JP2014128215A - 植物処理剤散布方法、これに使用する処理剤含有柔軟素材及びこれの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】庭木管理サービスにおける植物処理剤散布を、選択的に且つ景観を損なうこと無く行う。
【解決手段】少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有し、且つ水捌手段を有する処理剤含有柔軟素材により、植物の全部又は一部を遮蔽し、前記処理剤含有柔軟素材に水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に転移させて散布する。前記処理剤含有柔軟素材としては、ネット、フィルム、紐などが使用できる。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有し、且つ水捌手段を有する処理剤含有柔軟素材により、植物の全部又は一部を遮蔽し、前記処理剤含有柔軟素材に水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に転移させて散布する。前記処理剤含有柔軟素材としては、ネット、フィルム、紐などが使用できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹木、芝及び農作物などの植物に農薬や肥料などの植物処理剤を散布する方法に関し、更に詳細には、庭木管理事業において行う、植物への植物処理剤の散布を安全且つ効率的に行う方法に関する。
家屋などにおける樹木や芝などの植物の管理について、この管理を代行する庭木管理サービスの需要が、近年において高まっている。住人の多忙や高齢化により、例えば枝刈りなどの手間がかかる植物の手入れを住人が頻繁に行えなくなっている傾向にあり、これらの手入れを行う代行サービスが求められている。
この様な代行サービスによる庭木管理において必至な工程の1つとして、これらの植物の葉や新芽などを、害虫から守るための、害虫駆逐がある。特に、夏においては、害虫の繁殖が顕著となるため、この害虫駆逐を効果的に行うことが特に必要となる。
この様な代行サービスによる庭木管理において必至な工程の1つとして、これらの植物の葉や新芽などを、害虫から守るための、害虫駆逐がある。特に、夏においては、害虫の繁殖が顕著となるため、この害虫駆逐を効果的に行うことが特に必要となる。
この様に、害虫から植物を守るための方法として、殺虫剤などの農薬を含有させた防虫網により、植物を包囲する方法が提案且つ実施されている。例として、特開2003−299434号公報(特許文献1)においては、吸湿性繊維と非吸湿性繊維の両方を含むネット基材に、殺虫剤を含有させた農業用防虫ネットが開示されている。また、特表2011−529334号公報(特許文献2)においては、メッシュサイズを小さくした殺虫剤含浸ネットが記載されている。
しかし、これらの様な防虫網については、防虫効果を維持するために植物に常時設置する必要があり、従ってこの防虫網により景観が害され、また植物への太陽光照射を妨害する欠点を有する。しかし、農薬の効果を維持するために、防虫網を使用せずに、噴霧などによる農薬散布を行うことについては、風などの影響により、農薬が植物だけでなく、その近傍にも散布され易いと言う欠点がある。即ち、農薬散布による農薬霧が、例えば近所の家屋に入り込み、住人に害を与える可能性がある。
又、これらの様な防虫網は、物理的に害虫侵入を防止する為に、網目が小さく設定されており(典型的な例としては0.5mm×0.5mm以下)、水撒き時や雨天時において、これらの網目に水膜が形成し、水の植物への補給が阻害されるという欠点がある。
従って、本発明者は、農薬や肥料などの植物処理剤の散布を植物に限定する方法、並びに農薬散布後に景観などを害しない方法について検討した後に、本発明を為すに至った。
又、これらの様な防虫網は、物理的に害虫侵入を防止する為に、網目が小さく設定されており(典型的な例としては0.5mm×0.5mm以下)、水撒き時や雨天時において、これらの網目に水膜が形成し、水の植物への補給が阻害されるという欠点がある。
従って、本発明者は、農薬や肥料などの植物処理剤の散布を植物に限定する方法、並びに農薬散布後に景観などを害しない方法について検討した後に、本発明を為すに至った。
本発明は、上記課題を解決するために為されたものである。尚、本願明細書及び請求項においては、殺虫剤、殺菌剤、防菌剤、防カビ剤、除草剤、殺鼠剤などの農薬、窒素、リン、カリウム、カルシウム、炭素、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅などの植物が必要とする元素が含有された肥料、並びに植物ホルモン剤などの植物成長調整剤、並びにこれらの1つ以上の混合物を、総括して、「植物処理剤」と称する。
本発明の第1の形態は、少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有する処理剤含有柔軟素材により、植物の全部又は一部を遮蔽し、前記処理剤含有柔軟素材に水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に転移させて散布する植物処理剤散布方法である。
本発明の第1の形態は、少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有する処理剤含有柔軟素材により、植物の全部又は一部を遮蔽し、前記処理剤含有柔軟素材に水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に転移させて散布する植物処理剤散布方法である。
本発明の第2の形態は、前記処理剤含有柔軟素材をネット又はフィルムとする植物処理剤散布方法である。
本発明の第3の形態は、前記処理剤含有柔軟素材がネットであり、前記ネットの網目が1.5mm×1.5mm以上に設定されることにより、前記網目における水膜の形成が防止され、前記処理剤含有水が前記植物へ移転される植物処理剤散布方法である。
本発明の第4の形態は、前記処理剤含有柔軟素材をネット又はフィルムからなる層が複数個積層された積層物とする植物処理剤散布方法である。
本発明の第5の形態は、前記処理剤含有柔軟素材が、中空部を有する様に形成された処理剤含有形成物の外部を構成し、前記中空部に前記植物の全部又は一部が挿入されることにより、前記処理剤含有柔軟素材が前記植物の全部又は一部を被覆する植物処理剤散布方法である。
本発明の第6の形態は、前記処理剤含有柔軟素材が紐であり、前記紐を前記植物に巻き付けることにより前記植物の全部又は一部を遮蔽する植物処理剤散布方法である。
本発明の第7の形態は、前記処理剤含有柔軟素材が水分解性を有し、水を前記処理剤含有柔軟素材に浸透させることにより、前記処理剤含有柔軟素材が分解される処理剤散布方法である。
本発明の第8の形態は、前記処理剤含有柔軟素材に複数の突出部が形成され、前記処理剤含有水の水滴を前記突起上に形成させる植物処理剤散布方法である。
本発明の第9の形態は、少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有する処理剤含有柔軟素材により、植物の全部又は一部を遮蔽し、前記処理剤含有柔軟素材に水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に移転させて散布する植物処理剤散布方法に使用される処理剤含有柔軟素材であって、前記処理剤含有柔軟素材は、接触された水及び形成された前記処理剤含有水を、垂直方向に透過させる水捌手段を有する処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第10の形態は、前記処理剤含有柔軟素材をネット又はフィルムとする処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第11の形態は、前記処理剤含有柔軟素材がネットであり、前記水捌手段として、前記ネットの網目が1.5mm×1.5mm以上に設定された処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第12の形態は、前記処理剤含有柔軟素材をネット又はフィルムからなる層が複数個積層された積層物とする処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第13の形態は、前記処理剤含有柔軟素材が、中空部を有する様に形成された処理剤含有形成物の外部を構成する処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第14の形態は、前記処理剤含有柔軟素材を紐とする処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第15の形態は、前記処理剤含有柔軟素材に、前記水捌手段として水分解性が付与された処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第16の形態は、前記処理剤含有柔軟素材に、前記水捌手段として複数の突出部が形成された処理剤含有柔軟素材である。
本発明の第17の形態は、素材に水溶性植物処理剤を含有する溶液を浸透させ及び/又は塗布して、処理剤含有柔軟素材を形成させる処理剤含有柔軟素材の製造方法である。
本発明の第18の形態は、処理剤含有柔軟素材の原料に水溶性植物処理剤を含有させ、この原料から処理剤含有柔軟素材を形成させる処理剤含有柔軟素材の製造方法である。
本発明の第1の形態によれば、本形態の処理剤含有柔軟素材は、水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有するので、樹木などの植物における、植物処理剤散布を必要とする部分を、容易且つ選択的に被覆することができ、この処理剤含有柔軟素材に水を散布して接触させることにより、前記水溶性植物処理剤をこの水に溶解又は分散させて、処理剤含有水を形成させることができる。この処理剤含有水を、落下又は接触などにより、この植物の葉や枝などに移動させることにより、植物処理剤散布を効率的且つ選択的に行うことができる。
尚、既に述べたとおり、本形態及び本発明における「植物処理剤」とは、殺虫剤や防カビ剤などの生物抑制薬品のみでなく、肥料や植物成長調整剤等も含有する。即ち、本形態及び本発明における「植物処理剤」とは、農業作業において散布される全ての薬剤を示す。
本形態における処理剤含有柔軟素材は、水や処理剤含有水を垂直方向に透過させる水捌手段を有することが好ましく、この場合においては、前記処理剤含有水が、水膜や表面残留水などとして前記処理剤含有柔軟素材上に残留されること無く、前記処理剤含有柔軟素材から離脱して、前記植物上に確実に散布される。本形態における水捌手段としては、例えば水滴の形成を促進する突出部でも良いし、又はこの処理剤含有柔軟素材を破壊するための水分解性であっても良いし、又は水膜の形成を阻止する構造を有する網目や孔部であっても良く、あらゆる排水促進手段が使用できる。
本形態における処理剤含有柔軟素材は、ネット、フィルムやこれらの組合せなどの薄膜状物質であっても良いし、また紐や縄などの紐状物質であってもよい。これらの物質においては、後に述べる第2〜6の形態の説明において詳細に記述する。
本形態における処理剤含有柔軟素材は、既に述べた水分解性の他に、光分解性を有しても良い。この様な分解性を有する場合においては、植物処理剤散布処理後の使用済み柔軟素材を回収する必要が無くなる。また、この処理剤含有柔軟素材は、水及び光に対して耐性を有しても良く、この場合においては、使用済み柔軟素材を回収し、水溶性植物処理剤を充填して、処理剤含有柔軟素材として再使用することができる。
本形態における処理剤含有柔軟素材は、ネット、フィルムやこれらの組合せなどの薄膜状物質であっても良いし、また紐や縄などの紐状物質であってもよい。これらの物質においては、後に述べる第2〜6の形態の説明において詳細に記述する。
本形態における処理剤含有柔軟素材は、既に述べた水分解性の他に、光分解性を有しても良い。この様な分解性を有する場合においては、植物処理剤散布処理後の使用済み柔軟素材を回収する必要が無くなる。また、この処理剤含有柔軟素材は、水及び光に対して耐性を有しても良く、この場合においては、使用済み柔軟素材を回収し、水溶性植物処理剤を充填して、処理剤含有柔軟素材として再使用することができる。
本形態における水溶性植物処理剤としては、水に溶解する親水性農薬の他に、疎水性を有する農薬と界面活性剤などとの組合せでも良い。又、本形態における水溶性植物処理剤は、殺虫剤が主であるが、その他にも、殺菌剤、防菌剤、防カビ剤などを使用しても良いし、また除草剤、殺鼠剤や植物成長調整剤などを使用しても良い。更に、窒素、リン、カリウム、カルシウム、炭素、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅などの生体が必要とする元素が含有された人工肥料又は天然肥料、及び/又は、植物ホルモン剤などの植物成長調整剤を使用しても良い。
従って、本形態における水溶性農薬としては、ジノテフラン、ニテンピラム、チアメトキシサンム、クロチアニジン、アセタミプリド、アセフェート、イミダクロプリド(以上親水性)やエトフェンプロックス(疎水性)と界面活性剤の組合せ等を使用できる。更に、これらの水溶性農薬の植物への付着や、水溶性を高めるために、ダイン(登録商標)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンメチルポリシロキサンなどの展着剤が、本形態の処理剤含有柔軟素材に含有されても良い。これらの水溶性植物処理剤を、基材となる柔軟素材を植物処理剤溶液へ浸漬させることにより、処理剤含有柔軟素材を調製することができる。また、前記植物処理剤溶液を前記柔軟素材の表面に塗布することによっても、処理剤含有柔軟素材を形成することができる。更に、前記柔軟素材を製造する際に、前記水溶性植物処理剤を前記柔軟素材の原料に添加することによっても、処理剤含有柔軟素材を製造することができる。この様に、本形態における処理剤含有柔軟素材の形成は、数々の製法により行うことができる。
従って、本形態における水溶性農薬としては、ジノテフラン、ニテンピラム、チアメトキシサンム、クロチアニジン、アセタミプリド、アセフェート、イミダクロプリド(以上親水性)やエトフェンプロックス(疎水性)と界面活性剤の組合せ等を使用できる。更に、これらの水溶性農薬の植物への付着や、水溶性を高めるために、ダイン(登録商標)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンメチルポリシロキサンなどの展着剤が、本形態の処理剤含有柔軟素材に含有されても良い。これらの水溶性植物処理剤を、基材となる柔軟素材を植物処理剤溶液へ浸漬させることにより、処理剤含有柔軟素材を調製することができる。また、前記植物処理剤溶液を前記柔軟素材の表面に塗布することによっても、処理剤含有柔軟素材を形成することができる。更に、前記柔軟素材を製造する際に、前記水溶性植物処理剤を前記柔軟素材の原料に添加することによっても、処理剤含有柔軟素材を製造することができる。この様に、本形態における処理剤含有柔軟素材の形成は、数々の製法により行うことができる。
本形態並びにおいては、植物の被覆部分を自在に選択できるが、前記植物の全面において植物処理剤を散布させる場合には、処理剤含有水の重力による下方移行を利用する為に、前記植物の少なくとも上端を被覆する方が有利である。植物の上端のみを被覆した場合においても、処理剤含有水が、重力により植物の下部まで到達するので、植物全体において植物処理剤を散布することができる。
又、本形態における水は、ホースやスプリンクラーから散布される水道水又は貯蔵水でもよく、また降雨から由来する雨水でもよい。何れの場合においても、水を散布するだけで、均一な植物処理剤散布を行うことができるので、植物処理剤を効率的且つ効果的に植物に散布することができる。
本形態及び本発明における植物としては、例えば庭などにおける樹木、芝やその他の草木が挙げられ、また農業などにおける稲などの農作物も挙げられ、あらゆる植物について、本発明を応用できる。
又、本形態における水は、ホースやスプリンクラーから散布される水道水又は貯蔵水でもよく、また降雨から由来する雨水でもよい。何れの場合においても、水を散布するだけで、均一な植物処理剤散布を行うことができるので、植物処理剤を効率的且つ効果的に植物に散布することができる。
本形態及び本発明における植物としては、例えば庭などにおける樹木、芝やその他の草木が挙げられ、また農業などにおける稲などの農作物も挙げられ、あらゆる植物について、本発明を応用できる。
本発明の第2の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材をネット又はフィルムとするので、これらの薄膜状物質を自在に変形させることができ、従って前記植物の全部又は一部を前記薄膜状物質により簡単に包被して被覆することができる。
本形態におけるネットの材質としては、親水性を有する木綿(コットン)が、費用や入手性の観点から好ましいが、その他にも羊毛や絹などの天然繊維や、レーヨンやキュプラなどの親水性人工繊維なども使用できる。また、水溶性ナイロンやポリビニールアルコール(PVA)などの水分解性繊維を使用しても良い。本形態におけるフィルムの材質としては、水分解性及び/又は光分解性を有するものが好ましい。水分解性を有する材質としては、オブラート、ゼラチン、水溶紙などが使用できる。また、光分解性を有する材質としては、光分解性ポリエチレンや光分解性ポリスチレンなどが使用できる。これらのフィルムに、複数の孔部を設けて、水及び処理剤含有水を垂直方向に透過させる水捌手段として機能させても良い。フィルムが水分解性と複数の孔部を有する場合には、水捌作用が増進されることになる。また、使用前に、この処理剤含有柔軟素材の形状を支柱や骨組みなどにより調整しても良いが、単にネットやフィルムを、植物に覆い被せるか巻き付けることにより、事前形成の手間を省いても良い。
本形態におけるネットの材質としては、親水性を有する木綿(コットン)が、費用や入手性の観点から好ましいが、その他にも羊毛や絹などの天然繊維や、レーヨンやキュプラなどの親水性人工繊維なども使用できる。また、水溶性ナイロンやポリビニールアルコール(PVA)などの水分解性繊維を使用しても良い。本形態におけるフィルムの材質としては、水分解性及び/又は光分解性を有するものが好ましい。水分解性を有する材質としては、オブラート、ゼラチン、水溶紙などが使用できる。また、光分解性を有する材質としては、光分解性ポリエチレンや光分解性ポリスチレンなどが使用できる。これらのフィルムに、複数の孔部を設けて、水及び処理剤含有水を垂直方向に透過させる水捌手段として機能させても良い。フィルムが水分解性と複数の孔部を有する場合には、水捌作用が増進されることになる。また、使用前に、この処理剤含有柔軟素材の形状を支柱や骨組みなどにより調整しても良いが、単にネットやフィルムを、植物に覆い被せるか巻き付けることにより、事前形成の手間を省いても良い。
本発明の第3の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材がネットであり、前記水捌手段として、前記ネットの網目が1.5mm×1.5mm以上に設定されたので、これらの網目を一定以上のサイズにすることにより、これらの網目における水膜の形成が防止され、前記処理剤含有水が前記植物へ確実に移転される。本発明者は、実験により、ネットの網目が1.5mm×1.5mm以上になるようにこのネットを作成することにより、水膜の形成が防止され、処理剤含有水がこのネットから確実に離脱することを確認した。このような簡単な機構により、処理剤含有水の植物への散布を確実にすることができる。
本発明の第4の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材を、ネット又はフィルムからなる層が複数個積層された積層物とするので、水溶性植物処理剤の含有量を増やすことができ、植物処理剤散布の効果性を高めることができる。また、各々の層における植物処理剤及びその他の添加物の種類や調合率を異なるものとさせることができるので、植物処理剤散布効果の融通性を高めることができる。例えば、植物に面する内面を形成する層に、展着剤を添加させることにより、水溶性植物処理剤の散布直前に、展着剤を散布させることにより、この水溶性植物処理剤の植物への付着や展着を促進させることができる。本形態における複数の層は、ネットのみからなっても良く、またフィルムのみからなっても良く、更にネットとフィルムの両方からなっても良い。また、全ての層に水溶性植物処理剤が含有される必要はなく、少なくとも1つの層に水溶性植物処理剤が含有されていればよい。
本発明の第5の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材が、中空部を有する様に形成された処理剤含有形成物の外部を構成するので、前記中空部に前記植物の全部又は一部が挿入させることができる。本形態においては、前記処理剤含有柔軟素材を、中空部を有する様に、支柱や骨組みなどにより事前形成して、この形成品により植物を被覆できる。従って、植物の被覆及び植物処理剤の散布を確実に行うことができる。本形態における形状としては、例えば植物の上端及び上部を被覆するドーム状、植物の全面を被覆するカプセル状やテント状などがある。また、2個以上の部分が植物状において組み合わさることにより、中空部が形成されてもよい。例えば、2つの処理剤含有柔軟素材を半ドーム状に事前形成し、この2つの半ドームを植物の上端に配置して、ドーム状の柔軟素材が形成されるようにしても良い。又、前記支柱や前記骨組みの材質としては、金属、プラスチック、材木、竹材、硬化紙などが使用でき、使用用途に応じて任意に選択できる。また、これらの支柱や骨組みに、水分解性及び/又は光分解性を付与することができ、この場合においては、植物処理剤散布処理後における撤去作業を簡略化することができる。
本発明の第6の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材を紐とするので、前記紐を前記植物に巻き付けることにより前記植物の全部又は一部を遮蔽でき、処理剤含有柔軟素材の配置を簡単に行うことができる。また、植物において外側の葉や枝により遮蔽された内側に、この紐を比較的簡単に巻き付けることができ、この紐に水を接触させることにより、植物の内部においても植物処理剤を効果的に散布することができる。この紐の材質として使用できる繊維としては、第2の形態におけるネットと同じ繊維を使用でき、例えばコットン、羊毛、絹などの天然繊維、レーヨンやキュプラなどの親水性人工繊維、水溶性ナイロンやPVA等の水分解性繊維などが使用できる。
本発明の第7の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材に、水分解性が付与されたので、前記処理剤含有柔軟素材への水の噴射及び浸透により、植物処理剤散布と同時に、前記処理剤含有柔軟素材の分解を行うことができる。この分解により、前記処理剤含有水が、水滴や表面・内部残留水として前記処理剤含有柔軟素材上に残留することが防止され、前記水及び前記処理剤含有水が確実に前記処理剤含有柔軟素材を垂直方向に透過させて離脱されることにより、植物に散布される。即ち、この水分解性が水捌手段となる。又、この水分解性により、植物処理剤散布後における使用済み柔軟素材の回収を省くことができ、植物処理剤散布工程が簡略化される。水分解性を有する材質としては、水溶性ナイロン、PVA,オブラート、ゼラチン、水溶紙などが使用できる。
本発明の第8の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材に、複数の突出部が形成されたので、前記処理剤含有水が生成される際に、前記処理剤含有水の水滴が前記突出部上に形成される。従って、この処理剤含有水の前記処理剤含有柔軟素材への残留が防止され、接触された水及びこの処理剤含有水が前記処理剤含有柔軟素材を垂直方向に透過する。これにより、前記水溶性植物処理剤を含有する水滴の垂直方向への落下並びに処理剤含有水の植物への散布を促進させることができる。これらの突出部が前記処理剤含有柔軟素材の全面において均一に形成されている場合には、前記処理剤含有水の散布も均一となる。
本発明の第9の形態によれば、処理剤含有柔軟素材が少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有するので、形状を自由自在に構成でき、取扱いが簡単であり、比較的軽量である処理剤含有柔軟素材により、前記植物における植物処理剤散布が必要な部分を、選択的に被覆することができる。この様に植物を被覆した前記処理剤含有柔軟素材に、水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に転移させることにより、この処理剤含有水が、前記植物における被覆された部分に均一且つ一様に散布される。本形態における処理剤含有柔軟素材の材質及び性質、並びに水溶性植物処理剤の種類などは、第1の形態における処理剤含有柔軟素材と同じものが使用できる。
又、本形態における処理剤含有柔軟素材は、水捌を向上させる水捌手段を有するので、前記処理剤含有水が、水膜や表面残留水などとして前記処理剤含有柔軟素材上に残留されること無く、前記処理剤含有柔軟素材から離脱して、前記植物上に確実に散布される。本形態における水捌手段としては、例えば水滴の形成を促進する突出部でも良いし、又はこの処理剤含有柔軟素材を破壊するための水分解性であっても良いし、又は水膜の形成が阻止される構造を有する網目や孔部であっても良く、あらゆる排水促進手段が使用できる。
又、本形態における処理剤含有柔軟素材は、水捌を向上させる水捌手段を有するので、前記処理剤含有水が、水膜や表面残留水などとして前記処理剤含有柔軟素材上に残留されること無く、前記処理剤含有柔軟素材から離脱して、前記植物上に確実に散布される。本形態における水捌手段としては、例えば水滴の形成を促進する突出部でも良いし、又はこの処理剤含有柔軟素材を破壊するための水分解性であっても良いし、又は水膜の形成が阻止される構造を有する網目や孔部であっても良く、あらゆる排水促進手段が使用できる。
本発明の第10の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材をネット又はフィルムとするので、これらの薄膜状物質を自在に変形させることができ、従って前記植物の全部又は一部を前記薄膜状物質により簡単に包被して被覆することができる。本形態におけるネットの材料としては、第2の形態と同様に、天然繊維、親水性人工繊維、水分解性繊維などが使用できる。又、フィルムの材料としては、水分解性及び/又は光分解性を有するものが好ましい。これらのネット又はフィルムなどの薄膜状物質を、支柱や骨組みなどにより形状形成させてもよいし、これらの薄膜状物質を、そのまま植物などに巻き付けても良い。
本発明の第11の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材はネットであり、前記ネットの網目が1.5mm×1.5mm以上に設定されることにより、前記網目における水膜の形成が防止され、前記処理剤含有水が前記植物へ移転されるので、本発明の第3の形態と同様に、簡単な機構により、処理剤含有水の植物への散布を確実にすることができる。
本発明の第12の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材を、ネット又はフィルムからなる層が複数個積層された積層物とするので、第4の形態と同様に、水溶性植物処理剤の含有量を増やすことができ、植物処理剤散布の効果性を高めることができる。また、各々の層における植物処理剤及びその他の添加物の種類や調合率を異なるものとさせることができるので、植物処理剤散布効果の融通性を高めることができる。
本発明の第13の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材が、中空部を有する様に形成された処理剤含有形成物の外部を構成するので、前記中空部に前記植物の全部又は一部が挿入されることにより、前記処理剤含有柔軟素材が前記植物の全部又は一部を被覆することができる。従って、本発明の第5の形態と同様に、この中空部に前記植物における、植物処理剤処理が必要な部分を、選択的に挿入することができる。本形態における処理剤含有柔軟素材は、中空部を有する様に、支柱や骨組みなどにより事前形成するか、又はこの柔軟素材を前記植物に覆い被せるが巻き付けることにより、中空部を形成させる。中空部が事前形成された場合においては、この形成品により植物の被覆がより確実なものとなる。本形態における形状としては、第5の形態と同様に、ドーム状、カプセル状やテント状などが挙げられる。また、2個以上の部分が植物上において組み合わさることにより、中空部が形成されてもよい。
本発明の第14の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材を紐とするので、前記紐を前記植物に巻き付けることにより前記植物の全部又は一部を遮蔽でき、第6の形態と同様に、前記植物への植物処理剤散布を簡単に行うことができる。また、植物において外側の葉や枝により遮蔽された内側に、この紐を比較的簡単に巻き付けることができ、この紐に水を接触させることにより、植物の内部においても植物処理剤を効果的に散布することができる。この紐の材質として使用できる繊維としては、第6の形態と同様に、天然繊維、親水性人工繊維、水分解性繊維などが使用できる。
本発明の第15の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材に、前記水捌手段として水分解性が付与されたので、水を前記処理剤含有柔軟素材に浸透させることにより、前記処理剤含有柔軟素材が分解される。従って、前記処理剤含有水が前記処理剤含有柔軟素材上に残留されないので、前記水及び前記処理剤含有水が前記処理剤含有柔軟素材を垂直方向に透過させて離脱されることにより、確実に植物に散布される。又、この形態により、植物処理剤散布後における使用済み柔軟素材の回収を省くことができ、植物処理剤散布工程が簡略化される。水分解性を有する材質としては、第7の形態と同様に、水溶性ナイロン、PVA,オブラート、ゼラチン、水溶紙などが使用できる。
本発明の第16の形態によれば、前記処理剤含有柔軟素材に、前記水捌手段として、複数の突出部が形成され、前記処理剤含有水の水滴を前記突出部上に形成させるので、第8の形態と同様に、これらの水滴の形成及び落下並びに処理剤含有水の植物への散布を促進させることができる。
本発明の第17の形態によれば、素材に水溶性植物処理剤を含有する溶液を浸透させ及び/又は塗布して、処理剤含有柔軟素材を形成させるので、既に形成された素材を基材として利用して、容易に処理剤含有柔軟素材を作製できる。例えば、既に形成された、水溶性植物処理剤が未含有状態のネット、フィルム又は紐に、植物処理剤溶液を浸透させ及び/又は塗布することにより、本発明の処理剤含有柔軟素材を得ることができる。本形態において使用できる素材の材質としては、第2及び6の形態について記述されたものが使用できる。本形態の製造方法は、素材が水に対して耐性を有する場合において有用である。
本発明の第18の形態によれば、処理剤含有柔軟素材の原料に水溶性植物処理剤を含有させ、この原料から処理剤含有柔軟素材を形成させるので、第17の形態における製造方法によっては製造が困難な処理剤含有柔軟素材を製造することができる。例えば、第15の形態における、水分解性を有する処理剤含有柔軟素材を作製する際に、基材となる素材に植物処理剤の水溶液を浸透させ又は塗布すれば、この素材が破壊されてしまう。本形態の製造方法を使用することにより、水分解性を有する処理剤含有柔軟素材を確実に製造することができる。
以下において、本発明に係る実施の形態を、図面及び表に従って詳細に説明する。尚、本願の実施例においては、植物処理剤として主に殺虫剤などの農薬を使用し、また添加物含有柔軟素材として主に農薬含有柔軟素材を使用し、更に植物として樹木に本発明を主に応用しているが、その他にも農薬としてあらゆる生物抑制物質、植物の発育に必要な肥料、並びに植物成長調整剤等が使用でき、また植物として、芝、草木、並びに農産物等にも応用できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る処理剤含有柔軟素材1を使用する植物処理剤散布方法を示す概念図である。処理剤含有柔軟素材1には、水溶性植物処理剤が予め含有され、植物2の上側及び/又は側方に配置され、植物2を被覆する。図1に図示される通り、植物2の一部のみを被覆しても良いが、植物2の全部を被覆しても良い。図1においては、蛇口4から供給される水が、可撓性を有するホース6を経て、剛性を有する把持部である噴射部8から噴射水10として噴射され、処理剤含有柔軟素材1に散布される。この散布された噴射水10は、処理剤含有柔軟素材1に浸透して、この処理剤含有柔軟素材1に含有された水溶性植物処理剤を溶解して、処理剤含有水12を形成する。この処理剤含有水12が、植物2の葉や枝などへ水滴として落下し、又はこれらの葉や枝などへ表面張力により移動する。本発明における水は、スプリンクラー等から供給されても良いし、また、降雨などにより自然に供給されても良い。
図1における処理剤含有柔軟素材1は、後述するように、ネットであっても良いし、フィルムであっても良く、薄膜状の形状を有するものが使用できる。ネットの部材としては、親水性を有するものが好ましく、コットンが最も好ましいが、羊毛や絹などの天然繊維や、レーヨンやキュプラなどの人工繊維も使用できる。また、水溶性ナイロンやポリビニールアルコールなどの水溶性繊維も使用でき、この場合においては、使用後に処理剤含有柔軟素材1を回収する手間が省かれる。尚、水溶性繊維を使用する際には、繊維形成時点において、水溶性植物処理剤を練り込むことが好ましい。勿論、水や光に対して耐性を有するものでも良く、この場合には、使用後の柔軟素材に水溶性植物処理剤を充填させて、処理剤含有柔軟素材として再使用させることができる。また、フィルムの部材としては、水溶性(水分解性)及び/又は光分解性を有するものが好ましい。水分解性を有する材質としては、オブラート、ゼラチン、水溶紙、水溶性プラスチックを使用でき、ここにおいても、水溶性植物処理剤を、フィルム形成時において練り込むことが好ましい。又、光分解性を有する材質としては、光分解性ポリエチレンなどの光分解性プラスチックを使用できる。
水溶性植物処理剤は、基材となる柔軟素材の形成後に、植物処理剤溶液の浸透により、処理剤含有柔軟素材1に含有されても良いし、また柔軟素材の形成時点において含有されても良いし、更に柔軟素材上に塗布してもよい。又、植物処理剤である農薬としては、殺虫剤が主であるが、その他にも、殺菌剤、防菌剤、防カビ剤などを使用しても良い。殺虫剤としては、ジノテフラン、ニテンピラム、チアメトキシサンム、クロチアニジン、アセタミプリド、アセフェート、イミダクロプリドやエトフェンプロックスなどが使用できる。
図1における処理剤含有柔軟素材1は、柔軟性を有するが、傘状の骨組みによりドーム状に形成された処理剤含有形成物3の外被(外面)を構成し、この処理剤含有形成物3には、植物2が挿入される中空部14が形成される。尚、中空部14を有する形状としては、後述する図5に図示される。また、事前形成されなくても、処理剤含有柔軟素材1であるネットやフィルムなどの薄膜を、植物に巻き付けるか被せることによっても、植物処理剤散布を達成できる。
図1における処理剤含有柔軟素材1は、柔軟性を有するが、傘状の骨組みによりドーム状に形成された処理剤含有形成物3の外被(外面)を構成し、この処理剤含有形成物3には、植物2が挿入される中空部14が形成される。尚、中空部14を有する形状としては、後述する図5に図示される。また、事前形成されなくても、処理剤含有柔軟素材1であるネットやフィルムなどの薄膜を、植物に巻き付けるか被せることによっても、植物処理剤散布を達成できる。
図2は、水滴形成を促進する突出部が形成された処理剤含有柔軟素材1の概略図である。図2の(2A)は、ドーム状に形成された図1の処理剤含有柔軟素材1(処理剤含有形成物3)の概略上面図である。図2の(2B)は、ドーム状に形成された処理剤含有柔軟素材1の下面に、突出部である突起18が複数形成されたA−A概略断面図を示す。また、図2の(2C)は、同様にドーム状に形成された処理剤含有柔軟素材1の下面に、突出部である糸片20が複数植設された概略A−A断面図を示す。更に、図2の(2D)は、図8における紐状の処理剤含有柔軟素材1に、突出部である突起18が複数形成された状態を示す概略図である。処理剤含有柔軟素材1から処理剤含有水12の水滴が形成する際に、これらの突出部の先端に水滴が優先的に形成され、水滴の落下による処理剤含有水12の植物2への散布が促進される。これらの突出部が処理剤含有柔軟素材1の下面において均一に形成されている場合には、処理剤含有水12の散布も均一となる。(2B)における突起18及び(2C)における糸片20は、処理剤含有柔軟素材1としてネットを使用する場合において好適であり、また処理剤含有柔軟素材1としてフィルムを使用する場合においても好適である。
図3は、ネットである処理剤含有柔軟素材1における水膜形成及びこれの防止を示す概念図である。図3の(3A)は、網目が比較的小さいネットの概略上面図であり、(3B)は、このネットのB−B概略断面図である。このネットにおいては、網目が小さいので、処理剤含有水12の表面張力により、これらの網目に処理剤含有水12の水膜が形成され易い。図3の(3C)は、網目が比較的大きいネットの概略上面図であり、(3D)は、このネットのC−C概略断面図である。このネットにおいては、網目が、処理剤含有水12の水膜形成が可能な大きさを超えているので、処理剤含有水12が水膜を形成せずに、水滴として矢印aの方向へ落下する。
図4は、2層の薄膜から形成される処理剤含有柔軟素材1の概略構成図である。図4の(4A)は、ネット層22が2層重ね合わされる状態を示し、また(4B)は、フィルム層24が2層重ね合わされる状態を示し、更に(4C)は、ネット層22とフィルム層24とが1層ずつ重ね合わされる状態を示す。この様に複数の層を積層することにより、水溶性植物処理剤の含有量が増加され、また処理剤含有柔軟素材1に機能性を付与させることができる。
図5は、中空部14が形成された処理剤含有形成物3の形状を示す概略正面図である。図5における柔軟含有形成物3は、ネット又はフィルム等の薄膜状の処理剤含有柔軟素材1を、骨組みや支柱により、中空部14を形成するように伸張させることにより、被覆事前に作製される。図5の(5A)は、骨組みにより半ドーム状に形成された2個の処理剤含有形成物3を示す。この様に、2個に分割することにより、処理剤含有形成物3の植物2への配置を容易にすることができる。図5の(5B)は、骨組みにより半カプセル状に形成された2個の処理剤含有形成物3を示す。この様な形状を使用することにより、植物2の全面を容易に被覆することができる。図5の(5C)は、支柱26により処理剤含有柔軟素材1を支持してテント状にした処理剤含有形成物3を示す。この様な形状によっても、植物2の全面を容易に被覆することができる。
図6は、処理剤含有柔軟素材1を、そのまま事前未形成状態で植物2に包被させた状態を示す概略正面図である。図6の(6A)は、処理剤含有柔軟素材1のシートを植物2に覆い被せた状態を示す。植物2により、処理剤含有柔軟素材1は、中空部14を形成するように構成される。この処理剤含有柔軟素材1に、水を散布することにより、図1と同様に、水溶性植物処理剤の植物2への散布を行うことが容易にできる。図6の(6B)は、処理剤含有柔軟素材1のシートを植物2に巻き付けた状態を示す。このシートは、バンド28により縛り付けられる。この様な形状によって、比較的高い植物2を簡単に被覆できる。
図7は、植物2の上方に配置された逆ドーム状の処理剤含有形成物3の概略正面図である。この様な形状を採ることにより、植物2の中心軸付近に集中して植物処理剤散布を行うことができ、図5における形状では効率的に行えなかった、植物2内部への植物処理剤散布を行うことができる。
図8は、本発明の第2実施形態に係る処理剤含有柔軟素材1が植物2に巻き付けられた状態を示す概略正面図である。処理剤含有柔軟素材1は、紐状であり、図8においては、植物2の周辺部に巻き付けている。しかし、この紐状物質を枝などに巻き付ければ、ネットやフィルムを巻き付けた場合よりも、植物2の内部における植物処理剤散布を効率的に行うことができる。
以下において、本発明の処理剤含有柔軟素材を使用した際の効果を説明する。以下の実施例においては、処理剤含有柔軟素材として、水溶性農薬が含有された農薬含有柔軟素材(実施例1〜37)、又は水溶性肥料が含有された肥料含有柔軟素材(実施例38〜40)が使用された。以下の実施例(実施例38〜40を除く)においては、害虫に曝された高さ1.8〜2.5mの樹木を、農薬含有柔軟素材により被覆した後に、水道水を5分噴射して、30分から60分に亘って放置した。その後に、使用済み柔軟素材が水分解性及び光分解性を有さない場合には、この使用済み柔軟素材を除去した。その後、1週間に亘って、殺虫効果を評価した。
表1は、農薬含有柔軟素材としてネットを使用した場合の実施例(1〜5)を示す。ここにおいては、網目を変数とした。調合方法としては、ネットを農薬溶液(1グラム/リットル)に1時間浸漬させた後に乾燥したのちに、骨組みに取り付けて半ドーム状とした。殺虫効果が、1.5mm×1.5mm及び2mm×2mmの場合(実施例1、2)に、最も効果的である。0.5mm×0.5mm及び1mm×1mmにおいては(参考例1、2)、網目に水膜が形成されるので、水の透過性が低下し、農薬含有水の散布効果性も低下する。また、3mm×3mm、4mm×4mm及び5mm×5mm(実施例3〜5)においては、農薬含有物質(糸)の密度が低く、散布される農薬の量が少ないので、殺虫効果が実施例1及び2と比較してやや落ちる。
表1は、農薬含有柔軟素材としてネットを使用した場合の実施例(1〜5)を示す。ここにおいては、網目を変数とした。調合方法としては、ネットを農薬溶液(1グラム/リットル)に1時間浸漬させた後に乾燥したのちに、骨組みに取り付けて半ドーム状とした。殺虫効果が、1.5mm×1.5mm及び2mm×2mmの場合(実施例1、2)に、最も効果的である。0.5mm×0.5mm及び1mm×1mmにおいては(参考例1、2)、網目に水膜が形成されるので、水の透過性が低下し、農薬含有水の散布効果性も低下する。また、3mm×3mm、4mm×4mm及び5mm×5mm(実施例3〜5)においては、農薬含有物質(糸)の密度が低く、散布される農薬の量が少ないので、殺虫効果が実施例1及び2と比較してやや落ちる。
表2は、農薬含有柔軟素材としてフィルムを使用した場合の実施例(6〜8)を示す。オブラート、ゼラチン及び水溶紙の何れにおいても、原料にイミダクロプリドを添加した後に(原料1リットルに対し、イミダクロプリドが1グラム)、これらの原料を展延してフィルムを作成した。オブラート及びゼラチンは厚さ1mmであり、水溶紙は厚さ0.5mmであった。オブラート(実施例6)は、水溶性が高く、従って殺虫効果も高いし、水分解性も高いが、作成がやや困難であり、取扱いもやや難しい。水溶紙(実施例8)は、水溶性が低く、従って殺虫効果及び水分解性も低い。しかし作成及び取扱いは容易である。ゼラチン(実施例7)はオブラートと水溶紙の中間の性質を示す。
表3は、農薬含有柔軟素材として紐を使用した場合の実施例(9〜12)を示す。これらの紐には、浸透方法により農薬が含有された。水の透過性は、ネット又はフィルムを使用した場合よりも、もちろん優れている。細い紐(幅5mm〜10mm、実施例9、10)は、取扱が簡単であるが、含有する農薬が少ないので、殺虫効果が直径20mmの場合よりも少ない。太い紐(幅30mm、実施例12)には、水が浸透しにくいので、農薬含有水の流出効率が低く、従って殺虫効果がかえって低くなる。
表4は、ネットの形状による効果の変化を示す。実施例13(半ドーム×2、直径130cm)、実施例14(半カプセル×2、直径130cm、高さ270cm)及び実施例15(テント)及び実施例16(植物に巻き付け)は、それぞれ図5の(5A)、(5B)及び(5C)に相当する。また、実施例16(植物に覆い被せ)及び実施例17は、それぞれ図6の(6A)及び(6B)に相当する。半カプセル×2及びテントについては、殺虫効果は高いが、取付け等の操作がやや難しい。反対に、巻き付けについては、取扱いは簡単であるが、殺虫効果はやや低い。覆い被せについては、殺虫効果は高いが、高い植物を被覆する作業がやや難しくなった。
表5は、殺虫剤の変化による影響を示す。イミダクロプリド(実施例18)及びアセタミプリド(実施例19)はネオニコチノイド系であり、アセフェート(実施例20)は有機リン系であり、エトフェンプロックス(実施例21)はピレスロイド様物質である。なお、エトフェンプロックスは疎水性なので、界面活性剤(展着剤)が必要となる。これら全ての殺虫剤は安価であり、殺虫効果も高いが、エトフェンプロックスは界面活性剤が必要なので、この界面活性剤の調合の分だけ作成コストが掛かる。
表6は、水分解性を有するネット及び紐を使用した場合を示す。水分解性物質としては、水溶性ナイロン(実施例22、24)及びポリビニールアルコール(PVA)(実施例23、25)を使用した。水溶性ナイロンの水分解性は、PVAよりも低い。ネットの場合は、水分解性による影響は認められないが、紐の場合は、殺虫効果に影響が認められる。
表7は、光分解性を有するフィルムを使用する例を示す。光分解性を有するプラスチックとして、光分解性の低密度ポリエチレン(LDPE、厚さ1mm、実施例26)及びポリスチレン(PS、厚さ1mm、実施例27)を使用した。形状としては、半ドーム状×2(直径130cm)を使用した。これらの材質は疎水性なので、親水性を有するイミダクロプリドに、界面活性剤を混合して、これらの半ドームの内面に塗布した。更に、直径30mmの孔を150mm×150mmの間隔で形成して、通水性を高めた。フィルムの光分解性は認められたが、殺虫効果は表1〜6において示された実施例1〜25よりも低かった。しかし、殺虫効果は実用に充分なものであった。
表8は、突出部を有する農薬含有柔軟素材の効果を示す。実施例28のネット(実施例28、コットン、網目4mm×4mm、直径130cmの半ドーム×2、イミダクロプリド含有)においては、図2の(2C)に示された糸片(長さ5mm、網糸の交差部分において形成)が植設され、また実施例29のネット(突起以外は実施例28と同じ)においては、図2の(2B)に示された突起(直径2mm、高さ2mm、網糸の交差部分において形成)が形成され、更に紐(実施例30、長さ6m、イミダクロプリド含有)においては、図2の(2D)に示された突起(30cmおきに結び目を形成して構成)が形成されている。何れの場合においても、殺虫効果は優秀であったが、作成コストはやや高かった。
表9は、展着剤を含有させた農薬含有柔軟素材(実施例31〜33)の効果を示す。表1の実施例4と同様のネット(コットン、網目4mm×4mm、半ドーム状×2、イミダクロプリド含有)に、展着剤の水溶液(0.2グラム/リットル)を塗布して、実施を行った。全ての実施例において、殺虫効果が高まったが、展着剤の分だけ作成コストが高くなった。
表10は、2層を有する農薬含有柔軟素材(実施例34〜36)の効果を示す。ネット層としては、殺虫効果が可(○)のみであった実施例4のネット(コットン、網目4mm×4mm、イミダクロプリド含有)を使用し、フィルム層としては、やはり殺虫効果が可(○)のみであった実施例7のフィルム(ゼラチン、厚さ1mm、イミダクロプリド含有)を使用した。これらの薄膜を重ね合わせた後に、半ドーム状の農薬含有形成物2個を形成した。殺虫効果は全て優秀であったが、作成コストがやや高くなった。又、表10の実施例37は、図7の逆ドーム形状の効果を示す(実施例2と同じネットを使用、ドーム直径130cm)。殺虫効果は比較的低かったが、植物の中軸部においては、極めて高い殺虫効果を示した。
表11は、肥料含有柔軟素材の芝生における効果(実施例38〜40)を示す。柔軟素材としては、ネット(網目2mm×2mm、コットン)を使用した。これを肥料の水溶液(10グラム/1リットル)に1時間浸漬させた後に3時間乾燥させ、芝生(3m×3m)を被覆した後に、20分ほど水を噴射した。その後、1週間ほどの間、芝の成長及び雑草の抑制を観察した。尚、肥料としては、窒素:リン酸:カリウムの重量比率を27:7:16とする混合物を使用した。また、必要に応じて、微量要素であるマグネシウム、カルシウム、硫黄、ホウ素、銅、鉄、マンガン、モリブデン及び亜鉛を、肥料の0.0001%〜0.1%程度に、前記肥料の水溶液に添加して、ネットの浸漬を行った。さらに、必要に応じて、雑草の成長抑制剤である植物ホルモン剤を、肥料の0.1%程度に、前記肥料の水溶液に添加して、ネットの浸漬を行った。
肥料のみを含有する柔軟素材(実施例38)によっては、芝は良好な成長を示したが、微量要素を更に含有する柔軟素材(実施例39)によっては、芝は更に良好な成長を示した。実施例38及び39については、雑草の抑制はあまり見られなかったが、植物ホルモン剤を更に含有する柔軟素材(実施例40)によっては、かなり良好な雑草の抑制が見られた。
肥料のみを含有する柔軟素材(実施例38)によっては、芝は良好な成長を示したが、微量要素を更に含有する柔軟素材(実施例39)によっては、芝は更に良好な成長を示した。実施例38及び39については、雑草の抑制はあまり見られなかったが、植物ホルモン剤を更に含有する柔軟素材(実施例40)によっては、かなり良好な雑草の抑制が見られた。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明により、害虫からの植物防衛に必要である農薬散布などの植物処理剤散布を、植物のみに限定的に行うことができるので、近辺などに薬害を与えること無しに、効果的な植物処理剤散布を行うことができる。又、本発明における処理剤含有柔軟素材は、使用後に除去されるか又は分解されるので、景観を害することが無く、また太陽光照射を妨害することもない。本発明は、安価なネット、フィルムや紐などの材料及び広く流通する水溶性農薬や肥料などの植物処理剤を利用して、樹木、芝や田んぼなどにおける薬剤散布処理を容易且つ効率的にに行うことができるので、庭木管理サービスの商業的な発展を促進させることができる。
1 処理剤含有柔軟素材
2 植物
3 処理剤含有形成物
4 蛇口
6 ホース
8 噴射部
10 噴射水
12 処理剤含有水
14 中空部
18 突起
20 糸片
22 ネット層
24 フィルム層
26 支柱
28 バンド
2 植物
3 処理剤含有形成物
4 蛇口
6 ホース
8 噴射部
10 噴射水
12 処理剤含有水
14 中空部
18 突起
20 糸片
22 ネット層
24 フィルム層
26 支柱
28 バンド
Claims (18)
- 少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有する処理剤含有柔軟素材により、植物の全部又は一部を遮蔽し、前記処理剤含有柔軟素材に水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に転移させて散布することを特徴とする植物処理剤散布方法。
- 前記処理剤含有柔軟素材はネット又はフィルムである請求項2に記載の植物処理剤散布方法。
- 前記処理剤含有柔軟素材はネットであり、前記ネットの網目が1.5mm×1.5mm以上に設定されることにより、前記網目における水膜の形成が防止され、前記処理剤含有水が前記植物へ移転される請求項2に記載の処理剤散布方法。
- 前記処理剤含有柔軟素材はネット又はフィルムからなる層が複数個積層された積層物である請求項2又は3に記載の植物処理剤散布方法。
- 前記処理剤含有柔軟素材は、中空部を有する様に形成された処理剤含有形成物の外部を構成し、前記中空部に前記植物の全部又は一部が挿入されることにより、前記処理剤含有柔軟素材が前記植物の全部又は一部を被覆する請求項2、3又は4に記載の植物処理剤散布方法。
- 前記処理剤含有柔軟素材は紐であり、前記紐を前記植物に巻き付けることにより前記植物の全部又は一部を遮蔽する請求項1に記載の植物処理剤散布方法。
- 前記処理剤含有柔軟素材が水分解性を有し、水を前記処理剤含有柔軟素材に浸透させることにより、前記処理剤含有柔軟素材が分解される請求項1〜6のいずれかに記載の植物処理剤散布方法。
- 前記処理剤含有柔軟素材に複数の突出部が形成され、前記処理剤含有水の水滴を前記突起上に形成させる請求項1〜7のいずれかに記載の植物処理剤散布方法。
- 少なくとも水溶性植物処理剤を含有し、柔軟性を有する処理剤含有柔軟素材により、植物の全部又は一部を遮蔽し、前記処理剤含有柔軟素材に水を接触させることにより、前記水溶性植物処理剤を水に溶解又は分散させて処理剤含有水を形成させ、前記処理剤含有水を前記植物に移転させて散布する植物処理剤散布方法に使用される処理剤含有柔軟素材であって、前記処理剤含有柔軟素材は、接触された水及び形成された前記処理剤含有水を、垂直方向に透過させる水捌手段を有することを特徴とする処理剤含有柔軟素材。
- 前記処理剤含有柔軟素材はネット又はフィルムである請求項9に記載の処理剤含有柔軟素材。
- 前記処理剤含有柔軟素材はネットであり、前記水捌手段として、前記ネットの網目が1.5mm×1.5mm以上に設定された請求項10に記載の処理剤含有柔軟素材。
- 前記処理剤含有柔軟素材はネット又はフィルムからなる層が複数個積層された積層物である請求項10又は11に記載の処理剤含有柔軟素材。
- 前記処理剤含有柔軟素材は、中空部を有する様に形成された処理剤含有形成物の外部を構成する請求項10、11又は12に記載の処理剤含有柔軟素材。
- 前記処理剤含有柔軟素材は紐である請求項9に記載の処理剤含有柔軟素材。
- 前記処理剤含有柔軟素材に、前記水捌手段として水分解性が付与された請求項9〜14のいずれかに記載の処理剤含有柔軟素材。
- 前記処理剤含有柔軟素材に、前記水捌手段として複数の突出部が形成された請求項9〜15のいずれかに記載の処理剤含有柔軟素材。
- 素材に水溶性植物処理剤を含有する溶液を浸透させ及び/又は塗布して、処理剤含有柔軟素材を形成させることを特徴とする処理剤含有柔軟素材の製造方法。
- 処理剤含有柔軟素材の原料に水溶性植物処理剤を含有させ、この原料から処理剤含有柔軟素材を形成させることを特徴とする処理剤含有柔軟素材の製造方法。
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