JPH09103855A - 金属ストリップ鋳造方法及び装置並びに双ロール鋳造機の鋳造溜めに溶融金属を送給する耐火ノズル - Google Patents
金属ストリップ鋳造方法及び装置並びに双ロール鋳造機の鋳造溜めに溶融金属を送給する耐火ノズルInfo
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Abstract
めのメニスカス域及び鋳造溜め端部の3点域に急速供給
し、低過熱で供給される溶融金属によりスカル欠陥や割
れ欠陥の形成なく鋳造を行う。 【解決手段】 一対の冷却した鋳造ロール16間のロー
ル間隙69上方に金属供給ノズル19を介し溶融金属6
5を導入して鋳造溜め68を形成し、ロール間隙69か
ら下方に送給される金属ストリップ20を鋳造するよう
鋳造ロール16を回転する金属ストリップ鋳造方法であ
って、ノズル19を構成するノズルトラフ61の底部を
閉じ、該トラフ61から鋳造溜め68への溶融金属流
を、トラフ61における長手方向側壁62の側壁開口6
4と二端部壁の端部開口とを介して、ロール16端部付
近のロール鋳造表面に接触する溶融金属65が前記端部
開口から供給されるように供給する。
Description
造に関する。特に鉄金属ストリップ鋳造に適用される
が、これに限定されるものではない。
り金属ストリップを鋳造することが公知である。冷却さ
れて相反方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融
金属を導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固
させ、ロール間隙にてそれら金属殻を合体させて凝固し
たストリップ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。
本明細書では、「ロール間隙」という語はロール同士が
最接近する領域全般を指す。溶融金属は取鍋から小容器
へと注がれ、更にはそこからロール間隙上方に位置した
金属供給ノズルに流れてロール間隙へと向い、その結
果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持されロール
間隙長さ方向に延びる溶融金属鋳造溜めを形成すること
ができる。この鋳造溜めの端は、鋳造溜め両端からの溢
流をせき止めるようロール端面に摺動係合して保持され
る側部堰で構成できる。
によって急速に凝固する非鉄系金属にはある程度の成功
をおさめているが、凝固温度が高く、冷却されたロール
鋳造表面での不均一な凝固により欠陥を生じやすい鉄系
金属の鋳造技術に適用するにはいろいろ問題がある。従
って、金属を滑らかに且つ均一に鋳造溜めへと且つ溜め
内で流すよう金属供給ノズルの設計に多くの留意が払わ
れている。アメリカ特許第5,178,205号及び第
5,238,050号に開示の装置はいずれも、金属供
給ノズルが鋳造溜め表面下へと延びており、鋳造溜めに
浸漬した金属供給ノズル底端の長孔出口へと流下する溶
融金属の運動エネルギを減らす手段を組み入れている。
アメリカ特許第5,178,205号に開示の装置で
は、運動エネルギを減らすのは流れディフューザであ
る。流れディフューザは複数の流路とディフューザ上方
に位置したバッフルとを有しており、ディフューザ下方
では溶融金属が出口長孔を介して緩やかに且つ均一に鋳
造溜めへと流れ込むので乱れが最小となる。アメリカ特
許第5,238,050号に開示の装置では、溶融金属
流が鋭角の衝突角度でノズル傾斜側壁面に落下・衝突で
きるようになっているので、金属が該側壁面に付着して
出口流路へと向う流れシートを形成する。ここでも、目
的とするところは、鋳造溜めの乱れを最小とするよう金
属供給ノズルの底部から金属流を緩やかに且つ均一に流
出させることである。
7号公報も、鋳造溜めへ緩やかで均一な金属流を流下さ
せるようにした金属供給ノズルを開示している。この金
属供給ノズルには多孔のバッフル/ディフューザが備え
られていて、流下する溶融金属から運動エネルギを除去
し、運動エネルギを除去された金属流がノズル側壁の一
連の開口から鋳造溜めへと流れる。開口は、ロール間隙
長手方向にロール鋳造表面に沿って金属流が流れ込むよ
うな角度となっている。即ち、金属供給ノズルの一側の
開口がロール間隙長手方向に金属流を一方向に流入さ
せ、他側の開口が金属流をロール間隙長手方向の他方向
に流入させ、鋳造表面に沿った滑らかで均一な流れを造
り出すことにより鋳造溜め表面の乱れを最小とすること
を目的としている。
陥の大きな原因は、鋳造溜め表面がロール鋳造表面と出
会う、いわゆる「メニスカス」又は「メニスカス域」に
おいて溶融金属が過早凝固することにあることを見知し
た。これらの域各々の溶融金属は隣接する鋳造表面の方
へ流れ、もしロール表面と均一に接触する前に溶融金属
の凝固が起きると、金属殻とロールとの間に不規則な初
期伝熱が生じやすく、結果として、窪み、さざ波マー
ク、湯境、割れ等の表面欠陥が形成されてしまう。
せようとする従来の試みは、金属が最初に殻表面形成の
ために凝固する域、即ち、最終的に形成ストリップの外
表面となる域から外れて金属流を流入させるため、過早
凝固が或る程度激化するのを避けられず、従って、ロー
ル間の鋳造溜め表面域での溶融金属温度は流入する溶融
金属の温度よりもはるかに低い。メニスカス域での鋳造
溜め溶融金属温度が低くなりすぎると、割れや「メニス
カスマーク」(鋳造溜めレベルが不均一なままで固化す
るメニスカスにより生じるストリップ上のマーク)が非
常に起きやすい。従来、この問題を扱う1つのやり方と
して、流入する溶融金属に高レベルの過熱を与えること
により、ロール表面への到達前に凝固温度に達すること
なく溶融金属が鋳造溜め内で温度低下できるようにする
という仕方があったが、最近では、この問題の処理に
は、鋳造溜めのメニスカス域に金属供給ノズルを直接差
し入れて溶融金属の比較的急速な供給を確保するという
手段でより有効に対処できるという認識がなされてい
る。このことにより、鋳造ロール表面との接触前に溶融
金属が過早固化するという傾向が最小限になる。これ
は、鋳造溜めへ絶対的に着実な金属流を提供する場合よ
りも表面欠陥の回避という点ではるかに有効な仕方であ
ること、及び、ロール表面に接触するまで金属凝固が起
きないため鋳造溜め表面の或る程度の変動を許容し得る
ことが判明している。こうした手法の一例は新日本製鉄
株式会社の特開平1−5650号公報に見ることができ
る。
金属供給ノズルにより溶融金属を流し込むことにより、
比較的低レベルに過熱された溶融金属で表面割れを形成
することなく鋳造ができるが、鋳造溜めの側部堰付近に
いわゆるスカル(skulls)という固形金属片が形成する
ことによりいろいろ問題が生じ得る。これらの問題は流
入溶融金属の過熱を減らすことにより激化する。主に側
部堰からロール端への付加的な伝熱のために鋳造溜めか
らの熱損失率は側部堰付近で一番大きく、この局部的な
熱損失の大きさが反映してこの域で固体金属のスカルが
形成しやすく、かなりの寸法に成長し、ロール間に落下
して、ストリップの欠陥を引き起こす。熱損失正味率が
側部堰付近で大きいため、スカルを防ごうとするならこ
れら域への入熱率を増やさねばならない。例えば、出願
人のアメリカ特許第5,221,511号に開示の金属
供給ノズルに見られるように、タンディッシュから別個
の金属流を受ける金属供給ノズルの上部に坑道(galler
ies)を形成することによりこれらの「3点」域に金属
流を増加させるという提案が以前になされているが、こ
のようにするには、複雑な坑道路を形成する必要があ
り、坑道内の金属の温度低下のため溶融金属の高レベル
の過熱も必要となる。本発明によれば、ノズル二端に形
成された出口を介して溶融金属を流下させることにより
ロール端域への溶融金属供給を増加させるという簡単な
手法で、必要な正味入熱増加を達成できる。
冷却した鋳造ロール間のロール間隙上方にロール間隙に
沿って配した細長の金属供給ノズルを介し溶融金属を鋳
造ロール間に導入し、ロール間隙上方に支持され且つ堰
止め手段によりロール間隙端部を画成された溶融金属鋳
造溜めを形成し、ロール間隙から下方に送給される凝固
ストリップを鋳造するよう鋳造ロールを回転する金属ス
トリップ鋳造方法であって、金属供給ノズルを構成する
ノズルトラフの底部を閉じ、該ノズルトラフから鋳造溜
めへの溶融金属流を、ノズルトラフにおける長手方向側
壁の側壁開口と二端部壁の端部開口とを介して、鋳造ロ
ール端部付近のロール鋳造表面に接触する溶融金属が前
記端部開口から供給されるように供給することを特徴と
する金属ストリップ鋳造方法が提供される。
外方へ向う相反方向噴射流の形で側壁開口を介して金属
供給ノズルから流出し、ロール鋳造表面の端部域間にお
けるノズル長手方向の大部分に亘り鋳造溜め表面付近で
ロール鋳造表面に直接衝突し、ロール鋳造表面端部には
金属供給ノズルの端部開口から溶融金属を供給する。
方向側壁の各々に形成された長手方向に離間した開口の
形である。
る。
開口からの溶融金属を、ロール端部から少なくとも13
0mmの距離を介して供給する。より明細には、この距
離は140〜150mmの範囲であるのが好ましく、最
適な結果を得るためにはこの距離を約145mmとすべ
きである。
を堰き止める一対の耐火板で構成し、ノズルトラフの各
端部壁を、隣接する耐火板から20mm以下に離間す
る。金属供給ノズルの端部開口から溶融金属が流れる
際、ノズル端部壁と鋳造溜めを画成する堰止め手段との
間隔は10mm程であるのが好ましい。
を流出する溶融金属に対し無視し得る程の抵抗を与える
ような大きさとすることができる。その大きさは、例え
ば、幅90mm、高さ35mmとすることができる。
金属を、トラフ長手方向に離間した一連の分離した自由
落下流の形で、又は、トラフに沿って延びる自由落下の
連続カーテン流の形で供給することができる。いずれの
場合も、溶融金属はトラフに直接落下してリザーバを形
成し、リザーバ内を障碍なしにノズルの側壁開口及び端
部開口へと流れる。又は、溶融金属を金属供給ノズルの
ノズルトラフへ、浸漬した入口ノズルにより供給するこ
とも可能である。
一対の平行な鋳造ロールと、両鋳造ロール間のロール間
隙上方にロール間隙に沿って配されて溶融金属をロール
間隙に供給する細長の金属供給ノズルと、該金属供給ノ
ズルの上方に配されて溶融金属を金属供給ノズルに供給
するタンディッシュとで構成した金属ストリップ鋳造装
置であって、金属供給ノズルにロール間隙長手方向に延
びる上方に開いた細長のノズルトラフを形成し、該ノズ
ルトラフの底部を閉じ、且つその長手方向側壁に側壁開
口を、二つの端部壁には端部開口を夫々設け、溶融金属
をノズル側部及び端部から外方に流すようにしたことを
特徴とする金属ストリップ鋳造装置も提供する。
頂部を開いた細長のノズルトラフを、一対の長手方向側
壁と、一対の端部壁と、底部を閉じる床とにより形成
し、前記側壁には側壁開口を、前記端部壁には端部開口
を夫々設けてノズル側部及び端部から外方へと溶融金属
が流れるようにしたことを特徴とする双ロール鋳造機の
鋳造溜めに溶融金属を送給する耐火ノズルを提供する。
め、添付図面を参照して特定の方法及び装置を更に詳細
に説明する。
を示すものである。
った主機械フレーム11を有する。主機械フレーム11
が支持する鋳造ロール台車13はアセンブリステーショ
ン14と鋳造ステーション15との間を水平に移動可能
である。鋳造ロール台車13が担持する一対の平行な鋳
造ロール16には、鋳造時に取鍋17からタンディッシ
ュ18と金属供給ノズル19とを介して溶融金属が供給
される。鋳造ロール16は水冷されているので、動いて
いるロール表面に凝固金属殻が形成されロール間隙にて
合わされて、ロール出口で金属ストリップ20が造られ
る。この金属ストリップ20を主コイラ21に送って、
次いで第2コイラ22に送給し得る。容器23が鋳造ス
テーション15に隣接して主機械フレーム11に取付け
られているので、溶融金属をタンディッシュ18の溢れ
口24を介して容器23へと逃すことができる。
ム31がホイール32によりレール33に載り、レール
33は主機械フレーム11の一部に沿って延びているの
で、鋳造ロール台車13全体がレール33に移動可能に
載っていることになる。台車フレーム31が担持する対
のロールクレードル34に鋳造ロール16が回転可能に
取付けられる。鋳造ロール台車13全体をレール33に
沿って移動させることができる複動油圧ピストンシリン
ダ装置39は鋳造ロール台車13の駆動ブラケット40
と主機械フレーム11との間に接続されて、鋳造ロール
台車13をアセンブリステーション14から鋳造ステー
ション15へ、又その逆へ移動させることができるよう
になっている。
軸41と台車フレーム31上のトランスミッションとを
介して相反方向に回転される。鋳造ロール16の銅製周
壁に形成され縦方向に延び周方向に離間した一連の水冷
通路には、回転グランド43を介して水冷ホース42に
接続されたロール駆動軸41内の水冷導管からロール端
を介し冷却水が供給される。鋳造ロール16の典型的な
大きさは径が約500mmで、最大2m幅のストリップ
品を造れるよう長さを最大2mにすることができる。
クレーンからヨーク45を介し支持されており、高温金
属受けステーションから定位置へと移すことができる。
取鍋17に取付けられたストッパロッド46をサーボシ
リンダにより動かすことによって、溶融金属を取鍋17
から出口ノズル47と耐火シュラウド48を介してタン
ディッシュ18へと流すことができる。
備えた高アルミナキャスタブル等の耐火材料で造られた
広皿状のものである。タンディッシュ18の一側は取鍋
17からの溶融金属を受け、又、前記した溢れ口24を
備えている。タンディッシュ18の他側には縦方向に離
間した一連の出口開口52が備えられている。タンディ
ッシュ18下部を担持する取付ブラケット53はタンデ
ィッシュ18を台車フレーム31に取付けるためのもの
であって、取付ブラケット53に備えた開口で台車フレ
ーム31の位置合わせペグ54を受けてタンディッシュ
18を正確に位置決めするようになっている。
ト等の耐火材料で造られた細長体として形成され、下部
がテーパ状になっていて内方及び下方にすぼまっている
ので、鋳造ロール16間隙に挿入できる。取付ブラケッ
ト60は金属供給ノズル19を台車フレーム31で支持
するために備えられ、金属供給ノズル19上部には外方
に突出する側部フランジ55が形成されて取付ブラケッ
ト60上に位置する。
8の出口開口52から流下する溶融金属65を受ける、
上方に開いたノズルトラフ61を有する。ノズルトラフ
61はノズル側壁62と端部壁70との間に形成され
る。トラフ底部は水平底部床63で閉じられる。長手方
向側壁62の底部は下方にすぼまっており、側壁62を
水平方向に貫通した円形孔の形の水平方向に離間した側
壁開口64を穿孔されている。金属供給ノズル19の端
部壁70には二つの大きな端部開口71が開けられる。
てタンディッシュ18の出口開口52から落下し、ノズ
ルトラフ61の底部に溶融金属65のリザーバ66を形
成する。溶融金属65がこのリザーバ66から側壁開口
64及び端部開口71を介して流れ出て、鋳造ロール1
6間のロール間隙69上方に支持された鋳造溜め68を
形成する。鋳造溜め68を鋳造ロール16端で画成する
のが一対の側部堰板56であり、それらは鋳造ロール1
6の端部57に当てて保持されている。側部堰板56は
窒化硼素等の強耐火材料で造られ、板ホルダ82に取り
付けられる。板ホルダ82は対の流体圧シリンダ装置8
3の作動により可動であって、側部堰板56を鋳造ロー
ル16端に係合させて溶融金属鋳造溜めの端部を堰止め
る堰止め手段を形成する。
り、金属供給ノズル19下端が鋳造溜め68に浸漬する
レベルに鋳造溜め68を保持し、金属供給ノズル19の
2連の水平方向に離間した側壁開口64を鋳造溜め68
の表面のすぐ下に配置する。溶融金属65は、鋳造溜め
68表面のすぐ近くで鋳造ロール16冷却表面に衝突す
るよう、側壁開口64を介し鋳造溜め68表面の全般に
近くで二つの側方外方を向いた噴射流として流出する。
このことにより、鋳造溜め68のメニスカス域に供給さ
れる溶融金属65の温度が最大となり、ストリップ表面
での割れやメニスカスマークの形成が大幅に減少するこ
とが見出された。
壁開口64は金属供給ノズル19の全長に亘っては延び
ておらず、ノズル側壁62の外端部72には穿孔がな
い。このことにより、ロール端部近くの溶融金属接触端
部域へと側壁開口64からではなく端部開口71から金
属流を供給することが確保される。端部開口71が非常
に大きいので、側部堰止め手段付近の鋳造溜め域への過
給を提供するようノズルトラフ端からの溶融金属流に対
する抵抗は無視し得る程のものであり、この金属のいく
らかが鋳造ロール端から鋳造ロール表面に沿って逆方向
に流れることができる。このようにして、鋳造ロール表
面の端部域に過剰の溶融金属が急速供給されるので、こ
の金属は最小の温度降下で鋳造ロール表面に到達するた
め、スカルの形成を防ぎ、形成してしまったスカルをそ
れらが鋳造ロール間隙を通って欠陥を引き起こす前に溶
かすことができる。
め68の種々の域に割り当てるマニホールドとして働く
とみなすことができる。金属供給ノズル19から鋳造ロ
ールへの金属流は量の維持の点でも矛盾がなく、即ち、
鋳造ロール各部は充分な金属を受け取って所望厚のスト
リップを製造する。金属供給ノズル19が無視し得る程
の流れ抵抗を持つ場合、金属流は最短路をたどり、鋳造
表面の端部域へ金属の過剰流が流れることにならない。
単に金属を金属供給ノズルの端部から流すだけではロー
ル端部での凝固に必要な以上の追加金属流が引き起こさ
れない。しかしながら、側壁開口64が金属供給ノズル
19端部にはいきわたっていないため、側壁開口64か
らこの域への流れには大きな抵抗があって、それ故、端
部開口71からの金属流が優先的に流れて端部開口71
からの所望の過剰流が生みだされる。この手段によっ
て、スカル欠陥や割れ欠陥の形成なく低過熱で供給され
る溶融金属により鋳造を達成することが可能である。
カル欠陥や割れ欠陥の発生のバランスで決めねばならな
い。端部開口71から供給される鋳造表面長さが長すぎ
ると、これら域の内部に達する溶融金属は充分に冷却し
て割れ欠陥を生じ得る。他方、もしその長さが短すぎる
と、外端域が端部開口71から充分な金属流を受けず、
スカル欠陥が起きる。従って、流入溶融金属の過熱程度
といずれも相関があるスカル欠陥と割れ欠陥とのバラン
スをとる必要がある。金属供給ノズル19の、穿孔のな
い端部長さは少なくとも130mm、好ましくは140
〜150mmとすべきことが実際上判明している。最適
長さは145mmである。この長さで金属スリトップ鋳
造装置が1580℃程度の低過熱でスカル形成も表面割
れもなく稼動できることが判明しているが、それは表面
割れの発生しない最大可能長さに近い。
0mm間隔で配した15mm径の孔であり得る。端部開
口71は溶融金属流に対し無視し得る抵抗がある程の充
分な大きさとすべきである点を除き、寸法的な臨界はな
い。典型的には、端部開口は90mm幅、35mm高さ
である。
分な金属流を確保するためには、ノズル端部壁が、鋳造
溜めを画成する側部堰板56に充分近接していることが
重要である。即ち、装置作動時には、ノズル端部壁と側
部堰板56との間の距離は20mm以下とすべきであ
る。典型的には、装置が冷えている状態でノズル端部壁
と側部堰板56との間隔は15mmとすることができる
が、耐火材が熱せられて装置が作動すると、その距離が
10mmに減少する。
属供給ノズルは長さ770mmであり、60mm幅のト
ラフ開口を持つことができる。トラフ側部壁各々は、4
0mm間隔で配した15mm径の孔を持つことができ
る。
メニスカス域及び鋳造溜め端部の3点域に急速供給で
き、従来提案のような3点注入のための複雑な注入シス
テムを必要としない。従って、簡単な金属供給システム
で低過熱鋳造ができる。しかしながら、この装置は単に
例示のために示したにすぎず、かなりの改変が可能であ
る。本発明により提供される方法は精巧なタンディッシ
ュを要しないので、溶融金属は、浸漬した入口ノズルに
より金属供給ノズルのノズルトラフに供給できる。この
場合、浸漬した入口ノズルは溶融金属をノズルトラフ内
のリザーバへと、トラフ長手方向に二つの端部開口71
へと流れる二つの噴射流で供給することができる。これ
により、鋳造溜め端部域への金属流を増加させることが
でき、噴射効果により、ノズル端部域での側壁開口を介
した横方向外方の金属流を抑制できる。従って、側壁開
口がノズル端部域まで及んでいたとしても端部開口から
鋳造表面の端部域への所望な金属流を得ることが可能と
なる。従って、本発明は、説明した実施の形態の詳細に
決して限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で種々の修飾・改変が可能であると理解すべき
である。
リップ鋳造方法及び装置並びに双ロール鋳造機の鋳造溜
めに溶融金属を送給する耐火ノズルによれば、従来提案
のような3点注入のための複雑な注入システムを必要と
することなく、簡単な金属供給システムで溶融金属を鋳
造溜めのメニスカス域及び鋳造溜め端部の3点域に急速
供給でき、低過熱で供給される溶融金属によりスカル欠
陥や割れ欠陥の形成なく鋳造を成し得るという優れた効
果を奏し得る。
る。
である。
縦断面図である。
Claims (26)
- 【請求項1】 一対の冷却した鋳造ロール間のロール間
隙上方にロール間隙に沿って配した細長の金属供給ノズ
ルを介し溶融金属を鋳造ロール間に導入し、ロール間隙
上方に支持され且つ堰止め手段によりロール間隙端部を
画成された溶融金属鋳造溜めを形成し、ロール間隙から
下方に送給される凝固ストリップを鋳造するよう鋳造ロ
ールを回転する金属ストリップ鋳造方法であって、金属
供給ノズルを構成するノズルトラフの底部を閉じ、該ノ
ズルトラフから鋳造溜めへの溶融金属流を、ノズルトラ
フにおける長手方向側壁の側壁開口と二端部壁の端部開
口とを介して、鋳造ロール端部付近のロール鋳造表面に
接触する溶融金属が前記端部開口から供給されるように
供給することを特徴とする金属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項2】 溶融金属が金属供給ノズルの外方へ向う
相反方向噴射流の形で側壁開口を介して金属供給ノズル
から流出し、ロール鋳造表面の端部域間におけるノズル
長手方向の大部分に亘り鋳造溜め表面付近でロール鋳造
表面に直接衝突し、ロール鋳造表面端部には金属供給ノ
ズルの端部開口から溶融金属を供給する請求項1記載の
金属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項3】 側壁開口が、ノズル長手方向側壁の各々
に形成された長手方向に離間した開口の形である請求項
2記載の金属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項4】 側壁開口が、円形の孔である請求項2又
は3記載の金属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項5】 鋳造ロール表面に、端部開口からの溶融
金属を、ロール端部から少なくとも130mm、好まし
くは140〜150mm、最適には約145mmの距離
を介して供給する請求項1乃至4のいずれかに記載の金
属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項6】 堰止め手段を、鋳造溜め端部を堰き止め
る一対の耐火板で構成し、ノズルトラフの各端部壁を、
隣接する耐火板から20mm以下に離間する請求項1乃
至5のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項7】 金属供給ノズルの端部開口から溶融金属
が流れる際、金属供給ノズルの端部壁と鋳造溜めを画成
する堰止め手段との間隔が10mm程である請求項6に
記載の金属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項8】 端部開口が、該端部開口を流出する溶融
金属に対し無視し得る程の抵抗を与えるような大きさで
ある請求項1乃至7のいずれかに記載の金属ストリップ
鋳造方法。 - 【請求項9】 端部開口が、幅90mm、高さ35mm
である請求項8に記載の金属ストリップ鋳造方法。 - 【請求項10】 金属供給ノズルのノズルトラフに、溶
融金属を一連の分離した自由落下流の形で供給する請求
項1乃至9のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方
法。 - 【請求項11】 溶融金属がノズルトラフに直接落下し
てリザーバを形成し、該リザーバ内を障碍なしに側壁開
口及び端部開口へと流れる請求項10に記載の金属スト
リップ鋳造方法。 - 【請求項12】 相互間にロール間隙を形成する一対の
平行な鋳造ロールと、両鋳造ロール間のロール間隙上方
にロール間隙に沿って配されて溶融金属をロール間隙に
供給する細長の金属供給ノズルと、該金属供給ノズルの
上方に配されて溶融金属を金属供給ノズルに供給するタ
ンディッシュとで構成した金属ストリップ鋳造装置であ
って、金属供給ノズルにロール間隙長手方向に延びる上
方に開いた細長のノズルトラフを形成し、該ノズルトラ
フの底部を閉じ、且つその長手方向側壁に側壁開口を、
二つの端部壁には端部開口を夫々設け、溶融金属をノズ
ル側部及び端部から外方に流すようにしたことを特徴と
する金属ストリップ鋳造装置。 - 【請求項13】 側壁開口が、ノズル長手方向側壁の各
々に形成された長手方向に離間した開口の形である請求
項12に記載の金属ストリップ鋳造装置。 - 【請求項14】 側壁開口が、円形の孔である請求項1
3に記載の金属ストリップ鋳造装置。 - 【請求項15】 側壁開口が、ノズル全長にわたっては
延びておらず、少なくとも130mm長の未穿孔端部域
間に配されている請求項13又は14に記載の金属スト
リップ鋳造装置。 - 【請求項16】 金属供給ノズルにおける未穿孔端部域
の各々の長さが140〜150mmの範囲である請求項
15に記載の金属ストリップ鋳造装置。 - 【請求項17】 端部開口が、該端部開口を流出する溶
融金属に対し無視し得る程の抵抗を与えるような大きさ
である請求項12乃至16のいずれかに記載の金属スト
リップ鋳造装置。 - 【請求項18】 端部開口が、幅90mm、高さ35m
mである請求項17に記載の金属ストリップ鋳造装置。 - 【請求項19】 ロール間隙端部に一対の鋳造溜め画定
板を設け、ノズルトラフの各端部壁を、隣接する鋳造溜
め画定板から20mm以内の距離とした請求項12乃至
18のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。 - 【請求項20】 溶融金属を受けるために頂部を開いた
細長のノズルトラフを、一対の長手方向側壁と、一対の
端部壁と、底部を閉じる床とにより形成し、前記側壁に
は側壁開口を、前記端部壁には端部開口を夫々設けてノ
ズル側部及び端部から外方へと溶融金属が流れるように
したことを特徴とする双ロール鋳造機の鋳造溜めに溶融
金属を送給する耐火ノズル。 - 【請求項21】 側壁開口が、ノズル長手方向側壁の各
々に形成された長手方向に離間した開口の形である請求
項20に記載の双ロール鋳造機の鋳造溜めに溶融金属を
送給する耐火ノズル。 - 【請求項22】 側壁開口が、円形の孔である請求項2
1に記載の双ロール鋳造機の鋳造溜めに溶融金属を送給
する耐火ノズル。 - 【請求項23】 側壁開口が、ノズル全長にわたっては
延びておらず、少なくとも130mm長の未穿孔端部域
間に配されている請求項21に記載の双ロール鋳造機の
鋳造溜めに溶融金属を送給する耐火ノズル。 - 【請求項24】 未穿孔端部域の各々の長さが140〜
150mmの範囲である請求項23に記載の双ロール鋳
造機の鋳造溜めに溶融金属を送給する耐火ノズル。 - 【請求項25】 端部開口が、該端部開口を流出する溶
融金属に対し無視し得る程の抵抗を与えるような大きさ
である請求項20乃至24のいずれかに記載の双ロール
鋳造機の鋳造溜めに溶融金属を送給する耐火ノズル。 - 【請求項26】 端部開口が、幅90mm、高さ35m
mである請求項25に記載の双ロール鋳造機の鋳造溜め
に溶融金属を送給する耐火ノズル。
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