JPH09108514A - 植物プランクトン除去用濾布及びそれを用いた水質浄化装置 - Google Patents

植物プランクトン除去用濾布及びそれを用いた水質浄化装置

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JPH09108514A
JPH09108514A JP7268869A JP26886995A JPH09108514A JP H09108514 A JPH09108514 A JP H09108514A JP 7268869 A JP7268869 A JP 7268869A JP 26886995 A JP26886995 A JP 26886995A JP H09108514 A JPH09108514 A JP H09108514A
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JP
Japan
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drum
phytoplankton
water
filter cloth
roll
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Application number
JP7268869A
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English (en)
Inventor
Tomotaka Yanagida
友隆 柳田
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KUREATERA KK
Createrra Inc
Original Assignee
KUREATERA KK
Createrra Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物をプランクトンを含有した大量の被処理
水を、連続して、かつ安定した速度によって濾過処理す
る。 【解決手段】 貯水槽18の内部にドラム12を設置す
る。ドラム12の外周面を挟んで二対の送りロール14
a及び14bと16a及び16bを設置し、送りロール
14a及び14bと連動するように繰り出しロール20
を設置し、更に送りロール16a及び16bと連動する
ように巻き取りロール22を設置する。植物プランクト
ン除去用濾布24は、繰り出しロール20から、各送り
ロール、ドラム12を経て、巻き取りロール22に張り
渡されている。前記濾布24は各ロール及びドラム12
の回転により順次移動するので、常に新しい面が貯水槽
18内部の被処理水と接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水質汚濁の原因と
なる植物プランクトンを濾過し、除去できる植物プラン
クトン除去用濾布及びそれを用いた水質浄化装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、各家庭から排出される雑排水や小
規模工場の排水等が未処理のまま湖沼等に流入すること
により、富栄養化を引き起こすことが問題となってい
る。その結果、藍藻類、珪藻類、緑藻類等の植物プラン
クトンが大発生し、水質が悪化され、悪臭を発生させる
という問題を引き起こすほか、大量の魚介類を死滅させ
るという深刻な問題も引き起こすことがある。また、植
物プランクトンは、雑排水が流入しない水源となるダム
湖、取水堰等でも大量発生することがあり、この場合に
は飲料水に不快な味や臭いを生じさせるという問題を引
き起こす。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】植物プランクトンの発
生を防止する方法の一つとして、下水設備及び下水処理
場を設置して雑排水を浄化することによって、湖沼等の
富栄養化を防止する方法が考えられる。しかし、これら
の設置には、用地確保や莫大な建設費用の問題に加え、
仮に建設に着手したとしても実際に稼働するまでに長い
年月を要するため、雑排水等の河川や湖沼への流入を完
全に阻止することは当分の間は不可能であるというのが
現状であり、富栄養化にともなう植物プランクトンの発
生を完全に防止することは困難である。また、富栄養化
とは関係なく、梅雨期における降雨量が少ないような場
合においても、やはり植物プランクトンが大発生するこ
とがあり、これを防止することも困難である。
【0004】したがって、現状では発生した植物プラン
クトンを速やかに取り除くことが最も効果的な方法とな
っている。しかし、この取り除き作業の多くは手作業に
よっているため、多大な労力を要する割りには、処理で
きる量はごくわずかなものである。また、機械処理によ
り除去する方法もあるが、処理水域が広大な場合には数
多くの機械を要することとなるため、価格が高価である
ことを考慮すると現実的な方法ではない。そのほか、濾
布を用いた濾過により除去する方法もあるが、濾布自体
の濾過能力が低いという問題や、すぐに目づまりを起こ
すため、安定した濾過能力を維持できないという問題が
ある。このため、多くの場合には、冬季になって植物プ
ランクトンが自然消滅するのを待つしか方法がないとい
うのが実情である。
【0005】そこで、本発明は、簡便な方法で大量の植
物プランクトンを安定して濾過し、除去できる植物プラ
ンクトン除去用濾布及びそれを用いた水質浄化装置を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、いずれか一方
の最外層の繊維が熱接着されている2層以上であり、J
IS L−1096Aに規定する方法による通気量が1
5〜70cc/cm2/secである不織布からなるこ
とを特徴とする植物プランクトン除去用濾布を提供する
ことにより上記課題を解決するものである。
【0007】更に、本発明は、回動自在に設置された、
その外周面に複数の細孔を有するドラムと、該ドラムの
外周面を直径方向に挟んだ対向位置でかつ該ドラムの上
部相当位置において設置された一対以上の送りロール
と、少なくとも該ドラムの下部が内包されるように設置
された貯水槽と、それぞれが近接する送りロールに連動
するように設置された繰り出しロール及び巻き取りロー
ルを備えており、長尺状の請求項1記載の植物プランク
トン除去用濾布が、その一端側の所望長さの部分が前記
繰り出しロールに巻回されており、その残部は、前記一
方の送りロールを経て、前記ドラムの外周面に部分的に
巻着され、更に、前記他方の送りロールを経て、他端が
前記巻き取りロールにおいて固着されていることを特徴
とする水質浄化装置を提供することにより上記課題を解
決するものである。
【0008】まず、植物プランクトン除去用濾布につい
て説明する。本発明でいう植物プランクトンとは、藍藻
類、珪藻類、緑藻類、鞭毛藻類等であり、発生水域は特
に制限されず、閉鎖水域又は流水域、真水域又は海水域
のいずれにおいて発生したものも含まれる。
【0009】本発明で用いる不織布は、いずれか一方の
最外層の繊維が熱接着されている2層以上のものであ
る。この構造を、断面図を示した図1に基づいて説明す
る。即ち、a及びbの各繊維を積層、接着してなる2層
の不織布において、a層は熱接着により、b層は機械的
絡み合わせにより一体化している。この場合、接着面に
おける接着方法が逆であってもよい。また、不織布が3
層以上の繊維を積層、接着した場合であっても、いずれ
か一方の最外層の繊維が熱接着により接着されていれば
よい。また、本発明で用いる不織布は、円滑な濾過操作
をするため、JIS L−1096Aに規定する方法
(フランジール形法)による通気量が、15〜70cc
/cm2 /sec、好ましくは30〜50cc/cm2
/secのものである。このような通気量を有する不織
布は、通常、ニードルパンチ法により機械的に絡み合わ
せた後、片面を加熱し熔着することにより製造すること
ができる。このような不織布としては、市販の不織布、
例えば、商品名アクスター(東レ社製)をそのまま用い
ることもできる。
【0010】このような不織布を用いた本発明の植物プ
ランクトン除去用濾布は、10μm以上のアオコ群生体
を含め大部分の植物プランクトンを80%以上補足でき
る。また、片面が熱接着されているため強度が強く、水
湿下での引っ張りに対して寸法安定性がよい。更に、植
物プランクトンの吸引による剥離性がよい。このことか
ら、本発明の水質浄化用装置に最適である。
【0011】次に、本発明の水質浄化装置を図2に基づ
いて説明する。図2は、本発明の水質浄化装置の概略正
面図である。水質浄化装置10は、ドラム12と、ドラ
ム12の外周面を直径方向に挟んだ対向する位置で、か
つドラム12の上部相当位置において設置された二対の
送りロール、即ち、14a及び14b、16a及び16
bを備えている。更に、ドラム12の少なくとも下部を
内包するようにして貯水槽18が設置され、送りロール
14a及び16aの設置側に、それらと連動するように
して設置された繰り出しロール20と、送りロール14
b及び16bの設置側に、それらと連動するようにして
設置された巻き取りロール22が設置されている。な
お、理解を容易にするため、貯水槽18の一方の側壁は
見通せるように示している。
【0012】長尺状の植物プランクトン除去用濾布24
は、一端部が繰り出しロール20に固着され、前記端部
から所望長さの部分が前記繰り出しロール20に巻回さ
れている。そして、前記植物プランクトン除去用濾布2
4の他端部側の残部は、送りロール14a及び16aを
経て、ドラム12の外周面に部分的に巻着され、更に、
送りロール14b及び16bを経て、巻き取りロール2
2に張り渡されている。また、前記他端部は巻き取りロ
ール22において固着されている。
【0013】ドラム12は回動自在に設置されているの
で、図2において、左右いずれの方向にも回転させるこ
とができる。また、ドラム12の外周面には、その全面
又は一部において、ドラム12の内外部に通水可能なよ
うに複数の細孔が形成されている。ドラム12の径は、
水の処理量に応じて適宜設定することができる。
【0014】二対の送りロール14a及び14bと16
a及び16bは、いずれもドラム12の上部相当位置に
設置されているが、ここでいう上部相当位置とは、ドラ
ム12の接地面(床面)を基準にした場合におけるドラ
ム12の半分より上に相当する空間位置であり、好まし
くは、図示するように、各送りロールがドラム12より
も空間的に高い位置になるように設置することが好まし
い。このような高さに設置することにより、ドラム12
の外周面と植物プランクトン除去用濾布24との巻着面
積(接触面積)を大きくすることができる。
【0015】また、二対の送りロールのうち、ドラム1
2に最も近接している一対の送りロール14a及び14
bは、それらの間隔がドラム12の円形側面の直径の長
さ(d)よりも小さくなるように設置することが好まし
い。こうすることにより、ドラム12の外周面と植物プ
ランクトン除去用濾布24との巻着面積(接触面積)を
大きくすることができるので好ましい。
【0016】貯水槽18の容積はドラム12の容積に応
じて適宜決定することができるが、ドラム12の容積に
比べて余りに大き過ぎる場合には処理効率が低下するた
め好ましくない。したがって、通常は、ドラム12の容
積が1に対して貯水槽18の容積が2〜5程度であるこ
とが好ましい。また、貯水槽18は、ドラム12の少な
くとも下部を内包できる大きさであればよく、したがっ
て、ドラム12全体を内包できるような大きさのもので
も差し支えない。
【0017】植物プランクトン除去用濾布24の幅は、
ドラム12の長さと同等程度に設定され、長さは、繰り
出しロール20から各送りロールとドラム12を経て巻
き取りロール22に至るまでの長さを十分に越える長さ
に設定されている。なお、濾過処理の開始前における送
りロール14bから巻き取りロール22に至るまでの植
物プランクトン除去用濾布24と、濾過処理の終了後に
おける繰り出しロール20から送りロール14aに至る
までの植物プランクトン除去用濾布24はいずれも実際
の濾過処理には使用されないため、これらに相当する部
分には、植物プランクトン除去用濾布24の代わりに通
常の布やロープ等を用いることもできる。
【0018】本発明の水質浄化装置10においては、送
りロール14aと16a及び14bと16bの間に、植
物プランクトン除去用濾布24の一表面、即ち、貯水槽
18の内壁面側方向であった表面に接触するような位置
に又はその近傍位置に、付着した植物プランクトンを吸
引除去するための吸引器26及び26’を設置すること
ができる。吸引器は、送りロール14aと16aの間に
も設置することができる。また、この吸引器の代わり
に、水又は空気等を噴射することにより植物性プランク
トンを除去できる方式のものを設置することもできる。
【0019】次に、本発明の水質浄化装置の動作を図2
に基づいて説明する。まず、貯水槽18の中に植物プラ
ンクトンを含む被処理水を注入する。なお、必要に応
じ、凝集剤等により前処理した水を注水することもでき
る。このとき、必ず被処理水が、植物プランクトン除去
用濾布24を介してドラム12の外周面と接するような
量だけ注水する。ドラム12の外周面において植物プラ
ンクトン除去用濾布24が巻着されていない部分に直接
被処理水が接触した場合には、濾過処理がなされない。
【0020】このようにして貯水槽18の中に注入され
た被処理水は、自らの水圧により、ドラム12の外周面
を、即ち、そこに巻着されている植物プランクトン除去
用濾布24を押圧する。すると、水は植物プランクトン
除去用濾布24を通り、更にドラム12の外周面に穿孔
された細孔を通って、ドラム12の内部に移行し貯水さ
れる。このとき、アオコ等の植物プランクトンは、植物
プランクトン除去用濾布24により通過が阻止されるた
め、ドラム12内部に移行することはない。また、植物
プランクトンと同程度以上の大きさの他の懸濁物質も、
同様にして濾過処理される。
【0021】このような濾過処理の過程において、植物
プランクトン除去用濾布24は繰り出しロール20から
連続的に又は断続的に図2中の矢印方向に順次繰り出さ
れ、送りロール16a及び14aにより送り出され、ド
ラム12の回転(図中の矢印方向)により更に送り出さ
れ、送りロール14b及び16bを経て巻き取りロール
22により順次巻き取られる。このため、ドラム12に
巻着された植物プランクトン除去用濾布24は常に新し
いものとなるので、濾過能力が低下することがない。な
お、このとき、植物プランクトン除去用濾布24に対し
ては常に一定した張力が加わり、それがドラム12の外
周面に密着した状態になるように、各ロール及びドラム
12の回転速度を調整することが望ましい。
【0022】この濾過処理においては、ドラム12内部
の水圧と貯水槽18内部の水圧が平衡状態に近づくにつ
れて、ドラム12の外周面(植物プランクトン除去用濾
布24の表面)に対する押圧力が小さくなるため、次第
に濾過速度が遅くなる。このような場合、ドラム12の
円形側面から濾過処理した水を抜き取りつつ、貯水槽1
8の中に被処理水を注入することにより、一定の水圧
(即ち、一定の濾過速度)を確保できるので、連続的に
濾過処理を続けることができる。
【0023】また、上記の濾過処理とは逆に、ドラム1
2の内部に被処理水を入れ、濾過処理をすることもでき
る。この場合には、貯水槽18の中から濾過処理した水
を抜き取りつつ、ドラム12の内部に水を注入する。
【0024】以上の濾過処理においては、繰り出すべき
植物プランクトン除去用濾布24がなくなった時点で濾
過処理は終了するが、植物プランクトンを吸引除去する
ための吸引器26を設置し、それを稼働させることによ
り、更に継続して濾過処理をすることができる。即ち、
植物プランクトンが付着した状態で送り出された植物プ
ランクトン除去用濾布24は、送りロール14bと送り
ロール16bの間において、吸引器26により表面に付
着した植物プランクトンが吸引除去される。このため、
巻き取りロール22には、清浄となった植物プランクト
ン除去用濾布24が巻き取られる。したがって、繰り出
しロール20において植物プランクトン除去用濾布24
がなくなった時点で、今度は逆方向に、即ち、巻き取り
ロール22から植物プランクトン除去用濾布24を繰り
出し、送りロール14bと送りロール16bを経てドラ
ム12(このとき、ドラム12は逆に回転する)に送ら
れ、そこで再度濾過処理をし、更に送りロール14aと
送りロール16aを経て、繰り出しロール20において
巻き取られる。
【0025】次に、本発明の水質浄化装置の一の変形態
様を図3に基づいて説明する。図3は、本発明の水質浄
化装置の概略正面図である。なお、理解を容易にするた
め、貯水槽42及び43の一方の側壁は見通せるように
示している。水質浄化装置40は、二つのドラム42、
43を備えたものであり、基本的な構造及び動作は水質
浄化装置10と同様である。44a及び44b、45a
及び45b、46a及び46bは、それぞれ対になった
送りロールである。48はドラム42を部分的に内包す
る貯水槽で、49はドラム43を部分的に内包する貯水
槽である。50は繰り出しロール、52は巻き取りロー
ル、54は植物プランクトン除去用濾布である。56、
57はいずれも吸引器である。
【0026】この水質浄化装置40においては、ドラム
42側で最初の濾過処理をしたのち、植物プランクトン
除去用濾布54は吸引器56で清浄処理される。その
後、ドラム43側で2度目の濾過処理に供され、再度吸
引器57により清浄処理されたのち、巻き取りロール5
2において巻き取られる。この浄化装置においても、逆
方向への濾過処理が可能である。その場合には、巻き取
りロール52から繰り出された植物プランクトン除去用
濾布54は、吸引器57においては清浄処理する必要は
なく、吸引器56及び吸引器58において清浄処理すれ
ばよい。
【0027】次に、本発明の水質浄化装置の他の変形態
様を図4に基づいて説明する。図4は、本発明の水質浄
化装置の概略正面図である。なお、理解を容易にするた
め、貯水槽81の一方の側壁は見通せるように示してい
る。水質浄化装置80は、貯水槽81と、その内部に設
置された、上記した水質浄化装置におけるドラムの代わ
りとなる、長さ方向の断面が略楕円形で、表面に複数の
細孔を有する二つの中空容器82及び84とを有してい
る。これらの中空容器82及び84は固定されており、
その外周面にはベルトコンベアのような物体移動手段が
取りつけられている。86は繰り出しロール、88は巻
き取りロール、90、91及び92は送りロールであ
る。94は植物プランクトン除去用濾布であり、これは
物体移動手段を介して適度な張力が加わるようにして、
二つの中空容器の外周面に巻着されている。
【0028】次に、水質浄化装置80の動作を図4に基
づいて説明する。まず、貯水槽81の中に植物プランク
トンを含む被処理水を注入する。このとき、必ず被処理
水が、植物プランクトン除去用濾布94を介して中空容
器82、84の外周面と接触するように水を入れる。
【0029】このようにして貯水槽81の中に注入され
た被処理水は、中空容器82、84の外周面を、即ち、
そこに巻着されている植物プランクトン除去用濾布94
を押圧する。すると、水は植物プランクトン除去用濾布
94を通り、更に中空容器82、84の外周面に穿孔さ
れた細孔を通って、中空容器82、84の内部に移行
し、貯水される。このとき、アオコ等の植物プランクト
ンは、植物プランクトン除去用濾布94により通過が阻
止されるため、中空容器82、84の内部に移行するこ
とはない。
【0030】このような濾過処理の過程において、植物
プランクトン除去用濾布94は繰り出しロール86から
連続的又は断続的に繰り出され、送りロール90、91
及び92により送られ、巻き取りロール88により順次
巻き取られる。このため、中空容器82、84に巻着さ
れた植物プランクトン除去用濾布94は、常に新しいも
のとなるため、濾過能力が低下することがない。
【0031】この濾過処理においては、中空容器82、
84内部の水圧と貯水槽81内部の水圧が平衡状態に近
くなるにつれて、中空容器82、84の外周面(植物プ
ランクトン除去用濾布94の表面)に対する押圧力が小
さくなり、濾過速度が遅くなる。この場合、中空容器8
2、84の側面から濾過処理した水を抜き取りつつ、貯
水槽81の中に被処理水を注入することにより、一定の
濾過速度を確保できるので、連続的に濾過処理を続ける
ことができる。
【0032】また、上記の濾過処理とは逆に、中空容器
82、84の内部に被処理水を入れ、濾過処理をするこ
ともできる。この場合には、貯水槽81の中から濾過処
理した水を抜き取りつつ、中空容器82、84の内部に
水を注入する。
【0033】
【実施例】以下、実施により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0034】実施例1 商品名アクスターC3400−4T(通気量30cc/
cm2 /sec)を用い、10μm以上の植物性プラン
クトン40ppmを含む水50lを濾過処理した。濾過
は、水頭差30cmの水圧下、 濾過速度が1cc/cm
2 /secかそれをやや上回る程度となるように調整保
持しながら行った。その結果、植物プランクトンの約8
0%が除去された。
【0035】実施例2 図2に示す構造の水質浄化装置を用い、10μm以上の
植物プランクトンを含む自然水(懸濁物質濃度40pp
m)を被処理水とし、水質浄化処理を行った。なお、水
質浄化装置の詳細は次のとおりである。 (水質浄化装置) ドラム長さ:1m ドラム径:0.6m 貯水槽容積:0.7m3 植物プランクトン除去用濾紙:アクスターC3400−
4T(通気量30cc/cm2 /sec,幅1m,長さ
100m) (浄化処理方法)まず、三菱重工社製水中ポンプM15
BE2Eを用い、貯水槽に0.55m3/minの流速
で被処理水を注入した。安定状態に達した時、ドラム容
積の約90%が被処理水中に没していた(濾布に対する
水圧は平均で約0.02kg/cm2 )。その後、直ち
に繰り出しロール、ドラム及び巻き取りロールの回転速
度を調整し、約6cm/secの割合で濾布を送り出
し、濾過速度(即ち、貯水槽からドラム内への水の流入
速度)が約1〜1.1cc/cm2 /secになるよう
に保持しながら、濾過処理をした。合計処理時間は計5
時間で、処理水量は165m3 であった。その結果、処
理後の水は、目視による観察の結果かなり澄明になって
おり、その懸濁物質濃度は6ppmと大幅に低下してい
た。
【0036】
【発明の効果】本発明の植物プランクトン除去用濾布及
びそれを用いた水質浄化装置によれば、植物プランクト
ンを含んだ大量の被処理水を連続的に濾過処理し、植物
プランクトンを除去することができる。更に、本発明の
水質浄化装置は、常に新しい濾布が被処理水と接触する
ように設定されているため、安定した濾過速度を維持す
ることができる。また、本発明の水質浄化装置において
は長尺状の植物プランクトン除去用濾布を用いているた
め、単位面積当たりの洗浄回数を少なくすることがで
き、これにより濾布の劣化が小さくなる。したがって、
長期間同じ濾布を繰り返し使用することができるため、
運転コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】植物プランクトン除去用濾布の断面を示した図
である。
【図2】水質浄化装置の概略正面図である。
【図3】水質浄化装置の一の変形態様の概略正面図であ
る。
【図4】水質浄化装置の他の変形態様の概略正面図であ
る。
【符号の説明】
10 水質浄化装置 12 ドラム 14a 送りロール 14b 送りロール 16a 送りロール 16b 送りロール 18 貯水槽 20 繰り出しロール 22 巻き取りロール 24 植物プランクトン除去用濾布 26 吸引器 40 水質浄化装置 42 ドラム 43 ドラム 44a 送りロール 44b 送りロール 45a 送りロール 45b 送りロール 46a 送りロール 46b 送りロール 48 貯水槽 49 貯水槽 50 繰り出しロール 52 巻き取りロール 54 植物プランクトン除去用濾布 56 吸引器 57 吸引器 58 吸引器 80 水質浄化装置 81 貯水槽 82 中空容器 84 中空容器 86 繰り出しロール 88 巻き取りロール 90 送りロール 91 送りロール 91 送りロール 94 植物プランクトン除去用濾布
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】JIS L−1096A
に規定する方法による通気量が15〜70cc/cm
/secである不織布からなることを特徴とする植物プ
ランクトン除去用濾布を提供することにより上記課題を
解決するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明で用いる不織布は、少なくとも熱接
着された層を有する一層あるいは複数層のものである。
この構造を、断面図を示した図1に基づいて説明する。
即ち、a及びbの各繊維を積層、接着している2層の不
織布において、a層は熱接着により、b層は機械的絡み
合わせにより一体化している。この場合、接着面におけ
る接着方法が逆であてもよい。また、不織布が3層以上
の繊維を積層、接着した場合であっても、あるいは一層
の場合であっても最外層の繊維が熱接着により接着され
ていればよい。また、本発明で用いる不織布は、円滑な
濾過操作をするため、JIS L−1096Aに規定す
る方法(フランジール形法)による通気量が、15〜7
0cc/cm/sec、好ましくは30〜50cc/
cm/secのものである。このような通気量を有す
る不織布は、通常、ニードルパンチ法により機械的絡み
合わせ後、片面を加熱し熔着することにより製造するこ
とができる。このような不織布としては、市販の不織
布、例えば、商品名アクスター(東レ社製)をそのまま
用いることもできる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】このような不織布を用いた本発明の植物プ
ランクトン除去用濾布は、10um以上のアオコ群生体
を含め大部分の植物プランクトンを80%以上捕捉でき
る。また、少なくとも一層が熱接着されているため強度
が強く、水湿下での引っ張りに対して寸法安定性がよ
い。更に、植物プランクトンの吸引による剥離性がよ
い。このことから、本発明の水質浄化用装置に最適であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 33/58

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 いずれか一方の最外層の繊維が熱接着さ
    れた2層以上であり、JIS L−1096Aに規定す
    る方法による通気量が15〜70cc/cm 2 /sec
    である不織布からなることを特徴とする植物プランクト
    ン除去用濾布。
  2. 【請求項2】 前記通気量が30〜60cc/cm2
    secである請求項1記載の植物プランクトン除去用濾
    布。
  3. 【請求項3】 回動自在に設置された、その外周面に複
    数の細孔を有するドラムと、該ドラムの外周面を直径方
    向に挟んだ対向位置でかつ該ドラムの上部相当位置にお
    いて設置された一対以上の送りロールと、少なくとも該
    ドラムの下部が内包されるように設置された貯水槽と、
    それぞれが近接する送りロールに連動するように設置さ
    れた繰り出しロール及び巻き取りロールを備えており、
    長尺状の請求項1記載の植物プランクトン除去用濾布
    が、その一端側の所望長さの部分が前記繰り出しロール
    に巻回されており、その残部は、前記一方の送りロール
    を経て、前記ドラムの外周面に部分的に巻着され、更
    に、前記他方の送りロールを経て、他端が前記巻き取り
    ロールにおいて固着されていることを特徴とする水質浄
    化装置。
  4. 【請求項4】 前記一対以上の送りロールのうち前記ド
    ラムに最も近接している一対の送りロールの間隔が、前
    記ドラムの直径よりも小さい請求項3記載の水質浄化装
    置。
  5. 【請求項5】 前記一対以上の送りロールのうちの一方
    又は両方の送りロール側において、前記長尺状の請求項
    1記載の植物プランクトン除去用濾布表面に接触する位
    置又はその近傍位置に吸引器が設置されている請求項3
    記載の水質浄化装置。
JP7268869A 1995-10-17 1995-10-17 植物プランクトン除去用濾布及びそれを用いた水質浄化装置 Pending JPH09108514A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015034214A1 (ko) * 2013-09-06 2015-03-12 한국과학기술연구원 녹적조 제거 장치
JP2017144427A (ja) * 2016-02-16 2017-08-24 王子ホールディングス株式会社 水処理装置、水処理方法、廃棄物固形燃料の生産方法および処理水の製造方法

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WO2015034214A1 (ko) * 2013-09-06 2015-03-12 한국과학기술연구원 녹적조 제거 장치
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