JP4422266B2 - 金属ストリップ鋳造装置、及び、双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル - Google Patents

金属ストリップ鋳造装置、及び、双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ストリップ鋳造装置、及び、双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
双ロール鋳造装置で連続鋳造することにより金属ストリップを鋳造することが公知である。冷却されて相互方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融金属を導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固させ、ロール間隙にてそれら金属殻を合体させ、凝固したストリップ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。本明細書では、「ロール間隙」という語はロール同士が最接近する領域全般を指すものとする。溶融金属は取鍋から1つ又は一連の小容器へと注がれ、更にはそこからロール間隙上方に位置した金属供給のノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持される溶融金属の鋳造溜めを形成することができる。この鋳造溜めは、ロール端面に摺動係合して保持される側部堰プレート又は側部堰間に形成し得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
双ロール鋳造は、冷却によって急速に凝固する非鉄系金属にはある程度の成功をおさめているが、凝固温度が高く、冷却されたロール鋳造表面での不均一な凝固により欠陥の生じやすい鉄系金属の鋳造技術に適用するにはいろいろ問題がある。溜めを形成する側部堰プレート付近に一般に「スカル」(skulls)として公知の固体金属片が形成されることにより特に問題が起きる。これらの問題は、流入溶融金属の過熱を減らすよう努める場合に悪化する。溶融金属溜めからの熱損失率は側部堰プレート付近が最大である。これは主として、側部堰プレートを介してロール端へと追加の伝導熱伝達が起きるためである。この局部熱損失率の高さが反映してこの域では固体金属のスカルが生じる傾向が高く、スカルはかなりの大きさに成長してロール間隙に落下し、一般に「蛇卵」(snake eggs)として知られるストリップ欠陥を引き起こし得る。側部堰プレート付近での正味熱損失が高いため、スカルを避けるためにはこの域での入熱率を増加させねばならない。従って、側部堰プレート域に一定の溜め状態を維持することが非常に重要である。特に、ノズル端と側部堰プレート内面との間の隙間の設定が特別に重要である。
【0004】
本発明者は、大きな流れ変化が側部堰プレートに対する供給ノズル端の位置変動によりもたらされ、その位置変動が、設定時の供給ノズルの不正確な位置決め及びその後の鋳造時の熱膨脹によるノズル端の動きや側部堰プレートの摩耗による側部堰プレートの内方動によって生じ得ることを突き止めた。この問題は、ノズルを特殊設計して「三重点」域(即ち、側部堰プレートと鋳造ロールが鋳造溜めのメニスカス域と出会う域)への金属流を増加させ、溜めのこの域での入熱を増加させた場合でも依然として残っている。このようなノズルの例は、アメリカ特許第4,694,887号及び第5,221,511号、及び、仮出願第PO2369号に基づいた本出願人らのオーストラリア特許出願第35218/97号に見ることができる。
【0005】
三重点注ぎは溜めの三重点域でのスカルの形成を減らすことに有効ではあるが、問題の全面的解消にはなっていない。欠陥発生が著しく敏感で、溜めの三重点域への金属流にわずかの変動が生じても発生してしまうからであり、鋳造時の熱膨脹によりノズル端が動いても充分欠陥が生じ得るからである。ノズル端と側部堰との間の間隙が減少するにつれて、ノズル端の三重点注通路からの金属の下方傾斜流が側部堰プレートの、より高い方の地点、即ち三重点域から離れた地点に衝突する。これによりスカルが形成されて、蛇卵欠陥となり、極端な場合には注がれた金属がノズル端と側部堰との間の狭められた間隙を上へ上へと向かって側部堰プレート上端からこぼれ落ちることさえあり得る。本発明によれば、鋳造中絶えずノズル端と側部堰プレートとをほぼ一定間隙に維持できる改良が提供される。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、相互間にロール間隙を形成する一対の平行な鋳造ロールと、端同士を向かい合わせて配した複数の分離した細長のノズルピースで形成された細長の金属供給のノズルと、ノズルがロール間隙上方に且つロール間隙に沿って延びて溶融金属をロール間隙へと送給することによりロール間隙上方に支持された溶融金属の鋳造溜めを形成する、ノズルピースを支持するノズル支持手段と、ロール間隙端の1対の側部堰プレートと、側部堰プレートを鋳造ロール端面に寄せることにより側部堰プレートがロール内方に移動して側部堰プレートの摩耗に適応するようにしたプレート寄せ手段とを設けた金属ストリップ鋳造装置において、側部堰プレートの内方動に合わせた内方動でノズル支持手段に接して、ノズル外端を構成するノズルピースをシフトさせて側部堰プレートの摩耗に適応し、それにより側部堰プレートとノズル端との間の間隙をほぼ一定に維持するノズル端シフト手段とを備え
ノズル端シフト手段を、ノズル端と側部堰プレートとの間に配してノズル端と側部堰との間の間隙を設定するスペーサで構成し、プレート寄せ手段の影響のもとに側部堰プレートが内方に動く際に前記スペーサを介して側部堰プレートがノズル端を内方に押圧することを特徴とする金属ストリップ鋳造装置が提供される。
【0007】
又、側部堰プレートがロール間隙各端で両鋳造ロールの端面に係合することができ、更に、鋳造ロールが長手方向に互いにずらされて配置されて、各側部堰プレートが一方の鋳造ロールの端面と他方の鋳造ロールの周面とに係合することができる。
【0009】
スペーサがノズル端により担持されて側部堰プレートに係合することができる。
【0010】
スペーサが側部堰プレートに担持されてノズル端に係合することができる。
【0011】
側部堰プレートが一対のプレートホルダ内に保持され、プレート寄せ手段がこれらプレートホルダに作用することができる。その場合、ノズル端シフト手段をプレートホルダとノズル端との間に延びるプッシャ素子で構成することができる。斯かるプッシャ素子を側部堰プレートの孔を介して延びるロッドとすることができる。
【0012】
ノズルピースを、分配器からの分離した溶融金属流を受ける上方に開口した細長のトラフと、溶融金属をトラフから鋳造溜めへと送給するトラフ出口手段と、各々が分配器からの分離溶融金属流を受けてその溶融金属をノズル端での金属出口の流路に供給する、ノズルの二つの端部での溶融金属のリザーバを形成する外端形成部とで構成することができる。
【0013】
本発明は又、ノズルを、端同士を向かい合わせて配置してノズルを形成できる複数の細長のノズルピースで構成し、該ノズルピースに、各々上方に開いた細長のトラフと、溶融金属をトラフからノズル外方へと供給するトラフ出口手段と、ノズルの二つの端部で溶融金属のリザーバを形成する外端形成部と、前記リザーバから延びて溶融金属流をリザーバからノズル外端部の下方へと向かわせる流路と、ノズル端と鋳造溜めを構成する側部堰プレートとの間の隙間を設定するようノズル端面から長手方向外方に突出する分離した局部の突起とを設けた、双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズルにも及ぶ。
【0014】
好ましくは、前記突起をノズル端の垂直中心線上に配する。
【0015】
好ましくは、ノズルピースに、横方向外方に突出した側部フランジを形成して、それらによりノズル支持部に取付けられるようにする。
【0016】
好ましくは、更に、各リザーバが対応するトラフから壁により分離され、リザーバの溜めが満杯になった場合には壁を越えて溶融金属がリザーバの溜めからトラフへと流入できる。
【0017】
以上のことから、リザーバの深さは三重域に溶融金属の一定流を供給して非常に均一な溶融金属流を達成するので一定の流量を維持し、それにより三重域を通る高温金属の非常に均一な流れを達成し、結果として制御流はストリップ端を適切に形成することができる。
【0018】
鋳造時の熱膨張によるノズルの動きや側部堰プレートの摩耗による側部堰プレートの内方動等があった場合でも、ノズル端シフト手段を用いることによりノズル端と側部堰プレートとの間の隙間をほぼ一定に維持するので、ストリップ欠陥の発生を減らすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を更に充分に説明するため、添付図面を参照して特定の方法及び装置を更に詳細に説明する。
【0020】
図1〜図3に示す如く鋳造装置は工場床12から立上がった主機械フレーム11を有する。主機械フレーム11が支持する鋳造ロール台車13はアセンブリステーション14と鋳造ステーション15との間を水平に移動可能である。鋳造ロール台車13が担持する一対の平行な鋳造ロール16には、鋳造時に分配器18と金属供給のノズル19とを介して溶融金属が供給される。鋳造ロール16は水冷されているので、動いているロール表面に金属殻が形成されロール間隙69にて合わされて、ロール出口で凝固ストリップ品20が造られる。この凝固ストリップ品20を第1コイラ21に送って、次いで第2コイラ22に送給し得る。
【0021】
鋳造ロール台車13を構成する台車フレーム31がホイール32によりレール33に載り、レール33は主機械フレーム11の一部に沿って延びているので、鋳造ロール台車13全体がレール33に移動可能に載っていることになる。台車フレーム31が担持する対のロールクレードル(図示せず)に鋳造ロール16が回転可能に取付けられる。鋳造ロール台車13をレール33に沿って移動させることができる複動油圧ピストンシリンダ装置39は鋳造ロール台車13の駆動ブラケット40と主機械フレーム11との間に接続されて、鋳造ロール台車13をアセンブリステーション14から鋳造ステーション15へ、又その逆へ移動させることができるようになっている。
【0022】
鋳造ロール16は電動モータのロール駆動軸41と台車フレーム31上のトランスミッションとを介して相互方向に回転される。鋳造ロール16の銅製周壁に形成され縦方向に延び周方向に離間した一連の水冷通路には、回転グランド43を介して水冷ホース42に接続されたロール駆動軸41内の水冷導管から、ロール端を介し冷却水が供給される。鋳造ロール16の典型的な大きさは径が約500mmで、最大2m幅の凝固ストリップ品20を造れるよう長さを最大2mにすることができる。
【0023】
分配器18は、防食ライニングを備えた高アルミナキャスタブル等の耐火材料で造られた広皿状のものである。分配器18の一側は取鍋17からの溶融金属を受ける。分配器18の他側には縦方向に離間した一連の出口開口52が備えられている。分配器18下部を担持する取付ブラケット53は分配器18を台車フレーム31に取付けるためのものであって、台車フレーム31の位置合わせペグ54を受けて分配器18を正確に位置決めするようになっている。
【0024】
金属供給のノズル19はアルミナグラファイト等の耐火材料で造られた2つの分離した細長のノズルピース19Aで形成され、ステンレス製の取付ブラケット60で台車フレーム31に支持される。ノズルピース19Aは、アルミナグラファイト等の耐火材料で造られた同形ノズル半部セグメントとして形成される。これらノズルピース19Aは図2、図4に示すように各々がノズル支持手段である2対の取付ブラケット60により取付けられ、各対の取付ブラケット60がノズルピース19Aの各端を支持する。ノズルピース19Aは相互間に隙間50を有して、端部同士が向かい合うように支持される。ノズルピース19Aの上部には外方に突出する側部フランジ55が形成されて取付ブラケット60上に位置する。側部フランジ55の外端は上方・外方にテーパーしていて、相補的に傾斜した取付ブラケット60の内面60Aに係合してノズルピース19Aを横方向に動かないよう位置決めする。
【0025】
ノズルピース19Aの構成を図5〜図13に示す。各ノズルピース19Aは略トラフ状であって、金属供給のノズル19は分配器18の出口開口52から流下する溶融金属流65を受ける上方に開いたトラフ61を形成する。トラフ61はノズル側壁62と端壁70との間に形成され、離間して隙間50を形成するノズルピース19Aの2つの平らな端壁80で、両端間を横方向に仕切ると見なすことができる。トラフ61底部を閉じる水平な床63は、面取りした底隅部81でノズル側壁62と合う。金属供給のノズル19の底隅部81には、ノズル長手方向に沿って一定間隔で配した、長手方向に離間する細長の長孔64状の側部開口を備える。トラフ出口手段である長孔64は、溶融金属をほぼトラフ61の床63の高さで出すよう配置されている。トラフ61の床63に長孔64に隣接して設けた凹所83は床63中央から長孔64へと外方・下方に傾斜し、長孔64は凹所83の延長部として、上部床面85レベルより下方の面取り底隅部81の長孔出口84へと続く。
【0026】
ノズルピース19A外端には、端壁70を越えて外方に延びる外端形成部の三重点注端形成部87を設ける。三重点注端形成部87は、分配器18からの溶融金属を受ける上向きに開いた小さなリザーバ88を形成し、このリザーバ88はトラフ61から端壁70によって分離されている。端壁70の上端89はトラフ61上端及びリザーバ88外部よりも低く、以下に詳述する如く、リザーバ88溢流時のトラフ61への逆流を許す堰として働くことができる。
【0027】
リザーバ88は平らな床部91、内面92及び側面93、そして湾曲した直立外面94を有する浅皿状に形成される。内面92及び側面93は垂直面に対して傾斜しているように示されているが、床部91からほぼ直立に立上げてもよい。一対の三重点注通路95がこのリザーバ88の横方向外側から床部91高さの直ぐ上に延びて、三重点注端形成部87下側の三重点注出口96に接続する。三重点注出口96は下方内方に傾斜して溶融金属を鋳造溜め68の三重点域に供給する。
【0028】
溶融金属は、一連の垂直自由落下する溶融金属流65として分配器18の出口開口52からトラフ61底部に落下する。溶融金属がこのリザーバから長孔64を介して流出し、鋳造ロール16間のロール間隙69上方に支持された鋳造溜め68を形成する。鋳造溜め68を鋳造ロール16端で囲込むのが一対の側部堰プレート56であり、それらは鋳造ロール16の端部57に当てて保持されている。側部堰プレート56は窒化硼素等の強耐火材料で造られ、プレートホルダ72に取付けられる。プレートホルダ72は対の流体圧シリンダ装置73の作動により可動であって、側部堰プレート56を鋳造ロール16端に係合させて溶融金属の鋳造溜め68の端クロージャを形成する。流体圧シリンダ装置73は鋳造中絶えず側部堰プレート56をロール端に寄せ、側部堰プレート56を内方に動かして摩耗に適応させる役目を果たす。プレートホルダ72を流体圧シリンダ装置73にピボット接続部74で接続しているので、側部堰プレート56はロール端に対して自動調節のため揺動できる。
【0029】
鋳造作業では、金属流を制御することにより、金属供給のノズル19下端が鋳造溜め68に浸漬する高さに鋳造溜め68を保持し、金属供給のノズル19の、二連の水平方向に離間した長孔64を鋳造溜め68の表面のすぐ下に配置する。溶融金属は、鋳造溜め68の表面のすぐ近くで鋳造ロール16の冷却表面に衝突するよう、長孔64を介し鋳造溜め68の表面の全般に近くで側方外方を向いた2つの噴出流として流出する。このことにより、鋳造溜め68のメニスカス域に供給される溶融金属流65の温度が最大となり、ストリップ表面での割れやメニスカスマークの形成が大幅に減少することが見出された。
【0030】
溶融金属流65は、トラフ61のほぼ床63レベルでの側部開口である長孔64を介してトラフ61最外部から流出させられ、鋳造溜め68の表面直下で、相互に反対方向を向いた噴出流として鋳造溜め68に入って鋳造溜め68のメニスカス域で鋳造ロール表面に衝突する。
【0031】
ノズル側部の長孔64を2つのノズルピース19Aの内端に設けることが重要であり、これによりノズル中央部付近に溜めの溶融金属を充分に供給することができ、溜めのこの域にスカルが形成するのを防ぐことができる。
【0032】
分配器18から流下する2つの最外の溶融金属流65をリザーバ88が受ける。分配器18の2つの最外の出口開口52は、各リザーバ88が床部91に衝突する単一金属流を受けるように整合している。溶融金属が床部91に衝突して床部91に外方へと扇状に広がり、三重点注通路95を経て三重点注出口96に至り、高温溶融金属の内方・下方傾斜噴射流が側部堰の面にわたって且つロール間隙69側の鋳造ロール端に沿って生み出される。三重点注ぎは各リザーバ88の浅くて広い溶融金属溜めのみにより行われ、リザーバ88の溜め高さは端壁70上端89の高さによって制限される。リザーバ88がいっぱいになったら溶融金属は端壁70の上端89を越えてトラフ61へと溢流できるので、端壁70は三重点注端形成部87のリザーバ88の溜め深さを制御する堰の役目を果たす。この溜めの深さは、流れを一定頭圧に維持するよう三重点注通路95に供給するのに充分以上のものであって、一定の流量を維持し、それにより三重点注通路95を通る高温金属の非常に均一な流れを達成する。この制御流はストリップ端を適切に形成するのに非常に重要である。三重点注通路95を通る流れが過剰であるとストリップ端に膨らみが生じ、少なく過ぎるとスカルが生じてストリップに「蛇卵」欠陥が生じてしまう。
【0033】
鋳造時に、ノズルピース19Aは約1600℃以上の溶融金属と接触して非常に顕著な熱膨張を受ける。典型的な設備では、各ノズルピース19Aは例えば長さが650cmであり、熱膨張で長さが12mm位までも変化し得る。ノズル19端と側部堰との間の間隙は通常15mm程であり、側部堰に亘る溶融金属の有効な三重点注ぎを生み出す。従って、ノズル19の熱膨張は非常に顕著であり、本発明の助けなしでは、ノズル19端と側部堰との間の間隙が激しく減少し、三重点注通路95を出た溶融金属が側部堰上部に衝突してスカルが形成され、極端な場合には側部堰上端からこぼれ落ちてしまう。
【0034】
本発明によれば、ノズルピース19Aの2つの外端部には個別の突起71が設けられ、溜めを構成する側部堰プレート56の内面と係合する。この係合は、側部堰プレート56がロール内端と係合する際にもたらされ、ノズルピース19Aは取付ブラケット60に接して自由に動くので側部堰プレート56が内方に動くと突起71を介して作用する側部堰プレート56によりノズルピース19Aは内方に押圧されることができる。突起71はノズルピース19Aと一体に構成してもよく、その場合にはノズル19と同じ耐火材料で造られる。又は、分離した素子として構成して、各ノズル端面の凹所にセットすることもできる。その場合には、硬質のセラミック材料で造ることができる。
【0035】
突起71はノズル端面の垂直中央線上に配され、外端が丸くされる。これは、プレートホルダ72によるピボット取付で可能となっている側部堰プレート56の揺動により突起71と側部堰プレート56との係合が妨げられないようにするためである。
【0036】
突起71はスペーサの役目を果たし、ノズル端と溜めを構成する側部堰プレート56との間の隙間を設定する。更に又、突起71は、例え側部堰プレート56が摩耗してもこの隙間が積極的に維持されることを確保する。側部堰プレート56が摩耗するにつれて、プレートホルダ72と側部堰プレート56は流体圧シリンダ装置73により内方に動かされて摩耗に適応する。側部堰プレート56内面が突起71を押圧することにより、ノズルピース19A全体がノズルピース19A間の隙間50の方へと動いてノズル外端が内方に移動される。取付ブラケット60にはグラファイト又はグラファイト紙等の減摩材からなるストリップ又はパッドを設けてもよい。又は、小さなセラミックローラを設けることによりノズルピース19Aの長手方向動きを助長してもよい。
【0037】
図14はノズル端シフト手段を改変した構成を示し、突起71をなくしてその替わりにプッシャ素子であるプッシャロッド98をプレートホルダ72とノズル19外端との間に延ばしている。プッシャ素子のプッシャロッド98は側部堰プレート56の上部に形成した孔99を通って延びる。
【0038】
図15は鋳造ロール16’を長手方向に互いにずらして配し、側部堰プレート56’各々が一方の鋳造ロール16’の端面と他方の鋳造ロール16’の周面に係合する更なる改変例を概略的に示している。
【0039】
なお、本発明の金属ストリップ鋳造装置、及び、双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズルは、上述の実施の形態例に限定されるものではなく、突起又はスペーサ71をノズル端に形成又は取付ける替わりに、側部堰プレート56に形成又は取付けてもよいこと、又、突起71は側部堰内面の孔に取付られるボス又はバレルピースにより提供してもよいこと、更に、ツーピースのノズルの代わりに、特に幅広のストリップ鋳造の場合にはスリーピースノズルとして中央ピースを固定し、2つの端ピースを中央ピースの各側に離間配置してもよいこと、更に又、トラフに、図示した装置で示した類いの側部開口を設けることは、現在のところ好ましいノズル形状ではあるが、本発明にとって必須ではなく、溶融金属を端から注ぐ、あらゆる形のノズルに適用してもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】
本発明の金属ストリップ鋳造装置、及び、双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズルによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0041】
(I)リザーバの深さは三重域に溶融金属の一定流を供給して非常に均一な溶融金属流を達成するので一定の流量を維持し、それにより三重域を通る高温金属の非常に均一な流れを達成し、結果として制御流はストリップ端を適切に形成することができる。
【0042】
(II)鋳造時の熱膨張によるノズルの動きや側部堰プレートの摩耗による側部堰プレートの内方動等があった場合でも、ノズル端シフト手段を用いることによりノズル端と側部堰プレートとの間の隙間をほぼ一定に維持するので、ストリップ欠陥の発生を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構成され、操作される、双ロール鋳造装置を示す側面図である。
【図2】本発明により構成される金属供給のノズル19を含む図1に示した双ロール鋳造装置の要部の縦断面図である。
【図3】図2の断面に対し直角な向きの更なる縦断面図である。
【図4】本発明を実施する鋳造装置の金属供給のノズル19及び主要構成部の概略平面図である。
【図5】ノズル支持ブラケットの1つを示した図である。
【図6】金属供給のノズル19半部の側面図である。
【図7】図6に示した金属供給のノズル半部の平面図である。
【図8】図6に示した金属供給のノズル半部の長手方向縦断面図である。
【図9】図6に示した金属供給のノズル半部の斜視図である。
【図10】図6に示した金属供給のノズルを裏返してみた斜視図である。
【図11】図6のXI−XI方向の矢視図である。
【図12】図8のXII−XII方向の矢視図である。
【図13】図8のXIII−XIII方向の矢視図である。
【図14】本発明による鋳造装置の改変例を示す図である。
【図15】本発明による鋳造装置の更なる改変例を示す図である。
【符号の説明】
16 鋳造ロール
16’ 鋳造ロール
18 分配器
19 ノズル
19A ノズルピース
55 側部フランジ
56 側部堰プレート
56’ 側部堰プレート
60 取付ブラケット(ノズル支持手段)
61 トラフ
64 長孔(トラフ出口手段)
65 溶融金属流
68 鋳造溜め
69 ロール間隙
70 端壁(壁)
71 突起(スペーサ、ノズル端シフト手段)
72 プレートホルダ
73 流体圧シリンダ装置(プレート寄せ手段)
87 三重点注端形成部(外端形成部)
88 リザーバ
95 三重点注通路(流路)
96 三重点注出口(流路)
98 プッシャロッド(プッシャ素子、ノズル端シフト手段)
99 孔

Claims (13)

  1. 相互間にロール間隙(69)を形成する一対の平行な鋳造ロール(16)と、端同士を向かい合わせて配した複数の分離した細長のノズルピース(19A)で形成された細長の金属供給のノズル(19)と、ノズル(19)がロール間隙(69)上方に且つロール間隙(69)に沿って延びて溶融金属をロール間隙(69)へと送給することによりロール間隙(69)上方に支持された溶融金属の鋳造溜め(68)を形成する、ノズルピース(19A)を支持するノズル支持手段(60)と、ロール間隙(69)端の1対の側部堰プレート(56)と、側部堰プレート(56)を鋳造ロール(16)端面に寄せることにより側部堰プレート(56)がロール内方に移動して側部堰プレート(56)の摩耗に適応するようにしたプレート寄せ手段(73)とを設けた金属ストリップ鋳造装置において、側部堰プレート(56)の内方動に合わせた内方動でノズル支持手段(60)に接して、ノズル外端を構成するノズルピース(19A)をシフトさせて側部堰プレート(56)の摩耗に適応し、それにより側部堰プレート(56)とノズル(19)端との間の間隙をほぼ一定に維持するノズル端シフト手段(71)を備え
    ノズル端シフト手段(71)を、ノズル端と側部堰プレート(56)との間に配してノズル端と側部堰との間の間隙を設定するスペーサ(71)で構成し、プレート寄せ手段の影響のもとに側部堰プレート(56)が内方に動く際に前記スペーサ(71)を介して側部堰プレート(56)がノズル端を内方に押圧することを特徴とする金属ストリップ鋳造装置。
  2. 側部堰プレート(56)がロール間隙(69)各端で両鋳造ロール(16)の端面に係合する、請求項1に記載の金属ストリップ鋳造装置。
  3. 鋳造ロール(16’)が長手方向に互いにずらされて配置されて、各側部堰プレート(56’)が一方の鋳造ロール(16’)の端面と他方の鋳造ロール(16’)の周面とに係合する、請求項1に記載の金属ストリップ鋳造装置。
  4. スペーサ(71)がノズル端により担持されて側部堰プレート(56)に係合する、請求項に記載の金属ストリップ鋳造装置。
  5. スペーサ(71)が側部堰プレート(56)に担持されてノズル端に係合する、請求項に記載の金属ストリップ鋳造装置。
  6. 側部堰プレート(56)が一対のプレートホルダ(72)内に保持され、プレート寄せ手段がこれらプレートホルダ(72)に作用する、請求項1乃至のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造装置。
  7. 側部堰プレート(56)が一対のプレートホルダ(72)内に保持され、プレート寄せ手段がこれらプレートホルダ(72)に作用し、ノズル端シフト手段をプレートホルダ(72)とノズル端との間に延びるプッシャ素子(98)で構成した、請求項1に記載の金属ストリップ鋳造装置。
  8. プッシャ素子(81)が側部堰プレート(56)の孔(99)を介して延びるロッドである、請求項に記載の金属ストリップ鋳造装置。
  9. ノズルピース(19A)を、分配器(18)からの分離した溶融金属流(65)を受ける上方に開口した細長のトラフ(61)と、溶融金属をトラフから鋳造溜め(68)へと送給するトラフ出口手段(64)と、各々が分配器(18)からの分離溶融金属流を受けてその溶融金属をノズル端での金属出口の流路(96)に供給する、ノズル(19)の二つの端部での溶融金属のリザーバ(88)を形成する外端形成部(87)とで構成した、請求項に記載の金属ストリップ鋳造装置。
  10. ノズル(19)を、端同士を向かい合わせて配置してノズル(19)を形成できる複数の細長のノズルピース(19A)で構成し、該ノズルピース(19A)に、各々上方に開いた細長のトラフ(61)と、溶融金属をトラフ(61)からノズル外方へと供給するトラフ出口手段(64)と、ノズル(19)の二つの端部で溶融金属のリザーバ(88)を形成する外端形成部(87)と、前記リザーバ(88)から延びて溶融金属流(65)をリザーバ(88)からノズル外端部の下方へと向かわせる流路(95)(96)と、ノズル端と鋳造溜めを構成する側部堰プレート(56)との間の隙間を設定するようノズル端面から長手方向外方に突出する分離した局部の突起(71)とを設けることを特徴とする、双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
  11. 突起(71)をノズル端の垂直中心線上に配した、請求項10に記載の双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
  12. ノズルピース(19A)に、横方向外方に突出した側部フランジ(55)を形成して、それらによりノズル支持部に取付けられるようにした請求項10又は11に記載の双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
  13. 各リザーバ(88)が対応するトラフ(61)から壁(70)により分離され、リザーバ(88)の溜めが満杯になった場合には壁(70)を越えて溶融金属がリザーバ(88)の溜めからトラフ(61)へと流入できる、請求項11乃至12のいずれかに記載の双ロール鋳造装置の鋳造溜めへと溶融金属を供給する耐火ノズル。
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