JPH09110516A - アルミナ担体の製造方法 - Google Patents

アルミナ担体の製造方法

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JPH09110516A
JPH09110516A JP7286592A JP28659295A JPH09110516A JP H09110516 A JPH09110516 A JP H09110516A JP 7286592 A JP7286592 A JP 7286592A JP 28659295 A JP28659295 A JP 28659295A JP H09110516 A JPH09110516 A JP H09110516A
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JP
Japan
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alumina
cake
aspect ratio
raw material
powder
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JP7286592A
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Inventor
Akira Kato
晃 加藤
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出発原料として一次粒子のアスペクト比が1
0以下のアルミナ粉体を用いても、高強度を有し且つ欠
けや粉化の少ないアルミナ触媒担体を製造する方法を提
供する。 【解決手段】 アルミナ粉体原料を混練及び成型した
後、成型物を焼成することによってアルミナ担体を製造
する。アルミナ粉体原料として1次粒子のアスペクト比
が10以下のアルミナ粉体を用いる。混練の前に、アル
ミナ粉体原料に、湿式法で合成されたアルミナ水和物か
ら調整され且つ含水率が30%以上の含水アルミナケー
キまたはアルミナスラリーを、乾燥アルミナ重量換算で
0.5%以上添加する。 【効果】 製造されたアルミナ担体の平均曲げ強度、側
面破壊強度及び粉化率が著しく向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の触媒担体と
して使用されるアルミナ担体を製造する方法に関し、さ
らに詳細には、アスペクト比が10以下のアルミナ一次
粒子を用いて混練法により高強度のアルミナ触媒担体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミナ粉体を原料としてアルミナ触媒
担体を製造するには、一般に、アルミナ粉体を混練する
工程、混練物を円筒形、ペレット状等の所望の形状及び
大きさに成型する工程、成型体を80〜150℃の温度
で乾燥する工程、及び乾燥された成型体を焼成炉にて4
00〜1000℃の焼成温度で焼成する工程が用いられ
ている。
【0003】例えば、本出願人による特開平3−844
5号公報は、混練前に、アルミナ水和物と水とからなる
スラリーに酸を添加してpHを2.0〜3.0とし、次
いでアルカリを添加してスラリーのpHを3.5〜6.
0に調整した後、アルミナヒドロゲルを分離することを
特徴とするアルミナ担体の製造方法を開示している。こ
の方法を用いると、アルミナ担体の細孔径が調整され、
それによって触媒の活性を向上させることができる。
【0004】特開平4−235737号公報は、アルミ
ナ担体をアルミニウム塩水溶液に含浸し、乾燥、焼成す
ることによって、機械的強度に優れたアルミナ担体を製
造する方法を開示している。また、特開昭50−984
86号公報は、アルミナに酸性物質と水を添加して混練
し、成型及び焼成することによって高強度のアルミナ触
媒担体を製造する方法を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アルミナ触
媒担体は、その触媒活性を向上するために細孔径が5〜
20nm程度であり且つ細孔径分布の狭いものが要求さ
れている。このような特性の触媒担体を製造するために
は、原料アルミナ粉体として、一次粒子のアスペクト比
が10以下のアルミナ粉体を用いることが望ましい。し
かしながら、触媒担体は、触媒活性を高くするために、
大きな比表面積と大きな細孔容積を有することが必要で
あることから、粉体同士の焼結を充分に進行させること
はできない。このため、アルミナ原料粉としてアスペク
ト比が10以下の原料粉を用いる場合は、かかる粉体同
士は焼成時に粉体間のわずかな接触部でしか結合するこ
とができず、得られる触媒担体は機械的強度が低く、欠
けや粉化が発生するという問題があった。
【0006】一方、原料粉体としてアスペクト比が10
より大きな繊維状の粉体を用いた場合は、混練時に繊維
状粒子同士が絡み合い、得られる触媒担体の強度は高く
なるが、細孔径分布が広いために触媒活性が低下すると
いう問題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、出発原料として
一次粒子のアスペクト比が10以下のアルミナ粉体を用
いても、高強度を有し、所望の触媒活性を維持し、且つ
欠けや粉化の少ないアルミナ触媒担体を製造する方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため、混練するアルミナ粉体に着目して鋭意検討
を続けたところ、混練前にあるいは混練の際、所定の含
水率の含水アルミナケーキまたはアルミナスラリーを、
所定の添加量でアルミナ粉体に添加することによって、
所望の細孔径を保持しつつ、機械的強度が高く、欠けや
粉化が少ないアルミナ触媒担体を製造することに成功し
た。
【0009】本発明に従えば、アルミナ粉体原料を混練
及び成型した後、成型物を焼成することによってアルミ
ナ担体を製造する方法において、上記アルミナ粉体原料
が1次粒子のアスペクト比が10以下のアルミナ粉体で
あり、湿式法で合成されたアルミナ水和物から調整され
且つ含水率が30%以上の含水アルミナケーキまたはア
ルミナスラリーを、上記アルミナ粉体原料に、乾燥アル
ミナ重量換算で0.5%以上添加して混練することを特
徴とする上記アルミナ担体の製造方法が提供される。本
発明により製造されたアルミナ担体の強度が著しく向上
する理由は明確ではないが、含水アルミナケーキまたは
アルミナスラリー中のアルミナ水和物は強固に凝集して
いないために、乾燥アルミナ粉体とともに混練したとき
に、含水アルミナケーキまたはアルミナスラリー中のア
ルミナ水和物が乾燥アルミナ粉体中で比較的均一に分散
して有効な充填剤としての機能を果たすためであると考
えられる。
【0010】本発明のアルミナ担体の製造方法におい
て、最終的に得られる触媒担体強度を一層向上させるた
めに、上記湿式法で合成されたアルミナ水和物が、例え
ば、1次粒子のアスペクト比が10〜10000のアル
ミナ粉体であることが好ましい。
【0011】また、本発明のアルミナ担体の製造方法に
おいて、上記アルミナケーキまたはアルミナスラリーの
含水率、すなわち、アルミナケーキまたはアルミナスラ
リー全重量に対する水分重量は30%以上である。含水
率が30%未満であると得られるアルミナ触媒担体の強
度があまり向上しない。上記アルミナケーキまたはアル
ミナスラリー中の含水率の上限は、アルミナ粉体の混練
の際に、混練物全体に対して40〜70%の含水率にな
るように水が混練物に添加されるため、かかる添加水の
量やアルミナケーキまたはアルミナスラリーの添加量に
応じて適宜調整される。
【0012】含水アルミナケーキまたはアルミナスラリ
ーの添加量は、ケーキまたはスラリー中のアルミナを、
乾燥重量に換算して、混練される全乾燥アルミナ重量に
対して0.5%以上である。添加量が0.5%未満であ
れば、製造される触媒の望ましい強度向上は得られな
い。湿式法で合成されたアルミナ水和物のアスペクト比
が比較的大きい場合には、製造される触媒の細孔径分布
の広がりを抑えて所望の触媒活性を維持するために、含
水アルミナケーキまたはアルミナスラリーの添加量は5
0%以下が好ましい。
【0013】本文中において、「アスペクト比」とは、
粉体の一次粒子の短軸と長軸の長さの比を意味し、例え
ば、粉体の一次粒子を透過型電子顕微鏡等によって観察
し、画像フィールド中に存在する粉体粒子から無差別に
10個の粒子について抽出し、その粒子の短軸と長軸の
長さの比を測定してそれらの平均から求めることができ
る。従って、アスペクト比の下限は1である。
【0014】本発明のアルミナ担体の製造方法におい
て、含水アルミナケーキまたはアルミナスラリーを調整
するためのアルミナ水和物は、湿式法、例えば、アルミ
ニウムアルコキシドの加水分解あるいは、酸性アルミニ
ウム源、例えば、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム
等と塩基性アルミニウム源、例えば、水酸化アルミニウ
ム、アルミン酸ソーダ等との中和反応、または酸性アル
ミニウム源と塩基性水溶液、例えば、水酸化ナトリウ
ム、アンモニア等との中和反応、または酸性溶液、例え
ば塩酸、硫酸、硝酸、等と塩基性アルミニウム源との中
和反応により合成することができる。そして、含水アル
ミナケーキまたはアルミナスラリーは、上記湿式法で合
成されたアルミナ水和物をろ過し、水分量を調整し、乾
燥工程を経ずに得られる。また、本発明のアルミナ担体
の製造方法に用いられる一次粒子のアスペクト比が10
以下のアルミナ粉体は、市販のものを使用することがで
き、あるいは、上記湿式法で合成したアルミナ水和物を
乾燥して上記アスペクト比の粉体を採取してもよい。本
発明で用いられるアルミナ粉体としては、擬ベーマイト
型アルミナが好ましいが、特にこれに限定されず、バイ
アライト、ジブサイト等のアルミナを用いることもでき
る。
【0015】本発明のアルミナ担体の製造方法におい
て、混練時には解膠剤として酸あるいはアルカリを加
え、その後、成型可能な水分量とするために水を添加し
て混練を行う。かかる酸又はアルカリのうち、酸とし
て、例えば、硝酸、硫酸、塩酸等の無機酸や、酢酸、ク
エン酸、しゅう酸等の有機酸を使用することができる。
特に、硝酸及び有機酸は、後の焼成工程において全て蒸
発し残留物を残さないために好ましい。また、アルカリ
として、アンモニア、か性ソーダ、か性カリ、アルミン
酸ソーダ等を使用することができ、このうち、アンモニ
アは、後の焼成工程において蒸発するために特に好まし
い。
【0016】上記混練されたアルミナ粉体は、一般に、
成型器により適当な大きさ及び形状に成型される。次い
で、成型体は乾燥器にて、例えば、80〜150℃の温
度で数時間から一昼夜乾燥された後、焼成炉で、例え
ば、400〜1000℃の温度で焼成される。
【0017】
【実施例】以下、本発明のアルミナ担体の製造方法を実
施例により説明するが、本発明はそれらに限定されるも
のではない。
【0018】〔実施例1〕最初に含水アルミナケーキを
調整するために、以下のような湿式法でアルミナ粉体を
合成した。酸性アルミニウム源として0.5モル/リッ
トルの塩化アルミニウムの水溶液12リットルと、塩基
性アルミニウム源として0.5モル/リットルのアルミ
ン酸ソーダの水溶液9.5リットルを調製した。上記酸
性アルミニウム源に水20リットルを添加した後、25
℃で塩基性アルミニウム源を加えて中和反応を行った。
中和反応におけるpHは8.3であった。
【0019】反応後、液温を80℃に保持し、水酸化ナ
トリウムを添加してpHを9に調節して、撹拌しながら
20時間熱成した。その後、熟成液を洗浄及び濾過し
て、アルミナケーキを得た。この際、ケーキ中の水分量
がケーキ全重量の75%になるように水分調整した。ケ
ーキを構成するアルミナ水和物はアスペクト比10〜1
00の繊維状アルミナであり、その平均アスペクト比は
50であった。また、アルミナ粉体の中央細孔径は40
A(オングストローム)であった。
【0020】次いで、アスペクト比が10以下の市販の
乾燥アルミナ粉体を用意し、かかる乾燥アルミナ粉体
に、上記得られたケーキを乾燥アルミナ重量で換算して
アルミナ全体の20%になるように添加した。次いで、
解膠剤として4.0%の硝酸水溶液を1リットル添加
し、次いで、最終的なドウの水分量が40〜70%にな
るように水を加えながら、2時間混練した。前記硝酸濃
度は、以下の実施例及び比較例において、製造されるア
ルミナ担体の中央細孔径が約90〜100A(オングス
トローム)となるように選択した。混練後のドウを、双
腕式の押出機で直径1mmの円柱状に押出成型した。成
型体を乾燥機中で130℃にて20時間乾燥した。次い
で、乾燥後のペレットを焼成炉で600℃にて1時間焼
成してアルミナ触媒担体を得た。
【0021】こうして得られたアルミナ触媒担体の平均
曲げ強度及び側面破壊強度を、万能引張圧縮試験機及び
富山式錠剤強度測定機により測定したところ、平均曲げ
強度は36.4MPaであり、側面破壊強度は3.8k
gであった。また、窒素吸着式の細孔径の測定器により
中央細孔径を測定したところ72A(オングストロー
ム)であった。また、担体の粉化率を2mの高さからス
テンレス板上にアルミナ触媒担体を7回落下させて直径
0.7mm以下の粉化率を測定したところ0.2%であ
った。それらの結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】〔実施例2〕含水アルミナケーキ作製の際
にケーキの含水率を88%に調整した以外は、実施例1
と同様にして含水アルミナケーキを得た。得られた含水
アルミナケーキを構成するアルミナ粒子の形状、アスペ
クト比の範囲、平均アスペクト比、中央細孔径及びケー
キの含水率をそれぞれ表1に示した。この含水アルミナ
ケーキを、乾燥アルミナ重量で換算してアルミナ全体の
6%になるようにアスペクト比が10以下の市販の乾燥
アルミナ粉体に添加し、解膠剤として3.25%の硝酸
水溶液を用いて混練した以外は、実施例1と同様にし
て、混練、成型、乾燥及び焼成してアルミナ触媒担体を
得た。こうして得られた触媒担体の平均曲げ強度、側面
破壊強度、中央細孔径及び粉化率を実施例1と同様な方
法により測定した。結果を表1に示した。
【0024】〔実施例3〕含水アルミナケーキの含水率
を30%とした以外は、実施例2と同一条件で含水アル
ミナケーキを作製した。得られた含水アルミナケーキを
構成するアルミナ粒子の形状、アスペクト比の範囲、平
均アスペクト比、中央細孔径及びケーキの含水率をそれ
ぞれ表1に示した。この含水アルミナケーキを、実施例
2と同一の条件で、アスペクト比が10以下の乾燥アル
ミナ粉体に添加し、混練、成型、乾燥及び焼成してアル
ミナ触媒担体を得た。こうして得られたアルミナ触媒担
体の平均曲げ強度、側面破壊強度、中央細孔径及び粉化
率を実施例1と同様な方法により測定した。結果を表1
に示した。
【0025】〔比較例1〕含水アルミナケーキの含水率
を20%とした以外は、実施例2と同一条件で含水アル
ミナケーキを作製した。得られた含水アルミナケーキを
構成するアルミナ粒子の形状、アスペクト比の範囲、平
均アスペクト比、中央細孔径及びケーキの含水率をそれ
ぞれ表1に示した。この含水アルミナケーキを、実施例
2と同一の条件で、アスペクト比が10以下の乾燥アル
ミナ粉体に添加し、混練、成型、乾燥及び焼成してアル
ミナ触媒担体を得た。こうして得られた触媒担体の平均
曲げ強度、側面破壊強度、中央細孔径及び粉化率を実施
例1と同様な方法により測定した。結果を表1に示し
た。
【0026】実施例1〜3と比較例1の結果より、含水
アルミナケーキ中の含水率が30%未満になると、平均
曲げ強度及び側面破壊強度がかなり低下し、粉化率も増
加することがわかる。
【0027】〔実施例4〕湿式法でアルミナ粉体を合成
する際に、酸性アルミニウム源として0.5モル/リッ
トルの硫酸アルミニウムの水溶液5リットルを、塩基性
アルミニウム源として0.5モル/リットルのアルミン
酸ソーダの水溶液5リットルを調整した。80℃に調整
した中和反応槽に水30リットルを入れ、上記酸性アル
ミニウム源と塩基性アルミニウム源を同時に加え、攪拌
しながら中和反応を行った。中和反応におけるpHは
7.0であった。反応後、液温を80℃に保持したまま
水酸化ナトリウムを添加してpHを10に調整して、攪
拌しながら3時間熟成した。その後熟成液を洗浄及び濾
過して、含水アルミナケーキ中の含水率を88%に調整
した含水アルミナケーキ(スラリー)を作製した。含水
アルミナケーキを構成していたアルミナ粒子の多くは球
状であった。このアルミナ粒子のアスペクト比の範囲、
平均アスペクト比、中央細孔径及びケーキ含水率をそれ
ぞれ表1に示した。この含水アルミナケーキを、乾燥ア
ルミナ重量で換算してアルミナ全体の6%になるように
アスペクト比が10以下の市販の乾燥アルミナ粉体に添
加し、解膠剤として4.0%の硝酸水溶液を1リットル
添加した以外は、実施例1と同様にして、混練、成型、
乾燥及び焼成してアルミナ触媒担体を得た。こうして得
られた触媒担体の平均曲げ強度、側面破壊強度、中央細
孔径及び粉化率を実施例1と同様な方法により測定し
た。結果を表1に示した。
【0028】この例よりアルミナケーキを構成するアル
ミナ水和物の多くが球状であっても、実施例1〜3と同
様にアルミナ担体の強度が大幅に向上することがわか
る。
【0029】〔比較例2〕この比較例では、混練するア
ルミナ粉体としてアスペクト比が10以下の市販の乾燥
アルミナ粉体だけを用いた。すなわち、実施例1におい
て、含水アルミナケーキの代わりに、含水アルミナケー
キ中のアルミナ粉体と同重量(乾燥重量で)のアスペク
ト比が10以下の市販の乾燥アルミナ粉体を用い、解膠
剤として3.25%の硝酸水溶液を1リットル添加した
以外は、実施例1と同様にして、混練、成型、乾燥及び
焼成してアルミナ触媒担体を得た。こうして得られた触
媒担体の平均曲げ強度、側面破壊強度、中央細孔径及び
粉化率を実施例1と同様な方法により測定した。結果を
表1に示した。
【0030】市販の乾燥アルミナ粉体だけから製造した
アルミナ担体は、平均曲げ強度、側面破壊強度及び粉化
率において、含水アルミナケーキまたはアルミナスラリ
ーを市販の乾燥アルミナ粉体に添加して製造したアルミ
ナ担体(実施例1〜4)に比べてかなり劣っていること
がわかる。
【0031】〔実施例5〕湿式法でアルミナ粉体を合成
する際に、酸性アルミニウム源として0.5モル/リッ
トルの塩化アルミニウムの水溶液5リットルを、塩基性
アルミニウム源として0.5モル/リットルのアルミン
酸ソーダの水溶液5リットルを調整した。80℃に調整
した中和反応槽に水40リットルを入れ、上記酸性アル
ミニウム源と塩基性アルミニウム源を同時に加え、攪拌
しながら中和反応を行った。中和反応におけるpHは
7.0であった。反応後、液温を80℃に保持したまま
水酸化ナトリウムを添加してpHを10に調整して、攪
拌しながら16時間熟成した。その後熟成液を洗浄及び
濾過して、含水アルミナケーキ中の含水率を80%に調
整した含水アルミナケーキを作製した。得られた含水ア
ルミナケーキを構成するアルミナ粒子は繊維状であっ
た。このアルミナ粒子のアスペクト比の範囲、平均アス
ペクト比、中央細孔径及びケーキ含水率をそれぞれ表1
に示した。この含水アルミナケーキを、乾燥アルミナ重
量で換算してアルミナ全体の0.5%になるようにアス
ペクト比が10以下の市販の乾燥アルミナ粉体に添加し
た以外は、実施例1と同様にして、混練、成型、乾燥及
び焼成してアルミナ触媒担体を得た。こうして得られた
触媒担体の平均曲げ強度、側面破壊強度、中央細孔径及
び粉化率を実施例1と同様な方法により測定した。結果
を表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】〔比較例3〕実施例5と同一の条件で含水
アルミナケーキを作製した。得られた含水アルミナケー
キを構成するアルミナ粒子の形状、アスペクト比の範
囲、平均アスペクト比、中央細孔径及びケーキの含水率
は、表2に示したように実施例5と同様であった。この
含水アルミナケーキを、乾燥アルミナ重量で換算してア
ルミナ全体の0.3%になるようにアスペクト比が10
以下の市販の乾燥アルミナ粉体に添加した以外は、実施
例5と同一の条件で混練、成型、乾燥及び焼成してアル
ミナ触媒担体を得た。こうして得られた触媒担体の平均
曲げ強度、側面破壊強度、中央細孔径及び粉化率を実施
例5と同様な方法により測定した。結果を表2に示し
た。
【0034】実施例5の結果と比較すると、含水アルミ
ナケーキの添加量が0.5%未満であると、アルミナ担
体の強度は急激に低下することがわかる。
【0035】〔実施例6〕実施例5と同一の条件で含水
アルミナケーキを作製した。得られた含水アルミナケー
キを構成するアルミナ粒子の形状、アスペクト比の範
囲、平均アスペクト比、中央細孔径及びケーキの含水率
は、表2に示したように、実施例5の結果と同一であっ
た。この含水アルミナケーキを、乾燥アルミナ重量で換
算して、アルミナ全体の50%になるようにアスペクト
比が10以下の市販の乾燥アルミナ粉体に添加し、解膠
剤として6.0%の硝酸水溶液を1リットル添加した以
外は、実施例5と同一の条件で混練、成型、乾燥及び焼
成してアルミナ触媒担体を得た。こうして得られた触媒
担体の平均曲げ強度、側面破壊強度、中央細孔径及び粉
化率を実施例5と同様な方法により測定した。結果を表
2に示した。
【0036】この実施例で得られたアルミナ担体は、比
較例2及び3のアルミナ担体と比べて、2倍以上の平均
曲げ強度及び1.5倍以上の側面破壊強度を示すことが
わかる。
【0037】〔実施例7〕実施例5と同一の条件で含水
アルミナケーキを作製した。得られた含水アルミナケー
キを構成するアルミナ粒子の形状、アスペクト比の範
囲、平均アスペクト比、中央細孔径及びケーキの含水率
は、表2に示したように実施例5の結果と同一であっ
た。この含水アルミナケーキを、乾燥アルミナ重量で換
算してアルミナ全体の70%になるようにアスペクト比
が10以下の市販の乾燥アルミナ粉体に添加した以外
は、実施例5と同一の条件で混練、成型、乾燥及び焼成
してアルミナ触媒担体を得た。こうして得られた触媒担
体の平均曲げ強度、側面破壊強度、中央細孔径及び粉化
率を実施例5と同様な方法により測定した。結果を表2
に示した。
【0038】この例で得られた触媒も、同様に平均曲げ
強度、側面破壊強度が増加している。アスペクト比が比
較的高いアルミナ粒子で構成されていたため、担体の中
央細孔径は150Aであり、所望の約90〜100Aの
範囲内に調整することができなかった。
【0039】
【発明の効果】本発明のアルミナ担体の製造方法による
と、出発原料として一次粒子のアスペクト比が10以下
のアルミナ粉体を用いても、高強度を有し、所望の触媒
活性を維持し、且つ欠けや粉化の少ないアルミナ触媒担
体を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ粉体原料を混練及び成型した
    後、成型物を焼成することによってアルミナ担体を製造
    する方法において、 上記アルミナ粉体原料が1次粒子のアスペクト比が10
    以下のアルミナ粉体であり、 湿式法で合成されたアルミナ水和物から調整され且つ含
    水率が30%以上の含水アルミナケーキまたはアルミナ
    スラリーを、上記アルミナ粉体原料に、乾燥アルミナ重
    量換算で0.5%以上添加して混練することを特徴とす
    る上記アルミナ担体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記湿式法で合成されたアルミナ水和物
    の1次粒子のアスペクト比が、10〜10000である
    ことを特徴とする請求項1に記載のアルミナ担体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記湿式法で合成されたアルミナ水和物
    から調整され且つ含水率が30%以上の含水アルミナケ
    ーキまたはアルミナスラリーを、上記アルミナ粉体原料
    に、乾燥アルミナ重量換算で0.5%〜50%添加する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のアルミナ担
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記含水アルミナケーキまたはアルミナ
    スラリーが、酸性アルミニウム源と塩基性アルミニウム
    源、または酸性アルミニウム源と塩基性水溶液、または
    酸性溶液と塩基性アルミニウム源との中和反応により得
    られたアルミナ水和物から調整されてなることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルミナ担体
    の製造方法。
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JP (1) JPH09110516A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007167842A (ja) * 2004-03-12 2007-07-05 Saint-Gobain Ceramics & Plastics Inc 噴霧乾燥アルミナ触媒担体材料の形成方法

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