JPH11102088A - 荷電制御剤及び静電荷像現像用トナー - Google Patents

荷電制御剤及び静電荷像現像用トナー

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JPH11102088A
JPH11102088A JP27977197A JP27977197A JPH11102088A JP H11102088 A JPH11102088 A JP H11102088A JP 27977197 A JP27977197 A JP 27977197A JP 27977197 A JP27977197 A JP 27977197A JP H11102088 A JPH11102088 A JP H11102088A
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JP
Japan
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group
toner
control agent
charge control
compound
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Application number
JP27977197A
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English (en)
Inventor
Shunichiro Yamanaka
俊一郎 山中
Kazuaki Sugata
一明 須方
Masashi Yasumatsu
雅司 安松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Orient Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Orient Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種のトナー及び現像剤に使用し得、クロム
等の重金属を含まない、実質上無色の負荷電制御剤、そ
の負荷電制御剤を含有し、各種の複写機及びプリンタ等
に対応できる優れた帯電特性を備え、優れた品質のトナ
ー画像を形成し得る静電荷像現像用トナーの提供。 【解決手段】 カリックスアレーン系化合物と第4級ア
ンモニウム塩系化合物を、10:10乃至10:0.0
001のモル比で混合してなる負荷電制御剤。その負荷
電制御剤、樹脂、及び着色剤を含んでなる静電荷像現像
用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法等において、静電潜像を現像するために用いられ
る静電荷像現像用トナー、及び、主としてそのトナーの
帯電量を適切にコントロールし又は安定化するために用
いられる、カリックスアレーン系化合物と第4級アンモ
ニウム塩系化合物とを混合してなる荷電制御剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法を利用した複写機等において
は、光導電性物質を含有する感光層を備えた感光体上に
形成された静電潜像を現像するために、着色剤及び定着
用の樹脂等を有する種々のトナーが用いられている。こ
のようなトナーには、帯電性、定着性、非オフセット
性、耐久性等について、それぞれ十分な性能が要求され
る。
【0003】静電潜像を現像するシステムにおいて、帯
電性は特に重要な因子である。そこでトナーの帯電性を
適切に制御するために、トナー中に、正電荷又は負電荷
付与性の荷電制御剤が加えられることが多い。従来実用
化されている荷電制御剤のうち、トナーに負電荷を付与
するものとしては、含金属錯塩染料、アルキルサリチル
酸の金属錯体、金属を含まないカリックスアレーン系化
合物等が挙げられる。トナーに正電荷を付与するものと
しては、ニグロシン系若しくはトリフェニルメタン系の
塩基染料、第4級アンモニウム塩系化合物、ピリジニウ
ム塩系化合物、グアニジン系化合物等の電子供与性化合
物等が挙げられる。また、特開平2−264970号公
報には、サリチル酸クロム錯体とその3重量%の第4級
アンモニウム塩とを含有し、負荷電制御剤であるサリチ
ル酸クロム錯体の電荷付与特性を第4級アンモニウム塩
によりコントロールしようとするカラートナーが記載さ
れている。
【0004】近時においては、複写や印刷の速度を高速
化しつつトナー画像の高画質化をも実現するために、ト
ナーに対して、帯電の立上がり速度を高めること等の帯
電特性についての要求や、定着性及び広範な定着温度域
での非オフセット性に共に優れること等の記録紙へのト
ナーの定着性についての要求が強くなっている。
【0005】ところで、上記の従来実用化されている荷
電制御剤のうちカリックスアレーン系化合物は、トナー
に用いた場合の負荷電付与性及び耐久性に優れるが、帯
電の立上り性や広範な定着温度域での耐オフセット性に
ついては必ずしも満足できるものではなかった。一方、
アンモニウム塩系の荷電制御剤は、トナーに添加された
場合、そのトナーの正帯電性及び帯電の立上り性に比較
的すぐれる。しかし、塩もしくは造塩体構造の荷電制御
剤は、環境変化、特に湿度変化に対する帯電量の安定性
や耐久性に欠ける。そのため、その荷電制御剤を用いた
トナーの複写画像は比較的鮮明性に欠けるものであった
り、或いはトナーを多数回繰り返し使用した際の耐久性
等において改善すべき課題を残している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、従来技
術に存した上記のような課題に鑑み、トナーにカリック
スアレーン系の荷電制御剤を用いた時の、トナーの帯電
量、帯電の立上がり性及び広範な定着温度域での耐オフ
セット性の向上について検討した結果、カリックスアレ
ーン系化合物に対して特定比率で第4級アンモニウム塩
系化合物を混合することによって、上記の課題を解決す
ることができることを見出した。すなわち、カリックス
アレーン系化合物と第4級アンモニウム塩系化合物が混
合してなる負荷電制御剤が、トナー(カラートナーを含
む)の帯電特性と画像品質を顕著に向上させることを見
出した。
【0007】本発明の目的は、各種のトナー及び現像剤
に使用し得、クロム等の重金属を含まない、実質上無色
の負荷電制御剤、並びに、その負荷電制御剤を含有し、
各種の複写機及びプリンタ等に対応できる優れた帯電特
性(帯電の立上がり性、帯電の安定性、環境非依存性、
耐久性)を備え、優れた品質のトナー画像を形成し得る
静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の負荷電制御剤
は、カリックスアレーン系化合物と第4級アンモニウム
塩系化合物が混合してなる荷電制御剤であって、カリッ
クスアレーン系化合物と第4級アンモニウム塩系化合物
のモル比が10:10乃至10:0.0001の範囲に
あることを特徴とする(請求項1)。
【0009】上記カリックスアレーン系化合物は、式
(1)で表される構成単位からなる環状化合物、式
(1)及び式(2)でそれぞれ表される構成単位からな
る環状化合物、又はこれらの環状化合物の混合物とする
ことができる(請求項2)。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】 式(1)及び式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立
して、H(水素)、枝分れがあってもよいアルキル基、
アルケニル基、ハロゲン化アルキル基、シクロアルキル
基、未置換若しくは核置換アリール基、未置換若しくは
核置換アラルキル基、ハロゲン、ニトロ基、−Si(C
33基、アミノ基、置換アミノ基、又はSO3M[M
はH(水素)、アルカリ金属、アルカリ土類金属、NH
4、又は脂肪族アンモニウムを示す。]を示し、R3は、
枝分れがあってもよいアルキル基、アルケニル基、未置
換若しくは核置換アリール基、未置換若しくは核置換ア
ラルキル基、−Si(CH33基、−COR4[R4は、
アルキル基、アルケニル基、未置換若しくは核置換アリ
ール基、未置換若しくは核置換アラルキル基]、−(C
2pCOOR5[R5は、H(水素)、又は炭素数1乃
至4のアルキル基を示し、pは1乃至3の整数を示
す。]、−(CH2q −R6(R6は、エチレンオキシ
ド基を示し、qは1乃至3の整数を示す。)、又はアル
カリ金属を示す。
【0012】また上記第4級アンモニウム塩系化合物
は、式(3)又は式(4)で示される化合物とすること
ができる(請求項3)。 式(3) [Q]+・1/n[X]n- 式(4) [Q]2+・2/n[X]n- 式(3)及び式(4)中、[Q]+及び[Q]2+は、第
4級アンモニウムイオン、トリエチレンビスアンモニウ
ムイオン、又はピリジニウムイオンであり、[X]
n-は、電荷がnの無機又は有機アニオンである。
【0013】本発明の静電荷像現像用トナーは、樹脂、
着色剤、及び上記負荷電制御剤を含んでなるものである
(請求項4)。
【0014】また本発明の静電荷像現像用トナーは、樹
脂、着色剤、並びにカリックスアレーン系化合物及び第
4級アンモニウム塩系化合物を含んでなる静電荷像現像
用トナーであって、前記第4級アンモニウム塩系化合物
の含有量は前記カリックスアレーン系化合物の含有量に
対し等モル以下であるものとすることもできる(請求項
5)。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の負荷電制御剤は、負荷電
性のカリックスアレーン系化合物(以下、「CA」と略
すこともある)と、そのCAに対して特定比率の第4級
アンモニウム塩系化合物(以下、「QA」と略すことも
ある)を必須成分とする組成物であって、CAに対して
特定比率でQAを混合することによって得られる。また
本発明の静電荷像現像用トナーは、CAと、そのCAに
対し特定比率のQAとを含有する。
【0016】本発明の負荷電制御剤及び静電荷像現像用
トナー中のCAとQAの混合比率CA:QAは、モル比
で10:10乃至10:0.0001の範囲にあること
が好ましい。特に好ましい範囲は10:8乃至10:
0.01である。
【0017】このカリックスアレーン系化合物は、上記
式(1)で表される構成単位からなる環状化合物、上記
式(1)及び式(2)でそれぞれ表される構成単位から
なる環状化合物、又はこれらの環状化合物の混合物とす
ることができる。
【0018】式(1)及び式(2)中のR1及びR2がそ
れぞれ独立して示す、枝分れがあってもよいアルキル
基、アルケニル基、ハロゲン化アルキル基、シクロアル
キル基、未置換若しくは核置換アリール基、未置換若し
くは核置換アラルキル基、ハロゲン、置換アミノ基、及
びSO3Mの例としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso
−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i
so−ペンチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基等の枝分れがあってもよい炭素
数1乃至12のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロ
ペニル基、ブテニル基等の炭素数1乃至12のアルケニ
ル基;ハロゲン(F、Cl、Br等)化アルキル基;シ
クロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル等の炭素数3乃至8のシクロアルキル基;フ
ェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、並び
に、核置換基として例えば炭素数1乃至10のアルキル
基、水酸基、ハロゲン(例えばF、Cl、Br等)、ニ
トロ基、炭素数1乃至10のアルコキシル基、シアノ
基、アリール基(フェニル、ナフチル等)等を有するア
リール基(具体例としては、2−メチルフェニル基、3
−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−te
rt−ブチルフェニル基、4−tert−オクチルフェ
ニル基、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル
基基、4−n−ブトキシフェニル基、2−ヒドロキシフ
ェニル基、4−ブロモフェニル基、4−クロロフェニル
基、4−フルオロフェニル基、2−ニトロフェニル基、
4−ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基、p−フ
ェニルフェニル基、p−ナフチルフェニル基等);ベン
ジル基、フェニルエチル基、メチルベンジル基、α,α
−ジメチルベンジル基、ナフチルメチル基等のアラルキ
ル基、並びに、核置換基として例えば炭素数1乃至10
のアルキル基、水酸基、ハロゲン(例えばF、Cl、B
r等)、ニトロ基、炭素数1乃至10のアルコキシル
基、シアノ基、アリール基(フェニル、ナフチル等)等
を有するアラルキル基;F、Cl、Br等のハロゲン;
アルキル(例えば炭素数1乃至10のアルキル)アミノ
基、フェニルアミノ基等の置換アミノ基;SO3M[M
はH(水素)、Li、Na、K等のアルカリ金属、M
g、Ca等のアルカリ土類金属、NH4、又は脂肪族ア
ンモニウムを示す。]等を挙げることができる。
【0019】式(2)中のR3が示す、枝分れがあって
もよいアルキル基、アルケニル基、未置換若しくは核置
換アリール基、未置換若しくは核置換アラルキル基、−
COR4、及びアルカリ金属の例としては、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−
ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n
−ペンチル基、iso−ペンチル基、tert−ペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の枝分れが
あってもよい炭素数1乃至12のアルキル基;ビニル
基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素数1
乃至12のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフ
チル基等のアリール基、並びに、核置換基として例えば
炭素数1乃至10のアルキル基、水酸基、ハロゲン(例
えばF、Cl、Br等)、ニトロ基、炭素数1乃至10
のアルコキシル基、シアノ基、アリール基(フェニル、
ナフチル等)等を有するアリール基(具体例としては、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メ
チルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4
−tert−オクチルフェニル基、4−メトキシフェニ
ル、4−エトキシフェニル基基、4−n−ブトキシフェ
ニル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−ブロモフェニ
ル基、4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル
基、2−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、4
−シアノフェニル基、p−フェニルフェニル基、p−ナ
フチルフェニル基等);ベンジル基、フェニルエチル
基、メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、
ナフチルメチル基等のアラルキル基、並びに、核置換基
として例えば炭素数1乃至10のアルキル基、水酸基、
ハロゲン(例えばF、Cl、Br等)、ニトロ基、炭素
数1乃至10のアルコキシル基、シアノ基、アリール基
(フェニル、ナフチル等)等を有するアラルキル基;−
COR4[R4は、炭素数1乃至10のアルキル基;炭素
数1乃至10のアルケニル基;炭素数1乃至4のアルキ
ル基、水酸基、ハロゲン(F、Cl、Br等)、ニトロ
基、炭素数1乃至4のアルコキシル基、シアノ基等の未
置換若しくは核置換フェニル基、トリル基、ナフチル基
等のアリール基;炭素数1乃至4のアルキル基、水酸
基、ハロゲン(F、Cl、Br等)、ニトロ基、炭素数
1乃至4のアルコキシル基、シアノ基等の未置換若しく
は核置換ベンジル基、フェニルエチル基、メチルベンジ
ル基、α,α−ジメチルベンジル基、ナフチルメチル基
等のアラルキル基];Na、K、Li等のアルカリ金属
等を挙げることができる。
【0020】本発明の負荷電制御剤及び静電荷像現像用
トナーにおけるカリックスアレーン系化合物は、(a)
上記式(1)で表される構成単位からなる、nが3乃
至8の整数であるカリックス(n)アレーン化合物、若
しくはそのうち2以上のものの混合物;(b) 式
(1)及び式(2)でそれぞれ表される構成単位からな
る、nが3乃至8の整数であるカリックス(n)アレー
ン化合物、若しくはそのうち2以上のものの混合物;又
は、(c) (a)及び(b)の混合物とすることがで
きる。
【0021】本発明におけるカリックスアレーン系化合
物(CA)の具体例を以下に示すが、これらに限るもの
ではない。 CA.1 p−tert−ブチルカリックス(8)アレ
ーン CA.2 p−フェニルカリックス(8)アレーン CA.3 nが3、4、5、6、7及び8である各p−
フェニルカリックス(n)アレーンのうち2以上のもの
の混合物 CA.4
【0022】
【化5】 [CA.4は、R1:tert−C49、R2:tert
−C817、m+n=8であり、mが0乃至8の整数で
あるものの混合物] CA.5 p−tert−ブチルカリックス(4)アレ
ーン CA.6
【0023】
【化6】 [CA.6中、m=8、R1:−CH3、R3:H] CA.7
【0024】
【化7】 [CA.7中、m+n=3乃至8、m=0乃至8、
1:−CH3、R2:−CH3、R3:Na] CA.8
【0025】
【化8】 [CA.8中、R1:−CH 3、R2:−CH 3] CA.9
【0026】
【化9】 [CA.9中、m=8、R1:シクロヘキシル基] CA.10
【0027】
【化10】 [CA.10は、R1:フェニル基、R2:−CH3であ
り、m+n=3乃至8であり、mが0乃至8の整数であ
るものの混合物] 一方、本発明の負荷電制御剤及び静電荷像現像用トナー
中の第4級アンモニウム塩系化合物(以下、QAと略
す。)は、含窒素有機カチオン成分が非環状である第4
級アンモニウム塩化合物及びトリエチレンビスアンモニ
ウム塩化合物、並びに含窒素有機カチオン成分が環状で
あるピリジニウム塩化合物を含む。これらの第4級アン
モニウム塩系化合物は、式(I)乃至(IV)で表され
る化合物であることが好ましい。
【0028】
【化11】 式(I)中、R4、R5、R6及びR7は、それぞれ独立し
て、枝分れがあってもよい炭素数1乃至22のアルキル
基、炭素数7乃至20の未置換若しくは核置換アラルキ
ル基、又は、炭素数6乃至20の未置換若しくは核置換
アリール基を示し、Xn-は、無機又は有機のアニオンを
示し、nは、そのアニオンの電荷を示す。
【0029】この無機アニオンの例としては、Cl-
Br-、I-等のハロゲンイオンが挙げられ、有機アニオ
ンの例としては、アルキルベンゼンスルホン酸やアルキ
ルナフタレンスルホン酸のような芳香族系の有機スルホ
ン酸アニオン;安息香酸若しくはアルキル安息香酸やサ
リチル酸若しくはアルキルサリチル酸のような芳香族系
の有機カルボン酸アニオン;OH基、アミノ基、置換ア
ミノ基(例えば、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、
フェニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基等)、
カルボキシル基、又はアルキル基で置換されていてもよ
いベンゼン系若しくはナフタレン系の有機スルホン酸ア
ニオンが挙げられる。
【0030】
【化12】 式(II)中、R8及びR9は、それぞれ独立して、水素
(H)、枝分れがあってもよい炭素数1乃至22のアル
キル基、炭素数7乃至20の未置換若しくは核置換アラ
ルキル基、又は、炭素数6乃至20の未置換若しくは核
置換アリール基を示し、Xn-は、式(I)と同様の無機
又は有機のアニオンを示し、nは1又は2を示す。
【0031】
【化13】 式(III)中、R10及びR11は、それぞれ独立して、
水素(H)、枝分れがあってもよい炭素数1乃至22の
アルキル基、炭素数7乃至20の未置換若しくは核置換
アラルキル基、又は、炭素数6乃至20の未置換若しく
は核置換アリール基を示し、Xn-は、式(I)と同様の
無機又は有機のアニオンを示し、nは1又は2を示す。
【0032】
【化14】 式(IV)中、R12、R13及びR14は、それぞれ独立し
て、枝分れがあってもよい炭素数1乃至22のアルキル
基、炭素数6乃至20の未置換若しくは核置換アリール
基、又は炭素数7乃至20の未置換若しくは核置換アラ
ルキル基を示し、R15は、炭素数6乃至4の未置換或い
は核置換アリール基、又は炭素数7乃至20の未置換若
しくは核置換アラルキル基を示し、Xn-は、モリブデン
酸アニオン、タングステン酸アニオン、又は、ホウ素、
ケイ素、燐、クロム及び鉄からなる群より選ばれた原子
をヘテロ原子として含むヘテロタングステン酸アニオン
を示し、nは1以上の整数を示す。nは、10以下であ
ることが好ましい。
【0033】上記式(I)、式(II)、及び式(II
I)に対応する第4級アンモニウムハライド系化合物の
例としては、第4級アンモニウム塩化合物(例えば、ト
リブチルベンジルアンモニウムクロライド)、トリエチ
レンビスアンモニウム塩化合物(例えば、トリエチレン
ビス[N−ベンジルアンモニウム]クロライド)、ピリ
ジニウム塩化合物(例えば、N−アルキルピリジニウム
クロライド)等を挙げることができる。
【0034】式(I)、式(II)及び式(III)に
対応する第4級アンモニウム塩系化合物の有機アニオン
成分の例としては、アルキル(炭素数1乃至12)ベン
ゼンスルホン酸、1−ナフトール−4−スルホン酸、
2,3−ジヒドロキシナルタレン−6−スルホン酸、1
−ナフトール−5−スルホン酸、1,7−ジヒドロキシ
ナフタレン−3−スルホン酸、1,5−ナフタレン−ジ
−スルホン酸、1−ナフトール−4−スルホン酸、J酸
(6−アミノ−1−ナフトール−3−スルホン酸)、N
−フェニルJ酸、N−メチルJ酸、N−アセチルJ酸、
(アルキル)ナフタレンジスルホン酸、等の芳香族系ス
ルホン酸又はそれらの塩に基づくアニオン成分、次の3
式でそれぞれ表される化合物に基づくアニオン成分
【0035】
【化15】 [上式中、Mは、水素(H)、アルカリ金属(Li、N
a、K等)、NH4等を示し、nは0又は1を示す。]
【0036】
【化16】 [上式中、Mは、水素(H)、アルカリ金属(Li、N
a、K等)、NH4等を示し、nは0又は1を示す。]
【0037】
【化17】 [上式中、Mは、水素(H)、アルカリ金属(Li、N
a、K等)、NH4等を示し、mは0又は1を示す。]
特公平4−20905号特許公報に記載されるような、
例えば4級アンモニウム塩系のモリブデン酸塩、タング
ステン酸塩若しくはヘテロモリブデン酸塩に基づくアニ
オン成分[上記式(IV)におけるアニオン成分に対応
するもの]等が挙げられる。
【0038】式(IV)におけるアニオン(Xn-)の好
ましい例としては、[Mo3264-、[MoO42-
[Mo7246-、[PMo12403-、[BMo12
405-、[H2124010-、[FW12405-、[P
12403-、[BW12405-、[SiW12404-
等が挙げられる。
【0039】また、式(I)乃至(III)におけるR
4乃至R11でそれぞれ示されるアルキル基の例として
は、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n
−ブチル、tert−ブチル、iso−アミル、オクチ
ル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシ
ル等が挙げられる。
【0040】式(IV)におけるR12乃至R14でそれぞ
れ示されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロ
ピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチ
ル、iso−アミル、オクチル、tert−オクチル等
が挙げられる。
【0041】式(I)乃至(IV)におけるR4乃至R
15で示されるアリール基としては、フェニル基、ナフチ
ル基、並びに、メチル、エチル等の炭素数1乃至3のア
ルキル基、メトキシ、エトキシ等の炭素数1乃至3のア
ルコキシ基、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン
などの置換基を芳香族環に有するフェニル基及びナフチ
ル基等が挙げられる。
【0042】式(I)乃至(IV)におけるR4乃至R
15で示されるアラルキル基としては、ベンジル基、α,
α−ジメチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルアル
キル基、並びに、メチル、エチル等の炭素数1乃至3の
アルキル基、メトキシ、エトキシ等の炭素数1乃至3の
アルコキシ基、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲ
ンなどの置換基を芳香族環に有するベンジル基及びナフ
チルアルキル基等が挙げられる。
【0043】本発明における第4級アンモニウム塩系化
合物(QA)の具体例を以下に示すが、これらに限るも
のではない。
【0044】式(I)で表されるQAの例を表1に示
す。
【0045】
【表1】 式(II)で表されるQAの例を表2に示す。
【0046】
【表2】 式(III)で表されるQAの例を表3に示す。
【0047】
【表3】 式(IV)で表されるQAの例を表4に示す。
【0048】
【表4】 本発明の負荷電制御剤は、負荷電制御性を有する上記C
Aと、上記QAとを、各種の方法により混合して得るこ
とができる。混合方法としては、湿式法[WET]、乾
式法[DRY]、熱溶融法[MOD]など如何なる方法
を用いてもよい。その際のCAに対するQAのモル比は
1以下とする。モル比においてCA:QAの好ましい範
囲は、10:10乃至10:0.0001である。
【0049】モル比においてCA10に対しQAが10
を越える場合、トナー等に用いられた場合の帯電レベル
(飽和帯電量)が低くなって本発明の目的達成は困難と
なる。また、モル比においてCA10に対しQAが0.
0001を下回る場合、トナー等に用いられた場合の帯
電の安定性や立ち上り性が十分に得られ難くなり好まし
くない。より適切な帯電特性を得るためのCAとQAの
混合比率は、CAの分子量及び電荷付与特性とQAの分
子量及び電荷付与特性を考慮して決定される。
【0050】混合の際に用いる上記CA及び上記QA
は、それぞれ1種ずつであってもよく、複数種ずつであ
ってもよい。
【0051】湿式法により混合する場合は、例えばクロ
ロホルム、メタノール、トルエン等の有機溶媒、水、水
と有機溶媒の混合溶媒等の中に、CAを分散又は溶解さ
せ、そのCA含有溶媒に対し、QAをそのまま、又はQ
Aを溶媒に分散若しくは溶解させた状態で添加して撹拌
混合し、再結晶させることにより、又は用いた溶媒を留
去することにより得ることができる。このように混合す
る際、ガラスビーズ等の通常使用される分散媒体(摩砕
媒体)を添加し、ボールミル、ペイントシェーカー等に
よるシェアを加えてもよい。
【0052】乾式法により混合する場合は、一般的な乾
式ミリングの全ての方法、例えば、ボールミル、ペイン
トシェーカー等によって混合及び微粉砕することができ
る。
【0053】熱溶融法により混合する場合は、CAとQ
Aの何れか一方、又は双方の溶融する温度(m.p.)
以上で混合した後、冷却固化させて粉砕することにより
得ることができる。熱溶融は、特に、窒素ガス、アルゴ
ンガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
また、溶融混合時には、加熱ロール等を用いてシェアを
かけて行ってもよい。
【0054】本発明の負荷電制御剤は、湿式混合法に用
いた溶媒の種類により異なる結晶型を呈する。例えば、
有機溶媒を用いる湿式法によりtert−ブチルカリッ
クス(8)アレーンとトリメチルベンジルアンモニウム
クロライドを10:0.1のモル比で混合させて調製し
た荷電制御剤は、溶媒としてクロロホルムを用いて混合
した場合は図7に示すX線回折スペクトルを与え、溶媒
としてメタノールを用いて混合した場合は図6に示すX
線回折スペクトルを与えた。しかし、図5に示すよう
に、各荷電制御剤を含有してなるトナーの帯電挙動に
は、溶媒の種類により生じた荷電制御剤の結晶型の違い
に因る差違は見られなかった。
【0055】次に、上記方法により調製した本発明の負
荷電制御剤の具体例を表5に示す。
【0056】
【表5】 本発明の静電荷像現像用トナーは、樹脂、着色剤、及び
本発明の負荷電制御剤を含んでなるものであり、その負
荷電制御剤は、CAとQAとを予め特定比率で混合した
ものでもよく、或いは、CAと、そのCAに対し特定比
率のQAとが、トナー中で本発明の負荷電制御剤を構成
するものとしてもよい。
【0057】本発明の静電荷像現像用トナーは、本発明
の負荷電制御剤が、樹脂100重量部に対して0.1乃
至10重量部配合されたものが好ましい。荷電制御剤の
より好ましい配合量は、樹脂100重量部に対して0.
5乃至5重量部である。
【0058】本発明のトナーに用いる樹脂としては、次
のような公知のトナー用樹脂又は結着樹脂を例示するこ
とができる。すなわち、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン
−ブタジエン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレ
ン−ビニルメチルエーテル樹脂、スチレン−メタアクリ
ル酸エステル共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリプロピレン樹脂、パラフィンワックス等であ
る。これらの樹脂は、単独で或いは数種をブレンドして
用いることができる。
【0059】トナー用の樹脂或いは結着樹脂は、一般に
トナーの紙への定着性、ローラーに対する非オフセット
性、トナーの保存時の耐ブロッキング性等の観点から樹
脂の熱溶融特性、弾性、流動性が要求される。このよう
な樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−ア
クリル樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合
体、ポリエステル系樹脂などを好適に使用できる。
【0060】カラートナー用の着色剤としては、種々の
染料及び顔料を単独でまたは2種以上組み合わせて使用
することができる。その具体例としては、キノフタロン
イエロー、ハンザイエロー、イソインドリノンイエロ
ー、ペリノンオレンジ、ペリレンマルーン、ローダミン
6Gレーキ、キナクリドン、アンスアンスロンレッド、
ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー及び銅フタロ
シアニングリーン、ジケトピロロピロール系顔料等の有
機顔料;チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバ
ルトブルー、べんがら等の無機顔料を挙げることができ
る。
【0061】黒色トナー用の着色剤としては、通常、着
色用のカーボンブラック(カラー用ブラック)が使用さ
れる。そのようなカーボンブラックとしては、例えば、
三菱化学社製のMA100、MA11、MA8、MA
7、#40、又は#44;コロンビアンカーボン社製の
ラーベン1250;キャボット社製のモナーク880、
モーガルL、モーガル660R、デグッサ社製のカラー
ブラックFW2、スペシャルブラック250、プリンテ
ックス90等の商品名のものが使用できる。
【0062】またトナーの品質をさらに向上させる上
で、例えば、オフセット防止剤、流動性改良剤、クリー
ニング助剤等の添加剤を、内添又は外添させることもで
きる。
【0063】定着性向上のために用いるオフセット防止
剤(離型剤)としては、公知の各種ワックス、特に低分
子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロ
ピレン、酸化型のポリエチレン等のポリオレフィン型ワ
ックス;カルナウバワックス、ライスワックス、モンタ
ン型ワックス等の天然ワックス等を用いることができ
る。
【0064】流動性改質剤としては、シリカ、酸化アル
ミニウム、酸化チタン等の各種金属酸化物、又はフッ化
マグネシウム等を用いることができる。
【0065】クリーニング助剤としては、ステアリン酸
等の金属石鹸;フッ素系、シリコン系、スチレン−(メ
タ)アクリル系合成樹脂微粒子等の各種合成樹脂微粒子
等を用いることができる。
【0066】また、本発明のトナーを用いた現像の形態
に応じ、導電性物質(例えば導電性カーボンブラック、
グラファイト等)、磁性体微粒子(例えば、鉄、コバル
ト、ニッケル等の強磁性を示す金属、各種合金、及びフ
ェライトを始めとするこれらの酸化物等の強磁性体微粒
子)などをトナーに添加することができる。
【0067】本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば
次のように製造される。すなわち、本発明の負荷電制御
剤、上記のような樹脂及び着色剤、並びに必要に応じ磁
性材料及び流動化剤等を、ボールミルその他の混合機に
より充分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクスト
ルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、その混練物
を冷却固化させ、次いでそれを粉砕及び分級することに
より、平均粒径5乃至20μmのトナーを得ることがで
きる。この場合、本発明の負荷電制御剤は、例えばCA
とQAとを予め特定比率で混合したものを更に他の材料
と混合して用いてもよく、或いは、CA、及びそのCA
に対し特定比率のQAと、他の材料とを混合することに
より、トナー中で本発明の負荷電制御剤を構成するもの
としてもよい。
【0068】また例えば、結着樹脂溶液中に材料を分散
した後、それを噴霧乾燥することによりトナーを得る方
法や、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合し
て乳化懸濁液とした後、重合させてトナーを得る重合法
等のトナー製造法を応用することもできる。
【0069】本発明のトナーを2成分現像剤として用い
る場合には、本発明のトナーをキャリヤー粉と混合して
用い、2成分磁気ブラシ現像法等により現像することが
できる。キャリヤーとしては、公知のものが全て使用可
能であり特に限定されない。例示するならば、粒径50
乃至200μm程度の鉄粉、ニッケル粉、フェライト
粉、ガラスビーズ等、及びこれらの表面をアクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、シリコ
ーン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ化エチレン系樹脂等で
コーティングしたものなどを挙げることができる。
【0070】本発明のトナーを1成分現像剤として用い
る場合には、上記のようにしてトナーを製造する際に、
例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料
製の微粉体を添加分散させて用いることができる。この
場合の現像法としては、例えば接触現像法、ジャンピン
グ現像法等の方法を挙げることができる。
【0071】
【発明の効果】本発明の負荷電制御剤は、負荷電制御の
安定性、環境非依存性、耐久性及び帯電の立上り性に優
れると共に、重金属を含まない点で安全であり、実質上
無色であるためカラートナーを始めとする種々の形態の
トナーに使用し得る。また本発明の負荷電制御剤は、静
電粉体塗料用の電荷増強剤として、及び、電子写真法を
利用した複写機等におけるスリーブ、ドクターブレー
ド、又はキャリア等の帯電付与材としても有用である。
【0072】本発明の静電荷像現像用トナーは、この負
荷電制御剤を含有することによって、帯電の立上がり
性、帯電の安定性、環境非依存性及び耐久性等の帯電特
性、並びに保存安定性に優れると共に、優れた品質のト
ナー画像を安定的に形成し得、信頼性が高い。
【0073】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものでは
ない。なお、実施例中、「部」は重量部を意味する。
【0074】実施例1 〔荷電制御剤の調製例その1〕tert−ブチルカリッ
クス(8)アレーン13g(10mmol)を、クロロ
ホルム2L(リットル)に加え、撹拌して溶解させた
後、これに対しトリメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド[BTMAC]0.09g(0.5mmol)のク
ロロホルム溶液を注加し、1時間還流させた。放冷後、
エバポレーターを使用して溶媒を減圧留去し、乾固さ
せ、目的の混合物[荷電制御剤(1)]13gを得た。 〔静電荷像現像用トナーの作成〕 スチレン−アクリル共重合樹脂[三洋化成社製、ハイマーSMB600]・・・ 100部 カーボンブラック[三菱化学社製、MA100]・・・7部 低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部 荷電制御剤(1)・・・1部 上記配合物を高速ミルで均一にプレミキシングした後、
加熱ロールで溶融、混練し、混練物を冷却した後、超遠
心粉砕機で粗粉砕した。得られた粗砕物を分級機付のエ
アージェットミルを用いて微粉砕して、粒径約5乃至1
5μmの黒色トナーを得た。
【0075】このトナー5部に対して鉄粉キャリヤー
[パウダーテック社製、TEFV200/300]95
部を混合して現像剤を調製し、帯電特性を評価した。結
果を図1及び図3に示す。
【0076】この現像剤を用いて市販の複写機で複写試
験をしたところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び持
続性が良好で、初期及び連続複写後においても画像濃度
は安定しており、細線再現性が良好で、カブリ等のない
良質な黒色画像が得られた。
【0077】実施例2 〔荷電制御剤の調製例その2〕tert−ブチルカリッ
クス(8)アレーン13g(10mmol)を、メタノ
ール0.2L(リットル)に加え、還流下、2時間撹拌
して分散させた後、50℃まで冷却し、これに対しトリ
エチルベンジルアンモニウムクロライド[BTEAC]
0.11g(0.5mmol)のメタノール溶液を注加
し、昇温させて3時間還流させた。放冷後、エバポレー
ターを使用して溶媒を減圧留去し、乾固させ、目的の混
合物[荷電制御剤(2)]13gを得た。 〔静電荷像現像用トナーの作成〕 スチレン−アクリル共重合樹脂[三洋化成社製、ハイマーSMB600]・・・ 100部 キナクリドンマゼンタ[C.I.ピグメントレッド122]・・・6部 低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部 荷電制御剤(2)・・・1.5部 上記配合物を用い、実施例1と同様に処理してマゼンタ
トナー及び現像剤を調製し、帯電特性を評価した。結果
を図2に示す。
【0078】この現像剤を用いて実施例1と同様に複写
試験をしたところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び
持続性が良好で、初期及び連続複写後においても画像濃
度は安定しており、細線再現性が良好で、カブリ等のな
い良質なマゼンタ色画像が得られた。
【0079】実施例3 〔荷電制御剤の調製例その3〕フェノール成分として、
tert−ブチルフェノールとtert−オクチルフェ
ノールを等モルずつ用いて合成した下記カリックスアレ
ーン15.2g(10mmol)を、メタノール0.2
L(リットル)に加え、室温で2時間撹拌して分散させ
た後、テトラメチルアンモニウムクロライド0.33g
(3mmol)加え、50℃に昇温させて4時間撹拌し
た。放冷後、エバポレーターを使用して溶媒を減圧留去
し、乾固させ、目的の混合物[荷電制御剤(14)]1
5.5gを得た。
【0080】
【化18】 [m+n=8であり、mが0乃至8の整数であるものの
混合物] 〔静電荷像現像用トナーの作成〕 スチレン−アクリル共重合樹脂[三洋化成社製、ハイマーSMB600]・・・ 100部 ベンジジンイエロー[C.I.ピグメントイエロー12]・・・5部 低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部 荷電制御剤(14)・・・1部 上記配合物を用い、実施例1と同様に処理してトナー及
び現像剤を調製し、帯電特性を評価したところ、実施例
1と同様な結果が得られた。
【0081】この現像剤を用いて実施例1と同様に複写
試験をしたところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び
持続性が良好で、初期及び連続複写後においても画像濃
度は安定しており、細線再現性が良好で、カブリ等のな
い良質なイエロー色画像が得られた。
【0082】実施例4 〔荷電制御剤の調製例その4〕p−フェニルカリックス
(8)アレーン14.6g(10mmol)を、クロロ
ホルム1L(リットル)に加え、還流下、2時間撹拌し
て分散させた後、30℃まで放冷させ、これに対しトリ
ブチルベンジルアンモニウムクロライドと1−ヒドロキ
シ−4−ナフタレンスルホン酸(Na塩)とを反応させ
て得られた下記第4級アンモニウム塩系化合物0.25
g(0.5mmol)のメタノール溶液を加え、1時間
還流撹拌した。放冷後、エバポレーターを使用して溶媒
を減圧留去し、乾固させ、目的の混合物[荷電制御剤
(9)]14.8gを得た。
【0083】
【化19】 〔静電荷像現像用トナーの作成〕 ポリエステル樹脂[三洋化成社製、]・・・100部 フタロシアニンブルー[C.I.ピグメントブルー15:6]・・・5部 低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部 荷電制御剤(9)・・・1.5部 上記配合物を用い、実施例1と同様に処理してトナー及
び現像剤を作成した。
【0084】この現像剤を用いて実施例1と同様に複写
試験をしたところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び
持続性が良好で、初期及び連続複写後においても画像濃
度は安定しており、細線再現性が良好で、カブリ等のな
い良質なシアン色画像が得られた。
【0085】実施例5 実施例1で用いた荷電制御剤(1)を、表5に示した荷
電制御剤(35)に代え、実施例1と同様にトナー及び
現像剤を調製して評価した。このトナーの帯電特性を図
3及び図4に示す。
【0086】実施例6 実施例1で用いた荷電制御剤(1)を、表5に示した荷
電制御剤(34)に代え、実施例1と同様にトナー及び
現像剤を調製して評価した。このトナーの帯電特性を図
3に示す。
【0087】図3には、tert−ブチルカリックス
(8)アレーンとトリメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド[BTMAC]の比率を変えて同じ混合法により
調製した荷電制御剤を含有するトナーの帯電特性が示さ
れている。
【0088】実施例7 実施例2で用いた荷電制御剤(2)を、表5に示した荷
電制御剤(10)に代え、実施例2と同様にトナー及び
現像剤を調製して評価したところ、帯電の立上がり性が
良く、トナー画像の品質も良好であった。
【0089】実施例8 実施例3で用いた荷電制御剤(9)を、表5に示した荷
電制御剤(36)に代え、実施例3と同様にトナー及び
現像剤を調製して評価したところ、帯電の立上がり性が
良く、トナー画像の品質も良好であった。
【0090】実施例9 実施例4で用いた荷電制御剤(14)を、表5に示した
荷電制御剤(37)に代え、実施例4と同様にトナー及
び現像剤を調製して評価したところ、帯電の立上がり性
が良く、トナー画像の品質も良好であった。
【0091】比較例1 帯電特性を比較するために、tert−ブチルカリック
ス(8)アレーンとトリメチルベンジルアンモニウムク
ロライドの混合比率を1:3(モル比)に変えて実施例
1における(調製例その1)と同様に湿式法により荷電
制御剤(Ref.1)を調製した。
【0092】この荷電制御剤(Ref.1)を用いて実
施例1と同様にトナー及び現像剤を調製した。このトナ
ーの帯電特性を図1に示す。
【0093】比較例2 帯電特性を比較するために、tert−ブチルカリック
ス(8)アレーンとトリエチルベンジルアンモニウムク
ロライドの混合比率を1:2(モル比)に変えて実施例
2における(調製例その2)と同様に湿式法により荷電
制御剤(Ref.2)を調製した。
【0094】この荷電制御剤(Ref.2)を用いて実
施例2と同様にトナー及び現像剤を調製した。このトナ
ーの帯電特性を図2に示す。
【0095】比較例3 実施例1で用いた荷電制御剤(1)を、tert−ブチ
ルカリックス(8)アレーンに代え、実施例1と同様に
トナー及び現像剤を作成し、帯電特性を評価した。結果
を図4に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1と比較例1の各トナーの帯電特性を
示す。
【図2】 実施例2と比較例2の各トナーの帯電特性を
示す。
【図3】 実施例1と実施例5と実施例6の各トナーの
帯電特性を示す。
【図4】 実施例5と比較例3の各トナーの帯電特性を
示す。
【図5】 結晶型の違いに因る帯電挙動を示す。
【図6】 メタノールを用いて湿式混合することにより
得られた本発明の負荷電制御剤のX線回折スペクトルを
示す。
【図7】 クロロホルムを用いて湿式混合することによ
り得られた荷電制御剤のX線回折スペクトルを示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カリックスアレーン系化合物と第4級アン
    モニウム塩系化合物が混合してなる荷電制御剤であっ
    て、カリックスアレーン系化合物と第4級アンモニウム
    塩系化合物のモル比が10:10乃至10:0.000
    1の範囲にあることを特徴とする負荷電制御剤。
  2. 【請求項2】上記カリックスアレーン系化合物が、式
    (1)で表される構成単位からなる環状化合物、式
    (1)及び式(2)でそれぞれ表される構成単位からな
    る環状化合物、又はこれらの環状化合物の混合物である
    請求項1記載の負荷電制御剤。 【化1】 【化2】 式(1)及び式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立
    して、H(水素)、枝分れがあってもよいアルキル基、
    アルケニル基、ハロゲン化アルキル基、シクロアルキル
    基、未置換若しくは核置換アリール基、未置換若しくは
    核置換アラルキル基、ハロゲン、ニトロ基、−Si(C
    33基、アミノ基、置換アミノ基、又はSO3M[M
    はH(水素)、アルカリ金属、アルカリ土類金属、NH
    4、又は脂肪族アンモニウムを示す。]を示し、R3は、
    枝分れがあってもよいアルキル基、アルケニル基、未置
    換若しくは核置換アリール基、未置換若しくは核置換ア
    ラルキル基、−Si(CH33基、−COR4[R4は、
    アルキル基、アルケニル基、未置換若しくは核置換アリ
    ール基、未置換若しくは核置換アラルキル基]、−(C
    2pCOOR5[R5は、H(水素)、又は炭素数1乃
    至4のアルキル基を示し、pは1乃至3の整数を示
    す。]、−(CH2q −R6(R6は、エチレンオキシ
    ド基を示し、qは1乃至3の整数を示す。)、又はアル
    カリ金属を示す。
  3. 【請求項3】 上記第4級アンモニウム塩系化合物が式
    (3)又は式(4)で示される化合物である請求項1又
    は2記載の負荷電制御剤。 式(3) [Q]+・1/n[X]n- 式(4) [Q]2+・2/n[X]n- 式(3)及び式(4)中、[Q]+及び[Q]2+は、第
    4級アンモニウムイオン、トリエチレンビスアンモニウ
    ムイオン、又はピリジニウムイオンであり、[X]
    n-は、電荷がnの無機又は有機アニオンである。
  4. 【請求項4】 樹脂、着色剤、及び請求項1、2又は3
    記載の負荷電制御剤を含んでなる静電荷像現像用トナ
    ー。
  5. 【請求項5】 樹脂、着色剤、並びにカリックスアレー
    ン系化合物及び第4級アンモニウム塩系化合物を含んで
    なる静電荷像現像用トナーであって、前記第4級アンモ
    ニウム塩系化合物の含有量は前記カリックスアレーン系
    化合物の含有量に対し等モル以下であることを特徴とす
    る静電荷像現像用トナー。
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JPH1048858A (ja) * 1996-04-26 1998-02-20 Canon Inc 電子写真感光体、この電子写真感光体を用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジ
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