JPH0899478A - 印刷用版材およびその製造方法 - Google Patents

印刷用版材およびその製造方法

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JPH0899478A
JPH0899478A JP11627595A JP11627595A JPH0899478A JP H0899478 A JPH0899478 A JP H0899478A JP 11627595 A JP11627595 A JP 11627595A JP 11627595 A JP11627595 A JP 11627595A JP H0899478 A JPH0899478 A JP H0899478A
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Kazuo Nozu
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Ichiji Takahashi
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Masayoshi Furukawa
正義 古川
Shigeki Kanbara
茂樹 蒲原
Osamu Majima
修 眞島
Soichi Kuwabara
宗市 桑原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザー光により彫刻可能な印刷用版材にお
いて、レーザー光に対する感度、耐久性、耐刷性、耐擦
傷性を高める。 【構成】 ニトロセルロース、カーボンブラックなどの
光吸収体およびポリウレタンエラストマーを含む感光層
を支持体上に形成することにより、低いレーザーエネル
ギーで表面に凹凸を形成できる耐擦傷性の高い印刷用版
材を得る。ニトロセルロースの窒素含量は11〜12.
5%、溶液粘度は1〜1/8秒程度である。ポリウレタ
ンエラストマーは、ポリエステルポリオールとポリイソ
シアネーと鎖延長剤との反応により得ることができる。
ポリウレタンエラストマー100重量部に対するニトロ
セルロースの使用量は5〜300重量部、光吸収体の使
用量は0.5〜50重量部程度である。感光層のガラス
転移温度は25℃以上であってもよい。また、感光層は
可塑剤を含んでいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光により彫刻
可能な印刷用版材およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレンにカーボンブラック
を混合し、シート化したレーザー彫刻印刷用版材が知ら
れている。しかし、表面に凸凹を形成するためには、高
エネルギーのレーザー光が必要である。そのため、低エ
ネルギーレーザー光を用いて表面に凹凸を形成できる印
刷用版材は現在のところ実用化されていない。
【0003】一方、感度を高めるため、ニトロセルロー
スを含む記録材料も知られているが、印刷用版材として
の強度が十分でない。例えば、特公昭51−35144
号公報には、ニトロセルロースとカーボンブラックとを
含む感光材料を支持体に塗布し、感光層を塗布した支持
体の背面からレーザー光を照射して画像を形成すること
が開示されている。この先行文献には、前記感光層上の
インキにより印刷する例が開示されている。しかし、こ
の感光層の膜強度は不十分であり、印刷用版材として実
用的ではない。
【0004】特公昭51−6569号公報には、自己酸
化性バインダーとしてのニトロセルロース、レーザーエ
ネルギーを吸収する粒子としてのカーボンブラック、お
よび架橋剤(交差結合剤)としてのメラミン樹脂を含む
感光材料からなる被膜が形成された像形成プリント板が
開示されている。この文献には、結合樹脂としてアルキ
ド樹脂、メチルメタクリレート樹脂、ブチラール樹脂、
エポキシ樹脂、ノボラック樹脂を併用した例も記載され
ている。しかし、この文献に記載の感光材料は、支持体
に塗布した感光層と、表面親水化処理のためアルミニウ
ム板に塗布したポリビニルアルコール層とを予め密着さ
せ、前記支持体の背面からレーザー光を照射して、照射
部位に対応する画像をアルミニウム板に転写させること
により、平版印刷版を得るために用いられている。従っ
て、前記感光層に印刷インキを直接転移させて印刷する
版材ではない。さらに、前記感光材料により形成される
感光層の膜強度が不十分であるため、直接、印刷用版材
として使用するのは困難である。
【0005】WO90/12342に対応する特表平4
−506709号公報には、赤外線を吸収する増感剤、
分解性バインダーとしてポリウレタンを含む組成物を用
いたイメージング材料が開示されている。しかし、この
文献に記載されている材料は、分解性バインダーの一部
が熱により分解することにより、残存するバインダーと
色素とをレセプターシートへ転写させて反転画像を形成
する一種の熱転写カラーイメージング材料であり、感光
層に印刷インキを直接転移させて印刷する版材ではな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低いレーザーエネルギーでも彫刻可能であるととも
に、レーザ光により凹凸が形成された表面に直接インキ
を転移させても印刷可能であり、耐久性および耐刷性に
優れた印刷用版材およびその製造方法を提供することに
ある。
【0007】本発明の他の目的は、レーザー光に対する
感度(熱分解性)が高く、エラストマーを含むにも拘ら
ず、耐擦傷性および耐ブロッキング性に優れる感光層を
有する印刷用版材およびその製造方法を提供することに
ある。
【0008】本発明のさらに他の目的は、高い耐擦傷性
および耐ブロッキング性を維持しつつ、レーザー光に対
する感度を高めることができる感光層を備えた印刷用版
材およびその製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、前記の如く優れた特
性を有する感光層を形成する上で有用な組成物を提供す
ることにある。
【0010】本発明のさらに別の目的は、保存時には感
光層のブロッキングを防止できるとともに、印刷時にゴ
ム弾性を有効に発現させることができる印刷方法を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、ニトロセルロース、光
吸収体およびバインダー樹脂としてのポリウレタンエラ
ストマーを含む感光層を支持体に形成すると、レーザー
光による熱分解性が高く、感光層の皮膜強度、耐擦傷性
に優れた印刷用版材が得られることを見いだし、本発明
を完成した。
【0012】すなわち、本発明の印刷用版材は、ニトロ
セルロース、光吸収体およびポリウレタンエラストマー
を含む感光層と、この感光層が形成される支持体とで構
成されている。ニトロセルロースとしては、レーザー光
により熱分解可能な種々のニトロセルロース、例えば、
窒素含量10〜14%、重合度10〜1500、JIS
K6703に規定する溶液粘度20〜1/10秒程度
のニトロセルロースが使用できる。光吸収体にはカーボ
ンブラックなどが含まれ、ポリウレタンエラストマーに
は、400%以上の伸び率、−10℃以下のガラス転移
温度を有するポリウレタンエラストマーなどが含まれ
る。印刷用版材の感光層は可塑剤を含んでいてもよい。
【0013】このような印刷用版材は、例えば、ニトロ
セルロース、光吸収剤、ポリウレタンエラストマー、お
よび必要に応じて可塑剤を含む塗布液を、フィルムなど
の支持体に塗布し、レーザー光により彫刻可能な感光層
を形成することにより製造できる。
【0014】なお、本明細書において、「フィルム」と
は特に言及しない限りシートをも含む意味に用いる。
【0015】本発明の印刷用版材は、ニトロセルロー
ス、光吸収体およびポリウレタンエラストマーを含む感
光層と、支持体とで構成されている。感光層に含まれる
ニトロセルロースの種類は、熱分解可能である限り特に
制限されず、RS(regular soluble)タイプ,SS(s
pirit soluble)タイプ及びAS(alcohol soluble)タ
イプのいずれであってもよい。。前記ニトロセルロース
の窒素含量は、通常、10〜14%程度、好ましくは1
1〜12.5%、さらに好ましくは11.5〜12.2
%程度である。ニトロセルロースの重合度も、例えば、
10〜1500程度の広い範囲で選択できる。好ましい
ニトロセルロースの重合度は、例えば、10〜900、
特に15〜150程度である。好ましいニトロセルロー
スには、JIS K6703「工業用ニトロセルロー
ス」(ハーキュレスパウダー社の粘度表示法)による溶
液粘度が20〜1/10秒、好ましくは10〜1/8秒
程度のニトロセルロースが含まれる。ニトロセルロース
としては、溶液粘度5〜1/8秒、特に1〜1/8秒程
度のニトロセルロースを用いる場合が多い。ニトロセル
ロースは、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0016】ニトロセルロースの使用量は、感光層の感
度を低下させない範囲で選択でき、例えば、ポリウレタ
ンエラストマー100重量部に対して、5〜300重量
部、好ましくは20〜250重量部、さらに好ましくは
50〜200重量部程度であり、40〜200重量部程
度である場合が多い。
【0017】光吸収体には、レーザーエネルギーを効率
よく吸収する吸収剤、例えば、黒色染料などの染料、カ
ーボン材料などが含まれる。好ましいカーボン材料に
は、カーボンブラックが含まれ、このカーボンブラック
は、組成物の分散安定性などが安定である限り、AST
Mによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム
用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能で
ある。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラ
ック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプ
ブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。
【0018】なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤
は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用
い、予めニトロセルロースなどに分散させたカラーチッ
プやカラーペーストとして使用することができ、このよ
うなチップやペーストは市販品として容易に入手でき
る。
【0019】光吸収体の使用量は、感光層の感度を低下
させない範囲で選択でき、例えば、ポリウレタンエラス
トマー100重量部に対して、0.5〜50重量部、好
ましくは2.5〜40重量部、さらに好ましくは10〜
30重量部程度であり、5〜50重量部程度である場合
が多い。
【0020】本発明の特色は、前記ニトロセルロースお
よび光吸収体と、ポリウレタンエラストマーとを組み合
わせて用いる点にある。このような印刷用版材の感光層
は、低いレーザエネルギーでも感光層に凹凸(ピット)
を形成でき、かつ感光層の膜強度、耐擦傷性が強いと言
う利点がある。しかも、凹凸を有する感光層に直接印刷
インキを転移させて印刷しても、高い耐擦傷性を示し、
耐久性および耐刷性が高い。
【0021】ポリウレタンエラストマーの種類は、レー
ザー光に対する感度、耐刷性などを損わない限り特に制
限されず、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエー
テルポリオール、アクリルポリオールなどのポリオール
と、ポリイソシアネーと、必要に応じて多価アルコール
及び/又はポリアミンなどの鎖延長剤とを用いて得られ
る種々のポリウレタンエラストマーが使用できる。前記
ポリオールは単独で又は混合して使用できるが、少くと
もポリエステルポリオールを含む場合が多い。ポリエス
テルポリオールとしては、線状ポリオールが弾性に富む
ため好ましいが、分子量が大きくなるにつれて粘度も大
きくなるため、若干分岐したポリオールを使用してもよ
い。
【0022】ポリエステルポリオールの成分には、多価
カルボン酸成分と多価アルコール成分とが含まれる。多
価カルボン酸成分としては、例えば、フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸などの芳香族カルボン酸又はその
酸無水物;グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、マレイン酸、フマル酸、二量化リノレイン酸
などの飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸又はその酸無水
物などが挙げられる。これらの多価カルボン酸成分は単
独で又は二種以上混合して使用できる。脂肪族カルボン
酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸な
どの飽和脂肪族ジカルボン酸を用いる場合が多い。
【0023】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コールなどの脂肪族二価アルコール;ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコ
ール、テトラプロピレングリコールなどのポリオキシア
ルキレングリコール;グリセリン、トリメチロールプロ
パン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、ペ
ンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコール;2,
2−ビス(4−ジヒドロキシプロピルフェニル)プロパ
ンなどのビスフェノールAとアルキレンオキサイドとの
付加物などが挙げられる。これらの多価アルコール成分
は一種又は二種以上使用できる。多価アルコール成分と
しては、少くとも脂肪族二価アルコールやポリオキシア
ルキレングリコールを用いる場合が多い。
【0024】前記ポリエステルポリオールの分子量は、
例えば、500〜5000、好ましくは700〜300
0、さらに好ましくは1000〜2000程度である。
【0025】ポリイソシアネートとしては、例えば、
2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレン
ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどの芳
香族ジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソ
シアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,10−デカメチレンジイソシアネートなどの脂
肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートな
どの脂環族ジイソシアネートなどが例示される。これら
のポリイソシアネートは、一種又は二種以上使用でき
る。
【0026】鎖延長剤としては、前記と同様の多価アル
コール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコールなどのジオール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、ペンタエリスリトールなどのポリオール)が使用で
きる。また、鎖延長剤としては、ポリアミン、例えば、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジ
アミンなどの(ポリ)アルキレンポリアミン;モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミンなどのアルカノールアミンなどもしようできる。好
ましい鎖延長剤は、多価アルコールである。
【0027】ポリウレタンエラストマーは、ポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートと多価アルコールと
の反応や、前記ポリエステルポリオールなどのポリオー
ルとポリイソシアネーとの反応により生成したイソシア
ネート基を有するプレポリマーと、鎖延長剤(多価アル
コールなど)との反応により形成する場合が多い。
【0028】ポリウレタンエラストマーは、レーザ光に
対する感度、感光層の強度などを損なわない限り、いず
れのエラストマーも使用できる。好ましいポリウレタン
エラストマーには、伸び率が400%以上(例えば、4
00〜1000%程度)、好ましくは500%以上(例
えば、500〜900%程度)のポリウレタンエラスト
マーが含まれる。また、ポリウレタンエラストマーのガ
ラス転移温度Tgは、例えば、−10℃以下(例えば、
−10℃〜−50℃程度)、好ましくは−15℃以下
(例えば、−15℃〜−45℃程度)、さらに好ましく
は−20℃以下(例えば、−20℃〜−40℃程度)で
ある。
【0029】なお、感光層のガラス転移温度は、例え
ば、−25℃〜40℃,好ましくは−15℃〜35℃,
さらに好ましくは−10℃〜30℃程度である。前記ニ
トロセルロースとポリウレタンエラストマーとの割合に
よっては、シート状印刷用版材を積み重ねると、感光層
がブロッキングする場合がある。感光層のブロッキング
を防止しつつ、耐久性、耐擦傷性を高めるためには、感
光層のガラス転移温度を25℃以上(例えば、25〜4
0℃程度)、好ましくは25〜35℃程度とするのが好
ましい。
【0030】より詳細には、ポリウレタンエラストマー
のガラス転移温度は、通常、室温よりも低く、例えば、
−15℃〜−50℃程度である。このようなポリウレタ
ンエラストマーとニトロセルロースとを用いて感光層を
形成すると、ニトロセルロースのガラス転移温度が高い
ため、ニトロセルロースの量が増加するにつれて感光層
のガラス転移温度が上昇する。例えば、図1に示される
ように、ガラス転移温度が−23℃のポリウレタンエラ
ストマーとガラス転移温度が約60℃のニトロセルロー
スとカーボンブラック10重量%とを含む組成物の感光
層においては、ニトロセルロース含有量の増加に伴って
フィルムのガラス転移温度が上昇し、ニトロセルロース
含有量33.7重量%ではフィルムのガラス転移温度が
約−10℃となり、室温でゴム弾性が発現する。一方、
摩耗輪による摩耗の程度は、ニトロセルロース含有量が
増加するにつれて減少する。すなわち、磨耗回数を変化
させて、磨耗回数0回の光沢度を100%として、光沢
の保持率により感光層の耐擦傷性を評価すると、図1に
示されるように、感光層のニトロセルロース含有量が増
加するにつれて耐擦傷性が減少し、ニトロセルロース含
有量が約40重量%以上では、耐擦傷性がほぼ一定とな
る。このことは、ニトロセルロース含有量40重量%以
上の割合では、ガラス転移温度が約30℃以上となり、
室温(約25℃)ではゴム弾性が発現しなくなることに
起因すると考えられる。
【0031】前記のように、感光層が室温でゴム弾性を
有すると、印刷用版材を他のシートやフィルムと積み重
ねて荷重を作用させると、感光層とシート又はフィルム
とが張り付くブロッキング現象が生じる可能性がある。
そこで、感光層のガラス転移温度を25℃以上(例え
ば、25〜40℃)とし、室温ではほぼガラス状態とす
ることにより、ブロッキングの虞がなくなる。このよう
なガラス転移温度の感光層を備えた印刷用版材は、次の
ような利点をもたらす。すなわち、前記印刷用版材を室
温又はそれ以下の温度で保存すると、感光層とシートな
どとのブロッキングを防止できる。一方、レーザ光によ
り凹凸を書き込み、耐擦傷性が要求される印刷工程で版
材として使用する場合、感光層のガラス転移温度以上の
温度で印刷すると、感光層がゴム弾性を発現するので、
印刷過程で感光層が傷付くのを防止できる。
【0032】感光層のガラス転移温度は、前記のよう
に、ニトロセルロースとポリウレタンエラストマーとの
割合によりコントロールできる。示差走査型熱量分析に
よれば、種類にもよるがニトロセルロースとポリウレタ
ンエラストマーとを含む感光層は、ニトロセルロース及
びポリウレタンエラストマーには認められない単一のピ
ークを示す。そのため、ニトロセルロースとポリウレタ
ンエラストマーは互いに相溶しているものと推測され
る。
【0033】このような感光層において、レーザ光に対
する感度を高めるため、ニトロセルロースの含有量を多
くし、ガラス転移温度を高めると、耐擦傷性および耐久
性が低下する場合がある。このような場合には、可塑剤
の添加が有用である。すなわち、ニトロセルロースの割
合を増加しても、可塑剤の添加により、感光層のガラス
転移温度の上昇を抑制でき、高い耐久性及び耐擦傷性を
維持できる。さらに、ニトロセルロース含量の増加に伴
って、レーザ光に対する感度(熱分解性)も高めること
ができる。可塑剤は、ガラス転移温度0〜40℃,好ま
しくは10〜30℃程度の感光層を構成する組成物に添
加するのが有効である。
【0034】可塑剤としては、ニトロセルロース、光吸
収体およびポリウレタンエラストマーで構成される感光
層を可塑化できる限り特に制限されず、例えば、樟脳又
はその誘導体、フタル酸エステル(ジメチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソ
ブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジオクチル
フタレート、ジ2−エチルヘキシルフタレートなど)、
リン酸エステル(例えば、トリフェニルホスフェート、
リン酸トリクレジルなど)、アジピン酸エステル(例え
ば、ジ(2−エチルヘキシル)アジペートなど)、セバ
シン酸エステル(例えば、セバシン酸ジブチルなど)な
どが例示できる。これらの可塑剤は単独で又は二種以上
混合して使用できる。
【0035】可塑剤の使用量は、ニトロセルロースおよ
びポリウレタンエラストマーの種類や感光層のガラス転
移温度などに応じて、例えば、前記感光層の組成物(す
なわち、ニトロセルロース、光吸収体およびポリウレタ
ンエラストマーの総量)100重量部に対して0.1〜
30重量部、好ましくは1〜20重量部、さらに好まし
くは2〜15重量部程度の範囲から選択できる。
【0036】感光層は、必要に応じて、種々の添加剤、
例えば、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの老化防止剤、
架橋剤、架橋促進剤、難燃剤、充填剤、着色剤、レベリ
ング剤などを含有していてもよい。
【0037】支持体の形状は、印刷可能である限り、ド
ラム状、フィルム状又はシート状などであってもよい。
支持体の素材は特に制限されないが、支持体がフィルム
又はシート状である場合、ポリエチレンテレフタレート
フィルムなどのポリマーフィルムを使用する場合が多
い。なお、支持体の表面は、感光層との密着性を高める
ため、表面処理してもよく、下引き層を形成してもよ
い。
【0038】支持持体上に形成された感光層の厚みは、
感光層の耐久性などを損わない範囲で選択でき、例え
ば、1〜100μm、好ましくは10〜50μm程度で
あり、15〜30μm程度である場合が多い。
【0039】前記感光層は、ニトロセルロース、光吸収
体およびポリウレタンエラストマーを含む塗布液を前記
支持体に塗布することにより形成できる。前記塗布液
は、有機溶媒を用い、ニトロセルロース、光吸収体およ
びポリウレタンエラストマーを、慣用の混合機又は分散
機を用いて、混合分散することにより調製できる。前記
有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノ
ールなどのアルコール;ヘキサン、オクタンなどの脂肪
族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;ジ
クロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢
酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;ジエチルエー
テル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;およびこ
れらの混合溶媒などが例示される。
【0040】このようにして形成された感光層に、所定
のパターンに従ってレーザー光を照射することにより、
感光層に凹凸部(ピット)を有する印刷用版材を得るこ
とができる。レーザー光は、支持体が透明であれば支持
体側から照射してもよく、感光層側から照射してもよ
い。レーザー光源としては、例えば、Arレーザー、H
e−Neレーザー、He−Cdレーザー、炭酸ガスレー
ザー、YGAレーザー、半導体レーザーなどが挙げられ
る。
【0041】本発明の印刷用版材は、レーザ光の照射に
より凹凸パターンを形成し、種々の印刷、例えば、グラ
ビア印刷、フレキソ印刷などの印刷版として利用でき
る。
【0042】
【発明の効果】本発明の印刷用版材は、ニトロセルロー
ス、光吸収体およびポリウレタンエラストマーを含む感
光層を備えているため、低いレーザーエネルギーでも彫
刻可能であるとともに、レーザ光により凹凸が形成され
た表面に直接インキを転移させても印刷可能であり、耐
久性および耐刷性に優れている。また、レーザー光に対
する感度(熱分解性)が高く、エラストマーを含むにも
拘らず、耐擦傷性および耐ブロッキング性が高い。さら
に、感光層のニトロセルロース含有量などを調整するこ
とにより、高い耐擦傷性および耐ブロッキング性を維持
しつつ、レーザー光に対する感度を高めることができ
る。そのため、本発明の組成物は、前記の如く優れた特
性を有する感光層を形成する上で有用である。
【0043】また、本発明の方法では、前記の如き優れ
た特性を有する印刷用版材を容易に製造できる。さら
に、本発明の印刷方法では、保存時には感光層のブロッ
キングを防止できるとともに、印刷時にゴム弾性を有効
に発現させて印刷できる。
【0044】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0045】実施例1 ニトロセルロースRS1/4(ダイセル化学工業(株)
製、固形分70重量%のイソプロパノール湿綿)7.7
重量部、カーボンブラックを含むペースト(東洋インキ
(株)製、カラーペーストANP−C−903ブラッ
ク、カーボンブラック含量12重量%、ニトロセルロー
スH1/2含量18重量%)21.1重量部、ポリウレ
タンエラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、N
2304,固形分35重量%,伸び率750%,ガラス
転移温度−23℃)40.1重量部、およびメチルエチ
ルケトン32.2重量部を、セラミックビーズ(直径3
mm)をいれたペイントシェーカーにて30分間混合分
散し、塗布液を得た。得られた塗布液をアプリケーター
を用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み1
88μm)に乾燥後の厚み25μmとなるよう塗布し、
110℃で2分間乾燥し、印刷用版材を作製した。
【0046】実施例2〜9 前記実施例1の成分の割合を変化させる以外、実施例1
と同様にして、表1に示す組成割合の感光層を有する印
刷用版材を得た。
【0047】実施例10および11 実施例1のポリウレタンエラストマーに代えて、ポリウ
レタンエラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、
N3022,固形分35重量%,伸び率800%,ガラ
ス転移温度−38℃)を用いると共に、実施例1のニト
ロセルロース、カーボンブラックを含むペーストおよび
メチルエチルケトンを用い、表1に示す組成割合の感光
層を有する印刷用版材を得た。
【0048】実施例12および13 実施例1のポリウレタンエラストマーに代えて、ポリウ
レタンエラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、
N3107,固形分40重量%,伸び率850%,ガラ
ス転移温度−33℃)を用いると共に、実施例1のニト
ロセルロース、カーボンブラックを含むペーストおよび
メチルエチルケトンを用い、表1に示す組成割合の感光
層を有する印刷用版材を得た。
【0049】実施例14および15 実施例1のポリウレタンエラストマーに代えて、ポリウ
レタンエラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、
N3118,固形分40重量%,伸び率800%,ガラ
ス転移温度−38℃)を用いると共に、実施例1のニト
ロセルロース、カーボンブラックを含むペーストおよび
メチルエチルケトンを用い、表1に示す組成割合の感光
層を有する印刷用版材を得た。
【0050】実施例16 実施例1のポリウレタンエラストマーに代えて、ポリウ
レタンエラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、
N3110,固形分25重量%,伸び率700%,ガラ
ス転移温度−15℃)を用いると共に、実施例1のニト
ロセルロース、カーボンブラックを含むペーストおよび
メチルエチルケトンを用い、表1に示す組成割合の感光
層を有する印刷用版材を得た。
【0051】比較例1 ニトロセルロースRS1/4(ダイセル化学工業(株)
製、固形分70重量%のイソプロパノール湿綿)7.7
重量部、カーボンブラックを含むペースト(東洋インキ
(株)製、カラーペーストANP−C−903ブラッ
ク)24.6重量部、ポリエステル樹脂(東洋紡(株)
製,バイロン20SS,固形分30重量%)43.3重
量部、架橋剤(大日本インキ化学工業(株)製、メラミ
ン樹脂、スーパーベッカミンL−105−60、固形分
60重量%)5.4重量部、酸触媒(BYK社製、BY
K CATALYST450、固形分約40重量%)
0.4重量部、およびメチルエチルケトン18.7重量
部を用いる以外、実施例1と同様にして印刷用版材を作
製した。
【0052】比較例2 ニトロセルロースRS1/4(ダイセル化学工業(株)
製、固形分70重量%のイソプロパノール湿綿)14.
4重量部、カーボンブラック(三菱化成(株)製、MA
100)3.7重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂(電気化学工業(株)製、デンカビニル1000
C)78.1重量部、メチルエチルケトン10.9重量
部、イソプロピルアルコール4.3重量部およびとトル
エン8.6重量部を用いる以外、実施例1と同様にして
印刷用版材を作製した。
【0053】そして、上記実施例および比較例1で得ら
れた版材を、テーバ磨耗機(安田精機製,テイーバー式
アプレーションテスター、磨耗輪CS−10、荷重50
0g)を用いで磨耗した後、光沢度計((株)モリテッ
クス製,PRANGE光沢度計RB3、入射角及び反射角=6
0°)を用い、磨耗回数に対する光沢度の減少を測定す
ることにより、版材の耐擦傷性を評価した。なお、所定
の磨耗回数(20回,50回及び100回)における光
沢度は、磨耗回数0回の光沢度を100%として求め
た。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】 また、実施例1の版材を回転ドラムに固定し、速度3r
pmで回転させ、半導体レーザ(He−Cdレーザ、波
長441nm,5mW)のパルス光を50msec照射
し、版材の感光層にピットを形成したところ、エッジが
シャープで底部に凸凹が少ない良好なピット形状が得ら
れた。また、ピットの深さを走査型レーザ顕微鏡(LASE
RTEC社製,1LM21)で測定したところ、5.86μ
mと良好な深さであり、レーザ光に対する感光層の感度
が高かった。そのため、高速であってもレーザ光により
凹凸(ピット)の形成が可能であった。これに対して、
比較例2の版材について同様にしてレーザ光を照射し、
ピットの深さを評価したところ、ピットの深さが浅くレ
ーザ顕微鏡で正確に測定できなかった。また、ピットの
形状は、エッジが不鮮明で底部に凸凹が多かった。
【0055】実施例17 ニトロセルロースRS1/4(ダイセル化学工業(株)
製、固形分70重量%のイソプロパノール湿綿)9.3
重量部、カーボンブラックを含むペースト(東洋インキ
(株)製、カラーペーストANP−C−903ブラッ
ク、カーボンブラック含量12重量%、ニトロセルロー
スH1/2含量18重量%)20.8重量部、ポリウレ
タンエラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、N
2304,固形分35重量%,伸び率750%,ガラス
転移温度−23℃)35.0重量部、およびメチルエチ
ルケトン34.9重量部を用いる以外、実施例1と同様
にして、印刷用版材を作製した。
【0056】なお、感光層のガラス転移温度を示差走査
型熱量計(DSC)で測定したところ、26℃であっ
た。
【0057】そして、23℃と50℃の温度で、前記と
同様にして100回の磨耗回数による光沢度を調べたと
ころ、26.2%(23℃)、50.1%(50℃)で
あり、感光層のガラス転移温度以上の温度では、耐擦傷
性が向上した。
【0058】また、前記と同様にして、半導体レーザの
パルス光により、版材の感光層にピットを形成したとこ
ろ、エッジがシャープで底部に凸凹が少ない良好なピッ
ト形状が得られた。また、ピットの深さを走査型レーザ
顕微鏡(LASERTEC社製,1LM21)で測定したとこ
ろ、5.86μmと良好な深さであり、レーザ光に対す
る感光層の感度が高かった。
【0059】さらに、得られた版材を正方形(5cm×
5cm)の2枚切りして感光層同士を重ね、重ねた2枚
の版材をさらに同じ面積のガラス板に挟み、荷重1kg
を作用させて40℃でブロッキング試験を行なった。そ
の結果、5時間経過してもブロッキングは認められなか
った。
【0060】実施例18 ニトロセルロースRS1/4(ダイセル化学工業(株)
製、固形分70重量%のイソプロパノール湿綿)5.1
重量部、カーボンブラックを含むペースト(東洋インキ
(株)製、カラーペーストANP−C−903ブラック
LV、カーボンブラック含量10重量%、ニトロセルロ
ースH1/2含量15重量%)22.9重量部、ポリウ
レタンエラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、
N2304,固形分35重量%,伸び率750%,ガラ
ス転移温度−23℃)26.4重量部、樟脳1.4重量
部およびメチルエチルケトン44.3重量部を用い、ペ
イントシェーカーで1時間混合分散する以外、実施例1
と同様にして、印刷用版材を作製した。
【0061】実施例19および20 実施例18の成分の割合を変化させる以外、実施例18
と同様にして、表2に示す組成割合の感光層を有する印
刷用版材を作製した。
【0062】そして、前記と同様にして磨耗回数50回
及び100回での光沢度を測定したところ、表2に示す
結果を得た。
【0063】
【表2】 また、前記と同様にして、半導体レーザのパルス光によ
り、版材の感光層にピットを形成したところ、ピットの
深さが6.25μmであり、レーザ光に対して高い感度
を示した。また、ピットの形状は、エッジがシャープで
底部に凸凹が少なく、良好であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、感光層のニトロセルロース含有量と、
磨耗による光沢保持率及び感光層のガラス転移温度との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒲原 茂樹 兵庫県姫路市余部区上余部500−424 (72)発明者 眞島 修 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 桑原 宗市 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ニトロセルロース、光吸収体およびポリ
    ウレタンエラストマーを含む感光層と、この感光層が形
    成される支持体とで構成されている印刷用版材。
  2. 【請求項2】 ニトロセルロースの窒素含量が10〜1
    4%である請求項1記載の印刷用版材。
  3. 【請求項3】 ニトロセルロースの重合度が10〜15
    00である請求項1記載の印刷用版材。
  4. 【請求項4】 ニトロセルロースが、JIS(Japanese
    Industrial Standards ) K6703に規定する溶液
    粘度20〜1/10秒を有する請求項1記載の印刷用版
    材。
  5. 【請求項5】 ニトロセルロースが、窒素含有量11〜
    12.5%、重合度10〜900およびJIS K67
    03による溶液粘度10〜1/8秒を有する請求項1記
    載の印刷用版材。
  6. 【請求項6】 光吸収体がカーボンブラックである請求
    項1記載の印刷用版材。
  7. 【請求項7】 ポリウレタンエラストマーが、ポリエス
    テルポリオール、ポリイソシアネートおよび鎖延長剤と
    の反応により生成したエラストマーであって、400%
    以上の伸び率、−10℃以下のガラス転移温度を有する
    請求項1記載の印刷用版材。
  8. 【請求項8】 ポリウレタンエラストマーが、400〜
    1000%の伸び率、および−10℃〜−50℃のガラ
    ス転移温度を有する請求項1記載の印刷用版材。
  9. 【請求項9】 感光層のガラス転移温度が−25℃〜4
    0℃である請求項1記載の印刷用版材。
  10. 【請求項10】 感光層のガラス転移温度が25℃以上
    である請求項1記載の印刷用版材。
  11. 【請求項11】 感光層が、ポリウレタンエラストマー
    100重量部に対して、ニトロセルロース5〜300重
    量部および光吸収体0.5〜50重量部を含む請求項1
    記載の印刷用版材。
  12. 【請求項12】 感光層が、ポリウレタンエラストマー
    100重量部に対して、窒素含有量11.5〜12.2
    %、JIS K6703による溶液粘度1〜1/8秒の
    ニトロセルロース20〜250重量部、およびカーボン
    ブラック2.5〜40重量部を含を含む請求項1記載の
    印刷用版材。
  13. 【請求項13】 感光層が、伸び率500〜900%お
    よびガラス転移温度−15℃〜−45℃のポリウレタン
    エラストマー100重量部に対してニトロセルロース5
    0〜200重量部および光吸収体5〜50重量部を含む
    請求項1記載の印刷用版材。
  14. 【請求項14】 感光層がさらに可塑剤を含む請求項1
    記載の印刷用版材。
  15. 【請求項15】 可塑剤が、樟脳、フタル酸エステル、
    リン酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エス
    テルからなる群から選択された少くとも一種である請求
    項14記載の印刷用版材。
  16. 【請求項16】 可塑剤の割合が、感光層を構成するニ
    トロセルロース、光吸収体およびポリウレタンエラスト
    マーの総量100重量部に対して0.1〜30重量部で
    ある請求項14記載の印刷用版材。
  17. 【請求項17】 ガラス転移温度が0〜40℃である感
    光層を構成するニトロセルロース、光吸収体およびポリ
    ウレタンエラストマーの総量100重量部に対して可塑
    剤1〜20重量部を含む請求項14記載の印刷用版材。
  18. 【請求項18】 ニトロセルロース、光吸収体およびポ
    リウレタンエラストマーを含み、レーザ光の照射により
    ピットを形成可能な印刷版用感光性組成物。
  19. 【請求項19】 ニトロセルロース、光吸収体およびポ
    リウレタンエラストマーを含む塗布液を、支持体に塗布
    し、レーザー光により彫刻可能な感光層を形成する印刷
    用版材の製造方法。
  20. 【請求項20】 さらに可塑剤を含む塗布液を支持体に
    塗布する請求項18記載の印刷用版材の製造方法。
  21. 【請求項21】 ニトロセルロース、光吸収体およびポ
    リウレタンエラストマーを含み、ガラス転移温度が25
    ℃以上である感光層と、支持体とで構成されている印刷
    用版材を用いる方法であって、レーザ光の照射により前
    記感光層に凹凸を形成した版材を用い、感光層のガラス
    転移温度以上の温度で印刷する印刷方法。
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