JPH09109369A - 印刷機インキ壺装置 - Google Patents

印刷機インキ壺装置

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JPH09109369A
JPH09109369A JP7292206A JP29220695A JPH09109369A JP H09109369 A JPH09109369 A JP H09109369A JP 7292206 A JP7292206 A JP 7292206A JP 29220695 A JP29220695 A JP 29220695A JP H09109369 A JPH09109369 A JP H09109369A
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Hiroshi Nishiwaki
宏 西脇
Yoji Fujiwara
要治 藤原
Kazutatsu Hatanaka
一辰 畑中
Nobuyuki Baba
信之 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキ壺からの残存インキの取り出しを自動
化させると共に、印刷機全体を循環する洗浄液の排液を
金属ドクターによって効率的に回収する。 【構成】 周面を突き合わせて平行に配列された複数本
の壺ロール11A・11B・11Cによって構成される
ロール配列体の中の片端の壺ロール11Aの周面をファ
ンテンロール12の周面に突き合わせ、それら複数本の
壺ロール11A・11B・11Cの周面とファンテンロ
ール12の周面とによって囲んでインキ壺13を構成
し、ファンテンロール12の回転時に壺ロール11A・
11B・11Cを、同期して回転駆動し、又は、静止状
態に保つ、壺ロール選択駆動手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動洗浄装置付き印刷機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印刷機では、ファンテンロールの周面に
ブレードを当接させてインキ壺を形成し、そこに多量の
インキを投入しており、インキの切替時には印刷機の回
転を止め、インキ壺に残存するインキをヘラで取り出
し、インキ壺に付着しているインキを拭き取り、ファン
テンロールその他のロールを手動回転しつつ、洗浄液
(溶剤)をタップリ滲み込ませたウエスによってロール
の周面を洗浄している。このインキ切替時の作業は手作
業によるものであるから非能率であり、手動回転して行
うロールの拭取作業においては指先がウエスと共にロー
ルの間に食い込まれる危険があり、排出させてなおイン
キ壺の表面に付着しているインキはそのままロスにな
り、また、インキの切替は頻繁に行われるものであるか
ら作業員の手は付着したインキによって洗い落とせない
程汚れる。そこで本発明者は、インキ切替時の作業を自
動化して、きつく汚く危険な作業から作業員を解放する
ため、ファンテンロールヘとインキを吐出するインキ吐
出ノズルとインキ練りロールへと洗浄液を吐出する洗浄
液吐出ノズルを印刷機に取り付け、インキ切替時にはイ
ンキ吐出ノズルを停止させ、洗浄液吐出ノズルから洗浄
液を吐出して印刷機全体に循環させ、短時間に自動的に
印刷機ロールを洗浄する自動洗浄装置付き印刷機を発明
し、特願平6−143542と特開平6−198225
に開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この自動洗浄装置付き
印刷機では、インキ切替時にロール周面に塗着している
残インキの掻き取り除去と、汚れた洗浄液の掻き取り除
去のために、何れかのロールにドクターを作用させる必
要がある。そのようなドクターは、インキ切替時にだけ
使用するものであるから、ロールに着脱自在に取り付け
られ、その際回転中のロールとの衝撃をなくし、ロール
周面を疵付けないようにするために、ドクターにはエッ
ヂ(ロールに接触する所謂“刃先”)がゴム製のものが
使用される。しかし、ゴム製エッヂは摩耗し易く、ロー
ル周面とエッヂの間に隙間が出来て残インキや洗浄排液
の回収が不十分になり、また、エッヂの摩耗斑による凹
凸がロール周面に転写されてロール周面の円周方向に線
状の接触跡が出来易い。そして自動洗浄に先立つインキ
壺からの残存インキの取り出しは、ヘラを使っての手作
業のままになっているので、インキ切替時の作業が危険
な作業であることには変わりはない。
【0004】
【発明の目的】そこで本発明は、インキ壺からの残存イ
ンキの取り出しをも自動化させると共に、印刷機全体を
循環する洗浄液の排液を金属ドクターによって効率的に
回収することとし、その際金属ドクターによって印刷ロ
ールが疵付くことがないようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、インキ壺13
が、周面を突き合わせて平行に配列された複数本の壺ロ
ール11A・11B・11Cによって構成されるロール
配列体の中の片端の壺ロール11Aの周面をファンテン
ロール12の周面に突き合わせ、それら複数本の壺ロー
ル11A・11B・11Cの周面とファンテンロール1
2の周面とによって囲んで構成されており、ファンテン
ロール12の回転時に、ロール配列体の全ての壺ロール
11A・11B・11Cを、同期して回転駆動し、又
は、静止状態に保つ、壺ロール選択駆動手段を具備し、
インキ壺全体が一種の装置として構成されていることを
第1の特徴とする。
【0006】本発明の第2の特徴は、上記第1の特徴に
加え、上記の壺ロール選択駆動手段が、上記ロール配列
体の各壺ロール11の支軸14に取り付けられた歯車1
5と、隣り合う壺ロールの歯車15と歯車15とに噛み
合う媒介歯車16と、ロール配列体の何れかの壺ロール
11Cの支軸14Cに接続されたモーター17によって
構成されていることにある。
【0007】本発明の第3の特徴は、上記第1または第
2の特徴に加え、上記のインキ壺13が、ファンテンロ
ール12に向き合ってインキ壺13の片側の側縁を構成
するロール配列体の一端の壺ロール11Cの周面に接す
るドクター18を有することにある。
【0008】
【実施例】以下、図示する実施例により本発明を説明す
る。図1〜3は、コロガリ接触ないし線点接触、つま
り、周面を突き合わせて、平行に配列された3本の壺ロ
ール11A・11B・11Cによって構成されたロール
配列体の片端の壺ロール11Aの周面を、ファンテンロ
ール12の周面に突き合わせて構成されたインキ壺装置
を図示し、そこでは、ロール配列体11A・11B・1
1Cとファンテンロール12に囲まれた樋状のスペース
がインキ壺13を構成している。
【0009】27は、壺ロール11を支持するフレーム
である。フレーム27の内側には矩形の開口があり、こ
の開口は矩形のブラケット28が摺動自在に嵌め込まれ
るレール29になっている。それらのブラケット28に
は、壺ロール11の支軸14が可回転に軸支されてい
る。フレーム27の一端に付設された押螺子30を締め
ると各壺ロール間が強固に密着(線点接触)するように
なっている。
【0010】31は、圧縮コイルバネであり、押螺子3
0を弛めると、ブラケット間(28・28)が拡がり、
壺ロール間(11・11)の隙間が出来るようになって
いる。
【0011】各壺ロール11の支軸14の片端には歯車
15が装着されており、それらの歯車間に噛み合う媒介
歯車16が片側のフレーム27Aに軸支されている。そ
のフレームに向き合う他の片側のフレーム27Bにはモ
ーター17が取り付けられており、このモーター17に
装着された歯車32は、インキ壺13の片側の縁端を構
成する壺ロール11Cの支軸14Cに装着された歯車3
3に噛み合っている。このため、モーター17が回転す
ると、ロール配列体を構成する3本の壺ロール11A・
11B・11Cは、同じ方向に同期して回転し、その回
転方向が、ロール配列体(11A・11B・11C)の
上面側における壺ロールの周面がインキ壺の端縁側に向
いていれば、インキ壺13に貯溜するインキ34はイン
キ壺の端縁側の壺ロールへと移動して排出されることに
なる。
【0012】35は、インキ壺の側面を仕切る仕切材で
あり、その下端縁は壺ロール11とファンテンロール1
2の周面に密着する三日月形の切り欠36になってい
る。この仕切材35は、壺ロール11とファンテンロー
ル12の上に載設され、それらのロール11・12の周
面に自重によって密着するようになっており、インキ壺
13から随時取り外せるようになっている。
【0013】18は、エアーシリンダー38に駆動され
て往復移動し、インキ壺13の端縁側の壺ロール11C
の周面に接し、インキ壺13から排出されるインキ(3
4)を掻き取るドクターである。37は、受け皿であ
り、ドクター18を支持する支持部材39から突き出た
アーム40に載設されて取り外し自在になっている。
【0014】図4は、壺ロール11を同方向に同期して
回転する他の壺ロール選択駆動手段を有するインキ壺装
置を図示するものである。即ち、各壺ロール11の支軸
14にはウオーム歯車41が装着され、それらのウオー
ム歯車41は、フレーム27に軸承されたウオーム42
が噛み合っている。このため、モーター17が回転する
と、各壺ロール11は同方向に同期して回転する。
【0015】上記図3と図4に図示する2つの実施例か
ら明らかな通り、各壺ロール11の支軸14には溝車を
装着し、それらをVベルトを介して同期し同方向に回転
駆動するように壺ロール選択駆動手段を構成することも
出来、又、各壺ロール11の支軸14に装着した平歯車
(15)をタイミングベルトによって同期し同方向に回
転駆動するように壺ロール選択駆動手段を構成すること
も出来、或いは又、図3に図示する平歯車15に代えて
摩擦車を使用する等、種々の方法で壺ロール選択駆動手
段を構成することが出来る。しかし、インキ壺装置をコ
ンパクトに構成するには、図1と図3に図示する如く、
平歯車列(15・16)によって壺ロール選択駆動手段
を構成することが推奨される。
【0016】上記実施例において、印刷機本体即ちファ
ンテンロールや版胴等(12・19)を回転駆動する印
刷機本体の駆動手段(モーター)とは別個に設けられた
モーター17が、ファンテンロール12の回転時にロー
ル配列体の全ての壺ロール11A・11B・11Cを、
同方向に同期して回転駆動し又は静止状態に保つ壺ロー
ル選択駆動手段を構成している。しかし、壺ロール11
とファンテンロール12との間にクラッチその他の切り
離し手段を設けるなら、ファンテンロールや版胴等(1
2・19)を回転駆動する印刷機本体の駆動手段(モー
ター)によって、ロール配列体の全ての壺ロール11A
・11B・11Cを同方向に同期して回転駆動すること
も出来る。尚、その場合は、壺ロール11とファンテン
ロール12との間にクラッチその他の切り離し手段によ
って、壺ロール11A・11B・11Cを回転駆動すべ
きか静止状態にすべきかが選択されることになる。
【0017】このように壺ロール11A・11B・11
Cをファンテンロール12から切り離して回転駆動する
のは、ファンテンロール12に接する壺ロール11A
が、印刷機の稼働時に回転しない絞りロール(11A)
としてファンテンロール12に作用し、インキ切替時に
だけ全壺ロール11A・11B・11Cが回転して残イ
ンキ34や洗浄液がインキ壺13から排出されるように
するためである。
【0018】図示する実施例では、全ての壺ロール11
A・11B・11Cを、ファンテンロール12からイン
キを掻き取る方向、即ち、接触個所での回転方向がファ
ンテンロール12とは逆方向に回転駆動することとして
いるが、中間の壺ロール11Bは、それに接する壺ロー
ル11A・11Cとの間でインキの掻き取り作用がなさ
れるようにするため、その接する壺ロール11A・11
Cとは逆方向に回転駆動することも出来る。
【0019】図5は、図1〜3に図示するインキ壺装置
と共に、インキ壺13から版胴19に至るインキ転送経
路の固定回転ロール(印刷ロール)20からインキや洗
浄液を掻き取るドクター22を取り付けた印刷機を図示
するものである。ドクター22は、印刷機本体を構成す
る印刷ロール20に直接取り付けることなく、その印刷
ロール20に向けて移動に接する移動ロール21の周面
に作用するように取り付けられている。それらの印刷ロ
ール20と移動ロール21の各支軸25・26には摩擦
体23・24が装着されており、印刷ロール20に触れ
る程度に移動ロール21が接近すると、それらの摩擦車
23・24が密着して擦れ合い、印刷ロール20の回転
が移動ロール21に伝わり、印刷ロール20の周面に付
着しているインキや洗浄液が、移動ロール21の周面へ
と移行し、ドクター23によって掻き取られるようにな
っている。43は、受け皿である。移動ロール21は、
受け皿43の支持フレーム44に軸承されている。45
は、受け皿43と共に移動ロール21を印刷ロール20
に向けて往復駆動するエアーシリンダーである。46
は、ファンテンロール12に向けて往復移動して作用す
るドクターであり、47は、受け皿である。48は、洗
浄液噴射ノズルであり、それぞれ独立して洗浄し得るよ
うにファンテンロール12のほかインキロール49その
他の印刷ロールに向けて適宜設置される。
【0020】図示する実施例では、受け皿37・43は
ドクター18・22と一緒に移動するようになっている
が、受け皿37・43は、掻き取られるインキや洗浄液
を受けれるように、ドクター18・22の下に載置させ
ておくだけでよく、ドクター18・22と一緒に移動さ
せる必要はない。
【0021】
【発明の効果】上記の通り本発明では、インキ切替時に
インキ壺13に残存するインキ34は壺ロール11によ
って排出されるので、その残存インキ34を取り除く危
険な手作業はせずに済むようになる。
【0022】そして、残存インキ34を自動的に除去す
る装置は、インキ壺13それ自体によって構成されてい
るので、その装置を付設したがために印刷機が嵩張って
取り扱い難いものとなることはない。
【0023】そして印刷ロール20から残存インキや洗
浄液を掻き取るドクター22は、印刷ロール20に直接
接触するものではなく、インキ切替時にのみ摩擦車23
・24を介して回転する移動ロール21に接するので、
そのドクター22によって印刷ロール20を摩耗し損傷
すると言うことはなくなる。それ故にドクター22にエ
ッヂが硬い金属ドクターを用いることも出来、それによ
って残インキや洗浄液を効率的に回収することが可能と
なる。
【0024】このように本発明によると、インキ切替時
の作業が完全自動化され、作業員は危険な作業から解放
され、その結果、インキ切替を迅速に行って印刷機の稼
働率を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインキ壺装置の斜視図である。
【図2】本発明に係るインキ壺装置の側面図である。
【図3】本発明に係るインキ壺装置の断面側面図であ
る。
【図4】本発明に係るインキ壺装置の断面側面図であ
る。
【図5】本発明に係る印刷機の側面図である。
【図6】本発明に係る印刷機の固定回転ロールと移動ロ
ールとの取付個所での要部斜視図である。
【符号の説明】
11 壺ロール 12 ファンテンロール 13 インキ壺 14 支軸 15 歯車 16 媒介歯車 17 モーター 18 ドクター 19 版胴 20 固定回転ロール 21 移動ロール 22 ドクター 23 摩擦車 24 摩擦車 25 支軸 26 支軸 27 フレーム 28 ブラケット 29 レール 30 押螺子 31 圧縮コイルバネ 32 歯車 33 歯車 34 インキ 35 仕切材 36 切り欠 37 受け皿 38 エアーシリンダー 39 支持部材 40 アーム 41 ウオーム歯車 42 ウオーム 43 受け皿 44 支持フレーム 45 エアーシリンダー 46 ドクター 47 受け皿 48 洗浄液噴射ノズル 49 インキロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 信之 大阪府和泉市池田下町1914番地の1 テク ノロール株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面を突き合わせて平行に配列された複
    数本の壺ロールによって構成されるロール配列体の中の
    片端の壺ロールの周面をファンテンロールの周面に突き
    合わせ、それら複数本の壺ロールの周面とファンテンロ
    ールの周面とによって囲んでインキ壺が構成されてお
    り、ファンテンロールの回転時に配列体の全ての壺ロー
    ルを、同期して回転駆動し又は静止状態に保つ、壺ロー
    ル選択駆動手段を有することを特徴とする印刷機インキ
    壺装置。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載の壺ロール選択駆動
    手段が、上記ロール配列体の各壺ロールの支軸に取り付
    けられた歯車と、隣り合う壺ロールの歯車と歯車とに噛
    み合う媒介歯車と、ロール配列体の何れかの壺ロールの
    支軸に接続されたモーターによって構成されていること
    を特徴とする前掲請求項1に記載の印刷機インキ壺装
    置。
  3. 【請求項3】 前掲請求項1に記載のファンテンロール
    に向き合ってインキ壺の片側の側縁を構成するロール配
    列体の一端の壺ロールの周面に接するドクターを有する
    ことを特徴とする前掲請求項1に記載の印刷機インキ壺
    装置。
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