JPH0899924A - ジフルオロメチル基を有する光学活性なビフェニルアルコール誘導体、その合成中間体、及びそれらの製造法 - Google Patents

ジフルオロメチル基を有する光学活性なビフェニルアルコール誘導体、その合成中間体、及びそれらの製造法

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JPH0899924A
JPH0899924A JP23610794A JP23610794A JPH0899924A JP H0899924 A JPH0899924 A JP H0899924A JP 23610794 A JP23610794 A JP 23610794A JP 23610794 A JP23610794 A JP 23610794A JP H0899924 A JPH0899924 A JP H0899924A
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JP23610794A
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Yutaka Honda
裕 本田
Noriyuki Saito
則之 斉藤
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ジフルオロメチル基を有する光学活性なビフェ
ニルアルコール誘導体、その合成中間体、及びそれらの
製造法を提供する。 【構成】光学活性2−ジフルオロメチル−2−(4'−
メトキシビフェニル)酢酸にトリメチルシリルジアゾメ
タンを反応させてそのメチルエステルとし、三臭化ホウ
素で処理して2−ジフルオロメチル−2−(4'−ヒド
ロキシビフェニル)酢酸メチルとし、3,4−ジヒドロ
−2H−ピランを反応させて2−ジフルオロメチル−2
−(4'−テトラヒドロピラニルオキシビフェニル)酢
酸メチルとし、水素化アルミニウムリチウムで還元して
2−ジフルオロメチル−2−(4'−テトラヒドロピラ
ニルオキシビフェニル)エタノールとし、水素化ナトリ
ウム及びヘキシルヨーダイドを反応させてヘキシルオキ
シ化し、ピリジニウムパラトルエンスルホネートで処理
して2−ジフルオロメチル−2−(4'−ヒドロキシビ
フェニル)−1−ヘキソキシエタンとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電性液晶として有
用な、ジフルオロメチル基を有する光学活性なビフェニ
ルアルコール誘導体、その合成中間体、及びそれらの製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶は高速応答性・広視野角性
及びメモリー性という特長を有するため、これを単純マ
トリックス駆動による大画面表示可能なディスプレイ用
液晶材料へ応用する研究が進められている。実用的な強
誘電性液晶としては、従来、低粘性でSc相を持つベー
ス液晶に、目的の特性が得られるよう数種のドーパント
を添加して調製した強誘電性液晶組成物が知られている
(MOLECULARCRYSTALS AND LI
QUID CRYSTALS、第89巻、327〜32
8頁、1982年)。これらのドーパントのうち、強誘
電性を持たせるために添加される高自発分極を有するド
ーパントは、光学活性であることが必要である。
【0003】また最近、フッ素含有基をもつ光学活性な
芳香族化合物が高自発分極を有するドーパントの原料と
して有用であることが知られるようになった。例えば、
特開平3−294246号公報には、エステラーゼの不
斉加水分解反応を利用したβ−フェネチルアルコールエ
ステル類からのトリフルオロメチル基を有する光学活性
フェノール類の合成が開示されている。更に、日本化学
会第63春期年会要旨集1F435には、ラセミ体カル
ボン酸を光学活性アミンを用いて光学分割し、トリフル
オロメチル基を有する光学活性カルボン酸を得る方法が
報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】強誘電性を持たせるた
めに添加される高自発分極を有するドーパントを最適な
ものとするためには、種々の不斉構造を有する化合物を
試験し、検討する必要がある。しかし、従来、フッ素含
有基を有する芳香族化合物で光学活性な化合物は限られ
たものしか知られておらず、したがって、新規な構造の
光学活性体の開発が強く望まれていた。本発明は、新規
な構造の、ジフルオロメチル基を有する光学活性ビフェ
ニルアルコール誘導体及びその合成中間体、並びにそれ
らの製造法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記1)〜
9)の、ジフルオロメチル基を有する光学活性なビフェ
ニルアルコール誘導体及びその合成中間体、並びにそれ
らの製造法に関するものである。 1)一般式(I)
【化8】 〔一般式(I)中、R1はアルキル基又はアルコキシア
ルキル基を示し、*は不斉炭素を示す(以下、同
じ)。〕で表される、ジフルオロメチル基を有する光学
活性なビフェニルアルコール誘導体。
【0006】2)一般式(II)
【化9】 〔一般式(II)中、Xはハロゲン基、*は不斉炭素を
示す。〕で表される、ジフルオロメチル基を有する光学
活性なビフェニルアルコール誘導体。
【0007】3)一般式(III)
【化10】 〔一般式(III)中、R2は酸性試薬で脱離可能な有
機基を示し、R1は一般式(I)中における意味と同
じ。〕で表される、ジフルオロメチル基を有する光学活
性なビフェニルエーテル誘導体。
【0008】4)一般式(IV)
【化11】 〔一般式(IV)中、R2は一般式(III)中におけ
る意味と同じ。〕で表される、ジフルオロメチル基を有
する光学活性なアルコール誘導体。
【0009】5)一般式(V)
【化12】 〔一般式(V)中、R1はアルキル基又はアルコキシア
ルキル基を示し、R2は一般式(IV)中における意味
と同じ。〕で表される、ジフルオロメチル基を有する光
学活性なビフェニル酢酸エステル誘導体。
【0010】6)一般式(VII)
【化13】 〔一般式(VII)中、R1はアルキル基又はアルコキ
シアルキル基を示す。〕で表される、ジフルオロメチル
基を有する光学活性なビフェニル酢酸エステル誘導体。
【0011】7)下記の工程(A)、(6)及び(7)
の各工程を含む、一般式(I)のビフェニルアルコール
誘導体の製造法。 工程(A):一般式(VI)
【化14】 〔一般式(VI)中、R2は酸性試薬で脱離可能な有機
基を示し、*は不斉炭素を示す。〕の化合物から、一般
式(IV)の化合物を合成する。 工程(6):一般式(IV)の化合物に金属塩形成試薬
及びアルキル化試薬もしくはアルコキシアルキル化試薬
を反応させて、一般式(III)の化合物を合成する。 工程(7):一般式(III)の化合物を酸性試薬で処
理して、一般式(I)の化合物を合成する。
【0012】8)工程(A)が下記の(2)、(3)、
(4)、及び(5)の各工程から成るものである、上記
7)の製造法。 工程(2):一般式(VI)の化合物にアルキル化試薬
もしくはアルコキシアルキル化試薬を反応させて、一般
式(V)の化合物を合成する。 工程(3):一般式(V)の化合物を酸性試薬で処理し
て、一般式(VII)の化合物を合成する。 工程(4):一般式(VII)の化合物に保護基形成試
薬を反応させて、一般式(V)の化合物を合成する。 工程(5):一般式(V)の化合物に還元試薬を反応さ
せて、一般式(IV)の化合物を合成する。
【0013】9)一般式(I)の化合物にハロゲン化試
薬を反応させる、一般式(II)のジフルオロメチル基
を有する光学活性なビフェニルアルコール誘導体の製造
法。
【0014】原料から、本発明の一般式(I)のジフル
オロメチル基を有する光学活性なビフェニルアルコール
誘導体を得るまでの合成経路を図1にまとめた。以下、
順を追って、本発明に関わる化合物及びそれらの製造法
について説明する。
【0015】反応工程(1)について(番号は図1中に
付した番号と対応する。以下、同じ。) 原料に用いられる化合物は、前記一般式(VI)の化合
物である。この一般式の化合物は、一般式(VIII)
【化15】 〔一般式(VIII)中のR2は、一般式(VI)と同
じく酸性試薬で脱離可能な有機基を示す。〕で表される
ジフルオロメチル基を有するマロン酸誘導体を、不斉脱
炭酸酵素又は不斉脱炭酸酵素含有微生物で処理し、得ら
れる。
【0016】一般式(VI)及び(VIII)中のR2
の具体的な有機基としては、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、1−ブチル、t−ブチル(t−B
u)、シクロヘキシル等のアルキル基、ベンジル、トリ
フェニルメチル等の芳香族基置換アルキル基、アリル等
のアルケニル基、メトキシメチル、1−エトキシエチル
等のアルコキシアルキル基、テトラヒドロフラニル、テ
トラヒドロピラニル等の環状エーテル基、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニ
ル等のアルコキシカルボニル基、トリメチルシリル、t
−ブチルジメチルシリル、ジフェニルメチルシリル等が
ある。ここで用いる不斉脱炭酸酵素は、特開平5−17
6778号公報に開示されている方法を応用して製造で
きる。
【0017】一般式(VIII)で表される化合物の具
体例としては、下記に示すような、式(VIII−a)
〜(VIII−d)等の化合物がある。
【化16】
【0018】また、一般式(VI)で表される化合物の
具体例としては、次に示すような式(VI−a)〜(V
I−f)等の化合物がある。
【化17】
【0019】反応工程(2)について 一般式(VI)の化合物をアルキル化試薬又はアルコキ
シアルキル化試薬で処理すると、一般式(V)の化合物
が得られる。ここで、一般式(V)中のR3は、アルキ
ル基又はアルコキシアルキル基を示し、アルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、1−メチルプロピル、イソブチル、ターシャリーブ
チル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、イソペンチル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2
−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシ
ル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシ
ル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、イソヘ
プチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘ
プチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5
−メチルヘプチル、イソオクチル、トリフェニルメチ
ル、ジフェニルメチル、フェニルメチル等がある。
【0020】また、アルコキシアルキルとしては、メト
キシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピ
ル、1−メチル−2−メトキシメチル、2−メチル−2
−メトキシメチル、4−メトキシブチル、1−メチル−
3−メトキシプロピル、2−メチル−3−メトキシプロ
ピル、3−メチル−3−メトキシプロピル、ペンチル、
1−メチル−4−メトキシブチル、2−メチル−4−メ
トキシブチル、3−メチル−4−メトキシブチル、4−
メチル−4−メトキシブチル、メトキシヘキシル、1−
メチル−5−メトキシペンチル、2−メチル−5−メト
キシペンチル、3−メチル−5−メトキシペンチル、4
−メチル−5−メトキシペンチル、5−メチル−5−メ
トキシペンチル、エトキシメチル、2−エトキシエチ
ル、3−エトキシプロピル、1−メチル−2−エトキシ
メチル、2−メチル−2−エトキシメチル、4−エトキ
シブチル、1−メチル−3−エトキシプロピル、2−メ
チル−3−エトキシプロピル、3−メチル−3−エトキ
シプロピル、ペンチル、1−メチル−4−エトキシブチ
ル、2−メチル−4−エトキシブチル、3−メチル−4
−エトキシブチル、4−メチル−4−エトキシブチル、
エトキシヘキシル、1−メチル−5−エトキシペンチ
ル、2−メチル−5−エトキシペンチル、3−メチル−
5−エトキシペンチル、4−メチル−5−エトキシペン
チル、5−メチル−5−エトキシペンチル、トリフェニ
ルメトキシメチル等がある。
【0021】用いるアルキル化試薬あるいはアルコキシ
アルキル化試薬としては、ジアゾアルカン系試薬、アル
コール−酸触媒系試薬、ジアルキル硫酸試薬、金属塩形
成試薬とハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシア
ルキル、又はアルキルスルホネートとの混合試薬等があ
る。これらのアルキル化試薬あるいはアルコキシアルキ
ル化試薬は、式(VI)の化合物の当量以上を使用する
のが好ましい。上記ジアゾアルカン系試薬としては、ジ
アゾメタン、トリメチルシリルジアゾメタン等がアゾア
ルカン系試薬を用いる場合の溶媒としては、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトタラのヒドロフ
ラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香
族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン系
溶媒等があり、好ましくはエーテル系溶媒が用いられ
る。トリメチルシリルジアオメタン等のシリルジアゾメ
タン系を使用する場合は、量以上のアルコールを共存さ
せるとよい。アルコール−酸触媒系試薬としては、メタ
ノール−、エタノール、3−メトキシプロパノール等の
アルコールと、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホ
ン酸、硫酸、ピリミジウムパラトルエンスルホネート等
との酸触媒の混合試薬がある。
【0022】このとき用いる溶媒は、好ましくは反応試
薬に用いるアルコールと同じアルコールとする。反応温
度は室温以上、好ましくは50℃以上とする。ジアルキ
ル硫酸試薬としては、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が
あり、この場合の溶媒としては、ジエチルエーテル。ジ
イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶
媒、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン系溶媒等がある。
【0023】金属塩形成試薬とハロゲン化アルキル、ハ
ロゲン化アルコキシアルキル、アルキルスルホネート、
あるいはアルコキシアルキルスルホネートとの混合試薬
を用いる場合の金属塩形成試薬としては、水素化リチウ
ム、水素化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カルシ
ウム等の水素化金属、メチルリチウム、ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等の
アルキル金属、ソディウムアミド、リチウムジイソプロ
ピルアミド、リチウムビストリメチルシリルアミド等の
金属アミド等がある。これらの金属塩形成試薬は、式
(VI)の化合物量の当量以上を使用するのが好まし
い。
【0024】上記ハロゲン化アルキルとしては、ヨウ化
アルキル、臭化アルキル、塩化アルキル等、ハロゲン化
アルコキシアルキルとしては、ヨウ化アルコキシアルキ
ル、臭化アルコキシアルキル、塩化アルコキシアルキル
等、アルキルスルホネートとしてはアルキルメタンスル
ホネート、アルキルパラトルエンスルホネート等、アル
コキシアルキルスルホネートとしてはアルコキシアルキ
ルメタンスルホネート、アルコキシアルキルパラトルエ
ンスルホネート等がある。これらのアルキル化試薬ある
いはアルコキシアルキル化試薬は、式(VI)の化合物
量の当量以上を使用するのが好ましい。
【0025】なお、アルキル化試薬あるいはアルコキシ
アルキル化試薬の具体的な基としては、アルキル基とし
ては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、1−メチルプロピル、イソブチル、ターシャリーブ
チル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、イソペンチル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2
−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシ
ル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシ
ル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、イソヘ
プチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘ
プチル、3−メチルヘプチル、4−メチルヘプチル、5
−メチルヘプチル、イソオクチル、トリフェニルメチ
ル、ジフェニルメチル、フェニルメチル等がある。
【0026】また、アルコキシアルキルとしては、メト
キシメチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピ
ル、1−メチル−2−メトキシメチル、2−メチル−2
−メトキシメチル、4−メトキシブチル、1−メチル−
3−メトキシプロピル、2−メチル−3−メトキシプロ
ピル、3−メチル−3−メトキシプロピル、ペンチル、
1−メチル−4−メトキシブチル、2−メチル−4−メ
トキシブチル、3−メチル−4−メトキシブチル、4−
メチル−4−メトキシブチル、メトキシヘキシル、1−
メチル−5−メトキシペンチル、2−メチル−5−メト
キシペンチル、3−メチル−5−メトキシペンチル、4
−メチル−5−メトキシペンチル、5−メチル−5−メ
トキシペンチル、エトキシメチル、2−エトキシエチ
ル、3−エトキシプロピル、1−メチル−2−エトキシ
メチル、2−メチル−2−エトキシメチル、4−エトキ
シブチル、1−メチル−3−エトキシプロピル、2−メ
チル−3−エトキシプロピル、3−メチル−3−エトキ
シプロピル、ペンチル、1−メチル−4−エトキシブチ
ル、2−メチル−4−エトキシブチル、3−メチル−4
−エトキシブチル、4−メチル−4−エトキシブチル、
エトキシヘキシル、1−メチル−5−エトキシペンチ
ル、2−メチル−5−エトキシペンチル、3−メチル−
5−エトキシペンチル、4−メチル−5−エトキシペン
チル、5−メチル−5−エトキシペンチル、トリフェニ
ルメトキシメチル等がある。
【0027】金属塩形成反応の溶媒としては、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド
等のN,N−ジアルキルアシルアミド溶媒、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン系溶
媒、ジメチルスルホキシド等があり、好ましくはN,N
−ジアルキルアシルアミド溶媒を用いる。金属塩形成反
応の温度は、溶媒が液状を保つ温度であれば特に制限し
ないが、好ましくは−10℃から30℃の範囲である。
金属塩形成反応の他の条件としては、遮光下、無(もし
くは低)酸素及び無水の条件が好ましく、そうすれば分
解反応による収率低下を防止できる。
【0028】アルキル化試薬又はアルコキシアルキル化
試薬による反応の溶媒は、上記金属塩形成反応の溶媒と
同じで、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド等のN,N−ジアルキルアシルアミド
溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等
のアルカン系溶媒、ジメチルスルホキシド等があり、好
ましくはN,N−ジアルキルアシルアミド溶媒を用い
る。反応の温度は、溶媒が液状を保つ温度であれば特に
制限しないが、好ましくは−10℃から30℃の範囲で
ある。反応の他の条件としては、遮光下、無(もしくは
低)酸素及び無水の条件が好ましく、そうすれば分解反
応による収率低下を防止できる。
【0029】一般式(V)で表される化合物の具体例と
しては、下記化7中、式(V−a)〜式(V−g)の化
合物等がある。
【化18】
【0030】反応工程(3)について 一般式(V)の化合物中のR2がメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、1−ブチル、シクロヘキシル等の
アルキル基、あるいはアリル等のアルケニル基の場合
は、これをベンジル、トリフェニルメチル等の芳香族基
置換アルキル基、メトキシメチル、1−エトキシエチル
等のアルコキシアルキル基、テトラヒドロフラニル、テ
トラヒドロピラニル等の環状エーテル基、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニ
ル等のアルコキシカルボニル基、トリメチルシリル、t
−ブチルジメチルシリル、ジフェニルメチルシリル等の
シリル基、又はt−ブチル基等に置き換える操作を行な
う。以下は、その操作についての説明である。
【0031】一般式(V)の化合物を酸性試薬で処理す
ると、R2が外れ、一般式(VII)の化合物が得られ
る。ここで一般式(VII)中のR3は、一般式(V)
中と同じである。
【0032】用いる酸性試薬としては、三ヨウ化ホウ
素、三臭化ホウ素、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、三
ヨウ化アルミニウム、三臭化アルミニウム、三塩化アル
ミニウム、三ヨウ化鉄、三臭化鉄、三塩化鉄、三フッ化
鉄、二ヨウ化鉄、二臭化鉄、二塩化鉄、二フッ化鉄等の
ルイス酸性を有するハロゲン化金属、ヨウ化水素、臭化
水素、塩化水素、フッ化水素等のハロゲン化水素、ヨウ
化水素酸、臭化水素酸、塩化水素酸、フッ化水素酸、燐
酸、ホウ酸、硫酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、クエン酸等の無機酸又は有機酸、ピリジニウムパラ
トルエンスルホネート、ピリジニウムメタンスルホネー
ト等のアンモニウムスルホネート等がある。これら酸性
試薬の使用量は特に制限しないが、好ましくは触媒量で
使用する。
【0033】この反応の溶媒としては、ハロゲン化金属
を酸性試薬として用いる場合にはジクロロメタン、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶
媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テト
ラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエ
ン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の
アルカン系溶媒等があり、好ましくはハロゲン系溶媒で
ある。無機酸または有機酸又はアンモニウムスルホネー
トを酸性試薬として用いる場合には水、アルコール等の
プロトン性溶媒を共存させることが好ましい。
【0034】上記の反応温度は溶媒が液状を保つ温度で
あればに特に制限しないが、好ましくは0℃〜100℃
である。上記酸性試薬による反応の他の条件としては、
酸化反応等による収率低下を防ぐために、遮光下、無
(又は低)酸素の条件が好ましい。
【0035】一般式(VII)で表される化合物の具体
例としては、下記に示すような式(VII− a)〜(VII−d)の化合物等がある。
【化19】
【0036】反応工程(4)について 一般式(VII)の化合物を保護基形成用試薬で処理す
ると、一般式(V)の化合物が得られる。上記保護基形
成試薬としては、アルケン−酸触媒混合試薬、ジアルキ
ル硫酸試薬、金属塩形成試薬とハロゲン化合物もしくは
スルホネート化合物との混合試薬等がある。これら保護
基形成試薬は、一般式(VII)の化合物量の当量以上
を使用するのが好ましい。
【0037】上記アルケン−酸触媒混合試薬に用いるア
ルケンとしては、イソブテン、3,4−ジヒドロ−2H
−ピラン、2,3−ジヒドロフラン、エチルビニルエー
テル等がある。
【0038】このアルケン−酸触媒混合試薬に用いる酸
触媒としては、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、
四塩化チタン、二塩化錫、三塩化鉄、二塩化マグネシウ
ム等のルイス酸性を有するハロゲン化金属及びそれらの
アミン系化合物あるいはエーテル系化合物の配位錯体、
ヨウ化水素、臭化水素、塩化水素、フッ化水素等のハロ
ゲン化水素、燐酸、ホウ酸、硫酸、硝酸、パラトルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、ギ酸、酢
酸、プロピオン酸、クエン酸等の無機酸又は有機酸、ピ
リジニウムパラトルエンスルホネート、ピリジニウムメ
タンスルホネート等のアンモニウムスルホネート等があ
る。
【0039】アルケン−酸触媒混合試薬処理の溶媒とし
ては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トル
エン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等
のアルカン系溶媒等があり、好ましくはエーテル系溶媒
である。
【0040】アルケン−酸触媒混合試薬処理の温度は、
溶媒が液状を保つ温度であればに特に制限しないが、好
ましくは−10℃〜100℃である。
【0041】上記ジアルキル硫酸試薬としては、ジメチ
ル硫酸、ジエチル硫酸等があり、溶媒としては、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ランなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの
芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどのアル
カン系溶媒等がある。
【0042】ジアルキル硫酸試薬処理の溶媒としては、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等のアル
カン系溶媒等がある。
【0043】ジアルキル硫酸試薬処理の温度は溶媒が液
状を保つ温度であればに特に制限しないが、好ましくは
−10℃〜100℃である。
【0044】前記金属塩形成試薬とハロゲン化合物もし
くはスルホネート化合物との混合試薬について、金属塩
形成試薬とその量は、前記反応工程(2)で述べた試薬
とその量と同様である。
【0045】ハロゲン化合物としては、ハロゲン化アル
キル、ハロゲン化アルコキシアルキル、ハロゲン化シラ
ン、ハロゲン化アルキルオキシカルボニル等がある。
【0046】ここでハロゲン化アルキルとしては、ヨウ
化アルキル、臭化アルキル、塩化アルキル等があり、ハ
ロゲン化アルコキシアルキルとしては、ヨウ化アルコキ
シアルキル、臭化アルコキシアルキル、塩化アルコキシ
アルキル等があり、ハロゲン化シランとしては、ヨウ化
トリアルキルシラン、臭化トリアルキルシラン、塩化ト
リアルキルシラン、ヨウ化ジアルキルアリールシラン、
臭化ジアルキルアリールシラン、塩化ジアルキルアリー
ルシラン、ヨウ化アルキルジアリールシラン、臭化アル
キルジアリールシラン、塩化アルキルジアリールシラ
ン、ヨウ化トリアリールシラン、臭化トリアリールシラ
ン、塩化トリアリールシラン等があり、ハロゲン化アル
キルオキシカルボニルとしては、ヨウ化アルキルオキシ
カルボニル、臭化アルキルオキシカルボニル、ヨウ化ア
リールオキシカルボニル、臭化アリールオキシカルボニ
ル、塩化アリールオキシカルボニル等がある。
【0047】また、スルホネート化合物としてはアルキ
ルスルホネート、アルコキシアルキルスルホネート等が
ある。
【0048】ここで、アルキルスルホネートとしては、
アルキルメタンスルホネート、アルキルパラトルエンス
ルホネート等があり、アルコキシアルキルスルホネート
としては、アルコキシアルキルメタンスルホネート、ア
ルコキシアルキルパラトルエンスルホネート等がある。
【0049】なお、上記におけるアリールとしては、フ
ェニル、パラアルキルフェニル、パラアルキルオキシフ
ェニル、1−ビフェニル、2−ビフェニル、2−フリ
ル、2−ピリジル、2−チエニル等があり、また、アル
キル又はアルコキシアルキルとしては、先に反応工程
(2)で述べたアルキル試薬又はアルコキシアルキル化
試薬のアルキル又はアルコキシアルキルと同様である。
【0050】前記混合試薬処理の溶媒としては、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のN,N−ジアルキルアシルアミド溶媒、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族
炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン系溶
媒、ジメチルスルホキシド等があり、好ましくはN,N
−ジアルキルアシルアミド溶媒である。
【0051】上記混合試薬処理の温度は、溶媒が液状を
保つ温度であればに特に制限しないが、好ましくは−1
0℃〜30℃である。上記混合試薬処理の他の条件とし
ては、分解反応を防ぐために、遮光下、無(又は低)酸
素及び無水の条件が好ましい。
【0052】反応工程(5)について 一般式(V)の化合物を還元試薬で還元すると、一般式
(IV)の化合物が得られる。一般式(IV)中のR2
は一般式(V)中のR2と同じである。
【0053】還元試薬としては、水素化アルミニウムリ
チウム、水素化トリメトキシアルミニウムリチウム、水
素化ジエチルアルミニウムナトリウム、水素化アルミニ
ウム、水素化ジクロロアルミニウム、水素化ジイソブチ
ルアルムニウム等の金属水素化物がある。これら還元試
薬は、好ましくは、一般式(V)の化合物量の当量以上
を使用する。
【0054】還元反応の溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等の
エーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水
素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン系溶媒等が
あり、好ましくはエーテル系溶媒を使用する。
【0055】還元反応の温度は、溶媒が液状を保つ温度
であれば特に制限しないが、好ましくは−10℃から3
0℃の範囲である。還元反応の他の条件としては、分解
反応による収率低下を防止するため、遮光下、無(又は
低)酸素及び無水の条件が好ましい。
【0056】一般式(IV)の化合物の具体例は、下記
に示すような式(IV−a)〜(IV−e)等の化合物
がある。
【化20】
【0057】反応工程(8)について2が、ベンジル、トリフェニルメチル等の芳香族基置
換アルキル基、メトキシメチル、1−エトキシエチル等
のアルコキシアルキル基、テトラヒドロフラニル、テト
ラヒドロピラニル等の環状エーテル基、メトキシカルボ
ニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル
等のアルコキシカルボニル基、トリメチルシリル、t−
ブチルジメチルシリル、ジフェニルメチルシリル等のシ
リル基、又はt−ブチル基であるような場合の、一般式
(VI)の化合物を原料とするときは、一般式(VI)
の化合物を還元試薬で処理すると、(一般式(V)や一
般式(VII)の化合物を経由することなく)一般式
(IV)の化合物が得られる。このときの還元反応の条
件は、前記反応工程(5)で述べた条件と同様である。
【0058】反応工程(6)について 一般式(IV)の化合物を金属塩形成試薬、及びアルキ
ル化試薬もしくはアルコキシアルキル化試薬で処理する
と、一般式(III)の化合物が得られる。ここで、一
般式(III)におけるR2は一般式(IV)における
2と同じものである。
【0059】用いる金属塩形成試薬は、前記反応工程
(2)で述べた金属塩形成試薬と同様であり、その使用
量は一般式(III)の化合物量の当量以上が好まし
い。
【0060】用いるアルキル化試薬もしくはアルコキシ
アルキル化試薬は、アルキル化試薬としては、ヨウ化ア
ルキル、臭化アルキル、塩化アルキル等のハロゲン化ア
ルキル、アルキルメタンスルホネート、アルキルパラト
ルエンスルホネート等のアルキルスルホネート、硫酸ジ
アルキル等がある。また、アルコキシアルキル化試薬と
しては、ヨウ化アルコキシアルキル、臭化アルコキシア
ルキル、塩化アルコキシアルキル等のハロゲン化アルコ
キシアルキル、アルコキシアルキルメタンスルホネー
ト、アルコキシアルキルパラトルエンスルホネート等の
アルコキシアルキルスルホネート、硫酸ジアルコキシア
ルキル等がある。
【0061】これらアルキル化試薬もしくはアルコキシ
アルキル化試薬のアルキル又はアルコキシアルキルは、
前記反応工程(2)で挙げたアルキルもしくはアルコキ
シアルキルと同様である。これらアルキル化試薬もしく
はアルコキシアルキル化試薬は、一般式(III)の化
合物量の当量以上を使用するのが好ましい。その他、金
属塩形成反応及びアルキル化もしくはアルコキシアルキ
ル化反応の溶媒、反応温度及びその他の反応条件は、前
記反応工程(2)で述べた条件と同様である。
【0062】一般式(III)の化合物の具体例は、下
記に示すように式(III−a)〜(III−e)等の
化合物がある。
【化21】
【0063】反応工程(7)について 一般式(III)の化合物を酸性試薬で処理し、脱保護
(脱R2)すると、一般式(I)の化合物が得られる。
ここで、一般式(I)におけるR1は一般式(III)
におけるR1と同じである。用いる酸性試薬及びその使
用量は前記反応工程(3)で述べた試薬及びその量と同
様である。この酸性試薬処理の反応溶媒としては種々の
溶媒を使用できるが、無機酸又は有機酸あるいはアンモ
ニウムスルホネートを酸性試薬として用いる場合は、水
やアルコール等のプロトン性溶媒を共存させることが好
ましい。反応温度やその他の反応条件〔遮光下、無(も
しくは低)酸素の条件〕も、前記反応工程(3)で記述
した条件と同様である。
【0064】一般式(I)の化合物の具体例は下記に示
すように、式(I−a)〜(I−e)等の化合物があ
る。
【化22】
【0065】反応工程(9)について 一般式(I)の化合物をハロゲン化試薬で処理すると、
式(II)の化合物が得られる。ここで用いるハロゲン
化試薬としては、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン単
体、次亜塩素酸ターシャリーブチル、ヨウ化カリウム−
メタクロロ過安息香酸、塩化チオニル−塩化アルミニウ
ム、塩化第1銅−アルミナ、臭素−四塩化チタン等の活
性化試薬、ピリジニウムハイドロジェンブロミドパーブ
ロミド、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジ
ニウム トリフレート、N−フルオロピリジニウム ト
リフレート、N−フルオロ−3,5−ジクロロピリジニ
ウムトリフレート、N−フルオロ−2,4,6−トリメ
チルピリジニウム テトラフルオロボレート、N−フル
オロピリジニウム テトラフルオロボレート、N−フル
オロ−3,5−ジクロロピリジニウム テトラフルオロ
ボレート、N−フルオロ−2,6−ジクロロピリジニウ
ム テトラフルオロボレート等のN−ハロゲノピリジニ
ウム塩等が挙げられる。還元反応の溶媒としては、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳
香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン
系溶媒等があり、好ましくはエーテル系溶媒を使用す
る。
【0066】ハロゲン化反応の温度は、溶媒が液状を保
つ温度であれば特に制限しないが、好ましくは室温〜1
00℃の範囲である。ハロゲン化反応の溶媒としては、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒ
ドロフラン等のエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等のアル
カン系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲ
ン系溶媒等があり、好ましくはハロゲン系溶媒を使用す
る。ハロゲン化反応の他の条件としては、分解反応によ
る収率低下を防止するため、遮光下、無(又は低)酸素
及び無水の条件が好ましい。一般式(I)の化合物の具
体例は下記に示すように、式(II−a)〜(II−
e)等の化合物がある。
【化23】
【0067】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。
【実施例】
【0068】〈参考例〉光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−メトキシビフェニル) 酢酸の合成……反応工程(1)による式(VIII)→
式(VI)の化合物
【化24】
【0069】蒸留水1000mlにトリプトン1%、イ
ーストエキス0.5%、塩化ナトリウム1%を溶解して
作った培地で、アルカリゲネス ブロンチセプティクス
KU1201(微工研菌寄11670号)から取り出し
たDNA断片から調製した組替えプラスミドによって形
質転換された不斉脱炭酸能を有する大腸菌DH5α−M
CR/pAMD100(微工研菌寄12969号)を振
蘯培養し、遠心分離(800G、15分間、4℃)によ
り菌体4gを得た。菌体を、pH7.0のリン酸緩衝溶
液(100mM、0.5mMエチレンジアミン4酢酸、
5.0mMメルカプトエタノール)に加えて、50ml
の懸濁液とした。この懸濁液を氷冷下で20分間超音波
により粉砕した。粉砕液を遠心分離(800G、15分
間、4℃)し、上澄み液を採取した。沈殿は再粉砕後、
同様の処理を行った。上澄み液(50ml)に硫酸アン
モニウム19.5gを攪拌しながら加えて60%飽和と
し、1時間攪拌した。生じた沈殿を遠心分離(800
G、15分間、4℃)して採取し(0.56g)、これ
を10mMリン酸緩衝溶液(pH7.0、0.5mMエ
チレンジアミン4酢酸及び5.0mMメルカプトエタノ
ール含有)20mlを用いて透析チューブに移し、10
mMリン酸緩衝溶液(pH7.0、0.5mMエチレン
ジアミン4酢酸及び5.0mMメルカプトエタノール含
有)1L中、0℃で12時間透析して酵素液60mlを
得た。
【0070】500ml三角フラスコに2−ジフルオロ
メチル−2−(4’−メトキシビフェニル)マロン酸9
60.0mg(2.855mmol)を量り取り、0.
1Mリン酸緩衝溶液(pH8.0、エチレンジアミン四
酢酸0.5mM含有)600mlで溶解し、原料濃度が
5mMになるよう調製した。これに5mM2−メルカプ
トエタノール水溶液353μlと酵素液27.3mlを
加え、ガラス栓をして4℃で放置した。2日後、溶液を
濃塩酸でpH3にしてジエチルエーテルで抽出した。有
機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥した後氷冷下で減圧
濃縮して、粗結晶709mg(85.0%)を得た。こ
れをメチルエステル化して液体クロマトグラフィー〔カ
ラム:ダイセル化学製CHIRALCEL OJ、溶出
系:ヘキサン/エタノール=6/4、溶出速度1.0m
l/分、カラム温度30℃、RT(主異性体)=38.
81分、RT(副異性体)=43.01分〕で光学純度
を測定したところ92%eeであった。粗結晶を酢酸エ
チル−ヘキサンから再結晶し、光学純度98%eeの光
学活性2−ジフルオロメチル−2−(4’−メトキシビ
フェニル)酢酸449.0mg(53.8%)を得た。
【0071】性状:白色結晶 比旋光度:[α]D 27 −67.3°(c1.00,テ
トラヒドロフラン) 赤外線吸収スペクトル:ν(cm-1) 3008,2844,1728,1704,1608,
1582,1500,1466,1406,1278,
1256,1206,1180,1114,1078,
1060,1036,1012,934,884,81
4,752,680,584,536,512,43
4,364cm-1 1 H核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3,内
部標準テトラメチルシラン)3.85(s,3H,OC
3 ),4.0〜4.2(m,1H,CCF2H),
6.28(dt,1H,CF2 ,J=6.8Hz,J
=55.6Hz),6.97(d,2H,C6 4 ,J=
8.8Hz),7.42(d,2H,C6 4 ,J=8.
2Hz),7.51(d,2H,C6 4 ,J=8.8H
z),7.57(d,2H,C6 4 ,J=8.2Hz)19 F核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3
外部標準トリフルオロメチルベンゼン)−61.07
(ddd,1F,J=9.9Hz,J=55.6Hz,
J=298.0Hz),−54.64(ddd,1F,
J=9.1Hz,J=55.6Hz,J=298.0H
z)ppm
【0072】実施例1 光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−メトキシビフェニル) 酢酸メチルの合成……反応工程(2)による式(VI)
→式(V)の化合物
【化25】
【0073】光学活性2−ジフルオロメチル−2−
(4’−メトキシビフェニル)酢酸449.0mg
(1.536mmol)をジエチルエーテル10mlに
溶解し、10%−トリメチルシリルジアゾメタン/ヘキ
サン混合液5mlを滴下した。これにメタノール1ml
を注加し、室温で放置した。1時間後これを40℃で減
圧濃縮し、光学活性2−ジフルオロメチル−2−(4’
−メトキシビフェニル)酢酸メチル434.5mg(9
2.3%)を得た。
【0074】性状:白色結晶 比旋光度:[α]D 27 −90.1°(c1.00,C
HCl3) 赤外線吸収スペクトル:ν(cm-1) 3020,2964,2844,1894,1740,
1652,1608,1584,1530,1500,
1454,1442,1412,1398,1372,
1338,1316,1280,1254,1212,
1182,1140,1106,1062,1036,
1010,866,820,808,768,718,
670,584,546,524,428,366cm
−11 H核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3,内
部標準テトラメチルシラン) 3.76(s,3H,COOC3 ),3.84(s,
3H,OC3 ),4.06(ddd,1H,CCF2
H,J=6.8Hz,J=7.8Hz,J=14.5H
z),6.28(dt,1H,CF2 ,J=6.8H
z,J=55.6Hz),6.97(d,2H,C
6 4 ,J=8.8Hz),7.39(d,2H,C
6 4 ,J=8.2Hz),7.51(d,2H,C
6 4 ,J=8.8Hz),7.56(d,2H,C
6 4 ,J=8.4Hz)ppm19 F−核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDC
3,外部標準トリフルオロメチルベンゼン) −61.11(ddd,1F,J=6.8Hz,J=5
5.6Hz,J=298.6Hz),−54.48(d
dd,1F,J=6.8Hz,J=55.6Hz,J=
298.6Hz)ppm
【0075】実施例 2光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−ヒドロキシビフェニル) 酢酸メチルの合成……反応工程(3)による式(IV)
→式(VI)の化合物
【化26】
【0076】光学活性2−ジフルオロメチル−2−
(4’−メトキシビフェニル)酢酸メチル434.5m
g(1.418mmol)を窒素置換した70ml封管
に無水クロロホルム28mlで移し、アセトン−ドライ
アイスで冷却下、三臭化ホウ素0.53ml(4倍当
量)を攪拌下で加えた。−5℃まで30分で自然昇温
し、12時間冷蔵した。−20℃に冷却した反応液を酢
酸エチルで2倍に希釈し、氷冷した0.8M燐酸バッフ
ァー(63ml)に注加した。pH試験紙でpH3であ
ることを確認後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して得たオイル状
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ(溶出系ヘキサ
ン/クロロホルム/酢酸エチル=3/1/1)で精製し
光学活性2−ジフルオロメチル−2−(4’−ヒドロキ
シビフェニル)酢酸メチル379.4mg(91.5
%)を得た。
【0077】比旋光度:[α]D 22 −83.2°(c
1.00,クロロホルム) 赤外吸収スペクトル:ν(cm-1) 3440,3028,2972,1916,1704,
1612,1592,1532,1500,1444,
1418,1404,1366,1292,1272,
1232,1206,1178,1116,1082,
1058,1006,870,822,778,71
4,666,588,548,524,348.1 H核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3,内
部標準テトラメチルシラン) 3.77(s,3H,COOMe),4.07(dd
d,1H,J=6.7Hz,J=10.2Hz,J=1
2.1Hz,CHCOO),5.01(s,1H,O
H),6.28(dt,1H,J=6.7Hz,J=5
5.5Hz,CHCF2 ),6.91(d,2H,J
=8.6Hz,HO−o−C6 4 ),7.39(d,2
H,J=8.3,CHCF2H−o−C6 4 ),7.4
5(d,2H,J=8.6Hz,HO−m−C6 4 ),
7.55(d,2H,J=8.3Hz,CHCF2H−
m−C6 4 ).19 F核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3
外部標準トリフルオロメチルベンゼン) −54.50(ddd,1F,J=12.1Hz,J=
55.5Hz,J=294.0Hz),−61.06
(ddd,1F,J=10.2Hz,J=55.5H
z,J=294.0Hz)
【0078】実施例 3光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニ
ル)酢酸メチルの合成……反応工程(4)による式(V
II)→式(V)の化合物
【化27】
【0079】光学活性2−ジフルオロメチル−2−
(4’−ヒドロキシビフェニル)酢酸メチル420.5
mg(1.207mmol)を無水クロロホルム21m
lに溶解し、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン0.78
ml(6倍当量)を加えた。70℃で4時間加熱後、反
応液にピリジン0.5mlを加えて減圧濃縮して、粗オ
イル状残渣として光学活性粗2−ジフルオロメチル−2
−(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニル)酢
酸メチル1.024g(理論量541.5mg)を得
た。
【0080】1H核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,
CDCl3,内部標準テトラメチルシラン) 1.5〜2.1(m,6H,THP),3.5〜3.7
(m,1H,THP),3.76(s,3H,COOM
e),3.8〜4.0(m,1H,THP),4.05
(ddd,1H,J=6.7Hz,J=10.3,J=
11.9,CHCOO),5.47(t,1H,TH
P,J=3.0Hz),6.28(dt,1H,J=
6.7Hz,J=55.5Hz,CHCF2 ),7.
12(d,2H,J=8.7Hz,THPO−o−C6
4 ),7.38(d,2H,J=8.2Hz,CHC
2H−o−C6 4 ),7.49(d,2H,J=8.
7Hz,THPO−m−C6 4 ),7.56(d,2
H,J=8.2H,CHCF2H−m−C6 4 19 F核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3
外部標準トリフルオロメチルベンゼン) −54.51(ddd,1F,J=11.9Hz,J=
55.5Hz,J=280.6Hz),−61.06
(ddd,1F,J=10.3Hz,J=55.5H
z,J=280.6Hz)
【0081】実施例4 光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニ
ル)エタノールの合成……反応工程(5)による式
(V)→式(IV)の化合物
【化28】
【0082】水素化アルミニウムリチウム250mg
(5倍モル)の無水ジエチルエーテル66mlの懸濁液
を氷冷攪拌し、光学活性2−ジフルオロメチル−2−
(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニル)酢酸
メチル(理論量497mg、1.149mmol)の無
水ジエチルエーテル3ml溶液を滴下した。室温で1時
間攪拌後、反応液を氷冷した0.4M燐酸バッファー
(375ml)に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機
層無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ピリジン0.5ml
を加えて減圧濃縮して、光学活性粗2−ジフルオロメチ
ル−2−(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニ
ル)エタノール514.7mg(理論量459.6m
g)を得た。
【0083】1H−核磁気共鳴スペクトル:δ(pp
m,CDCl3,内部標準テトラメチルシラン) 1.5〜2.1(m、6H,THP),3.33(m,
1H,CCF2H),3.5〜4.3(m,5H,O
CH2 of THP,CHCF2HC2 O),5.4
7(t,1H,THP,J=3.0Hz),6.13
(dt,1H,J=4.1Hz,J=56.1Hz,C
HCF2 ),7.12(d,2H,J=8.7Hz,
THPO−o−C6 4 ),7.39(d,2H,J=
8.3Hz,CHCF2H−o−C6 4 ),7.45
(d,2H,J=8.7Hz,THPO−m−C
6 4 ),7.52(d,2H,J=8.3,CHCF2
H−m−C6 4 ).19 F−核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDC
3,外部標準トリフルオロメチルベンゼン) −57.83(ddd,1F,J=17.5Hz,J=
56.1Hz,J=283.4Hz),−60.21
(ddd,1F,J=13.4Hz,J=56.1H
z,J=283.4Hz)
【0084】実施例5 光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニ
ル)−1−ヘキソキシエタンの合成……反応工程(6)
による式 (IV)→式(III)の化合物
【化29】
【0085】50ml封管に水素化ナトリウム(60%
油性)79.2mg(1.5倍当量)を量り取り、氷冷
下で無水N,N−ジメチルホルムアミド44mlに懸濁
し、ヘキシルヨーダイド1.95ml(10倍当量)を
加えた。懸濁液に光学活性粗2−ジフルオロメチル−2
−(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニル)エ
タノール514.7mg(理論量459.6mg、1.
318mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド
6ml溶液を滴下し、攪拌下冷蔵した。23時間後、水
素化ナトリウム(60%油性)79.2mg(1.5倍
当量)を追加し、さらに22時間攪拌下で冷蔵し、反応
液を氷冷した0.4M燐酸バッファー(23ml)に注
加し、酢酸エチルで抽出した。有機層無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、ピリジン0.5mlを加えて減圧濃縮
し、粗オイル状残渣として光学活性2−ジフルオロメチ
ル−2−(4’−テトラヒドロピラニルオキシビフェニ
ル)−1−ヘキソキシエタン580mg(理論量57
0.6mg)を得た。
【0086】1H核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,
CDCl3,内部標準テトラメチルシラン) 1.5〜2.1(m,6H,THP),3.33(m,
1H,CCF2H),3.5〜4.3(m,5H,O
CH2 of THP,CHCF2HC2 O),5.4
7(t,1H,THP,J=3.0Hz),6.13
(dt,1H,J=4.1Hz,J=56.1Hz,C
HCF2 ),7.12(d,2H,J=8.7Hz,
THPO−o−C6 4 ),7.39(d,2H,J=
8.3Hz,CHCF2H−o−C6 4 ),7.45
(d,2H,J=8.7Hz,THPO−m−C
6 4 ),7.52(d,2H,J=8.3,CHCF2
H−m−C6 4 19 F核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3
外部標準トリフルオロメチルベンゼン) −59.56(ddd,1F,J=11.8Hz,J=
56.5Hz,J=279.1Hz),−61.89
(ddd,1F,J=21.1Hz,J=56.5H
z,J=279.1Hz)
【0087】実施例6 光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−ヒドロキシビフェニル)−1−ヘキソキ
シエタンの合成……反応工程(7)による式(II)→
式(I)の化合物
【化30】
【0088】光学活性粗2−ジフルオロメチル−2−
(4−テトラヒドロピラニルオキシビフェニル)−1−
ヘキソキシエタン630mg(理論量595.5mg、
1.377mmol)を蒸留エタノール14mlに溶解
し、アルゴン雰囲気下ピリジニウムパラトルエンスルホ
ネート34.5mg(0.1倍当量)を加えて65℃で
遮光下1時間攪拌した。反応液を食塩水で希釈後、酢酸
エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、減圧濃縮して得たオイル状残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフ(溶出系ヘキサン/酢酸エチル=4/
1、溶出系1,2−ジクロロメタン)で精製し、光学活
性2−ジフルオロメチル−2−(4−ヒドロキシビフェ
ニル)−1−ヘキソキシエタン384.0mg(80.
1%)を得た。
【0089】比旋光度[α]D 25 −7.5°(c1.
00,クロロホルム) 赤外線吸収スペクトル:ν(cm-1) 3392,3044,2928,l608,l594,
1496,1446,1404,l366,l262,
l214,l120,l072,916,814,74
0,692,518.1 H核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3,内
部標準テトラメチルシラン) 0.88(t,3H,J=7.0Hz,CH3),1.
1〜1.5(n,6H,OCH2CH22 2 2
CH3),1.56(s,2H,OCH22 CH2CH
2CH2CH3),3.4(m,1H,CCF2HC
2),3.45(t,2H,J=6.6Hz,OC2
CH2CH2CH2CH2CH3),3.80(dd,1
H,J=7.2Hz,J=9.6Hz,CHCF2HC
2 ),3.89(dd,1H,J=7.2Hz,J=
9.6Hz,CHCF2HC2 ),5.79(s,1
H,OH),6.13(dt,1H,J=3.7Hz,
J=52.8Hz,CHCF2 ),6.83(d,2
H,J=8.6Hz,HO−o−C6 4 ),7.33
(d,2H,J=8.2Hz,CHCF2H−o−C6
4 ),7.41(d,2H,J=8.6Hz,HO−m
−C6 4 ),7.47(d,2H,J=8.2,CHC
2H−m−C6 4 ).19 F核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDCl3
外部標準トリフルオロメチルベンゼン) −59.66(ddd,1F,J=12.8Hz,J=
52.8Hz,J=279.7Hz),−60.77
(ddd,1F,J=18.0Hz,J=52.8H
z,J=279.7Hz)
【0090】実施例7 光学活性2−ジフルオロメチル
−2−(4’−ヒドロキシ−3’フルオロビフェニル)
−1−ヘキソキシエタンの合成……反応工程(9)によ
る式(I)→式(II)の化合物
【化31】
【0091】光学活性4−(1−ジフルオロメチル−2
−ヘキシルオキシエチル)−4’−ヒドロキシビフェニ
ル153mg(*mmol)を1,2−ジクロロメタン
8.8mlに溶解し、N−フルオロ−3,5−ジクロロ
ピリジニウムトリフレート138.8mg加え、65℃
で1時間攪拌した。反応液にN−フルオロ−3,5−ジ
クロロピリジニウムトリフレートを28mg加え、さら
に1時間加熱攪拌した。原料の消失を確認後、反応液に
1,2−ジクロロメタン30mlを加え、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフ(溶出系1,2−ジクロロメタン)
で精製し、光学活性2−ジフルオロメチル−2−(4’
−ヒドロキシ−3’フルオロビフェニル)−1−ヘキソ
キシエタン151.2mg(94%)を得た。
【0092】1H核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,
CDCl3,内部標準テトラメチルシラン) 0.87(t,3H,J=6.7Hz,CH3),1.
0〜1.4(n,6H,OCH2CH22 2 2
CH3),1.56(dt,2H,J=7.0Hz,J
=7.0Hz,OCH22 CH2CH2CH2CH3),
3.34(m,1H,CCF2HCH2),3.47
(t,2H,J=6.6Hz,OC2 CH2CH2CH2
CH2CH3),3.80(m,2H,CHCF2HC
2 ),5.20(s,1H,OH),6.14(d
t,1H,J=3.8Hz,J=56.6Hz,CHC
2 ),7.05(dd,1H,J=8.5Hz,J
=8.8Hz,o−H of HO−C63F),7.
2〜7.3(m,2H,m−H ofHO−C6
3F),7.36(d,2H,J=8.2Hz,CHC
2H−o−C6 4 ),7.49(d,2H,J=8.
2Hz,CHCF2H−m−C6 4 ).19 F−核磁気共鳴スペクトル:δ(ppm,CDC
3,外部標準トリフルオロメチルベンゼン) −59.64(ddd,1F,J=12.1Hz,J=
56.6Hz,J=257.4Hz),−61.97
(ddd,1F,J=21.6Hz,J=56.6H
z,J=257.4Hz),−78.00(d,1F,
J=8.8Hz)
【0093】
【発明の効果】請求項1及び2のビフェニルアルコール
誘導体は新規化合物で、低粘性でSc相を持つベース液
晶に強誘電性を付与するドーパントの合成中間体として
有用である。請求項3〜6の化合物はいずれも新規化合
物で、請求項1のビフェニルアルコール誘導体の合成中
間体である。請求項7〜8の製造法により、請求項1の
ビフェニルアルコール誘導体を製造できる。請求項9の
製造法により、請求項2のビフェニルアルコール誘導体
を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学活性なビフェニルアルコール
誘導体の合成経路図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 67/31 69/63 69/65 C09K 19/08 9279−4H // C07M 7:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)〔化1〕 【化1】 〔一般式(I)中、R1はアルキル基またはアルコキシ
    アルキル基、*は不斉炭素を示す。〕で表される、ジフ
    ルオロメチル基を有する光学活性なビフェニルアルコー
    ル誘導体。
  2. 【請求項2】式(II)〔化2〕 【化2】 〔一般式(II)中、R1はアルキル基またはアルコキ
    シアルキル基、Xはハロゲン基、*は不斉炭素を示
    す。〕で表される、ジフルオロメチル基を有する光学活
    性なビフェニルアルコール誘導体。
  3. 【請求項3】式(III)〔化3〕 【化3】 〔一般式(III)中、R1はアルキル基またはアルコ
    キシアルキル基、R2は酸性試薬で脱離可能な有機基を
    示し、*は不斉炭素を示す。〕で表される、ジフルオロ
    メチル基を有する光学活性なビフェニルエーテル誘導
    体。
  4. 【請求項4】一般式(IV)〔化4〕 【化4】 〔一般式(IV)中、R2は酸性試薬で脱離可能な有機
    基を示し、*は不斉炭素を示す。〕で表される、ジフル
    オロメチル基を有する光学活性なアルコール誘導体。
  5. 【請求項5】一般式(V)〔化5〕 【化5】 〔一般式(V)中、R2は酸性試薬で脱離可能な有機基
    を示し、R3はアルキル基又はアルコキシアルキル基を
    示し、*は不斉炭素を示す。〕で表される、ジフルオロ
    メチル基を有する光学活性なビフェニル酢酸エステル誘
    導体。
  6. 【請求項6】一般式(VII)〔化6〕 【化6】 〔一般式(VII)中、R3はアルキル基又はアルコキ
    シアルキル基を示し、*は不斉炭素を示す。〕で表され
    る、ジフルオロメチル基を有する光学活性なビフェニル
    酢酸エステル誘導体。
  7. 【請求項7】下記の工程(A)、(6)及び(7)の各
    工程を含む、一般式(I)のビフェニルアルコール誘導
    体の製造法。 工程(A):一般式(VI)〔化7〕 【化7】 〔一般式(VI)中、R2は酸性試薬で脱離可能な有機
    基を示し、*は不斉炭素を示す。〕の化合物から、一般
    式(IV)の化合物を合成する。 工程(6):一般式(IV)の化合物に金属塩形成試薬
    及びアルキル化試薬もしくはアルコキシアルキル化試薬
    を反応させて、一般式(III)の化合物を合成する。 工程(7):一般式(III)の化合物を酸性試薬で処
    理して、一般式(I)の化合物を合成する。
  8. 【請求項8】工程(A)が下記の(2)、(3)、
    (4)、及び(5)の各工程から成るものである、請求
    項7の製造法。 工程(2):一般式(VI)の化合物にアルキル化試薬
    もしくはアルコキシアルキル化試薬を反応させて、一般
    式(V)の化合物を合成する。 工程(3):一般式(V)の化合物を酸性試薬で処理し
    て、一般式(VII)の化合物を合成する。 工程(4):一般式(VII)の化合物に保護基形成試
    薬を反応させて、一般式(V)の化合物を合成する。 工程(5):一般式(V)の化合物に還元試薬を反応さ
    せて、一般式(IV)の化合物を合成する。
  9. 【請求項9】請求項1の化合物にハロゲン化試薬を反応
    させる、請求項2のジフルオロメチル基を有する光学活
    性なビフェニルアルコール誘導体の製造法。
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