JPH09104907A - チタンフレークの製造方法 - Google Patents

チタンフレークの製造方法

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JPH09104907A
JPH09104907A JP21054396A JP21054396A JPH09104907A JP H09104907 A JPH09104907 A JP H09104907A JP 21054396 A JP21054396 A JP 21054396A JP 21054396 A JP21054396 A JP 21054396A JP H09104907 A JPH09104907 A JP H09104907A
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Uichi Miyake
宅 右 一 三
Takuo Yamamura
村 卓 夫 山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】軽量かつ高強度で、耐水性、耐薬品性に優れた
チタンあるいはチタン合金のフレークを製造するに際
し、ミルに添加する溶剤および/または添加剤の量を制
御することにより、高アスペクト比であるばかりでな
く、外周形状のそろったチタンフレークを簡単な工程で
極めて安価かつ高歩留に製造することのできるチタンフ
レークの製造方法を提供する。 【解決手段】チタンまたはチタン合金の粉体および/ま
たは焼結体などのチタン原材料と、溶剤および/または
添加剤と、をミルに装入してチタンフレークを製造する
に際し、湿式ミルでは、チタン原材料に対する溶剤の量
を4〜5l/kg、または溶剤の量を4〜5l/kg以
下かつ添加剤の量を20〜30wt%にし、乾式ミルで
は、チタン原材料に対する添加剤の量を20wt%超に
することにより、特定形状のチタンフレークを選択的に
製造することにより、上記目的を達成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック、金
属、セラミックス等の強化用、あるいはプラスチック、
塗料および接着剤等への導電性の付与、電磁シールド性
の付与、金属光沢の付与、および耐食性、耐久性、耐薬
品性、耐沸騰水性、耐膨潤性、耐放射線性、耐チッピン
グ性および彩色性などの付与等に用いるのに好適なチタ
ンフレークの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料等の耐久性、耐食性を高め、
塗料等に金属光沢を付与し、電磁シールド効果を高め、
また、プラスチックそのものに導電性を付与し、電磁シ
ールド効果を高めるために、高品位の粒径、厚さのそろ
った高アスペクト比(平均長径/平均厚さ)の金属フレ
ークが求められている。上記の目的のために用いられる
金属フレークとしては、最大長さ200μm以下、平均
厚さ0.1〜5μm、平均長径5〜150μm、アスペ
クト比5以上、より好ましくはアスペクト比30以上の
ものが好適である。これは塗料用等にスプレーガンを用
いる場合、最大長200μmを越えるとノズルをつまら
せるおそれがあり、平均厚さが5μmをこえ、平均長径
が5μm以下、アスペクト比が5未満であると充分な比
表面積を持つことができず、ラビリンス効果および隠蔽
効果が得られず、特に塗料用に用いる場合防錆力等に対
して金属フレークの持つ特徴を発揮することができな
い。
【0003】ところで、これらの塗料を鋼板のカラーコ
ーティングラインや自動車の塗料ラインなどに供給する
場合は、その比重が重く、沈降性が大きいので、供給用
パイプライン中で沈積による組成変動を生じたり、タン
ク内でやはり沈積して不均一な層状を呈するなどの問題
がある。それ故、金属フレーク含有塗料のフレークの沈
降防止と軽量化が求められていた。このため、アルミニ
ウムやチタンなどの軽金属フレークの製造が試みられて
いる。しかし、アルミニウムフレークやチタンフレーク
などの軽金属のフレークは反応性が高く、製造法によっ
ては爆発的に反応してしまうために、製造コストが高い
などの問題がある。
【0004】従来、金属フレークの製造法には原料金属
を溶融してノズルから水または不活性ガスを噴出させる
アトマイズ法により微粒化し、スタンプミル等で扁平化
する方法がある。しかし、これらの方法でも粒径および
厚さのそろった高アスペクト比の金属フレークを製造す
ることはできるが、非常にコストが高い。このため、例
えば、特開昭57−67101号公報では、圧延可能な
金属粉を互いに重なり合うことなく圧延ロールに供給
し、圧延された金属フレークをロールから掻き落す方法
を提案している。
【0005】しかし、上記の方法のような従来法は工程
が複雑であるばかりか、ステンレスフレークなどの低い
反応性の金属製のフレークには好適であっても、チタン
やアルミニウムなどの高反応性の軽金属製のフレークに
は適用が困難であり、さらに、金属フレークの扁平度
(アスペクト比)は考慮しているけれども、該金属フレ
ークの外周形状については何ら考慮されておらず、用途
に応じて外周形状のそろった金属フレークを製造するの
が困難であるなどの問題があった。また、アルミフレー
クはチタンフレークに比して化学反応性が高く耐薬品
性、耐食性が低いので、以下のような問題があった。 フレーク化の過程で空気中において酸化発熱し易い。 NaOH、H2 SO4 、HCl、H2 S等の酸、アル
カリにより腐食が進む。 顔料として使用する場合において、変色(黒色化)し
たり、経年劣化を生じ易いから輝度の低下を招く。 水性塗料に用いる場合、H2 Oと反応して水素を発生
し易い。 機械的な諸強度がチタンに比較して低い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消し、軽量かつ高強度で、耐水
性、耐薬品性に優れたチタンあるいはチタン合金のフレ
ークを製造するに際し、ミルに添加する溶剤および/ま
たは添加剤の量を制御することにより、高アスペクト比
であるばかりでなく、外周形状のそろったチタンフレー
クを簡単な工程で極めて安価かつ高歩留に製造すること
のできる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、次の本発
明によって達成される。すなわち、本発明は、チタンま
たはチタン合金(以下、「チタン」と総称する)の粉体
および/または焼結体(以下、「チタン原材料」とい
う)ならびに溶剤および/または添加剤をミルに装入し
てチタンフレークを製造するに際し、湿式ミルでは、前
記チタン原材料に対する溶剤の量を4〜5l/kg、ま
たは溶剤の量を4〜5l/kg以下かつ添加剤の量を2
0〜30wt%にし、乾式ミルでは、前記チタン原材料
に対する添加剤の量を20wt%超にすることにより、
特定形状のチタンフレークを選択的に製造することを特
徴とするチタンフレークの製造方法を提供するものであ
る。
【0008】ここで、前記特定形状のチタンフレーク
は、外周と平均径との比が6.5以下の外周がなめらか
なチタンフレークであるのが好ましい。また、前記溶剤
は水、イソブチルアルコール、アルコール、トルエン、
キシレン、ナフサおよびスチレンモノマーを含むもので
あるのが好ましい。また、前記添加剤はカップリング
剤、油、脂肪、高級脂肪酸、アルコキシ類および金属酸
化物であるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。本発明において対象とするチタンは、純チタン
および銅、スズ、鉄、コバルト、アルミニウム、クロ
ム、モリブデンおよびタングステンなどの金属とチタン
との合金であってもよく、この他チタンの特性を損なう
ものでなければC、O、Nなどの非金属元素あるいはあ
らゆる金属元素を不純物として含んでいてもよく、以下
では、これらを総称してチタンという。本発明において
用いることのできるチタン焼結体および/またはチタン
原料粉末はミルにおいてフレーク化しやすいものであれ
ばいかなるものでもよいが、チタン原料粉末としては、
例えば、チタン製造、加工工程中で発生するチタンの粒
状物、あるいは、アトマイズ法による溶融金属から得ら
れる粒状物、扁平または箔状物などが挙げられ、および
チタン焼結体としてはルチル、イルメナイトおよび高チ
タンスラグなどから精錬して得られた破砕可能なチタン
の粒塊あるいは粒状物の集合塊状物などが挙げられる。
【0010】前記粒状物の場合、粒径200μm以下の
ものが好ましく、より好ましくは3μm〜100μmの
ものがよい。また、前記箔状物の場合は500μm以下
のものでよいが、好ましくは3μm〜500μmのもの
がよい。また、前記粒塊あるいは集合塊状物の場合は特
にサイズに制限はないが、1500μm以下のものが好
ましく、より好ましくは5μm〜300μmのものがよ
い。
【0011】本発明法により製造されるチタンフレーク
としてはどのようなものでもよく、その用途に応じて形
状、寸法および外周形状など適当なものを選ぶことがで
きるが、一般に最大径200μm以下、平均長径5〜1
50μm、平均厚さ0.1〜5μm、アスペクト比5以
上のものが好ましい。より好ましくは最大径では100
μm以下、平均長径では15〜80μm、平均厚さでは
0.1〜3μm、アスペクト比では、30以上のものが
よい。特に好ましくは、最大径80μm以下、アスペク
ト比100以上のものである。本発明法により製造され
るチタンフレークの形状は上記寸法の鱗片状(扁平状)
であるが、その外周形状は特定形状のものが得られる。
例えば、図2に示すように外周がなめらかな楕円形チタ
ンフレークなどが挙げられる。楕円形チタンフレークと
しては、6.5以下のものが好ましく、より好ましくは
4.5以下のものがよい。
【0012】本発明に用いられるミルとしては、湿式ミ
ルおよび乾式ミルのどちらでもよいが、例えば湿式ミル
としてはボールミル、アトライターミル、振動ミルおよ
びソニマック(富士電機(株)製)などを代表的に挙げ
ることができ、乾式ミルとしてはスタンプミル、バーミ
ル、振動ミル、アトライターミル、ソニマック(富士電
機(株)製)などを代表的に挙げることができる。湿式
ミルを用いる場合は溶剤の他に添加剤として、展延用添
加剤および/または表面処理剤を必ずしも使用する必要
はないが、乾式ミルを用いる場合は溶剤を加えないの
で、添加剤として、発火防止のための展延用添加剤およ
び/または表面処理剤を使用する必要がある。本発明に
用いられる溶剤は、湿式ミルに混入する流動性液体であ
って、発火防止のため発火性の乏しい溶剤である必要が
あるが、いかなるものを用いてもよい。このような溶剤
は展延溶剤、表面処理溶剤および分級溶剤などに分類で
き、これらの溶剤はいずれも単独で用いてもよいし、い
くつかを混合して用いてもよい。
【0013】展延溶剤としてはチタンを腐食・溶解しな
いものであれば何でもよいが例えば、水、イソブチルア
ルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレン、ナ
フサ、油、溶剤、樹脂モノマー、オリゴマー等を挙げる
ことができる。モノマーとしては、スチレンモノマーお
よびその同効組成物を用いることができる。表面処理溶
剤としては、添加剤と相溶性のあるものであれば何でも
よく、例えば、疎水性の添加剤としてトルエン、ナフサ
等、また親水性の添加剤して水、アルコール等を挙げる
ことができる。分級溶剤としては、展延溶剤、表面処理
溶剤に混入してもトラブルを生じないものであれば何で
もよく、例えば、代表的にナフサ、水などが挙げられ
る。
【0014】本発明に用いられる添加剤は展延用添加剤
と表面処理用添加剤とに分類できる。展延用添加剤は単
独かまたは主剤として乾式ミルに添加して、あるいは溶
剤とともに湿式ミルに混入して、その添加量により、チ
タンフレークの長径、アスペクト比などの形状のみなら
ず、図2に示すように楕円形など、外周と平均径との比
で代表的に示される外周形状を制御するためのものであ
る。展延用添加剤は主に発火防止性があり、分散性がよ
く、潤滑性および付着防止性があれば何でもよく、例え
ば、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸、極圧
性の高い各種の圧延オイルなどが代表的に挙げられる。
ここで、展延用添加剤はその後のチタンフレークの用途
に応じて、使い分けるのが好ましく、前述の高級脂肪酸
は接着性を害するため接着剤に用いるチタンフレークに
は不向きである。表面処理用添加剤はチタンフレークと
ビヒクルなどのチタンフレークの分散媒との機能的結合
性を向上させるものであれば、いかなるものでもよく、
その用途、分散媒に応じて使い分けるのが好ましい。表
面処理用添加剤としては、例えばチタネート、シラン系
等のカップリング剤、潤滑性のある各種油類、脂肪、高
級脂肪酸、各種アルコキシ類、各種ゾル、ジルコン、チ
タン、鉄なとの金属酸化物等潤滑性を与える事のできる
物質などが代表的に挙げられる。分散媒となるビヒクル
やマトリックスが疎水性である場合は、疎水性であるカ
ップリング剤を用いるのがよく、親水性の分散媒を用い
る場合はアルコキシ類やゾル類やジルコン、チタン、鉄
などの金属酸化物などの親水性表面処理用添加剤を用い
るのが好ましい。
【0015】本発明のチタンフレークの製造方法の一実
施態様のフローチャートを図1に示す。本発明において
は、種々のミルを用いることができるが、本実施態様に
おいては、ボールミルを用いており、ボールミルを用い
る場合を代表例として説明する。
【0016】まず、始めに、チタンあるいはチタン合金
の粒状物、箔状物および粒塊、集合塊状物などの原材料
をボールミルに装入する。本発明においては、チタンの
精錬の際に副生するチタンダストなどの粒状物もそのま
ま原材料として使用できるので、コストを低減できる。
この時、粒径で200μm以下の粒状物、500μm以
下の箔状物、1500μm以下の粒塊は前処理を行っ
て、粗粉砕しておくのがよい。上述のチタンフレークの
原材料をボールミルに装入する際には、溶剤および/ま
たは添加剤も同時に混入する。チタンフレークとして、
図2に示すような外周がなめらかな、楕円形のチタンフ
レークを製造する場合に、湿式ミルで行う場合には粘性
の大きい溶剤を2〜5l/kg 、好ましくは4〜5l/kg
を用いるか、溶剤に添加剤を20〜30wt%に加える
のが好ましい。
【0017】ここで、添加剤として、粘性の大きい添加
剤を用いるのが好適である。この時、溶剤の粘度調整の
ため、展延溶剤に表面処理溶剤および/または分級溶剤
を混合して用いることもできる。さらに、添加剤も、展
延用添加剤と表面処理用添加剤とを混合して必要な粘度
を得るように調整してもよい。例えば、このような溶剤
としては、高粘度ナフサ、潤滑オイルなどが挙げられ、
添加剤としてはステアリン酸、オレイン酸などが挙げら
れる。
【0018】また、乾式ミルで行う場合には、20wt
%超の添加剤のみを用いて行い、添加剤としては、高粘
度の添加剤を用いるのがよく、展延用添加剤のみなら
ず、表面処理用添加剤を混合して用いてもよい。例え
ば、このような添加剤としては、牛脂、極圧グリース類
などが挙げられる。
【0019】上述したように、チタンフレークの外周形
状を制御する因子は、粉砕中のミル内の溶剤あるいは添
加剤の粘度と潤滑性にあるので、本発明法の特徴は溶剤
および/または添加剤の量により、粘度を調整し、製造
されるチタンフレークの外周形状を制御することにあ
る。しかし、溶剤あるいは添加剤の粘度は温度により大
きく変化し、ミル内に装入する前とミル内で粉砕中では
全く異った粘度となることは明らかであり、粘度を特に
限定する必要はない。このため、本発明では楕円形のチ
タンフークを製造する場合には、溶剤に20〜30wt
%の添加剤を添加して、あるいは添加剤のみの場合は、
その添加量を20wt%超にして、粘度を高くしておく
ことである。
【0020】本発明で用いられるボールミルの加工時間
は30分以上60時間以下が好ましく、ボールミルの回
転速度は、ボールミルの大きさにもよるが、600rp
m以下が好ましい。より好ましくは20〜25時間、1
20〜240rpmがよい。この理由は加工時間が30
分未満では、十分な粉砕、展延ができずアスペクト比5
以上のチタンフレークの製造ができず、60時間超で
は、摩砕が進みすぎて、微粉粒となってしまい、アスペ
クト比5以上のチタンフレークの歩留が悪くなるばかり
か、エネルギ消費が大であり製造コストが上昇するから
である。また、ボールミルの回転速度が600rpm超
では、ボールミルによる粉砕が進まないからである。こ
こで、チタンフレークの用途により所定のチタンフレー
クの形状および外周形状に応じて、ボールミルの加工時
間、回転速度などの加工条件を変えるのが好ましい。加
工温度については、特に限定する必要はないがボールミ
ル内のチタン原材料が加工中に発火、あるいは急激な酸
化をすることのないような温度に制御できればよい。
【0021】こうして、得られたチタンフレークは図1
に示すように、分級機にかけられ、不要な溶剤、添加剤
を分離すると同時に最大径あるいは重量などに応じて分
類される。それぞれ分類されたチタンフレークは表面処
理が施され、シボリによって余分な表面処理剤あるい
は、付着溶剤や付着添加剤が払拭されて、チタンフレー
ク製品となる。もちろん添加剤として表面処理用添加剤
を用いている場合には分級した後の表面処理を省略して
もよい。こうして得られたチタンフレークは空気中にお
いて、瞬時に薄くて透明な酸化皮膜を形成するが、この
強固な酸化皮膜に保護されたフレークは、空気中ではほ
とんど変化しないチタンの性質を有していることはもち
ろん表面にごく薄い酸化皮膜を形成しており、耐食性が
極めて大きく、特に海水に対する耐食性が大きいもので
ある。このような性質を有するチタンフレークを本発明
法により製造すると最大径、平均長径、アスペクト比な
どの形状だけではなく、外周と平均径との比、楕円形な
どの外周形状のそろったフレークとなるので、導電性付
与、絶縁性保持、重防食性付与、彩色性付与などの用途
に応じて、効果的なチタンフレークを提供できる。以
上、本発明に係るチタンフレークの製造方法をボールミ
ルを代表例として用いて説明したけれども、本発明はこ
れに限定されるわけではなく、種々の改良が可能なこと
は勿論である。
【0022】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説
明する。 (実施例1)原材料として1000gのチタンアトマイ
ズ粉(川崎製鉄(株)製)と、溶剤として1800gの
トルエンと、添加剤として200gのステアリン酸とを
容積4lのボールミルに充填し、回転速度120rpm
にて18時間、湿式ボールミル摩砕を行った。この後、
分級機にかけ、チタネート(味の素(株)製)の表面処
理剤で表面処理したのち、シボリを行ってチタンフレー
ク製品を得た。得られたチタンフレークは図3に示すよ
うに外周がなめらかな楕円型であり、最大径6〜80μ
m、平均長径20μm、アスペクト比70〜120、外
周/平均径3.5〜7.2のものであった。
【0023】(実施例2)原材料として1000gの扁
平状チタン粉体(川崎製鉄(株)製)と、添加剤として
300gのオレイン酸とを容積4lのボールミルに充填
し、回転速度120rpmにて15時間、ボールミル摩
砕を行った。この後、実施例1と同様にしてチタンフレ
ーク製品を得た。得られたチタンフレークは図4に示す
ように外周がなめらかな楕円型であり、最大径6〜15
0μm、平均長径80μm、アスペクト比60〜15
0、外周/平均径3.8〜4.3のものであった。
【0024】(比較例)原材料として、1000gのチ
タンアトマイズ粉(川崎製鉄(株)製)と、溶剤とし
て、450gのトリクレンと、添加剤として30gのス
テアリン酸を容積4lのボールミルに充填し、回転速度
120rpm、25時間、ボールミル摩砕を行った。こ
の後実施例1と同様にしてチタンフレークを製造した。
得られたチタンフレークは図5に示すように、扁平化途
中で接合して塊状となり、最大径5〜200μm、平均
長径40μm、アスペスト比3〜85、外周/平均径
4.5〜9のものであった。
【0025】以上のことから明らかなように、本発明の
実施例は比較例に比べて、得られたチタンフレークの最
大径、平均長径、アスペクト比、外周/平均径など形状
および外周形状が揃ったフレークである。このため本発
明法により得られたチタンフレークはその用途に応じ、
形状および外周形状の好適なチタンフレークを選択でき
るので、チタンフレークをフィラーとして用いた塗料、
樹脂、接着剤などの性質をチタンフレークの混入量にか
かわらず、均質化することができる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のチタンフ
レークの製造方法によれば、ミルに原材料とともに混入
する溶剤および/または添加剤の量を制御することによ
り、製造されるチタンフレークの最大径、平均長径、ア
スペクト比などの形状を制御して、均質化できるばかり
か外周/平均径、楕円形など外周形状をも制御して、均
質化できるので、その用途に応じて最適のチタンフレー
クを安価にかつ簡単な工程で提供できる。このため、本
発明法により製造されたチタンフレークを用いた塗料、
樹脂、接着剤など複合組成物の導電性、絶縁性、耐食性
(重防食性)、彩色性、隠蔽性などの性質を均質化で
き、コストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るチタンフレークの製造方法の一
実施態様のフローチャートを示す線図的断面図である。
【図2】 「粒子構造」を示す図面代用写真(倍率10
00倍)であり、本発明法によって製造されたチタンフ
レークの表面形状および外周形状を示す写真である。
【図3】 「粒子構造」を示す図面代用写真(倍率10
00倍)であり、本発明法によって製造されたチタンフ
レークの表面形状および外周形状を示す写真である。
【図4】 「粒子構造」を示す図面代用写真(倍率10
00倍)であり、本発明法によって製造されたチタンフ
レークの表面形状および外周形状を示す写真である。
【図5】 「粒子構造」を示す図面代用写真(倍率10
00倍)であり、従来法によって製造されたチタンフレ
ークの表面形状および外周形状を示す写真である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタンまたはチタン合金(以下、「チタ
    ン」と総称する)の粉体および/または焼結体(以下、
    「チタン原材料」という)ならびに溶剤および/または
    添加剤をミルに装入してチタンフレークを製造するに際
    し、 湿式ミルでは、前記チタン原材料に対する溶剤の量を4
    〜5l/kg、または溶剤の量を4〜5l/kg以下か
    つ添加剤の量を20〜30wt%にし、乾式ミルでは、
    前記チタン原材料に対する添加剤の量を20wt%超に
    することにより、特定形状のチタンフレークを選択的に
    製造することを特徴とするチタンフレークの製造方法。
  2. 【請求項2】前記特定形状のチタンフレークは、外周と
    平均径との比が6.5以下の外周がなめらかなチタンフ
    レークである請求項1に記載のチタンフレークの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記溶剤は水、イソブチルアルコール、ア
    ルコール、トルエン、キシレン、ナフサおよびスチレン
    モノマーを含むものである請求項1または2に記載のチ
    タンフレークの製造方法。
  4. 【請求項4】前記添加剤はカップリング剤、油、脂肪、
    高級脂肪酸、アルコキシ類および金属酸化物である請求
    項1ないし3のいずれかに記載のチタンフレークの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007284781A (ja) * 2006-03-23 2007-11-01 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 難燃性マグネシウム微粒粉体とその製造方法
CN114888294A (zh) * 2022-05-14 2022-08-12 安徽纳洛米特新材料科技股份有限公司 一种工业化生产片状纳米镍粉的方法

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