JPH089920A - 水中油型乳化食品 - Google Patents
水中油型乳化食品Info
- Publication number
- JPH089920A JPH089920A JP6144712A JP14471294A JPH089920A JP H089920 A JPH089920 A JP H089920A JP 6144712 A JP6144712 A JP 6144712A JP 14471294 A JP14471294 A JP 14471294A JP H089920 A JPH089920 A JP H089920A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- raw material
- water
- phase raw
- granule fraction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Seasonings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 風味上の観点から何らかの形態で卵黄を配合
した水中油型乳化食品であって、冷凍解凍時に油脂分離
の生じ難い水中油型乳化食品、また、乾燥工程時に油脂
分離が生じ難い水中油型乳化食品、並びに加熱使用時に
油脂分離が生じ難い水中油型乳化食品をそれぞれ提供す
ることを目的とする。 【構成】 本発明の水中油型乳化食品は、一面におい
て、水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール画分によ
り水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食品であっ
て、冷凍されていることを構成とするものであり、また
他面において、水相原料と油相原料とが卵黄グラニュー
ル画分により水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食
品であって、乾燥されていることを構成とするものであ
り、更にまた別の面において、水相原料と油相原料とが
卵黄グラニュール画分により水中油型に乳化されてなる
水中油型乳化食品であって、加熱使用用であることを構
成とするものである。
した水中油型乳化食品であって、冷凍解凍時に油脂分離
の生じ難い水中油型乳化食品、また、乾燥工程時に油脂
分離が生じ難い水中油型乳化食品、並びに加熱使用時に
油脂分離が生じ難い水中油型乳化食品をそれぞれ提供す
ることを目的とする。 【構成】 本発明の水中油型乳化食品は、一面におい
て、水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール画分によ
り水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食品であっ
て、冷凍されていることを構成とするものであり、また
他面において、水相原料と油相原料とが卵黄グラニュー
ル画分により水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食
品であって、乾燥されていることを構成とするものであ
り、更にまた別の面において、水相原料と油相原料とが
卵黄グラニュール画分により水中油型に乳化されてなる
水中油型乳化食品であって、加熱使用用であることを構
成とするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な水中油型乳化食
品に関する。
品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水相原料と油相原料とを水中
油型に乳化して得られる乳化食品の代表的なものとし
て、卵黄を用いて乳化した例えば、マヨネーズがよく知
られている。卵黄を使用することによりその独特な風味
とこくが付与されうることから、得られた水中油型乳化
食品は食感上好ましいソースの一つとして広く用いられ
ている。
油型に乳化して得られる乳化食品の代表的なものとし
て、卵黄を用いて乳化した例えば、マヨネーズがよく知
られている。卵黄を使用することによりその独特な風味
とこくが付与されうることから、得られた水中油型乳化
食品は食感上好ましいソースの一つとして広く用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、卵黄を用い
て乳化した従来の水中油型乳化食品は、冷凍後解凍した
際油脂の分離が生じ易いという問題があり、また乳化後
得られた乳化物を、例えば凍結乾燥や噴霧乾燥などの乾
燥手段で乾燥する際その乾燥工程において油脂が分離し
易く、油分離していない製品を製造することは極めて困
難であるという問題がある他、更に加熱使用の際、例え
ばマヨネーズをトッピングとして用いてオーブンで焼成
するような場合にも油脂の分離が生じ易い、などの問題
があった。よって、本発明は、風味上の観点から何らか
の形態で卵黄を配合する一方で、上記したような従来の
問題が生じ難い、すなわち、解凍した際油脂分離の生じ
難い冷凍状水中油型乳化食品および油分離が認め難い乾
燥状水中油型乳化食品、並びに加熱時に油脂分離の生じ
難い加熱使用用水中油型乳化食品を提供することを目的
とする。
て乳化した従来の水中油型乳化食品は、冷凍後解凍した
際油脂の分離が生じ易いという問題があり、また乳化後
得られた乳化物を、例えば凍結乾燥や噴霧乾燥などの乾
燥手段で乾燥する際その乾燥工程において油脂が分離し
易く、油分離していない製品を製造することは極めて困
難であるという問題がある他、更に加熱使用の際、例え
ばマヨネーズをトッピングとして用いてオーブンで焼成
するような場合にも油脂の分離が生じ易い、などの問題
があった。よって、本発明は、風味上の観点から何らか
の形態で卵黄を配合する一方で、上記したような従来の
問題が生じ難い、すなわち、解凍した際油脂分離の生じ
難い冷凍状水中油型乳化食品および油分離が認め難い乾
燥状水中油型乳化食品、並びに加熱時に油脂分離の生じ
難い加熱使用用水中油型乳化食品を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、水相原料と油相原料と
が卵黄グラニュール画分により水中油型に乳化されてな
る水中油型乳化食品であって、冷凍されていることを特
徴とする水中油型乳化食品を提供するものである。ま
た、本発明は、水相原料と油相原料とが卵黄グラニュー
ル画分により水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食
品であって、乾燥されていることを特徴とする水中油型
乳化食品を提供するものである。更にまた、本発明は、
水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール画分により水
中油型に乳化されてなる水中油型乳化食品であって、加
熱使用用であることを特徴とする水中油型乳化食品を提
供するものである。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、水相原料と油相原料と
が卵黄グラニュール画分により水中油型に乳化されてな
る水中油型乳化食品であって、冷凍されていることを特
徴とする水中油型乳化食品を提供するものである。ま
た、本発明は、水相原料と油相原料とが卵黄グラニュー
ル画分により水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食
品であって、乾燥されていることを特徴とする水中油型
乳化食品を提供するものである。更にまた、本発明は、
水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール画分により水
中油型に乳化されてなる水中油型乳化食品であって、加
熱使用用であることを特徴とする水中油型乳化食品を提
供するものである。
【0005】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おける水相原料は、従来の水中油型乳化食品における水
相原料と何ら異なることなく、水・食酢を主体とする配
合原料をいい、これに溶解或いは分散しうる他の成分・
原料、例えばからし粉、グルタミン酸ソーダ、食塩、砂
糖などの調味料を必要に応じて含みうる。
おける水相原料は、従来の水中油型乳化食品における水
相原料と何ら異なることなく、水・食酢を主体とする配
合原料をいい、これに溶解或いは分散しうる他の成分・
原料、例えばからし粉、グルタミン酸ソーダ、食塩、砂
糖などの調味料を必要に応じて含みうる。
【0006】本発明における油相原料は、従来の水中油
型乳化食品における油相原料と何ら異なることなく、サ
ラダ油などの食用油を主体とする配合原料をいい、これ
に溶解或いは分散しうる他の成分・原料、例えば油溶性
或いは油分散性香料、香辛料(マスタードオイルなど)
を必要に応じて含みうる。
型乳化食品における油相原料と何ら異なることなく、サ
ラダ油などの食用油を主体とする配合原料をいい、これ
に溶解或いは分散しうる他の成分・原料、例えば油溶性
或いは油分散性香料、香辛料(マスタードオイルなど)
を必要に応じて含みうる。
【0007】本発明の水中油型乳化食品は、上記したよ
うな水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール画分によ
って水中油型に乳化されているものである。すなわち、
卵黄グラニュール画分の乳化剤としての作用により水相
原料中に油相原料が分散されている状態にあるものであ
る。この際水相原料と油相原料との配合割合は従来の当
分野における配合割合と特に異ならない。
うな水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール画分によ
って水中油型に乳化されているものである。すなわち、
卵黄グラニュール画分の乳化剤としての作用により水相
原料中に油相原料が分散されている状態にあるものであ
る。この際水相原料と油相原料との配合割合は従来の当
分野における配合割合と特に異ならない。
【0008】本発明において卵黄グラニュール画分と
は、卵黄中に含まれている小顆粒、顆粒などの多数の微
細粒子の画分をいう。具体的には、例えば、卵黄に等重
量から2倍重量の、水または0.15モルの食塩水溶液
を添加後遠心分離機にかけ、上澄の透明なプラズマから
分離して得られる顆粒沈殿物部分が挙げられる。天然の
卵黄そのままではプラズマと顆粒沈殿物との割合はほぼ
4対1である。よって、本発明における卵黄グラニュー
ル画分には、天然の卵黄グラニュール画分(卵黄全重量
中約20%)と同程度のグラニュール画分を含む卵黄は
含まれず、グラニュール画分が卵黄全重量中少なくとも
約30%以上になっている卵黄は本発明におけるグラニ
ュール画分に包含される。本発明におけるグラニュール
画分は、グラニュール画分が85%以上の卵黄が好まし
く、プラズマ部分をほとんど含まないものが最も好まし
い。なお、乳化剤としての使用を容易にするためにグラ
ニュール画分は一定濃度の水溶液(グラニュール画分
液)として用いてもよい。その際一定量の食塩を添加し
て、例えば10%食塩含有液とすると、グラニュール画
分の溶解を助けうる一方、その防腐効果も期待できるこ
とから好ましい。このようなグラニュール画分を乳化剤
として使用する際の使用割合は、最終乳化製品中のグラ
ニュール画分量が(固形分換算で)3〜15%程度とな
る量でよい。あまり多くても乳化剤としてグラニュール
画分を使用する効果、すなわち、油分離の生じ難い乳化
効果の向上は認め難く、また一方、あまり少ないと上記
効果が生じ難いからである。6〜15%程度が好まし
い。
は、卵黄中に含まれている小顆粒、顆粒などの多数の微
細粒子の画分をいう。具体的には、例えば、卵黄に等重
量から2倍重量の、水または0.15モルの食塩水溶液
を添加後遠心分離機にかけ、上澄の透明なプラズマから
分離して得られる顆粒沈殿物部分が挙げられる。天然の
卵黄そのままではプラズマと顆粒沈殿物との割合はほぼ
4対1である。よって、本発明における卵黄グラニュー
ル画分には、天然の卵黄グラニュール画分(卵黄全重量
中約20%)と同程度のグラニュール画分を含む卵黄は
含まれず、グラニュール画分が卵黄全重量中少なくとも
約30%以上になっている卵黄は本発明におけるグラニ
ュール画分に包含される。本発明におけるグラニュール
画分は、グラニュール画分が85%以上の卵黄が好まし
く、プラズマ部分をほとんど含まないものが最も好まし
い。なお、乳化剤としての使用を容易にするためにグラ
ニュール画分は一定濃度の水溶液(グラニュール画分
液)として用いてもよい。その際一定量の食塩を添加し
て、例えば10%食塩含有液とすると、グラニュール画
分の溶解を助けうる一方、その防腐効果も期待できるこ
とから好ましい。このようなグラニュール画分を乳化剤
として使用する際の使用割合は、最終乳化製品中のグラ
ニュール画分量が(固形分換算で)3〜15%程度とな
る量でよい。あまり多くても乳化剤としてグラニュール
画分を使用する効果、すなわち、油分離の生じ難い乳化
効果の向上は認め難く、また一方、あまり少ないと上記
効果が生じ難いからである。6〜15%程度が好まし
い。
【0009】本発明はその一態様として、水相原料と油
相原料とが卵黄グラニュール画分によって上記のように
水中油型に乳化されているものであって、更にこのもの
が冷凍されている冷凍状水中油型乳化食品を提供するも
のである。ここにおいて「冷凍されている」とは、冷凍
状態にあることを意味し、その冷凍手段に関しては特に
限定されず、従来のいかなる冷凍方法によっても実施さ
れうる。本発明の冷凍状水中油型乳化食品は後述の試験
例の結果からも明らかなように、解凍した際油脂分離の
生じ難いものである。
相原料とが卵黄グラニュール画分によって上記のように
水中油型に乳化されているものであって、更にこのもの
が冷凍されている冷凍状水中油型乳化食品を提供するも
のである。ここにおいて「冷凍されている」とは、冷凍
状態にあることを意味し、その冷凍手段に関しては特に
限定されず、従来のいかなる冷凍方法によっても実施さ
れうる。本発明の冷凍状水中油型乳化食品は後述の試験
例の結果からも明らかなように、解凍した際油脂分離の
生じ難いものである。
【0010】本発明はその別の態様として、水相原料と
油相原料とが卵黄グラニュール画分によって上記のよう
に水中油型に乳化されているものであって、更に乾燥さ
れている乾燥状水中油型乳化食品を提供するものであ
る。ここにおいて「乾燥されている」とは、最終製品中
の水分含量が実質上10%以下になっていることを意味
する。乾燥手段に関しては特に限定されず、従来のいか
なる乾燥手段、例えば、凍結乾燥や噴霧乾燥などの乾燥
方法によっても実施されうる。本発明の乾燥状水中油型
乳化食品は後述の試験例の結果からも明らかなように、
乾燥工程中油脂が分離し難くなっているためか最終製品
において油分離が認め難いものである。
油相原料とが卵黄グラニュール画分によって上記のよう
に水中油型に乳化されているものであって、更に乾燥さ
れている乾燥状水中油型乳化食品を提供するものであ
る。ここにおいて「乾燥されている」とは、最終製品中
の水分含量が実質上10%以下になっていることを意味
する。乾燥手段に関しては特に限定されず、従来のいか
なる乾燥手段、例えば、凍結乾燥や噴霧乾燥などの乾燥
方法によっても実施されうる。本発明の乾燥状水中油型
乳化食品は後述の試験例の結果からも明らかなように、
乾燥工程中油脂が分離し難くなっているためか最終製品
において油分離が認め難いものである。
【0011】本発明は更にまた他の態様として、水相原
料と油相原料とが卵黄グラニュール画分によって上記の
ように水中油型に乳化されているものであって、加熱使
用用を目的とし加熱に耐え得る水中油型乳化食品を提供
するものである。ここにおいて「加熱使用用」とは、加
熱、例えば80〜110℃の加熱に対して安定であり、
このような加熱下での使用に耐えうることを意味する。
本発明の加熱使用用水中油型乳化食品は後述の試験例の
結果からも明らかなように、加熱時に油脂分離が生じ難
いものである。
料と油相原料とが卵黄グラニュール画分によって上記の
ように水中油型に乳化されているものであって、加熱使
用用を目的とし加熱に耐え得る水中油型乳化食品を提供
するものである。ここにおいて「加熱使用用」とは、加
熱、例えば80〜110℃の加熱に対して安定であり、
このような加熱下での使用に耐えうることを意味する。
本発明の加熱使用用水中油型乳化食品は後述の試験例の
結果からも明らかなように、加熱時に油脂分離が生じ難
いものである。
【0012】このような本発明の水中油型乳化食品は、
例えば、別途調製した卵黄グラニュール画分(固形分換
算で最終製品中約3〜15%量)或いは卵黄グラニュー
ル画分液、食酢等の酸味料、その他の調味料(食塩、グ
ルタミン酸ソーダ、砂糖、からし粉等)および清水など
からなる水相原料10〜80%と、サラダ油などの食用
油を主体とした油相原料90〜20%とを常法に準じて
乳化させて水中油型乳化食品とし、次いで凍結させて冷
凍状水中油型乳化食品とするか、或いは凍結乾燥や噴霧
乾燥などの乾燥手段に付して乾燥状水中油型乳化食品と
することによって製造することができる。
例えば、別途調製した卵黄グラニュール画分(固形分換
算で最終製品中約3〜15%量)或いは卵黄グラニュー
ル画分液、食酢等の酸味料、その他の調味料(食塩、グ
ルタミン酸ソーダ、砂糖、からし粉等)および清水など
からなる水相原料10〜80%と、サラダ油などの食用
油を主体とした油相原料90〜20%とを常法に準じて
乳化させて水中油型乳化食品とし、次いで凍結させて冷
凍状水中油型乳化食品とするか、或いは凍結乾燥や噴霧
乾燥などの乾燥手段に付して乾燥状水中油型乳化食品と
することによって製造することができる。
【0013】本発明の水中油型乳化食品は、また、加熱
に用いうるものであり、その際加熱手段としては湯加
熱、スチーム加熱、マイクロ波加熱(例えば、オーブ
ン)などいかなる手段であってもよく、このような加熱
下での使用に供することができる。
に用いうるものであり、その際加熱手段としては湯加
熱、スチーム加熱、マイクロ波加熱(例えば、オーブ
ン)などいかなる手段であってもよく、このような加熱
下での使用に供することができる。
【0014】本発明の水中油型乳化食品は、冷凍状のも
のはそのまま解凍して使用でき、その際油脂分離は認め
難いものである。なお、冷凍に先立って他の具材、例え
ばサラダ用具材などと混和しておくとサラダ冷凍品の形
態で提供できる。
のはそのまま解凍して使用でき、その際油脂分離は認め
難いものである。なお、冷凍に先立って他の具材、例え
ばサラダ用具材などと混和しておくとサラダ冷凍品の形
態で提供できる。
【0015】また、乾燥状のものはそのまま例えばふり
かけとして供しうる他、使用目的に即して適宜水戻しし
て用いてもよい。
かけとして供しうる他、使用目的に即して適宜水戻しし
て用いてもよい。
【0016】更にまた、加熱使用用のものは加熱を所望
する他の食品と共に用いるのが一般的である。
する他の食品と共に用いるのが一般的である。
【0017】
【作用】本発明の冷凍状の水中油型乳化食品がこのもの
の解凍時に油脂分離が生じ難く、また、乾燥状水中油型
乳化食品が油分離が認め難いものであり、更にまた、加
熱使用用水中油型乳化食品が加熱時に油脂分離が生じ難
いのは、乳化剤として用いている卵黄グラニュール画分
が高温或いは低温下において物理的変化を受けにくいか
らではないかと推察される。
の解凍時に油脂分離が生じ難く、また、乾燥状水中油型
乳化食品が油分離が認め難いものであり、更にまた、加
熱使用用水中油型乳化食品が加熱時に油脂分離が生じ難
いのは、乳化剤として用いている卵黄グラニュール画分
が高温或いは低温下において物理的変化を受けにくいか
らではないかと推察される。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例および試験例でもって
更に詳しく説明する。なお、本発明において%はすべて
重量基準である。実施例1 (イ) 卵黄グラニュール画分/画分液の調製 生卵から分離して得た卵黄液に、等重量の0.15モル
の食塩水溶液(約0.9%の食塩水)を添加後手で軽く
撹拌したのち、5℃の下で、10000rpm ・1時間の
条件下遠心分離機にかけ、上澄のプラズマを分離して卵
黄グラニュール画分(固形分約45%、水分約55%)
を得た。こうして得られた卵黄グラニュール画分を、乳
化剤としての使用を容易にする目的で下記の配合割合を
有する卵黄グラニュール画分液とした。 グラニュール画分 40% 食塩 10% 清水 50% 100% (固形分は卵黄グラニュール画分液中約18%)
更に詳しく説明する。なお、本発明において%はすべて
重量基準である。実施例1 (イ) 卵黄グラニュール画分/画分液の調製 生卵から分離して得た卵黄液に、等重量の0.15モル
の食塩水溶液(約0.9%の食塩水)を添加後手で軽く
撹拌したのち、5℃の下で、10000rpm ・1時間の
条件下遠心分離機にかけ、上澄のプラズマを分離して卵
黄グラニュール画分(固形分約45%、水分約55%)
を得た。こうして得られた卵黄グラニュール画分を、乳
化剤としての使用を容易にする目的で下記の配合割合を
有する卵黄グラニュール画分液とした。 グラニュール画分 40% 食塩 10% 清水 50% 100% (固形分は卵黄グラニュール画分液中約18%)
【0019】(ロ) 本発明の水中油型乳化食品の製造 下記配合割合の水相原料と油相原料とを用い、予め充分
混合しておいた酸性の水相原料中に、撹拌下油相原料を
添加し、常法を準じて乳化させて水中油型乳化食品を製
造した。このものを次いで−30℃で凍結させて本発明
の冷凍状水中油型乳化食品とした。 配合原料 配合割合(%) 油相原料: 大豆サラタ油 60.0% 水相原料: 卵黄グラニュール画分液 20.0% (固形分:約18%) (最終製品中の卵黄グラニュール固形分:約3.6%) 食酢(酸度:約10%) 9.0% グルタミン酸ソーダ 0.4% 清水 残量 100.0%
混合しておいた酸性の水相原料中に、撹拌下油相原料を
添加し、常法を準じて乳化させて水中油型乳化食品を製
造した。このものを次いで−30℃で凍結させて本発明
の冷凍状水中油型乳化食品とした。 配合原料 配合割合(%) 油相原料: 大豆サラタ油 60.0% 水相原料: 卵黄グラニュール画分液 20.0% (固形分:約18%) (最終製品中の卵黄グラニュール固形分:約3.6%) 食酢(酸度:約10%) 9.0% グルタミン酸ソーダ 0.4% 清水 残量 100.0%
【0020】実施例2 実施例1で得られた凍結前の水中油型乳化食品を凍結乾
燥して本発明の乾燥状水中油型乳化食品とした。
燥して本発明の乾燥状水中油型乳化食品とした。
【0021】実施例3 実施例1で得られた凍結前の水中油型乳化食品をそのま
ま加熱使用用のものとした。
ま加熱使用用のものとした。
【0022】試験例 上記実施例1、2および3で得られた製品を用いて下記
の(1)〜(3)の試験に供した。なお、これら実施例
において使用した卵黄グラニュール画分液に代えて、そ
のグラニュール固形分含量と同じ固形分含量に調整した
卵黄液(10%食塩入り)を用いた他は同一条件の下で
製した3種類の水中油型乳化食品、即ち、凍結品、乾燥
品およびそのままのものをそれぞれ対照品1、2および
3とし、これらも同様に下記の(1)〜(3)の試験に
供した。 (1) 実施例1の本発明品と対照品1(それぞれ15
gをプラスチック製の小袋に密封したもの、凍結期間1
0日間)とをそれぞれ解凍し、解凍時の油脂分離の状況
を調べた。 (2) 実施例2の本発明品と対照品2の乾燥品とをそ
れぞれ油のにじみ状況について調べた。 (3) 実施例3の本発明品と対照品3とをそれぞれオ
ーブン中100℃で20分間加熱し、その加熱時の油脂
分離の発生状況を調べた。
の(1)〜(3)の試験に供した。なお、これら実施例
において使用した卵黄グラニュール画分液に代えて、そ
のグラニュール固形分含量と同じ固形分含量に調整した
卵黄液(10%食塩入り)を用いた他は同一条件の下で
製した3種類の水中油型乳化食品、即ち、凍結品、乾燥
品およびそのままのものをそれぞれ対照品1、2および
3とし、これらも同様に下記の(1)〜(3)の試験に
供した。 (1) 実施例1の本発明品と対照品1(それぞれ15
gをプラスチック製の小袋に密封したもの、凍結期間1
0日間)とをそれぞれ解凍し、解凍時の油脂分離の状況
を調べた。 (2) 実施例2の本発明品と対照品2の乾燥品とをそ
れぞれ油のにじみ状況について調べた。 (3) 実施例3の本発明品と対照品3とをそれぞれオ
ーブン中100℃で20分間加熱し、その加熱時の油脂
分離の発生状況を調べた。
【0023】結果は下記の表1に示した通りである。表
1の結果から明らかなように、本発明品はいずれも上記
試験(1)〜(3)において油分離が認め難い水中油型
乳化食品であることが理解される。なお、風味に関して
は、本発明品はいずれも卵黄を使用した3種類の対照品
に比べて何ら遜色のないものであった。
1の結果から明らかなように、本発明品はいずれも上記
試験(1)〜(3)において油分離が認め難い水中油型
乳化食品であることが理解される。なお、風味に関して
は、本発明品はいずれも卵黄を使用した3種類の対照品
に比べて何ら遜色のないものであった。
【表1】
【0024】なお、これら各製品を含め、最終製品とし
ての水中油型乳化食品中の卵黄グラニュール画分の存在
の有無、その含有割合(比率)などは以下の方法で求め
ることができる。製品を有機溶媒(クロロホルム、メタ
ノール溶液など)で脱脂後、残渣(タンパク質)をラウ
リル硫酸ソーダなどの界面活性剤で溶解し、電気泳動に
かけると、卵黄グラニュール画分および卵黄プラズマ画
分はそれぞれ特異的なバンドを呈する。よって、その位
置および量からそれぞれの存在の有無並びにその含有割
合(比率)を求める。
ての水中油型乳化食品中の卵黄グラニュール画分の存在
の有無、その含有割合(比率)などは以下の方法で求め
ることができる。製品を有機溶媒(クロロホルム、メタ
ノール溶液など)で脱脂後、残渣(タンパク質)をラウ
リル硫酸ソーダなどの界面活性剤で溶解し、電気泳動に
かけると、卵黄グラニュール画分および卵黄プラズマ画
分はそれぞれ特異的なバンドを呈する。よって、その位
置および量からそれぞれの存在の有無並びにその含有割
合(比率)を求める。
【0025】
【発明の効果】本発明により、風味上の観点から何らか
の形態で卵黄を配合した水中油型乳化食品であっても、
解凍時に油脂分離の生じ難い冷凍状水中油型乳化食品、
及び油分離の認め難い乾燥状水中油型乳化食品、並びに
加熱時に油脂分離の生じ難い加熱使用用水中油型乳化食
品がそれぞれ提供される。
の形態で卵黄を配合した水中油型乳化食品であっても、
解凍時に油脂分離の生じ難い冷凍状水中油型乳化食品、
及び油分離の認め難い乾燥状水中油型乳化食品、並びに
加熱時に油脂分離の生じ難い加熱使用用水中油型乳化食
品がそれぞれ提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール
画分により水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食品
であって、冷凍されていることを特徴とする水中油型乳
化食品。 - 【請求項2】水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール
画分により水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食品
であって、乾燥されていることを特徴とする水中油型乳
化食品。 - 【請求項3】水相原料と油相原料とが卵黄グラニュール
画分により水中油型に乳化されてなる水中油型乳化食品
であって、加熱使用用であることを特徴とする水中油型
乳化食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6144712A JPH089920A (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 水中油型乳化食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6144712A JPH089920A (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 水中油型乳化食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH089920A true JPH089920A (ja) | 1996-01-16 |
Family
ID=15368542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6144712A Pending JPH089920A (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 水中油型乳化食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH089920A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009060856A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Kaneka Corp | 酸性水中油型乳化油脂組成物 |
-
1994
- 1994-06-27 JP JP6144712A patent/JPH089920A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009060856A (ja) * | 2007-09-06 | 2009-03-26 | Kaneka Corp | 酸性水中油型乳化油脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2125330C (en) | A heat-stabilizing composition for proteins and the heat-stabilized product obtained | |
US5773072A (en) | Method of making a heat-stabilized oil/water emulsion containing egg yolk and DATEM | |
WO2017061524A1 (ja) | 香味油の製造方法 | |
US5116628A (en) | Process for producing liquid egg having reduced cholesterol content | |
JPS6127035B2 (ja) | ||
JP4702555B2 (ja) | 畜肉加工品用の乳化組成物及びそれを用いた畜肉加工品 | |
JPH09266778A (ja) | 高粘度食品乾燥物 | |
JPH089920A (ja) | 水中油型乳化食品 | |
JP2006061065A (ja) | 水中油型乳化香味調味料およびその製造方法 | |
JP3318399B2 (ja) | 食品用乳化剤 | |
JP4733777B1 (ja) | 粉末スープの製造方法 | |
JP6498500B2 (ja) | 水中油型乳化食品およびこれを用いた調理パン | |
JP3765763B2 (ja) | 水中油型乳化食品およびその製造方法 | |
JPH04112774A (ja) | ソース | |
JPS6244904B2 (ja) | ||
JP2011142905A (ja) | 塩味付与組成物および塩味味質改善方法 | |
JPH03183445A (ja) | O/w型エマルジョン組成物 | |
JP2002291421A (ja) | 水中油型乳化食品 | |
EA007605B1 (ru) | Пищевая добавка | |
JP3765762B2 (ja) | 卵黄を含有する低コレステロール水中油型乳化食品およびその製造方法 | |
JPH06105667A (ja) | 低カロリー畜肉加工品および畜肉加工品用乳化物 | |
JPS5856629B2 (ja) | 水中油型乳化食品の製造方法 | |
TW201600019A (zh) | 香料組成物 | |
JPS63157956A (ja) | 水中油型エマルジヨン食品用組成物 | |
JPS58116659A (ja) | 濃縮卵の製造法 |