JPH09103196A - 有効成分含有水溶性シート - Google Patents
有効成分含有水溶性シートInfo
- Publication number
- JPH09103196A JPH09103196A JP26139995A JP26139995A JPH09103196A JP H09103196 A JPH09103196 A JP H09103196A JP 26139995 A JP26139995 A JP 26139995A JP 26139995 A JP26139995 A JP 26139995A JP H09103196 A JPH09103196 A JP H09103196A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- agrochemical
- polymer film
- plant growth
- soluble polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Catching Or Destruction (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】播種直後の農薬及び植物生育調節剤の散布の省
力化と同時に人体に対して影響を与えることの少ない薬
剤散布の手段を提供すること。 【解決手段】上記の課題は、薬剤を分散した水溶性フィ
ルム及び薬剤を含む非水溶性多孔性物質を分散させた有
効成分含有水溶性シートとすることによって解決するこ
とができる。
力化と同時に人体に対して影響を与えることの少ない薬
剤散布の手段を提供すること。 【解決手段】上記の課題は、薬剤を分散した水溶性フィ
ルム及び薬剤を含む非水溶性多孔性物質を分散させた有
効成分含有水溶性シートとすることによって解決するこ
とができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、播種及び育苗時に
必要とする農薬あるいは植物生育調節剤を含有させた水
溶性シートに係り、特に、薬剤を簡単にしかも均一に分
散させ、さらに該薬剤の人体への影響を最小限に止める
ことができることを特徴とする有効成分含有水溶性シー
トに関する。
必要とする農薬あるいは植物生育調節剤を含有させた水
溶性シートに係り、特に、薬剤を簡単にしかも均一に分
散させ、さらに該薬剤の人体への影響を最小限に止める
ことができることを特徴とする有効成分含有水溶性シー
トに関する。
【0002】
【従来の技術】病気予防や健苗育成のため、播種直後に
農薬や植物生育調節剤等の散布が行われる。これらの薬
剤の散布は、該薬剤を水に分散させ、噴霧機等を使用し
て行われている。このため、散布時に、一時的に高濃度
の状態となり、経口的にあるいは皮膚等から人体に吸収
され、薬害を生じる原因になる恐れがある。このような
薬剤の散布は一定量、かつ均一に行うことが要求される
が、噴霧機使用の場合は作業者の経験と技術とが必要と
される。
農薬や植物生育調節剤等の散布が行われる。これらの薬
剤の散布は、該薬剤を水に分散させ、噴霧機等を使用し
て行われている。このため、散布時に、一時的に高濃度
の状態となり、経口的にあるいは皮膚等から人体に吸収
され、薬害を生じる原因になる恐れがある。このような
薬剤の散布は一定量、かつ均一に行うことが要求される
が、噴霧機使用の場合は作業者の経験と技術とが必要と
される。
【0003】薬剤の散布期は播種、発芽、定植後に行わ
れることが一般的である。また、播種から発芽までの期
間は、品種によって異なるが、1、2週間程度であるこ
とから、徐放性の薬剤を使用することによって、播種後
のみの散布で発芽後までを補うことができ、農薬散布の
回数を減らせ得る可能性がある。
れることが一般的である。また、播種から発芽までの期
間は、品種によって異なるが、1、2週間程度であるこ
とから、徐放性の薬剤を使用することによって、播種後
のみの散布で発芽後までを補うことができ、農薬散布の
回数を減らせ得る可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術は、上記の
ように、いくつかの問題点を有しており、その改善が強
く切望されていた。本発明の目的は、上記従来技術の有
していた課題を解決して、播種直後の農薬及び植物生育
調節剤の散布の省力化と同時に人体に対して影響の少な
い手段を提供することにある。具体的には、農薬等を、
簡単に一定量しかも均一に散布し得ることを目的とし、
また、薬剤に徐放性をもたせることによって、農薬散布
の回数を減らすことができる有効成分水溶性シートを提
供することにある。
ように、いくつかの問題点を有しており、その改善が強
く切望されていた。本発明の目的は、上記従来技術の有
していた課題を解決して、播種直後の農薬及び植物生育
調節剤の散布の省力化と同時に人体に対して影響の少な
い手段を提供することにある。具体的には、農薬等を、
簡単に一定量しかも均一に散布し得ることを目的とし、
また、薬剤に徐放性をもたせることによって、農薬散布
の回数を減らすことができる有効成分水溶性シートを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記構成の
シートとすることによって達成することができる。すな
わち、まず、散布すべき農薬及び植物生育調節剤等の薬
剤を水溶性高分子の水溶液に分散させ、さらに、薬剤を
含む多孔性物質を添加する。薬剤等を含む該水溶液をポ
リエステルフィルムに塗工した後、乾燥して薬剤含有水
溶性高分子フィルムを作製する。この薬剤含有水溶性高
分子フィルムを播種後の育苗床上に載置し散水すること
によって、薬剤を一定量かつ均一に散布することが可能
となる。また、これによって、薬剤を霧状にする過程が
なくなり、人体への経口及び皮膚からの吸収がなく、薬
害を防止することができる。この薬剤含有水溶性高分子
フィルムにおいて、水溶性高分子フィルムに含まれる薬
剤は瞬時に溶出し、多孔性物質に含まれる薬剤は徐放的
に溶出されるので、薬剤の効果を持続させることができ
る。また、上記水溶性高分子フィルムに含有させる薬剤
と上記多孔性物質に含有させる薬剤を変えることも可能
であり、農薬に抵抗性を有する菌の発生を防ぐことので
きる製品の開発も可能となる。
シートとすることによって達成することができる。すな
わち、まず、散布すべき農薬及び植物生育調節剤等の薬
剤を水溶性高分子の水溶液に分散させ、さらに、薬剤を
含む多孔性物質を添加する。薬剤等を含む該水溶液をポ
リエステルフィルムに塗工した後、乾燥して薬剤含有水
溶性高分子フィルムを作製する。この薬剤含有水溶性高
分子フィルムを播種後の育苗床上に載置し散水すること
によって、薬剤を一定量かつ均一に散布することが可能
となる。また、これによって、薬剤を霧状にする過程が
なくなり、人体への経口及び皮膚からの吸収がなく、薬
害を防止することができる。この薬剤含有水溶性高分子
フィルムにおいて、水溶性高分子フィルムに含まれる薬
剤は瞬時に溶出し、多孔性物質に含まれる薬剤は徐放的
に溶出されるので、薬剤の効果を持続させることができ
る。また、上記水溶性高分子フィルムに含有させる薬剤
と上記多孔性物質に含有させる薬剤を変えることも可能
であり、農薬に抵抗性を有する菌の発生を防ぐことので
きる製品の開発も可能となる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明シートの構成につい
て、発明の実施の形態の例によって具体的に説明する。
て、発明の実施の形態の例によって具体的に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態1】まず、重合度がそれぞれ300及
び1700、鹸化度80%の2種類の PVA を8:2の割合で
混合し、20%の PVA 水溶液を作製した。該 PVA 水溶液
に10%オーソサイド80(図1の3)(殺菌剤:キャプタン
含有80%水和剤)水溶液を9:1の割合で添加し均一に
なるまで撹拌し、オーソサイド80含有 PVA 水溶液を作
製した。
び1700、鹸化度80%の2種類の PVA を8:2の割合で
混合し、20%の PVA 水溶液を作製した。該 PVA 水溶液
に10%オーソサイド80(図1の3)(殺菌剤:キャプタン
含有80%水和剤)水溶液を9:1の割合で添加し均一に
なるまで撹拌し、オーソサイド80含有 PVA 水溶液を作
製した。
【0008】また、非水溶性多孔性物質は次のようにし
て作製した。すなわち、アルギン酸ナトリウムの2%水
溶液に、10%オーソサイド80水溶液を9:1の割合で添
加し、均一になるまで撹拌した。次に、このオーソサイ
ド80含有アルギン酸ナトリウム水溶液を0.05M 塩化カル
シウム水溶液中に滴下することによってゲル化させた。
オーソサイド80含有アルギン酸カルシウム(図1の2)を
破砕した物を該オーソサイド80含有 PVA 水溶液中に添
加し、ポリエステルフィルム上に塗工後、乾燥しオーソ
サイド80含有PVA フィルム(図1の1)を作製した。な
お、PVA フィルム中に含有させる薬剤の種類及び濃度
は、対象とする植物種または育種環境によっても異なる
ので、その都度、実験的に確かめる必要がある。
て作製した。すなわち、アルギン酸ナトリウムの2%水
溶液に、10%オーソサイド80水溶液を9:1の割合で添
加し、均一になるまで撹拌した。次に、このオーソサイ
ド80含有アルギン酸ナトリウム水溶液を0.05M 塩化カル
シウム水溶液中に滴下することによってゲル化させた。
オーソサイド80含有アルギン酸カルシウム(図1の2)を
破砕した物を該オーソサイド80含有 PVA 水溶液中に添
加し、ポリエステルフィルム上に塗工後、乾燥しオーソ
サイド80含有PVA フィルム(図1の1)を作製した。な
お、PVA フィルム中に含有させる薬剤の種類及び濃度
は、対象とする植物種または育種環境によっても異なる
ので、その都度、実験的に確かめる必要がある。
【0009】上記オーソサイド80含有 PVA フィルムを
ネギ種子を播種した育苗床上に設置し、散水することに
よって、オーソサイド80を均一かつ一定量散布すること
ができ、さらに上記オーソサイド80が、すぐに溶出する
状態と約1週間かけて徐々に放出される状態とを確認す
ることができた。また、種子発芽に影響なく病気予防の
効果があることが確認できた。
ネギ種子を播種した育苗床上に設置し、散水することに
よって、オーソサイド80を均一かつ一定量散布すること
ができ、さらに上記オーソサイド80が、すぐに溶出する
状態と約1週間かけて徐々に放出される状態とを確認す
ることができた。また、種子発芽に影響なく病気予防の
効果があることが確認できた。
【0010】
【発明の実施の形態2】上記例では PVA フィルム中に
入れる薬剤とアルギン酸カルシウム中に入れる薬剤とが
同種のものの場合を示したが、入れる薬剤をそれぞれ異
なるものとすることもも可能である。また、上記オーソ
サイド80の他に、ホーマイ水和剤やポマゾールエフ水和
剤等も殺菌剤として使用することができる。すなわち、
非水溶性多孔性物質にオーソサイド80を添加し、水溶性
高分子フィルムにはホーマイ水和剤を添加した有効成分
含有水溶性シートを作製した。このようにして作製した
有効成分含有水溶性シートをネギ種子を播種した育苗床
上に載置し、散水した場合ホーマイ水和剤はすぐに溶出
し、また、オーソサイド80は約1週間かけて徐放的に溶
出されることが確認できた。また、種子発芽に影響なく
病気予防の効果があることが確認でき、さらに薬剤抵抗
性菌の発生も防止することができた。
入れる薬剤とアルギン酸カルシウム中に入れる薬剤とが
同種のものの場合を示したが、入れる薬剤をそれぞれ異
なるものとすることもも可能である。また、上記オーソ
サイド80の他に、ホーマイ水和剤やポマゾールエフ水和
剤等も殺菌剤として使用することができる。すなわち、
非水溶性多孔性物質にオーソサイド80を添加し、水溶性
高分子フィルムにはホーマイ水和剤を添加した有効成分
含有水溶性シートを作製した。このようにして作製した
有効成分含有水溶性シートをネギ種子を播種した育苗床
上に載置し、散水した場合ホーマイ水和剤はすぐに溶出
し、また、オーソサイド80は約1週間かけて徐放的に溶
出されることが確認できた。また、種子発芽に影響なく
病気予防の効果があることが確認でき、さらに薬剤抵抗
性菌の発生も防止することができた。
【0011】
【発明の効果】以上述べてきたように、播種育苗用水溶
性シートを本発明構成のシートとすることによって、従
来技術の有していた課題を解決して、播種直後の農薬及
び植物生育調節剤の散布の省力化と同時に人体に対して
影響を与えることの少ない有効成分含有水溶性シートを
提供することができた。
性シートを本発明構成のシートとすることによって、従
来技術の有していた課題を解決して、播種直後の農薬及
び植物生育調節剤の散布の省力化と同時に人体に対して
影響を与えることの少ない有効成分含有水溶性シートを
提供することができた。
【図1】発明の実施の形態1において例示した有効成分
含有シートの断面構造を示す模式図。
含有シートの断面構造を示す模式図。
1…水溶性高分子フィルム(PVA)、2…アルギン酸カル
シウムゲル、3…農薬等(オーソサイド80)。
シウムゲル、3…農薬等(オーソサイド80)。
Claims (2)
- 【請求項1】農薬や植物生育調節剤を分散させた水溶性
高分子フィルムに、さらに、農薬あるいは植物生育調節
剤を含有する非水溶性多孔性物質を分散させたことを特
徴とする有効成分含有水溶性シート。 - 【請求項2】上記水溶性高分子フィルム中に分散させた
農薬あるいは植物生育調節剤と上記非水溶性多孔性物質
に含有させた農薬あるいは植物生育調節剤とを異なるも
のとしたことを特徴とする請求項1記載の有効成分含有
水溶性シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26139995A JP2784167B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 有効成分含有水溶性シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26139995A JP2784167B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 有効成分含有水溶性シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09103196A true JPH09103196A (ja) | 1997-04-22 |
JP2784167B2 JP2784167B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=17361331
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26139995A Expired - Fee Related JP2784167B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 有効成分含有水溶性シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2784167B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014128215A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Duskin Co Ltd | 植物処理剤散布方法、これに使用する処理剤含有柔軟素材及びこれの製造方法 |
-
1995
- 1995-10-09 JP JP26139995A patent/JP2784167B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014128215A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Duskin Co Ltd | 植物処理剤散布方法、これに使用する処理剤含有柔軟素材及びこれの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2784167B2 (ja) | 1998-08-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5302006B2 (ja) | 発芽性種子の保護及び農薬を含有するピル | |
AU2002352873B2 (en) | A product for use in agriculture or horticulture | |
EP1795071A1 (en) | Modified active-ingredient-containing pellets/capsules | |
EP0868912B1 (de) | Verwendung von redispergierbaren Polymerpulvern oder Polymergranulaten zum Überziehen von pharmazeutischen oder agrochemischen Darreichungsformen | |
CN109320340A (zh) | 一种缓释药肥颗粒剂及其生产方法 | |
JP2003507396A (ja) | 発芽種子および病虫害防除剤を被覆したペレットの保護方法 | |
JP2784167B2 (ja) | 有効成分含有水溶性シート | |
JP2694926B2 (ja) | 農園芸用顆粒水和剤およびその製造法 | |
JP2001192304A (ja) | 苗床及びそれを用いた作物の育苗・栽培方法 | |
JPS6359378A (ja) | 物体の表面に主剤を固着させる剤及び方法 | |
JPH11236301A (ja) | 被覆農薬粒剤とそれを用いた農作物の栽培方法、及び植物根の誘引方法 | |
JPH09118601A (ja) | 溶出制御された除草粒剤およびその製法 | |
JPH07242504A (ja) | 水稲病害防除方法 | |
JPH09132503A (ja) | 溶出制御された固形農薬製剤およびその製法 | |
JPH1033014A (ja) | 水田における病害虫の省力防除方法 | |
JPS59139306A (ja) | 家庭園芸用の大型殺虫粒剤 | |
JP2994499B2 (ja) | 稲病害の防除方法 | |
JPH0331202A (ja) | 植物病害防除方法 | |
JP3136246B2 (ja) | イネ苗腐敗症およびイネ苗立枯細菌病の防除方法 | |
JPH01157493A (ja) | 粒状農薬肥料 | |
CN117164408A (zh) | 一种含有苯噻酰草胺和吡嘧磺隆的药肥及制备方法 | |
JP2001206801A (ja) | 生物活性物質含有粒状物の配合物およびそれを用いる農作物の栽培方法 | |
JP4573983B2 (ja) | 被覆粒状農薬組成物およびその製造方法 | |
JPH01226802A (ja) | 農薬の徐放性付与剤、徐放性農薬およびその製法 | |
JPH1080244A (ja) | 成形育苗用資材とそれを用いた病害虫防除方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |