JPH09101422A - プラスチック光ファイバ素線及びケーブル - Google Patents

プラスチック光ファイバ素線及びケーブル

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JPH09101422A
JPH09101422A JP7279824A JP27982495A JPH09101422A JP H09101422 A JPH09101422 A JP H09101422A JP 7279824 A JP7279824 A JP 7279824A JP 27982495 A JP27982495 A JP 27982495A JP H09101422 A JPH09101422 A JP H09101422A
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JP
Japan
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pof
ethylene
layer
sheath
copolymer
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JP7279824A
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Inventor
Shinichi Toyoshima
真一 豊島
Hajime Munekuni
肇 宗國
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 芯をPMMA系樹脂、鞘を8個のC
F鎖を持つ長鎖フルオロアクリルメタクリレート(FM
A)1〜70重量%と1〜4個のCF鎖を持つ短鎖FM
A1〜50重量%とMMA5〜98重量%の共重合体と
するPOF裸線の、鞘層の厚さ3μm〜25μm、鞘層
に直接エチレン−ビニルアルコール共重合体で3μm〜
100μmに被覆したPOF素線。 エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン
含量、4〜30g/10分のMIを有すること。 さ
らに熱可塑性樹脂の二次被覆層を施したこと。 【効果】 特定のFMA系共重合体鞘材のPOF裸線上
にEVAを被覆し両層の厚さを一定範囲とすることによ
り、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最小限に抑
制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速光通信のため
のコンピュータ接続配線、交換機まわりの配線、工場自
動機制御の配線などに利用できる新規なプラスチック光
ファイバ(以下、POFと略称する)に関するものであ
る。より詳しくは、本発明は、特定のフルオロアルキル
メタクリレート系共重合体を鞘材としたPOF裸線上層
に直接被覆層として透明なエチレン−ビニルアルコール
共重合体を被覆し、且つ鞘層及び直接被覆層の厚さを一
定範囲とすることにより、POF素線の曲げ時の光量の
伝送損失を最小限に抑制できるPOF素線を提供する。
【0002】
【従来の技術】POFの外側をエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体で被覆した素線を用いてその上にポリ塩化
ビニル樹脂の被覆を行いケーブル化したり、補強繊維と
一緒に複合ケーブルを構成することは、実開昭57−7
4403号公報、実開昭58−71703号公報及び米
国特許第4,458,386号明細書に記載されてい
る。しかし、このPOFには鞘に関して全く記載は無
い。ほぼ同様な観点から、特開昭63−113511号
公報には弗化ビニリデン−テトラフルオロエチレンの8
0/20モル%の共重合体からなる鞘材を施したPOF
裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体直接被覆層
を50μmの厚さで被覆したPOF素線の例も示されて
いる。
【0003】また、従来のエチレン−ビニルアルコール
共重合体を被覆したPOF素線は、その鞘材として、ビ
ニリデンフロライド系樹脂が使用されていた事は明らか
である。しかし、ビニリデンフロライド系樹脂の鞘を被
覆したPOFはその鞘が高温・高湿度下で結晶化し、濁
りが生じ、伝送損失が増加する問題があった。これらの
課題を解決するために、本発明者はPOFを構成する芯
をポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと略称する)
系樹脂樹脂とし、(イ) 特定の長鎖フルオロアルキルメタ
クリレートと (ロ)短鎖フルオロアルキルメタクリレート
と (ハ)MMAを必須成分とする共重合体を鞘材とするP
OF素線を先に出願した(特公平7−11604号公
報、特公平7−11605号公報)。だが、該公報に
は、POF裸線の上層に保護層としてエチレン−ビニル
アルコール共重合体を被覆することは開示されていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該先行
公報に記載の通り、長鎖フルオロアルキルメタクリレー
トとメタクリル酸メチル(以下MMAと略称する)との
共重合体は機械的強度や耐熱性が優れているが、白濁す
るために、透明性が失われる。しかしこれに短鎖フルオ
ロアルキルメタクリレートを共重合した特定の三元共重
合体からなる鞘材では、高いレベルの導光性を持つ透明
な樹脂が得られる。しかし、このようなフルオロアルキ
ルメタクリレート系共重合体を鞘材としたPOF素線は
曲げ部分に使用する時に伝送する光量の損失が増加する
傾向がある問題を有している。従って、本発明の目的
は、特定のフルオロアルキルメタクリレート系共重合体
を鞘材としたPOF被覆において、その外に直接被覆層
を設けたPOF素線の曲げ時の光量の伝送損失を小さく
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
種々検討した結果、特定のフルオロアルキルメタクリレ
ート系共重合体を鞘材としたPOF裸線上層に直接被覆
層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆
し、且つ鞘材層及び直接被覆層の厚さを一定範囲とする
ことにより、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最
小限に抑制することができることを発見し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は: 芯をPMMA系樹脂、鞘を(イ)式(1) :
【化3】 で示される長鎖フルオロアルキルメタクリレート1〜7
0重量%と
【0006】(ロ)一般式(2) :
【化4】 (式中のXはH又はF、nは1〜4の整数である)で示
される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
(ハ)MMA5〜98重量%との共重合体としたプラス
チック光ファイバ裸線の鞘層の厚さを3μm〜25μm
とし、鞘層に直接透明なエチレン−ビニルアルコール共
重合体で3μm〜100μmに被覆したプラスチック光
ファイバ素線を提供する。また、
【0007】 直接被覆層としてのエチレン−ビニル
アルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン共
重合割合及びMIが4〜30g/10分を有する点にも
特徴を有する。また、 又はに記載のプラスチック光ファイバ素線の上
にさらに熱可塑性樹脂の二次被覆層を施したプラスチッ
ク光ファイバケーブルを提供する。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のPOF素線は、芯材として重量平均分子量が7万〜
20万程度のPMMA系樹脂である。該PMMA系樹脂
としては、MMAの単独重合体の他にMMA70重量%
以上と他の共重合可能なモノマーとの共重合体であり、
該共重合可能なモノマーとしてはアクリル酸やメタクリ
ル酸の炭素数が1〜10程度のアルキルエステル等が好
ましい。
【0009】また、鞘材として、(イ) 式(1) :
【化5】 で示される長鎖フルオロアルキルメタクリレート1〜7
0重量%と(ロ) 一般式(2) :
【化6】 (式中のXはH又はF、nは1〜4の整数である)で示
される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
(ハ) MMA5〜98重量%との共重合体の使用が肝要
である。
【0010】本発明において、芯がPMMA樹脂のと
き、0.5程度の高い開口数のPOFには、特に長鎖フ
ルオロアルキルメタクリレート(イ) が40〜70重量
%、短鎖フルオロアルキルメタクリレート (ロ)は20〜
50重量%、メタクリル酸メチルが (ハ)5〜20重量%
からなる共重合体が特に好ましい。ここで、開口数NA
とは芯樹脂の屈折率nCOREと鞘樹脂の屈折率nCLADから
次式で規定される。 NA=(n CORE 2 −nCLAD 2 0.5 また、0.35〜0.47の中程度の開口数のPOFに
は長鎖フルオロアルキルメタクリレートが30〜60重
量%、短鎖フルオロアルキルメタクリレートは20〜5
0重量%、メタクリル酸メチルが20〜50重量%から
なる共重合体が特に好ましい。そして、0.35〜0.
10程度の低い開口数のPOFには長鎖フルオロアルキ
ルメタクリレートが1〜30重量%、短鎖フルオロアル
キルメタクリレートは1〜20重量%、メタクリル酸メ
チルが50〜98重量%からなる共重合体が特に好まし
い。
【0011】これらの開口数の領域の樹脂は芯のPMM
Aと良く接着し、かつ透明性に優れ、耐熱性も60℃以
上を保持できる。なお、本発明の共重合体には、前記
(イ) 〜 (ハ)の3成分モノマーに加えて、所望に応じてこ
の共重合体組成100重量部当たり5重量部を越えない
範囲で、メタクリル酸、o−メチルフェニルマレイミ
ド、マレイミド、無水マレイン酸、スチレン、アクリル
酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エ
チル等のメタクリル酸エステル、メタクリル酸六員環化
物などのモノマーを加えても構わない。
【0012】本発明の特定の共重合体鞘材を用いたPO
Fは機械的な強度についても、オリフィス直径2mm、
長さ8mmで230℃にて3.8Kg荷重のメルトフロ
ーレイトインデックス(以下MIと称する)が5〜60
g/10分、好ましくは10〜50g/10分程度のも
のを使用すると十分な強度を示す。
【0013】本発明の特定の共重合体鞘材のMIが5g
/10分未満では芯・鞘の間に構造不整を起こし、伝送
損失が大きくなる。また、60g/10分を越えると鞘
の強度が弱くなり好ましくない。しかも、上記特定の共
重合体鞘材を被覆したプラスチック光ファイバは、従来
のビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン共重合
体のような鞘材に見られる、高温・高湿度下での鞘材樹
脂の結晶化による伝送損失の増加という問題は見られな
い。
【0014】ところで、この鞘で被覆したプラスチック
光ファイバ裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体
を直接被覆層として用いると、得られたPOF素線は、
驚くべきことには、素線を曲げたときに生じる光量のロ
スが非常に小さいことを見出した。通常、POFの曲げ
による光量ロスは一定の曲げ半径の曲げ負荷をかける
と、通常は裸線の場合が一番小さく、裸線に被覆層を重
ねることにより増加してくる。これは被覆層の曲げによ
る歪みがPOFの裸線に歪みをかけるからであろうと考
えられる。
【0015】ところが、適度な条件を満たすように、す
なわち特定の共重合体からなる鞘層の厚さを3μm〜2
5μm、好ましくは3〜15μmとし鞘層に直接透明な
エチレン−ビニルアルコール共重合体で3μm〜100
μm、好ましくは5〜40μmに被覆した場合に、PO
F裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆し
た素線は、POF裸線に近い曲げロスと極めて小さくな
ることを見出した。鞘層の厚さが3μm未満ではPOF
の伝送損失が大きくなり、また25μmを越えると芯の
断面積比率が小さくなり、伝送できる光パワーが小さく
なる。また、鞘層に直接に保護層として被覆するエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体の厚さが3μm未満では
安定した保護層の形成が困難であり、また100μmを
越えると曲げによる光ロスがだんだん大きくなってく
る。
【0016】POF素線の場合、特に、被覆成型後の被
覆層に白濁や表面の荒れが無く、できるだけ滑らかで透
明な仕上がりになる事が重要であり、その観点から鞘材
層の材質と厚さの選択とともに、直接被覆層の材質と厚
さには十分に吟味する必要がある。従って、エチレン−
ビニルアルコール共重合体の直接被覆層の厚さは3μm
〜100μmであることが重要である。さらに、上記P
OF素線の上に、二次被覆層としてポリエチレン、ポリ
塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で被覆したケーブルも比較
的曲げロスを小さくすることができることが判明した。
【0017】これには、POFのサイズとコネクターづ
けの問題もある。即ち、エチレン−ビニルアルコール共
重合体を直接被覆層として施したPOF素線を更に二次
被覆層として熱可塑性樹脂で被覆したケーブルでは、そ
の被覆を剥がすとき、最外層の被覆ははぎ取れても、鞘
層に直接被覆したエチレン−ビニルアルコール共重合体
の層は密着がよく、そのまま裸線に残るという問題があ
る。そのエチレン−ビニルアルコール共重合体層が厚い
と特注コネクターを使用するか、あるいはPOFの芯径
を小さくして素線外径がコネクターにあうようにする必
要がある。この観点からみると望ましいエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体の直接被覆層の厚さは5μm〜4
0μmである。
【0018】曲げロスを小さくするには、特にエチレン
−ビニルアルコール共重合体の被覆が滑らかで透明性が
高くなるように被覆されていることが非常に大切であ
る。そのためには、エチレン−ビニルアルコール共重合
体が熱分解して、気泡を発生するような高すぎる成型温
度で被覆した素線の曲げ特性は良くないし、逆に成型温
度が低すぎて、被覆層表面の光沢が失われるような成型
温度で被覆した素線でも曲げ特性は良くない。本発明の
場合に、直接被覆層としてのエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体のより好ましい範囲は、エチレン共重合割合
が40〜70モル%、好ましくは40〜50モル%、よ
り好ましくは46〜48モル%であり、MIが190
℃、2.16Kg荷重にて4〜30g/10分、好まし
くは5〜15g/10分である比較的流動性の高いもの
を選定する必要がある。
【0019】エチレン共重合割合が40モル%未満で、
且つMIが4g/10分未満のものは、融点が高く流動
性も低く滑らかな被覆層に仕上げることが出来ないので
好ましくないし、またエチレン共重合割合が70モル%
を越えるとエチレン−ビニルアルコール共重合体の透明
性が悪くなり、曲げロスの改善がなくなる。MIが30
g/10分を越えると、樹脂が脆くなり好ましくない。
【0020】エチレン−ビニルアルコール共重合体被覆
層を形成する方法は、鞘材層の上に所定の厚さで保護層
が形成されるなら特に制限されないが、例えば通常の電
線被覆と同様にして、裸線をクロスヘッドダイに通して
溶融樹脂を被覆する方法や、特開昭50−2552号公
報に記載されている芯樹脂と鞘樹脂と被覆樹脂を溶融し
3層同時に紡糸する方法のいずれでも良い。
【0021】このようにして得たPOF素線は、細いケ
ーブルとしてそのままでも使用できるが、必要に応じ
て、二次被覆層として熱可塑性樹脂をさらに被覆してよ
り太いケーブルにすることができる。外被層を形成する
熱可塑性樹脂としては、プラスチック光ファイバの被覆
材として公知のポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ウレタ
ン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン
エラストマー樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂を挙
げることができる。これらの熱可塑性樹脂外被材に水酸
化マグネシウムやリン化合物やハロゲン化物などの難燃
剤や各種の添加剤を加えても良い。もちろん、本発明の
鞘材に必要に応じて種々の添加剤を加えてもよい。
【0022】
【実施例】本発明は下記の実施例及び比較例により具体
的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1)芯材として重量平均分子量10万のPMM
Aを用い、且つ鞘材として長鎖フルオロアルキルメタク
リレート(以下FMAと略称する);2−(ペルフルオ
ロオクチル)エチルメタクリレート(17FMA) 1
4%、短鎖FMA;2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピルメタクリレート(4FMA) 6%、短鎖FM
A;2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
(3FMA) 6%、MMA 74%をキャスト重合し
て、230℃、3.8Kg荷重におけるMIが31g/
10分、屈折率1.469の共重合体を用いた。鞘材層
に直接被覆するエチレン−ビニルアルコール共重合体と
してはエチレン共重合割合が47モル%で、且つ190
℃、2160g荷重でのMIが14g/10分の樹脂を
用いた。
【0023】これらの3種類の樹脂を押出機で芯/鞘層
/被覆層の3層同時に紡糸できる複合紡糸ダイを用い
て、ダイスの温度230℃で、芯970μm、鞘10μ
m、第3層を5μmの厚さに被覆して、外径1.0mm
のPOF素線を得た。POF素線の表面は透明で表面も
非常に平滑であった。伝送損失は650nm、単色光に
て128dB/kmであった。このPOF素線の上に水
酸化マグネシウムと赤燐を難燃剤とする黒色の難燃ポリ
エチレン樹脂層を、被覆して外径2.2mmのPOFケ
ーブルを得た。このケーブルの伝送損失は650nmに
て128dB/kmであった。
【0024】これらのPOF素線とケーブルについて曲
げによる光ロスを計った。測定は励振NA0.15ラジ
アンの光源を用いて曲げ半径10mmの棒に1回巻き付
けた時の光保持率を求めたところ、POF素線では70
%の保持率であり、ケーブルでは62%の保持率を示し
た。
【0025】(比較例1)芯材樹脂及び鞘材樹脂として
実施例1に記載のものと同じを用いた。これらの2種類
の樹脂を押出機で芯/鞘層2層同時に紡糸できる複合紡
糸ダイを用いて芯径980μm、鞘10μmの厚さに被
覆して外径1.0mmのプラスチック光ファイバ裸線を
得た。伝送損失は650nm単色光にて125dB/k
mであった。このPOF裸線と、さらに裸線の上に実施
例1と同様に難燃ポリエチレンを被覆して得た外径2.
2mmのPOFケーブルについて曲げロスを計った。測
定は励振NA0.15ラジアンの光源を用いて曲げ半径
10mmの棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたと
ころ、POF裸線では75%の保持率を示し、POFケ
ーブルでは31%の保持率しか示さなかった。
【0026】(比較例2)芯樹脂及び鞘樹脂として実施
例1に記載のものと同じを用いた。鞘材層に直接被覆す
るエチレン−ビニルアルコール共重合体としてはエチレ
ン共重合割合が38モル%で190℃、2160g荷重
でのMIが2g/10分の樹脂を用いた。これらの3種
類の樹脂を押出機で芯/鞘層/被覆層の3層同時に紡糸
できる複合紡糸ダイを用いて、ダイスの温度260℃
で、芯970μm、鞘10μm、第3層を5μmの厚さ
に被覆して外径1.0mmのプラスチック光ファイバ素
線を得た。
【0027】この場合、直接被覆層としてのエチレン−
ビニルアルコール共重合体のエチレン共重合割合が38
モル%と低すぎて且つMIが2g/10分と高溶融点の
ものであるので、POF素線の表面は平滑でなくてとこ
ろどころに孔状の欠陥が見られた。また、伝送損失は6
50nm、単色光にて160dB/kmであった。この
プラスチック光ファイバ素線と素線の上に実施例1と同
様に難燃ポリエチレン樹脂を被覆して得た外径2.2m
mのPOFケーブルについて曲げロスを計った。測定は
励振NA0.15ラジアンの光源を用いて曲げ半径10
mmの棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたとこ
ろ、素線でも50%の保持率であり、ケーブルでは28
%の保持率しか示さなかった。
【0028】(実施例2)芯材として重量平均分子量1
0万のPMMAを用い、鞘材として長鎖FMA(17F
MA)40%、短鎖FMA(4FMA)25% 、短鎖
FMA(3FMA)25%、MMA10%をキャスト重
合して、230℃ 3.8Kg荷重におけるMIが45
g /10分、屈折率が1.41の共重合体を用いた。
これらの2種類の樹脂を押出機で芯/鞘層2層同時に紡
糸できる複合紡糸ダイを用いて芯径950μm、鞘10
μmの厚さに被覆して外径1.0mmのプラスチック光
ファイバ裸線を得た。伝送損失は650nm単色光にて
125dB/kmであった。
【0029】次いで、このPOF裸線を押出機の先端に
クロスヘッドダイの付いた電線被覆装置に導入してエチ
レン−ビニルアルコール共重合体を前記鞘材層の上に被
覆した。即ち、この押出機に、エチレン共重合割合が4
7モル%で190℃、2160g荷重でのMIが14g
/10分のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を
供給し溶融せしめ、ダイス温度200℃で、プラスチッ
ク光ファイバ裸線に厚さ15μmに成るように直接被覆
を行い、外径1.0mmのPOF素線を得た。
【0030】このPOF素線の伝送損失は650nmに
て130dB/kmであった。さらにこの素線をクロス
ヘッドダイ付きの電線被覆装置を用いて黒色低密度ポリ
エチレンを被覆して、外径2.2mmのPOFケーブル
を得た。これらのPOF裸線とPOF素線とPOFケー
ブルについて曲げによる光保持率を測定した。測定は励
振NA0.7のLED光源を用いて曲げ半径10mmの
棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたところ、裸線
では75%の保持率であり、素線では70%の保持率で
あり、ケーブルでは65%の保持率を示した。
【0031】(比較例3)実施例2記載のPOF裸線を
用いて、押出機の先端にクロスヘッドダイの付いた電線
被覆装置に導入してポリエチレン樹脂を薄く被覆した。
即ち、この押出機に、高密度ポリエチレンとして190
℃、2160g荷重でのMIが0.2g/10分の高密
度ポリエチレンを供給し溶融せしめ、ダイス温度200
℃で、POF裸線に厚さ15μmに成るように被覆をお
こない、外径1.0mmの素線を得た。
【0032】このPOF素線の伝送損失は650nmに
て129dB/kmであった。さらにこのPOF素線を
クロスヘッドダイ付きの電線被覆を用いてダイス温度1
30℃で黒色低密度ポリエチレンを被覆して、外径2.
2mmのPOFケーブルを得た。これらのPOF裸線と
POF素線とPOFケーブルについて曲げによる光保持
率を測定した。測定は励振NA0.7のLED光源を用
いて曲げ半径10mmの棒に1回巻き付けた時の光保持
率を求めたところ、POF素線では60%の保持率しか
なく、POFケーブルでは45%の保持率しか示さなか
った。
【0033】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のPOF素線及び
ケーブルは、特定のフルオロアルキルメタクリレート系
共重合体を鞘材としたPOF裸線上層に直接被覆層とし
てエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆し、且つ
鞘材層及び直接被覆層の厚さを一定範囲とすることによ
り、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最小限に抑
制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバ素線の断面構
造を示す模式図である。
【図2】本発明のプラスチック光ファイバケーブルの断
面構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 芯層 2 鞘層 3 直接被覆層 4 2次被覆層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯をポリメタクリル酸メチル系樹脂、鞘
    を(イ)式(1) : 【化1】 で示される長鎖フルオロアルキルメタクリレート1〜7
    0重量%と(ロ)一般式(2) : 【化2】 (式中のXはH又はF、nは1〜4の整数である)で示
    される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
    ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
    (ハ)メタクリル酸メチル5〜98重量%との共重合体
    としたプラスチック光ファイバ裸線の鞘層の厚さを3μ
    m〜25μmとし、鞘層に直接透明なエチレン−ビニル
    アルコール共重合体で3μm〜100μmに被覆したこ
    とを特徴とするプラスチック光ファイバ素線。
  2. 【請求項2】 直接被覆層としてのエチレン−ビニルア
    ルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン共重
    合割合及び4〜30g/10分のMIを有することを特
    徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバ素線。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のプラスチック光
    ファイバ素線の上にさらに熱可塑性樹脂の二次被覆層を
    施したことを特徴とするプラスチック光ファイバケーブ
    ル。
JP7279824A 1995-10-04 1995-10-04 プラスチック光ファイバ素線及びケーブル Withdrawn JPH09101422A (ja)

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JP2007047371A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd プラスチック光ファイバケーブルの製造方法

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