JP5942325B2 - 円筒状印刷原版及びその製造方法、並びに、円筒状印刷版及びその製版方法 - Google Patents

円筒状印刷原版及びその製造方法、並びに、円筒状印刷版及びその製版方法 Download PDF

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Description

本発明は、円筒状印刷原版及びその製造方法、並びに、円筒状印刷版及びその製版方法に関する。
支持体表面に積層された感光性樹脂層に凹凸を形成して印刷版を形成する方法としては、感光性組成物を用いて形成した記録層を、原画フィルムを介して紫外光により露光し、画像部分を選択的に硬化させて、未硬化部を現像液により除去する方法、いわゆる「アナログ製版」がよく知られている。
レリーフ印刷版は、凹凸を有するレリーフ層を有する凸版印刷版であり、このような凹凸を有するレリーフ層は、主成分として、例えば、合成ゴムのようなエラストマー性ポリマー、熱可塑性樹脂などの樹脂、あるいは、樹脂と可塑剤との混合物を含有する感光性組成物を含有する記録層をパターニングし、凹凸を形成することにより得られる。このようなレリーフ印刷版のうち、軟質なレリーフ層を有するものをフレキソ版と称することがある。
レリーフ印刷版をアナログ製版により作製する場合、一般に銀塩材料を用いた原画フィルムを必要とするため、原画フィルムの製造時間及びコストを要する。更に、原画フィルムの現像に化学的な処理が必要で、かつ現像廃液の処理をも必要とすることから、更に簡易な版の作製方法、例えば、原画フィルムを用いない方法、現像処理を必要としない方法などが検討されている。
近年は、原画フィルムを必要とせず、走査露光により記録層の製版を行う方法が検討されている。
原画フィルムを必要としない手法として、記録層上に画像マスクを形成可能なレーザー感応式のマスク層要素を設けたレリーフ印刷原版が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。これらの原版の製版方法によれば、画像データに基づいたレーザー照射によりマスク層要素から原画フィルムと同様の機能を有する画像マスクが形成されるため、「マスクCTP方式」と称されており、原画フィルムは必要ではないが、その後の製版処理は、画像マスクを介して紫外光で露光し、未硬化部を現像除去する工程であり、現像処理を必要とする点でなお改良の余地がある。
現像工程を必要としない製版方法として、記録層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。直彫りCTP方式は、文字通りレーザーで彫刻することにより、レリーフとなる凹凸を形成する方法で、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができるという利点がある。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、又は、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をする、なども可能である。
これまで直彫りCTP方式で用いられた版材に関して、版材の特性を決定するバインダーとして、疎水性のエラストマー(ゴム)を用いたもの(例えば、特許文献1〜6参照。)や、親水性のポリビニルアルコール誘導体を用いたもの(例えば、特許文献7参照。)などが多数提案されている。
また、印刷原版シートから円筒状印刷原版を形成する方法としては、特許文献8に記載された方法が知られている。
米国特許第5798202号明細書 米国特許出願公開第2008/0061036号明細書 特開2002−3665号公報 特許第3438404号公報 特開2004−262135号公報 特開2001−121833号公報 特開2006−2061号公報 特開2010−76243号公報
本発明の目的は、厚み精度及び接着強度に優れる円筒状印刷原版及びその製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は以下の<1>、<6>、<15>及び<16>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<5>及び<7>〜<14>と共に以下に記載する。
<1>硬化樹脂シートを円筒状に形成したものであり、上記硬化樹脂シートの両端部が重ね合わされた重ね代部を有し、上記重ね代部における上記硬化樹脂シートの各端部の厚さが、上記重ね代部以外の上記硬化樹脂シートの厚さより薄くなっており、上記重ね代部において、上記硬化樹脂シートの両端部を連通する孔が硬化樹脂により埋められた接合部を有し、上記重ね代部の幅が、5mm以上25mm以下であり、上記接合部の径が、1mm以上3mm以下であり、上記接合部の版面方向における断面積が、上記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%以上80%未満であることを特徴とする円筒状印刷原版、
<2>上記接合部の数が、20〜600である、<1>に記載の円筒状印刷原版、
<3>上記接合部の数が、50〜200である、<1>又は<2>に記載の円筒状印刷原版、
<4>上記接合部の形状が、円柱状である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版、
<5>上記円筒状印刷原版が、レーザー彫刻用円筒状印刷原版である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版、
<6>(1)硬化樹脂シートを準備する工程と、(2)上記硬化樹脂シートの重ね代となる部分を形成する工程と、(3)上記硬化樹脂シートの巻き付け始端とする側の重ね代と巻き付け終端側の重ね代とを重ね合わせた重ね代部に連通する孔を形成する工程と、(4)上記孔を硬化した硬化性樹脂組成物で埋め接合部を形成する工程と、を含み、上記重ね代部の幅が、5mm以上25mm以下であり、上記接合部の径が、1mm以上3mm以下であり、上記孔の版面方向における断面積が、上記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%以上80%未満であることを特徴とする円筒状印刷原版の製造方法、
<7>上記工程(4)が、上記孔に未硬化の硬化性樹脂組成物を注入する工程、及び、上記未硬化の硬化性樹脂組成物を硬化させる工程を含む、<6>に記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<8>上記工程(2)〜工程(4)のいずれかが、上記硬化樹脂シートの少なくとも一端部を固定して行う工程である、<6>又は<7>に記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<9>上記硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂組成物である、<6>〜<8>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<10>上記孔が、2つの上記重ね代を貫通する貫通孔である、<6>〜<9>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<11>上記接合部の数が、20〜600である、<6>〜<10>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<12>上記接合部の数が、50〜200である、<6>〜<11>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<13>上記接合部の形状が、円柱状である、<6>〜<12>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<14>上記円筒状印刷原版が、レーザー彫刻用円筒状印刷原版である、<6>〜<13>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版の製造方法、
<15><1>〜<5>のいずれか1つに記載の円筒状印刷原版、又は、<6>〜<14>のいずれか1つに記載の製造方法により得られた円筒状印刷原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含む円筒状印刷版の製版方法、
<16><15>に記載の製版方法により製版された円筒状印刷版。
本発明によれば、厚み精度及び接着強度に優れる円筒状印刷原版及びその製造方法を提供することができた。
本発明の円筒状印刷原版の一例の重ね代部近傍における円周方向の断面部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の他の一例の重ね代部近傍における円周方向の断面部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例の重ね代部近傍における円周方向の断面部分拡大図である。 接合部を形成する前の重ね代部の例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部の一部を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部の一部を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。 図1に示す本発明の円筒状印刷原版の一例において、接合部の厚さL1及び接合部以外の重ね代部の厚さL2を表した断面部分拡大図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
以下の説明において、好ましい態様と、好ましい態様との組合せは、より好ましい態様である。
(円筒状印刷原版)
本発明の円筒状印刷原版は、硬化樹脂シートを円筒状に形成したものであり、上記硬化樹脂シートの両端部が重ね合わされた重ね代部を有し、上記重ね代部における上記硬化樹脂シートの各端部の厚さが、上記重ね代部以外の上記硬化樹脂シートの厚さより薄くなっており、上記重ね代部において、上記硬化樹脂シートの両端部を連通する孔が硬化樹脂により埋められた接合部を有し、上記重ね代部の幅が、5mm以上25mm以下であり、上記接合部の径が、1mm以上3mm以下であり、上記接合部の版面方向における断面積が、上記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%以上80%未満であることを特徴とする。
本発明の円筒状印刷原版は、レーザー彫刻用円筒状印刷原版として好適に用いることができる。
また、本発明の円筒状印刷原版は、後述する本発明の円筒状印刷原版の製造方法により製造されることが好ましい。
本発明の円筒状印刷原版において、上記重ね代部の幅は、5mm以上25mm以下であり、5mm以上20mm以下であることが好ましく、5mm以上15mm以下であることがより好ましく、5mm以上10mm以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、円筒状印刷原版の接合強度及び厚み精度に優れる。また、上記重ね代部の幅が5mm未満であると、十分な接合強度が得られず、25mmを超えると、厚み精度及び位置精度に劣る。
本発明の円筒状印刷原版において、上記接合部の径は、1mm以上3mm以下であり、1mm以上2.5mm以下であることが好ましく、1mm以上2.2mm以下であることがより好ましく、1.5mm以上2.2mm以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、円筒状印刷原版の厚み精度及び位置精度に優れる。また、上記接合部の径が1mm未満であると、十分な厚み精度が得られず、3mmを超えると、厚み精度及び位置精度に劣る。なお、本発明における「上記接合部の径」とは、本発明の円筒状印刷原版の版面における接合部の版面方向における断面積の円相当径(直径)である。
本発明の円筒状印刷原版において、上記接合部の版面方向における断面積が、上記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%以上80%未満であり、5%以上40%以下であることが好ましく、5%以上10%以下であることがより好ましい。上記範囲であると、円筒状印刷原版の接着強度及び厚み精度に優れる。また、上記接合部の版面方向における断面積が、上記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%未満であると、十分な接着強度が得られず、80%以上であると、接合強度、厚み精度及び位置精度に劣る。
上記接合部を2以上有する場合は、上記接合部の版面方向における断面積(面積B)は、2以上の上記接合部の版面方向における断面積の総和である。
上記重ね代部の版面方向における断面積(面積A)は、接合部を含む重ね代部全体の断面積である。また、版面方向における断面積とは、版面と平行な面で切断した断面積である。
本発明の円筒状印刷原版は、硬化樹脂シートを円筒状に形成したものであり、上記硬化樹脂シートの両端部が重ね合わされた重ね代部を有し、上記重ね代部における上記硬化樹脂シートの各端部の厚さが、上記重ね代部以外の上記硬化樹脂シートの厚さより薄くなっている。
上記重ね代部における上記硬化樹脂シートの両端部の形状は、特に制限はなく、両端部を重ね合わせた重ね代部の厚さが、上記重ね代部以外の上記硬化樹脂シートの厚さとの差が少ないことが好ましく、上記差が50μm以下であることがより好ましい。
なお、上記硬化樹脂シートの両端部のいずれか1方を始端部、他方を終端部ともいう。
上記硬化樹脂シートの両端部の形状としては、例えば、図1や図2に示す形状が挙げられ、図1に示す形状が好ましく挙げられる。
図1は、本発明の円筒状印刷原版の一例の重ね代部近傍における円周方向の断面部分拡大図である。
図1に示す円筒状印刷原版10は、硬化樹脂シートを円筒状に形成したものであり、重ね代部12及び接合部14を有しており、硬化樹脂シートの2つの端部16(カット面)が隙間なく突き合わされて重ね代部12を形成している。また、接合部14は、円筒状印刷原版10の彫刻面20から支持体面22まで貫通して円柱状に形成されている。なお、例えば、円筒状印刷原版10の彫刻面20から観察した場合、円筒状印刷原版10が透明な材質でなければ、重ね代部12は、接合部14及び始端部18が線状に観察されるのみである。
図1は、上記硬化樹脂シートの両端をそれぞれ、シートの厚み方向の中央部まで互いに逆の面から直方体状に除去し、硬化樹脂シートの始端部近傍及び終端部近傍がそれ以外の部分に対し半分の厚みとなっており、これら硬化樹脂シートの始端部と終端部とを重ね合わせて、重ね代部とした例である。
図2は、本発明の円筒状印刷原版の他の一例の重ね代部近傍における円周方向の断面部分拡大図である。
図2は、上記硬化樹脂シートの両端をそれぞれ、シートの厚さ方向に斜めに切断し、硬化樹脂シートの始端部と終端部とを重ね合わせて、重ね代部とした例である。
また、重ね合わされる硬化樹脂シートの両端部の形状は、始端部と終端部とが対称形の形状であっても、互いに異なる形状であってもよいが、印刷原版の物性の均一性や製造上の観点から、対称形の形状であることが好ましい。
更に、図3の(a−2)又は(a−4)に示す態様や、図4の(b−2)に示す態様も好ましく挙げられる。
図3の(a−1)〜(a−4)は、本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例の重ね代部近傍、かつ接合部がない部分における円周方向の断面部分拡大図である。
図3の(a−1)は、図1に示した例に対応する例であり、また、図3の(a−3)は、図2に示した例に対応する例である。
図3の(a−2)は、一方の端部を、他方の端部よりも厚く直方体状に除去し、これら硬化樹脂シートの始端部と終端部とを重ね合わせて、重ね代部とした例である。
図3の(a−4)は、各端部を厚さ方向に2箇所直方体状に除去し、これら硬化樹脂シートの始端部と終端部とを重ね合わせて、重ね代部とした例である。
図4の(b−1)及び(b−2)は、連結孔部及び接合部を形成する前の両端部を重ね合わせた硬化樹脂シートの一例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。
図4の(b−1)は、図1及び図2に示した例にも対応する例であり、彫刻面側からは、一方の端部により重ね代部が覆われており、カット面16のみが確認される。
図4の(b−2)は、彫刻面側から見て、一方の端部を凹型に加工し、他方の端部を凸型に加工し、嵌め合わせて重ね代部を形成した例である。図4の(b−2)の態様である場合、硬化樹脂シートの円周方向断面に垂直な方向に接合部を形成することが好ましい。
なお、図1に示すような、上記硬化樹脂シートの両端部の厚みがそれぞれ階段状に変化する態様は、特に好ましい態様の一例である。
本発明の円筒状印刷原版は、上記重ね代部において、上記硬化樹脂シートの両端部を連通する孔(「連通孔部」ともいう。)が硬化樹脂により埋められた接合部を有する。
上記接合部は、上記硬化樹脂シートの両端部、すなわち、上記硬化樹脂シートの始端部と終端部とを連通する孔(連通孔部)に硬化性の樹脂又は硬化性の樹脂組成物を導入し、硬化させて上記連通孔部が埋められた部分であることが好ましい。
上記接合部を埋めている硬化樹脂は、特に制限はないが、上記硬化樹脂シートの作製に使用した硬化性の樹脂組成物と同じ成分を少なくとも含む組成物を硬化した硬化樹脂であることが好ましく、上記硬化樹脂シートの作製に使用した硬化性の樹脂組成物と同じ組成物を硬化した硬化樹脂であることがより好ましい。なお、上記のように、上記接合部に上記硬化樹脂シートの作製に使用した硬化性の樹脂組成物と同じ組成物を使用した場合であっても、上記硬化樹脂シートにおける上記硬化樹脂と、上記接合部における上記硬化樹脂とは、熱履歴が異なるためであったり、境界における屈折率の変化があったりするため、目視や顕微鏡観察等により見分けることが可能である。
また、上記接合部を埋めている硬化樹脂は、後述するレーザー彫刻用樹脂組成物を硬化した樹脂であることが好ましい。上記態様であると、上記接合部にもレーザー彫刻により好適に画像を形成することができる。
上記接合部及び上記連通孔部は、上記硬化樹脂シートの両端部を連通した形状であれば、特に制限はないが、重ね代部を形成した際に、上記硬化樹脂シートの少なくとも一方の面と接続していることが好ましく、上記硬化樹脂シートの両面(図1に示す彫刻面20及び支持体面22)と接続していることがより好ましい。
また、上記接合部及び上記連通孔部の上記硬化樹脂シートの厚み方向に直交する面における径は、略一定であることが好ましい。なお、本発明において、「略一定」とは、変化量が全体の5%以内であることをいうものとし、変化量が全体の1%以内であることが好ましい。
上記接合部及び上記連通孔部の形状としては、特に制限はないが、製造の容易さ及び接合強度の観点から、柱状であることが好ましく、多角柱状、又は、円柱状であることがより好ましく、円柱状であることが特に好ましい。なお、上記円柱状には、真円の円柱状だけでなく、楕円柱状も含む。
上記接合部の数は、1以上であれば特に制限はないが、4〜800であることが好ましく、10〜700であることがより好ましく、20〜600であることが更に好ましく、40〜500であることが特に好ましく、50〜200であることが最も好ましい。上記範囲であると、製造が容易であり、かつ接合強度により優れる。
また、上記連通孔部における孔の好ましい径は、前述した上記接合部における埋められた上記孔の好ましい径と同様である。
図5及び図6は、本発明の円筒状印刷原版の更に他の一例における重ね代部の一部を彫刻面側から観察した部分拡大図である。
図5に示す円筒状印刷原版10は、重ね代部12及び接合部14を有しており、硬化樹脂シートの2つの端部16(カット面)が隙間なく突き合わされて重ね代部12を形成している。また、接合部14は、それぞれ円柱状に形成されており、円筒状印刷原版10の幅方向(紙面上下方向)にわたり、同様の形状で複数個形成されている。
図6に示す円筒状印刷原版10は、重ね代部12及び接合部14を有しており、硬化樹脂シートの2つの端部16(カット面)が隙間なく突き合わされて重ね代部12を形成している。また、接合部14は、それぞれ円柱状の同一形状で、円筒状印刷原版10の円周方向D(紙面左右方向)において同一の間隔で3つ形成され、また、円筒状印刷原版10の幅方向(紙面上下方向)にわたり、同一の間隔で複数列形成されている。
上記接合部が円筒状印刷原版の円周方向及び/又は円筒状印刷原版の幅方向に3つ以上形成されている場合は、それぞれの方向において、上記接合部が同一の間隔で形成されていることが好ましい。
また、上記接合部が2つ以上形成されている場合、上記接合部の形状はそれぞれ同一形状であること好ましい。
また、図7〜図11の(A)〜(E)は、本発明の円筒状印刷原版の更に他の例における重ね代部近傍を彫刻面側から観察した部分拡大図である。
図7の(A)は、円柱状の結合部を、重ね代部全体において、彫刻面側から観察して、円周方向に4列、幅方向にn列(nは任意の整数を表す。)、円周方向及び幅方向に等間隔で形成した例(均一配置例)である。
図8の(B)は、円柱状の結合部を、重ね代部中央部において、彫刻面側から観察して、円周方向に4列、幅方向にn列(nは任意の整数を表す。)、円周方向及び幅方向に等間隔で形成した例(中央配置例)である。
図9の(C)は、円柱状の結合部を、重ね代部の彫刻面側から観察した四隅近傍にそれぞれ形成し、更に重ね代部中央部において、彫刻面側から観察して、円周方向に1列、幅方向にn列(nは任意の整数を表す。)、幅方向に等間隔で形成した例である。
図10の(D)は、円柱状の結合部を、重ね代部の彫刻面側から観察した四辺近傍にそれぞれ等間隔で形成した例である。
図11の(E)は、重ね代部を幅方向に対して角度αの方向に斜めに形成し、円柱状の結合部を、彫刻面側から観察して、円周方向に4列、幅方向に対して角度αの方向にn列(nは任意の整数を表す。)、それぞれの方向に等間隔で形成した例(充填配置例)である。角度αは0°を超え、かつ、90°未満の値であれば任意の値をとることができるが、45°〜60°が好ましく、60°であることが更に好ましい。
また、本発明の円筒状印刷原版は、接合強度の観点から、少なくとも重ね代部の彫刻面側又は支持体側から観察した四隅近傍に接合部がそれぞれ形成されていることが好ましい。本発明における重ね代部の「隅近傍」とは、重ね代部の隅からの距離が、彫刻面側又は支持体面側から見た重ね代部の対角線の10%の長さ以下の部分をいい、各隅において、接合部の少なくとも一部が上記部分に存在することが好ましい。
本発明の円筒状印刷原版は、シート状の硬化樹脂を円筒状に形成したものである。上記硬化樹脂シートは、硬化した硬化性樹脂組成物の層を有する印刷原版シートであることが好ましい。
上記硬化樹脂シートは、硬化樹脂の層として、硬化した硬化性樹脂組成物の層を有していることが好ましく、また、上記硬化性樹脂組成物は、後述するレーザー彫刻用樹脂組成物であることが好ましい。更に、上記硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。
また、上記硬化樹脂シートにおける硬化樹脂の層は、架橋構造を有する層であることが好ましく、熱及び/又は光により架橋させた層であることがより好ましい。
上記硬化樹脂シートを形成する方法としては、特に制限はないが、硬化性樹脂組成物を調製し、必要に応じて、この硬化性樹脂組成物から溶剤を除去した後に、基材上に溶融押し出しする方法や、基材上に硬化性樹脂組成物を流延し上記硬化性樹脂組成物中の溶剤の少なくとも一部を除去し層を形成する方法が好ましく例示でき、基材上に硬化性樹脂組成物を流延し上記硬化性樹脂組成物中の溶剤の少なくとも一部を除去し層を形成する方法がより好ましく例示できる。また、その後、硬化性樹脂組成物の層に熱及び/又は光を付与し架橋させることが好ましい。
硬化性樹脂組成物は、例えば、架橋剤、バインダーポリマー、及び、任意成分として、光熱変換剤、香料、可塑剤を適当な溶媒に溶解させることによって製造できる。溶媒成分のほとんどは、レリーフ印刷原版を製造する段階で除去する必要があるので、溶媒としては、揮発しやすい低分子アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル)等を用い、かつ温度を調整するなどして溶媒の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。
上記硬化樹脂シートにおける硬化樹脂の層の厚さは、0.05mm以上20mm以下が好ましく、0.5mm以上10mm以下がより好ましく、0.5mm以上7mm以下が更に好ましく、0.5mm以上3mm以下が特に好ましい。
また、上記硬化樹脂シートの厚さは、0.1mm以上20mm以下が好ましく、0.5mm以上10mm以下がより好ましく、0.5mm以上7mm以下が更に好ましく、0.5mm以上3mm以下が特に好ましい。
また、上記硬化樹脂シートは、硬化樹脂の層以外の層を有していてもよく、例えば、支持体層(単に「支持体」ともいう。)、接着層、保護層、スリップコート層、クッション層など、印刷原版が有していてもよい公知の層が例示できる。
上記支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル))やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PETフィルムやスチール基板が好ましく用いられる。これらの中でも、透明支持体であることが好ましく、PETフィルムであることがより好ましい。
接着層は、公知の接着剤により形成することができる。
接着剤としては、光硬化性接着剤であることが好ましく、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、水酸基を有しない(メタ)アクリレート化合物、及び、光重合開始剤を含有する光硬化性接着剤であることがより好ましく、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、水酸基を有しない(メタ)アクリレート化合物、及び、光重合開始剤のみからなる光硬化性接着剤であることがより好ましい。光硬化性接着剤としては、特開2011−173295号公報に記載のものを好適に用いることができる。
また、接着層に使用し得る材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
保護層の材質は、特に制限はないが、印刷版の保護フィルムとして公知の材質、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)のようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はプレーンでもよいし、マット化されていてもよい。
また、保護層の厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。
クッション層の材質については、特に制限はなく、公知の材料により形成すればよい。例えば、スポンジ等の弾性発泡樹脂が例示できる。
また、スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。
(円筒状印刷原版の製造方法)
本発明の円筒状印刷原版の製造方法は、(1)硬化樹脂シートを準備する工程と、(2)上記硬化樹脂シートの重ね代となる部分を形成する工程と、(3)上記硬化樹脂シートの巻き付け始端とする側の重ね代と巻き付け終端側の重ね代とを重ね合わせた重ね代部に連通する孔を形成する工程と、(4)上記孔を硬化した硬化性樹脂組成物で埋め接合部を形成する工程と、を含み、上記重ね代部の幅が、5mm以上25mm以下であり、上記接合部の径が、1mm以上3mm以下であり、上記孔の版面方向における断面積が、上記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%以上80%未満であることを特徴とする。
以下、「(1)硬化した硬化性樹脂組成物の層を有する硬化樹脂シートを用意する工程」等を「工程(1)」等ともいう。
本発明の円筒状印刷原版は、本発明の円筒状印刷原版の製造方法により好適に製造される。
また、本発明の円筒状印刷原版の製造方法により得られる円筒状印刷原版の好ましい態様は、前述した本発明の円筒状印刷原版の好ましい態様と同様である。
また、本発明の円筒状印刷原版の製造方法は、上記工程(2)〜工程(4)のいずれかが、上記硬化樹脂シートの少なくとも一端部を固定して行う工程であることが好ましく、上記工程(2)〜工程(4)のいずれもが、上記硬化樹脂シートの少なくとも一端部を固定して行う工程であることがより好ましい。
<工程(1)>
本発明の円筒状印刷原版の製造方法は、(1)硬化樹脂シートを準備する工程を含む。
本発明の円筒状印刷原版の製造方法に用いることができる硬化樹脂シートは、前述した本発明の円筒状印刷原版における硬化樹脂シートと同様であり、好ましい態様も同様である。
上記硬化樹脂シートの製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法により製造すればよいが、後述するレーザー彫刻用樹脂組成物を硬化し、硬化した硬化樹脂組成物の層を形成する工程を含むことが好ましい。
<工程(2)>
本発明の円筒状印刷原版の製造方法は、(2)上記硬化樹脂シートの重ね代となる部分を形成する工程を含む。
上記重ね代は、上記硬化樹脂シートの両末端にそれぞれ形成することが好ましい。
上記重ね代の厚さは、上記重ね代以外の上記硬化樹脂シートの厚さより薄くなっていることが好ましい。
上記重ね代の形状は、特に制限はなく、例えば、始端部と終端部とが対称形の形状であっても、互いに異なる形状であってもよいが、印刷原版の物性の均一性や製造上の観点から、対称形の形状であることが好ましい。
また、上記硬化樹脂シートの始端部に形成された重ね代と、上記硬化樹脂シートの終端部に形成された重ね代とは、これらを重ねて重ね代部を形成した場合に、重ね代部の厚さと、上記重ね代部以外の上記硬化樹脂シートの厚さとの差が少ないことがより好ましく、上記差が50μm以下であることが更に好ましい。
上記重ね代の形成方法としては、特に制限はなく、公知の樹脂の加工方法を用いることができ、公知のゴムの加工方法を好ましく用いることができる。
具体的には、ウオータージェット加工、金型成形、フライス盤加工、押出成形、旋盤加工、ポール盤加工、カッティングプロッター加工、トムソン型による抜き型加工、及び、ろくろ加工等の加工方法が好ましく例示できる。
<工程(3)>
本発明の円筒状印刷原版の製造方法は、(3)上記硬化樹脂シートの巻き付け始端とする側の重ね代と巻き付け終端側の重ね代とを重ね合わせた重ね代部に連通する孔を形成する工程を含む。
上記硬化樹脂シートの巻き付け始端は、上記硬化樹脂シートの両端部のうち、任意のいずれか一方の端部であり、巻き付け終端はその他方の端部である。
本発明の円筒状印刷原版の製造方法における重ね代部に連通する孔の態様は、本発明の円筒状印刷原版における上記結合部及び上記連結孔部の態様と同様であり、好ましい態様も同様である。
工程(3)において形成する上記孔は、2つの上記重ね代を貫通する貫通孔であることが好ましい。
重ね代部に連通する孔を形成する方法としては、2つの重ね代を重ね合わせた状態で孔を形成してもよいし、重ね代1つずつに対し孔を形成し、その後孔が形成された重ね代を重ね合わせてもよいが、製造の容易性や位置精度の観点から、2つの重ね代を重ね合わせた状態で孔を形成することが好ましい。
また、上記孔の形成方法としては、特に制限はなく、公知の樹脂の加工方法を用いることができ、公知のゴムの加工方法を好ましく用いることができる。
中でも、NC(数値制御)加工により孔を形成することが好ましく、CNC(computerized NC)加工により孔を形成することがより好ましい。
NC加工は、工作機械の制御を数値情報で行う加工方法のことであり、プログラミングを行うことで工具の位置、経路、主軸の回転、被工作物の位置制御を行う。初期には、制御用データを記録した紙や磁気テープで数値入力を行っていたが、コンピューターの発達により機械に取り付けられたディスプレイ上から、直接数値を入力して制御が行えるようになっている。この場合を指して特にCNCと呼ぶこともあるが、現在NC加工と呼ばれるものは、ほとんどの場合CNC加工を指す。
また、上記孔の形成方法としては、NCによるフライス盤加工が特に好ましい。上記態様であると、円柱状の孔を形成することが容易であり、また、多数の孔を形成する場合であっても所望の正確な位置に容易に孔を形成することができる。
<工程(4)>
本発明の円筒状印刷原版の製造方法は、(4)上記孔を硬化した硬化性樹脂組成物で埋め接合部を形成する工程を含む。
工程(4)においては、硬化性樹脂組成物を上記孔に注入し上記孔の中で硬化性樹脂組成物を硬化させてもよいし、既に硬化した硬化性樹脂組成物を上記孔へ挿入してもよいが、接合強度及び厚み精度の観点から、硬化性樹脂組成物を上記孔に注入し上記孔の中で硬化性樹脂組成物を硬化させることが好ましい。
工程(4)における上記硬化性樹脂組成物としては、特に制限はないが、上記硬化樹脂シートの作製に使用した硬化性樹脂組成物と同じ成分を少なくとも含む組成物であることが好ましく、上記硬化樹脂シートの作製に使用した硬化性樹脂組成物と同じ組成物であることがより好ましい。
また、工程(4)における上記硬化性樹脂組成物は、後述するレーザー彫刻用樹脂組成物であることが好ましい。
上記接合部は、円筒状印刷原版表面において平坦であることが好ましいため、硬化性樹脂組成物を上記孔に注入する工程の後、表面をならす工程を含むことが好ましい。表面をならす方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、へら等によりならす方法や、基材や支持体等により表面を押さえる方法などが挙げられる。
上記孔の中で硬化性樹脂組成物を硬化させる方法としては、特に制限はなく、硬化性樹脂組成物の組成に応じ、硬化方法を選択すればよく、例えば、光及び/又は熱の付与により硬化を行う方法が好ましく挙げられ、熱の付与により硬化を行う方法がより好ましく挙げられる。上記熱の付与は、上記孔の近傍にのみ行ってもよいし、円筒状印刷原版の全体に行ってもよい。
付与する光の波長や露光量、また、付与する熱の温度や時間は、使用する硬化性樹脂組成物に応じ適宜選択すればよい。
また、工程(4)においては、各重ね代における上記孔の位置がずれないよう上記硬化樹脂シートを円筒状に固定しておくことが好ましい。
上記硬化樹脂シートを円筒状に固定する方法としては、特に制限はなく、公知の方法により固定すればよいが、硬化性樹脂組成物を上記孔に注入する工程の前に、印刷スリーブ(版胴)等の円筒状支持体に、接着等により固定する工程を行うことが好ましい。
また、上記工程(4)は、上記孔に未硬化の硬化性樹脂組成物を注入する工程、及び、上記未硬化の硬化性樹脂組成物を硬化させる工程を含むことが好ましく、上記孔に未硬化の硬化性樹脂組成物を注入する工程、注入した硬化性樹脂組成物の表面をならす工程、及び、上記未硬化の硬化性樹脂組成物を硬化させる工程を含むことがより好ましく、円筒状支持体に上記孔を形成した硬化樹脂シートを固定する工程、上記孔に未硬化の硬化性樹脂組成物を注入する工程、注入した硬化性樹脂組成物の表面をならす工程、及び、上記未硬化の硬化性樹脂組成物を硬化させる工程を含むことが更に好ましい。
また、本発明の円筒状印刷原版の製造方法は、上記工程(1)〜工程(4)以外の公知の工程を含んでいてもよい。
例えば、前述したような、印刷スリーブ(版胴)等の円筒状支持体に上記孔を形成した上記硬化樹脂シートを固定する工程等が挙げられる。
<レーザー彫刻用樹脂組成物>
本発明の円筒状印刷原版における上記硬化樹脂シートは、下記に示すレーザー彫刻用樹脂組成物を硬化した層を有することが好ましい。
また、本発明の円筒状印刷原版の製造方法における上記硬化性樹脂組成物は、下記に示すレーザー彫刻用樹脂組成物であることが好ましく、また、上記印刷原版シートは、下記に示すレーザー彫刻用樹脂組成物を硬化した層を有することが好ましい。
また、上記レーザー彫刻用樹脂組成物を硬化した層は、レーザー彫刻可能な層であり、また、本発明において「記録層」ともいう。
本発明に用いることができるレーザー彫刻用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、バインダーポリマーを含有することが好ましく、バインダーポリマーと、光熱変換剤とを含有することがより好ましく、バインダーポリマーと、光熱変換剤と、架橋剤とを含有することが更に好ましく、バインダーポリマーと、光熱変換剤と、反応性シラン化合物とを含有することが特に好ましい。
上記樹脂組成物の適用態様として、具体的には、レーザー彫刻により画像形成を行う画像形成材料の画像形成層、凸状のレリーフ形成をレーザー彫刻により行う印刷原版の記録層、凹版、孔版、スタンプ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。以下、レーザー彫刻用樹脂組成物の構成要素について説明する。
〔架橋剤〕
上記レーザー彫刻用樹脂組成物は、記録層中に架橋構造を形成する観点から、これを形成するために、架橋剤を含有することが好ましい。
また、上記記録層は、架橋構造を有していることが好ましい。
本発明に用いることができる架橋剤は、光や熱に起因した化学反応により高分子化して記録層を硬化可能であるものであれば特に限定されず用いることができる。特に、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物(以下、「重合性化合物」ともいう。)、アルコキシシリル基やハロゲン化シリル基等の反応性シリル基を有する反応性シラン化合物、反応性チタン化合物、反応性アルミニウム化合物等が好ましく用いられ、反応性シラン化合物がより好ましく用いられる。これらの化合物は、上記バインダーと反応することにより記録層中に架橋構造を形成してもよく、又は、これらの化合物同士で反応することにより架橋構造を形成してもよく、これら両方の反応により架橋構造を形成してもよい。
ここで用いることができる重合性化合物としては、エチレン性不飽和基を少なくとも1個、好ましくは2個以上、より好ましくは2〜6個有する化合物の中から任意に選択することができる。
上記レーザー彫刻用樹脂組成物は、下記式(I)で表される基を有する化合物(以下、「化合物(I)」ともいう。)を含有することが好ましい。
−M(R1)(R2n (I)
(式(I)中、R1はOR3又はハロゲン原子を表し、MはSi、Ti又はAlを表し、MがSiであるときnは2であり、MがTiであるときnは2であり、MがAlであるときnは1であり、n個あるR2はそれぞれ独立に炭化水素基、OR3又はハロゲン原子を表し、R3は水素原子又は炭化水素基を表す。)
式(I)中、MはSi、Ti又はAlを表す。これらの中でもMはSi又はTiであることが好ましく、Siであることが更に好ましい。
式(I)中、R1はOR3又はハロゲン原子を表し、R3は水素原子又は炭化水素基を表し、上記炭化水素基としては、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数2〜30のアルケニル基、炭素数7〜37のアラルキル等が例示される。これらの中でもR3としては、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基であることが更に好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。すなわち、R1はメトキシ基又はエトキシ基であることが特に好ましい。
1はアルカリ性のリンス液で処理した時に−M(R2n-にイオン化するものであることが好ましい。
式(I)中、R2は炭化水素基、OR3又はハロゲン原子を表す。R3は上述した通りであり、好ましい範囲も同様である。
2としては、OR3又はハロゲン原子であることが好ましく、OR3であることがより好ましい。
MがSiであるとき、nは2である。MがSiであるとき、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。
また、MがTiであるとき、nは2である。MがTiであるとき、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。
MがAlであるとき、nは1を表す。
なお、上記化合物(I)は、ポリマーとの反応により上記式(I)で表される基をポリマーに導入するものでもよく、反応前から上記式(I)で表される基を有し、ポリマーに上記式(I)で表される基を導入するものでもよい。
上記化合物(I)としては、特にMがSiである態様が好ましい。
また、上記記録層は、シロキサン結合を有していることが好ましい。
MがSiであるとき、式(I)で表される基を有する化合物(化合物(I))として、シランカップリング剤を使用することも可能である。なお、シランカップリング剤とは、アルコキシシリル基などの無機成分と反応可能な基と、メタクリロイル基などの有機成分と反応可能な基を有し、無機成分と有機成分とを結合可能な化合物である。なお、チタンカップリング剤、アルミネート系カップリング剤も同様である。
化合物(I)がビニル基、エポキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メルカプト基、アミノ基等の反応性基を有し、上記反応性基でポリマーと反応し、これによりポリマーに式(I)で表される基が導入されることも好ましい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
上記化合物(I)としては、式(I)で表される基を複数有する化合物も好ましく用いられる。このような場合、式(I)で表される基の一部とポリマーとが反応することで、ポリマーに式(I)で表される基を導入することができる。例えば、化合物(I)のR1基、及び、場合によりR2基が、ポリマー中の上記化合物と反応し得る原子及び/又は基(例えば、水酸基(−OH))と反応(例えば、アルコール交換反応)する。また、式(I)で表される基の複数がポリマーと結合することにより、化合物(I)は架橋剤としても機能し、架橋構造を形成することができる。
このような化合物(I)としては、式(I)で表される基を複数有する化合物であることが好ましく、2〜6個の式(I)で表される基を有する化合物であることがより好ましく、2〜3個の式(I)で表される基を有する化合物であることが特に好ましい。
以下に示す化合物が好ましいものとして挙げられるが、本発明はこれらの化合物に制限されるものではない。
Figure 0005942325
Figure 0005942325
Figure 0005942325
Figure 0005942325
上記各式中、Rは以下の構造から選択される部分構造を表す。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
Figure 0005942325
Figure 0005942325
上記各式中、Rは以下に示す部分構造を表す。R1は上記したものと同義である。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
Figure 0005942325
また、本発明において、上記の化合物(I)として、シリカ粒子、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子等を使用することもできる。これらの粒子は、後述するポリマーと反応して、ポリマーに、上記式(I)で表される基を導入することができる。例えば、シリカ粒子と、後述するポリマーとが反応することにより、−SiOHが導入される。
その他、チタンカップリング剤としては、味の素ファインテクノ(株)製プレンアクト、マツモトファインケミカル(株)製チタンテトライソプロポキシド、日本曹達(株)製チタニウム−i−プロポキシビス(アセチルアセトナト)チタンが例示され、アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが例示される。
本発明において、上記の化合物(I)は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、レーザー彫刻用樹脂組成物に含まれる化合物(I)の含有量は、固形分換算で0.1〜80重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、5〜30重量%であることが更に好ましい。
本発明においては、記録層中に架橋構造を形成する観点から、これを形成するために、レーザー彫刻用樹脂組成物には、重合性化合物を含有することが好ましい。
ここで用い得る重合性化合物は、エチレン性不飽和基を少なくとも1個、好ましくは2個以上、より好ましくは2〜6個有する化合物の中から任意に選択することができる。
また、本発明においては、架橋構造を形成する目的以外に、柔軟性や脆性等の膜物性の観点などから、エチレン性不飽和基を1つのみ有する化合物(単官能重合性化合物、単官能モノマー)を用いてもよい。
以下、重合性化合物として用いられる、エチレン性不飽和基を分子内に1つ有する化合物(単官能モノマー)、及び、エチレン性不飽和基を分子内に2個以上有する化合物(多官能モノマー)について説明する。
記録層は、膜中に架橋構造を有することが必要であることから、多官能モノマーが好ましく使用される。これらの多官能モノマーの分子量は、200〜2,000であることが好ましい。
単官能モノマー及び多官能モノマーとしては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
本発明においては、重合性化合物として、彫刻感度向上の観点から、分子内に硫黄原子を有する化合物を用いることが好ましい。
このように分子内に硫黄原子を有する重合性化合物としては、彫刻感度向上の観点から、特に、2つ以上のエチレン性不飽和結合を有し、そのうち2つのエチレン性不飽和結合間を連結する部位に炭素−硫黄結合を有する重合性化合物(以下、適宜、「含硫黄多官能モノマー」ともいう。)を用いることが好ましい。
本発明における含硫黄多官能モノマー中の炭素−硫黄結合を含んだ官能基としては、スルフィド、ジスルフィド、スルホキシド、スルホニル、スルホンアミド、チオカルボニル、チオカルボン酸、ジチオカルボン酸、スルファミン酸、チオアミド、チオカルバメート、ジチオカルバメート、又はチオ尿素を含む官能基が挙げられる。
また、含硫黄多官能モノマーにおける2つのエチレン性不飽和結合間を連結する炭素−硫黄結合を含有する連結基としては、−C−S−、−C−S−S−、−NH(C=S)O−、−NH(C=O)S−、−NH(C=S)S−、及び、−C−SO2−よりなる群から選択される少なくとも1つのユニットであることが好ましい。
また、含硫黄多官能モノマーの分子内に含まれる硫黄原子の数は1つ以上であれば特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができるが、彫刻感度と塗布溶剤に対する溶解性のバランスの観点から、1個〜10個が好ましく、1個〜5個がより好ましく、1個〜2個が更に好ましい。
一方、分子内に含まれるエチレン性不飽和基の数は2つ以上であれば特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができるが、架橋膜の柔軟性の観点で、2個〜10個が好ましく、2個〜6個がより好ましく、2個〜4個が更に好ましい。
本発明における含硫黄多官能モノマーの分子量としては、形成される膜の柔軟性の観点から、120〜3,000であることが好ましく、120〜1,500であることがより好ましい。
また、本発明における含硫黄多官能モノマーは単独で用いてもよいが、分子内に硫黄原子を持たない多官能重合性化合物や単官能重合性化合物との混合物として用いてもよい。
彫刻感度の観点からは、含硫黄多官能モノマー単独で用いる、又は、含硫黄多官能モノマーと単官能モノマーとの混合物として用いる態様が好ましく、含硫黄多官能モノマーと単官能モノマーとの混合物として用いる態様がより好ましい。
記録層においては、含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物を用いることにより、膜物性、例えば、脆性、柔軟性などを調整することもできる。
また、樹脂組成物中の含硫黄多官能モノマーをはじめとする重合性化合物の総含有量は、架橋膜の柔軟性や脆性の観点から、不揮発性成分に対して、10〜60重量%が好ましく、15〜45重量%の範囲がより好ましい。
なお、含硫黄多官能モノマーと他の重合性化合物とを併用する場合、全重合性化合物中の含硫黄多官能モノマーの量は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。
〔バインダーポリマー〕
上記レーザー彫刻用樹脂組成物は、バインダーポリマー(以下、「バインダー」ともいう。)を含有することが好ましい。
バインダーは、レーザー彫刻用樹脂組成物に含有される高分子成分であり、一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種又は2種以上を併用して用いることができる。特に、レーザー彫刻用樹脂組成物を印刷原版に用いる際は、レーザー彫刻性、インキ受与性、彫刻カス分散性などの種々の性能を考慮して選択することが必要である。
バインダーとしては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択して用いることができる。
例えば、レーザー彫刻感度の観点からは、露光又は加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。このようなポリマーは、特開2008−163081号公報の段落0038に記載されているものが好ましく挙げられる。また、例えば、柔軟で可撓性を有する膜形成が目的とされる場合には、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーが選択される。特開2008−163081号公報の段落0039〜0040に詳述されている。更に、レーザー彫刻用樹脂組成物を、レーザー彫刻用レリーフ印刷原版における記録層に適用する場合であれば、レーザー彫刻用樹脂組成物の調製の容易性、得られたレリーフ印刷版における油性インクに対する耐性向上の観点から、親水性又は親アルコール性ポリマーを使用することが好ましい。親水性ポリマーとしては、特開2008−163081号公報の段落0041に詳述されているものを使用することができる。
加えて、加熱や露光により硬化させ、強度を向上させる目的に使用する場合には、分子内に炭素−炭素不飽和結合をもつポリマーが好ましく用いられる。
このようなバインダーとして、主鎖に炭素−炭素不飽和結合を含むポリマーとしては、例えば、SB(ポリスチレン−ポリブタジエン)、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等が挙げられる。
側鎖に炭素−炭素不飽和結合をもつポリマーとしては、上記ポリマーの骨格に、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルエーテル基のような炭素−炭素不飽和結合を側鎖に導入することで得られる。ポリマー側鎖に炭素−炭素不飽和結合を導入する方法は、(1)重合性基に保護基を結合させてなる重合性基前駆体を有する構造単位をポリマーに共重合させ、保護基を脱離させて重合性基とする方法、(2)水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基などの反応性基を複数有する高分子化合物を作製し、これらの反応性基と反応する基及び炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を高分子反応させて導入する方法など、公知方法をとることができる。これらの方法によれば、高分子化合物中への不飽和結合、重合性基の導入量を制御することができる。
バインダーとしては、水酸基(−OH)を有するポリマー(以下、「特定ポリマー」ともいう。)を用いることが特に好ましい。特定ポリマーの骨格としては、特に限定されないが、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
水酸基を有するアクリル樹脂の合成に用いられるアクリル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類(メタ)アクリルアミド類であって分子内にヒドロキシル基を有するものが好ましい。このような単量体の具体例としては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらと公知の(メタ)アクリル系モノマーやビニル系モノマーとを重合させた共重合体を好ましく用いることができる。
特定ポリマーとして、ヒドロキシ基を側鎖に有するエポキシ樹脂を用いることも可能である。好ましい具体例としては、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとの付加物を原料モノマーとして重合して得られるエポキシ樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸などのヒドロキシルカルボン酸ユニットからなるポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。このようなポリエステル樹脂としては、具体的には、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、乳酸系ポリマー、ポリグリコール酸(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(ブチレンコハク酸)、これらの誘導体又は混合物よりなる群から選択されるものが好ましい。
特定ポリマーとしては、上記化合物(I)と反応し得る原子及び/又は基を有するポリマーであることが好ましく、上記化合物(I)と反応し得る原子及び/又は基を有するポリマーであり、水不溶、かつ、炭素数1〜4のアルコールに可溶のバインダーポリマーであることがより好ましい。
上記化合物(I)と反応し得る原子及び/又は基としては特に限定されないが、エチレン性不飽和結合、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、ヒドロキシ基が例示され、これらの中でも、ヒドロキシ基が好ましく例示される。
本発明における特定ポリマーとして、水性インキ適性とUVインキ適性を両立しつつ、かつ彫刻感度が高く皮膜性も良好であるという観点で、ポリビニルブチラール(PVB)、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂及び側鎖にヒドロキシル基を有するエポキシ樹脂等が好ましく例示される。
本発明に用いることができる特定ポリマーは、本発明において記録層を構成するレーザー彫刻用樹脂組成物の好ましい併用成分である、後述する700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤と組み合わせた場合に、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上のものとすることで、彫刻感度が向上するため、特に好ましい。このようなガラス転移温度を有するポリマーを、以下、非エラストマーと称する。すなわち、エラストマーとは、一般的に、ガラス転移温度が常温以下のポリマーであるとして学術的に定義されている(科学大辞典 第2版、編者 国際科学振興財団、発行 丸善株式会社、P154参照)。従って、非エラストマーとはガラス転移温度が常温を超える温度であるポリマーを指す。特定ポリマーのガラス転移温度の上限には制限はないが、200℃以下であることが取り扱い性の観点から好ましく、25℃以上120℃以下であることがより好ましい。
ガラス転移温度が室温(20℃)以上のポリマーを用いる場合、特定ポリマーは常温ではガラス状態をとるが、このためゴム状態をとる場合に比較して、熱的な分子運動はかなり抑制された状態にある。レーザー彫刻においては、レーザー照射時に、赤外線レーザーが付与する熱に加え、所望により併用される光熱変換剤の機能により発生した熱が、周囲に存在する特定ポリマーに伝達され、これが熱分解、消散して、結果的に彫刻されて凹部が形成される。
特定ポリマーを用いた場合、特定ポリマーの熱的な分子運動が抑制された状態の中に光熱変換剤が存在すると特定ポリマーへの熱伝達と熱分解が効果的に起こるものと考えられ、このような効果によって彫刻感度が更に増大したものと推定される。
本発明において好ましく用いられるバインダーの具体例を、以下に例示する。
(1)ポリビニルアセタール及びその誘導体
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルを鹸化して得られる。)を環状アセタール化することにより得られる化合物である。また、ポリビニルアセタール誘導体は、上記ポリビニルアセタールを変性させたり、他の共重合成分を加えたものである。
ポリビニルアセタール中のアセタール含量(原料の酢酸ビニルモノマーの総モル数を100%とし、アセタール化されるビニルアルコール単位のモル%)は、30〜90%が好ましく、50〜85%がより好ましく、55〜78%が特に好ましい。
ポリビニルアセタール中のビニルアルコール単位としては、原料の酢酸ビニルモノマーの総モル数に対して、10〜70モル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましく、22〜45モル%が特に好ましい。
また、ポリビニルアセタールは、その他の成分として、酢酸ビニル単位を有していてもよく、その含量としては0.01〜20モル%が好ましく、0.1〜10モル%が更に好ましい。ポリビニルアセタール誘導体は、更に、その他の共重合単位を有していてもよい。
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルエチラール、ポリビニルメチラールなどが挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール(PVB)が好ましい。
ポリビニルブチラールは、通常、ポリビニルアルコールをブチラール化して得られるポリマーである。また、ポリビニルブチラール誘導体を用いてもよい。
ポリビニルブチラール誘導体の例として、水酸基の少なくとも一部をカルボキシル基等の酸基に変性した酸変性PVB、水酸基の一部を(メタ)アクリロイル基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部をアミノ基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部にエチレングリコールやプロピレングリコール及びこれらの複量体を導入した変性PVB等が挙げられる。
ポリビニルアセタールの分子量としては、彫刻感度と皮膜性のバランスを保つ観点で、重量平均分子量として5,000〜800,000であることが好ましく、より好ましくは8,000〜500,000である。更に、彫刻カスのリンス性向上の観点からは、50,000〜300,000であることが特に好ましい。
以下、ポリビニルアセタールの特に好ましい例として、ポリビニルブチラール(PVB)及びその誘導体を挙げて説明するが、これに限定されない。
PVBとしては、市販品としても入手可能であり、その好ましい具体例としては、アルコール溶解性(特にエタノール溶解性)の観点で、積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズ、「エスレックK(KS)」シリーズ、電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」が好ましい。更に好ましくは、アルコール溶解性(特にエタノール)の観点で積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズと電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」であり、特に好ましくは積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズでは、「BL−1」、「BL−1H」、「BL−2」、「BL−5」、「BL−S」、「BX−L」、「BM−S」、「BH−S」、電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」では「#3000−1」、「#3000−2」、「#3000−4」、「#4000−2」、「#6000−C」、「#6000−EP」、「#6000−CS」、「#6000−AS」である。
PVBを特定ポリマーとして用いて記録層を製膜する際には、溶媒に溶かした溶液をキャストし乾燥させる方法が、膜の表面の平滑性の観点で好ましい。
上記ポリビニルアセタール及びその誘導体のほか、特定ポリマーとしては、公知のアクリル単量体を用いて得るアクリル樹脂であって、分子内にヒドロキシル基を有するものを用いることもできる。また、特定ポリマーとして、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂であるノボラック樹脂を用いることもできる。また、特定ポリマーとして、ヒドロキシル基を側鎖に有するエポキシ樹脂を用いることも可能である。
特定ポリマーの中でも、記録層としたときのリンス性及び耐刷性の観点でポリビニルブチラール及びその誘導体が特に好ましい。
本発明における特定ポリマーに含まれるヒドロキシル基の含有量は、上記いずれの態様のポリマーにおいても、0.1〜15mmol/gであることが好ましく、0.5〜7mmol/gであることがより好ましい。
樹脂組成物にはバインダーを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができるバインダーの重量平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算)は5,000〜1,000,000であることが好ましく、8,000〜750,000であることが更に好ましく、10,000〜500,000であることが最も好ましい。
本発明に用いることができる樹脂組成物における特定ポリマーの好ましい含有量は、塗膜の形態保持性と耐水性と彫刻感度をバランスよく満足する観点で、全固形分中、2〜95重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは10〜60重量%である。
バインダーポリマーの含有量は、レーザー彫刻用樹脂組成物の固形分全重量に対し、5〜95重量%が好ましく、15〜80重量%がより好ましく、20〜65重量%が更に好ましい。
例えば、レーザー彫刻用樹脂組成物をレリーフ印刷原版の記録層に適用した場合、バインダーポリマーの含有量を5重量%以上とすることで、得られたレリーフ印刷版を印刷版として使用するに足る耐刷性が得られ、また、95重量%以下とすることで、他成分が不足することがなく、レリーフ印刷版をフレキソ印刷版とした際においても印刷版として使用するに足る柔軟性を得ることができる。
〔溶剤〕
本発明において、樹脂組成物を調製する際に用いる溶媒は、化合物(I)と特定ポリマーとの反応を速やかに進行させる観点で、主として非プロトン性の有機溶媒を用いることが好ましい。より具体的には、非プロトン性の有機溶媒/プロトン性有機溶媒=100/0〜50/50(重量比)で用いることが好ましい。より好ましくは100/0〜70/30、特に好ましくは100/0〜90/10である。
非プロトン性の有機溶媒の好ましい具体例は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドである。
プロトン性有機溶媒の好ましい具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールである。
〔アルコール交換反応触媒〕
樹脂組成物に化合物(I)を使用する場合、化合物(I)と特定バインダーポリマーとの反応を促進するため、アルコール交換反応触媒を含有することが好ましい。
アルコール交換反応触媒は、一般に用いられる反応触媒であれば、限定なく適用できる。
以下、代表的なアルコール交換反応触媒である酸あるいは塩基性触媒、及び、金属錯体触媒について順次説明する。
−酸性触媒又は塩基性触媒−
触媒としては、酸性触媒又は塩基性触媒をそのまま用いるか、あるいは水又は有機溶剤などの溶媒に溶解させた状態のものを用いる。溶媒に溶解させる際の濃度については特に限定はなく、用いる酸、あるいは塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて適宜選択すればよい。
酸性触媒又は塩基性触媒の種類は特に限定されないが、具体的には、酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素又は置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、リン酸などが挙げられ、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。層中でのアルコール交換反応を速やかに進行させる観点で、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウム p−トルエンスルホネート、リン酸、ホスホン酸、酢酸が好ましく、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸が特に好ましい。
−金属錯体触媒−
本発明においてアルコール交換反応触媒として用いられる金属錯体触媒は、好ましくは、周期律表の2、4、5及び13族よりなる群から選ばれた金属元素とβ−ジケトン(アセチルアセトンなどが好ましい。)、ケトエステル、ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル、アミノアルコール、及び、エノール性活性水素化合物よりなる群から選ばれるオキソ又はヒドロキシ酸素化合物とから構成されるものである。
更に、構成金属元素の中では、Mg,Ca,St及びBaなどの2族元素、Ti及びZrなどの4族元素、並びに、V,Nb及びTaなどの5族元素、Al及びGaなどの13族元素が好ましく挙げられ、それぞれ触媒効果の優れた錯体を形成する。その中でも、得られる錯体が優れている点から、Zr、Al又はTiの金属錯体触媒が好ましく、オルトチタン酸エチルなどが特に好ましい。
これらは水系塗布液での安定性、及び、加熱乾燥時のゾルゲル反応でのゲル化促進効果に優れているが、中でも、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
樹脂組成物には、アルコール交換反応触媒を1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。樹脂組成物におけるアルコール交換反応触媒の含有量は、水酸基を有するポリマーに対して、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましい。
〔重合開始剤〕
レーザー彫刻用樹脂組成物は、重合開始剤を含有することが好ましく、エチレン性不飽和基を有する化合物と重合開始剤とを併用することがより好ましい。
重合開始剤は、公知のものを制限なく使用することができる。以下、好ましい重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述するが、本発明はこれらの記述により制限を受けるものではない。
重合開始剤としては、光重合開始剤と熱重合開始剤とに大別することができる。
光重合開始剤としては、前述したものを好適に用いることができる。
本発明では、架橋度を向上させる観点から、熱重合開始剤が好ましく用いられる。熱重合開始剤としては、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物が好ましく用いられ、(c)有機過酸化物がより好ましく用いられる。特に、以下に示す化合物が好ましい。
(c)有機過酸化物
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤として、好ましい(c)有機過酸化物としては、3,3’4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(l)アゾ系化合物
本発明に用いることができるラジカル重合開始剤として、好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
本発明における重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
重合開始剤は、レーザー彫刻用樹脂組成物の全固形分に対し、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜3重量%の割合で添加することができる。
〔光熱変換剤〕
上記記録層は、光熱変換剤を含有することが好ましい。
また、上記レーザー彫刻用樹脂組成物は、光熱変換剤を含有することが好ましい。
光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻用樹脂組成物の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。ゆえに、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。
波長700nm〜1,300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合には、本発明における記録層は、700nm〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤を含有することが好ましい。
本発明における光熱変換剤としては、種々の染料及び/又は顔料が用いられる。
上記光熱変換剤は、800nm〜1,200nmに吸収を有する顔料及び染料から選択される1種以上の光熱変換剤であることがより好ましい。
また、上記光熱変換剤は、顔料であることが好ましい。
光熱変換剤のうち、染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、700nm〜1,300nmに極大吸収波長を有するものが挙げられ、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。特に、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、フタロシアニン系色素が好ましく用いられる。例えば、特開2008−63554号公報の段落0124〜0137に記載の染料を挙げることができる。
本発明において使用される光熱変換剤のうち、顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち、好ましいものはカーボンブラックである。
カーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。
本発明においては、比較的低い比表面積及び比較的低いDBP吸収を有するカーボンブラックや比表面積の大きい微細化されたカーボンブラックまでを使用することも可能である。好適なカーボンブラックの例は、Printex(登録商標)U、Printex(登録商標)A、又はSpezialschwarz(登録商標)4(Degussaより)を含む。
本発明に用いることができるカーボンブラックとしては、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が、150ml/100g未満であることが好ましい。
また、カーボンブラックとしては、光熱変換により発生した熱を周囲のポリマー等に効率よく伝えることで彫刻感度が向上するという観点で、比表面積が少なくとも150m2/gである、伝導性カーボンブラックが好ましい。
上記記録層、又は、上記レーザー彫刻用樹脂組成物中における光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、樹脂組成物又は記録層の固形分全重量の0.01〜20重量%の範囲が好ましく、0.05〜10重量%の範囲がより好ましく、0.1〜5重量%の範囲が特に好ましい。
<その他の添加剤>
上記レーザー彫刻用樹脂組成物、及び、上記レリーフ印刷原版の記録層は、前述したもの以外に、公知の添加剤を含有していてもよい。
レーザー彫刻用樹脂組成物は、可塑剤を含有することが好ましい。
可塑剤は、レーザー彫刻用樹脂組成物により形成された膜を柔軟化する作用を有するものであり、ポリマーに対して相溶性のよいものである必要がある。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、クエン酸トリブチル等や、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)などが好ましく用いられる。
レーザー彫刻用樹脂組成物は、彫刻感度向上のための添加剤として、ニトロセルロースや高熱伝導性物質、を加えることがより好ましい。ニトロセルロースは自己反応性化合物であるため、レーザー彫刻時、自身が発熱し、共存する親水性ポリマー等のポリマーの熱分解をアシストする。その結果、彫刻感度が向上すると推定される。高熱伝導性物質は、熱伝達を補助する目的で添加され、熱伝導性物質としては、金属粒子等の無機化合物、導電性ポリマー等の有機化合物が挙げられる。金属粒子としては、粒径がマイクロメートルオーダーから数ナノメートルオーダーの、金微粒子、銀微粒子、銅微粒子が好ましい。導電性ポリマーとしては、特に共役ポリマーが好ましく、具体的には、ポリアニリン、ポリチオフェンが挙げられる。
また、共増感剤を用いることで、レーザー彫刻用樹脂組成物を光硬化させる際の感度を更に向上させることができる。
更に、組成物の製造中あるいは保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが好ましい。
レーザー彫刻用樹脂組成物の着色を目的として染料若しくは顔料等の着色剤を添加してもよい。これにより、画像部の視認性や、画像濃度測定機適性といった性質を向上させることができる。
更に、レーザー彫刻用樹脂組成物の硬化皮膜の物性を改良するために充填剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
(円筒状印刷版及びその製版方法)
本発明の円筒状印刷版の製版方法は、本発明の円筒状印刷原版、又は、本発明の円筒状印刷原版の製造方法により得られた円筒状印刷原版を製版する製版工程を含み、上記製版工程が、本発明の円筒状印刷原版、又は、本発明の円筒状印刷原版の製造方法により得られた円筒状印刷原版をレーザー彫刻する彫刻工程であることが好ましい。
本発明の円筒状印刷版は、本発明の円筒状印刷原版、又は、本発明の円筒状印刷原版の製造方法により得られた円筒状印刷原版より得られた円筒状印刷版であり、本発明の円筒状印刷原版、又は、本発明の円筒状印刷原版の製造方法により得られた円筒状印刷原版をレーザー彫刻して得られた円筒状印刷版であることが好ましい。
<彫刻工程>
本発明の円筒状印刷版の製版方法は、上記製版工程が、本発明の円筒状印刷原版、又は、本発明の円筒状印刷原版の製造方法により得られた円筒状印刷原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含むことが好ましい。
彫刻工程は、円筒状印刷原版の記録層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、記録層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、記録層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、記録層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、記録層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で記録層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
彫刻工程に用いられる赤外線レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)又は半導体レーザーが好ましく、ファイバー付き半導体赤外線レーザー(FC−LD)が特に好ましい。一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率且つ安価で小型化が可能である。また、小型であるためアレイ化が容易である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため、本発明における彫刻工程には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ、安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、「実用レーザー技術」電子通信学会編著等に記載されている。
また、本発明の円筒状印刷原版を用いた円筒状印刷版の製版方法に好適に使用し得るファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明の円筒状印刷版の製版に使用することができる。
本発明の円筒状印刷版の製版方法では、彫刻工程に次いで、更に、必要に応じて下記リンス工程、乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。
リンス工程:彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
上記工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程を追加してもよい。リンスの手段として、水道水で水洗する方法、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻された記録層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じて彫刻された記録層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
本発明に用いることができるリンス液のpHは、9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11以上であることが更に好ましい。また、リンス液のpHは14以下であることが好ましく、13.5以下であることがより好ましく、13.1以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、取り扱いが容易である。リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。また、リンス液は、水以外の溶媒として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶媒を含有していてもよい。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。本発明に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、レリーフ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。なお、本発明において、アミンオキシド化合物のN=O、及び、ホスフィンオキシド化合物のP=Oの構造はそれぞれ、N+−O-、P+−O-と見なすものとする。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等も挙げられる。更に、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
以上のようにして、レリーフ層(彫刻された記録層)を有する円筒状印刷版が得られる。
本発明の円筒状印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、0.05mm以上7mm以下がより好ましく、0.05mm以上3mm以下が特に好ましい。
また、本発明の円筒状印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
本発明の円筒状印刷版は、フレキソ印刷機による水性インキでの印刷に特に好適であるが、凸版用印刷機による水性インキ及びUVインキ、いずれのインキを用いた場合でも、印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示し、「%」は「質量%」を示すものとする。
(実施例1〜19、及び、比較例1〜6)
1.架橋性樹脂組成物の調製
撹拌羽及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に、ポリマーとして「デンカブチラール#3000−2」(電気化学工業(株)製、ポリビニルブチラール誘導体、Mw=9万)50部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート47部を入れ、撹拌しながら70℃で120分間加熱しポリマーを溶解させた。その後、溶液を40℃にし、更に重合性化合物(多官能体)としてモノマー(M−1)(下記構造、新中村工業(株)製)を15部、重合性化合物(単官能体:ラウリルメタクリレート)としてブレンマーLMA(日油(株)製)8部、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート(商品名:パーブチルZ、日油(株)製)を1.6部、光熱変換剤としてケッチェンブラックEC600JD(カーボンブラック、ライオン(株)製)を1部添加して30分間撹拌した。その後、化合物(S−1)〔以下に、構造を示す。商品名、KBE−846として信越化学工業(株)より入手可能〕を15部及び触媒としてリン酸を0.4部添加し、40℃で10分間撹拌した。この操作により、流動性のある架橋性レリーフ形成層用塗布液1(レーザー彫刻用架橋性樹脂組成物)を得た。
Figure 0005942325
(なお、Etはエチル基を表す。)
2.印刷原版シート(硬化樹脂シート)の作製
2−1.架橋樹脂シートの作製
PET基板上に所定厚のスペーサー(枠)を設置し、上記より得られた架橋性レリーフ形成層用塗布液1をスペーサー(枠)から流出しない程度に静かに流延し、70℃のオーブン中で3時間乾燥させて、表1の印刷原版の厚みが1.14mmの場合、厚さが0.80mmのレリーフ形成層を設け、表1の印刷原版の厚みが1.70mmの場合、厚さが1.35mmのレリーフ形成層を設け、未架橋の樹脂シートを作製した。なお、実施例19においては、印刷原版の厚さが表1に記載の厚さとなるように、レリーフ形成層の厚さを変更して作製した。
得られた樹脂シートのレリーフ形成層を80℃で3時間、更に100℃で3時間加熱してレリーフ形成層を熱架橋し、架橋樹脂シートを得た。
2−2.PET支持体張り合わせ
熱架橋して得られた架橋樹脂シートに対して下記に記載の接着剤組成物を120μmの厚さで塗設した後、0.23mm厚のPET支持体をニップローラにて張り合わせ、20秒後にPET支持体側からUV露光機(アイグラフィック社製UV露光機ECS−151U、メタルハライドランプ、1,500mJ/cm2、14sec露光)にて露光量1,000mJ/cm2で接着剤を硬化させ、印刷原版シートを作製した。
<接着剤組成物の組成>
・2−ヒドロキシプロピルアクリレート(大阪有機化学工業(株)製):52質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製):40質量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):8質量部
3.スリーブ状レリーフ印刷原版(円筒状印刷原版)の作製
表1並びに図3、図4及び図7に示す態様となるように、以下の方法により、実施例及び比較例の各円筒状印刷原版を作製した。
得られた印刷原版シートを幅200mm、重ね代の幅に応じて長さ510〜550mmにカットした。印刷原版シートの短手方向に平行な両端から、それぞれ、幅5〜25mm内側の重ね代となる部分の表面を、以下のようにして一部除去した。
印刷原版シートのPET支持体が積層された面を下にして、CNC加工機(オークマ(株)製)にセットし、巻き付け始端側の重ね代部分を、表1並びに図3及び図4に示す態様となるように切削した。図11中の角度αは30°とした。その後、表1及び図7〜図11に示すA〜Eの態様となるように、直径が0.5〜3.5mmの円柱状の孔を打ち抜いた。
次いで、今度はPET支持体が積層された面を上にして、先ほどと同様の工程で、巻き付け終端側の重ね代部分を、表1並びに図3及び図4に示す態様となるように切削した後、表1及び図7〜図11に示すA〜Eの態様となるように、直径が0.5〜3.5mmの円柱状の孔を打ち抜いた。
なお、図7のAの態様においては、四隅の孔を重ね代部の円周方向(図7の左右方向、図8〜図11においても同様)端部から0.10mm、重ね代部の幅方向(図7の上下方向、図8〜図11においても同様)端部から1.00mm間隔を空けてそれぞれ形成し、他の孔については間隔が円周方向及び幅方向について等間隔になるように形成した。
図8のBの態様においては、重ね代部の中央部分(円周方向両端の各辺から均等な距離、かつ幅方向両端の各辺から均等な距離)で孔同士を円周方向及び幅方向0.50mmの間隔を空けてそれぞれ形成した。
図9のCの態様においては、四隅の孔を重ね代部の円周方向端部から0.10mm、重ね代部の幅方向端部から1.00mm間隔を空けてそれぞれ形成し、中央部分の孔については、重ね代部の中央部分で孔同士を幅方向0.5mmの間隔を空け、かつ重ね代部円周方向中央に孔の中心が並ぶようにそれぞれ形成した。
また、図10のDの態様においては、四隅の孔を重ね代部の円周方向端部から0.10mm、重ね代部の幅方向端部から1.00mm間隔を空けてそれぞれ形成し、他の孔については間隔が円周方向及び幅方向について等間隔になるように周囲に形成した。
図11のEの態様においては、四隅の孔を重ね代部の円周方向端部から0.10mm、重ね代部の幅方向端部から0.10mm間隔を空けてそれぞれ形成し、他の孔については間隔が円周方向及び幅方向に対して30°の方向について等間隔になるように形成した。
外周500mmのニッケル製印刷スリーブ(厚み1.5mm)外面に、粘着テープ(Rohmann社製、DupuloFLEX5.1plus)を目印として貼り付け、上記印刷原版を慎重に貼り付けた。その後、上記において打ち抜いた円柱状の孔である各連通孔部に未硬化の上記架橋性樹脂組成物を注入し、表面をヘラでならした。そして、上記未硬化の硬化性樹脂を含む円筒状印刷原版全体を100℃で1時間加熱して、接合部を形成し、円筒状印刷原版とした。
4.レーザー彫刻
得られた円筒状印刷原版における架橋後のレリーフ形成層に対し、以下の2種のレーザーにより彫刻した。
炭酸ガスレーザー彫刻機として、レーザー照射による彫刻を、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ((株)キーエンス製)を用いた。レーザー彫刻用印刷原版1から保護フィルムを剥離後、炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長 915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
レリーフ印刷版(印刷原版)の厚みが1.14mmである場合、レリーフ層の厚みは0.80mmであり、レリーフ印刷版(印刷原版)の厚みが1.70mmである場合、レリーフ層の厚みは1.35mmであった。
また、レリーフ層のショアA硬度を、前述の測定方法により測定したところ、それぞれ75°であった。
以上のようにして、支持体等の任意の基材表面にレリーフ層を有する円筒状レリーフ印刷版が得られた。
<印刷版の評価>
1.位置精度の評価
印刷原版における重ね代部周辺を切り出し、重ね代部の始端部の彫刻面側表面を100倍のマイクロスコープ((株)キーエンス製、VHX−1000)で観察した。
上記始端部において隙間ができるだけないものが位置精度に優れるものであり、評価基準は、幅方向で隙間が全面に渡って確認されるものを3、ほとんど隙間がないものを2、隙間がないものを1とした。
2.厚み精度の評価
印刷原版における重ね代部周辺を切り出し、接合部と接合部以外の重ね代部の箇所とにおけるそれぞれ10箇所の断面を100倍のマイクロスコープ((株)キーエンス製、VHX−1000)で観察し、厚みを算出した。
(接合部における10箇所の平均値)−(接合部以外の重ね代部における10箇所の平均値)で算出される値が、小さいほど厚み精度に優れるものであり、評価基準は、50μm以上を3、20μm以上50μm未満を2、20μm未満を1とした。
なお、図12に示すように、接合部の厚さ、接合部以外の重ね代部の厚さはそれぞれ、L1、L2が該当する。
3.接着強度の評価
得られたスリーブ印刷版を印刷機(ITM−4型、(株)伊予機械製作所製)にセットし、インクとして、水性インキ アクアSPZ16紅(東洋インキ製造(株)製)を希釈せずに用いて、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙(株)製、厚さ100μm)を用いて、350m/minの速度で印刷を実施した。
剥がれや浮きが少ないものが接着強度に優れるものであり、評価基準は、50,000m印刷後、接合部が剥がれたものを3、接合部の一部が剥がれたが、画質への実害がないものを2、剥がれてはいないが、接合部の一部が浮いているものを1、剥がれることなく、かつ浮いていないものを0とした。
表1に各実施例、比較例の評価結果を示す。なお、接合部の並びの記載は、配置がA(図7)及びB(図8)の場合は、(円周方向の数)×(幅方向の数)で個数を記載した。配置がC(図9)の場合は、4(四隅の孔)+(中央部の幅方向の数)で個数を記載した。配置がD(図10)の場合は、(四隅を除いた円周方向の合計数)+(四隅を含む幅方向の合計数)で個数を記載した。配置がE(図11)の場合は、(円周方向の数)×(幅方向に対して角度α方向の数)で個数を記載した。
Figure 0005942325
10:円筒状印刷原版、12:重ね代部、14:接合部、16:硬化樹脂シートの端部(カット面)、18:始端部、20:彫刻面、22:支持体面、D:円筒状印刷原版の円周方向、L1:接合部の厚さ、L2:接合部以外の重ね代部の厚さ

Claims (15)

  1. 硬化樹脂シートを円筒状に形成したものであり、
    前記硬化樹脂シートの両端部が重ね合わされた重ね代部を有し、
    前記重ね代部における前記硬化樹脂シートの各端部の厚さが、前記重ね代部以外の前記硬化樹脂シートの厚さより薄くなっており、
    前記重ね代部において、前記硬化樹脂シートの両端部を連通する孔が硬化樹脂により埋められた接合部を有し、
    前記重ね代部の幅が、5mm以上25mm以下であり、
    前記接合部の径が、1mm以上3mm以下であり、
    前記接合部の版面方向における断面積が、前記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%以上80%未満であることを特徴とする
    円筒状印刷原版。
  2. 前記接合部の数が、20〜600である、請求項1に記載の円筒状印刷原版。
  3. 前記接合部の数が、50〜200である、請求項1又は2に記載の円筒状印刷原版。
  4. 前記接合部の形状が、円柱状である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版。
  5. 前記円筒状印刷原版が、レーザー彫刻用円筒状印刷原版である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版。
  6. (1)硬化樹脂シートを準備する工程と、
    (2)前記硬化樹脂シートの重ね代となる部分を形成する工程と、
    (3)前記硬化樹脂シートの巻き付け始端とする側の重ね代と巻き付け終端側の重ね代とを重ね合わせた重ね代部に連通する孔を形成する工程と、
    (4)前記孔を硬化した硬化性樹脂組成物で埋め接合部を形成する工程と、
    を含み、
    前記重ね代部の幅が、5mm以上25mm以下であり、
    前記接合部の径が、1mm以上3mm以下であり、
    前記孔の版面方向における断面積が、前記重ね代部の版面方向における断面積に対し、5%以上80%未満であることを特徴とする
    円筒状印刷原版の製造方法。
  7. 前記工程(4)が、前記孔に未硬化の硬化性樹脂組成物を注入する工程、及び、前記未硬化の硬化性樹脂組成物を硬化させる工程を含む、請求項6に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  8. 前記工程(2)〜工程(4)のいずれかが、前記硬化樹脂シートの少なくとも一端部を固定して行う工程である、請求項6又は7に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  9. 前記硬化性樹脂組成物が、熱硬化性樹脂組成物である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  10. 前記孔が、2つの前記重ね代を貫通する貫通孔である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  11. 前記接合部の数が、20〜600である、請求項6〜10のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  12. 前記接合部の数が、50〜200である、請求項6〜11のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  13. 前記接合部の形状が、円柱状である、請求項6〜12のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  14. 前記円筒状印刷原版が、レーザー彫刻用円筒状印刷原版である、請求項6〜13のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版の製造方法。
  15. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の円筒状印刷原版、又は、請求項6〜14のいずれか1項に記載の製造方法により得られた円筒状印刷原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含む
    円筒状印刷版の製版方法。
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