JPH09105819A - 光ファイバ切り込み治具 - Google Patents

光ファイバ切り込み治具

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JPH09105819A
JPH09105819A JP26135195A JP26135195A JPH09105819A JP H09105819 A JPH09105819 A JP H09105819A JP 26135195 A JP26135195 A JP 26135195A JP 26135195 A JP26135195 A JP 26135195A JP H09105819 A JPH09105819 A JP H09105819A
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cylindrical portion
cutting
cutting blade
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、少ない部品点数で製造で
き、構造が簡単で、切り込み刃の高さ調節作業が簡単
で、しかも光ファイバの切り込み精度の誤差が低減され
た光ファイバ切り込み治具を提供することにある。 【解決手段】 フレーム2と、該フレーム2に回転自在
に支持された切り込み刃3と、該切り込み刃3の中心に
挿通され前記フレーム2に支持された軸棒4とを有する
光ファイバ切り込み治具1であって、前記軸棒4は、そ
の軸線方向と平行な軸線を中心に偏心回転自在に、前記
フレーム2に支持されていることを特徴とする光ファイ
バ切り込み治具1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ切断器
に使用される光ファイバ切り込み治具に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバに一側面から切り込みを入
れ、その切り込み部分で光ファイバを押し曲げることに
よりこれを破断させて切断する光ファイバ切断器におい
て、従来使用されていた光ファイバ切り込み治具を、図
8に示す。なお、光ファイバ19は、その長手方向が紙
面に対して垂直になるように配置されている。
【0003】図8に示すように、この光ファイバ切り込
み治具1には、治具の骨格となるフレーム2に、アーム
傾動用軸芯26を介してアーム25が軸支され、このア
ーム傾動用軸芯26を中心にアーム25を傾動させるこ
とができるようになっている。このアーム25には、軸
棒4を介して、光ファイバ19に切り込みを入れるため
の切り込み刃3が取り付けられていて、切り込み刃3は
軸棒4を中心にして回転させることができるようになっ
ている。
【0004】また、この光ファイバ切り込み治具1に
は、アーム25側面を貫通した状態に螺子嵌合された切
り込み刃押さえ螺子9が設けられていて、切り込み刃3
がひとりでに回転しないように、この切り込み刃押さえ
螺子9によって当該切り込み刃3をその側面から押圧で
きるようになっている。
【0005】さらに、この光ファイバ切り込み治具1に
は、例えばフレーム2下部から挿通され、かつアーム2
5を矢印aの方向に押し上げる傾動角度調節螺子33な
どの傾動角度調節手段が設けられていて、このアーム2
5を、矢印bのように傾動させて所望の傾動角度に調節
することができるようになっている。また、こうして傾
動角度が調節されたアーム25がひとりでに傾動しない
ように、アーム25を上側から押さえつけるアーム押さ
え板29が、フレーム2とアーム25に跨がった状態に
設けられており、このアーム押さえ板29をフレーム2
に固定するために、アーム押さえ板29の螺子用貫通孔
28を通じてフレーム2に螺子嵌合されるアーム押さえ
螺子27が設けられている。
【0006】このように、光ファイバ切り込み治具1に
は、アーム25を傾動させることにより、切り込み刃3
の高さを調節する前記傾動角度調節手段やアーム押さえ
板29などを含む切り込み刃3の高さ調節機構と、切り
込み刃3を回転させることにより、光ファイバ19に切
り込みを入れる刃面を、既に使用済の磨滅した部分から
新たな部分へと替えて、光ファイバ19に常に良好な切
り込み面を形成できるようにする前記軸棒4や切り込み
刃押さえ螺子9を含む切り込み刃3の回転機構とが設け
られている。
【0007】また通常、この光ファイバ切り込み治具1
には、図9に示すように、これを光ファイバ切断器の切
断台14上で移動させるための光ファイバ切り込み治具
1の移動機構が設けられている。この機構は、例えば図
8に示すように、フレーム2の下側に固定された治具移
動用軸芯11を、ブロック12に形成された治具移動用
貫通孔13内に遊嵌状態に挿通したものであり、このブ
ロック12の下部を光ファイバ切断器の切断台14上に
取り付けて固定することにより、後述の図3に示すよう
に、光ファイバ切り込み治具1を光ファイバ切断器上で
移動できるようになっている。
【0008】また図9に示すように、この光ファイバ切
断器では、切断台14上に、互いに間隔を設けてなる一
対のテラス状のステージ15、15´が取り付けられて
いて、このステージ15、15´に蓋板16が蝶番状に
開閉自在に軸支されている。そして、このステージ1
5、15´上面にはクランプ台17、17´が取り付け
られ、蓋板16下部にはクランプ蓋18、18´が設け
られており、これらクランプ台17、17´とクランプ
蓋18、18´とはそれぞれ1対のクランプ31、31
´をなし、光ファイバ19を、二点間で張力をかけた状
態で把持するようになっている。
【0009】また、切断台14上であって、しかもステ
ージ15、15´同士の間の部分には、前述の光ファイ
バ切り込み治具1が、ブロック12と切断台14とを固
定することによって、取り付けられ、紙面に向かって垂
直方向に移動させることができるようになっている。こ
うして、この光ファイバ切り込み治具1の移動により、
切り込み刃3で光ファイバ19に下側から切り込みを入
れることができる。
【0010】さらに蓋板16に設けられた切り欠き部3
0には、押し棒支持具20が取出自在に挿入され、かつ
この押し棒支持具20には押し棒21が上下方向に移動
自在に挿通されていて、この押し棒21を下方側に移動
させることにより、光ファイバ19の切り込み部分(切
り込み刃3側)をその反対側から押圧し、これにより光
ファイバ19を押し曲げ、切り込み部分を起点として破
断させて切断できるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述のような
光ファイバ切り込み治具1では、切り込み刃3の高さ調
節機構が、アーム25の傾動によるものであるため、こ
のアーム25に加えアーム傾動用軸芯26、アーム押さ
え板29、傾動角度調節螺子33、アーム押さえ螺子2
7など多数の部品点数が必要とされ、しかも構造が複雑
になっていた。
【0012】また、光ファイバ切り込み治具1の切り込
み刃3の高さを調節する必要がある場合には、アーム押
さえ螺子27を緩め、傾動角度調節螺子33によりアー
ム25を傾動させて切り込み刃3の高さを再調節し、再
びアーム押さえ螺子27を締めてから、光ファイバ19
が切断できるかどうか、また確かめるという煩雑な切り
込み刃3の高さ調節作業を行わなければならなかった。
【0013】しかも、このような切り込み刃3の高さ調
節作業を行なう際には、光ファイバ切断器の部品同士の
配設位置の関係上、一旦、光ファイバ切り込み治具1を
光ファイバ切断器から取り外してから、これを行なう必
要があった。
【0014】このように、従来の光ファイバ切り込み治
具1における切り込み刃3の高さ調節作業は煩雑で、あ
る程度の熟練した作業者でなければ、多大な作業時間を
必要とした。
【0015】また、従来の光ファイバ切り込み治具1で
は、軸棒4の部分や、アーム傾動用軸芯26の部分でガ
タつきを生じていた。そのため切り込み刃3を、折角、
所望の高さに調節することができても、実際に光ファイ
バ19に切り込みを入れる際には、前述のガタつきの分
だけ光ファイバ19の切り込み精度の誤差が大きくなっ
て光ファイバ19の切り込み深さが浅くなり、うまく光
ファイバ19を切断できないことがあった。
【0016】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、その目的は、少ない部品点数で製造でき、構
造が簡単で、切り込み刃の高さ調節作業が簡単で、しか
も光ファイバの切り込み精度の誤差が低減された光ファ
イバ切り込み治具を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明
の光ファイバ切り込み治具は、フレームと、該フレーム
に回転自在に支持された切り込み刃と、該切り込み刃の
中心に挿通され前記フレームに支持された軸棒とを有す
る光ファイバ切り込み治具であって、前記軸棒は、その
軸線方向と平行な軸線を中心に偏心回転自在に、前記フ
レームに支持されていることを特徴とする。
【0018】本願請求項2記載の発明の光ファイバ切り
込み治具は、本願請求項1記載のものであって、軸棒
は、直径が順に大きくなる第一円筒部、第二円筒部、お
よび第三円筒部とを順に積み重ねたものであり、かつ前
記第二円筒部は、同一軸線を有する前記第一円筒部およ
び前記第三円筒部と軸線がずれた状態に配置されてい
て、切り込み刃は前記軸棒の前記第二円筒部に装着さ
れ、かつ前記軸棒は第一円筒部と第三円筒部でフレーム
に支持されていることを特徴とする。
【0019】本願請求項3記載の発明の光ファイバ切り
込み治具は、本願請求項1または2記載のものであっ
て、軸棒の第三円筒部は、フレームに螺子止めされる雄
螺子になっていることを特徴とする。
【0020】本願請求項1記載の発明の光ファイバ切り
込み治具は、フレームと、該フレームに回転自在に支持
された切り込み刃と、該切り込み刃の中心に挿通され前
記フレームに支持された軸棒とを有する。ここで、この
軸棒は、その軸線方向と平行な軸線を中心に偏心回転自
在に、フレームに支持されている。
【0021】この光ファイバ切り込み治具では、従来通
り、切り込み刃を軸棒の周りで回転させることにより、
光ファイバに切り込みを入れる刃面を、磨滅した部分か
ら新しい部分へと替えることができる。
【0022】また切り込み刃に挿通された軸棒を、フレ
ームで支持したまま、前述の通り偏心回転させるだけ
で、切り込み刃の高さが変動し、これを所望の高さに調
節することができる。しかも、このような作業は、光フ
ァイバ切り込み治具を光ファイバ切断器に設置したまま
でも充分行えるので、この光ファイバ切り込み治具では
切り込み刃の高さ調節作業は簡単である。さらにこの光
ファイバ切り込み治具の切り込み刃の高さ調節機構は、
従来のようにアームの傾動を利用したものではなく、軸
棒の偏心回転によるものなので、部品点数を少なくし、
光ファイバ切り込み治具の構造を簡単にすることができ
る。
【0023】加えてこの光ファイバ切り込み治具では、
アームがない分、光ファイバの切り込み精度の誤差を低
減させ、所望の深さ通りに光ファイバに切り込みを入れ
ることができる。
【0024】次に本願請求項2記載の発明の光ファイバ
切り込み治具では、軸棒は、直径が順に大きくなる第一
円筒部、第二円筒部、および第三円筒部とを順に積み重
ねたものであり、かつ前記第二円筒部は、同一軸線を有
する前記第一円筒部および前記第三円筒部と軸線がずれ
た状態に配置されている。そして切り込み刃はこのよう
な形状の軸棒の前記第二円筒部に装着され、かつ前記軸
棒は第一円筒部と第三円筒部でフレームに支持されてい
る。
【0025】このような光ファイバ切り込み治具では、
この軸棒を、第一円筒部と第三円筒部の軸線を中心に回
転させることにより、第二円筒部とここに装着されてい
る切り込み刃とを偏心回転させて切り込み刃の高さを調
節することができる。
【0026】また切り込み刃を軸棒の第二円筒部の周り
で回転させることにより、光ファイバに切り込みを入れ
る刃面を、磨滅した部分から新しい部分へと替えること
ができる。
【0027】ここで、この光ファイバ切り込み治具で使
用したような軸棒は、製造容易であるし、しかもそれ自
身の偏心回転機構をも兼ねているため、さらに部品点数
を少なくし、かつ光ファイバの切り込み精度の誤差を低
減させることができる。
【0028】本願請求項3記載の発明の光ファイバ切り
込み治具では、前述の軸棒の第三円筒部は、フレームに
形成された雌螺子部に螺子止めされる雄螺子になってい
る。
【0029】従って、この軸棒の第三円筒部を螺子回転
させれば、前述の本願請求項2記載の発明の場合と同様
に、切り込み刃が偏心回転するので、切り込み刃の高さ
を調節することができる。
【0030】しかもこのような手段で切り込み刃の高さ
を調節すれば、螺子の特徴により、偏心回転の回転角度
の微調整を簡単に行なうことができ、しかも雄螺子と雌
螺子の螺子代を少なくしておけば、両者の摩擦により軸
棒がひとりでに偏心回転することを防止することもでき
る。
【0031】このように、軸棒とフレームとの嵌め代を
少なくすることにより、軸棒がひとりでに偏心回転する
ことを防止したり、切り込み刃と軸棒との嵌め代を少な
くすることにより、切り込み刃がひとりでに回転するこ
とを防止することもできるが、本発明の光ファイバ切り
込み治具では、光ファイバの切り込みを精度良く行なう
ため、軸棒がひとりでに偏心回転することを防止する手
段や切り込み刃がひとりでに回転することを防止する手
段を、それぞれ別途設けた方が好ましい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って詳細に説明する。図1、図2に本発明の実施の
形態の一例となる光ファイバ切り込み治具1を示す。図
1、図2に示すように、この光ファイバ切り込み治具1
は、フレーム2と、該フレーム2に回転自在に支持され
た切り込み刃3と、該切り込み刃3の中心に挿通されフ
レーム2に支持された軸棒4と、切り込み刃3がひとり
でに回転するのを防止する切り込み刃押さえ螺子9と、
軸棒4がひとりでに偏心回転するのを防止する軸棒押さ
え螺子10とを有するものである。なお、切り込み刃押
さえ螺子9と軸棒押さえ螺子10とも共にフレーム2に
設けた螺子穴に装着されている。
【0033】また、フレーム2下部には、図8の場合と
同様に、治具移動用軸芯11と、光ファイバ切断器の切
断台14に螺子止めされたブロック12とからなる光フ
ァイバ切り込み治具1移動機構が設けられていて、図3
に示すように、後述の光ファイバ切断器の切断台14上
で、光ファイバ切り込み治具1を移動させることができ
る。
【0034】ここで軸棒4は、図4(a)、(b)(図
4(b)は、図4(a)の矢印方向からみた軸棒4を示
したもの)に示すように、直径が順に大きくなる第一円
筒部5、第二円筒部6、および第三円筒部7とを順に積
み重ねた形状であり、その第二円筒部6は、同一軸線を
有する第一円筒部5および前記第三円筒部7と軸線がず
れた状態に配置されている。また第三円筒部7は、フレ
ーム2に少ない螺子代で螺子止めされる雄螺子になって
いて、この第三円筒部7の底面には、図4(c)および
図5に示すように、内部にドライバー22の先端が入る
凹部8が形成されている。前述の切り込み刃3は、この
ような軸棒4の第二円筒部6に、嵌め合わせただけの状
態で装着されていて、軸棒4とは独立して第二円筒部6
を中心に回転させることができる。
【0035】また、軸棒4は、第一円筒部5と第三円筒
部7とで、フレーム2に回転自在に支持されている。た
だし第三円筒部7が、前述のように、フレーム2に螺子
止めされているのに対し、第一円筒部5は単にフレーム
2に嵌め合わされているだけである。
【0036】さらに切り込み刃押さえ螺子9はフレーム
2に螺子嵌合された埋め込み螺子で、螺子回転により切
り込み刃3を側面から押圧できる構造になっており、そ
の摩擦によって切り込み刃3がひとりでに回転するのを
防止できるようになっている。
【0037】これと同様に、軸棒押さえ螺子10も、フ
レーム2に螺子嵌合された埋め込み螺子で、螺子回転に
より軸棒4(ここでは第一円筒部5)を円筒部側部から
押圧して、フレーム2との間に挟み込んで固定できる構
造になっており、その摩擦によって軸棒4がひとりでに
偏心回転するのを防止できるようになっている。
【0038】このような光ファイバ切り込み治具1の切
り込み刃3の高さを調節するには、まず軸棒押さえ螺子
10を緩め、ドライバー22を軸棒4の第三円筒部7の
凹部8内に差し込んで軸棒4を回転させて、切り込み刃
3を所望の高さに調節し、最後に再度軸棒押さえ螺子1
0を締めるだけでよい。ただし、この軸棒4は、第三円
筒部7とフレーム2との螺子代が少ないので、ひとりで
に回転してしまう心配はない。したがって軸棒押さえ螺
子10を設けなくとも、前述のような切り込み刃3の高
さ調節を、実施可能である。
【0039】上記の切り込み刃3の高さ調整機構によれ
ば、図8に示すようなアーム25の傾動を利用した従来
型の機構に比較して、アーム25を使用することにより
生ずる切り込み刃3の高さ誤差約10〜20μmを低減
することができ、その分、光ファイバ19に精度良く切
り込みを入れることができるので、その後、この光ファ
イバ19を確実に切断できるようになる。
【0040】また、光ファイバ19に切り込みを入れる
切り込み刃3の刃面を、回転により磨滅した部分から新
しい部分に替えるには、切り込み刃押さえ螺子9を緩め
て切り込み刃3を軸棒4の第二円筒部6の周りで回転さ
せ、再度切り込み刃押さえ螺子9を締めるだけでよい。
【0041】しかも、この光ファイバ切り込み治具1で
は、従来構造のもののように、アーム25の傾動機構と
いう、多数の部品を必要としかつ製造困難な機構を使用
しないので、部品点数を大幅に減少させることができ、
かつ容易に製造できる。
【0042】さて、図1、図2に示した光ファイバ切り
込み治具1を配設した光ファイバ切断器を、図5に示
す。図5に示すように、この光ファイバ切断器は、図9
に示した従来型のものとほぼ同様のものであるが、本実
施の形態の一例となる光ファイバ切り込み治具1のメリ
ットを生かすための変更点として、ステージ15(ある
いはステージ15´)に、軸棒4や切り込み刃押さえ螺
子9の凹部8にドライバー22を差し込むため、幾つか
のドライバー用貫通孔32が設けられている。ただしこ
の図面では、図面が煩雑になるので、軸棒押さえ螺子1
0および、切り込み刃押さえ螺子9とそのためのドライ
バー用貫通孔32の図示を省略している。
【0043】こうしてドライバー用貫通孔32が設けら
れていれば、そこにドライバー22を挿通して光ファイ
バ切り込み治具1の軸棒4や切り込み刃押さえ螺子9等
を回転させることにより、当該光ファイバ切り込み治具
1を光ファイバ切断器から取り外すことなく切り込み刃
3の高さを調節したり、切り込み刃3の刃面を新しい部
分に変えることが可能になる。
【0044】ただし図1では、図面の簡略化のため、フ
レーム2の上側から軸棒押さえ螺子10を嵌め込むとい
う光ファイバ切り込み治具1の構造をとっているが、こ
のような構造では、この軸棒押さえ螺子10を締めたり
緩めたりするために光ファイバ切り込み治具1を光ファ
イバ切断器から一旦、取り外す必要がある。これに対し
て図3に示すように、フレーム2側部から軸棒押さえ螺
子10を嵌め込む構造にしておけば、光ファイバ切り込
み治具1を光ファイバ切断器から取り外すことなく当該
軸棒押さえ螺子10を締めたり緩めたりすることができ
るので、好ましい。
【0045】また、このように光ファイバ切り込み治具
1を光ファイバ切断器に取り付けたまま切り込み刃3の
高さを調節できれば、切り込み刃3の高さと、クランプ
31、31´の高さを目視し、比較しながら、切り込み
刃3を適正な高さに調節することができるので、好まし
い。
【0046】ここで、本発明の実施の形態の一例となる
光ファイバ切り込み治具1で使用される軸棒4は図4
(a)、(b)に示すようなものであるが、本発明にて
軸棒4を偏心回転させる機構はこれ以外のものであって
もよい。
【0047】例えば図4(a)、(b)の軸棒4におい
て第三円筒部7が雄螺子構造になっていない嵌め込み式
のものであってもよいし、第一円筒部5を除去して、第
二円筒部6に切り込み刃3が装着され、かつ第三円筒部
7だけでフレーム2に支持される構造にしてもよい。こ
の際、図6に示すように、第二円筒部6は完全に第三円
筒部7の軸線からはずれてしまう位置に接合されていて
もよい。
【0048】これと同様に、例えば図7に示すように、
光ファイバ切り込み治具1において、第三円筒部7の直
径が第一円筒部5と同程度に小さくなった軸棒4を使用
し、第二円筒部6を偏心回転させるため、エッジ24に
指掛け用の凹凸を設けたダイヤル23を第三円筒部7に
接合し、ダイヤル23を指で回転させることにより、切
り込み刃3の高さを調節できるようにしてもよい。
【0049】ただし、ここではフレーム2を符号2、2
´の部分で分離し、両者を装脱着することにより、フレ
ーム2に軸棒4を装脱着できる構造にしている。また、
軸棒4がひとりでに偏心回転しないようにするのに、直
接、軸棒4を軸棒押さえ螺子10で押さえつけるのでは
なく、ダイヤル23をその平坦面で軸棒押さえ螺子10
とフレーム2とで押さえつけている。このように軸棒押
さえ螺子10の押圧力を、曲面(軸棒4の円筒側部)で
なく平坦面(ダイヤル23の平坦面)にかけることによ
り、より効果的に軸棒4の偏心回転を止めることができ
る。
【0050】また本実施の形態の一例における光ファイ
バ切り込み治具1では、光ファイバ切断器の切断台14
上で移動させるための治具移動用軸芯11やブロック1
2を用いた光ファイバ切り込み治具1の移動機構を採用
しているが、本発明の光ファイバ切り込み治具1の移動
機構についてはとくに限定されず、例えば、単に切断台
14上部にレールを設け、光ファイバ切り込み治具1下
部に前記レールに合う走行輪あるいはレールに嵌合する
凹部を設け、前記レールに沿って光ファイバ切り込み治
具1が移動するようにしてもよいし、本発明の光ファイ
バ切り込み治具1を、光ファイバ切り込み治具1移動不
要な型の光ファイバ切断器に応用してもよい。
【0051】さらに本実施の形態の一例における光ファ
イバ切り込み治具1では、切り込み刃3がひとりでに回
転しないように、切り込み刃押さえ螺子9を設けたが、
本発明の光ファイバ切り込み治具1における切り込み刃
3の回転を止める手段は、これに限定されるものではな
く、例えば、自転車のブレーキパッドのような2つのゴ
ム製パッドで切り込み刃3を挟着固定するようなもので
あってもよい。
【0052】
【発明の効果】本願請求項1記載の発明の光ファイバ切
り込み治具は、少ない部品点数で製造でき、構造が簡単
で、切り込み刃の高さ調節作業が簡単で、しかも光ファ
イバの切り込み精度の誤差が低減される。本願請求項2
記載の発明の光ファイバ切り込み治具では、軸棒が、製
造容易であり、しかもそれ自身の偏心回転機構をも兼ね
ているため、さらに部品点数を少なくし、かつ光ファイ
バの切り込み精度の誤差を低減させることができる。本
願請求項2記載の発明の光ファイバ切り込み治具では、
偏心回転の回転角度の微調整を簡単に行なうことがで
き、しかも雄螺子と雌螺子の螺子代を少なくしておけ
ば、両者の摩擦により軸棒がひとりでに回転することを
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ切り込み治具の一例を示
す断面図。
【図2】 図1の光ファイバ切り込み治具の斜視図。
【図3】 本発明の一例となる光ファイバ切り込み治具
の、切断台上における移動態様を側面から示す説明図。
【図4】 図1の光ファイバ切り込み治具に使用されて
いる軸棒を示す図であって(a)はその正面図、(b)
は(a)の矢印方向からみた側面図。
【図5】 本発明の光ファイバ切り込み治具を使用した
光ファイバ切断器の一例を示す断面図。
【図6】 本発明の光ファイバ切り込み治具で使用され
る軸棒の他の実施態様を示す側面図。
【図7】 本発明の光ファイバ切り込み治具の他の例を
示す断面図。
【図8】 従来の光ファイバ切り込み治具の一例を示す
断面図。
【図9】 従来の光ファイバ切り込み治具を使用した光
ファイバ切断器の一例を示す断面図。
【符号の説明】
1 光ファイバ切り込み治具 2、2´ フレーム 3 切り込み刃 4 軸棒 5 第一円筒部 6 第二円筒部 7 第三円筒部 8 凹部 9 切り込み刃押さえ螺子 10 軸棒押さえ螺子 11 治具移動用軸芯 12 ブロック 13 治具移動用貫通孔 14 切断台 15、15´ ステージ 16 蓋板 17、17´ クランプ台 18、18´ クランプ蓋 19 光ファイバ 20 押し棒支持具 21 押し棒 22 ドライバー 23 ダイヤル 24 エッジ 25 アーム 26 アーム傾動用軸芯 27 アーム押さえ螺子 28 螺子用貫通孔 29 アーム押さえ板 30 切り欠き部 31、31´ クランプ 32 ドライバー用貫通孔 33 傾動角度調節螺子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームと、該フレームに回転自在に支
    持された切り込み刃と、該切り込み刃の中心に挿通され
    前記フレームに支持された軸棒とを有する光ファイバ切
    り込み治具であって、 前記軸棒は、その軸線方向と平行な軸線を中心に偏心回
    転自在に、前記フレームに支持されていることを特徴と
    する光ファイバ切り込み治具。
  2. 【請求項2】 軸棒は、直径が順に大きくなる第一円筒
    部、第二円筒部、および第三円筒部とを順に積み重ねた
    ものであり、 かつ前記第二円筒部は、同一軸線を有する前記第一円筒
    部および前記第三円筒部と軸線がずれた状態に配置され
    ていて、 切り込み刃は前記軸棒の前記第二円筒部に装着され、か
    つ前記軸棒は第一円筒部と第三円筒部でフレームに支持
    されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ
    切り込み治具。
  3. 【請求項3】 軸棒の第三円筒部は、フレームに螺子止
    めされる雄螺子になっていることを特徴とする請求項2
    記載の光ファイバ切り込み治具。
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