JPH09100469A - 色可変マイクロカプセルおよびそれを含有する分散液 - Google Patents

色可変マイクロカプセルおよびそれを含有する分散液

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JPH09100469A
JPH09100469A JP25642095A JP25642095A JPH09100469A JP H09100469 A JPH09100469 A JP H09100469A JP 25642095 A JP25642095 A JP 25642095A JP 25642095 A JP25642095 A JP 25642095A JP H09100469 A JPH09100469 A JP H09100469A
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JP
Japan
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color
microcapsule
photochromic substance
core
microcapsules
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Application number
JP25642095A
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English (en)
Inventor
Hironori Kataoka
裕紀 片岡
Masaru Murata
勝 村田
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色変化に優れ、かつ色調にむらのない色可変マ
イクロカプセルを提供する。 【解決手段】芯部がフォトクロミック物質を含有するゲ
ル状ポリウレタン樹脂1で形成され、上記芯部がポリウ
レア樹脂製の殻部2で被覆された色可変マイクロカプセ
ルである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色変化に優れ、そ
の色調にむらのない、フォトクロミック物質を内包した
色可変マイクロカプセルおよびそれを含有する分散液に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、光照射によって可逆的な光化学変
化を起こし、色調を変化させる化合物(フォトクロミッ
ク物質)が種々開発されてきており、このフォトクロミ
ック物質を感光材、記録材料、染料、塗料等に応用する
試みがなされている。そして、上記フォトクロミック物
質を合成樹脂中に含有させた感光性樹脂の応用について
検討がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フォト
クロミック物質を均一に含有する微細な樹脂粒子組成物
を得ることは困難であり、均一な樹脂粒子組成物を得る
ために種々の検討がなされている。例えば、特公平7−
33506号公報において、特定の重合開始剤を用いる
ことによって、疎水性ビニルモノマーの重合体からなる
球状樹脂粒子中にフォトクロミック物質が含有されてな
る色可変樹脂粒子組成物が提案されている。しかし、こ
の色可変樹脂粒子組成物においても、フォトクロミック
物質の溶解性が悪いために均一に含有されず、そのため
色変化も不充分で色調にむらが生じるという問題があ
る。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、色変化に優れ、かつ色調にむらのない、色可変
マイクロカプセルおよびそれを含有する分散液の提供を
その目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、芯部がフォトクロミック物質を含有する
ゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆す
る殻部がポリウレア樹脂で形成されている色可変マイク
ロカプセルを第1の要旨とし、上記色可変マイクロカプ
セルが、水性媒体中に分散されている色可変マイクロカ
プセル分散液を第2の要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者らは、フォトクロミック
物質を内包したマイクロカプセルに着目し、このマイク
ロカプセル自身について研究を重ねた結果、芯部がフォ
トクロミック物質を含有するゲル状ポリウレタン樹脂と
するマイクロカプセルに形成すると、所期の目的であ
る、色変化に優れ、しかも色調にむらのない色可変マイ
クロカプセルが得られることを見出し本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、芯部が殻部で被覆された、芯
−殻構造からなるマイクロカプセルにおいて、上記芯部
がフォトクロミック物質を含有するゲル状ポリウレタン
樹脂で形成され、上記芯部を被覆する殻部がポリウレア
樹脂で形成されたフォトクロミック物質を内包した色可
変マイクロカプセルである。
【0007】そして、このフォトクロミック物質内包の
色可変マイクロカプセルを水性媒体中に分散された色可
変マイクロカプセル分散液は、各種利用分野に対して、
様々な使用形態で利用可能となる。
【0008】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0009】本発明の色可変マイクロカプセルは、芯部
で殻部が被覆された芯−殻構造であり、上記芯部がフォ
トクロミック物質を含有するゲル状ポリウレタン樹脂で
形成され、上記芯部を被覆する殻部がポリウレア樹脂で
形成された特殊な構造を有するマイクロカプセルであ
る。
【0010】上記芯部に含有されるフォトクロミック物
質としては、光照射時に異性化、相互異性化、イオン解
離、ラジカル解離、酸化還元、励起状態変化等のいずれ
かによって色調の変化を生じさせるものであればよい。
【0011】上記フォトクロミック物質の具体例として
は、ジメチルアミノアゾベンゼン類、サリチリデンアニ
リン類、ニトロベンジルピリジン類、スピロピラン類、
スピロオキサジン類、テトラクロル−α−ケトジヒドロ
ナフタリン類、ビス(トリフェニルイミダゾリル)類、
テトラフェニルヒドラジン類、ビアンスロン類、ピリジ
ルシドノン類、フルギド化合物類、フルギミド化合物類
等があげられる。これらは置換基の種類により色調変化
範囲が変わるものであるため、適宜決定して使用する。
上記フォトクロミック物質のなかでも、スピロピラン類
は、その光発色の効率が高く、色が鮮明でバラエティに
富んでおり、好適に使用される。
【0012】上記フォトクロミック物質は、通常、後述
の多官能性イソシアネート(油相構成成分)100重量
部(以下「部」と略す)に対して0.01〜5.0部の
範囲で配合することが好ましい。上記フォトクロミック
物質の配合量が0.01部未満では、色変化の機能を充
分に発揮せず、また、5.0部を超えると、単に過剰量
となり経済的に不利になる。
【0013】そして、本発明の色可変マイクロカプセル
は、芯部に含有される上記フォトクロミック物質に、多
官能性イソシアネート、水不溶のポリオールおよび触媒
を溶解して油相とし、これを乳化剤を添加した水(水
相)中に乳化分散させた後、油滴界面およびその内部で
反応させることにより得られる。
【0014】上記反応は、20〜40℃で0.5〜2時
間程度で反応が完了し、短時間および低温下で本発明の
色可変マイクロカプセルを製造することができる。
【0015】まず、油相を構成する各成分について述べ
る。
【0016】上記油相は、前記フォトクロミック物質
と、多官能性イソシアネートと、水不溶性のポリオール
と、触媒を用いて構成される。
【0017】上記殻部およびゲル状の芯部を形成するた
めに用いられる多官能性イソシアネートとしては、フェ
ニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリ
フェニルメタントリイソシアネート等、さらには、上記
多官能性イソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビ
ュレット変性体や、トリメチロールプロパン、ヘキサン
トリオールのようなポリオールとの付加物であるイソシ
アネートプレポリマー等があげられる。これらは単独で
もしくは2種以上併せて用いられる。
【0018】上記トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール以外のポリオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ヘキサンジオール等の脂肪
族ポリオール、キシリレングリコール等の芳香族ポリオ
ール、ハイドロキノン、カテコール等の多価フェノー
ル、あるいはこれら多価フェノールとアルキレンオキシ
ドとの縮合物、ポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール等のポリオールプレポリマー等があげられ
る。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。そして、これらポリオールのなかでも、良好な架橋
カプセルを得る点から、トリメチロールプロパンを用い
ることが好ましい。
【0019】そして、上記多官能性イソシアネートのな
かでも、無黄変型のフォトクロミック物質内包の色可変
マイクロカプセルを得ることから、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネートを用いるこ
とが好ましい。
【0020】上記多官能性イソシアネートとともに用い
られる水不溶性のポリオールとしては、具体的には、ヒ
マシ油、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオー
ル、縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエ
ステルジオール、ポリカーボネートジオール等のポリエ
ステルポリオール等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。そして、これら水不溶
性のポリオールのなかでも、反応性という点からヒマシ
油を用いることが好ましい。上記水不溶性のポリオール
の配合量は、上記多官能性イソシアネート100部に対
して10〜300部に設定することが好ましく、特に好
ましくは50〜200部である。この水不溶性のポリオ
ールの配合量が10部未満、あるいは300部を超える
と、すなわち、上記配合量の範囲外では、目的とする芯
部がゲル状のフォトクロミック物質内包マイクロカプセ
ルを得ることが困難となる傾向がみられる。そして、こ
れら水不溶性のポリオールにおいては、水酸基を少なく
とも2個有するものを使用する必要がある。すなわち、
水酸基が1個では架橋せずに芯部がゲル化状態にはなら
ないからである。また、水に溶解するポリオールを用い
るとマイクロカプセルの生成が困難となり使用には適さ
ない。このような点から、上述の水不溶性のポリオール
が使用される。
【0021】さらに、上記多官能性イソシアネートおよ
び水不溶性のポリオールとともに用いられる触媒として
は、有機スズ化合物が用いられ、例えば、トリ−n−ブ
チルチンアセテート、n−ブチルチントリクロライド、
ジメチルチンジクロライド、ジブチルチンジラウレー
ト、トリメチルチンハイドロオキサイド等があげられ
る。これら触媒はそのまま用いてもよいし、酢酸エチル
等の溶剤に、濃度が0.1〜20重量%(以下「%」と
略す)となるように溶解して、油相中、イソシアネート
成分である多官能性イソシアネート100部に対して、
固形分として0.01〜1部となるよう添加してもよ
い。このように、上記触媒の配合量は、そのまま、ある
いは溶剤に溶解した状態のいずれの場合においても、固
形分として、多官能性イソシアネート100部に対して
0.01〜1部となるように設定することが好ましく、
特に好ましくは0.05〜0.5部である。すなわち、
触媒の配合量が、0.01部未満のように少な過ぎる
と、芯部のゲル状ポリウレタン樹脂が形成されるまで
に、多官能性イソシアネートが殻部の形成反応に使用さ
れて先に殻部が形成されてしまい、逆に1部を超える
と、芯部の形成が極端に速くなり、目的とするフォトク
ロミック物質内包マイクロカプセルが得られ難いという
傾向がみられるからである。
【0022】上記触媒を添加することにより、油相中の
多官能性イソシアネートと水不溶性のポリオールとの反
応が、多官能性イソシアネートと、水相中の水との反応
よりも速やかに反応する。したがって、芯−殻構造のマ
イクロカプセルの形成において、芯部が、フォトクロミ
ック物質を含有するゲル状のポリウレタン樹脂に形成さ
れ、その芯部の外周(殻部)がポリウレア樹脂に形成さ
れることから、本発明の特殊な構造を有するフォトクロ
ミック物質内包マイクロカプセルが得られる。
【0023】ついで、上記油相を乳化分散させる水相に
ついて述べる。
【0024】上記水相に添加される乳化剤としては、ア
ニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の各水溶性高
分子物質、各種界面活性剤を用いることができる。
【0025】上記アニオン性高分子物質としては、アラ
ビアゴム、アルギン酸等の天然高分子、カルボキシメチ
ルセルロース、硫酸化セルロース、フタル化ゼラチン等
の半合成高分子、カルボキシ変性ポリビニルアルコー
ル、スチレンスルホン酸系重合体および共重合体、無水
マレイン酸系共重合体等の合成高分子があげられる。
【0026】上記カチオン性高分子物質としては、カチ
オン化デンプン等があげられる。
【0027】上記ノニオン性高分子物質としては、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、キサンタンガム等があげられ、上記両性
高分子物質としては、ゼラチンがあげられる。
【0028】さらに、上記各種界面活性剤としては、ラ
ウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤、アル
キルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性
剤、アルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の
両性界面活性剤があげられる。
【0029】そして、これら乳化剤は、一般に、水に対
して、水溶液濃度が1〜20%となるよう添加して調製
し、水相とする。
【0030】本発明の色可変マイクロカプセル分散液
は、例えば、つぎのようにして製造される。すなわち、
上述の各成分を用いて、油相液および水相をそれぞれ調
製する。そして、上記調製した油相液を、上記水相に加
え、所定の条件で攪拌し反応させることにより、芯部が
殻部で被覆された芯−殻構造で、しかも、上記芯部がフ
ォトクロミック物質を含有するゲル状ポリウレタン樹脂
で形成され、上記殻部がポリウレア樹脂で形成された特
殊構造の色可変マイクロカプセルが、水性媒体中に分散
された色可変マイクロカプセル分散液が製造される。つ
づいて、この分散液から所定の方法によって水分を分離
することにより色可変マイクロカプセルが得られる。
【0031】上記のようにして得られた本発明の色可変
マイクロカプセル分散液において、分散液中の色可変マ
イクロカプセルの含有量は、後述の各種基材に塗布、噴
霧および含浸させて用いる際の期待する色の鮮明性を考
慮して、分散液中2〜70%の範囲に設定することが好
ましい。
【0032】上記油相液と水相との混合割合は、重量比
で、油相1に対して水相0.5〜50となるように設定
することが好ましい。特に好ましくは油相1に対して水
相0.8〜1.5である。すなわち、油相1に対して水
相が0.5未満では、水を連続相とすることが困難であ
る。また、水相が50を超えると、マイクロカプセル濃
度の低過ぎる製品しか得られないという傾向がみられる
からである。
【0033】上記攪拌条件としては、一般に、500〜
5000rpmに設定され、特に好ましくは1000〜
3000rpmである。さらに、上記反応条件として
は、前述のように、20〜40℃で0.5〜2時間程度
の短時間に設定される。
【0034】また、色可変マイクロカプセル分散液中か
ら水分を分離して色可変マイクロカプセルを得る方法と
しては、特に限定するものではなく、従来公知の方法、
例えば、遠心分離法、加圧濾過法、減圧吸引濾過法等が
あげられる。さらに、上記分離により得られた色可変マ
イクロカプセルを、従来公知の方法、例えば、加熱乾
燥、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等によって適宜に乾
燥してもよい。
【0035】このように、特殊な色可変マイクロカプセ
ルが得られる生成機構について、本発明者らは、一連の
マイクロカプセルの研究により得た知見から、つぎのよ
うに推察している。すなわち、上記油相を構成する成分
の一つである触媒の存在により、この触媒を含有する油
相液を水相に添加し攪拌すると、油相中の多官能性イソ
シアネートと水不溶性のポリオールとの反応が、多官能
性イソシアネートと水との反応よりも速やかに反応す
る。このため、芯−殻構造のマイクロカプセルの形成に
おいて、まず、芯部となるフォトクロミック物質を含有
するゲル状のポリウレタン樹脂が反応生成し、その後、
その表面で、多官能性イソシアネートと水とが反応して
ポリウレア樹脂が反応生成して殻部が形成されるものと
考えられる。
【0036】さらに、本発明の色可変マイクロカプセル
の他の製法として、下記に示す製法もあげられる。すな
わち、有機スズ化合物を含有する前記油性液を、少なく
とも2個のアミノ基を有する多価アミン化合物および乳
化剤を含有する水性液に添加して乳化分散させる方法で
ある。この方法によると、上記水性液中に多価アミンを
含有するため、油滴界面において、油相中の多官能性イ
ソシアネートと水性液中の多価アミンとが極めて速く反
応して、ポリウレア樹脂製の殻部が形成され、遅れて、
有機スズ化合物の触媒作用により、多官能性イソシアネ
ートと水不溶性ポリオールとが反応して、殻部の内部の
ゲル化が始まり、フォトクロミック物質を含有するゲル
状ポリウレタン樹脂製芯部が形成され、上記フォトクロ
ミック物質含有のゲル状ポリウレタン樹脂からなる芯部
が殻部で被覆された本発明のフォトクロミック物質内包
の色可変マイクロカプセルが得られる。
【0037】このようにして得られる本発明の色可変マ
イクロカプセルの模式図を図1に示す。図示のように、
芯部であるフォトクロミック物質を含有するゲル状ポリ
ウレタン樹脂1の外周を、ポリウレア樹脂製の殻部2に
よって被包された、芯−殻構造となっている。また、本
発明の色可変マイクロカプセルの粒子径については特に
限定するものではないが、一般に、0.5〜500μm
の範囲に設定される。
【0038】本発明の色可変マイクロカプセルにおい
て、芯部がゲル化状態であることは、得られた色可変マ
イクロカプセルの断面を電子顕微鏡で観察することによ
り確認することができる。また、得られた色可変マイク
ロカプセルを用いて溶媒により残存水不溶性ポリオール
の抽出操作を行った結果、抽出物が得られないことか
ら、水不溶性のポリオールが多官能性イソシアネートと
完全に反応し、内部がゲル化状態となっていると判断さ
れる。さらに、フォトクロミック物質と、多官能性イソ
シアネートと、水不溶性のポリオールと、触媒を、20
〜40℃で混合し、0.5〜2時間放置すると流動性が
なくなりゲル化状態となることからも推察される。
【0039】そして、本発明においては、色可変マイク
ロカプセル自身をそのまま、あるいはこの色可変マイク
ロカプセル含有分散液を、感光材、記録材料、染料、塗
料等に利用することができる。
【0040】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0041】
【実施例1】スピローム68NM(亜南香料産業社製、
1,3,3−トリメチル−6′−ニトロ−8′−メトキ
シスピロ〔インドリ−2,2′−ベンゾピラン〕)(フ
ォトクロミック物質)0.6部、ヘキサメチレンジイソ
シアネートとトリメチロールプロパンの付加物(日本ポ
リウレタン社製、コロネートHL)120部(イソシア
ネート成分)、ジブチルチンジラウレート(触媒)の1
0%酢酸エチル溶液1部、ヒマシ油120部(水不溶性
のポリオール)を混合溶解して油相液を調製した。つい
で、この油相液を、25℃の部分ケン化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業社製、ゴーセノールKM−1
1、ケン化度80%)の10%水溶液350部に加え、
オートホモミキサー(特殊機化工業社製)により100
0rpmで5分間攪拌することにより乳化液を得た。引
き続き、この乳化液を、25℃で1.5時間、100〜
500rpmで攪拌し反応を完結させることによりスピ
ローム68NM内包のマイクロカプセル分散液を得た。
このマイクロカプセルの粒子を遠心分離により取り出
し、電子顕微鏡(日本電子社製、JSM−T300)で
観察したところ、粒子径5μmの粒子が観察された。さ
らに、このマイクロカプセルを割ったものを電子顕微鏡
で観察したところ、芯部がゲル化状態であることが確認
された。このことから、スピローム68NMを含有する
ゲル状のポリウレタン樹脂(芯部)が、ポリウレア樹脂
製の殻部によって被包された芯−殻構造をとる特殊マイ
クロカプセルであることがわかる(図1参照)。
【0042】また、得られたスピローム68NM(フォ
トクロミック物質)内包マイクロカプセルを用い、テト
ラヒドロフランにて残存ヒマシ油(水不溶性のポリオー
ル)の抽出操作を行ったところ、ヒマシ油は検出されな
かった。この結果からも、ヒマシ油が芯部に存在せず、
イソシアネート成分と完全に反応しており、芯部がゲル
状のポリウレタン樹脂であることがわかる。
【0043】さらに、上記調製した油相液を、25℃で
1.5時間そのまま放置したところ、流動性がなくなり
ゲル化状態となった。
【0044】これらのことから、実施例1で得られたス
ピローム68NM(フォトクロミック物質)内包マイク
ロカプセルの、芯部はゲル化していることは明らかであ
る。
【0045】
【実施例2〜6】スピローム68NM(フォトクロミッ
ク物質)、イソシアネート成分、触媒および水不溶性の
ポリオールとして、下記の表1に示す材料を同表に示す
割合で用い、上記実施例1と同様にして目的とするスピ
ローム68NM(フォトクロミック物質)内包マイクロ
カプセル分散液を作製した。そして、得られたスピロー
ム68NM(フォトクロミック物質)内包マイクロカプ
セルを遠心分離により取り出して、実施例1と同様、電
子顕微鏡の観察により粒子径を測定し下記の表1に併せ
て示した。
【0046】また、実施例1と同様にしてマイクロカプ
セルを割り電子顕微鏡写真を撮ったところ、いずれも芯
部がゲル化していることが確認された。さらに、上記と
同様にして、水不溶性のポリオールの抽出操作、および
油相液のみを反応させたところ、実施例1と同様の結果
が得られた。これらのことから、実施例2〜6のスピロ
ーム68NM(フォトクロミック物質)内包マイクロカ
プセルの、芯部はゲル化していることは明らかである。
【0047】
【表1】
【0048】
【比較例】スピローム68NM(フォトクロミック物
質)1.0部を、メタクリル酸メチル100部に加え攪
拌した。ただし、フォトクロミック物質の一部はどのよ
うにしても溶解しなかったが、上記実施例と比較するた
め、つぎの工程でフォトクロミック物質を含む樹脂粒子
を調製した。
【0049】ついで、1リットルのオートクレーブにポ
リビニルアルコール(日本合成化学工業社製、ゴーセノ
ールGL−05)50部を溶解した水500部を加えて
ポリビニルアルコール水溶液を調製した。一方、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.3
部を、上記スピローム68NMを含むメタクリル酸メチ
ル溶液に溶解した後、これを上記ポリビニルアルコール
水溶液に加え、攪拌下80℃で7時間重合することによ
り、平均粒径10μmのポリメタクリル酸メチル粒子を
作製した。
【0050】このようにして得られた各実施例および比
較例のマイクロカプセルを含有した水性分散液に対し
て、室内光における色調と、日光や紫外線照射後の色調
変化を観察し、その結果を下記の表2に示した。なお、
表2における評価として、「色」とは屋内で日光に照ら
した際の最終的な色を示し、「変色性」においては日光
照射時に2分以内に変色が生じる場合を○として表示し
た。また、「色むら」においては、色むら(色の濃淡)
のある場合を×、色むらのない場合を○として表示し
た。
【0051】
【表2】
【0052】上記表2の結果から、実施例および比較例
ともその変色性においては良好な結果が得られたが、色
むらに関しては全ての実施例では色むらが生じず問題が
無かったのに対して、比較例では色むらが発生した。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明は、フォトクロミ
ック物質を含有するゲル状ポリウレタン樹脂からなる芯
部が、ポリウレア樹脂からなる殻部で被覆された特殊な
芯部構造を有するフォトクロミック物質を内包した色可
変マイクロカプセルである。このような特殊な芯部構造
をとることにより、色変化に優れ、しかも色調にむらの
ない色可変マイクロカプセルが得られる。したがって、
本発明の色可変マイクロカプセルは、種々の添加剤とし
て有用であり、その取扱いも便利なものである。本発明
の色可変マイクロカプセルの用途として、色調の変化に
より装飾性を付与できる材料、例えば、パウダー、ファ
ウンデーション、ケーキ、アイシャドー等の化粧料や装
飾用の材料として有用であり、更に他の用途への使用も
期待できる。特に、本発明のフォトクロミック物質を内
包した色可変マイクロカプセル含有分散液は、各種用途
に対して、様々な形態で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色可変マイクロカプセルの一例を模式
的に示す断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯部がフォトクロミック物質を含有する
    ゲル状ポリウレタン樹脂で形成され、上記芯部を被覆す
    る殻部がポリウレア樹脂で形成されていることを特徴と
    する色可変マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の色可変マイクロカプセル
    が、水性媒体中に分散されていることを特徴とする色可
    変マイクロカプセル分散液。
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