JPH09108515A - 容器状液体フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

容器状液体フィルタおよびその製造方法

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JPH09108515A
JPH09108515A JP7270219A JP27021995A JPH09108515A JP H09108515 A JPH09108515 A JP H09108515A JP 7270219 A JP7270219 A JP 7270219A JP 27021995 A JP27021995 A JP 27021995A JP H09108515 A JPH09108515 A JP H09108515A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一体成形加工性、保型性に優れ、かつ通液速
度を被抽出物に適した速度に調節でき、かつ時間の経過
とともに生じる被抽出物の目詰まりを効果的に防止する
ことができる容器状液体フィルタおよびその製造方法を
提供する。 【解決手段】(1) 極細繊維不織布および熱可塑性合成繊
維不織布からなる多層積層体を、フランジ部と該フラン
ジ部より展伸された側面および底面からなる成形部に一
体成形した容器状フィルタにおいて、極細繊維不織布の
少なくとも一層の全面または部分面に透水剤が付着さ
れ、かつ該多層積層体の少なくとも一部が接合されてい
る容器状液体フィルタ。(2) 極細繊維不織布に透水剤を
付着させた後、該極細繊維不織布の両面に熱可塑性合成
繊維不織布を積層し、該積層体を加熱加圧プレス成形機
により容器状に一体成形し、かつ該成形体の少なくとも
一部を接合する容器状液体フィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は容器状液体フィルタ
およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、不織布の
多層積層体を容器状に一体成形して得られる、通液速度
の調節が可能で成分抽出性能に優れた容器状液体フィル
タおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からフィルタ用の汎用材料として、
主に紙、織布、不織布などが用いられているが、近年、
フィルタユニットの小型化、使い捨て、簡便性等の点か
ら、フィルタ材料を立体的に成形して使用する方法が注
目されている。特に極細繊維不織布は、空気の浄化また
は成分抽出性能を向上させる目的でフィルタ分野に多く
使用されているが、極細繊維不織布を立体形状のフィル
タに成形する際には金型に極細繊維不織布が融着し易
い、極細繊維不織布が熱収縮をする等の問題が生じ、ま
た該成形フィルタは、変形し易いという欠点があった。
【0003】このような極細繊維不織布の成形性および
保型性の問題を解決するため、特開平7−136066
号公報には、極細繊維不織布と熱可塑性合成繊維不織布
からなる積層体を容器状に一体成形した容器状多層フィ
ルタが提案され、液体により成分抽出を行う際の通液性
を向上させるため、該容器状多層フィルタ底部の一部に
透水剤を付与して透水性を持たせてもよいことを開示し
ている。しかしながら、上記技術では、一体成形した容
器状多層フィルタに透水剤を付与するため、初期の透水
性は向上するが、時間の経過とともに生じる目詰まりを
効果的に防止することができないため、十分な抽出液が
得難い。また通液速度を被抽出物に適した速度に調節す
ることができない、生産性が悪いという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題を解決し、製造の際の熱プレス成型によ
る一体成形加工性および保型性を向上させるとともに、
通液速度を被抽出物に適した速度に調節でき、かつ時間
の経過とともに生じる被抽出物の目詰まりを効果的に防
止することができる容器状液体フィルタおよびその製造
方法に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願で特許請求される発
明は以下のとおりである。 (1)極細繊維不織布および熱可塑性合成繊維不織布か
らなる多層積層体を、フランジ部と該フランジ部より展
伸された側面および底面からなる成形部に一体成形した
容器状フィルタにおいて、極細繊維不織布の少なくとも
一層の全面または部分面に透水剤が付着され、かつ該多
層積層体の少なくとも一部が接合されていることを特徴
とする容器状液体フィルタ。 (2)多層積層体が、極細繊維不織布の両面に熱可塑性
合成繊維不織布を積層したものであることを特徴とする
(1)記載の容器状液体フィルタ。 (3)透水剤を付着させた極細繊維不織布の面積を被処
理液体の種類により変化させたことを特徴とする(1)
または(2)記載の容器状液体フィルタ。 (4)極細繊維不織布に透水剤を付着させた後、該極細
繊維不織布の両面に熱可塑性合成繊維不織布を積層し、
該積層体を加熱加圧プレス成形機により容器状に一体成
形し、かつ該成形体の少なくとも一部を接合することを
特徴とする容器状液体フィルタの製造方法。
【0006】本発明に用いられる極細繊維不織布は密な
構造の不織布であり、例えば、ポリプロピレン、ポリエ
ステルなどの溶融ポリマーを高圧ガス流とともに紡糸ノ
ズルから噴射させるメルトブロー法、ポリエチレン、ポ
リプロピレンなどのポリマーを有機溶媒に溶解させて高
温高圧の溶液をつくり、これを紡糸ノズルで減圧させて
有機溶媒を爆発的に気化させるノラッシュ紡糸法などの
方法より得ることができる。
【0007】極細繊維不織布の平均繊維径は、繊維の強
度および通液性(フィルタ性能)の点から、0.5〜
6.0μmが好ましく、より好ましくは1.0〜4.0
μmの範囲である。また極細繊維不織布のみかけ密度
は、0.05〜0.5g/cm3 の範囲が好ましく、より好
ましくは0.1〜0.4g/cm3 の範囲である。みかけ密
度が0.05g/cm3 未満の場合は、成形加工時の均一展
伸性に劣り、0.5g/cm3を超えると成形加工時に金型
に密着や融着し易く、また均一展伸性に劣る場合があ
る。さらに極細繊維不織布の目付は、フィルタ性能の点
から10〜100g/m2の範囲が好ましく、より好ましく
は20〜80g/m2である。
【0008】本発明に用いられる熱可塑性合成繊維不織
布は粗な密度の不織布で、熱プレス成形により展伸でき
るものであればよく、例えば、ポリエステル繊維、ポリ
オレフィン繊維、ポリアミド繊維、複合繊維、共重合繊
維などの単一または2以上からなる短繊維、長繊維また
はこれらの混合繊維を、公知のスパンボンド法、ニード
ルパンチ法、サーマルボンド法などの方法により得るこ
とができる。
【0009】熱可塑性合成繊維不織布の平均繊維径は、
補強性、プレフィルタ性等の点から、10〜100μm
が好ましく、より好ましくは15〜60μmの範囲であ
る。また補強性、プレフィルタ性等の点から、熱可塑性
合成繊維不織布の目付は30〜300g/m2が好ましく、
またみかけ密度は0.1〜0.6g/cm3 が好ましい。さ
らに熱可塑性合成繊維不織布は、例えば一対の凹凸金型
を80〜230℃に加熱して成形加工を行なう際には少
なくとも加熱温度での破断伸度が50%以上であること
が好ましく、大変形の展伸(成形)加工を行なう際には
破断伸度は100%以上であることがより好ましい。
【0010】本発明の容器状液体フィルタは、上記極細
繊維不織布と熱可塑性合成繊維不織布からなる多層積層
体で構成されるため、一体成形加工性および保型性に優
れるとともに、積層する不織布の構成繊維径、繊維密
度、繊維量、素材によりフィルタの通液性を調節するこ
とができる。例えば、繊維構成に密度勾配を設け、粗な
構造の熱可塑性合成繊維不織布層で大きな粒子を捕集
し、密な構造の極細繊維不織布層で小さな粒子を捕集さ
せることにより、良好な通液性を得ることができる。
【0011】また本発明においては、上記多層積層体の
極細繊維不織布の少なくとも一層には透水剤が付着され
ているため、該透水剤の付着量および付着面積などを変
えることにより通液速度を変えることができ、成分抽出
の目的に応じた成分抽出量の調節が可能である。なお、
目的に応じて極細繊維不織布だけでなく熱可塑性合成繊
維不織布にも透水剤を付着させることもできるが、この
場合には、フィルタに成形した場合に内側になる層に透
水剤を付着させ、外側になる層には透水剤を付着させな
いことが成分抽出を有効に行う上で好ましい。
【0012】本発明に用いられる透水剤としては特に制
限はないが、食品用フィルタの場合には、食品添加物と
して認可されている、ショ糖、カルボキシルメチルセル
ロース、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル
などを用いることが好ましい。透水剤の付着量は通液性
の点から、0.01〜5.0重量%が好ましく、より好
ましくは0.05〜3.0重量%の範囲である。また透
水剤は、少なくとも極細繊維不織布の一層の全面または
部分的に付着させることができるが、目詰まりを防止し
て通液速度を被抽出物に適した速度に調節する点からは
透水剤を部分的に付着させるのが好ましい。透水剤を部
分的に付着させる場合には、容器形状の側面および底面
の両方に透水剤を部分的に付着させ、容器全体からの通
液を可能にして目詰まりを効果的に防止することが好ま
しい。
【0013】本発明において、極細繊維不織布の少なく
とも一層の全面または部分面に透水剤を付着させたこと
により、抽出液を注いだ初期には通液量を少なくするこ
とができ、時間の経過とともに、抽出液中に透水剤が滲
み出してまたは透水剤の非付着部に透水剤が移行して通
液量を徐々に増加させることができる。このため、時間
の経過により被抽出物の膨潤、拡大などが生じても不織
布の目詰まりを効果的に防止しつつ充分な成分抽出を行
なうことができる。例えば、レギュラーコーヒーの抽出
を行う場合、抽出初期にはお湯とコーヒー粉末の接触時
間が多くなり(約30〜120秒)充分な成分抽出がで
き、しかも膨張したコーヒー粉末による目詰まりを生じ
ることがない。
【0014】また本発明の容器状液体フィルタは、フラ
ンジ部と、該フランジ部より展伸された側面および底面
からなる成形部を有する容器形状のフィルタである。か
かるフィルタは、上記不織布からなる多層積層体を、加
熱−加圧プレス成形機で一体成形することにより得られ
る。例えば、透水剤が付着された極細繊維不織布の両面
に熱可塑性合成繊維不織布を積層し、この積層体シート
を、加熱させた一対の凹凸金型の間に入れてプレス成形
するか、または該積層体シートをあらかじめ成形温度に
加熱した後、加熱していない凹凸金型でプレス成形する
等の方法により一体成形する。成形温度は、容器形状、
繊維材料などにより適宜選定されるが、通常は80〜2
30℃で行なわれる。また成形時の展開比(深さ/口
径)は通常0.1〜1.5とされる。粗な構造の熱可塑
性合成繊維不織布の使用により、加熱−加圧プレス成形
加工時に金型への融着および熱収縮性などの影響を少な
くさせ、かつ成形品の保形性を向上させるなどの効果が
得られる。
【0015】さらに本発明の容器状液体フィルタは、少
なくとも一部が接合されるように成形加工される。その
ためには、例えば、フィルタのフランジ部分などを線状
またはドット状に成形時に融着するように金型に工作し
て成形を行なう等の方法がとられる。積層された容器状
フィルタの少なくとも一部を接合することにより、各不
織布は分離することなく一体物として取扱いできるた
め、梱包作業性、フィルタ製品としての取扱い性が向上
する。
【0016】本発明の容器状液体フィルタは、極細繊維
不織布の少なくとも一層に透水剤を付着させる工程およ
び二種類以上の不織布を積層して加熱−加圧プレス成形
機で容器状に一体成形する工程により製造される。本発
明では、不織布に透水剤の付着処理をした後に一体成形
を行うため、容器状液体フィルタの製造工程を簡素化す
ることができる。
【0017】透水剤を付着させる工程では、公知の透水
剤界面活性剤等をグラビヤロール方式、キスロール方
式、スプレー方式、浸漬方式等の手段により目的とする
必要な量を不織布の全面または部分面に付着させる。透
水剤の付着量の調節は、透水剤の濃度、加工速度、グラ
ビヤロールの彫刻の深さなどにより行うことができる。
また透水剤の付着面積の調節は、例えば、グラビヤロー
ルの彫刻の形状をストライブ状や格子状等の連続模様ま
たは円、楕円、四角、菱形等の散点模様とし、その模様
の大きさ、幅、間隔等を変えることにより行う。このよ
うにして得られた容器状液体フィルタは、熱可塑性合成
繊維不織布の使用により優れた一体成形加工性および保
型性を同時に得られ、また極細繊維不織布の少なくとも
一層の全面または部分面に透水剤を付着させることによ
り、目詰まりを防止するとともに通液速度の調節を行う
ことができ、被抽出物に適した通液速度で成分抽出を行
うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例を示す
容器状液体フィルタの斜視図である。図において、容器
状液体フィルター1は、フランジ部2と、該フランジ部
2より展伸された側面イと底面ロを有する成形部3から
なり、フランジ部2に積層不織布の接合部5を形成させ
て一体化させて得られる。この容器状液体フィルタは、
保型性に優れるため、既存容器上に簡便に装着でき、被
抽出物を該フィルタ内に入れ、抽出液を注ぐだけで容易
に成分抽出が行なえる。
【0019】図2は、本発明の一実施例を示す容器状液
体フィルタの断面図である。図において、容器状液体フ
ィルタ1は、極細繊維不織布12の両面に熱可塑性合成
繊維不織布11、13が積層されており、フランジ部2
と成形部3とからなり、フランジ部2に接合部5を有す
る。図3は、部分透水性の加工を行なう場合の代表的な
透水剤の付着形状を示す図である。(1)はストライブ
状の連続模様、(2)は格子状の連続模様、(3)は水
玉状の不連続模様を示す。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明は、これらに限定されるものでない。なお、
例中の目付、厚さ、平均みかけ密度および破断伸度は以
下のようにして測定した。 (1) 目付(g/m2 ):単位面積当たりの質量でJIS
−1906に準して測定した。 (2) 厚さ(mm):JIS−L−1906に準じて厚さを
測定した。 (3) 平均みかけ密度:上記で測定した目付と厚さから下
記式により算出した。 (平均みかけ密度)=(目付)/〔1000×(厚
さ)〕 (4) 破断伸度:JIS−L−1906の測定方法に準じ
て測定した(雰囲気温度120℃)。
【0021】実施例1 平均繊径1.6μm、平均みかけ密度0.16g/cm3
目付20g/m2のプロピレン極細繊維不織布をメルトブロ
ー方式で製造し、この極細繊維不織布の全面に、5重量
%ポリグリセリン脂肪酸エステルのエタノール溶液を用
いてグラビヤロール方式で、該不織布の重量に対して
(以下同じ)0.2重量%の透水剤を付着させた。次い
で、平均繊径20μm、平均みかけ密度0.35g/c
m3 、目付50g/m2のポリエステル長繊維不織布をスパ
ンボンド方式で製造した。得られたポリエステル長繊維
不織布の120℃の破断伸度は270%であった。
【0022】上記で得られた極細繊維不織布の両面にポ
リエステル長繊維不織布を積層し、この積層体を、12
5℃の温度に加熱した口径70mm、深さ40mmの容器状
の凹凸金型を用いて加熱−加圧プレスし、一体成形して
本発明の容器状液体フィルタを得た(展開比=0.5
7)。得られた容器状液体フィルタをカップの上に装着
し、該フィルタ内に紅茶の葉約2g入れて、熱水で成分
抽出を行なった。細かい葉の洩れもなく、香りの良い紅
茶を飲むことができた。
【0023】実施例2 平均繊径2.0μm、平均みかけ密度0.13g/cm3
目付50g/m2のプロピレン極細繊維不織布をメルトブロ
ー方式で製造し、この極細繊維不織布に直径10mmの円
形の水玉柄グラビヤロールを用い、水玉状に透水剤(デ
カグリセリン脂肪酸エステル)0.12重量%を部分付
着させた。このときの透水剤の付着面積は23%であっ
た。
【0024】次いで、ポリエチレンテレフタレート(固
有粘度0.76)を用いて紡糸速度2250m/分でポ
リエステル長繊維ウエブを得た後、圧着面積率24%の
織目柄エンボスロールと平滑ロールで部分熱圧着して、
スパンボンド方式の不織布中間体を得た。該不織布中間
体を温度130℃のフェルトカレンダーに通して熱処理
を行い、ポリエステル長繊維不織布を得た。該不織布
は、平均繊維径16μm、平均みかけ密度0.33g/cm
3 、目付100g/m2、120℃の破断伸度が210%で
あった。さらに同様の方法で目付50g/m2のポリエステ
ル長繊維不織布を得た。
【0025】上記目付100g/m2のポリエステル長繊維
不織布の全面に2重量%のソルビタン脂肪酸エステル
(ソルビタンモノラウレート)水溶液を用いてグラビヤ
ロール方式で透水剤を0.5重量%付着させた。全面透
水加工した目付100g/m2のポリエステル長繊維不織
布、部分透水性を付与した極細繊維不織布および透水加
工なしの目付50g/m2のポリエステル長繊維不織布を順
に積層し、目付100g/m2のポリエステル長繊維不織
布が容器の内側となるように、130℃の温度に加熱し
た口径65mm、深さ50mmの容器状の凹凸金型を用いて
一体成形し、本発明の容器状液体フィルタを得た(展開
比=0.77)。
【0026】得られた容器状液体フィルタをカップの上
部に載置し、該フィルタ内にレギュラーコーヒー粉末7
g入れて、熱水を注いで成分抽出を行なった。注いだ熱
水は、部分透水している成形部の側面と底面から透過
し、初期の通液性は少なく、コーヒー粉末の膨潤、拡大
が十分にでき、その結果成分抽出が充分でき、また目詰
まりも防止でき、さらにコーヒー粉末の洩れもなく、香
りの良い透明なものが得られた。
【0027】実施例3 平均繊維径2.0μm、平均みかけ密度0.12g/cm
3 、目付50g/m2のプロピレン極細繊維不織布をメル
トブロー方式で製造し、この極細繊維不織布に彫刻され
たグラビヤロール線状模様を用いて透水剤面積が各々約
20%、40%、100%となるように10重量%デカ
グリセリン脂肪酸エステルのエタノール溶液を用いて透
水剤付与を行った。
【0028】次いでポリエチレンテレフタレート(固有
粘度0.78)を用いて紡糸速度2300m/分でポリ
エステル長繊維ウエブを得た後、圧着面積率24%の織
目柄エンボスロールと平滑ロールで部分熱圧着してスパ
ンボンド方式の不織布中間体を得た。該不織布中間体を
温度140℃のフェルトカレンダーに通して熱処理を行
い、ポリエステル長繊維不織布を得た。この不織布の平
均繊径は15μm、平均みかけ密度0.31g/c
3 、目付50g/m2 、120℃の加熱下での破断伸
度が230%であった。
【0029】上記で得られたそれぞれの極細繊維不織布
の両側にポリエステル長繊維不織布を積層させ、それぞ
れ加熱−加圧プレス成形して本発明の容器状液体フィル
タを得た。成形加工は、口径65mm、深さ40mmの
容器状凹凸金型を温度140℃に加熱して一体成形した
(展開比0.62)。得られたそれぞれの容器状液体フ
ィルタをカップの上に装着し、該フィルタ内にレギュラ
ーコーヒー粉末12gを入れて180mlの熱水を注い
で成分抽出を行った。注いだ熱水は、部分透水性の場合
は、側面と底面から通過した。透水剤の付着面積による
通液時間および成分抽出状態を観察し、その結果を表1
に示した。表1から、透水剤の付着面積を変えることに
より、通液時間が変化し、成分抽出性を変えられること
がわかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の容器状液体フィルタは、一体成
形性および保型性に優れるとともに、透水剤の付着量お
よび付着面積を変えることにより、目詰まりを防止しつ
つ通液速度を調節できるため、目的に応じた成分抽出を
行なうことができる。従って、本発明の容器状液体フィ
ルタは、既存の容器、カップの上に装着が容易に行なえ
るため、紅茶、緑茶、レギュラーコーヒー粉末等の成分
抽出フィルタ、または油こしフィルタなどの各種液体フ
ィルタに利用できる。また本発明の製造方法によれば、
不織布に透水剤を付着させてから一体成形するため、製
造工程が簡素化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す容器状液体フィルタの
斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す容器状液体フィルタの
断面図である。
【図3】部分透水加工を行う場合の代表的な透水剤の付
着形状を示す図である。
【符号の説明】
1…容器状液体フィルタ、2…フランジ部、3…成形
部、5…接合部、11、13…熱可塑性合成繊維不織
布、12…極細繊維不織布、イ…側面、ロ…底面。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極細繊維不織布および熱可塑性合成繊維不
    織布からなる多層積層体を、フランジ部と該フランジ部
    より展伸された側面および底面からなる成形部に一体成
    形した容器状フィルタにおいて、極細繊維不織布の少な
    くとも一層の全面または部分面に透水剤が付着され、か
    つ該多層積層体の少なくとも一部が接合されていること
    を特徴とする容器状液体フィルタ。
  2. 【請求項2】多層積層体が、極細繊維不織布の両面に熱
    可塑性合成繊維不織布を積層したものであることを特徴
    とする請求項1記載の容器状液体フィルタ。
  3. 【請求項3】透水剤を付着させた極細繊維不織布の面積
    を被処理液体の種類により変化させたことを特徴とする
    請求項1または2記載の容器状液体フィルタ。
  4. 【請求項4】 極細繊維不織布に透水剤を付着させた
    後、該極細繊維不織布の両面に熱可塑性合成繊維不織布
    を積層し、該積層体を加熱加圧プレス成形機により容器
    状に一体成形し、かつ該成形体の少なくとも一部を接合
    することを特徴とする容器状液体フィルタの製造方法。
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