JPH09109164A - カーペット廃材熱プレス成形品及びその製造方法 - Google Patents

カーペット廃材熱プレス成形品及びその製造方法

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JPH09109164A
JPH09109164A JP26735295A JP26735295A JPH09109164A JP H09109164 A JPH09109164 A JP H09109164A JP 26735295 A JP26735295 A JP 26735295A JP 26735295 A JP26735295 A JP 26735295A JP H09109164 A JPH09109164 A JP H09109164A
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JP
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carpet
waste material
container
hot press
press molded
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JP26735295A
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Masaru Hamamura
大 浜村
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Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Kakoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カーペット廃材を再利用するカーペット廃材熱
プレス成形品及びその製造方法を提供することにある。 【解決手段】カーペット廃材熱プレス成形品は、カーペ
ット繊維をもつ表層部と表層部の裏面に裏打ちされた熱
可塑性樹脂を含む裏打層とを備えたカーペット廃材を用
い、カーペット廃材を破砕した破砕片2の集合体を容器
4のキャビティ40iにセットし、加熱後に加圧成形し
て形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車フロ
ア用カーペットの生産時に発生するカーペット廃材を利
用した熱プレス成形品に関する。本発明は、例えば、自
動車用ビードレスマット、ハードシート、ハードボー
ド、サイレンサー、建築用の基材などに利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車フロア用カーペットにおい
てその廃材の処理が重要な課題となっている。カーペッ
ト廃材の再利用としては、例えば、反毛してサイレンサ
ー材の原料に混入する形態、特開平5−293828号
公報に開示されている様に、廃材を粉砕溶融し、それを
バッキング材に混入する形態、或いは、水硬性ウレタン
をバインダとし、スチーム加熱処理、乾燥処理を経て、
廃材からなる成形品を得る形態が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの形態で
は、手間がかかったり、大がかりな設備投資が必要であ
ったりし、そのためカーペット廃材のリサイクル率はあ
まり高くない。更にリサイクル処理においては、カーペ
ット繊維と裏打層の樹脂とを明確に分別することが好ま
しい。しかしながらカーペットでは、カーペット繊維を
もつ表層部に裏打層の樹脂が深くしみこんでいるため、
カーペット繊維と樹脂との分別は、実質的には不可能で
ある。
【0004】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、その課題は、上記した形態とは異なる形態で、
カーペット廃材を再利用するカーペット廃材熱プレス成
形品及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】カーペットには抜糸強度
や保形性を確保するために裏打層が形成されており、裏
打層に含まれる熱可塑性樹脂をバインダとしてそのまま
利用できること、カーペット繊維群は多数の繊維の集合
体からなるため表面積が極めて大きく、しかもカーペッ
ト繊維が密集していること、従って融液状のバインダが
カーペット繊維に付着したり含浸したりし易いことに、
本発明者は着目した。
【0006】そして、裏打層に含まれる熱可塑性樹脂を
バインダとして、カーペット繊維に付着させたり含浸さ
せたりした状態で、加圧すれば、カーペット繊維が良好
に結合され、したがってカーペット廃材を有効利用で
き、カーペット廃材を廃棄物として廃棄せずとも良くな
ることを本発明者は知見し、本発明に係るカーペット廃
材熱プレス成形品及びその製造方法を完成した。
【0007】即ち、本発明に係るカーペット廃材熱プレ
ス成形品は、カーペット繊維群をもつ表層部と表層部の
裏面に裏打ちされた熱可塑性樹脂を含む裏打層とを備え
たカーペット廃材を用い、カーペット廃材を破砕した破
砕片の集合体を容器のキャビティにセットし、加熱加圧
成形して密度0.3〜1.2g/cm3 に規定したこと
を特徴とするものである。
【0008】本発明に係るカーペット廃材熱プレス成形
品の製造方法は、上記したカーペット廃材熱プレス成形
品の製造に適するものであり、カーペット繊維群をもつ
表層部と表層部の裏面に裏打ちされた熱可塑性樹脂を含
む裏打層とを備えたカーペット廃材を破砕した破砕片
と、キャビティとキャビティに連通する多数個の熱風供
給孔とを備えた容器とを用い、容器のキャビティに破砕
片の集合体を収容し、熱風供給孔から熱風を容器のキャ
ビティに供給して破砕片の集合体のうち熱可塑性樹脂の
少なくとも一部を溶融する加熱工程と、容器のキャビテ
ィに収容されているまたは別の容器に移し替えた、熱可
塑性樹脂の少なくとも一部が溶融した状態の破砕片の集
合体を加圧して、カーペット熱プレス成形品を得る加圧
工程とを順に実施することを特徴とするものである。
【0009】なお請求項2に係る製造方法は、請求項1
に規定された密度をもつ熱プレス成形品の製造に限定さ
れるものではなく、それ以外の密度をもつ熱プレス成形
品の製造に適用しても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いるカーペット廃材
は、カーペット繊維群をもつ表層部と、表層部の裏面に
裏打ちされた熱可塑性樹脂を含む裏打層とを備えてい
る。代表的な表層部としては、ループまたはカットした
多数のパイル糸をもつタフトカーペットの形態、繊維を
ニードルパンチ処理で絡ませたニードルパンチカーペッ
トの形態がある。
【0011】裏打層は、前述した様に抜糸強度や保形性
を確保するためのものである。裏打層には熱可塑性樹脂
が含まれている。カーペット廃材としては、例えば、熱
可塑性樹脂の量が100〜3000g/m2 程度、特に
250〜2000g/m2 程度のものを採用できる。重
量比で言えば、カーペットを100%とすれば熱可塑性
樹脂の量が30〜50%程度のものを採用できる。
【0012】裏打層における熱可塑性樹脂としては、例
えば、ポリエチレン、(EVA+炭酸カルシウム)、ポ
リプロピレン等を採用できるが、これらに限定されるも
のではない。本発明によれば、カーペット廃材の裏打層
の熱可塑性樹脂の少なくとも一部が融液となり破砕片同
士の間に介在し、これが固化することにより、バインダ
として機能し、破砕片同士の結合性が高まる。
【0013】熱可塑性樹脂が不足する場合には、破砕片
にバインダを別途添加することもできる。このバインダ
としては、カーペット廃材の裏打層に含まれる熱可塑性
樹脂と同系または同種のものを採用するのが好ましい。
添加形態としては、パウダー状の樹脂を破砕片と混ぜ合
わせる形態、低融点樹脂繊維を外側にもつその断面が芯
鞘構造の繊維、または全部が低融点でできた樹脂繊維を
破砕片と混ぜ合わせる形態を採用できる。
【0014】本発明に係る熱プレス成形品の密度は加圧
工程における加圧力に影響を受け、加圧力が大きいと高
密度の熱プレス成形品が得られ易い。熱プレス成形品の
密度は0.3〜1.2g/cm3 に規定されているが、
密度の上限値は1.0g/cm3 、0.8g/cm3
でき、密度の下限値は0.3g/cm3 、0.4g/c
3 にできる。
【0015】更に熱プレス成形品の曲げ強度を確保すべ
く、補強芯体として機能する骨材を埋設することもでき
る。骨材としては金属系例えば鉄系の棒部材を採用でき
る他、金属系に限らず、紙、ガラス、長繊維等も採用で
きる。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
カーペット廃材1は自動車フロア用カーペットの廃材で
あり、図1に模式的に示す様に、カーペット繊維群をも
つ表層部10と、表層部10の裏面に裏打ちされた熱可
塑性樹脂を含む裏打層12とを備えている。
【0017】図1(A)には、カーペット繊維であるパ
イル糸10aを備えた基布10bが裏打層12で裏打さ
れている形態が示されている。図1(B)には、カーペ
ット繊維であるパイル糸10hがパンチング処理により
絡みつつ固められ、それに裏打層12で裏打されている
形態が示されている。本実施例によれば、上記したカー
ペット廃材1を破砕機にて破砕処理し、2〜30mm程
度、特に5〜10mm程度の破砕片2とする。破砕片2
を図2に模式的に示す。
【0018】裏打層12は、熱可塑性樹脂であるポリエ
チレン(PE:融点110°C程度)を主成分としてい
る。裏打層12の厚みは0.2〜0.8mm程度であ
る。この例で用いたカーペット廃材1は、裏打層12が
250〜2000g/m2 のカーペットの廃材である。
本実施例によれば、先ず加熱工程を行う。この工程では
図3に示す容器4を用いる。この容器4は加熱用の容器
及び加圧成形用の成形型としても機能できる。この容器
4は、金属製の円筒形状あるいは角筒形状のキャビティ
40iを形成する筒体40と、筒体40の底部に配置さ
れた多孔盤として機能する下網体42とを備えている。
下網体42は補強桁46で補強されている。そして筒体
40の上面開口40rからキャビティ40iに破砕片2
の集合体を所要量挿入して収容する。更に図3に示す様
に筒体40の上端部に上網体43を被着する。
【0019】下網体42は、キャビティ40iに連通す
る多数個の熱風供給孔44を備えている。下網体42
は、具体的にはパンチングメタルで構成されている。パ
ンチングメタルは、比較的厚肉の金属製の平板をパンチ
ング処理して打抜孔を形成したものであり、比較的剛性
を備えている。上網体43も多数個の熱風供給孔44を
備えている。後述から理解できる様に、上網体43には
下網体42程の荷重は作用しないため、可撓性をもつ網
で構成することもできるが、剛性をもつパンチングメタ
ルで構成しても良い。熱風供給孔44の孔径は、破砕片
2の平均径よりも小さいことが好ましい。
【0020】この状態で容器4を加熱炉5の炉室(設定
温度:120〜180℃)に装入し、容器4の筒体40
内の破砕片2の集合体を加熱する。金属製の筒体40も
加熱されるので、筒体40内の破砕片2は加熱され、裏
打層12の熱可塑性樹脂少なくとも一部が溶融する。こ
のとき加熱炉5の熱風は、下網体42の熱風供給孔44
及び上網体43の熱風供給孔44からキャビティ40i
に供給される。これにより破砕片2の裏打層12の熱可
塑性樹脂が一層早期に溶融できる。従って加熱工程の所
要時間の短縮化に有利である。
【0021】本実施例によれば、カーペット廃材1の表
層部10を構成する多数のカーペット繊維群の表面積は
極めて大きく、しかも多数のカーペット繊維が起毛状に
密集している。よって、溶融した融液が起毛状のカーペ
ット繊維に付着したり含浸したりし易いことから、融液
が下網体42の熱風供給孔44から落下することは軽
減、回避される。
【0022】なお筒体40の上端部に上網体43が被着
されているため、熱風による破砕片2の吹き飛びが抑制
されている。上記した加熱工程を終了したら加圧工程を
行う。加圧工程では、加熱炉5の炉室から容器4を取り
出し、図4に示す加圧装置6にその容器4をセットす
る。この加圧装置6は、油圧または空圧で駆動する作動
軸61を備えたシリンダ装置である駆動源60と、作動
軸61の先端部に取付けられたピストン状の加圧体62
とを有する。加圧体62は、筒体40の上面開口40r
と同じ平面形状をなしている。
【0023】そして図4から理解できる様に、容器4の
筒体40から上網体43を外した状態で、筒体40内の
破砕片2の集合体の上部に、不織布等のシート状をなす
表皮72を載せる。その後、加圧装置6の駆動源60を
駆動させて、加圧体62を容器4の筒体40の上面開口
40rからキャビティ40i内に矢印Y1方向に押入
し、これにより破砕片2の集合体を圧縮する。下網体4
2は、パンチングメタル製で剛性をもち、しかも補強桁
46で補強されているため、圧縮処理は良好となり、破
砕片2に高圧を負荷できる。従って熱プレス成形品7の
高密度化に有利である。
【0024】本実施例によれば、圧縮に伴い破砕片2同
士が接近すると共に、熱可塑性樹脂の融液部分が破砕片
2同士に介在する。前述した様に融液は、表面積が極め
て大きく起毛状に密集しているカーペット繊維群に付着
したり、含浸したりし易い。なお本実施例によれば、加
圧工程における加圧力は4〜8kgf/cm2 、加圧時
間は1〜3分間程度であるが、加圧力や加圧時間は破砕
片2の量や種類、加熱温度等に応じて調整されるもので
あり、上記値に限定されるものでない。
【0025】この様に破砕片2の集合体を加圧体62で
圧縮したまま、破砕片2の集合体が冷えるまで待つ。こ
れにより熱プレス成形品7が成形される。熱プレス成形
品7への表皮72の同時接合も可能となる。一般的には
熱プレス成形品7が常温付近に冷えるまで待つ。冷却を
促進するために、下網体42の熱風供給孔44から冷却
用の風を供給することも好ましい。筒体40に冷却用の
風を接触させることも好ましい。
【0026】その後、容器4の筒体40から熱プレス成
形品7を離型する。この熱プレス成形品7の密度は0.
8〜1.0g/cm3 程度であり、硬質であった。図5
(A)は上記した様にして製造した熱プレス成形品7の
模式的断面を示す。この熱プレス成形品7によれば、上
面7mは、表皮72が接合された表皮接合構造とされて
おり、下面7nは、表皮72が接合されていない非接合
構造とされている。熱プレス成形品7の肉厚は用途に応
じて適宜選択でき、20mm以下、10mm以下、5m
m以下のパネル形状にできる。加圧工程における加圧力
が大きいと、一般的には、高密度で薄型のパネル形状が
得られ易い。
【0027】本実施例によれば、熱プレス成形品7を構
成する破砕片2同士は、一旦融液となって固化した熱可
塑性樹脂で結合されている。このとき前述した様にカー
ペット繊維に熱可塑性樹脂の融液が付着したり含浸した
りし易い。更に表皮72も、一旦融液となって固化した
熱可塑性樹脂で接合されている。図6は、顕微鏡で調べ
た熱プレス成形品7の内部組織を模式的に示すものであ
る。図6から理解できる様にカーペット繊維10eは熱
可塑性樹脂7iに埋設状態で結合されていることがわか
る。
【0028】ところでカーペット廃材1の破砕片2に含
まれている熱可塑性樹脂は融液となると、容器4に付着
し易く、これにより熱プレス成形品7を離型する際に表
面欠陥が生じるおそれがある。この点本実施例によれ
ば、加圧体62で熱プレス成形品7を加圧したまま熱プ
レス成形品7が冷えるまで待つ。そのため熱プレス成形
品7を容器4から離型する際に、熱プレス成形品7の型
離れ性が確保され、熱プレス成形品7に表面欠陥が生じ
ることを抑えるのに有利である。
【0029】更に熱プレス成形品7は表皮72で被覆さ
れているので、カーペット廃材1の破砕片2を人目から
隠すことができ、意匠的外観の向上に有利である。特に
表皮72が化粧用として機能できる場合には、意匠的外
観の向上に有利である。なお本実施例によれば、カーペ
ット廃材1の破砕片2に含まれている熱可塑性樹脂で破
砕片2の結合が充分達成されない場合には、破砕片2に
バインダを混在させても良い。
【0030】更に本実施例によれば、カーペット廃材1
の破砕片2に含まれている熱可塑性樹脂はポリエチレン
が主成分である。ポリエチレンは一般的には90〜11
0℃程度しか耐熱性をもたない。そのため本実施例で製
造した熱プレス成形品7の耐熱性にも限界がある。この
様な場合にはポリエチレンよりも高融点の熱可塑性樹脂
を混在させれば良い。例えばポリプロピレン(融点16
5〜175℃)を混在させれば、熱プレス成形品7にお
ける耐熱性の向上を図り得る。
【0031】なお本実施例によれば図5(B)に示す様
に、熱プレス成形品7の内部に、曲げ強度を確保するの
に有利な鉄棒部材等の骨材77を埋設することにしても
良い。この骨材77は容器4のキャビティ40iに破砕
片2の集合体と共に収容する。なお本実施例によれば、
カーペット廃材1の加熱工程及び加圧工程を、同一の容
器4を用いているが、これに限らず、それぞれの工程を
別の容器を用いて達成しても良い。この場合には、通気
性をもつ不織布を予めセットした加熱用の容器にカーペ
ット廃材を投入し、熱風でカーペット廃材を加熱する。
次に、加熱したカーペット廃材1の崩れを抑えつつ、カ
ーペット廃材1を包んだ不織布を、加熱用の容器から離
脱させる。そしてカーペット廃材1を包んだ不織布を、
加圧成形用の容器(成形型を含む)に移し替え、その状
態で加圧成形することが好ましい。この場合には、不織
布により、容器の壁面にカーペット廃材やバインダが付
着することを抑制でき、型離れ性の確保に有利である。
【0032】(他の例)図7は他の例を示す。この例で
は容器4を構成する筒体40にも熱風供給孔44が形成
されている。従って容器4のキャビティ40iに熱風が
供給され易い。従ってキャビティ40iに収容した破砕
片2の熱可塑性樹脂を融液状とするのに有利である。
【0033】図8は他の例を示す。この例では容器4
は、円形状の熱風供給孔44が多数形成された箱体47
と、箱体47を補強する適数枚の補強板48と、補強板
48に交差状態に橋架された補強桁46とを備えてい
る。この様に補強板48や補強枠46で容器4を補強す
れば、容器4内の破砕片2を高圧で加圧するのに有利で
ある。
【0034】図9は更に他の例を示す。この例では容器
4の熱風供給孔44は、網目が細かい網体80で覆われ
ている。従って熱風通過性を確保しつつ、容器4の熱風
供給孔44から破砕片2が脱落することを網体80で抑
えるのに有利である。 (試験例)試験で製造した熱プレス成形品7の内部組織
を観察した。この結果を図10の写真(×800倍)に
示す。この試験例では、ポリエステル製ニードルパンチ
カーペット(綿目付:400g/m2 、ポリエチレン2
50g/m2 、ラテックス100g/m2 )を用いた。
加熱工程の条件は140℃て2分間である。加圧力6k
gf/cm2 である。写真から理解できる様に、カーペ
ット繊維に熱可塑性樹脂部分が結合されていることがわ
かる。
【0035】(付記)上記した実施例から次の技術的思
想も把握できる。 ○肉厚が5mm以下の薄型パネル形状をなし、一面は、
表皮が接合された表皮接合構造であり、一面に背向する
他面は、表皮が接合されていない表皮非接合構造である
請求項1に記載のカーペット廃材熱プレス成形品。 ○容器は、多数個の熱風供給孔を備えていることを特徴
とする請求項2に係る製造方法。 ○熱風供給孔の孔径は、カーペット廃材の破砕片の平均
径よりも小さいことを特徴とする請求項2に係る製造方
法。 ○容器は、キャビティを形成する筒体と、筒体の下部に
配置され破砕片の集合体を保持すると共に多数個の熱風
供給孔を備えた網体等の多孔盤とを備えていることを特
徴とする請求項2に係る製造方法。 ○加圧工程の後に、冷却用の風を熱風供給孔からキャビ
ティに供給することを特徴とする請求項2に記載の方
法。 ○加熱した材料の崩れを抑えつつ型から取り出し、別に
用意した冷却用成形型で押圧成形する方法。
【0036】
【発明の効果】本発明に係るカーペット廃材熱プレス成
形品によれば、カーペット廃材に含まれる熱可塑性樹脂
が破砕片同士、即ち、多数密集しているカーペット繊維
群のカーペット繊維同士を結合するバインダ効果は、破
砕片の裏打層に含まれる熱可塑性樹脂あるいはカーペッ
ト廃材の表層部に含まれる繊維のうち比較的低融点のも
のによって達成される。
【0037】よって熱プレス成形品を構成する破砕片同
士やカーペット繊維同士の強固な結合が得られる。従っ
て嵩高なまたは硬質な熱プレス成形品を得るのに有利で
ある。換言すれば、本発明に係るカーペット廃材熱プレ
ス成形品によれば、カーペット繊維が多量に含まれてい
るため、多数密集しているカーペット繊維に熱可塑性樹
脂の融液が付着したり含浸したりするのに有利である。
これによりカーペット繊維の結合性の向上に貢献でき
る。
【0038】更に熱プレス成形品においてカーペット繊
維は繊維方向が特定されることなく分散している。その
ため、熱プレス成形品における性状の方向性の軽減にも
貢献できる。本発明に係るカーペット廃材熱プレス成形
品によれば、車両等に使用されるカーペット廃材を有効
に再利用することができる。よって産業廃棄量を減らす
ことが可能となる。
【0039】本発明に係る製造方法によれば、上記した
効果を奏する熱プレス成形品が得られる。しかも本発明
に係る製造方法によれば、熱風供給孔から熱風をキャビ
ティ内に供給するので、キャビティに収容されているカ
ーペット廃材の破砕片をむらなく加熱するのに有利であ
り、熱可塑性樹脂の融液の分布のむらを低減するのにも
貢献でき、カーペット廃材熱プレス成形品における均一
結合性や強度の確保に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーペット廃材の形態を示す構成図である。
【図2】カーペット廃材の破砕片の斜視図である。
【図3】容器のキャビティにカーペット廃材の破砕片を
収容している状態の断面図である。
【図4】容器のキャビティに収容したカーペット廃材の
破砕片を加圧体で圧縮している状態の断面図である。
【図5】製造した熱プレス成形品の断面を模式的に示す
構成図である。
【図6】製造した熱プレス成形品の内部におけるカーペ
ット繊維と熱可塑性樹脂部分との結合関係を模式的に示
す構成図である。
【図7】他の例に係り、破砕片の集合体を収容している
状態の容器の断面図である。
【図8】他の例に係る容器の斜視図である。
【図9】他の例に係り、容器の熱風供給孔を網体で被覆
している状態の要部の斜視図である。
【図10】熱可塑性樹脂に埋設されているカーペットの
繊維の形状を示す写真である。
【符号の説明】
図中、1はカーペット廃材、10は表層部、12は裏打
層、2は破砕片、4は容器、42は下網体、44は熱風
供給孔、5は加熱炉、6は加圧装置、7は熱プレス成形
品、72は表皮をそれぞれ示す。
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーペット繊維群をもつ表層部と該表層部
    の裏面に裏打ちされた熱可塑性樹脂を含む裏打層とを備
    えたカーペット廃材を用い、該カーペット廃材を破砕し
    た破砕片の集合体を容器のキャビティにセットし、加熱
    加圧成形して密度0.3〜1.2g/cm3 に規定した
    カーペット廃材熱プレス成形品。
  2. 【請求項2】カーペット繊維群をもつ表層部と該表層部
    の裏面に裏打ちされた熱可塑性樹脂を含む裏打層とを備
    えたカーペット廃材を破砕した破砕片と、 キャビティと該キャビティに連通する多数個の熱風供給
    孔とを備えた容器とを用い、 該容器のキャビティに該破砕片の集合体を収容し、該熱
    風供給孔から熱風を該容器のキャビティに供給して該破
    砕片の集合体のうち熱可塑性樹脂の少なくとも一部を溶
    融する加熱工程と、 該容器の該キャビティに収容されているまたは別の容器
    に移し替えた、熱可塑性樹脂の少なくとも一部が溶融し
    た状態の該破砕片の集合体を加圧して、カーペット廃材
    熱プレス成形品を得る加圧工程とを順に実施することを
    特徴とするカーペット廃材熱プレス成形品の製造方法。
JP26735295A 1995-10-16 1995-10-16 カーペット廃材熱プレス成形品及びその製造方法 Pending JPH09109164A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002192543A (ja) * 2000-12-25 2002-07-10 Asahi Fiber Glass Co Ltd 産業廃棄物を用いた繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法
JP2004330534A (ja) * 2003-05-02 2004-11-25 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd タイルカーペットをリサイクルした成形吸音材
JP2013173338A (ja) * 2012-01-26 2013-09-05 Toyobo Co Ltd 繊維強化熱可塑性樹脂成形品の製造方法

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