JPH0897335A - 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体パッケージ - Google Patents

半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体パッケージ

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JPH0897335A
JPH0897335A JP25956194A JP25956194A JPH0897335A JP H0897335 A JPH0897335 A JP H0897335A JP 25956194 A JP25956194 A JP 25956194A JP 25956194 A JP25956194 A JP 25956194A JP H0897335 A JPH0897335 A JP H0897335A
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resin composition
semiconductor
filler
aluminum nitride
resin
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JP25956194A
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Jun Monma
旬 門馬
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Toshiba Corp
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  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】熱伝導率が高く、かつ実効誘電率が従来のもの
と同程度に低い半導体封止用樹脂組成物およびその組成
物を封止部材として使用し、放熱性や高速応答性に優れ
た半導体パッケージを提供する。 【構成】粒子外部に連通する開気孔または陥没孔を有す
る粒状の窒化アルミニウムフィラーを樹脂基材に混合し
たことを特徴とする。また窒化アルミニウムフィラーの
混合比率は20〜80体積%に設定するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体封止用樹脂組成物
およびそれを用いた半導体パッケージに係り、特に熱伝
導率が高く、かつ実効誘電率が従来のものと同程度に低
い半導体封止用樹脂組成物およびその組成物を封止部材
として使用し、放熱性や高速応答性に優れた半導体パッ
ケージに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体素子を搭載するパッケー
ジとして、プラスチックパッケージ,メタルパッケー
ジ,セラミックスパッケージが使用されている。これら
のうち、特にセラミックスパッケージは、LSIを気密
封止する際の信頼性が高く、優れた耐湿性や放熱性を有
するため、コンピュータの演算部に用いるCMOSゲー
トアレイやECLゲートアレイ等のパッケージングに広
く使用されている。
【0003】図3は、QFP(クウァドフラッドパッケ
ージ)型の半導体パッケージの構成例を示す断面図であ
る。図3に示す半導体パッケージ9において、セラミッ
クス基板1には、半導体素子(チップ)2の収容部とな
るキャビティ1aが形成され、このキャビティ1a内に
は、チップ搭載部3が設けられており、このチップ搭載
部3上に半導体素子2が接合搭載されている。また、上
記セラミックス基板1の半導体素子2の搭載面側、すな
わちセラミックス基板1の外縁側凸状端面上には、固着
用ガラス4等によって、Fe−Ni合金製のリードフレ
ーム5が接合されている。リードフレーム5と半導体素
子2の各電極とは、ボンディングワイヤ6によって電気
的に接続されている。また半導体素子2が接合,搭載さ
れたセラミックス基板1の上面側には、溶融シリカから
成る封止部材10が、半導体素子2を覆うように充填さ
れ、一体に接合されている。半導体素子2は、この封止
部材10により気密に封止され、外部からの湿分の侵入
による素子2の劣化が防止されている。
【0004】近年、半導体技術の進歩に伴って半導体素
子の高出力化および高速動作化が希求されており、半導
体素子から発生する熱量も増加の傾向にあり、より放熱
特性が優れた封止材料や高速信号に対応が可能なパッケ
ージ材料が求められている。
【0005】上記のような半導体素子からの発熱量の増
大に対応して封止材料についても、耐熱膨脹性や熱伝導
性を高める方策が研究されている。すなわち従来、封止
材料とセラミックス基板との熱膨脹差を低減し封止材料
の熱応力を抑制して耐熱膨脹性を良好に保持するため
に、封止材料として、溶融シリカを樹脂基材中に分散し
た封止用樹脂組成物を使用していた。また封止材料自体
の熱伝導率を高めるため、他のセラミックスと比較して
熱伝導率が高い窒化アルミニウム(AlN)セラミック
スをフィラー材料として用い、このフィラー材料を樹脂
基材中に混合して放熱性が高い封止用樹脂組成物を調製
することも試行されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記窒化
アルミニウムは、フィラー成分として従来から使用され
ていた溶融シリカと比較して比誘電率が8〜9と極めて
大きいため、樹脂組成物全体の実効誘電率が高くなり、
半導体素子の高速動作化が困難になるという問題があ
る。すなわち、比誘電率が大きい樹脂組成物を封止部材
として使用すると、隣接する微細な配線間において、信
号のクロストーク(混信)が発生し易くなり半導体装置
の誤動作が起こり易くなる。この傾向は、信号が高速化
するに伴って特に顕著になり、半導体素子の高速動作の
信頼性を大きく低下させる原因となっている。
【0007】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、熱伝導率が高く、かつ実効誘電率が従来
のものと同程度に低い半導体封止用樹脂組成物およびそ
の組成物を封止部材として使用し、放熱性や高速応答性
に優れた半導体パッケージを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、樹脂基材の種類やフィラーの材質,形
状,含有量を種々変えて封止用樹脂組成物を調製し、そ
れらの条件が樹脂組成物の熱伝導率,誘電率,流動性に
及ぼす影響を実験により比較検討した。
【0009】その結果、中心部に空洞あるいは陥没孔を
有し、なおかつ、この空洞が外部と連通した開気孔とな
っている窒化アルミニウムの造粒粉を焼結し、この粒子
の焼結粉を樹脂基材中に溶融混練したときに、熱伝導率
が高く、かつ誘電率が低い半導体封止用樹脂組成物が初
めて得られるという知見を得た。すなわち空気の比誘電
率はほぼ1であり、空気を内包するAlN粒子によって
低誘電率化が図れるとともに、AlN粒子特有の高熱伝
導性が得られるという知見が得られた。本発明は上記知
見に基づいて完成されたものである。
【0010】すなわち本発明に係る半導体封止用樹脂組
成物は、粒子外部に連通する開気孔または陥没孔を有す
る粒状の窒化アルミニウムフィラーを樹脂基材に混合し
たことを特徴とする。また窒化アルミニウムフィラーの
混合比率は20〜80体積%,好ましくは40〜70体
積%,さらに好ましくは50〜60体積%の範囲に設定
するとよい。
【0011】また本発明に係る半導体パッケージは、半
導体素子が搭載されたセラミックス基板と、上記半導体
素子を覆うように、上記セラミックス基板に接合された
封止部材とを具備する半導体パッケージにおいて、上記
封止部材が、粒子外部に連通する開気孔または陥没孔を
有する粒状の窒化アルミニウムフィラーを樹脂基材に混
合した半導体封止用樹脂組成物から成ることを特徴す
る。さらにセラミックス基板は窒化アルミニウム焼結体
で構成するとよい。
【0012】ここで上記開気孔または陥没孔を有する粒
状の窒化アルミニウムは、以下のような製法で調製され
る。すなわちAlN原料粉末に酸化イットリウム等の焼
結助剤,有機バインダおよび溶剤を加えて混合して均一
なスラリーとし、このスラリーを例えばスプレドライヤ
にてその回転数,温度,吐出圧力等を制御しながら噴霧
することにより、開気孔または陥没孔を有する直径20
〜30μmの造粒粉を形成する。次に調製した造粒粉を
窒素等の非酸化性雰囲気中で脱脂した後に、温度180
0℃程度で焼成する。得られた粉末焼結体はグライディ
ングにてほぐし、通篩した後に、表面処理のためカップ
リング剤の有機溶剤溶液を吹き付け乾燥させておく。こ
のカップリング剤を塗布することにより、フィラーと樹
脂基材との漏れ性が高まり、両者のなじみ性が改善され
る。
【0013】本発明に係る半導体封止用樹脂組成物は、
樹脂基材原料を加熱溶融し、硬化促進剤,可撓化剤およ
び着色剤等を添加混合し、この溶融液体に上記窒化アル
ミニウムフィラーを20〜80体積%となるように配合
し、混練機により十分に混練して調製される。
【0014】上記樹脂基材は組成物のマトリックスを形
成するものであり、例えばO−クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂やフェノールノボラック型エポキシ樹脂,
ビスフェノールA型エポキシ樹脂,臭素化ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂,臭素化ノボラック型エポキシ樹脂
などが用いられる。特に構造強度が高く、硬い封止材を
形成するためには、O−クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂,フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好適で
ある。また硬化促進剤としては含窒素化合物,ホスフィ
ン類,オニウム塩類を用いることができる。さらに可撓
化剤として、シリコーンオイルやシリコーンゴム、ある
いはポリオレフィン系エラストマなどが使用できる。
【0015】窒化アルミニウムフィラーの混合比率は、
樹脂組成物の熱伝導性,誘電率および流動性に大きな影
響を及ぼし、本発明では20〜80体積%の範囲に設定
される。混合比率が20体積%未満の場合では、熱伝導
率の改善効果および誘電率の低減効果が少ない一方、混
合比率が80体積%を超える場合には、空気を含有した
開気孔の割合が増加するため誘電率はさらに低下する
が、熱伝導率が低下し放熱性が悪化するとともに、流動
性が低下して半導体基板への充填性が悪化する。上記各
特性を共に満足させるためには、混合比率を40〜70
体積%の範囲に設定することがより好ましい。
【0016】上記のような窒化アルミニウムフィラーを
配合した樹脂組成物の粘度は、例えば次のMooneyの式に
よって表わされる。
【0017】
【数1】η=expKφ/(1−φ/φm ) ここでηは相対粘度,Kはアインシュタイン係数,φm
はフィラーの最大充填分率である。Kおよびφm はフィ
ラーの形状ならびに凝集状態に依存する係数であり、フ
ィラーが球形で凝集が少ない場合、Kは小さな値をと
り、φm は大きな値となる。また、φm はフィラーの粒
度分布にも依存し、粒度分布に拡がりをもつフィラーの
方が充填密度が高まり、均一になるため材料粘度を下げ
る効果がある。スプレ造粒粉は球形になり易く、さらに
粘度分布も広く形成できるため、このようなフィラー材
として適している。また球形粒子をフィラーとして使用
した場合には、樹脂組成物の流動性も低下しにくいた
め、充填性が悪化することが少ない。
【0018】本発明に係る半導体パッケージは、半導体
素子を搭載したセラミックス基板に、半導体素子を覆う
ように上記樹脂組成物を一体に接合して形成される。特
にセラミックス基板を高熱伝導性を有する窒化アルミニ
ウム焼結体で構成することにより、樹脂組成物を介して
パッケージに伝わる熱の放散効率が拡大されるため、半
導体パッケージ全体の放熱効率をより改善することがで
きる。
【0019】
【作用】上記構成に係る半導体封止用樹脂組成物によれ
ば、空気を含有した開気孔等を有する粒状の窒化アルミ
ニウムフィラーを樹脂基材中に混合して調製されている
ため、フィラー中の空気層が絶縁体として作用し、樹脂
組成物全体の実効誘電率を低減させることができる。一
方、高熱伝導性を有する窒化アルミニウムフィラーが連
続して長い伝熱経路が形成され易くなるため、樹脂組成
物の熱伝導率が0.5〜2W/m・K程度と高い値とな
り放熱性が優れた樹脂組成物を得ることができる。さら
に粒状の窒化アルミニウムをフィラーとして使用してい
るため、樹脂組成物の流動性が低下するおそれも少なく
充填性が阻害されることも少ない。したがって半導体素
子から発生する熱を、樹脂組成物を経由して効率的に系
外に排出できると同時に、高速信号に対応可能となるよ
うに誘電率が低く、また流動性が良く封止し易い半導体
封止用樹脂組成物が提供できる。
【0020】また、上記のような半導体封止用樹脂組成
物を封止部材として使用して半導体パッケージを形成す
ることにより、半導体パッケージの放熱特性を大幅に改
善できるため、基板に搭載する半導体素子の範囲を、大
型で高出力かつ高速の素子までに拡大することが可能と
なり、なおかつ搭載した半導体素子の動作信頼性も大幅
に向上させることが可能となる。
【0021】
【実施例】次に本発明の一実施例について添付図面を参
照してより具体的に説明する。
【0022】実施例1〜7 平均粒径1.5μmの窒化アルミニウム原料粉末に、焼
結助剤としての酸化イットリウム粉末を3重量%および
有機バインダを7重量%添加し、さらにトルエン,ME
K(メチル・エチル・ケトン),エタノールから成る混
合溶剤を加え、ポットミル中で24時間混合して均一な
スラリーを調製した。
【0023】次に得られたスラリーをスプレードライヤ
に供給し、ドライヤの回転数および温度を制御しながら
スラリーを噴霧し、中心部に開気孔または陥没孔を有す
るAlN造粒粉を調製した。図1はAlN造粒粉の粒子
構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図
1において、AlN造粒粉は平均粒径10〜30μm程
度の球状の粒子であり、陥没孔を有する粒子が多量に存
在している。
【0024】次に得られたAlN造粒粉を窒素気流中で
脱脂し、しかる後に窒素ガス雰囲気中にて温度1800
℃で3時間焼成した。さらに得られた粉末焼結体をグラ
インディングにてほぐし、通篩した後に、カップリング
剤の有機溶剤溶液を吹き付けて乾燥し表面処理を行なっ
てAlNフィラーとした。なお、このAlNフィラーは
平均粒径が15μmであり、Rosin-Rammler の式で表わ
した粒度線図の勾配値nが1.0となる粒度分布のAl
Nフィラーを選択した。
【0025】一方、樹脂基材としてフェノールノボラッ
ク型のエポキシ樹脂を、温度180℃にて溶融し、さら
に硬化促進剤,可撓化剤および着色剤を所定量添加混合
して溶融樹脂基材を調製した。
【0026】そして、上記溶融樹脂基材中に混合比率が
20〜80体積%となるように上記AlNフィラーを添
加して、混練機により十分混合して、それぞれ実施例1
〜7に係る半導体封止用樹脂組成物を調製した。温度1
80℃で溶融状態における樹脂組成物の粘度は、5〜3
0Pa・sであり、いすれも良好な流動性を示した。ま
た溶融状態の各樹脂組成物を冷却して角柱状に成形し、
各成形体の熱伝導率および比誘電率を測定して表1に示
す結果を得た。
【0027】比較例1 AlNフィラーを全く添加せず実施例1で使用したエポ
キシ樹脂のみから成る比較例1に係る樹脂組成物を調製
し、同様に熱伝導率および比誘電率を測定した。
【0028】比較例2 実施例1〜6において調製したスラリーをスプレードラ
イヤに供給し、噴霧条件を調節して、開気孔および陥没
孔を有しない真球に近いAlN造粒粉を調製した以外
は、実施例5と全く同一条件で球状のAlN焼結体粉末
と樹脂基材とを混練して比較例2に係る樹脂組成物を調
製し、同様に熱伝導率および比誘電率を測定した。
【0029】比較例3 陥没孔を有するAlNフィラーに代えて、平均粒径1.
5μmの窒化アルミニウム原料粉末を40体積%の割合
でエポキシ樹脂基材中に混合して比較例3に係る樹脂組
成物を調製し、同様に熱伝導率および比誘電率を測定し
て下記表1に示す結果を得た。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示す結果から明らかなように、開気
孔または陥没孔を有する窒化アルミニウムフィラーを脱
脂基材中に配合して調製した実施例1〜7に係る各半導
体封止用樹脂組成物は、陥没孔を形成しない比較例2の
組成物と比較して低い誘電率を有しており、また熱伝導
率も比較例より高い値に改善されることが判明した。
【0032】図2は実施例1〜7に係る半導体封止用樹
脂組成物11の微細構造を模式的に示す断面図である。
樹脂組成物11の樹脂基材12中に粒状(球状)の窒化
アルミニウムフィラー13が連鎖状に接続した状態で分
散されている。各AlNフィラー13には粒子外部に連
通する開気孔14や陥没孔15が形成されており、この
開気孔14や陥没孔15内には樹脂基材12が充填され
ず空気層が残存する。この空気層が絶縁体として作用
し、組成物全体の誘電率を低減させる。
【0033】なお上記空気層が組成物内に介在する構造
であるため、組成物の熱抵抗が増大する弊害も考えられ
るが、本実施例のように粗大な窒化アルミニウムフィラ
ー13が相互に接触するように配列しているため、連続
した放熱経路が形成され易い。したがって、熱抵抗が大
きな空気層が介在しても、熱は各AlNフィラー13の
表面を伝播して移動するため、樹脂組成物11全体とし
て熱伝導性が低下することが少ない。
【0034】一方、AlNフィラーを全く添加しない比
較例1の樹脂組成物は、比誘電率は低い値ではあるが、
熱伝導率が0.1W/m・Kと低い値になり、高出力化
を指向した半導体素子の封止部材としては実用化は困難
であることが判明した。
【0035】また陥没孔を形成しない比較例2の組成物
では、ある程度の熱伝導性の改善効果は実現できるが、
比誘電率が大きく、高速動作を行なう半導体素子用の封
止部材としては不充分であることがわかる。
【0036】さらに微細なAlN原料粉末を樹脂基材中
に分散配合した比較例3の樹脂組成物においては、Al
N粒子の連鎖による連続した放熱経路が形成されにくい
ため、熱伝導率の改善効果が少ないことが判明した。
【0037】上記実施例1〜7および比較例1〜3に係
る各樹脂組成物11を粉砕してタブレット状に成形し、
図4に示すようなQFPタイプのAlNセラミックス製
半導体パッケージ9aの封止部材11aとして使用し
た。すなわちセラミックス基板(AlN焼結体)1と同
一材質のAlN焼結体製蓋材(リッド)7を、低融点ガ
ラスから成る封着ガラス8によってセラミックス基板1
に一体に接合してそれぞれ半導体パッケージ9aを調製
した。
【0038】次に上記のように封止した各半導体パッケ
ージ9aを、断熱容器内に収容し、セラミックス基板1
の下側底面部をヒータにより加熱し、蓋材7の上面部と
の温度差を測定した。その結果、実施例1〜7に係る半
導体パッケージにおいて、基板底面部が80℃に達した
時点における上記温度差は、比較例1〜3の半導体パッ
ケージの温度差と比較して5〜10℃だけ小さく、いず
れも放熱特性が優れていることが判明した。
【0039】本実施例によれば、開気孔または陥没孔な
どの空洞部を有する窒化アルミニウム粒子をフィラーと
してと含有させることにより、熱伝導率が改善され誘電
率を抑制した封止用樹脂組成物が得られ、この組成物を
封止部材として使用することにより、半導体素子から発
生する熱を効率的に排出し得る半導体パッケージを得る
ことができる。
【0040】なお上記実施例においては、半導体パッケ
ージとしてQFP(クウァドフラットパッケージ)につ
いて例示しているが、これに限定されるものではなく、
他にリードフレームを用いたDIP(デュアルインライ
ンパッケージ),リードピンを用いたPGA(ピングリ
ッドアレイ),入出力用のランドを用いたLGA(ラン
ドグリッドアレイ),ピンの代りにボール状の半田塊を
用いたBGA(ボールグリッドアレイ)等の他の半導体
パッケージについても同様に適用することが可能であ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る半導体封止
用樹脂組成物によれば、空気を含有した開気孔等を有す
る粒状の窒化アルミニウムフィラーを樹脂基材中に混合
して調製されているため、フィラー中の空気層が絶縁体
として作用し、樹脂組成物全体の実効誘電率を低減させ
ることができる。一方、高熱伝導性を有する窒化アルミ
ニウムフィラーが連続して長い伝熱経路が形成され易く
なるため、樹脂組成物の熱伝導率が0.5〜2W/m・
K程度と高い値となり放熱性が優れた樹脂組成物を得る
ことができる。さらに粒状の窒化アルミニウムをフィラ
ーとして使用しているため、樹脂組成物の流動性が低下
するおそれも少なく充填性が阻害されることも少ない。
したがって半導体素子から発生する熱を、樹脂組成物を
経由して効率的に系外に排出できると同時に、高速信号
に対応可能となるように誘電率が低く、また流動性が良
く封止し易い半導体封止用樹脂組成物が提供できる。
【0042】また、上記のような半導体封止用樹脂組成
物を封止部材として使用して半導体パッケージを形成す
ることにより、半導体パッケージの放熱特性を大幅に改
善できるため、基板に搭載する半導体素子の範囲を、大
型で高出力かつ高速の素子までに拡大することが可能と
なり、なおかつ搭載した半導体素子の動作信頼性も大幅
に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体封止用樹脂組成物に使用し
た窒化アルミニウム造粒粉の粒子構造を示す走査型電子
顕微鏡(SEM)写真。
【図2】実施例に係る半導体封止用樹脂組成物の微細構
造を模式的に示す断面図。
【図3】QFP型半導体パッケージの構成例を示す断面
図。
【図4】本発明に係る半導体パッケージの他の構成例を
示す断面図。
【符号の説明】
1 セラミックス基板 1a キャビティ 2 半導体素子(チップ) 3 チップ搭載部 4 固着用ガラス 5 リードフレーム 6 ボンディングワイヤ 7 蓋材(リッド) 8 封着ガラス 9 半導体パッケージ 10 封止部材 11,11a 半導体封止用樹脂組成物(封止部材) 12 樹脂基材(エポキシ樹脂) 13 窒化アルミニウムフィラー 14 開気孔 15 陥没孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/34 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子外部に連通する開気孔または陥没孔
    を有する粒状の窒化アルミニウムフィラーを樹脂基材に
    混合したことを特徴とする半導体封止用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウムフィラーの混合比率が
    20〜80体積%であることを特徴とする請求項1記載
    の半導体封止用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 半導体素子が搭載されたセラミックス基
    板と、上記半導体素子を覆うように、上記セラミックス
    基板に接合された封止部材とを具備する半導体パッケー
    ジにおいて、上記封止部材が、粒子外部に連通する開気
    孔または陥没孔を有する粒状の窒化アルミニウムフィラ
    ーを樹脂基材に混合した半導体封止用樹脂組成物から成
    ることを特徴する半導体パッケージ。
  4. 【請求項4】 セラミックス基板が窒化アルミニウム焼
    結体から成ることを特徴とする請求項3記載の半導体パ
    ッケージ。
JP25956194A 1994-09-29 1994-09-29 半導体封止用樹脂組成物およびそれを用いた半導体パッケージ Pending JPH0897335A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2006075500A1 (ja) * 2005-01-11 2008-06-12 東亞合成株式会社 イットリウム化合物による無機陰イオン交換体およびそれを用いた電子部品封止用樹脂組成物
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