JPH0895300A - 正帯電性トナー - Google Patents

正帯電性トナー

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JPH0895300A
JPH0895300A JP6230893A JP23089394A JPH0895300A JP H0895300 A JPH0895300 A JP H0895300A JP 6230893 A JP6230893 A JP 6230893A JP 23089394 A JP23089394 A JP 23089394A JP H0895300 A JPH0895300 A JP H0895300A
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JP
Japan
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toner
chemical
manufactured
parts
charge amount
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JP6230893A
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English (en)
Inventor
Yasushi Kawaguchi
恭史 川口
Takafumi Nagai
隆文 永井
Jun Sugita
循 杉田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 荷電制御剤として下記一般式[I]で表され
る造塩化合物を少なくとも1種類以上含有した正帯電性
トナー。 【化1】 【効果】 現像剤の耐久性と温湿度の環境変化に対して
安定した帯電性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録等
に於いて静電潜像を現像するために用いられるトナーに
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真は、一般に光導電性部材上に構
成された静電潜像に正または負の電荷を持ったトナーを
静電的に付着させた後、転写紙上にトナー画像を転写
し、定着させることによって画像形成が行われる。これ
に用いられるトナーは、主成分としてバインダー樹脂と
着色剤からなる平均粒径5〜20μmの粒子で、キャリ
アもしくは帯電ブレードなどの摩擦帯電部材により適当
な帯電量に制御される。トナーの帯電量が適性値より大
きくなると、画像濃度が低くなり、また、トナーの帯電
量が適性値より小さくなると、トナー飛散、地肌カブリ
などが起こり画像品質の劣化をきたす。
【0003】通常、これらの問題を防ぐためにトナー中
には荷電制御剤が添加される。正帯電性トナーに添加さ
れる荷電制御剤としては、従来よりニグロシン系染料、
ピリジニウム塩、アンモニウム塩、および、それらのレ
ーキ化合物が用いられている。しかしながら、これら化
合物では、アニオンとして親水性の高い塩素イオン、臭
素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン等が用いられ
るため、荷電制御剤としての耐湿性が十分とは言えず、
湿度の変化に対して、トナーの帯電量が安定しにくいと
いった問題がある。
【0004】その対策として、カチオン部に長鎖のアル
キル基を導入したり、あるいは、樹脂酸変成やレーキ化
することによって耐湿性を上げることができるが、同時
に融点が低くなり過ぎたり、結晶が堅くなり過ぎたりし
て、これらの化合物を均一にバインダー樹脂中に微細分
散させることが難しくなる。分散性が悪いと、荷電制御
剤が離脱しやすくなり、キャリア等の帯電部材の汚染を
引き起こす。その結果、トナー帯電量が低下し、トナー
飛散や地肌カブリが発生しやすくなる。
【0005】このように、従来の荷電制御剤では湿度に
対する帯電安定性と樹脂中での良好な分散性を両立させ
ることが難しかったため、湿度の変化により帯電量が不
安定になったり、現像剤の長期使用によりキャリア表面
が汚染されて帯電量が低下したりするなどの複数の欠点
を同時に解消することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、現像
剤の耐久性と温湿度の環境変化に対して安定した帯電性
を有する正帯電性トナーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために、造塩化合物からなる荷電制御剤の
アニオンとして、特定のジヒドロキシナフタレンイオン
を用いることにより、すなわち、下記の一般式[I]で
表される造塩化合物を含有させることにより、経時安定
性に優れ、温湿度の変化に対して安定した帯電特性をも
つ正帯電性トナーが得られることを見いだした。
【0008】
【化1】
【0009】また、上記荷電制御剤の中でも特に下記の
一般式「II]で表される造塩化合物、化合物例(5)
〜化合物例(26)は、可視光域の光吸収が少ない上、
トナー生産工程の加熱混練時においても変色しにくくカ
ラートナー用荷電制御剤に適していることが判明した。
【0010】
【化2】
【0011】R1〜R4の具体例は次のとおりである。す
なわち、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピ
ル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、アミル、iso−アミル、iso−オクチ
ル等のアルキル基,フェニル、トリル、ナフチル等のア
リール基,ベンジル、フェニルエチル、メチルベンジ
ル、ナフチルメチル等のアラルキル基などが挙げられ
る。
【0012】更に、上記荷電制御剤の中でも特に下記の
一般式[III]で表される造塩化合物、化合物例
(2)〜化合物例(4)、化合物例(8)、化合物例
(9)、化合物例(11)〜化合物例(13)、化合物
例(16)〜化合物例(25)は、合成時において結晶
化が容易であり、多量の荷電制御剤が得られることが判
明した。
【0013】即ち、本発明は、荷電制御剤として、下記
一般式[I]で表される造塩化合物を少なくとも1種類
以上含有する正帯電性トナーを提供するものである。
【0014】
【化1】
【0015】また、本発明は、荷電制御剤として、下記
一般式[I]で表される造塩化合物を少なくとも1種類
以上含有する正帯電性トナーを提供するものである。
【0016】
【化2】
【0017】更に、本発明は、荷電制御剤として、下記
一般式[III]で表される造塩化合物を少なくとも1
種類以上含有する正帯電性トナーを提供するものであ
る。
【0018】
【化3】
【0019】また、前記荷電制御剤が熱可塑性樹脂10
0重量部に対して0.1〜10重量部配合されている正
帯電性トナーを提供するものである。
【0020】合成例1 10mlのメタノールと10mlの蒸留水の混合溶媒中
で、0.160g(1ミリモル)の2,6−ジヒドロキ
シナフタレンと0.04g(1ミリモル)の水酸化ナト
リウムを90℃で10分間撹拌し、ナトリウム塩を得
る。
【0021】5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混
合溶媒中で、0.320g(1ミリモル)のメチレンブ
ルーを90℃で10分間撹拌し、前記ナトリウム塩と混
合しさらに90℃で10分間撹拌した。
【0022】溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.20gの淡青色粉末(下記化
合物例(1)を得た(収率46.6%)。この物質は水
に不溶であり、融点は210.0℃であった。
【0023】また、この淡青色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0024】合成例2 10mlのメタノールと10mlの蒸留水の混合溶媒中
で、0.160g(1ミリモル)の2,7−ジヒドロキ
シナフタレンと0.04g(1ミリモル)の水酸化ナト
リウムを90℃で10分間撹拌し、ナトリウム塩を得
る。
【0025】5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混
合溶媒中で、0.570g(1ミリモル)のクリスタル
バイオレットを90℃で10分間撹拌し、前記ナトリウ
ム塩と混合しさらに90℃で10分間撹拌した。
【0026】溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.24gの濃紫色粉末(下記化
合物例(2))を得た(収率45.2%)。この物質は
水に不溶であり、融点は220.0℃であった。
【0027】また、この濃紫色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0028】合成例3 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で、
0.351g(1ミリモル)のサフラニンを90℃で1
0分間撹拌し、合成例2と同様の操作で得たナトリウム
塩と混合しさらに90℃で10分間撹拌した。
【0029】溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.28gの淡茶色粉末(下記化
合物例(3))を得た(収率59.1%)。この物質は
水に不溶であり、融点は250.0℃であった。
【0030】また、この淡茶色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0031】合成例4 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で、
0.299g(1ミリモル)の1,3−ジベンジルベン
ズイミダゾリウムを90℃で10分間撹拌し、合成例2
と同様の操作で得たナトリウム塩と混合しさらに90℃
で10分間撹拌した。
【0032】溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.27gの白色粉末(下記化合
物例(4))を得た(収率59.0%)。この物質は水
に不溶であり、融点は248.7℃であった。
【0033】また、この白色粉末を元素分析で測定した
結果を表1に示す。
【0034】合成例5 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で、
0.110g(1ミリモル)のテトラメチルアンモニウ
ムクロリドを90℃で10分間撹拌し、合成例1と同様
の操作で得たナトリウム塩と混合しさらに90℃で10
分間撹拌した。溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.10gの淡灰色粉末(下記化
合物例(5))を得た(収率42.9%)。この物質は
水に不溶であり、融点は227.3℃であった。
【0035】また、この淡灰色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0036】合成例6 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で、
0.210g(1ミリモル)のテトラエチルアンモニウ
ムブロミドを90℃で10分間撹拌し、合成例1と同様
の操作で得たナトリウム塩と混合しさらに90℃で10
分間撹拌した。溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.12gの淡灰色粉末(下記化
合物例(6))を得た(収率41.5%)。この物質は
水に不溶であり、融点は228.0℃であった。
【0037】また、この淡灰色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0038】合成例7 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で、
0.322g(1ミリモル)のテトラブチルアンモニウ
ムブロミドを90℃で10分間撹拌し、合成例1と同様
の操作で得たナトリウム塩と混合しさらに90℃で10
分間撹拌した。溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.18gの濃灰色粉末(下記化
合物例(9))を得た(収率44.9%)。この物質は
水に不溶であり、融点は210.0℃であった。
【0039】また、この濃灰色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0040】合成例8 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で、
0.172g(1ミリモル)のフェニルトリメチルアン
モニウムブロミドを90℃で10分間撹拌し、合成例1
と同様の操作で得たナトリウム塩と混合しさらに90℃
で10分間撹拌した。
【0041】溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.14gの濃灰色粉末(下記化
合物例(13))を得た(収率47.5%)。この物質
は水に不溶であり、融点は220.2℃であった。
【0042】また、この濃灰色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0043】合成例9 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で
0.186g(1ミリモル)のベンジルトリメチルアン
モニウムクロリドを90℃で10分間撹拌し、合成例1
と同様の操作で得たナトリウム塩と混合しさらに90℃
で10分間撹拌した。
【0044】溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.15gの濃灰色粉末(下記化
合物例(22))を得た(収率48.5%)。この物質
は水に不溶であり、融点は225.6℃であった。
【0045】また、この濃灰色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0046】合成例10 5mlのメタノールと5mlの蒸留水の混合溶媒中で、
0.312g(1ミリモル)のベンジルトリブチルアン
モニウムクロリドを90℃で10分間撹拌し、合成例1
と同様の操作で得たナトリウム塩と混合しさらに90℃
で10分間撹拌した。
【0047】溶液を静置することにより室温まで冷却
し、沈殿物を濾過した。そして濾取物を蒸留水で洗浄し
乾燥することにより、0.19gの濃灰色粉末(下記化
合物例(25))を得た(収率43.7%)。この物質
の融点は203.5℃であった。
【0048】また、この濃灰色粉末を元素分析で測定し
た結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】次に、一般式[I]、一般式[II]又は
一般式[III]で表される化合物の具体例を列挙する
が、勿論本発明はこれらに限定されるものではない。こ
れらは何れも荷電制御剤として好適に使用することがで
きるものである。
【0051】化合物例(1)
【0052】
【化4】
【0053】化合物例(2)
【0054】
【化5】
【0055】化合物例(3)
【0056】
【化6】
【0057】化合物例(4)
【0058】
【化7】
【0059】化合物例(5)
【0060】
【化8】
【0061】化合物例(6)
【0062】
【化9】
【0063】化合物例(7)
【0064】
【化10】
【0065】化合物例(8)
【0066】
【化11】
【0067】化合物例(9)
【0068】
【化12】
【0069】化合物例(10)
【0070】
【化13】
【0071】化合物例(11)
【0072】
【化14】
【0073】化合物例(12)
【0074】
【化15】
【0075】化合物例(13)
【0076】
【化16】
【0077】化合物例(14)
【0078】
【化17】
【0079】化合物例(15)
【0080】
【化18】
【0081】化合物例(16)
【0082】
【化19】
【0083】化合物例(17)
【0084】
【化20】
【0085】化合物例(18)
【0086】
【化21】
【0087】化合物例(19)
【0088】
【化22】
【0089】化合物例(20)
【0090】
【化23】
【0091】化合物例(21)
【0092】
【化24】
【0093】化合物例(22)
【0094】
【化25】
【0095】化合物例(23)
【0096】
【化26】
【0097】化合物例(24)
【0098】
【化27】
【0099】化合物例(25)
【0100】
【化28】
【0101】化合物例(26)
【0102】
【化29】
【0103】そして本発明の正帯電性トナーは、一般式
[I]、一般式[II]、又は一般式[III]で表さ
れる荷電制御剤を、熱可塑性樹脂100重量部に対して
0.1〜10重量部配合されているものとすることが望
ましい。配合量を0.1重量部未満とすると効果は少な
く、また、10重量部を越えると樹脂中に微細分散させ
ることが困難となる。荷電制御剤のより好ましい配合量
は、前記樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部で
ある。またトナーの品質を向上させる上で、例えば流動
性改良剤、画像剥離防止剤等の添加剤を内添又は外添さ
せることもできる。
【0104】本発明のトナーに用いられる熱可塑性樹脂
としては、次のような公知のトナー用の樹脂或いは結着
樹脂を例示することができる。すなわち、スチレン樹
脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−アクリロニト
リル樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、
スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−メタアクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、オレフィン樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂等であ
る。これらの樹脂は、単独で或いは数種をブレンドして
用いることもできる。
【0105】本発明のトナーにおいては、着色剤とし
て、公知の多数の染・顔料を用いることができる。すな
わち、カーボンブラック、磁性粉、または、ニトロ系、
アゾ系、スチルベンアゾ系、ジフェニルメタン系、トリ
フェニルメタン系、メチン系、チアゾール系、アントラ
キノン系、インダミン系、アジン系、オキサアジン系、
チアジン系、硫化染料系、インジゴイド系、フタロシア
ニン系の有機染料あるいは顔料、または無機顔料、また
は、酸性染料の金属塩、塩基性染料とリン酸、モリブデ
ン酸、タングステン酸等との塩等に代表されるレーキ顔
料等が挙げられる。
【0106】本発明の正帯電性トナーは、例えば次のよ
うに製造される。すなわち、上記のような樹脂、着色剤
及び一般式[I]、一般式[II]、又は一般式[II
I]で表される荷電制御剤、並びに、必要に応じて流動
化剤等を混合機により十分混合した後、二軸混練機を用
いて溶融混練し、冷却固化後、ジェットミルにより粉砕
することにより、平均粒径5〜25μmのトナーを得る
ことができる。
【0107】本発明のトナーを二成分現像剤として用い
る場合には、トナーをキャリア粉と混合して用い、二成
分磁気ブラシ現像法等により現像することができる。キ
ャリアとしては、公知のものが全て使用可能である。例
示するならば、粒径50〜200μm程度の鉄粉、ニッ
ケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ等が挙げられる。
本発明のトナーを1成分現像剤として用いる場合には、
上記のようにしてトナーを製造する際に、例えば鉄粉、
ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料製の微粉体を
添加分散させて用いることができる。この場合の現像法
としては、例えば接触現像法、ジャンピング現像法等を
挙げることができる。
【0108】
【作用】本願発明の造塩化合物は、水に対する溶解性の
小さなアニオンからなるため、ハロゲンイオンや有機ス
ルホン酸アニオンからなる造塩化合物と比べて耐湿性が
高く、これを含有したトナーは湿度に対する帯電安定性
に優れる。また、トナー製造時における加熱混練温度、
通常120℃〜180℃において、本願発明の造塩化合
物は熱安定性に優れ、トナー製造時において安定した品
質を得ることができる。また、トナーのバインダー樹脂
への分散性が良好なため、これを含有するトナーはキャ
リアや帯電ブレード等の摩擦帯電部材への汚染が少な
く、連続コピー時においても長期にわたり安定した帯電
性能を維持する。
【0109】さらに、カチオンとして4級アンモニウム
塩を用いたものは可視光域の光吸収が少なく、トナー生
産工程の加熱混練時においても変色しにくくカラートナ
ー用荷電制御剤として適用することもできる。また、ア
ニオンとして特定の2,7−ジヒドロキシナフタレンを
用いることにより、合成時の結晶化が容易となり、安定
した品質を維持することができる。
【0110】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、勿論本発明は何らこれらのみに限定されるものでは
ない。なお、以下の記述においては、「重量部」を
「部」と略す。
【0111】実施例1 本発明のトナーを2成分現像剤として用い スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 6部 化合物例(5) ・・・ 2部 上記配合物を高速ミキサーで均一にプレミキシングし
た。次いで二軸混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミ
ルで粗粉砕した。得られた粗砕物を分級機付きのジェッ
トミルを用いて微粉砕して、粒径10.81μmの黒色
トナーを得た。
【0112】得られたトナー2部に対してフェライトキ
ャリア[FS−660(商品名)関東電化工業社製]9
8部を混合して現像剤を調製した。本現像剤のブローオ
フ帯電量を東芝ケミカル株式会社製のブローオフ粉体帯
電量測定装置を用いて測定したところ優れた荷電制御性
が得られた。帯電量を表2に示す。また、本トナーを用
いて市販の複写機[SF−8300 シャープ社製]に
て画像を形成したところ、2万枚連続コピーにおいて安
定な帯電性を有し、カブリがなく、細線再現性が良好な
黒色の画像が得られた。
【0113】実施例2 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製 ・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製 ・・・ 6部 化合物例(6) ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.69
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0114】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0115】実施例3 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 5部 化合物例(9) ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.22
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0116】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0117】実施例4 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 6部 化合物例(13) ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.55
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0118】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0119】実施例5 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 6部 化合物例(15) ・・・ 3部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径9.854
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0120】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0121】実施例6 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製 ・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 6部 化合物例(20) ・・・ 3部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.01
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0122】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300] シャープ社製」にて画像を形成したと
ころ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、
カブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0123】実施例7 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 6部 化合物例(22) ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.46
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0124】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0125】実施例8 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 5部 化合物例(25) ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径9.770
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0126】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0127】実施例9 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 銅フタロシアニン顔料 ・・・ 5部 化合物例(5) ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.22
μmの青色トナーを得、現像剤を調製した。
【0128】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製ブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて測
定したところ優れた帯電制御性が得られた。帯電量を表
2に示す。本トナーを用いて市販の複写機[SF−83
00 シャープ社製]にて画像を形成したところ、2万
枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カブリがな
く、細線再現性が良好な青色の画像が得られた。
【0129】実施例10 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 5部 化合物例(2) ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径9.528
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0130】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0131】実施例11 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 5部 化合物例(2) ・・・ 1部 化合物例(5) ・・・ 1部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.15
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0132】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ優れた荷電制御性が得られた。帯電量を
表2に示す。また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピーにおいて安定な帯電性を有し、カ
ブリがなく、細線再現性が良好な黒色の画像が得られ
た。
【0133】
【表2】
【0134】比較例1 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 5部 セチルピリジニウムクロライド ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径10.25
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0135】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ、帯電量は徐々に低下し安定した荷電制
御性は得られなかった。帯電量を表3に示す。また、本
トナーを用いて市販の複写機[SF−8300 シャー
プ社製]にて画像を形成したところ、2万枚連続コピー
時に帯電量が低下し、カブリが発生し、黒色画像の細線
再現性は不良となった。
【0136】比較例2 スチレン・アクリル共重合樹脂 [エスレックP−598(商品名) 積水化学工業社製]・・・100部 カーボンブラック [MA−100(商品名) 三菱化成社製] ・・・ 5部 ジペンチルジメチルアンモニウムクロライド ・・・ 2部 上記配合物を実施例1と同様に処理して粒径9.759
μmの黒色トナーを得、現像剤を調製した。
【0137】本現像剤のブローオフ帯電量を東芝ケミカ
ル株式会社製のブローオフ粉体帯電量測定装置を用いて
測定したところ安定した荷電制御性は得られなかった。
帯電量を表3に示す。
【0138】また、本トナーを用いて市販の複写機[S
F−8300 シャープ社製]にて画像を形成したとこ
ろ、2万枚連続コピー時に帯電量が低下し、カブリが発
生し、黒色画像の細線再現性は不良となった。
【0139】
【表3】
【0140】
【発明の効果】本発明の造塩化合物は帯電性、耐熱性、
耐湿性、樹脂に対する分散性に優れるため、それを含有
するトナーは、温湿度の変化に対して安定した帯電性能
をもつ。また、キャリア等の摩擦帯電部材への汚染が少
なく、長期にわたって安定した正帯電性能を維持する。
【0141】さらに、これら造塩化合物のうち特定の化
合物を使用すると、合成時の結晶化が容易となり、ある
いは可視光域の光吸収が少ないものは、生産工程におい
ても変色がなく、色調において安定した品質を維持する
ことができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電制御剤として、下記一般式[I]で
    表される造塩化合物を少なくとも1種類以上含有するこ
    とを特徴とする正帯電性トナー。 【化1】
  2. 【請求項2】 荷電制御剤として、下記一般式[II]
    で表される造塩化合物を少なくとも1種類以上含有する
    ことを特徴とする正帯電性トナー。 【化2】
  3. 【請求項3】 荷電制御剤として、下記一般式[II
    I]で表される造塩化合物を少なくとも1種類以上含有
    することを特徴とする正帯電性トナー。 【化3】
  4. 【請求項4】 前記荷電制御剤が熱可塑性樹脂100重
    量部に対して0.1〜10重量部配合されていることを
    特徴とする請求項1,2,又は3に記載の正帯電性トナ
    ー。
JP6230893A 1994-09-27 1994-09-27 正帯電性トナー Pending JPH0895300A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11218964A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Canon Inc 画像形成方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11218964A (ja) * 1998-02-02 1999-08-10 Canon Inc 画像形成方法

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