JPH0910717A - 給水系管路の開放型循環洗浄方法 - Google Patents

給水系管路の開放型循環洗浄方法

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JPH0910717A
JPH0910717A JP7187650A JP18765095A JPH0910717A JP H0910717 A JPH0910717 A JP H0910717A JP 7187650 A JP7187650 A JP 7187650A JP 18765095 A JP18765095 A JP 18765095A JP H0910717 A JPH0910717 A JP H0910717A
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pipe
water supply
water
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cleaning
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JP7187650A
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Inventor
Takao Matsuhashi
隆雄 松橋
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MIZUSAWA DENKI KOGYO KK
Original Assignee
MIZUSAWA DENKI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少量の洗浄液で、給水系管路全体に高い洗浄
効果が得られる洗浄方法を提供する。 【構成】 建築物のフロアに搬入した大気中に開口され
た洗浄液の貯留容器から水中ポンプによって洗浄液を汲
み上げ、連結管を介して給水系管路内に導入して管路内
を通過させ、前記給水系管路の末端側の水栓部に連結し
た別の連結管を介して前記洗浄液を貯留容器へ回収する
ことにより、洗浄液を給水系管路内で循環流動させて管
壁の洗浄を行う。洗浄液を管路内で循環流動させて洗浄
を行うため、給水枝管内等で洗浄液が容易に乱流状態と
なり、管壁と接している洗浄液の界面が順次入れ替わる
ので短時間で大きな洗浄効果が得られるとともに、少量
の洗浄液で洗浄を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物に配管されてい
る給水系管路の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オフィスビル、マンション等の建
築物に配管されている給水管を洗浄する場合、給水管内
に洗浄液を入れてそのまま放置する方法がある。しかし
ながら、前記の洗浄方法では、洗浄液は給水管内で静止
した状態であるので、十分な洗浄洗浄効果を得ることが
できないため、特開平1−182425号公報及び特公
平7−10378号公報に記載されているように、加圧
エアを導入して、給水管内で洗浄液を撹拌して洗浄する
方法が考えられている。
【0003】前記特開平1−182425号公報に記載
されている方法においては、高架水槽に洗浄液を投入し
て給水管内に洗浄液を充満させ、また、建築物下方の給
水管の枝管の継手に取り付けられている給水栓を取り外
して、前記継手に加圧エアを導入する配管のアダプタを
取り付けて給水管内に加圧エアを送り込むようにしてい
る。また、特公平7−10378号公報に記載されてい
る方法においては、既設されている給水管の一部に孔を
開けてサドル付分水栓を取り付け、前記サドル付分水栓
を介して、外部より、洗浄液や加圧エアを給水管内に導
入するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平1−182425号公報に記載されている洗浄方法
では、高架水槽内に洗浄液を投入するようにしているた
め、多量の洗浄液を必要する問題がある。また、特公平
7−10378号公報に記載されている洗浄方法では、
エアを給水管の下部まで導入することは困難である。ま
た、前記のような加圧エアを給水管内に送り込む方法に
おいては、何れも給水管内の洗浄液は十分に撹拌され
ず、また、給水管の主管以外の部分には、加圧エアが到
達しにくく、給水管全体を十分に洗浄できない問題があ
り、特に、特公平7−10378号公報に記載されてい
る洗浄方法では、高架水槽から制水弁までの管路内が洗
浄できない問題がある。
【0005】そこで、本発明は、前述したような従来の
給水管の洗浄方法の問題点を解決し、少量の洗浄液で、
給水系管路全体に高い洗浄効果が得られる洗浄方法を提
供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法は、建築
物のフロアに搬入した大気中に開口された洗浄液の貯留
容器から水中ポンプによって洗浄液を汲み上げ、連結管
を介して給水系管路内に導入して管路内を通過させ、前
記給水系管路の末端側の水栓部に連結した別の連結管を
介して前記洗浄液を貯留容器へ回収することにより、洗
浄液を給水系管路内で循環流動させて管壁の洗浄を行う
ものである。
【0007】前記貯留容器と水中ポンプとは、建築物の
複数の階のフロアに設置し、下層階のフロアに配置した
貯留容器内に回収された洗浄液を、前記下層階の水中ポ
ンプにより連結管を介して上層階の貯留容器へ供給する
ことが好ましい。
【0008】また、高架水槽が設けられている場合に
は、前記給水系管路内への洗浄液の導入を、高架水槽内
に開口する給水管入口に連結した連結管を介して行うこ
とも好ましく、また、高架水槽に連結された給水管の元
バルブ下流側近傍に連結した連結管を介して行うことも
好ましい。
【0009】さらに、受水層内に開口する揚水ポンプの
吸入管入口と給水管末端側の水栓部とを連結管によって
連結し、前記揚水ポンプの吐出側に連結された揚水管の
高架水槽内に開口する出口に、末端側が貯留容器内に配
置される連結管の始端側を連結して、水中ポンプと揚水
ポンプとを共に駆動して、給水管内及び揚水管内を循環
洗浄することも好ましい。
【0010】受水層内に開口する給水ポンプの吸入管入
口に連結した連結管を介して行う方法を用いることも好
ましい。さらに、洗浄液の導入を給水ポンプを介して受
水槽に連結されている給水管の前記給水ポンプの吐出側
近傍位置に連結した連結管を介して行うことも好まし
い。また、建築物が平屋の場合には、洗浄液の導入を水
道本管の元バルブ下流側に設けたブランチ配管に連結し
た連結管を介して行うことも好ましい。
【0011】
【作用】建築物のフロアに配置されている洗浄液が満た
された貯留容器から、水中ポンプによって洗浄液を汲み
上げる。前記水中ポンプから汲み上げられた洗浄液は、
水中ポンプと給水系管路とを連結している連結管を介し
て前記給水系管路内へ流入して管路内を通過し、この間
に管壁の洗浄が行われる。
【0012】管路内を通過した洗浄液は、管路の末端側
に取り付けられている水栓に連結している別の連結管か
ら貯留容器に回収され、再び水中ポンプによって給水系
管路内へ送り込まれて繰り返し管壁の洗浄が行われる。
【0013】高層階の建築物の場合には、下層階のフロ
アに配置した貯留容器に回収された洗浄液を、水中ポン
プによって連結管を介して上層階のフロアに設置した貯
留容器に供給することによって、揚程の小さな水中ポン
プで洗浄液を高層階まで供給して給水系管路全体を循環
洗浄することができる。
【0014】
【実施例】次に、図面に基づいて、本発明の実施例を説
明する。図1は、本発明の給水系管路の開放型型循環洗
浄方法の第1の実施例を示すものであって、多層階をも
つ建築物1には、水量メータ3が設けられている引込管
2を介して、外部から水道水が供給されており、最下階
に設置されている受水槽4内に貯留されている。前記受
水槽4は、吸入管5によって揚水ポンプ6の吸入側へ連
結され、また、前記揚水ポンプ6の吐出側は、揚水管7
の下端と連結されている。
【0015】前記揚水管7は、建築物1内を上下方向に
貫通して設けられており、その上端は、建築物1の屋上
に設置されている高架水槽8の上部に開口している。そ
して前記高架水槽8内には、受水槽4から揚水ポンプ6
によって給水されて、常時一定量の水が貯留されるよう
になっている。
【0016】高架水槽8の下部には、給水管の縦の管路
を構成している給水縦本管9が連結されており、前記給
水縦本管9は、建築物1内の各階を上下に貫通して設け
られている。そして、各階において、給水縦本管9から
それぞれ給水管の横の管路を構成している給水枝管10
が分岐されており、前記給水枝管10には、水栓11が
取り付けられている。図1では、水栓11は、各階に1
つずつしか図示されていないが、実際には、それぞれの
給水枝管10に複数箇所取り付けられている。前述した
ように構成されている建築物1内の給水系管路におい
て、高架水槽8に連結されている、給水縦本管9と給水
枝管10とを洗浄する作業について説明する。前記洗浄
作業にあたっては、先ず、高架水槽8内の水を排水し
て、連結管14を連結管接続ユニット20によって高架
水槽8内の給水縦本管9の入口に連結する。
【0017】前記連結管接続ユニット20は、図2に示
すように、中空管21の外周面に2つの鍔部材25、2
6が嵌装されている。前記2つの鍔部材25、26間の
中空管21の外径は、鍔部材25、26に形成されてい
る孔径よりも大きく形成されており、それぞれの外側か
ら、中空管21に螺合された2つのナット23、24に
よって固定され、両鍔部材25、26の間の間隔が一定
に保持されている。両鍔部材25、26の間の中空管2
1外周面には、可撓性のチューブ27がコイル状に巻回
されている。前記チューブ27の一端側は、図示してい
ないが、圧力を解放可能なチェックバルブを介して、エ
ア供給管28に着脱自在に連結できるように構成され、
またその他端側は閉塞されて、エア供給管28から加圧
エアを導入することによって前記チューブ27は膨ら
み、コイル状に巻回された外径が増大するようになって
いる。
【0018】前記チェックバルブとしては、例えば、自
転車のチューブに取り付けられている構造のものを用い
ることができる。また、チューブ27のコイル状に巻回
された外径は、加圧エアが導入されていない状態では、
高架水槽8内に開口している給水縦本管9の入口部分の
内径よりも僅かに小さく製作されている。前記中空管2
1のエア供給管28が連結される側の外周には、雄ネジ
22が形成されている。前記雄ネジ22は、本実施例で
は、ナット24を螺合している雄ネジを延長して形成し
ている。
【0019】前記連結管接続ユニット20を、高架水槽
8内に開口している給水縦本管9の入口に図2のように
挿入し、次いで、エア供給管28を連結して、前記エア
供給管28を介して、図示していないポンプ等のエア供
給源から、加圧エアをチューブ27内に導入する。そう
すると、チューブ27は膨張して、給水縦本管9の内壁
面に密着して液密状態となり、連結管接続ユニット20
は、給水縦本管9の入口内に固定される。加圧エアが導
入されたチューブ27は、チェックバルブによって、導
入されたエアの流出が阻止され、膨張した状態が維持さ
れている。なお、前記チェックバルブに自転車用のもの
を使用している場合には、自転車用のエアポンプによっ
て、チューブ27内に加圧エアを容易に導入することが
できる。
【0020】その後、エア供給管28を取り外し、連結
管14の一端部に設けられている連結ナット14Aを連
結管接続ユニット20の雄ネジ22に螺合して固定す
る。前記連結管14は、ホース状に形成されて自由に屈
曲することができるようになっている。連結管14は、
図1に示すように、高架水槽8の上端開口部から外部に
引き出し、その他端部は高架水槽8がある屋上等のフロ
アに設置した洗浄液供給部30に連結する。
【0021】前記洗浄液供給部30は、図3に示すよう
に、一端に前記連結管14が連結される流量調整弁31
と、その他端に連結管14’を介して連結されている水
中ポンプ34と、上面が大気中に開口されている貯留容
器35から構成されている。前記連結管14は、前記連
結管接続ユニット20との連結に用いられているものと
同一構造の連結ナット14Aによって流量調整弁31に
連結される。前記貯留容器35内には洗浄液が入れら
れ、前記水中ポンプ34の下端から、洗浄液を吸引して
連結管14へ送り出すようになっている。水中ポンプ3
4は、その内部に組み込まれている電動機によって駆動
されるものであり、その給電は建築物1内の各階のフロ
アに設けられている電源コンセントから行う。その際、
連結管14側へ送り出される洗浄液の流量は、流量調整
弁31のコック32の位置により調整される。
【0022】前記流量調整弁31のコック32の下流側
には、流体供給ユニット40が連結される連結口33が
設けられている。前記流体供給ユニット40は、エア供
給孔49からボールバルブ46、チェックバルブ47を
経由して、前記連結口33に連結する連結カップリング
48へ連通する管路を備え、前記連結カップリング48
とチェックバルブ47との間には、メートルコック4
5、丸サイホン42を介して、圧力計41が連結されて
いる。また、前記連結カップリング48に対し、前記流
体供給口49と反対側には、ボールバルブ44を介して
エア抜きバルブ43が設けられている。
【0023】流量調整弁31に前記流体供給ユニット4
0を連結した状態で、流体供給ユニット40の流体供給
口49にエアコンプレッサ等の加圧エア源を連結する。
次いで、ボールバルブ44を閉じ、また、ポンプユニッ
ト30流量調整弁31のコック32を閉弁位置にする。
その後、ボールバルブ46を開いて加圧エアを導入し、
連結カップリング48から、流量調整弁31の連結口3
3、連結管14を経由して、給水縦本管9と給水枝管1
0内に前記加圧エアを送り込んで、内部に残留している
水を各階のフロアに設置されている水栓11から排出す
る。
【0024】この際、加圧エアによって、管壁が破損さ
れることを防止するため、流体供給ユニット40の圧力
計41に指示される圧力を1.5kg/cm2以上に上
昇させないように注意して作業を行う必要がある。な
お、前記加圧エアによる水抜き作業は、洗浄剤を用いず
に、水だけで管路内を洗浄する場合には省略することも
ある。
【0025】給水縦本管9と給水枝管10内の水抜き作
業が終了したら、図1に示すように、下層階及び上層階
のフロアに、洗浄液供給部50及び洗浄液供給部50’
をそれぞれ設置するとともに、洗浄液供給部50、洗浄
液供給部50’及び、洗浄液供給部30の間を、それぞ
れ連結管13A、13Bで連結する。
【0026】図4は、前記洗浄液供給部50を示す図で
ある。洗浄液供給部50は前記洗浄液供給部30に設け
られている水中ポンプ34と同様な水中ポンプ55を備
えており、前記水中ポンプの下端は、貯留容器56内に
配置されている。前記貯留容器56は、前述した図3の
ものと同様な構造であり、内部に洗浄液が入れられ、前
記水中ポンプ55の吐出側に前記連結管13Aが連結さ
れている。
【0027】洗浄液供給部50には、また、貯留容器5
6内に開口する連結管12’が連結金具54を介して連
結された配管ヘッダ51が配置されている。前記配管ヘ
ッダ51には、流量計52と流量調整弁53とが複数組
取り付けられており、本実施例の場合は5組設けられて
いる。前記流量調整弁53には、連結管12の一端が着
脱自在に連結される。また、前記連結管12の他端は、
給水枝管10の末端に設けられている水栓11に連結さ
れる。なお、連結管12は、給水枝管10から前記水栓
11を外して、給水枝管10の末端に直接連結するよう
にしてもよい。
【0028】洗浄液供給部50の配管ヘッダ51へ連結
される連結管12の本数は、必要に応じて増減し、連結
管12が連結されていない流量調整弁53は閉鎖した状
態にしておく。
【0029】図5は、前記洗浄液供給部50’を示すも
のであって、図4に示す洗浄液供給部50とほぼ同様な
構成となっており、図4中の番号と同一のものは、洗浄
液供給部50と同一部品が使用されている。洗浄液供給
部50’では、洗浄液供給部50と連結されている連結
管13Aが貯留容器56内に引き込まれる。また、水中
ポンプ55の吐出側には、前記洗浄液供給部30の貯留
容器35内へ一端側が引き込まれる連結管13Bの他端
側が連結されている。
【0030】連結管接続ユニット20、洗浄液供給部3
0、洗浄液供給部50、洗浄液供給部50’を、図1に
示すように各連結管で連結する作業が完了したら、各階
のフロアの連結管12が連結されている水栓11を開栓
し、他の水栓11は全て閉栓する。また、図3乃至図5
に示すように、それぞれの洗浄液供給部30、50、5
0’の位置にある貯留容器35、56内に、管路内を洗
浄するための洗浄液を水中ポンプ34及び水中ポンプ5
5の下端が洗浄液中に没する位置まで満たす。前記洗浄
液としては、洗浄する管内の汚れの程度に応じて、水の
みを使用したり、洗浄剤の原液を適切な濃度に水で希釈
したものを使用することができ、洗浄剤を使用する場合
には、各洗浄液供給部30、50、50’の貯留容器内
で、管壁の汚れの程度に応じて所望の濃度に調合するこ
とができる。
【0031】なお、洗浄液の調合は、各洗浄液供給部で
行ってもよいが、一つの洗浄液供給部で行う場合には、
なるべく上層階フロアに設置した洗浄液供給部で行うこ
とが好ましい。
【0032】次いで、図3に示す流体供給ユニット40
のボールバルブ44を開き、各洗浄液供給部30、5
0、50’の水中ポンプ34、55を駆動すると、洗浄
液供給部30の水中ポンプ34によって貯留容器35か
ら汲み上げられた洗浄液は、連結管14から連結管接続
ユニット20を介して、給水縦本管9に流入し、各階の
給水枝管10を通過した後、前記各給水枝管10の端末
に設けられている水栓11から連結管12を通って、そ
れぞれの洗浄液供給部50、50’の配管ヘッダ51に
合流し、連結管12’を通ってそれぞれの貯留容器56
内へ回収される。管路内へ洗浄液が導入される初期にお
いて、管路内に残留しているエアは、図3に示す洗浄液
供給部30の連結口33から流体供給ユニット40へ流
入して、エア抜きバルブ43から排出される。
【0033】給水縦本管9、給水枝管10、及び、各連
結管12、13A、13B、14内に洗浄液が満たされ
た状態で、汚れの程度に応じて所定の時間、各水中ポン
プ34、54によって洗浄液を循環させて洗浄を行う。
なお、洗浄作業中管路外部への漏れ等によって流失した
洗浄液の分は、洗浄液供給部30、50、50’に設け
られている貯留容器35、または、貯留容器56から補
充することができる。
【0034】また、各貯留容器35、56に回収される
洗浄液の色等の変化から、洗浄効果を目視で確認するこ
とができるが、連結管等の洗浄液の循環系路を部分的に
透明材料で形成することによって、外部から洗浄液の状
態が見えるようにしてもよい。 図4及び図5に示すよ
うに、各洗浄液供給部50、50’の配管ヘッダ51に
は、複数の連結管12が連結されており、それぞれの連
結管12から貯留容器56へ流入する洗浄液の量は、流
量計52で確認しながら、流量調整弁53で調整する。
各流量調整弁53を通過する洗浄液の流量は、連結管1
2で連結されている給水枝管10内の洗浄液が乱流状態
で流動する程度に調整する。洗浄効果は、洗浄液を乱流
状態で管路内を通過させた場合に、管壁と接している洗
浄液の界面が順次入れ替わるため、洗浄効果が大きくな
る。給水枝管10内を流れる洗浄液が乱流状態となる流
量の目安は、洗浄液のレイノルズ数Reと、給水枝管1
0の内径から算定することができる。
【0035】レイノルズ数Reは、洗浄液の動粘性係数
をν(cm2/sec)、給水枝管10内での平均流速をu(c
m/sec)、給水枝管10の内径をd(cm)とすると、R
e=u・d/νで与えられるもので、通常の洗浄液は、水
とほぼ同一の動粘性係数を有しており、臨界レイノルズ
数Re=2320を超えると乱流となる。
【0036】なお、多数の連結管12から同時に洗浄液
を吸引すると、個々の連結管12を通過する洗浄液の流
速が低下して良好な洗浄効果が得られなくなる場合に
は、連結管12が連結されている複数の流量調整弁53
のうち一部の流量調整弁53のみを開いて、給水枝管1
0を順番に洗浄するようにしてもよい。
【0037】また、洗浄液供給部50、50’に設けて
いる流量計52に電磁流量計を用いるとともに、流量調
整弁53を電磁弁とし、前記電磁流量計からの流量情報
を図示しない制御装置に入力して前記電磁弁を制御し
て、各連結管12を通過する洗浄液の流量を適正な量と
なるように自動制御できるようにしてもよい。
【0038】さらに、建築物1内の各階のフロアに配置
される複数の洗浄液供給部30、50、50’の各水中
ポンプ34、55の駆動・停止操作を一つの制御装置に
よって制御するようにしてもよく、その場合には、各貯
留容器35、56内の洗浄液の液面レベルを監視するセ
ンサを設け、貯留容器内の洗浄液が少なくなって、水中
ポンプが洗浄液を汲み上げることができなくなったり、
貯留容器から洗浄液が溢れ出すことがないようにそれぞ
れの水中ポンプを制御して、洗浄作業を省力化すること
ができる。
【0039】洗浄が終了したら、連結管12を水栓11
から取り外し、図3に示す洗浄液供給部30流量調整弁
31のコック32を閉じ、また、流体供給ユニット40
の流体供給口49にエアコンプレッサ等の加圧エア源を
連結し、ボールバルブ46を開いて加圧エアを導入し、
連結カップリング48から、流量調整弁31の連結口3
3、連結管14を経由して、給水縦本管9と給水枝管1
0内に前記加圧エアを送り込んで、内部に残留している
汚れた洗浄液を各水栓11から強制的に排出することが
できる。また、給水縦本管9や給水枝管10内に残留し
ている洗浄液は、加圧エアを導入しないで、各階の水栓
11を開いて自然に排出してもよい。
【0040】その後、流体供給ユニットのボールバルブ
46は開いた状態にし、ボールバルブ46は閉じた状態
で、洗浄液供給部30の貯留容器35に清水を貯留し、
水中ポンプ34を駆動して、連結管14、連結管接続ユ
ニット20を介して給水縦本管9内へ前記清水を送り込
み、管内に残留している洗浄液の濯ぎを行ない洗浄作業
を終了する。この際、各ユニットや連結管内、及び、各
貯留容器内に残留している洗浄液は、各連結管等の取り
外し作業を行う際に、各階のフロアに設けられている排
水口等に排出する。なお、管路内部を濯ぐ作業は、高架
水槽8に清水を満たした後、給水縦本管9、および、給
水枝管10を通して各階の水栓から排水して行ってもよ
い。
【0041】次に、図6は、本発明の給水系管路の開放
型循環洗浄方法の第2の実施例を示すものであって、前
述した図1の実施例とほぼ同様にして実施されるもので
あるが、本実施例においては、前述した図3に示す洗浄
液供給部30の流量調整弁31の連結口33には、流体
供給ユニット40は連結せず、前記連結口33は、図示
しないネジ栓により塞いでおく。また、本実施例では、
洗浄作業を行う前に、高架水槽8に連結されている給水
縦本管9の元バルブ下流側近傍に、サドル付分水栓60
を取り付ける作業を行う。前記サドル付分水栓60は、
図7に示すように、上下に分割されているサドルバンド
61、62を、給水縦本管9の外側からボルト63とナ
ット64によって締結して固定する。サドルバンド61
には、前述した図3に示すものと同一構造の流体供給ユ
ニット40が連結される分水管65が設けられている。
【0042】サドルバンド61を給水縦本管9へ取り付
ける場合には、高架水槽8の元バルブを閉鎖し、サドル
付分水栓60を給水縦本管9に固定した後、分水管65
の開口端よりドリル等の穿孔具を差し込んで、給水縦本
管9の管壁に孔を開けて分水管65と給水縦本管9の管
内とを連通させる。その際、給水縦本管9に孔を開ける
際に出る金属屑は、分水管65の開口端より排出し、給
水縦本管9内に落とさないようにする。サドル付分水栓
60の取付作業が完了したら、図7に示すように、分水
管65に流体供給ユニット40を連結カップリング48
で連結する。
【0043】洗浄作業にあたっては、先ず高架水槽8の
元バルブが閉鎖されている状態で、流体供給ユニット4
0を介して外部の加圧エア源から給水縦本管9と給水枝
管10内に加圧エアを送り込んで、内部に残留している
水を各階のフロアに設置されている水栓11から排水す
る。
【0044】その後、流体供給ユニット40から加圧エ
ア源を外し、図6に示すように、洗浄液供給部30側か
ら引き出されている連結管14を、サドル付分水栓60
側へ導き、前記流体供給ユニット40の流体供給口49
に連結する。そして、前述した実施例と同様に、各階の
フロアに設けられている水栓11を連結管12によっ
て、前述した洗浄液供給部50、50’へ連結し、ま
た、各洗浄液供給部50、50’30の間を連結管13
A、13Bにより連結して、それぞれの洗浄液供給部に
設けられている水中ポンプ34、55を駆動して、給水
縦本管9と給水枝管10の管内に洗浄液を循環させて洗
浄を行う。
【0045】本実施例においては、加圧エアの導入と給
水縦本管9内への洗浄液の導入をサドル付分水栓60を
介して行う点を除き、前述した第1の実施例と同じ要領
で洗浄作業が行われる。なお、給水縦本管9に取り付け
たサドル付分水栓60は、次回の洗浄作業時に利用でき
るように、作業終了後もそのまま残しておくことができ
る。
【0046】図8は、本発明の給水系管路の開放型循環
洗浄方法の第3の実施例を示すものである。同図に示す
実施例は、前述した各実施例が、給水縦本管9と給水枝
管10との洗浄に適用されるものであるのに対して、本
実施例では、さらに、揚水管7も洗浄できるようにした
ものである。すなわち、本実施例においては、前述した
第1の実施例と同様にして、各洗浄液供給部30、5
0、50’と各連結管12、13A、13B、14とを
用いて給水縦本管9と給水枝管10の洗浄作業を行うも
のであるが、さらに、揚水管7の洗浄を行うために、高
架水槽8内に開口している揚水管7の上端開口部に、連
結管14と給水縦本管9とを連結している連結管接続ユ
ニット20と同一構造のもう一つの連結管接続ユニット
20を用いて、連結管15の一端を連結し、前記連結管
15の他端を、洗浄液供給部30に設置されている貯留
容器35内へ引き込んでいる。また、給水縦本管9の最
下端に連通している給水枝管10の末端に取り付けられ
ている水栓11に一端が連結されている連結管12の他
端は、受水槽4と揚水ポンプ6の吸引側とを連結してい
る吸入管5の、前記受水槽4内に開口している端部と連
結管接続ユニット20によって連結される。
【0047】洗浄作業は、前記第1の実施例の場合と同
様に、前述した洗浄液供給部30に設けられている図3
に示す流体供給ユニット40から加圧エアを導入して管
路内の水抜きを行った後、それぞれの洗浄液供給部に設
けられている水中ポンプ34、55を駆動して、給水縦
本管9と給水枝管10の管内に洗浄液を導入する。次い
で、前記各水中ポンプ34、55とともに、揚水ポンプ
6を駆動して、洗浄液を揚水管7に通し、給水縦本管
9、給水枝管10とともに、揚水管7内に洗浄液を循環
させて管壁の洗浄を行う。
【0048】洗浄作業が終了したら、管路内の洗浄液の
排出や各連結管の取り外し作業を、第1の実施例の場合
と同様にして行う。
【0049】図9は、本発明の給水系管路の開放型循環
洗浄方法の第4の実施例を示すものである。この実施例
は、前述した、図7に示すサドル付分水栓60を給水縦
本管9の元バルブ下流側近傍に取り付け、前記サドル付
分水栓60に連結した流体供給ユニット40から、加圧
エアと洗浄液を管路内に導入するようにしたもので、サ
ドル付分水栓60の取付作業等に関しては、前述した第
2の実施例と同様である。
【0050】本実施例では、洗浄作業の前の管路内の水
抜きを行うための加圧エアの導入をサドル付分水栓60
に連結した流体供給ユニット40から行うことと、洗浄
作業時に洗浄液供給部30から引き出された連結管14
を、前記流体供給ユニット40の流体供給口49へ連結
して洗浄液を循環させることを除いては、前述した第3
の実施例と同じ要領で洗浄作業を行うことができる。
【0051】次に、図10は、本発明の給水系管路の開
放型循環洗浄方法の第5の実施例を示すものである。前
述した、図1乃至図9に示す各実施例では、建築物1の
上部に、高架水槽8を設置しており、前記高架水槽8か
ら給水縦本管9へ給水するようにした給水系管路の洗浄
を行うためのものであるが、本実施例の場合は、図10
に示すように、建築物100は、高架水槽を備えておら
ず、建築物100の外部に設置している受水槽104内
に貯留されている水を、吸入管115を介して給水ポン
プ116により、給水縦本管117の下端側へ送り込む
ようにしている。給水縦本管117には、各階において
給水枝管110が分岐されている。
【0052】前記の構造の給水系管路の洗浄作業におい
ては、前述した各実施例で使用している、連結管接続ユ
ニット20、流体供給ユニット40が用いられ、また、
同様に、洗浄液供給部30、50、50’がそれぞれ建
築物100のフロアに配置される。
【0053】洗浄作業を行う場合には、先ず、受水槽1
04を排水して空にした後、受水槽104内に開口して
いる吸入管115の端部に連結管接続ユニット20を介
して連結管14の一端を連結し、また、その他端側を、
建築物100の屋上階のフロアに設置した洗浄液供給部
30側に連結する。洗浄液供給部30は、前述した図3
に示すものが用いられ、前記連結管14は、図3の流量
調整弁31の出口に連結する。ここで、洗浄液供給部3
0の流量調整弁31に連結されている流体供給ユニット
40に加圧エアを導入し、連結管14を介して給水縦本
管117や給水枝管110等の内部に残留している水を
各階のフロアの水栓111から排出する。次いで、各給
水枝管110末端に取り付けられている水栓111と各
洗浄液供給部50、50’に設けられている図4及び図
5に示す流量調整弁53との間を連結管12によって連
結し、また、各洗浄液供給部50、50’、30の間を
連結管13A、13Bによって連結する。なお、各階の
フロアの前記連結管12に連結されていない水栓は、各
階とも閉栓しておく。
【0054】次いで、各洗浄液供給部30、50、5
0’に配置された各水中ポンプ34、55を駆動して、
給水縦本管117、給水枝管110、及び、各連結管等
の内部に洗浄液を導入する。そして、各管内に洗浄液が
満たされたら、給水ポンプ116によって洗浄液を循環
させて給水縦本管117と給水枝管110の管壁の洗浄
を行う。
【0055】洗浄液は、給水ポンプ116から給水縦本
管117内へ送り込まれ、下方から上方へ移動しなが
ら、管壁を洗浄する。洗浄液が給水縦本管117内を移
動する途中で、各階で分岐している給水枝管110内へ
その一部が流入し、給水枝管110内を通過する間にそ
の管壁を洗浄する。
【0056】前記洗浄液はさらに、給水枝管110の末
端の水栓111から、連結管12を通って、洗浄液供給
部50、50’へ回収され、連結管13A、13Bか
ら、洗浄液供給部30、連結管14を経由して吸入管1
15へ入り、給水ポンプ116へと環流される。
【0057】洗浄作業を終了したら、連結管及びユニッ
ト等を取り外し、各階の水栓111を開栓するととも
に、受水槽104に清水を導入して給水ポンプ116を
駆動して、給水縦本管117及び給水枝管110内に残
留する汚れた洗浄液を、清水によってすすぎ、各水栓1
11から排出する。
【0058】図11は、本発明の給水系管路の開放型循
環洗浄方法の第6の実施例を示すものである。本実施例
では、前述した図7に示すサドル付分水栓60に流体供
給ユニット40を連結したものを給水縦本管117の給
水ポンプ116の吐出側に取り付け、流体供給ユニット
の流体供給口49に連結管14を連結して洗浄液を給水
縦本管117内へ導入するようにしたもので、その他の
部分は、前述した図10に示す第5の実施例と同様であ
る。
【0059】本実施例では、洗浄作業を行う際に、受水
槽104側の元バルブを閉鎖しておいて、サドル付分水
栓60に連結されている流体供給ユニット40の流体供
給口49にエアコンプレッサ等の加圧エア源を連結して
加圧エアを導入し、給水縦本管117や給水枝管110
等の内部に残留している水を前記加圧エアによって、各
階のフロアの水栓111から排出する。
【0060】その後、前述した第5の実施例と同様にし
て、各給水枝管110末端に取り付けられている水栓1
11と各洗浄液供給部50、50’に設けられている図
4及び図5に示す流量調整弁53との間を連結管12に
よって連結し、また、各洗浄液供給部50、50’、3
0の間を連結管13A、13Bによって連結して洗浄作
業を行なう。また、洗浄作業を終了した後、管路内に残
留した洗浄液を排出する必要がある場合は、流体供給ユ
ニット40から加圧エアを導入し、その圧力によって、
各階のフロアに設けられている水栓111から排水す
る。なお、洗浄作業を行うために取り付けたサドル付分
水栓60は、次回の洗浄作業のために残しておくことが
できる。
【0061】次に、図12は、本発明の給水系管路の開
放型循環洗浄方法の第7の実施例を示す平面図である。
本実施例の場合は、建築物200は平屋であり、同図に
おいて、水道本管201には、元バルブ202、水量メ
ータ203と介して、給水本管204が連結されてお
り、前記給水本管204から、建築物200内のフロア
の各場所へ、給水枝管205が分岐配管されている。
【0062】前記の構造の給水系管路の洗浄作業におい
ては、前述した各実施例と同様な、図3及び図4にそれ
ぞれ示す洗浄液供給部30と2つの洗浄液供給部50と
が設置される。
【0063】また、水道本管201と給水本管204と
の間にブランチ配管207を取り付けておく。前記ブラ
ンチ配管207は、給水本管204と給水枝管205と
を建築物200内へ配管する際にあらかじめ設けておく
ことができ、また、後から設けることもできる。
【0064】洗浄作業を行う場合には、先ず、元バルブ
202を閉じ、各水栓206と、それぞれの洗浄液供給
部50の流量調整弁53との間を連結管12で連結す
る。また、洗浄液供給部50の水中ポンプ55の吐出側
を、連結管13、13を介して洗浄液供給部30の貯留
容器35内へ引き込み、また、前記洗浄液供給部30の
流量調整弁31と前記ブランチ配管207との間を連結
管14で連結する。
【0065】なお、洗浄作業に先立って、管路内に残留
している水を排水しておく必要がある場合には、連結管
12を水栓206と連結する前に、前記洗浄液供給部3
0の流量調整弁31に取り付けた流体供給ユニット40
から、加圧エアを連結管14を介して管路内に導入し、
各水栓206から残留水の排水を行うことができる。洗
浄作業は、各洗浄液供給部30、50に配置されている
水中ポンプ34、55を駆動して、洗浄液を洗浄液供給
部30から給水本管204内に送り込み、給水枝管20
5から水栓206、連結管12を介して、各洗浄液供給
部50へ回収し、回収した洗浄液をさらに、連結管13
を経由して洗浄液供給部30の貯留容器35へ供給する
ことによって循環させて行う。
【0066】洗浄作業が終了したら、各水栓206とブ
ランチ配管207からそれぞれ連結管12、13を取り
外し、ブランチ配管207の末端は閉塞した後、給水本
管204、給水枝管205内に残留している洗浄液を、
元バルブ202を開いて清水を導入し、各水栓206か
ら排出して、濯ぎ作業を行う。なお、洗浄作業終了時
に、流体供給ユニット40に加圧エアを導入して管路内
に残留している洗浄液を各水栓206から強制的に排出
するようにしてもよい。また、本実施例においては、ブ
ランチ配管207を、給水本管204の最上流側に設け
られている給水枝管205で代用して、前記最上流側の
水栓206に連結管14を連結することもできる。
【0067】なお、前述した各実施例において、連結管
接続ユニット20、流体供給ユニット40、及び、各洗
浄液供給部30、50、50’は、それぞれの実施例中
で説明した構成に限定されるものではなく、同等な機能
を備えたものであればよい。また、前述した各実施例に
おいては、各連結管はすべて屈曲が自在なホース状のも
のを用いているが、給水系管路の配管の状態や、建築物
の構造によっては、部分的に塩化ビニル等の硬質のパイ
プを使用することもできる。また、各実施例において、
連結管は、給水枝管の末端に取り付けられている水栓に
連結した例を示したが、管路内を部分的に洗浄する場合
には、給水枝管の末端の水栓より上流側の洗浄する領域
の最下流端の水栓に連結管を連結すればよい。さらに、
水栓を給水枝管から取り外し、連結管を前記給水枝管の
水栓取付部に直接連結するようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】以上に説明したように、特許請求の範囲
の請求項1記載の発明によれば、洗浄液を管路内で循環
流動させて洗浄を行うため、給水枝管内等で洗浄液が容
易に乱流状態となり、管壁と接している洗浄液の界面が
順次入れ替わるので短時間で大きな洗浄効果が得られる
とともに、少量の洗浄液で洗浄を行うことができる。
【0069】その結果、大きな建築物内に設けられてい
る給水系管路を管径の大小、配管構造の複雑さに限定さ
れることなく効率的に洗浄することができるとともに、
必要に応じて、部分的な洗浄を行うことも可能である。
【0070】また、大気中に開口された貯留容器内から
水中ポンプによって洗浄液を汲み上げ、連結管を介して
給水系管路内に導入するようにしているため、洗浄液が
空気に触れることによって起泡力が増し、洗浄効果を高
めることができる。
【0071】さらに、洗浄液を連結管を通して循環させ
ているため、洗浄液の貯留容器は小さくて済むため、建
築物内の搬入が容易であり、洗浄液のタンク等を備えた
洗浄車が近くへ接近できないような建築物であっても、
容易に洗浄作業を行うことができる。
【0072】また、請求項2記載の発明によれば、下層
階に設置した貯留容器から上層階に設置した貯留容器に
水中ポンプで順次洗浄液を供給するようにしているた
め、洗浄作業に使用する水中ポンプの吐出圧力が小さい
場合であっても、高層階の建築物の洗浄作業に対応する
ことができる。
【0073】さらに、請求項3記載の発明によれば、高
架水槽内に洗浄液を満たす必要が無く、少量の洗浄液で
大きな建築物内に設けられている給水系管路を効率的に
洗浄することができる。しかも、洗浄液は高架水槽内に
開口している給水管の入口から、給水管内へ流入するた
め、洗浄液を導入するために、既設配管に腐食の原因と
なる穿孔等の加工を施す必要もなく、また、高架水槽内
の給水縦本管入口から元バルブの間を含む給水管全体の
洗浄作業を行うことができる。
【0074】また、請求項4記載の発明によれば、洗浄
作業を行う際に高架水槽内に貯留されている水を排出す
る必要がなく、洗浄作業が容易となる。
【0075】また、請求項5記載の発明によれば、揚水
管の洗浄も同時に行うことができるとともに、揚水ポン
プと水中ポンプとの両者を駆動して洗浄液を循環流動さ
せているため、洗浄効率を高めることができる。
【0076】さらに、請求項6記載の発明によれば、高
架水槽を備えていない給水系管路の洗浄を効率的に行う
ことができる。
【0077】また、請求項7記載の発明によれば、洗浄
作業を行う際に受水層内の水を排出する必要がなく洗浄
作業が容易となる。
【0078】さらに、請求項8記載の発明によれば、水
道本管に直結されている平屋等に配管されている給水管
内を、少量の洗浄液によって効率的に循環洗浄すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法の1
実施例を示す図である。
【図2】本発明を実施する際に使用する連結管接続ユニ
ットの一例を示す図である。
【図3】本発明を実施する際に使用する洗浄液供給部及
び流体供給ユニットの一例を示す図である。
【図4】本発明を実施する際に使用する下層階の洗浄液
供給部の一例を示す図である。
【図5】本発明を実施する際に使用する上層階の洗浄液
供給部の一例を示す図である。
【図6】本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法の第
2の実施例を示す図である。
【図7】本発明実施する際に使用する流体供給ユニット
が連結されたサドルバンド付き分水栓の一例を示す図で
ある。
【図8】本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法の第
3の実施例を示す図である。
【図9】本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法の第
4の実施例を示す図である。
【図10】本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法の
第5の実施例を示す図である。
【図11】本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法の
第6の実施例を示す図である。
【図12】本発明の給水系管路の開放型循環洗浄方法の
第7の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1、100、200 建築物、 4、104 受水槽、
6 揚水ポンプ、7 揚水管、8 高架水槽、9、11
7 給水縦本管、 10、110、205 給水枝管、
11、111、206 水栓、12、13、13A、1
3B、14、15 連結管、20 連結管接続ユニッ
ト、 30、50、50’ 洗浄液供給部、40 流
体供給ユニット、 34、55 水中ポンプ、35、5
6 貯留容器、 60 サドル付分水栓、 116 給
水ポンプ、201 水道本管、 202 元バルブ、
204 給水本管、207 ブランチ配管。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物のフロアに搬入した大気中に開口
    された洗浄液の貯留容器から水中ポンプによって洗浄液
    を汲み上げ、連結管を介して給水系管路内に導入して管
    路内を通過させ、前記給水系管路の末端側の水栓部に連
    結した別の連結管を介して前記洗浄液を貯留容器へ回収
    することにより、洗浄液を給水系管路内で循環流動させ
    て管壁の洗浄を行うことを特徴とする給水系管路の開放
    型循環洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記貯留容器と水中ポンプとは、建築物
    の複数の階のフロアに設置し、下層階のフロアに配置し
    た貯留容器内に回収された洗浄液を、前記下層階の水中
    ポンプにより連結管を介して上層階の貯留容器へ供給す
    るようにしたことを特徴とする請求項1記載の給水系管
    路の開放型循環洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記給水系管路内への洗浄液の導入を、
    高架水槽内に開口する給水管入口に連結した連結管を介
    して行うことを特徴とする請求項1又は2記載の給水系
    管路の開放型循環洗浄方法。
  4. 【請求項4】 洗浄液の導入を高架水槽に連結された給
    水管の元バルブ下流側近傍に連結した連結管を介して行
    うことを特徴とする請求項1又は2記載の給水系管路の
    開放型循環洗浄方法。
  5. 【請求項5】 受水層内に開口する揚水ポンプの吸入管
    入口と給水管末端側の水栓部とを連結管によって連結
    し、前記揚水ポンプの吐出側に連結された揚水管の高架
    水槽内に開口する出口に、末端側が貯留容器内に配置さ
    れる連結管の始端側を連結して、前記水中ポンプと揚水
    ポンプとを共に駆動して、給水管内及び揚水管内を循環
    洗浄することを特徴とする請求項3又は4記載の給水系
    管路の開放型循環洗浄方法。
  6. 【請求項6】 洗浄液の導入を受水層内に開口する給水
    ポンプの吸入管入口に連結した連結管を介して行うこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の給水系管路の開放型
    循環洗浄方法。
  7. 【請求項7】 洗浄液の導入を給水ポンプを介して受水
    槽に連結されている給水管の前記給水ポンプの吐出側近
    傍位置に連結した連結管を介して行うことを特徴とする
    請求項1又は2記載の給水系管路の開放型循環洗浄方
    法。
  8. 【請求項8】 洗浄液の導入を水道本管の元バルブ下流
    側に設けたブランチ配管に連結した連結管を介して行う
    ことを特徴とする請求項1記載の給水系管路の開放型循
    環洗浄方法。
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