を必
要とするのでコスト高となってしまう。
【0015】本発明で、原紙に塗布するポリアクリル酸
エステル系樹脂は、アクリロニトリルの加アルコール分
解法やプロピレン直接酸化法により生成されるアクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチル−ヘキシル等のアクリル酸エステル重
合物を共重合させた樹脂の水溶液や水系エマルジョンで
あり、例えば、荒川化学工業社の「アクリロンK162
T」や中央理化工業社の「リカボンドET84」等が市
販されている。なお、塗液には、例えば他の接着剤、耐
水化剤、耐油化剤、硬化剤、透明化剤、着色剤、消泡
剤、潤滑剤、剥離剤、無機有機顔料等を助剤として適宜
添加することができる。
【0016】かかるポリアクリル酸エステル系樹脂を主
成分とする塗液の塗工量は、塗布する原紙の状態によっ
て変動するので一概にいえないが、固形分として片面当
たり0.5〜2.0g/m2 程度である。因みに、0.
5g/m2 未満にすることはピンホールのバリヤー性が
十分にならず、叩解や抄紙条件あるいは剥離剤塗工に制
限が多くなり好ましくない。一方、2.0g/m2 を越
える塗工量は塗被層の経済性、塗工適性に負担が掛かり
好ましくない。なお、過剰の塗工は、抄紙機のドライヤ
ーに原紙が付着してしまうので、製造が困難である。
【0017】グラシン紙は、抄紙原料として強叩解した
ケミカルパルプを主配合とし、酸性ないし中性で抄紙
し、抄紙機の乾燥機中間部で上記の如きポリアクリル酸
エステル系樹脂を主成分とする塗液を塗布した後、スー
パーカレンダー等により圧縮処理して仕上げる。パルプ
としては、例えばスプルースやヘムロック等の高級針葉
樹材を用いた針葉樹ケミカルパルプが最適であるが、広
葉樹材からのケミカルパルプや針葉樹広葉樹その他の材
からのケミメカニカルパルプ、メカニカルパルプ、古
紙、合成パルプ等を適宜混合配合してその特性を活用す
る。パルプの叩解度は、カナディアンスタンダードフリ
ーネス(以下、CSF)で150ml以下に強叩解する
と耐油性や透明性が向上する。しかし、抄紙性や湿度寸
法安定性に問題が起こり易くなるため、CSFで200
〜400mlの中叩解程度にとどめ、サイズプレス等で
グラシン品質特性を補助する。また、抄紙原料には各種
の添加剤として、例えばサイズ剤、紙力増強剤、濾水
剤、染料、等の抄紙用薬品を調節し配合することができ
る。スーパーカレンダー等の圧縮処理は、例えば加圧、
温度、速度、紙水分等を調節しておこなう。
【0018】グラシン紙のベック平滑度(JIS−P−
8119)は、400秒/10ml以上、より好ましく
は500秒/10ml以上となるように調節する。40
0秒/10ml未満の場合は、平滑性が十分でないため
剥離剤のカバーリングが悪くなり、剥離紙上にピンホー
ル等が生じ、次に粘着剤層を塗工した後に糊残り現象が
起こり問題となる。グラシン紙のガーレ高圧透気度(T
APPI T536−om88)は3000秒/100
ml以上、より好ましくは5000秒/100ml以上
となるようにする。3000秒/10ml未満では無溶
剤型シリコーン剥離剤を塗工するときの剥離剤のカバー
リング適性を十分にできない。
【0019】このようにして得られたグラシン紙に、剥
離剤を塗布してグラシン剥離紙を得ることができる。剥
離剤としては、無溶剤型、溶剤型の公知の剥離剤が使用
できるが、薄い均一な剥離剤の皮膜が要求される無溶剤
型シリコーン剥離剤に対しても十分に対応できるので適
している。
【0020】無溶剤型シリコーン剥離剤としては、熱硬
化型シリコーン化合物、UV硬化型シリコーン化合物、
EB硬化型シリコーン化合物等が挙げられる。これらを
塗工する方法としては、多段式ロールコーター、グラビ
アコーター等が使用される。この場合の塗工量は0.5
〜1.5g/m2 程度、より好ましくは0.5〜1.0
g/m2 程度の範囲で適宜調節される。なお、塗工量が
0.5g/m2 未満では剥離剤層としての作用効果に劣
り、一方、1.5g/m2 を越えると経済的な面から実
用性に乏しい。
【0021】なお、粘着シートを製造する方法として
は、このグラシン剥離紙上に粘着剤層を形成させた後、
表面基材を貼り合せる転写方式や表面基材に直接粘着剤
を塗布させ、その後グラシン剥離紙を貼り合せる直接方
式も使用できる。
【0022】粘着剤としては、例えば天然ゴム、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレンブロッ
ク共重合体、再生ゴム、合成ゴム等のゴム系、アクリル
系、シリコーン系等の粘着剤が挙げられる。これら粘着
剤は溶剤系、水性エマルジョン系、ホットメルト系、液
状硬化型等の形態で、例えばナイフコーター、ロールコ
ーター、ダイコーター、グラビアコーター、スクリーン
印刷等で塗布される。この場合の塗布量は、乾燥重量で
10〜40g/m2 程度、好ましくは15〜25g/m
2 程度の範囲で調節される。なお、10g/m2 未満で
は粘着剤層としての作用効果に乏しく、40g/m2
越える塗布量はその効果が飽和し、また経済的にも好ま
しくない。
【0023】また、表面基材としては、例えば、キャス
トコーテッド紙、アート紙、コートつ紙、上質紙、感熱
記録紙、インクジェット紙、、熱転写受像紙、合成紙、
蒸着紙、布、不織布、織布、金属ホイル、各種高分子フ
ィルム等を適宜使用することができる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お特に断らない限り、例中の部及び%はそれぞれ「重量
部」及び「重量%」を示し、塗布量、部数、混合割合等
は全て固形分で示した。
【0025】実施例1〜3 [グラシン紙の製造]それぞれCSF250mlのNB
KP80部とLBKP20部のパルプスラリーにサイズ
剤としてロジンサイズ(商品名「サイズパインE」,荒
川化学工業社製)を絶乾パルプに対して0.4%添加し
た。このパルプスラリーに硫酸バンドを添加し定着させ
た後、長網抄紙機で抄紙した。
【0026】なお、この原紙に抄紙機の乾燥機中間部に
設置されたサイズプレスでポリアクリル酸エステル系樹
脂(商品名「アクリロンK162T」,荒川化学工業社
製)の水溶液をそれぞれ片面当たり塗工量1.8g/m
2 (実施例1)、1.0g/m2 (実施例2)、0.5
5g/m2 (実施例3)となるように両面塗工した後、
紙水分を11〜15%に調節し、金属ロールと弾性ロー
ルからなる多段式スーパーキャレンダーを用いて、緊度
1.08±0.02g/cm3 、ベック平滑度800±
200秒/10ml、ガーレ高圧透気度5000±20
00秒/100mlに調節してグラシン紙を得た。
【0027】[剥離紙の製造]このグラシン紙の塗布面
(片面)に無溶剤型シリコーン剥離剤(商品名「KNS
−320」を100部に対し、商品名「PL−56」を
2部加えた混合物,信越化学工業社製)をグラビアコー
ターで、それぞれ0.60g/m2 (実施例1)、1.
02g/m2 (実施例2)、1.45g/m2 (実施例
3)と塗工し、熱風乾燥キュアーさせてグラシン剥離紙
を得た。
【0028】[粘着紙の製造]それぞれの剥離紙にエマ
ルジョン型粘着剤(商品名「TS−662」、日本カー
バイド社製)をリバースロールコーターで22g/m2
となるように塗布し、乾燥させた後、坪量64g/m2
の上質紙を貼り合わせて粘着紙を得た。
【0029】実施例4〜6 実施例1〜3のサイズプレスの代わりに、抄紙機の乾燥
機中間部に設置されたゲートロールコーターで剥離剤塗
工面にポリアクリル酸エステル系樹脂(商品名「アクリ
ロンK162T」)を片面に塗布した以外は実施例1〜
3と同様にしてグラシン剥離紙および粘着紙を得た。
【0030】実施例7〜9 実施例1〜3のサイズプレスの代わりに、抄紙機の乾燥
機中間部に設置されたバーコーターで剥離剤塗工面にポ
リアクリル酸エステル系樹脂(商品名「アクリロンK1
62T」)を片面に塗布した以外は実施例1〜3と同様
にしてグラシン剥離紙および粘着紙を得た。
【0031】比較例1 実施例1のサイズプレスの代わりに、抄紙機の乾燥機中
間部に設置されたブレードーコーターでポリアクリル酸
エステル系樹脂(商品名「アクリロンK162T」)を
片面に塗布した以外は実施例1と同様にしてグラシン剥
離紙および粘着紙を得た。
【0032】比較例2 実施例1のサイズプレスの代わりに、抄紙機の乾燥機中
間部に設置されたエアナイフコーターでポリアクリル酸
エステル系樹脂(商品名「アクリロンK162T」)を
片面に塗布した以外は実施例1と同様にしてグラシン剥
離紙および粘着紙を得た。
【0033】比較例3〜5 実施例1〜3のポリアクリル酸エステル系樹脂の塗液を
ポリビニルアルコール(商品名「PVA−117」)と
した以外は実施例1と同様にしてグラシン剥離紙および
粘着紙を得た。
【0034】実験例1 実施例1のポリアクリル酸エステル系樹脂(商品名「ア
クリロンK162T」)を塗布量を0.45g/m2
した以外は実施例1と同様にしてグラシン剥離紙および
粘着紙を得た。
【0035】実験例2 実施例1のポリアクリル酸エステル系樹脂(商品名「ア
クリロンK162T」)を塗布量を2.15g/m2
した以外は実施例1と同様にしてグラシン剥離紙および
粘着紙を得た。
【0036】実験例3 実施例1の無溶剤型シリコーン剥離剤(商品名「KNS
−320」)の塗布量を0.45g/m2 とした以外は
実施例1と同様にしてグラシン剥離紙および粘着紙を得
た。
【0037】実験例4 実施例1の無溶剤型シリコーン剥離剤(商品名「KNS
−320」)の塗布量を1.70g/m2 とした以外は
実施例1と同様にしてグラシン剥離紙および粘着紙を得
た。
【0038】かくして得られたグラシン剥離紙、粘着紙
を以下の方法で評価し、表1に示した。
【0039】〔ピンホールバリヤー性の評価〕市販の油
性ペンで剥離紙の剥離剤面に均一に塗り、裏面に現れる
10cm2 内のピンホール数によって評価した。 (評価基準) ◎…0個 ○…1〜5個 △…6〜10個 ×…11個以上 ××…抄紙機乾燥装置に付着してしまい、製造不能
【0040】〔カールの評価〕剥離紙の流れ方向に10
cm、巾方向に10cmの正方形に調整したサンプルを
温度20℃、湿度40%の恒温恒湿ボックス内に4時間
放置し、その時のカールの状態を横から見て、浮き上が
っている両端間の最短直線距離を測定した。例えば、フ
ラットならば10cmとなる。 (評価基準) ○…9〜10cm △…7〜 9cm ×… 〜 7cm
【0041】〔糊残り現象の評価〕粘着紙から表面基材
および粘着剤層を剥離した後、剥離紙の剥離剤表面とP
ETフィルム表面とを擦り合わせ、剥離剤表面に残って
いる粘着剤をPET表面に転写させ、転写した粘着剤の
量によって評価した。 (評価基準) ○…糊残りがあまり目立たない。 △…糊残りが多少目立つ。 ×…糊残りがかなり目立つ。
【0042】
【表1】
【0043】実施例の結果から明らかなように、実施例
比較例ともグラシン紙としては、ベック平滑度、ガーレ
高圧透気度の品質管理項目はすべて好ましい範囲のもの
であるが、ブレードコータ(比較例1)やエアナイフコ
ータ(比較例2)で塗布したものはピンホールバリヤー
性と糊残りに問題がある。また、ポリビニルアルコール
を用いたもの(比較例3〜5)は、カール、寸法安定性
に問題がある。本発明の製造方法で得られたグラシン剥
離紙は、無溶剤型シリコーン剥離剤をグラシン紙上に塗
工したときに剥離剤のカバーリングがよく、均一な剥離
剤被膜が得られ、ピンホールバリヤー性に優れ、粘着剤
塗工後に生じる糊残り現象がみられず、カールや寸法変
化の少ないたグラシン剥離紙であることがわかる。
【0044】なお、実験例1〜2はポリアクリル酸エス
テル系樹脂の塗布量を変更した例である。塗布量が少な
い場合(実験例1)はピンホールバリヤー性や糊残りが
劣る傾向にある。なお、この場合、叩解条件や抄紙条件
を変更し、剥離剤の塗布量を増やすことにより解消する
ことができる。塗布量が過剰な場合(実験例2)は、抄
紙機のドライヤーに原紙が付着してしまうので、製造が
困難である。製造条件を変更すれば、製造が可能となる
が、多量の塗布は経済的にも好ましくない。実施例1〜
3とこの実験例1〜2より、ポリアクリル酸エステル系
樹脂の塗布量が固形分として片面当たり0.5〜2.0
g/m2 であることが好ましいことがわかる。実験例3
〜4は無溶剤型シリコーン剥離剤の塗布量を変更した例
である。剥離剤の量を減らした場合(実験例3)、糊残
りやピンホールバリヤー性が劣ってしまう傾向にある。
剥離剤の量を増やした場合(実験例4)、品質は優れた
ものになるが、コスト高となり、経済的に好ましくな
い。実施例1〜実施例3とこの実験例3〜4より、無溶
剤型シリコーン剥離剤の塗工量が0.5〜1.5g/m
2であることが好ましいことがわかる。
【0045】
【発明の効果】このように、本発明の方法で得られたグ
ラシン剥離紙は、無溶剤型シリコーン剥離剤を用いた場
合に生じていた、ピンホールバリヤー性や糊残りの問題
が解決され、且つ、カールや寸法安定性にも優れたもの
であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKT C09J 7/02 JKT

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抄紙機の乾燥機中間部に設置されたサイズ
    プレス、ゲートロールコーターおよびバーコーターの中
    から選ばれた1種の塗工機により、アクリル酸エステル
    系樹脂を主成分とする塗液を原紙に塗布し、該原紙を圧
    縮処理して得たグラシン紙に、剥離剤を塗布するグラシ
    ン剥離紙の製造方法。
  2. 【請求項2】アクリル酸エステル系樹脂を主成分とする
    塗液の塗布量が固形分として片面当たり0.5〜2.0
    g/m2 である請求項1記載のグラシン剥離紙の製造方
    法。
  3. 【請求項3】剥離剤が無溶剤型シリコーン剥離剤である
    請求項1または請求項2記載のグラシン剥離紙の製造方
    法。
  4. 【請求項4】無溶剤型シリコーン剥離剤の塗工量が0.
    5〜1.5g/m2 である請求項3記載のグラシン剥離
    紙の製造方法。
JP7272202A 1995-10-20 1995-10-20 グラシン剥離紙の製造方法 Pending JPH09111699A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005163254A (ja) * 2003-11-14 2005-06-23 Nippon Paper Industries Co Ltd 剥離紙用原紙及びその製造方法
CN105603823A (zh) * 2015-12-21 2016-05-25 江苏宏远新材料科技有限公司 一种防水透气型薄膜
JP2017078230A (ja) * 2015-10-19 2017-04-27 王子ホールディングス株式会社 剥離紙用原紙及びその製造方法

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