JPH0229504B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガラス、樹脂ウエハー等の被印刷体
基板上に厚膜印刷し、微細な然も精度のあるパタ
ーンを印刷する凹版オフセツト印刷方式におい
て、被印刷体基板に印刷した後の印刷胴表面に残
余する余剰インキを機械的に取除くためのクリー
ニング装置に関する。

従来、凹版オフセツト印刷機により基板上に厚
膜印刷パターン等を施す技術としては、例えば特
開昭52−4311、特開昭56−93592がある。凹版オ
フセツト印刷機を用い、ブランケツトゴムを介し
て基板上に厚膜印刷パターン等を施す場合、転写
胴であるブランケツト胴に装着したブランケツト
ゴム表面には、僅かに余剰インキが残り、その部
分はインキが付着し易く、そのままにしておく
と、乾操して堆積し、印刷中にインキ転移量（イ
ンキ層の膜厚及び面積）にバラツキが発生した
り、基板上に印刷転移したインキの画線が太り気
味になつて、印刷画像精度の不安定要因になるな
どの問題が発生する場合がある。そのため、従来
はブランケツト胴を空転させながら、ブランケツ
ト表面に溶剤を吹き付け、巻取状のロール紙又は
布あるいはブラシなどを接触させて、ブランケツ
ト表面の余剰インキを拭き取つていた。更にブラ
ンケツト表面に付着する微細なゴミは、通常、目
視により検出し、手作業で除去していたが、イン
キが供給された後の表面上の微細なゴミは検出除
去が容易ではない。

本発明装置は、このような不都合を解消するた
めのもので、印刷転写した後のブランケツトゴム
表面に残る先刷り分の不必要な残余インキ及び微
細ゴミなどを、手作業によらずに又溶剤等諸材料
を使用せずに拭きむらなく取除くことができ、然
も連続印刷動作に組込んで印刷中においても自動
的にクリーニング操作できるようにしたものであ
る。

本発明の要旨は、凹版定盤１６、被印刷体定盤
１７、及び該定盤１６，１７上を往復摺動して正
転及び逆転するブランケツト胴１と、インキング
操作用スキージ等を備えた凹版オフセツト印刷機
において、ブランケツト胴１表面に装着したシリ
コンゴムを主体とするブランケツトゴム２表面に
対して少なくとも各印刷サイクル毎の被印刷体１
５に対する印刷画像インキ転移後の任意設定タイ
ミングにて接触し従動回転動作可能なクロムなど
の金属表面を有する少なくとも２本のインキ除去
ローラ３，３′と、該ローラ間に位置して前記ブ
ランケツトゴム２表面に対して少なくとも各印刷
サイクル毎の被印刷体１５に対する印刷画像イン
キ転移後の任意設定タイミングにて接触し従動回
転動作可能なウレタンゴムなど柔軟性ゴム表面を
有する少なくとも１本の塵埃吸着ローラ５とを設
けたことを特徴とする凹版オフセツト印刷用ブラ
ンケツトクリーニング装置であり、印刷転写後の
ブランケツトゴム２表面に付着しているインキ、
あるいは塵埃等を除去して清浄化することを特徴
とするものである。

更に本発明は、少なくとも２本の前記インキ除
去ローラ３，３′と該ローラ間に備える少なくと
も１本の前記塵埃吸着ローラ５を、個々にエアシ
リンダ６によりブランケツト胴１に装着した前記
ブランケツトゴム２表面に対して着脱可能に設
け、それらのローラ３，３′と、ローラ５の各々
両端に、前記ブランケツト胴１と一体の両端ベア
ラ１２に接触して回転する摩擦車１０を取付けた
ことを特徴とする凹版オフセツト印刷用ブランケ
ツトクリーニング装置である。

本発明装置の実施例を図面に従つて詳細に説明
すれば、第１図は、本発明クリーニング装置の側
面図であり、ブランケツト胴１に巻回する表面が
シリコンゴム製のブランケツトゴム２表面に、該
シリコンゴムに比較してインキとの親和力のある
クロムメツキを施した金属ローラーからなるイン
キ除去ローラ３，３′を配置し、それらのローラ
の中間に、ゴミ等塵埃を吸着でき且つ硬度10〜
20゜程度の柔軟性のあるウレタンゴム製の塵埃吸
着ローラ５を配置したものである。また該インキ
除去ローラ３，３′表面にある角度で接触するド
クターブレード４，４′を設け、該ローラ３，
３′表面に付着するブランケツトゴム２表面から
転移したインキを掻き取るものである。

本発明装置の一実施例を第２図正面図に従つて
更に詳細に説明すれば、ブランケツト胴１に装着
された例えば凹版オフセツト厚膜印刷用のシリコ
ンゴム製のブランケツトゴム２表面に接触して回
転する第１図に示すクロムメツキによる鏡面仕上
げされたインキ除去ローラ３，３′のうち、いず
れかひとつのローラを、第２図においてローラ８
として図示してあり、該ローラ８の軸９は、その
両側をブランケツト胴１の周面上方に設置したエ
アシリンダ６の作動ロツド先端部に取付けられた
ブラケツト７に自由回転状態に軸支されている。
該ローラ軸９の一端側又は両端側には、例えば一
対の硬質ゴム製の回転駆動力伝達用の摩擦車１０
を備え、該摩擦車１０は、前記エアシリンダ６の
往復動作によつてブランケツト胴１の両端ピニオ
ンギア１１内側に一体に設けたベアラ１２の周面
に対して押圧接触乃至離間するように取付けられ
ている。エアシリンダ６の前進動作によりローラ
８周面及び摩擦車１０周面に接触する。ベアラ１
２に押圧接触した摩擦車１０は、ブランケツト胴
１の回転につれて回転し、ローラ８（インキ除去
ローラ３，３′）を回転させる。そして、ブラン
ケツトゴム２表面に接する前記ローラ８は、ベア
ラ１２に接触して従動回転する摩擦車１０と同じ
回転角速度によつて回転するものである。なお、
前記ローラ８と摩擦車１０の直径は同一又は略同
一に設定するものであるが、例えば、前記インキ
除去ローラ８の直径を前記摩擦車１０の直径より
も実質的に僅かに大きく設定した場合は、該ロー
ラ８とブランケツトゴム２との接触面において摺
接動作を生じさせながら拭取り除去することも可
能である。

第２図において、ローラ８として示される第１
図のインキ除去ローラ３，３′は、それぞれ該ロ
ーラを支持するブラケツト７に一体に固定したド
クターブレード４を該ローラ３，３′周面に対し
てその先端部が接触するように取り付け、回転中
に該ローラ３，３′表面のインキを掻き取るよう
にする。そして、該ブレード４下方に一体にイン
キ回収層（図示せず）を設けるようにすることが
できる。

次に本発明装置について第３図及び第４図に従
つて詳細に説明する。

第３図ａは本発明装置における凹版オフセツト
印刷機とクリーニング装置の側面図であり、第３
図ｂは本発明装置におけるブランケツト胴１、版
定盤１６、被印刷体定盤１７の平面図である。

第３図ａは、凹版定盤１６、被印刷体定盤１
７、及びそれら定盤上を往復移動するブランケツ
ト胴１などを備え、該ブランケツト胴１表面に接
触して回転する２本のインキ除去ローラ３，３′
とその中間にゴミ等の塵埃を吸着する吸着ローラ
５を設置したものである。なお、吸着ローラ５
は、上記第２図に示されるような前記ローラ３，
３′と同様の支持方式によつてブラケツトに支持
され、エアシリンダによつてブランケツト胴１に
対して着脱動作できるようになつている。第３図
ａの図面最左端にあるシリコンゴム表面を有する
ブランケツトゴム２を装着したブランケツト胴１
は、第３図ｂに示す凹版オフセツト印刷機の両側
にあるラツクギア１８に噛合いながら版定盤１６
と、被印刷体定盤１７上を往復移動でき、それぞ
れの定盤上に達したときに、下降して凹版１４及
び被印刷体１５に対して印圧が作用する。

次に本発明装置の１サイクル印刷動作順序を説
明すれば、第３図ａの図面最左端にあるブランケ
ツト胴１が図面右方向に移動を開始する時点で
は、クロム製のインキ除去ローラ３及びウレタン
製の吸着ローラ５が該ブランケツト胴１に押圧接
触して、直ちに該ブランケツト胴１は正転を開始
し図面右方向に進行を始める。そして、版定盤１
６上の凹版１４上を、印圧を加えられながら通過
する。（第４図ａ）その間に、スキージ等で予め
インキ供給された該定盤１６上の凹版１４画線部
内の画像インキが該ブランケツト胴１のブランケ
ツトゴム２表面に転移し始め、回転する該ブラン
ケツトゴム２表面の画像インキ付着領域が、前記
インキ除去ローラ３と最初に接触する直前におい
て、前記ローラ３及びウレタン製の塵埃吸着ロー
ラ５は、エアシリンダ６の動作によりブランケツ
ト胴１のブランケツトゴム２表面より順次離脱す
る。続いてブランケツト胴１は回転しながら更に
右方向に進行して、被印刷体定盤１７上を印圧を
加えながら通過する間に、被印刷体１５に前記ブ
ランケツトゴム２表面の前記画像インキを転移し
て１回目の印刷が終了し、続いて該ブランケツト
胴１上のインキ画像領域が最初にクロム金属のイ
ンキ除去ローラ３に達する直前に、エアシリンダ
６の動作により再度該ローラ３及び塵埃吸着ロー
ラ５を順次接触せしめることにより該ブランケツ
ト胴１の印刷転移後のブランケツトゴム２表面に
付着している残余インキ及び塵埃を除去しなが
ら、ブランケツト胴１は回転して更に右方向に進
行し、最右端に到達する。そこで該ローラ３は離
脱し、今度は他方のインキ除去ローラ３′が接触
し、ブランケツト胴１は逆転を開始する。（第４
図ｂ）そして、第３図ａの図面の最右端から左方
向に進行し、そのまま最左端まで移動復帰する。
この間、前記インキ除去ローラ３′及び吸着ロー
ラ５は、前記右方向に進行した時と同様にブラン
ケツト胴１のブランケツトゴム２表面に接触した
まま回転し、ブランケツトゴム２表面の残余イン
キ及びゴミ等を拭き取り及び吸着して、１サイク
ル動作を終了する。従つて、ブランケツトゴム２
表面はブランケツト胴１の往復動作中に清浄化さ
れて、次のサイクルの印刷動作に移る。

本発明装置は、第３図ａに示すように、凹版オ
フセツト印刷機のブランケツト胴１の往復動作に
同期して該ブランケツト胴１のブランケツトゴム
２表面に着脱動作し、ブランケツト胴１の支持フ
レーム（図示せず）と一体に移動動作できるもの
であり、印刷絵柄の円周方向の長さに応じて着脱
動作のタイミングを任意に設定することが可能で
ある。例えば、凹版１４からインキを転移した
後、被印刷体１５にインキを転移するまでの間
は、ブランケツトゴム２上の絵柄インキ付着領域
を回避したタイミング動作でインキ除去ローラ及
び塵埃吸着ローラの両方をブランケツトゴム２表
面に対して離脱させ、それ以外のブランケツト胴
１の往路及び帰路においては、前記ローラを接触
させてブランケツトゴム２表面をクリーニング操
作する。このような動作において、インキ除去ロ
ーラ３，３′及び吸着ローラ５の回転は、これら
ローラ軸９両端に回転伝達用摩擦車１０を設け、
ブランケツト胴１のベアラ１２に押圧接触させる
ことにより回転可能にしてあるため、クロム金属
製のインキ除去ローラ３，３′、あるいはウレタ
ン製の塵埃吸着ローラ５は、シリコン製のブラン
ケツトゴム２の回動に追従しながら確実に、然
も、むらなくゴム表面に付着するインキ、塵埃を
除去することができる。

なお本発明装置は、少なくとも２本のインキ除
去ローラと、少なくとも１本の塵埃吸着ローラを
設けることによつてブランケツトゴム表面の残余
インキ除去及び塵埃除去の目的を達成できるもの
であるが、この基本的なローラ構成に加えて、１
乃至それ以上の単一インキ除去ローラあるいは単
一除塵吸着ローラを付加して実施することは可能
である。又、本発明における塵埃吸着ローラは、
塵埃除去と同時に残余インキの除去をも同時に行
なう作用があるものである。

本発明によれば、被印刷体に対してインキの転
移を終えた後のシリコンブランケツトゴム表面に
対して、該ブランケツトゴムよりもインキ親和力
のあるクロム金属表面を有するインキ除去ローラ
３，３′を接触せしめ、ブランケツトゴム表面に
付着する残余インキを除去することができる。ま
た、ブランケツトゴム表面に吸着する微細なゴミ
等の塵埃は、ウレタンゴム製の吸着ローラ５によ
り除去することができる。そして、それらのクリ
ーニング操作を印刷動作と連動させて、１往復毎
に自動的に行なうことができるもので、ブランケ
ツト汚れによる印刷むらや、塵埃による印刷不良
の防止対策として効果的である。更に印刷稼働中
におけるこのようなインキ、塵埃の除去操作にお
いては、従来のような溶剤及び布帛などのウエス
を使用しないため、ブランケツトゴムの膨潤ある
いは溶剤飛散や布帛の毛羽立ち等による被印刷体
への汚損や印刷面の劣化の心配がないなど、凹版
オフセツト印刷作業の品質向上、能率向上及び省
力化に顕著な効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の側面図、第２図は本発明
装置の正面図、第３図ａは本発明における凹版オ
フセツト印刷機の全体側面図、第３図ｂは本発明
における凹版オフセツト印刷機の全体平面図、第
４図は本発明装置の作動状態説明図である。 １……ブランケツト胴、２……ブランケツトゴ
ム、３，３′……インキ除去ローラ、４，４′……
ドクタブレード、５……塵埃吸着ローラ、６……
エアシリンダ、７……ブラケツト、８……インキ
除去ローラ、９……ローラ軸、１０……摩擦車、
１１……ピニオンギア、１２……ベアラ、１４…
…凹版、１５……被印刷体、１６……凹版定盤、
１７……被印刷体定盤、１８……ラツクギア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 凹版定盤１６、被印刷体定盤１７、及び該定
   盤１６，１７上を往復摺動して正転及び逆転する
   ブランケツト胴１と、インキング操作用スキージ
   等を備えた凹版オフセツト印刷機において、ブラ
   ンケツト胴１表面に装着したシリコンゴムを主体
   とするブランケツトゴム２表面に対して少なくと
   も各印刷サイクル毎の被印刷体１５に対する印刷
   画像インキ転移後の任意設定タイミングにて接触
   し従動回転動作可能なクロムなどの金属表面を有
   する少なくとも２本のインキ除去ローラ３，３′
   と、該ローラ間に位置して前記ブランケツトゴム
   ２表面に対して少なくとも各印刷サイクル毎の被
   印刷体１５に対する印刷画像インキ転移後の任意
   設定タイミングにて接触し従動回転動作可能なウ
   レタンゴムなど柔軟性ゴム表面を有する少なくと
   も１本の塵埃吸着ローラ５とを設けたことを特徴
   とする凹版オフセツト印刷用ブランケツトクリー
   ニング装置。 ２ 少なくとも２本の前記インキ除去ローラ３，
   ３′と該ローラ間に備える少なくとも１本の前記
   塵埃吸着ローラ５を、個々にエアシリンダ６によ
   りブランケツト胴１に装着した前記ブランケツト
   ゴム２表面に対して着脱可能に設け、それらのロ
   ーラ３，３′と、ローラ５の各々両端に、前記ブ
   ランケツト胴１と一体の両端ベアラ１２に接触し
   て回転する摩擦車１０を取付けたことを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の装置。