JPH09104128A - サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの発熱ドットの出力調整方法 - Google Patents

サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの発熱ドットの出力調整方法

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JPH09104128A
JPH09104128A JP7262648A JP26264895A JPH09104128A JP H09104128 A JPH09104128 A JP H09104128A JP 7262648 A JP7262648 A JP 7262648A JP 26264895 A JP26264895 A JP 26264895A JP H09104128 A JPH09104128 A JP H09104128A
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common electrode
individual electrode
heating
print head
thermal print
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JP7262648A
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Hideo Taniguchi
秀夫 谷口
Yasuhisa Fujii
泰久 藤井
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な手法によって薄膜型サーマルプリント
ヘッドにおける各発熱ドットの出力を一定に調整する。 【解決手段】絶縁基板11上に形成した薄膜抵抗体層13の
上に共通電極14と個別電極15とをそれらの端縁14a ,15a
が所定の間隔を隔てて対向するようにして層状に形成
し、共通電極14の端縁14a と個別電極15の端縁15a との
間に露出する薄膜抵抗体層13によって形成される発熱ド
ット16が多数個並ぶように配置されたサーマルプリント
ヘッドにおいて、各発熱ドット16に対応する個別電極お
よび/または共通電極の中間部の抵抗値を調整すること
により、各発熱ドット16の出力を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、薄膜型サーマルプリントヘッ
ドにおける個別駆動される発熱体(以下、発熱ドットと
いう。)の出力を正確に調整するための技術に関する。
【0002】
【従来技術】ファクシミリやプリンタ等の感熱式印字部
に使用されるサーマルプリントヘッドは、ヘッド基板上
に多数個列状に配置した発熱ドットを印字情報にしたが
って選択的に発熱駆動するように構成される。そして、
発熱ドットの形成方式により、サーマルプリントヘッド
は、厚膜型と薄膜型とに分類される。
【0003】厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて
は、ヘッド基板上にパターン形成した櫛歯状の共通電極
と個別電極との上に、酸化ルテニウム等を主成分とする
細幅帯状の抵抗体を厚膜印刷および焼成することによっ
て上記の発熱ドットが形成される。選択した個別電極を
オン駆動すると、この個別電極を挟む二つの共通電極で
囲まれる発熱体の一部領域が発熱する。このような個別
発熱可能な発熱体の一部領域がそれぞれ発熱ドットを形
成する。
【0004】一方、薄膜型サーマルプリントヘッドは、
本願の図9および図10に示すように、絶縁性基板1の
表面上に蓄熱グレーズ2を形成した上で、この蓄熱グレ
ーズ2ないし絶縁基板1の表面に薄膜状の抵抗体層3を
蒸着、気相成長法(CVD)、あるいはスパッタリング
等の薄膜形成法によって形成し、そして、この抵抗体層
3に重ねるようにして、上記グレーズ2の頂部において
先端縁どうしが所定の間隔をあけて互いに対向するよう
に共通電極4および個別電極5を形成して構成される。
蓄熱グレーズ2を覆う抵抗体層3のうち、共通電極4の
先端縁4aと個別電極5の先端縁5aで挟まれる領域で
露出する部分が発熱ドット6として機能する。図10の
平面図に示されるように、隣合う共通電極4および個別
電極5間には、上記抵抗体層3及びスリット7が形成さ
れており、各発熱ドット6を互いに独立に分離してい
る。各個別電極5は、図外の駆動ICの出力端子にそれ
ぞれ導通させられる。上記共通電極4および個別電極5
を形成するための金属被膜もまた、蒸着、CVD、ある
いはスパッタリング等の薄膜形成法によって形成され
る。共通電極4および個別電極5のパターニングは、フ
ォトエッチング法によって行われる。図9において符号
8は、たとえば五酸化タンタルをスパッタリングするな
どして形成される保護層を示す。
【0005】選択した個別電極5をオン駆動すると、共
通電極4の先端縁4aと個別電極5の先端縁5aとの間
に露出する抵抗体層3からなる発熱ドット6に電流が流
れ、これが発熱する。薄膜型サーマルプリントヘッド
は、発熱ドット6が薄膜形成された抵抗体層3によって
形成されているため、駆動入力に対する発熱応答性が良
好であり、高速印字に適している。また、発熱ドット6
の輪郭が明瞭であるため、高密度印字に適している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サーマルプ
リントヘッドの製造において、抵抗体層の膜厚のバラツ
キ、エッチング寸法ムラなどにより、各発熱ドットごと
の抵抗値にバラツキが生じるため、このようなサーマル
プリントヘッドによる印字品質を高めるためには、各発
熱ドットの抵抗値、より好適には各発熱ドットの発熱出
力を主走査方向(発熱ドットの配列方向)に一定とする
ことが望ましい。
【0007】このような発熱ドットごとの抵抗値調整
は、厚膜型サーマルプリントヘッドにおいては、各発熱
ドットに対応する共通電極と個別電極間の抵抗値を監視
しつつこれら電極間に高圧パルス電流を流して各発熱ド
ットの抵抗値を基準値に調整する、いわゆるパルストリ
ミングによって行われる。高圧パルス電流により、抵抗
体中の成分の結晶構造が変化する等して、発熱ドットの
抵抗値が変化するのである。
【0008】しかしながら、薄膜型サーマルプリントヘ
ッドにおいては、抵抗体が薄膜構造であるため、パルス
電流の印加によってはその抵抗値が変化しにくく、した
がって、厚膜型サーマルプリントヘッドにおけるパルス
トリミングの手法をそのまま適用することができない。
また、発熱ドットを形成する抵抗体に直接レーザトリミ
ングを施すことは、発熱ドットの形態を崩すことになる
ので採用できない。そうして、薄膜型サーマルプリント
ヘッドにおいて発熱ドットの抵抗値ないしは発熱出力調
整を適正に行うためのその他の手法はこれまでに提案さ
れていない。
【0009】一方、薄膜型サーマルプリントヘッドは、
前述のように高速印字に適しているとともに、発熱ドッ
トの輪郭が明確なため、今後カラー印刷のための簡易な
デバイスとして期待されている。カラー印刷を行うため
には、たとえば出力を変化させて64階調や128階調
といった多階調印字が求められるため、精彩なカラー画
像をサーマルプリントヘッドを使用した熱転写式印刷に
よって得るためには、発熱ドットごとの出力を一定とす
るための調整がより一層必要となる。
【0010】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、簡単な手法によって薄膜型サー
マルプリントヘッドにおける各発熱ドットの出力を一定
に調整する新たな方法、この方法によって各発熱ドット
の出力が一定に調整された薄膜型サーマルプリントヘッ
ド、および、上記の方法による各発熱ドットの出力調整
が可能な薄膜型サーマルプリントヘッドを提供すること
をその課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願発明では、次の各技術的手段を採用した。
【0012】本願発明の第1の側面によれば、サーマル
プリントヘッドの発熱ドットの出力調整方法が提供さ
れ、この方法は、絶縁基板上に形成した薄膜抵抗体層の
上に共通電極と個別電極とをそれらの端縁が所定の間隔
を隔てて対向するようにして層状に形成し、共通電極の
端縁と個別電極の端縁との間に露出する薄膜抵抗体層に
よって形成される発熱ドットが多数個並ぶように配置さ
れたサーマルプリントヘッドにおいて、各発熱ドットに
対応する個別電極および/または共通電極の中間部の抵
抗値を調整することにより、各発熱ドットの出力を調節
することを特徴とする。
【0013】各発熱ドットの出力調整は、たとえば、次
の手順によって行うことができる。各発熱ドットに直列
の関係にある個別電極の抵抗値を調整する場合について
いえば、まず、各発熱ドットの抵抗値とこれと直列の関
係にある個別電極中の抵抗値を測定する。発熱ドットの
抵抗値は、発熱ドットを挟む電極間にプローブを当てる
ことにより、個別電極中の抵抗値は抵抗部の両側にプロ
ーブを当てることによって測定することができる。多数
の発熱ドットにつき上記の測定を行い、発熱ドットの抵
抗値と個別電極の抵抗値の合計抵抗値の最大値を求め、
この合計抵抗値が最大になる場合の発熱ドットを基準発
熱ドットとする。発熱ドットに対する駆動電圧はたとえ
ば10Vというように決まっているから、この電圧を上
記最大の合計抵抗値で除することにより、当該基準発熱
ドットを流れる電流値が演算によって求められ、併せ
て、この電流値と基準発熱ドットの抵抗値から、当該基
準発熱ドットの消費電力(出力)が求められる。
【0014】そうして、他の発熱ドットの消費電力(出
力)が上記基準発熱ドットの消費電力と等しくなるよう
に、各発熱ドットに直列する個別電極中の抵抗値の調整
を行う。すなわち、各発熱ドットおよびこれに直列する
個別電極中の抵抗値を計測した上、目標となる上記の消
費電力値と当該発熱ドットの抵抗値から、この発熱ドッ
トに流すべき目標電流値を演算によって求めることがで
きる。同時に、駆動電圧(たとえば10V)をこの目標
電流値で除することにより、発熱ドットおよびこれに直
列する個別電極中の抵抗値の目標合計値を演算によって
求めることができる。この目標合計値から当該発熱ドッ
トの抵抗値を減算することにより、個別電極中の抵抗の
目標値が判る。したがって、こうして求められた目標値
となるように個別電極の抵抗値を調整することにより、
当該発熱ドットの消費電力(出力)を、上記した基準発
熱ドットの消費電力と一致させることができる。このよ
うな操作をすべての発熱ドットについて行うことによ
り、仮に各発熱ドットの抵抗値にばらつきがあっても、
この発熱ドットそれ自体に外的な改変を施すことなく、
すべての発熱ドットの消費電力(出力)を揃えることが
できる。
【0015】好ましい実施形態においては、上記個別電
極および/または共通電極の中間部には、その幅方向に
延びるスリットが形成されていてそのスリットに上記薄
膜抵抗体層が臨ませられている。そして、この薄膜抵抗
体層にトリミングを施すことにより、上記個別電極およ
び/または共通電極の中間部の抵抗値を調整する。
【0016】薄膜型サーマルプリントヘッドにおいて
は、そもそも、薄膜抵抗体層の上に所定の共通電極およ
び個別電極層をパターニングにより形成することによっ
て発熱ドットが形成される。したがって、個別電極およ
び/または共通電極の下層には、抵抗体層を存在させる
ことができる。そのため、共通電極および/または個別
電極にその幅方向に延びるスリットを設けることによ
り、共通電極および/または個別電極の中間部に、容易
に調整用抵抗を形成することができる。この調整用抵抗
の抵抗値調整は、スリットに臨む抵抗体層に、スリット
にそってレーザトリミングを施すことによって行うこと
ができる。
【0017】好ましい実施の形態においては、上記スリ
ットは、上記個別電極および/または共通電極の長手方
向に延びる部分を有しており、その全長を上記個別電極
および/または共通電極の幅寸法よりも長くしてある。
【0018】このように構成することにより、調整用抵
抗の基本抵抗を小さくして、発熱ドットの駆動時にこの
調整用抵抗で消費される無駄な電力を小さく抑制するこ
とができるとともに、スリットの延長長さが長くなるこ
とにより、このスリットに沿う抵抗体層のトリミングに
よる抵抗値調整をよりきめ細かに行うことができ、発熱
ドットの消費電力調整をより精密に行うことができるよ
うになる。
【0019】好ましい実施の形態においてはさらに、上
記スリットは、その幅がスリットの延びる方向の各所に
おいて異ならせてある。より具体的には、スリットの幅
を、スリットの端部からの距離にしたがって、次第に広
がらせ、または次第に狭める。スリットの幅の広い部位
では、レーザトリミングの単位切込み量に対する調整抵
抗の抵抗値の変化量は大きくなり、逆に、スリットの幅
の狭い部位では、レーザトリミングの単位切込み量に対
する調整抵抗の抵抗値の変化量は小さくなる。このこと
を利用して、スリットの幅広側端部から幅狭部に向けて
レーザトリミングを進めていくことにより、レーザトリ
ミングにおける一定の切込み速度をもってして、調整用
抵抗を迅速に目標抵抗値に近づけ、トリミングの最終段
階において、よりきめ細かな抵抗値調整が可能となる。
その結果、正確な抵抗値調整をより迅速に行うことが可
能となり、レーザトリミングの効率が高まる。
【0020】好ましい実施の形態においてはさらに、上
記発熱ドットの下層には蓄熱グレーズが設けられてお
り、上記スリットに臨む薄膜抵抗体層(調整用抵抗)の
下層には蓄熱グレーズが設けられていない。
【0021】このように構成すれば、調整抵抗において
発生する熱が迅速に基板に逃がされ、この熱が発熱ドッ
トの印字機能に悪影響を及ぼすことを回避することがで
きる。その結果、上記スリットに沿う薄膜抵抗体層に対
するレーザトリミング距離を大きくして、発熱ドットの
駆動時に調整抵抗を流れる電流密度が増大してこの調整
抵抗による発熱量が増大することになっても、この調整
抵抗配置部は発熱ドット部に比べて温度が上がりにくい
ため、発熱ドットによる印字には差し支えがなくなる。
このことは、調整抵抗の抵抗値調整範囲を拡大すること
ができることを意味し、発熱ドットの抵抗値のより大き
なばらつきにも対応することができることになる。
【0022】本願発明の第2の側面によれば、上記の各
方法によって発熱ドットの出力が調整されたサーマルプ
リントヘッドが提供される。
【0023】また、本願発明の第3の側面によれば、発
熱ドットの出力調整が可能なサーマルプリントヘッドが
提供され、このサーマルプリントヘッドは、絶縁基板上
に形成した薄膜抵抗体層の上に共通電極と個別電極とを
それらの端縁が所定の間隔を隔てて対向するようにして
層状に形成し、共通電極の端縁と個別電極の端縁との間
に露出する薄膜抵抗体層によって形成される発熱ドット
が多数個並ぶように配置されたサーマルプリントヘッド
であって、各発熱ドットに対応する個別電極および/ま
たは共通電極の中間部にトリミング用抵抗を設けたこと
を特徴としている。
【0024】好ましい実施の形態においては、上記トリ
ミング用抵抗は、上記個別電極および/または共通電極
の中間部にその幅方向に延びるスリットを形成するとと
もに、このスリットに上記薄膜抵抗体層を臨ませること
により形成されている。
【0025】好ましい実施の形態においてはさらに、上
記スリットは、上記個別電極および/または共通電極の
長手方向に延びる部分を有しており、その全長を上記個
別電極および/または共通電極の幅寸法よりも長くして
ある。
【0026】好ましい実施の形態においてはさらに、上
記スリットは、その幅がスリットの延びる方向の各所に
おいて異ならせてある。
【0027】好ましい実施の形態においてはさらに、上
記発熱ドットの下層には蓄熱グレーズが設けられてお
り、上記トリミング用抵抗の下層には蓄熱グレーズが設
けられていない構成としてある。
【0028】これら本願発明の第2の側面によるサーマ
ルプリントヘッドおよび第3の側面によるサーマルプリ
ントヘッドにおいても、本願発明の第1の側面について
上述したのと同様の利点を享受できることは、明らかで
あろう。
【0029】本願発明のその他の特徴および利点は、添
付図面を参照して以下に行う詳細な説明より、より明ら
かとなろう。
【0030】
【好ましい実施の形態】図1は、本願発明による発熱ド
ットの出力調整を行う前のサーマルプリントヘッドの一
形態を示す部分拡大断面図、図2は部分拡大平面図であ
る。
【0031】これらの図から判るように、このサーマル
プリントヘッド10は、いわゆる薄膜型のサーマルプリ
ントヘッドであり、アルミナセラミックなどの絶縁性基
板11の上面に、個別に発熱駆動が可能な多数個の発熱
ドット16が配置されている。各発熱ドット16は、次
のようにして形成される。
【0032】絶縁性基板11の上面適部には、蓄熱グレ
ーズ12が形成される。この蓄熱グレーズ12は、たと
えばガラスペーストを用いた厚膜印刷法によって形成す
ることができ、発熱ドット16を列状配置するべき方向
に所定幅帯状に形成される。印刷後の焼成過程において
ガラス成分がいったん流動化することにより、この蓄熱
グレーズ12は、表面がなめらかな凸円弧状を呈する断
面形状となっている。
【0033】上記蓄熱グレーズ12ないしその両側の基
板表面にわたって、抵抗体層13がたとえばスパッタリ
ングあるいは蒸着等によって薄膜形成される。そうし
て、この抵抗体層13に重ねるようにして導体金属層2
0がやはりスパッタリングあるいは蒸着等によって形成
され、この導体金属層20に対してフォトエッチングを
施すことにより、共通電極14および個別電極15が形
成される。
【0034】共通電極14および個別電極15は、とも
に所定幅の帯状をしており、上記蓄熱グレーズ12の頂
部において互いの端縁14a,15aが所定間隔をあけ
て対向させられている。共通電極14の他端部は基板長
手方向に延びる基部14bに共通接続されている。ま
た、各個別電極15の他端部は、図外の駆動ICの出力
パッドに対してそれぞれ導通させられている。隣合う共
通電極14の間および隣合う個別電極15の間には、ス
リット17が設けられており、このスリット17は、上
記抵抗体層13にまで及んでいる。すなわち、共通電極
14および個別電極15の下層の抵抗体層13もまた、
各電極と同一幅の帯状を呈している。
【0035】上記蓄熱グレーズ12上において、共通電
極14の端縁14aと個別電極15の端縁15aとによ
って挟まれるようにして露出する抵抗体層13が、発熱
ドット16として機能する。すなわち、選択した個別電
極15をオン駆動してこの個別電極15と共通電極14
との間に電流を流すと、上記抵抗体層13における上記
露出部分に電流が流れ、かつこの部分が発熱する。
【0036】さて、本願発明においては、各発熱ドット
を挟んで延びる帯状の共通電極14および/または個別
電極15に、各発熱ドット16とそれぞれ直列の関係に
ある調整用抵抗、より具体的にはトリミング用抵抗21
が形成されるが、図に示す実施形態においてはこのトリ
ミング用抵抗21を、各個別電極15の中間部に設けて
いる。
【0037】図に示す実施形態においては、上記トリミ
ング用抵抗21は、各個別電極15の中間部にその幅方
向に端から端まで延びるスリット22を形成し、このス
リット22に上記抵抗体層13を臨ませることにより形
成している。さらに図に示す実施形態においては、上記
スリット22は、単に上記個別電極15の幅方向に延び
るのではなく、個別電極15の幅方向両側部において幅
方向に延びる部分22a,22cと、個別電極15の長
手方向に延びる部分22bとを組み合わせた、クランク
状に延びる形態とし、スリット22の全長が個別電極1
5の幅寸法よりも大となるようにしている。このように
する結果、このトリミング抵抗21は、図4に模式的に
示す抵抗と等価となり、このトリミング抵抗の基準抵抗
値を抑制して、このトリミング抵抗における消費電力を
抑制することができる。共通電極14ないし個別電極1
5にいたる帯状部の幅は、発熱ドット16をたとえば2
00dpiの印字密度を達成するようにする場合、約1
00μmとすることができ、上記スリット22の幅は、
たとえば20μmとすることができる。
【0038】さて、本願発明においては、このトリミン
グ抵抗21の抵抗値を調整することにより、発熱ドット
16それ自体に外的改変を施すことなく、その消費電力
(出力)を一定に揃える。トリミング抵抗21の抵抗値
は、スリット22に沿って、図3(c),または図5に示す
ようにスリット22内に臨む抵抗体層13にレーザトリ
ミングを施すことによって調整することができる。
【0039】次に、各発熱ドット16の消費電力(出
力)調整の具体的手法例について、説明する。
【0040】まず、各発熱ドット16とこれに対応する
トリミング抵抗21の抵抗値を測定する。この測定は、
発熱ドット16を挟む共通電極14と個別電極15間に
プローブを当て、あるいは個別電極15において上記ス
リット22を挟む部位にプローブを当てることによって
行うことができる。すべての発熱ドット16に対して上
記の測定を行い、発熱ドット16の抵抗値とトリミング
用抵抗21の抵抗値の合計が最大のものを特定し、これ
を基準発熱ドットとする。
【0041】いま、図3の(a) に示すように、基準発熱
ドット16aの抵抗値R1 が1000Ω、これに対応す
るトリミング抵抗21の抵抗値R2 が100Ωであった
とする。駆動電圧Eが10Vであるとすると、基準発熱
ドット16aに流れる電流I=E/(R1 +R2 )は、
9.091mAであるから、駆動時の基準発熱ドット1
6aの消費電力Q=I2 (R1 )は、0.0826Wと
なる。この消費電力値が目標消費電力値となり、他の発
熱ドット16の消費電力がこの目標電力値と等しくなる
ように調整する。
【0042】一方、図3(b) に示すように、調整するべ
き発熱ドット16の抵抗値R1 ′が950Ω、これに対
応するトリミング抵抗21の抵抗値R2 ′が95Ωであ
ったとする。Q=(I′)2 ・(R1 ′)の関係式か
ら、上記の目標消費電力値と同等の消費電力を得るため
に当該発熱ドット16に流すべき目標電流値I′が求め
られ、この場合、9.325mAとなる。したがって、
10Vの駆動電圧において、この電流値となるために必
要な発熱ドットの抵抗値R1 ′とトリミング抵抗21の
抵抗値R2 ′の合計値(R1 ′+R2 ′)が求められ、
この場合、1072Ωとなる。したがって、図3(c) に
示すように、トリミング抵抗の抵抗値R2″を、トリミ
ング前の95Ωから122Ωまで増大させてやれば、当
該発熱ドット16の消費電力を、上記基準発熱ドット1
6aの消費電力に等しくすることができる。
【0043】同様の手法により、すべての発熱ドット1
6について、対応するトリミング用抵抗21の抵抗値を
調整することにより、消費電力を上記基準発熱ドット1
6aの消費電力に揃えることができる。
【0044】なお、上記においては、計測された抵抗値
が最大となる発熱ドットを基準発熱ドットとし、その基
準発熱ドットの消費電力に他の発熱ドットの消費電力が
等しくなるようにしたが、無論、発熱ドットの消費電力
を人為的に決定し、すべての発熱ドットの消費電力をこ
の人為的に決定した基準消費電力に揃えるようにするこ
ともできる。
【0045】この種の薄膜型サーマルプリントヘッド1
0においては、図2に示すように、発熱ドット16およ
び各電極14,15形成後の基板表面に保護層18が設
けられるが、上記のように個別電極15の中間部に形成
されたトリミング用抵抗21に対するレーザトリミング
は、上記保護層18の形成前に行うのが望ましい。しか
しながら、測定プローブを接触させる部位を一部露出さ
せることができるのであれば、保護層18の形成後に上
記のレーザトリミングを行ってもよい。
【0046】また、図に示す実施形態においては、発熱
ドット16を蓄熱グレーズ12上に配置し、蓄熱グレー
ズ12が存在しない部位に上記トリミング用抵抗21を
配置している。したがって、トリミング用抵抗21にお
いて発生する熱は速やかに絶縁性基板11に逃がされる
ため、この熱が発熱ドット16の発熱作用に悪影響を及
ぼすことはなくなる。このことは、抵抗値が上げられた
トリミング抵抗21による発熱量が比較的大きくなるこ
とを許容することを意味し、このことはまた、レーザト
リミングによる切込み可能長さ範囲の拡大、換言する
と、抵抗値調整範囲の拡大が許されることを意味し、各
発熱ドットの抵抗値の大きなばらつきに対応できること
になる。
【0047】図6および図7は、上記トリミング用抵抗
21を形成するために個別電極15に形成するスリット
22の他の形態を示している。この場合、スリット22
は、その延長方向各所において一定幅ではなく、その一
端側から他端側にかけて、その幅が拡大または縮小して
いる。スリット22の幅の広い部位では、レーザトリミ
ングの単位切込み量に対する抵抗値の変化量は大きくな
り、逆に、スリットの幅の狭い部位では、レーザトリミ
ングの単位切込み量に対する抵抗値の変化量は小さくな
る。このことを利用して、スリットの幅広側端部から幅
狭部に向けてレーザトリミングを進めていくことによ
り、レーザトリミングにおける一定の切込み速度をもっ
てして、トリミング用抵抗を迅速に目標抵抗値に近づ
け、トリミングの最終段階において、よりきめ細かな抵
抗値調整が可能となる。その結果、正確な抵抗値調整を
より迅速に行うことが可能となり、レーザトリミングの
効率が高まる。
【0048】もちろん、この発明の範囲は、上述した実
施形態に限定されるものではない。上述の実施形態で
は、各発熱ドットに直列する調整抵抗を、個別電極にス
リットを設けて下層の抵抗体層を露出させることにより
形成したが、個別電極を形成するための材質を選択する
ことによってこの個別電極に微小抵抗を与え、この個別
電極それ自体の抵抗をトリミング等によって調整する場
合も、もちろん本願発明の範囲に含まれる。
【0049】また、上記の実施形態においては、発熱ド
ットを挟む共通電極と個別電極のうち、個別電極に調整
抵抗を形成したが、共通電極に調整抵抗を形成してその
抵抗値を調整する場合、あるいは図8に示すように個別
電極15と共通電極14の双方に調整抵抗(トリミング
用抵抗)21を形成してそれらの抵抗値を調整する場合
ももちろん本願発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るサーマルプリントヘッドの一実
施形態の部分拡大断面図である。
【図2】本願発明に係るサーマルプリントヘッドの一実
施形態の部分拡大平面図である。
【図3】本願発明に係るサーマルプリントヘッドの発熱
ドットの出力調整方法の一形態の説明図である。
【図4】図2に示される実施形態におけるトリミング用
抵抗の等価物の説明図である。
【図5】トリミング用抵抗に対するトリミング形態の説
明図である。
【図6】トリミング用抵抗の他の形態例の説明図であ
る。
【図7】トリミング用抵抗の他の形態例の説明図であ
る。
【図8】本願発明に係るサーマルプリントヘッドの発熱
ドットの出力調整方法の他の形態の説明図である。
【図9】従来の薄膜型サーマルプリントヘッドを示す部
分拡大断面図である。
【図10】従来の薄膜型サーマルプリントヘッドを示す
部分拡大平面図である。
【符号の説明】
10 サーマルプリントヘッド 11 絶縁性基板 12 蓄熱グレーズ 13 抵抗体層 14 共通電極 14a (共通電極の)端縁 15 個別電極 15a (個別電極の)端縁 16 発熱ドット 17 スリット 18 保護層 21 トリミング用抵抗 22 スリット

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に形成した薄膜抵抗体層の上
    に共通電極と個別電極とをそれらの端縁が所定の間隔を
    隔てて対向するようにして層状に形成し、共通電極の端
    縁と個別電極の端縁との間に露出する薄膜抵抗体層によ
    って形成される発熱ドットが多数個並ぶように配置され
    たサーマルプリントヘッドにおいて、 各発熱ドットに対応する個別電極および/または共通電
    極の中間部の抵抗値を調整することにより、各発熱ドッ
    トの出力を調節することを特徴とする、サーマルプリン
    トヘッドにおける発熱ドットの出力調整方法。
  2. 【請求項2】 上記個別電極および/または共通電極の
    中間部には、その幅方向に延びるスリットが形成されて
    いてそのスリットに上記薄膜抵抗体層が臨ませられてお
    り、この薄膜抵抗体層にトリミングを施すことにより、
    上記個別電極および/または共通電極の中間部の抵抗値
    を調整する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記スリットは、上記個別電極および/
    または共通電極の長手方向に延びる部分を有しており、
    その全長を上記個別電極および/または共通電極の幅寸
    法よりも長くしてある、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記スリットは、その幅がスリットの延
    びる方向の各所において異なっている、請求項2または
    3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記発熱ドットの下層には蓄熱グレーズ
    が設けられており、上記スリットに臨む薄膜抵抗体層の
    下層には蓄熱グレーズが設けられていない、請求項1な
    いし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記請求項1ないし5のいずれかの方法
    によって発熱ドットの出力が調整されていることを特徴
    とする、サーマルプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 絶縁基板上に形成した薄膜抵抗体層の上
    に共通電極と個別電極とをそれらの端縁が所定の間隔を
    隔てて対向するようにして層状に形成し、共通電極の端
    縁と個別電極の端縁との間に露出する薄膜抵抗体層によ
    って形成される発熱ドットが多数個並ぶように配置され
    たサーマルプリントヘッドであって、 各発熱ドットに対応する個別電極および/または共通電
    極の中間部にトリミング用抵抗を設けたことを特徴とす
    る、サーマルプリントヘッド。
  8. 【請求項8】 上記トリミング用抵抗は、上記個別電極
    および/または共通電極の中間部にその幅方向に延びる
    スリットを形成するとともに、このスリットに上記薄膜
    抵抗体層を臨ませることにより形成されている、請求項
    7に記載のサーマルプリントヘッド。
  9. 【請求項9】 上記スリットは、上記個別電極および/
    または共通電極の長手方向に延びる部分を有しており、
    その全長を上記個別電極および/または共通電極の幅寸
    法よりも長くしてある、請求項8に記載のサーマルプリ
    ントヘッド。
  10. 【請求項10】 上記スリットは、その幅がスリットの
    延びる方向の各所において異なっている、請求項8また
    は9に記載のサーマルプリントヘッド。
  11. 【請求項11】 上記発熱ドットの下層には蓄熱グレー
    ズが設けられており、上記トリミング用抵抗の下層には
    蓄熱グレーズが設けられていない、請求項7ないし10
    のいずれかに記載のサーマルプリントヘッド。
JP7262648A 1995-10-11 1995-10-11 サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの発熱ドットの出力調整方法 Pending JPH09104128A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018535391A (ja) * 2015-12-29 2018-11-29 ウェイハイ ホアリン オプト−エレクトロニクス シーオー.,エルティーディー. 磁気イメージセンサー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018535391A (ja) * 2015-12-29 2018-11-29 ウェイハイ ホアリン オプト−エレクトロニクス シーオー.,エルティーディー. 磁気イメージセンサー
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