JPH0898897A - 遠赤外線放射シート - Google Patents

遠赤外線放射シート

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JPH0898897A
JPH0898897A JP23826894A JP23826894A JPH0898897A JP H0898897 A JPH0898897 A JP H0898897A JP 23826894 A JP23826894 A JP 23826894A JP 23826894 A JP23826894 A JP 23826894A JP H0898897 A JPH0898897 A JP H0898897A
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JP
Japan
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far
magnesium oxide
oxide powder
electron beam
infrared radiation
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Application number
JP23826894A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Kono
和彦 河野
Shiyunichirou Mukouyoshi
俊一郎 向吉
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】遠赤外線を低温でも効率良く放射し、遠赤外線
放射層の強度や耐水性、耐溶剤性に優れ、更に安全に効
率よく生産できる遠赤外線放射シートを提供するもので
ある。 【構成】支持体の少なくとも片面に、板状結晶構造を有
する酸化マグネシウム粉末を含有する電子線硬化型樹脂
層を設けた遠赤外線放射シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠赤外線放射シートに
関し、特に遠赤外線放射効果に優れ、耐水性、耐溶剤
性、表面強度に優れた遠赤外線放射シートに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】遠赤外線とは、波長が3.0 〜1000μmの
電磁波であり、特に3.0 〜50μmの遠赤外線は有機物質
を活性化するという効果がある。このため、動植物の育
成や発酵、熟成或いは鮮度保持、更には人体に作用して
健康を増進せしめるという効能が指摘されている。
【0003】このような遠赤外線を発生させるシートと
しては、例えば遠赤外線放射材としてMnO2、Ni2O2 、Cu
O 、Mg2SiO2 、ZrSiO4などの酸化物セラミックス或いは
酸化ジルコンと磁鉄粉とからなるセラミックスを、布、
紙、不織布、プラスチックフィルム等の基体に保持させ
てなるシート(実開昭55-27549号,特開昭59-232560
号)、シリカ及びアルミナの微粉末を含有または塗被せ
しめた紙を用いた遠赤外線放射壁紙(実開平1-110300
号)などが提案されている。しかしながら、このような
材料を遠赤外線放射材として用いたものは、遠赤外線放
射率が低く、また十分な効果を得るには加熱手段が必要
であると言う難点があった。
【0004】他方、低い温度で十分な遠赤外線放射効果
のある材料として、板状結晶構造を有する酸化マグネシ
ウム粉末が提案されている(特開平 1-32874号)。この
ような材料を、基材に保持させる場合、基材上に該粉末
を載せ、脱落を防止するためこの上にラミネートやコー
ティングする方法や、溶融した樹脂中に該粉末を練り込
み、押し出しコーティングする方法がとられいるが、い
ずれも製造工程が煩雑であり、実用的でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、従来の
方法に代えて、特定の構造を有する酸化マグネシウム粉
末を何らかの接着剤と配合した塗液を基材上に塗工する
ことを試みた。しかしながら、接着剤として水系のラテ
ックスやエマルジョンを配合すると、塗工層の耐水性、
強度が不十分であるばかりか、上記粉末は水が存在する
と経時的に固まってしまい、塗工することが極めて困難
となることがわかった。また溶剤系の接着剤を配合する
と、塗工層の耐溶剤性、強度が不十分となり、更に溶剤
を含むため塗布組成物が取り扱いにくく、安全上問題と
なることが判明した。
【0006】本発明は、遠赤外線を低温でも効率良く放
射し、遠赤外線放射層の強度や耐水性、耐溶剤性に優
れ、更に安全に効率よく生産できる遠赤外線放射シート
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体の少な
くとも片面に、板状結晶構造を有する酸化マグネシウム
粉末を含有する電子線硬化型樹脂層を設けたことを特徴
とする遠赤外線放射シートである。
【0008】
【作用】本発明は、遠赤外線放射材として板状結晶構造
を有する酸化マグネシウム粉末を用いるものである。板
状結晶構造を有する酸化マグネシウム粉末は、海水より
抽出されたMgCl2 を焼成して得られるものであり、通常
1〜10μmの範囲の粒径を有するものであり、10m
2/g程度と極めて大きな比表面積を有するものである。
該酸化マグネシウム粉末は、その周囲の水分を吸収して
僅かに発熱し、その際、遠赤外線を放射し、飲食品等の
熟成を促進させたり、鮮度を保持させる作用を持つ。こ
の理由は未だ十分に解明されていないが、恐らく板状結
晶構造を有する酸化マグネシウム粉末から放射される遠
赤外線は、その板状結晶構造に起因する特有の波長を有
し、その波長が熟成の促進や、鮮度の保持に適している
ものと推定されている。
【0009】尚、上記した酸化マグネシウムに、他の遠
赤外線放射材、例えばジルコニア、アルミナ、シリカ、
チタニア等の天然又は合成セラミックス或いはそれらを
高温で焼成したもの等を適宜併用することももちろん可
能である。更に、遠赤外線放射を促進する補助剤とし
て、 MgCl2・nH2O, MgSO4・nH2O, KCl, K2SO4, NaCl,N
a2SO4, CaCl2・nH2O, MgBr2, KBr等を配合することも
できる。
【0010】本発明で使用する電子線硬化型樹脂は、電
子線の照射により硬化するものであれば特に限定するも
のでないが、例えば以下に掲げるオリゴマーやモノマー
等が例示される。オリゴマーとしては、(a)脂肪族、
脂環族、芳香族2〜6価の多価アルコール及びポリアル
キレングリコールのポリ(メタ)アクリレート;(b)
脂肪族、脂環族、芳香族2〜6価の多価アルコールにア
ルキレンオキサイドを付加させた形の多価アルコールの
ポリ(メタ)アクリレート;(c)ポリ(メタ)アクリ
ロイルオキシアルキルリン酸エステル;(d)ポリエス
テルポリ(メタ)アクリレート;(e)エポキシポリ
(メタ)アクリレート;(f)ポリウレタンポリ(メ
タ)アクリレート;(g)ポリアミドポリ(メタ)アク
リレート;(h)側鎖及び/又は末端に(メタ)アクリ
ロイルオキシ基を有するビニル系又はジエン系低重合
体;(i)前記(a)〜(h)記載のオリゴエステル
(メタ)アクリレート変性物等が挙げられる。
【0011】モノマーとしては、(a)エチレン性不飽
和モノ又はポリカルボン酸等で代表されるカルボキシル
基含有単量体及びそれらのアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、アミン塩等のカルボン酸塩基含有単量体;(b)
エチレン性不飽和(メタ)アクリルアミド又はアルキル
置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンの
ようなビニルラクタム類で代表されるアミド基含有単量
体;(c)脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸類で代表
されるスルホン酸基含有単量体及びそれらのアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、アミン塩等のスルホン酸塩基含
有単量体;(d)エチレン性不飽和エーテル等で代表さ
れる水酸基含有単量体;(e)ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン等のアミノ
基含有単量体;(f)4級アンモニウム塩基含有単量
体;(g)エチレン性不飽和カルボン酸のアルキルエス
テル;(h)(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基
含有単量体;(i)スチレン;(j)酢酸ビニル、酢酸
(メタ)アリル等のエチレン性不飽和アルコールのエス
テル;(k)活性水素を含有する化合物のアルキレンオ
キシド付加重合体のモノ(メタ)アクリレート類;
(l)多塩基酸と不飽和アルコールとのジエステルで代
表されるエステル基含有2官能単量体;(m)活性水素
を含有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と
(メタ)アクリル酸とのジエステルよりなる2官能単量
体;(n)N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビ
スアクリルアミド;(o)ジビニルベンゼン、ジビニル
エチレングリコール、ジビニルスルホン、ジビニルエー
テル、ジビニルケトン等の2官能単量体;(p)ポリカ
ルボン酸と不飽和アルコールとのポリエステルで代表さ
れるエステル基含有多官能単量体;(q)活性水素を含
有する化合物のアルキレンオキシド付加重合体と(メ
タ)アクリル酸とのポリエステルよりなる多官能単量
体;(r)トリビニルベンゼンのような多官能不飽和単
量体等が挙げられる。なお、上記の如き電子線硬化型樹
脂を二種類以上併用することはもちろん可能である。
【0012】本発明は、板状結晶構造を有する酸化マグ
ネシウム粉末と電子線硬化型樹脂を混合して塗液とする
が、その配合割合は特に限定するものではなく、例えば
酸化マグネシウム粉末:電子線硬化型樹脂が2:98〜
90:10程度の範囲、好ましくは10:90〜80:
20の範囲に調製される。ここで酸化マグネシウム粉末
が少ない場合、遠赤外線放射の効果が十分得られ難くな
り、逆に多い場合、強度、耐水性、耐溶剤性等の点で不
十分となり易い。また、無溶剤で塗工するのに適した粘
度を有する塗液にするためには、酸化マグネシウム粉末
の配合割合が60%以下にすることが好ましい。
【0013】なお、本発明で用いられる塗液には、上記
の他に、非電子線硬化型樹脂、顔料、染料及び各種添加
剤、例えば消泡剤、レベリング剤、可塑剤、滑剤、界面
活性剤、紫外線吸収剤、導電剤などを適宜配合すること
ができる。
【0014】使用できる支持体としては、シート状であ
れば特に限定するものではなく、例えば、上質紙,クラ
フト紙,コート紙,アート紙,キャスト塗被紙,ラミネ
ート紙等の紙基体類、ポリエチレン,ポリプロピレン,
ポリエチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニル,ポリス
チレン,ポリカーボネート等の合成樹脂によるフィル
ム、合成紙、不織布類、織布類、金属箔類、或いは上記
のいずれかのシートを組み合わせた積層体等が挙げられ
る。
【0015】塗工量については必ずしも限定されない
が、乾燥重量で0.5〜200g/m 2 、より好ましく
は2〜50g/m2 程度の範囲で調節するのが望まし
い。ここで0.5g/m2 未満では、十分な遠赤外線放
射効果が得られ難く、また200g/m2 を越えるよう
な塗工量ではコストの面で不利になるだけでなく、硬化
収縮によるカールが著しく生じる恐れがある。
【0016】なお、塗工時の塗液の粘度は10000c
ps以下が好ましく、50cps〜5000cpsの範
囲で調製するとよい。なお粘度が10000cpsより
高いと、塗工が困難となる恐れがある。塗工する方法は
特に限定されず、例えばバーコーター、ロールコータ
ー、グラビアコーター、オフセットグラビアコーター、
カーテンコーター、リップコーター等の通常の塗工手段
が適宜使用される。
【0017】尚、塗工後、支持体によっては、フィルム
等のように支持体上に塗工層が形成される場合と、上質
紙や不織布等のように支持体内に含浸する場合、更に一
部含浸し、一部は塗工層を形成する場合があるが、いず
れの場合にも限定するものではない。勿論塗液を複数回
に分けて塗工することも可能である。
【0018】樹脂を硬化する際、照射する電子線の量は
吸収線量として1〜500kGy、より好ましくは5〜
200kGy程度の範囲が望ましい。因に1kGy未満
では樹脂成分を充分に硬化させることができず、500
kGyを越えるような過度の電子線照射はフィルムの強
度の低下を引き起こすおそれがある。なお、照射する際
の加速電圧は100〜300kV程度が適当である。
【0019】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
【0020】実施例1 コート紙(128g/m2)上に、粒径1〜2μm、比表面積10
2/gの板状結晶構造を有する酸化マグネシウム粉末
(ハス (株) 製)30部、及び、ポリエステルアクリレ
ートオリゴマー(商品名:EB810,ダイセルUCB
(株)製)70部を3本ロールミルで混合した電子線硬
化型塗液を、硬化後塗工量が10g/m2となるように
塗工しした後、直ちに電子線照射装置(CB−150
型,ESI社製)で電子線照射(加速電圧165kV,
吸収線量30kGy)して硬化させ、遠赤外線放射シー
トを得た。尚、この電子線硬化型塗液の調製直後の粘度
は1500cpsであり、2日放置後も1500cps
と変化なく、十分に塗工が可能であった。
【0021】比較例1 コート紙(128g/m2)上に、実施例1で使用した酸化マグ
ネシウム粉末100部に対し、ラテックス(P−OX5
5P,住友ダウ(株)製)30部よりなる50%濃度の
水系塗工組成物を、乾燥重量が10g/m2 となるよう
に塗工し、90°C,3分間乾燥し、遠赤外線放射シー
トを得た。尚、この水系塗工組成物の調製直後の粘度は
100cpsであったが、経時とともに増粘し、2日後
には完全に固まってしまった。
【0022】比較例2 コート紙(128g/m2)上に、実施例1で使用した酸化マグ
ネシウム粉末100部に対し、溶剤系接着剤(バイロン
200,東洋紡績(株)製)30部よりなる40%濃度
のトルエン溶液塗液を、乾燥重量が10g/m2 となる
ように塗工し、120°C,3分間乾燥し、遠赤外線放
射シートを得た。
【0023】比較例3 コート紙(128g/m2)上に、市販シリカ20部、市販アル
ミナ10部及び、ポリエステルアクリレートオリゴマー
(商品名:EB810,ダイセルUCB(株)製)70
部を3本ロールミルで混合した電子線硬化型塗液を、硬
化後塗工量が10g/m2 となるように塗工しした後、
直ちに電子線照射装置(CB−150型、ESI社製)
で電子線照射(加速電圧165kV,吸収線量30kG
y)して硬化させ、遠赤外線放射シートを得た。
【0024】比較例4 コート紙(128g/m2)上に、ポリエステルアクリレートオ
リゴマー(商品名:EB810,ダイセルUCB(株)
製)を、硬化後塗工量が10g/m2 となるように塗工
した後、直ちに電子線照射装置(CB−150型、ES
I社製)で電子線照射(加速電圧165kV,吸収線量
30kGy)して硬化させたシートを用いた。
【0025】かくして得られた5種類のシートにつき、
遠赤外線放射効果、耐水性、耐溶剤性、表面強度を下記
の如くして評価した。
【0026】〔遠赤外線放射効果〕上記シートを15
×25cmの大きさに切り、腰にあて(下着と上着の間に
挟む)、数十分後、暖かさを感じるようになったかどう
かを評価。 ○:明らかに暖かさを感じる。 △:僅かに暖かさを感じる。 ×:殆ど暖かさを感じ無い。
【0027】〔遠赤外線放射効果〕上記シートを紙コ
ップの周囲に貼り付けた。これらのコップにコーヒーを
入れ3分後に、ブランク(紙コップそのまま)に対し、
味に変化があるかどうかを評価した。 ○:味が円やかになった。 ×:殆ど変化無し。
【0028】〔耐水性〕水を塗工層上に垂らし、ガーゼ
で強く擦る。 ○:塗工層が全く取れない。 ×:塗工層が取れる。
【0029】〔耐溶剤性〕トルエンを塗工層上に垂ら
し、ガーゼで強く擦る。 ○:塗工層が全く取れない。 ×:塗工層が取れる。
【0030】〔表面強度〕塗工層表面をスチールウール
(#0000)で軽く擦り、きずの状態を目視で判定し
た。 ○:傷が全く付かない。 ×:傷が目立つ。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
の遠赤外線放射シートは遠赤外線の放射効果に優れ、更
に耐水性、耐溶剤性、表面強度にも優れたものである。
さらに無溶剤の塗布組成物が調製でき、この場合取扱易
く製造上安全性の高いものである。また、実施例では示
さなかったが、電子線硬化を利用するため、熱に弱い基
材(例えばポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィ
ルム等)を使用することができ、更に生産効率の点でも
優れたものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の少なくとも片面に、板状結晶構造
    を有する酸化マグネシウム粉末を含有する電子線硬化型
    樹脂層を設けたことを特徴とする遠赤外線放射シート。
JP23826894A 1994-09-30 1994-09-30 遠赤外線放射シート Pending JPH0898897A (ja)

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