JPH09101422A - プラスチック光ファイバ素線及びケーブル - Google Patents
プラスチック光ファイバ素線及びケーブルInfo
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- JPH09101422A JPH09101422A JP7279824A JP27982495A JPH09101422A JP H09101422 A JPH09101422 A JP H09101422A JP 7279824 A JP7279824 A JP 7279824A JP 27982495 A JP27982495 A JP 27982495A JP H09101422 A JPH09101422 A JP H09101422A
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- ethylene
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- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 芯をPMMA系樹脂、鞘を8個のC
F鎖を持つ長鎖フルオロアクリルメタクリレート(FM
A)1〜70重量%と1〜4個のCF鎖を持つ短鎖FM
A1〜50重量%とMMA5〜98重量%の共重合体と
するPOF裸線の、鞘層の厚さ3μm〜25μm、鞘層
に直接エチレン−ビニルアルコール共重合体で3μm〜
100μmに被覆したPOF素線。 エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン
含量、4〜30g/10分のMIを有すること。 さ
らに熱可塑性樹脂の二次被覆層を施したこと。 【効果】 特定のFMA系共重合体鞘材のPOF裸線上
にEVAを被覆し両層の厚さを一定範囲とすることによ
り、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最小限に抑
制できる。
F鎖を持つ長鎖フルオロアクリルメタクリレート(FM
A)1〜70重量%と1〜4個のCF鎖を持つ短鎖FM
A1〜50重量%とMMA5〜98重量%の共重合体と
するPOF裸線の、鞘層の厚さ3μm〜25μm、鞘層
に直接エチレン−ビニルアルコール共重合体で3μm〜
100μmに被覆したPOF素線。 エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン
含量、4〜30g/10分のMIを有すること。 さ
らに熱可塑性樹脂の二次被覆層を施したこと。 【効果】 特定のFMA系共重合体鞘材のPOF裸線上
にEVAを被覆し両層の厚さを一定範囲とすることによ
り、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最小限に抑
制できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速光通信のため
のコンピュータ接続配線、交換機まわりの配線、工場自
動機制御の配線などに利用できる新規なプラスチック光
ファイバ(以下、POFと略称する)に関するものであ
る。より詳しくは、本発明は、特定のフルオロアルキル
メタクリレート系共重合体を鞘材としたPOF裸線上層
に直接被覆層として透明なエチレン−ビニルアルコール
共重合体を被覆し、且つ鞘層及び直接被覆層の厚さを一
定範囲とすることにより、POF素線の曲げ時の光量の
伝送損失を最小限に抑制できるPOF素線を提供する。
のコンピュータ接続配線、交換機まわりの配線、工場自
動機制御の配線などに利用できる新規なプラスチック光
ファイバ(以下、POFと略称する)に関するものであ
る。より詳しくは、本発明は、特定のフルオロアルキル
メタクリレート系共重合体を鞘材としたPOF裸線上層
に直接被覆層として透明なエチレン−ビニルアルコール
共重合体を被覆し、且つ鞘層及び直接被覆層の厚さを一
定範囲とすることにより、POF素線の曲げ時の光量の
伝送損失を最小限に抑制できるPOF素線を提供する。
【0002】
【従来の技術】POFの外側をエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体で被覆した素線を用いてその上にポリ塩化
ビニル樹脂の被覆を行いケーブル化したり、補強繊維と
一緒に複合ケーブルを構成することは、実開昭57−7
4403号公報、実開昭58−71703号公報及び米
国特許第4,458,386号明細書に記載されてい
る。しかし、このPOFには鞘に関して全く記載は無
い。ほぼ同様な観点から、特開昭63−113511号
公報には弗化ビニリデン−テトラフルオロエチレンの8
0/20モル%の共重合体からなる鞘材を施したPOF
裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体直接被覆層
を50μmの厚さで被覆したPOF素線の例も示されて
いる。
ール共重合体で被覆した素線を用いてその上にポリ塩化
ビニル樹脂の被覆を行いケーブル化したり、補強繊維と
一緒に複合ケーブルを構成することは、実開昭57−7
4403号公報、実開昭58−71703号公報及び米
国特許第4,458,386号明細書に記載されてい
る。しかし、このPOFには鞘に関して全く記載は無
い。ほぼ同様な観点から、特開昭63−113511号
公報には弗化ビニリデン−テトラフルオロエチレンの8
0/20モル%の共重合体からなる鞘材を施したPOF
裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体直接被覆層
を50μmの厚さで被覆したPOF素線の例も示されて
いる。
【0003】また、従来のエチレン−ビニルアルコール
共重合体を被覆したPOF素線は、その鞘材として、ビ
ニリデンフロライド系樹脂が使用されていた事は明らか
である。しかし、ビニリデンフロライド系樹脂の鞘を被
覆したPOFはその鞘が高温・高湿度下で結晶化し、濁
りが生じ、伝送損失が増加する問題があった。これらの
課題を解決するために、本発明者はPOFを構成する芯
をポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと略称する)
系樹脂樹脂とし、(イ) 特定の長鎖フルオロアルキルメタ
クリレートと (ロ)短鎖フルオロアルキルメタクリレート
と (ハ)MMAを必須成分とする共重合体を鞘材とするP
OF素線を先に出願した(特公平7−11604号公
報、特公平7−11605号公報)。だが、該公報に
は、POF裸線の上層に保護層としてエチレン−ビニル
アルコール共重合体を被覆することは開示されていな
い。
共重合体を被覆したPOF素線は、その鞘材として、ビ
ニリデンフロライド系樹脂が使用されていた事は明らか
である。しかし、ビニリデンフロライド系樹脂の鞘を被
覆したPOFはその鞘が高温・高湿度下で結晶化し、濁
りが生じ、伝送損失が増加する問題があった。これらの
課題を解決するために、本発明者はPOFを構成する芯
をポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと略称する)
系樹脂樹脂とし、(イ) 特定の長鎖フルオロアルキルメタ
クリレートと (ロ)短鎖フルオロアルキルメタクリレート
と (ハ)MMAを必須成分とする共重合体を鞘材とするP
OF素線を先に出願した(特公平7−11604号公
報、特公平7−11605号公報)。だが、該公報に
は、POF裸線の上層に保護層としてエチレン−ビニル
アルコール共重合体を被覆することは開示されていな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該先行
公報に記載の通り、長鎖フルオロアルキルメタクリレー
トとメタクリル酸メチル(以下MMAと略称する)との
共重合体は機械的強度や耐熱性が優れているが、白濁す
るために、透明性が失われる。しかしこれに短鎖フルオ
ロアルキルメタクリレートを共重合した特定の三元共重
合体からなる鞘材では、高いレベルの導光性を持つ透明
な樹脂が得られる。しかし、このようなフルオロアルキ
ルメタクリレート系共重合体を鞘材としたPOF素線は
曲げ部分に使用する時に伝送する光量の損失が増加する
傾向がある問題を有している。従って、本発明の目的
は、特定のフルオロアルキルメタクリレート系共重合体
を鞘材としたPOF被覆において、その外に直接被覆層
を設けたPOF素線の曲げ時の光量の伝送損失を小さく
することを目的とするものである。
公報に記載の通り、長鎖フルオロアルキルメタクリレー
トとメタクリル酸メチル(以下MMAと略称する)との
共重合体は機械的強度や耐熱性が優れているが、白濁す
るために、透明性が失われる。しかしこれに短鎖フルオ
ロアルキルメタクリレートを共重合した特定の三元共重
合体からなる鞘材では、高いレベルの導光性を持つ透明
な樹脂が得られる。しかし、このようなフルオロアルキ
ルメタクリレート系共重合体を鞘材としたPOF素線は
曲げ部分に使用する時に伝送する光量の損失が増加する
傾向がある問題を有している。従って、本発明の目的
は、特定のフルオロアルキルメタクリレート系共重合体
を鞘材としたPOF被覆において、その外に直接被覆層
を設けたPOF素線の曲げ時の光量の伝送損失を小さく
することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
種々検討した結果、特定のフルオロアルキルメタクリレ
ート系共重合体を鞘材としたPOF裸線上層に直接被覆
層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆
し、且つ鞘材層及び直接被覆層の厚さを一定範囲とする
ことにより、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最
小限に抑制することができることを発見し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は: 芯をPMMA系樹脂、鞘を(イ)式(1) :
種々検討した結果、特定のフルオロアルキルメタクリレ
ート系共重合体を鞘材としたPOF裸線上層に直接被覆
層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆
し、且つ鞘材層及び直接被覆層の厚さを一定範囲とする
ことにより、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最
小限に抑制することができることを発見し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は: 芯をPMMA系樹脂、鞘を(イ)式(1) :
【化3】 で示される長鎖フルオロアルキルメタクリレート1〜7
0重量%と
0重量%と
【0006】(ロ)一般式(2) :
【化4】 (式中のXはH又はF、nは1〜4の整数である)で示
される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
(ハ)MMA5〜98重量%との共重合体としたプラス
チック光ファイバ裸線の鞘層の厚さを3μm〜25μm
とし、鞘層に直接透明なエチレン−ビニルアルコール共
重合体で3μm〜100μmに被覆したプラスチック光
ファイバ素線を提供する。また、
される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
(ハ)MMA5〜98重量%との共重合体としたプラス
チック光ファイバ裸線の鞘層の厚さを3μm〜25μm
とし、鞘層に直接透明なエチレン−ビニルアルコール共
重合体で3μm〜100μmに被覆したプラスチック光
ファイバ素線を提供する。また、
【0007】 直接被覆層としてのエチレン−ビニル
アルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン共
重合割合及びMIが4〜30g/10分を有する点にも
特徴を有する。また、 又はに記載のプラスチック光ファイバ素線の上
にさらに熱可塑性樹脂の二次被覆層を施したプラスチッ
ク光ファイバケーブルを提供する。
アルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン共
重合割合及びMIが4〜30g/10分を有する点にも
特徴を有する。また、 又はに記載のプラスチック光ファイバ素線の上
にさらに熱可塑性樹脂の二次被覆層を施したプラスチッ
ク光ファイバケーブルを提供する。
【0008】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のPOF素線は、芯材として重量平均分子量が7万〜
20万程度のPMMA系樹脂である。該PMMA系樹脂
としては、MMAの単独重合体の他にMMA70重量%
以上と他の共重合可能なモノマーとの共重合体であり、
該共重合可能なモノマーとしてはアクリル酸やメタクリ
ル酸の炭素数が1〜10程度のアルキルエステル等が好
ましい。
明のPOF素線は、芯材として重量平均分子量が7万〜
20万程度のPMMA系樹脂である。該PMMA系樹脂
としては、MMAの単独重合体の他にMMA70重量%
以上と他の共重合可能なモノマーとの共重合体であり、
該共重合可能なモノマーとしてはアクリル酸やメタクリ
ル酸の炭素数が1〜10程度のアルキルエステル等が好
ましい。
【0009】また、鞘材として、(イ) 式(1) :
【化5】 で示される長鎖フルオロアルキルメタクリレート1〜7
0重量%と(ロ) 一般式(2) :
0重量%と(ロ) 一般式(2) :
【化6】 (式中のXはH又はF、nは1〜4の整数である)で示
される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
(ハ) MMA5〜98重量%との共重合体の使用が肝要
である。
される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
(ハ) MMA5〜98重量%との共重合体の使用が肝要
である。
【0010】本発明において、芯がPMMA樹脂のと
き、0.5程度の高い開口数のPOFには、特に長鎖フ
ルオロアルキルメタクリレート(イ) が40〜70重量
%、短鎖フルオロアルキルメタクリレート (ロ)は20〜
50重量%、メタクリル酸メチルが (ハ)5〜20重量%
からなる共重合体が特に好ましい。ここで、開口数NA
とは芯樹脂の屈折率nCOREと鞘樹脂の屈折率nCLADから
次式で規定される。 NA=(n CORE 2 −nCLAD 2 )0.5 また、0.35〜0.47の中程度の開口数のPOFに
は長鎖フルオロアルキルメタクリレートが30〜60重
量%、短鎖フルオロアルキルメタクリレートは20〜5
0重量%、メタクリル酸メチルが20〜50重量%から
なる共重合体が特に好ましい。そして、0.35〜0.
10程度の低い開口数のPOFには長鎖フルオロアルキ
ルメタクリレートが1〜30重量%、短鎖フルオロアル
キルメタクリレートは1〜20重量%、メタクリル酸メ
チルが50〜98重量%からなる共重合体が特に好まし
い。
き、0.5程度の高い開口数のPOFには、特に長鎖フ
ルオロアルキルメタクリレート(イ) が40〜70重量
%、短鎖フルオロアルキルメタクリレート (ロ)は20〜
50重量%、メタクリル酸メチルが (ハ)5〜20重量%
からなる共重合体が特に好ましい。ここで、開口数NA
とは芯樹脂の屈折率nCOREと鞘樹脂の屈折率nCLADから
次式で規定される。 NA=(n CORE 2 −nCLAD 2 )0.5 また、0.35〜0.47の中程度の開口数のPOFに
は長鎖フルオロアルキルメタクリレートが30〜60重
量%、短鎖フルオロアルキルメタクリレートは20〜5
0重量%、メタクリル酸メチルが20〜50重量%から
なる共重合体が特に好ましい。そして、0.35〜0.
10程度の低い開口数のPOFには長鎖フルオロアルキ
ルメタクリレートが1〜30重量%、短鎖フルオロアル
キルメタクリレートは1〜20重量%、メタクリル酸メ
チルが50〜98重量%からなる共重合体が特に好まし
い。
【0011】これらの開口数の領域の樹脂は芯のPMM
Aと良く接着し、かつ透明性に優れ、耐熱性も60℃以
上を保持できる。なお、本発明の共重合体には、前記
(イ) 〜 (ハ)の3成分モノマーに加えて、所望に応じてこ
の共重合体組成100重量部当たり5重量部を越えない
範囲で、メタクリル酸、o−メチルフェニルマレイミ
ド、マレイミド、無水マレイン酸、スチレン、アクリル
酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エ
チル等のメタクリル酸エステル、メタクリル酸六員環化
物などのモノマーを加えても構わない。
Aと良く接着し、かつ透明性に優れ、耐熱性も60℃以
上を保持できる。なお、本発明の共重合体には、前記
(イ) 〜 (ハ)の3成分モノマーに加えて、所望に応じてこ
の共重合体組成100重量部当たり5重量部を越えない
範囲で、メタクリル酸、o−メチルフェニルマレイミ
ド、マレイミド、無水マレイン酸、スチレン、アクリル
酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エ
チル等のメタクリル酸エステル、メタクリル酸六員環化
物などのモノマーを加えても構わない。
【0012】本発明の特定の共重合体鞘材を用いたPO
Fは機械的な強度についても、オリフィス直径2mm、
長さ8mmで230℃にて3.8Kg荷重のメルトフロ
ーレイトインデックス(以下MIと称する)が5〜60
g/10分、好ましくは10〜50g/10分程度のも
のを使用すると十分な強度を示す。
Fは機械的な強度についても、オリフィス直径2mm、
長さ8mmで230℃にて3.8Kg荷重のメルトフロ
ーレイトインデックス(以下MIと称する)が5〜60
g/10分、好ましくは10〜50g/10分程度のも
のを使用すると十分な強度を示す。
【0013】本発明の特定の共重合体鞘材のMIが5g
/10分未満では芯・鞘の間に構造不整を起こし、伝送
損失が大きくなる。また、60g/10分を越えると鞘
の強度が弱くなり好ましくない。しかも、上記特定の共
重合体鞘材を被覆したプラスチック光ファイバは、従来
のビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン共重合
体のような鞘材に見られる、高温・高湿度下での鞘材樹
脂の結晶化による伝送損失の増加という問題は見られな
い。
/10分未満では芯・鞘の間に構造不整を起こし、伝送
損失が大きくなる。また、60g/10分を越えると鞘
の強度が弱くなり好ましくない。しかも、上記特定の共
重合体鞘材を被覆したプラスチック光ファイバは、従来
のビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン共重合
体のような鞘材に見られる、高温・高湿度下での鞘材樹
脂の結晶化による伝送損失の増加という問題は見られな
い。
【0014】ところで、この鞘で被覆したプラスチック
光ファイバ裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体
を直接被覆層として用いると、得られたPOF素線は、
驚くべきことには、素線を曲げたときに生じる光量のロ
スが非常に小さいことを見出した。通常、POFの曲げ
による光量ロスは一定の曲げ半径の曲げ負荷をかける
と、通常は裸線の場合が一番小さく、裸線に被覆層を重
ねることにより増加してくる。これは被覆層の曲げによ
る歪みがPOFの裸線に歪みをかけるからであろうと考
えられる。
光ファイバ裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体
を直接被覆層として用いると、得られたPOF素線は、
驚くべきことには、素線を曲げたときに生じる光量のロ
スが非常に小さいことを見出した。通常、POFの曲げ
による光量ロスは一定の曲げ半径の曲げ負荷をかける
と、通常は裸線の場合が一番小さく、裸線に被覆層を重
ねることにより増加してくる。これは被覆層の曲げによ
る歪みがPOFの裸線に歪みをかけるからであろうと考
えられる。
【0015】ところが、適度な条件を満たすように、す
なわち特定の共重合体からなる鞘層の厚さを3μm〜2
5μm、好ましくは3〜15μmとし鞘層に直接透明な
エチレン−ビニルアルコール共重合体で3μm〜100
μm、好ましくは5〜40μmに被覆した場合に、PO
F裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆し
た素線は、POF裸線に近い曲げロスと極めて小さくな
ることを見出した。鞘層の厚さが3μm未満ではPOF
の伝送損失が大きくなり、また25μmを越えると芯の
断面積比率が小さくなり、伝送できる光パワーが小さく
なる。また、鞘層に直接に保護層として被覆するエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体の厚さが3μm未満では
安定した保護層の形成が困難であり、また100μmを
越えると曲げによる光ロスがだんだん大きくなってく
る。
なわち特定の共重合体からなる鞘層の厚さを3μm〜2
5μm、好ましくは3〜15μmとし鞘層に直接透明な
エチレン−ビニルアルコール共重合体で3μm〜100
μm、好ましくは5〜40μmに被覆した場合に、PO
F裸線にエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆し
た素線は、POF裸線に近い曲げロスと極めて小さくな
ることを見出した。鞘層の厚さが3μm未満ではPOF
の伝送損失が大きくなり、また25μmを越えると芯の
断面積比率が小さくなり、伝送できる光パワーが小さく
なる。また、鞘層に直接に保護層として被覆するエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体の厚さが3μm未満では
安定した保護層の形成が困難であり、また100μmを
越えると曲げによる光ロスがだんだん大きくなってく
る。
【0016】POF素線の場合、特に、被覆成型後の被
覆層に白濁や表面の荒れが無く、できるだけ滑らかで透
明な仕上がりになる事が重要であり、その観点から鞘材
層の材質と厚さの選択とともに、直接被覆層の材質と厚
さには十分に吟味する必要がある。従って、エチレン−
ビニルアルコール共重合体の直接被覆層の厚さは3μm
〜100μmであることが重要である。さらに、上記P
OF素線の上に、二次被覆層としてポリエチレン、ポリ
塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で被覆したケーブルも比較
的曲げロスを小さくすることができることが判明した。
覆層に白濁や表面の荒れが無く、できるだけ滑らかで透
明な仕上がりになる事が重要であり、その観点から鞘材
層の材質と厚さの選択とともに、直接被覆層の材質と厚
さには十分に吟味する必要がある。従って、エチレン−
ビニルアルコール共重合体の直接被覆層の厚さは3μm
〜100μmであることが重要である。さらに、上記P
OF素線の上に、二次被覆層としてポリエチレン、ポリ
塩化ビニル等の熱可塑性樹脂で被覆したケーブルも比較
的曲げロスを小さくすることができることが判明した。
【0017】これには、POFのサイズとコネクターづ
けの問題もある。即ち、エチレン−ビニルアルコール共
重合体を直接被覆層として施したPOF素線を更に二次
被覆層として熱可塑性樹脂で被覆したケーブルでは、そ
の被覆を剥がすとき、最外層の被覆ははぎ取れても、鞘
層に直接被覆したエチレン−ビニルアルコール共重合体
の層は密着がよく、そのまま裸線に残るという問題があ
る。そのエチレン−ビニルアルコール共重合体層が厚い
と特注コネクターを使用するか、あるいはPOFの芯径
を小さくして素線外径がコネクターにあうようにする必
要がある。この観点からみると望ましいエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体の直接被覆層の厚さは5μm〜4
0μmである。
けの問題もある。即ち、エチレン−ビニルアルコール共
重合体を直接被覆層として施したPOF素線を更に二次
被覆層として熱可塑性樹脂で被覆したケーブルでは、そ
の被覆を剥がすとき、最外層の被覆ははぎ取れても、鞘
層に直接被覆したエチレン−ビニルアルコール共重合体
の層は密着がよく、そのまま裸線に残るという問題があ
る。そのエチレン−ビニルアルコール共重合体層が厚い
と特注コネクターを使用するか、あるいはPOFの芯径
を小さくして素線外径がコネクターにあうようにする必
要がある。この観点からみると望ましいエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体の直接被覆層の厚さは5μm〜4
0μmである。
【0018】曲げロスを小さくするには、特にエチレン
−ビニルアルコール共重合体の被覆が滑らかで透明性が
高くなるように被覆されていることが非常に大切であ
る。そのためには、エチレン−ビニルアルコール共重合
体が熱分解して、気泡を発生するような高すぎる成型温
度で被覆した素線の曲げ特性は良くないし、逆に成型温
度が低すぎて、被覆層表面の光沢が失われるような成型
温度で被覆した素線でも曲げ特性は良くない。本発明の
場合に、直接被覆層としてのエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体のより好ましい範囲は、エチレン共重合割合
が40〜70モル%、好ましくは40〜50モル%、よ
り好ましくは46〜48モル%であり、MIが190
℃、2.16Kg荷重にて4〜30g/10分、好まし
くは5〜15g/10分である比較的流動性の高いもの
を選定する必要がある。
−ビニルアルコール共重合体の被覆が滑らかで透明性が
高くなるように被覆されていることが非常に大切であ
る。そのためには、エチレン−ビニルアルコール共重合
体が熱分解して、気泡を発生するような高すぎる成型温
度で被覆した素線の曲げ特性は良くないし、逆に成型温
度が低すぎて、被覆層表面の光沢が失われるような成型
温度で被覆した素線でも曲げ特性は良くない。本発明の
場合に、直接被覆層としてのエチレン−ビニルアルコー
ル共重合体のより好ましい範囲は、エチレン共重合割合
が40〜70モル%、好ましくは40〜50モル%、よ
り好ましくは46〜48モル%であり、MIが190
℃、2.16Kg荷重にて4〜30g/10分、好まし
くは5〜15g/10分である比較的流動性の高いもの
を選定する必要がある。
【0019】エチレン共重合割合が40モル%未満で、
且つMIが4g/10分未満のものは、融点が高く流動
性も低く滑らかな被覆層に仕上げることが出来ないので
好ましくないし、またエチレン共重合割合が70モル%
を越えるとエチレン−ビニルアルコール共重合体の透明
性が悪くなり、曲げロスの改善がなくなる。MIが30
g/10分を越えると、樹脂が脆くなり好ましくない。
且つMIが4g/10分未満のものは、融点が高く流動
性も低く滑らかな被覆層に仕上げることが出来ないので
好ましくないし、またエチレン共重合割合が70モル%
を越えるとエチレン−ビニルアルコール共重合体の透明
性が悪くなり、曲げロスの改善がなくなる。MIが30
g/10分を越えると、樹脂が脆くなり好ましくない。
【0020】エチレン−ビニルアルコール共重合体被覆
層を形成する方法は、鞘材層の上に所定の厚さで保護層
が形成されるなら特に制限されないが、例えば通常の電
線被覆と同様にして、裸線をクロスヘッドダイに通して
溶融樹脂を被覆する方法や、特開昭50−2552号公
報に記載されている芯樹脂と鞘樹脂と被覆樹脂を溶融し
3層同時に紡糸する方法のいずれでも良い。
層を形成する方法は、鞘材層の上に所定の厚さで保護層
が形成されるなら特に制限されないが、例えば通常の電
線被覆と同様にして、裸線をクロスヘッドダイに通して
溶融樹脂を被覆する方法や、特開昭50−2552号公
報に記載されている芯樹脂と鞘樹脂と被覆樹脂を溶融し
3層同時に紡糸する方法のいずれでも良い。
【0021】このようにして得たPOF素線は、細いケ
ーブルとしてそのままでも使用できるが、必要に応じ
て、二次被覆層として熱可塑性樹脂をさらに被覆してよ
り太いケーブルにすることができる。外被層を形成する
熱可塑性樹脂としては、プラスチック光ファイバの被覆
材として公知のポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ウレタ
ン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン
エラストマー樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂を挙
げることができる。これらの熱可塑性樹脂外被材に水酸
化マグネシウムやリン化合物やハロゲン化物などの難燃
剤や各種の添加剤を加えても良い。もちろん、本発明の
鞘材に必要に応じて種々の添加剤を加えてもよい。
ーブルとしてそのままでも使用できるが、必要に応じ
て、二次被覆層として熱可塑性樹脂をさらに被覆してよ
り太いケーブルにすることができる。外被層を形成する
熱可塑性樹脂としては、プラスチック光ファイバの被覆
材として公知のポリエチレン、塩化ビニル樹脂、ウレタ
ン樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン
エラストマー樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂を挙
げることができる。これらの熱可塑性樹脂外被材に水酸
化マグネシウムやリン化合物やハロゲン化物などの難燃
剤や各種の添加剤を加えても良い。もちろん、本発明の
鞘材に必要に応じて種々の添加剤を加えてもよい。
【0022】
【実施例】本発明は下記の実施例及び比較例により具体
的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1)芯材として重量平均分子量10万のPMM
Aを用い、且つ鞘材として長鎖フルオロアルキルメタク
リレート(以下FMAと略称する);2−(ペルフルオ
ロオクチル)エチルメタクリレート(17FMA) 1
4%、短鎖FMA;2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピルメタクリレート(4FMA) 6%、短鎖FM
A;2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
(3FMA) 6%、MMA 74%をキャスト重合し
て、230℃、3.8Kg荷重におけるMIが31g/
10分、屈折率1.469の共重合体を用いた。鞘材層
に直接被覆するエチレン−ビニルアルコール共重合体と
してはエチレン共重合割合が47モル%で、且つ190
℃、2160g荷重でのMIが14g/10分の樹脂を
用いた。
的に説明するが、これらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1)芯材として重量平均分子量10万のPMM
Aを用い、且つ鞘材として長鎖フルオロアルキルメタク
リレート(以下FMAと略称する);2−(ペルフルオ
ロオクチル)エチルメタクリレート(17FMA) 1
4%、短鎖FMA;2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピルメタクリレート(4FMA) 6%、短鎖FM
A;2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート
(3FMA) 6%、MMA 74%をキャスト重合し
て、230℃、3.8Kg荷重におけるMIが31g/
10分、屈折率1.469の共重合体を用いた。鞘材層
に直接被覆するエチレン−ビニルアルコール共重合体と
してはエチレン共重合割合が47モル%で、且つ190
℃、2160g荷重でのMIが14g/10分の樹脂を
用いた。
【0023】これらの3種類の樹脂を押出機で芯/鞘層
/被覆層の3層同時に紡糸できる複合紡糸ダイを用い
て、ダイスの温度230℃で、芯970μm、鞘10μ
m、第3層を5μmの厚さに被覆して、外径1.0mm
のPOF素線を得た。POF素線の表面は透明で表面も
非常に平滑であった。伝送損失は650nm、単色光に
て128dB/kmであった。このPOF素線の上に水
酸化マグネシウムと赤燐を難燃剤とする黒色の難燃ポリ
エチレン樹脂層を、被覆して外径2.2mmのPOFケ
ーブルを得た。このケーブルの伝送損失は650nmに
て128dB/kmであった。
/被覆層の3層同時に紡糸できる複合紡糸ダイを用い
て、ダイスの温度230℃で、芯970μm、鞘10μ
m、第3層を5μmの厚さに被覆して、外径1.0mm
のPOF素線を得た。POF素線の表面は透明で表面も
非常に平滑であった。伝送損失は650nm、単色光に
て128dB/kmであった。このPOF素線の上に水
酸化マグネシウムと赤燐を難燃剤とする黒色の難燃ポリ
エチレン樹脂層を、被覆して外径2.2mmのPOFケ
ーブルを得た。このケーブルの伝送損失は650nmに
て128dB/kmであった。
【0024】これらのPOF素線とケーブルについて曲
げによる光ロスを計った。測定は励振NA0.15ラジ
アンの光源を用いて曲げ半径10mmの棒に1回巻き付
けた時の光保持率を求めたところ、POF素線では70
%の保持率であり、ケーブルでは62%の保持率を示し
た。
げによる光ロスを計った。測定は励振NA0.15ラジ
アンの光源を用いて曲げ半径10mmの棒に1回巻き付
けた時の光保持率を求めたところ、POF素線では70
%の保持率であり、ケーブルでは62%の保持率を示し
た。
【0025】(比較例1)芯材樹脂及び鞘材樹脂として
実施例1に記載のものと同じを用いた。これらの2種類
の樹脂を押出機で芯/鞘層2層同時に紡糸できる複合紡
糸ダイを用いて芯径980μm、鞘10μmの厚さに被
覆して外径1.0mmのプラスチック光ファイバ裸線を
得た。伝送損失は650nm単色光にて125dB/k
mであった。このPOF裸線と、さらに裸線の上に実施
例1と同様に難燃ポリエチレンを被覆して得た外径2.
2mmのPOFケーブルについて曲げロスを計った。測
定は励振NA0.15ラジアンの光源を用いて曲げ半径
10mmの棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたと
ころ、POF裸線では75%の保持率を示し、POFケ
ーブルでは31%の保持率しか示さなかった。
実施例1に記載のものと同じを用いた。これらの2種類
の樹脂を押出機で芯/鞘層2層同時に紡糸できる複合紡
糸ダイを用いて芯径980μm、鞘10μmの厚さに被
覆して外径1.0mmのプラスチック光ファイバ裸線を
得た。伝送損失は650nm単色光にて125dB/k
mであった。このPOF裸線と、さらに裸線の上に実施
例1と同様に難燃ポリエチレンを被覆して得た外径2.
2mmのPOFケーブルについて曲げロスを計った。測
定は励振NA0.15ラジアンの光源を用いて曲げ半径
10mmの棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたと
ころ、POF裸線では75%の保持率を示し、POFケ
ーブルでは31%の保持率しか示さなかった。
【0026】(比較例2)芯樹脂及び鞘樹脂として実施
例1に記載のものと同じを用いた。鞘材層に直接被覆す
るエチレン−ビニルアルコール共重合体としてはエチレ
ン共重合割合が38モル%で190℃、2160g荷重
でのMIが2g/10分の樹脂を用いた。これらの3種
類の樹脂を押出機で芯/鞘層/被覆層の3層同時に紡糸
できる複合紡糸ダイを用いて、ダイスの温度260℃
で、芯970μm、鞘10μm、第3層を5μmの厚さ
に被覆して外径1.0mmのプラスチック光ファイバ素
線を得た。
例1に記載のものと同じを用いた。鞘材層に直接被覆す
るエチレン−ビニルアルコール共重合体としてはエチレ
ン共重合割合が38モル%で190℃、2160g荷重
でのMIが2g/10分の樹脂を用いた。これらの3種
類の樹脂を押出機で芯/鞘層/被覆層の3層同時に紡糸
できる複合紡糸ダイを用いて、ダイスの温度260℃
で、芯970μm、鞘10μm、第3層を5μmの厚さ
に被覆して外径1.0mmのプラスチック光ファイバ素
線を得た。
【0027】この場合、直接被覆層としてのエチレン−
ビニルアルコール共重合体のエチレン共重合割合が38
モル%と低すぎて且つMIが2g/10分と高溶融点の
ものであるので、POF素線の表面は平滑でなくてとこ
ろどころに孔状の欠陥が見られた。また、伝送損失は6
50nm、単色光にて160dB/kmであった。この
プラスチック光ファイバ素線と素線の上に実施例1と同
様に難燃ポリエチレン樹脂を被覆して得た外径2.2m
mのPOFケーブルについて曲げロスを計った。測定は
励振NA0.15ラジアンの光源を用いて曲げ半径10
mmの棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたとこ
ろ、素線でも50%の保持率であり、ケーブルでは28
%の保持率しか示さなかった。
ビニルアルコール共重合体のエチレン共重合割合が38
モル%と低すぎて且つMIが2g/10分と高溶融点の
ものであるので、POF素線の表面は平滑でなくてとこ
ろどころに孔状の欠陥が見られた。また、伝送損失は6
50nm、単色光にて160dB/kmであった。この
プラスチック光ファイバ素線と素線の上に実施例1と同
様に難燃ポリエチレン樹脂を被覆して得た外径2.2m
mのPOFケーブルについて曲げロスを計った。測定は
励振NA0.15ラジアンの光源を用いて曲げ半径10
mmの棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたとこ
ろ、素線でも50%の保持率であり、ケーブルでは28
%の保持率しか示さなかった。
【0028】(実施例2)芯材として重量平均分子量1
0万のPMMAを用い、鞘材として長鎖FMA(17F
MA)40%、短鎖FMA(4FMA)25% 、短鎖
FMA(3FMA)25%、MMA10%をキャスト重
合して、230℃ 3.8Kg荷重におけるMIが45
g /10分、屈折率が1.41の共重合体を用いた。
これらの2種類の樹脂を押出機で芯/鞘層2層同時に紡
糸できる複合紡糸ダイを用いて芯径950μm、鞘10
μmの厚さに被覆して外径1.0mmのプラスチック光
ファイバ裸線を得た。伝送損失は650nm単色光にて
125dB/kmであった。
0万のPMMAを用い、鞘材として長鎖FMA(17F
MA)40%、短鎖FMA(4FMA)25% 、短鎖
FMA(3FMA)25%、MMA10%をキャスト重
合して、230℃ 3.8Kg荷重におけるMIが45
g /10分、屈折率が1.41の共重合体を用いた。
これらの2種類の樹脂を押出機で芯/鞘層2層同時に紡
糸できる複合紡糸ダイを用いて芯径950μm、鞘10
μmの厚さに被覆して外径1.0mmのプラスチック光
ファイバ裸線を得た。伝送損失は650nm単色光にて
125dB/kmであった。
【0029】次いで、このPOF裸線を押出機の先端に
クロスヘッドダイの付いた電線被覆装置に導入してエチ
レン−ビニルアルコール共重合体を前記鞘材層の上に被
覆した。即ち、この押出機に、エチレン共重合割合が4
7モル%で190℃、2160g荷重でのMIが14g
/10分のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を
供給し溶融せしめ、ダイス温度200℃で、プラスチッ
ク光ファイバ裸線に厚さ15μmに成るように直接被覆
を行い、外径1.0mmのPOF素線を得た。
クロスヘッドダイの付いた電線被覆装置に導入してエチ
レン−ビニルアルコール共重合体を前記鞘材層の上に被
覆した。即ち、この押出機に、エチレン共重合割合が4
7モル%で190℃、2160g荷重でのMIが14g
/10分のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を
供給し溶融せしめ、ダイス温度200℃で、プラスチッ
ク光ファイバ裸線に厚さ15μmに成るように直接被覆
を行い、外径1.0mmのPOF素線を得た。
【0030】このPOF素線の伝送損失は650nmに
て130dB/kmであった。さらにこの素線をクロス
ヘッドダイ付きの電線被覆装置を用いて黒色低密度ポリ
エチレンを被覆して、外径2.2mmのPOFケーブル
を得た。これらのPOF裸線とPOF素線とPOFケー
ブルについて曲げによる光保持率を測定した。測定は励
振NA0.7のLED光源を用いて曲げ半径10mmの
棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたところ、裸線
では75%の保持率であり、素線では70%の保持率で
あり、ケーブルでは65%の保持率を示した。
て130dB/kmであった。さらにこの素線をクロス
ヘッドダイ付きの電線被覆装置を用いて黒色低密度ポリ
エチレンを被覆して、外径2.2mmのPOFケーブル
を得た。これらのPOF裸線とPOF素線とPOFケー
ブルについて曲げによる光保持率を測定した。測定は励
振NA0.7のLED光源を用いて曲げ半径10mmの
棒に1回巻き付けた時の光保持率を求めたところ、裸線
では75%の保持率であり、素線では70%の保持率で
あり、ケーブルでは65%の保持率を示した。
【0031】(比較例3)実施例2記載のPOF裸線を
用いて、押出機の先端にクロスヘッドダイの付いた電線
被覆装置に導入してポリエチレン樹脂を薄く被覆した。
即ち、この押出機に、高密度ポリエチレンとして190
℃、2160g荷重でのMIが0.2g/10分の高密
度ポリエチレンを供給し溶融せしめ、ダイス温度200
℃で、POF裸線に厚さ15μmに成るように被覆をお
こない、外径1.0mmの素線を得た。
用いて、押出機の先端にクロスヘッドダイの付いた電線
被覆装置に導入してポリエチレン樹脂を薄く被覆した。
即ち、この押出機に、高密度ポリエチレンとして190
℃、2160g荷重でのMIが0.2g/10分の高密
度ポリエチレンを供給し溶融せしめ、ダイス温度200
℃で、POF裸線に厚さ15μmに成るように被覆をお
こない、外径1.0mmの素線を得た。
【0032】このPOF素線の伝送損失は650nmに
て129dB/kmであった。さらにこのPOF素線を
クロスヘッドダイ付きの電線被覆を用いてダイス温度1
30℃で黒色低密度ポリエチレンを被覆して、外径2.
2mmのPOFケーブルを得た。これらのPOF裸線と
POF素線とPOFケーブルについて曲げによる光保持
率を測定した。測定は励振NA0.7のLED光源を用
いて曲げ半径10mmの棒に1回巻き付けた時の光保持
率を求めたところ、POF素線では60%の保持率しか
なく、POFケーブルでは45%の保持率しか示さなか
った。
て129dB/kmであった。さらにこのPOF素線を
クロスヘッドダイ付きの電線被覆を用いてダイス温度1
30℃で黒色低密度ポリエチレンを被覆して、外径2.
2mmのPOFケーブルを得た。これらのPOF裸線と
POF素線とPOFケーブルについて曲げによる光保持
率を測定した。測定は励振NA0.7のLED光源を用
いて曲げ半径10mmの棒に1回巻き付けた時の光保持
率を求めたところ、POF素線では60%の保持率しか
なく、POFケーブルでは45%の保持率しか示さなか
った。
【0033】
【発明の効果】以上のとおり、本発明のPOF素線及び
ケーブルは、特定のフルオロアルキルメタクリレート系
共重合体を鞘材としたPOF裸線上層に直接被覆層とし
てエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆し、且つ
鞘材層及び直接被覆層の厚さを一定範囲とすることによ
り、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最小限に抑
制できる。
ケーブルは、特定のフルオロアルキルメタクリレート系
共重合体を鞘材としたPOF裸線上層に直接被覆層とし
てエチレン−ビニルアルコール共重合体を被覆し、且つ
鞘材層及び直接被覆層の厚さを一定範囲とすることによ
り、POF素線の曲げ時の光量の伝送損失を最小限に抑
制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバ素線の断面構
造を示す模式図である。
造を示す模式図である。
【図2】本発明のプラスチック光ファイバケーブルの断
面構造を示す模式図である。
面構造を示す模式図である。
1 芯層 2 鞘層 3 直接被覆層 4 2次被覆層
Claims (3)
- 【請求項1】 芯をポリメタクリル酸メチル系樹脂、鞘
を(イ)式(1) : 【化1】 で示される長鎖フルオロアルキルメタクリレート1〜7
0重量%と(ロ)一般式(2) : 【化2】 (式中のXはH又はF、nは1〜4の整数である)で示
される短鎖フルオロアルキルメタクリレートの中から選
ばれる少なくとも1種のモノマーを1〜50重量%と
(ハ)メタクリル酸メチル5〜98重量%との共重合体
としたプラスチック光ファイバ裸線の鞘層の厚さを3μ
m〜25μmとし、鞘層に直接透明なエチレン−ビニル
アルコール共重合体で3μm〜100μmに被覆したこ
とを特徴とするプラスチック光ファイバ素線。 - 【請求項2】 直接被覆層としてのエチレン−ビニルア
ルコール共重合体は、40〜70モル%のエチレン共重
合割合及び4〜30g/10分のMIを有することを特
徴とする請求項1記載のプラスチック光ファイバ素線。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のプラスチック光
ファイバ素線の上にさらに熱可塑性樹脂の二次被覆層を
施したことを特徴とするプラスチック光ファイバケーブ
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7279824A JPH09101422A (ja) | 1995-10-04 | 1995-10-04 | プラスチック光ファイバ素線及びケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7279824A JPH09101422A (ja) | 1995-10-04 | 1995-10-04 | プラスチック光ファイバ素線及びケーブル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09101422A true JPH09101422A (ja) | 1997-04-15 |
Family
ID=17616433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7279824A Withdrawn JPH09101422A (ja) | 1995-10-04 | 1995-10-04 | プラスチック光ファイバ素線及びケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09101422A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007047371A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | プラスチック光ファイバケーブルの製造方法 |
-
1995
- 1995-10-04 JP JP7279824A patent/JPH09101422A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007047371A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | プラスチック光ファイバケーブルの製造方法 |
JP4680715B2 (ja) * | 2005-08-09 | 2011-05-11 | 三菱レイヨン株式会社 | プラスチック光ファイバケーブルの製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030107 |