JP3898260B2 - 荷電制御剤及び静電荷像現像用トナー - Google Patents

荷電制御剤及び静電荷像現像用トナー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
[特許分類を特定し易いような記述]
本発明は、電子写真法、静電印刷法等において、静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナー、並びに、そのトナーの帯電量を制御し若しくは安定化し、静電粉体塗料の帯電性を増強し、又は複写機や印刷機におけるスリーブやドクターブレード、若しくはキャリア等に帯電を付与するために用いられる荷電制御剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
電子写真法を利用した複写機等においては、光導電性物質を含有する感光層を備えた感光体上に形成された静電潜像を現像するために、着色剤、定着用の樹脂等を有する種々のトナーが用いられている。そして、このようなトナーには帯電性、定着性、非オフセット性、耐久性等について、それぞれ十分な性能が要求される。
【0003】
近時においては、複写や印刷の速度を高速化しつつ高画質化をも実現するために、トナーに対して、帯電の立上がり速度を高めることなどの帯電特性の要求や、低温定着性及び非オフセット性に共に優れることなどの記録紙へのトナーの定着性についての要求が強くなっている。このようなトナーの性能向上の要求は、複写機やプリンターの高性能化の進行に伴い、ますます強くなりつつある。
【0004】
静電潜像を現像するシステムにおいて、帯電性は特に重要な因子である。そこでトナーの帯電性を適切に制御するために、トナー中に、正電荷又は負電荷付与性の荷電制御剤が加えられることが多い。
【0005】
従来実用化されている荷電制御剤として、トナーに正電荷を付与するものに、ニグロシン系染料や第4級アンモニウム塩化合物があり、グアニジンやイミダゾール誘導体なども提案されている。
【0006】
従来のニグロシン系の荷電制御剤には、トナーに添加された場合の正帯電性に優れるものも多い。しかし、摩擦帯電の安定性や定着用の樹脂に対する分散性、或いはトナーを多数回繰り返し使用した際の耐久性に、十分とは言えない点があったり、帯電の立上がり速度が不十分なために初期の複写画像において比較的鮮明性に欠ける等の、改善されるべき課題も残されている。
【0007】
本発明は、従来技術に存した上記のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、帯電の立上がり性及び安定性、環境非依存性、トナーに用いられた場合の非オフセット性及び定着性、耐熱性及び耐光性等が向上したニグロシン系の荷電制御剤、並びにその荷電制御剤を含有する静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の荷電制御剤は、
C.I.ソルベントブラック7又はC.I.ソルベントブラック5と、(a)界面活性を有するスルホン酸系のアニオン性有機化合物である、アルキルベンゼンスルホン酸若しくはその塩、又はアルキルナフタレンスルホン酸若しくはその塩、
(b)界面活性を有する硫酸エステル系のアニオン性有機化合物、及び
(c)界面活性を有するリン酸エステル系のアニオン性有機化合物
からなる群から選ばれた1種又は2種以上との反応により得られるニグロシン系化合物[I]を有効成分とする。
【0009】
上記ニグロシン系化合物[I]は、下記一般式で表わされる造塩体又は酸付加塩であることが好ましい。
[ニグロシン]・A
〔式中、[ニグロシン]は、C.I.ソルベントブラック7又はC.I.ソルベントブラック5に基づくニグロシン塩基を示し、Aは、上記界面活性を有するアニオン性有機化合物に基づく有機酸アニオンを示す。〕
上記ニグロシン系化合物[I]における界面活性を有するアニオン性有機化合物、すなわち上記式におけるAとしては、界面活性を有するスルホン酸系のアニオン性有機化合物であるアルキルベンゼンスルホン酸若しくはその塩又はアルキルナフタレンスルホン酸若しくはその塩、硫酸エステル系有機化合物及びリン酸エステル系化合物が好ましい。
【0010】
これらのうち、界面活性を有する硫酸エステル系のアニオン性有機化合物としては、高級アルコール硫酸エステル若しくはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル若しくはその塩、又はポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル若しくはその塩が好ましく、
界面活性を有するリン酸エステル系のアニオン性有機化合物としては、アルキルリン酸エステル若しくはその塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル若しくはその塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル若しくはその塩が好ましい。
【0011】
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー用樹脂及び着色剤を備えると共に、上記ニグロシン系化合物[I]の少なくとも1種を荷電制御剤として含有する。すなわち、上記ニグロシン系化合物[I]を1種含有するものであってもよく、2種以上含有していてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の荷電制御剤及びトナーにおけるC. I. ソルベントブラック7及びC. I. ソルベントブラック5は、ニグロシン染料である。この種のニグロシン染料は、多種のアジン系化合物の混合物であり、その主成分は、フェナジン、フェナジンアジン、トリフェナジンオキサジン等を骨格とする紫黒色染料であることが知られていて、通常、アニリン、アニリン塩酸塩及びニトロベンゼンを塩化鉄等の触媒の存在下で酸化還元縮合させることにより得ることができる。
【0013】
本発明の荷電制御剤及びトナーにおけるニグロシン系化合物[I]は、ニグロシン系塩基性染料であるC. I. ソルベントブラック7又はC. I. ソルベントブラック5と、(a)スルホン酸系、(b)硫酸エステル系、(c)リン酸エステル系及び(d)カルボン酸系の、アニオン界面活性剤及びその他の界面活性を有するアニオン性有機化合物[但し、界面活性を有するカルボン酸系のアニオン性有機化合物のうち飽和又は不飽和脂肪酸(塩)類を除く。]からなる群から選ばれた1種又は2種以上との反応生成物であって、造塩体又は酸付加塩の形で得ることができる。
【0014】
上記C. I. ソルベントブラック5の例としては、
スピリットブラック(Spirit Black)SB、
スピリットブラック(Spirit Black)SSBB、
スピリットブラック(Spirit Black)AB
等の商品名で市販されているもの[何れもオリヱント化学工業株式会社製]を挙げることができる。
【0015】
また、上記C. I. ソルベントブラック7の例としては、
ニグロシンベース(Nigrosine Base)SA、
ニグロシンベース(Nigrosine Base)SAP、
ニグロシンベース(Nigrosine Base)SAPL、
ニグロシンベース(Nigrosine Base)EE、
ニグロシンベース(Nigrosine Base)EEL、
ニグロシンベース(Nigrosine Base)EX、
ニグロシンベース(Nigrosine Base)EXBP、
スペシヤルブラック(Special Black)EB
等の商品名で市販されているもの[何れもオリヱント化学工業株式会社製]を挙げることができる。
【0016】
一方、上記界面活性を有するスルホン酸系のアニオン性有機化合物の具体例としては、
アルキルベンゼンスルホン酸(又はその塩、例えばNa、K、若しくはエタノールアミン塩)、
アルキルフェノールスルホン酸(又はその塩)、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸(又はその塩)、
(低級)アルキルナフタレン(ジ)スルホン酸(又はその塩)、
(低級)ジアルキルナフタレンスルホン酸(又はその塩)、
(低級)ジアルキルナフタレンジスルホン酸(又はその塩)、
ジナフチルメタンスルホン酸(又はその塩)、
ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物(又はその塩、例えばNa, K, Li, 又はCa塩)
ジアルキルスルホコハク酸(又はその塩)、
モノアルキルスルホコハク酸(又はその塩)、
スルホコハク酸モノアルキルアミド、
α− スルホン脂肪酸(又はその塩)、
スルホエタノール脂肪酸エステル(又はその塩)、
アルキルスルホ酢酸(又はその塩)、
α− オレフィンスルホン酸(又はその塩)、
脂肪酸アミドスルホン酸(又はその塩)、
アルキルスルホン酸(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸(又はその塩)
等を挙げることができ、表1にも示されている。
【0017】
【表1】
Figure 0003898260
表1並びに後記表2及び表3において、化学式中、Rはアルキル基又はアルケニル基等の飽和又は不飽和鎖式炭化水素基、MはH(水素)、NaやK等のアルカリ金属、Ca、NH4、又はアルカノールアミン若しくはアルカノールアンモニウム、( φ) はベンゼン環、( φφ) はナフタレン環、nは正の整数を示す。Rの例における表示において、例えばC12-18 は、Rの炭素数が12乃至18であることを示し、例えばC17=1は、炭素数が17でその中に二重結合を1つ有することを示す。
【0018】
界面活性を有する硫酸エステル系のアニオン性有機化合物の具体例としては、
高級(長鎖)アルコール硫酸エステル(又はその塩)、
第二高級アルコール硫酸エステル(又はその塩)、
オレフィン硫酸エステル(又はその塩)、
脂肪酸エチレングリコリド硫酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル(又はその塩)、
脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル(又はその塩)、
脂肪酸多価アルコール硫酸エステル(又はその塩)、
(高度)硫酸化油、
脂肪酸アルキル硫酸エステル(又はその塩)、
脂肪酸アミド硫酸エステル(又はその塩)、
脂肪酸アニリド硫酸エステル(又はその塩)、
脂肪酸モノアルカノールアミド硫酸エステル(又はその塩)
等を挙げることができ、表2にも示されている。
【0019】
【表2】
Figure 0003898260
界面活性を有するリン酸エステル系のアニオン性有機化合物の具体例としては、
アルキルリン酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(又はその塩)
等を挙げることができ、表3にも示されている。
【0020】
【表3】
Figure 0003898260
界面活性を有するカルボン酸系のアニオン性有機化合物の具体例としては、
ロジン酸石鹸、
ナフテン酸石鹸、
N−アシルアミノ酸およびその塩(脂肪酸サルコキシド)、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルカルボン酸(又はその塩)
等を挙げることができる。
【0021】
上記界面活性を有するアニオン性有機化合物のうち好ましいものとしては、
アルキルベンゼンスルホン酸(又はその塩、例えばNa、K、若しくはエタノールアミン塩)、
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸(又はその塩)、
(低級)アルキルナフタレン(ジ)スルホン酸(又はその塩)、
(低級)ジアルキルナフタレンスルホン酸(又はその塩)、
(低級)ジアルキルナフタレンジスルホン酸(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸(又はその塩)
高級(長鎖)アルコール硫酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(又はその塩)、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル(又はその塩)
を挙げることができる。
【0022】
上記のうち特に好ましいものは、次の式で表わされるアルキルベンゼンスルホン酸(又はその塩)である。
【0023】
【化1】
Figure 0003898260
式(a) 中、R1 は、アルキル基を示す。好ましくは炭素数3乃至20のアルキル基、特に好ましくは炭素数10乃至20のアルキル基である。Mは、H(水素)、NaやK等のアルカリ金属、Ca、NH4、又はアルカノールアミン若しくはアルカノールアンモニウムを示す。
【0024】
アルキルベンゼンスルホン酸系の界面活性を有するアニオン性有機化合物としては、例えば次のような商品名で市販されているものを用いることができる。
日本油脂社製のニューレックスベースH、同パウダーF、同R、同ベースソフト30、同ベースソフト60、同RS、王洗A、同S、ソフト洗剤550A及び同5S;
花王社製のネオペレックス05パウダー、同No6、同F−60、同F−25及び同No1Fパウダー;
三洋化成工業社製のサンデッド60;
第一工業製薬社製のネオゲンR、同SC;
共栄社油脂化学工業社製のミネライトLA、同100、同200、ライトクリンP及びエマミンCS;
東邦化学工業社製のルミノックス100、同S−100、同P−80及び同P−05L;
ライオン社製のライポンLH−200、同LH−500、同LH−600、同LH−900、同LS−250、同LS−625、同LT−240、同LT−270、同LC−960、同PS−230、同PS−260及び同PS−860;
松本油脂社製のラバジョンC;
帝国化工社製のDBS−100、DBS−90、SBS−100、DBS−12−100、SBS−13−100、DBN−600、SBN−12−65
上記アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸(又はその塩)は、次の式で表わされる。
【0025】
【化2】
Figure 0003898260
式(b) 中、R2 はアルキル基、好ましくは炭素数10乃至18のアルキル基(例えば炭素数12のアルキル基)を示す。Mは、H(水素)、NaやK等のアルカリ金属、Ca、NH4、又はアルカノールアミン若しくはアルカノールアンモニウムを示す。
【0026】
アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸系の界面活性を有するアニオン性有機化合物としては、例えば、花王社製のペレックスSSーL、同SSーH;三洋化成工業社製のサンデットAL、同ALH及び同B等の商品名で市販されているものを用いることができる。
等が挙げられる。
【0027】
上記(ジ)アルキルナフタレン(ジ)スルホン酸(又はその塩)は、次の式で表わされる。
【0028】
【化3】
Figure 0003898260
式(c) 中、mは1又は2、R3 はアルキル基(mが2の場合、両者は同一であっても異なっていてもよい。)、好ましくは炭素数3乃至8のアルキル基を示す。Mは、H(水素)、NaやK等のアルカリ金属、Ca、NH4、又はアルカノールアミン若しくはアルカノールアンモニウムを示す。
【0029】
(ジ)アルキルナフタレン(ジ)スルホン酸系の界面活性を有するアニオン性有機化合物としては、例えば、花王社製のペレックスNBペースト、同NB−L;共栄社油脂化学工業社製のソルバライトBX等の商品名で市販されているものを用いることができる。
【0030】
上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸(又はその塩)は、次の式で表わされる。
【0031】
【化4】
Figure 0003898260
式(d) 中、R4 はアルキル基、好ましくは炭素数5乃至10のアルキル基を示し、nは2以上の整数を示し、Mは、H(水素)、NaやK等のアルカリ金属、Ca、NH4、又はアルカノールアミン若しくはアルカノールアンモニウムを示す。
【0032】
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸系の界面活性を有するアニオン性有機化合物としては、例えば、ライオン社製のリオノールOAI−N、同OBI及び同OBI− N等の商品名で市販されているものを用いることができる。
【0033】
上記ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル(又はその塩)は、次の式で表わされる。
【0034】
【化5】
Figure 0003898260
式(e) 中、R4 はアルキル基、好ましくは炭素数5乃至10のアルキル基を示す。また、nは2以上の数を示す。Mは、H(水素)、NaやK等のアルカリ金属、Ca、NH4、又はアルカノールアミン若しくはアルカノールアンモニウムを示す。
【0035】
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル系の界面活性を有するアニオン性有機化合物としては、例えば、花王社製のエマールNC−35、レベノールWZ;三洋化成工業社製のノニポールS−40;第一工業製薬社製のハイテノールN−07、同N−08、同N−17、同NE−05、同NE−15及び同NF−13;ミヨシ油脂社製のペレテックス1220S;ライオン社製のサンノールNP−2030、同OP−2630、同NP−1530、同NP−1930、同NP−6130及び同OP−3330等の商品名で市販されているものを用いることができる。
【0036】
上記リン酸エステル系の界面活性を有するアニオン性有機化合物は、次の各式で表わされる。
5O− PO(OM)2 ・・・・(f)
【0037】
【化6】
Figure 0003898260
【0038】
【化7】
Figure 0003898260
これらの式(f) 、(g) 及び(h) 中、R5は、アルキル基、置換又は非置換のアリール基、置換又は非置換アラルキル基を示し、Mは、H(水素)、NaやK等のアルカリ金属、Ca、NH4、又はアルカノールアミン若しくはアルカノールアンモニウムを示し、nは2以上の数を示す。
【0039】
リン酸エステル系の界面活性を有するアニオン性有機化合物としては、例えば、第一工業製薬社製のプライサーフA212E、同A217E、同A210G及び同A207H;東邦化学工業社製のフォスファノールRE−410、同RE−510、同RE−610、同RE−960、同RM−410、同RM−510、同RM−710、同RE−210、同RP−710及び同LO−529;ライオン社製のリポファックPN−510、同PN−529、同PO−720、同RM−510等の商品名で市販されているものを用いることができる。
【0040】
1 、R2 、R3 、R4 及びR5で示されるアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、iso−アミル、オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、ドデシル等の分岐していてもよい炭素数1乃至20の飽和アルキル基、及び、炭素二重結合を1又は2個含んでいてもよい、一価の不飽和鎖式炭化水素基が挙げられる。
【0041】
5で示される置換又は非置換アリール基の例としては、メチル、エチル等の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲンなどの核置換基を有する、又は有しない、フェニル基及びナフチル基等のアリール基を挙げることができる。
【0042】
5で示される置換又は非置換アラルキル基の例としては、メチル、エチル等の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲンなどの核置換基を有する、又は有しない、ベンジル基、α, α− ジメチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルアルキル基等を挙げることができる。
【0043】
本発明におけるニグロシン系化合物[I]の合成は、上記従来のニグロシン(染料)と上記の界面活性を有するアニオン性有機化合物を反応させる方法であれば、公知の方法を用いて行うことができ、特に限定されるものではない。水系及び非水系(有機溶剤系)の何れにおいても反応させることができるが、水系、又は水及び有機溶剤系での反応は、用いるアニオン界面活性剤が水溶性塩であることが好ましい。
【0044】
また、本発明におけるニグロシン系化合物[I]の合成をニグロシンと界面活性を有するアニオン性有機化合物を用いて行う場合、その仕込モル比は、ニグロシンの推定分子量を600とした場合(ニグロシンはアジン系化合物の混合物であるため、平均分子量は正確には測定できない。)、ニグロシン約1モルに対し、そのアニオン性化合物、例えば、上記式(a) 乃至(h) で表わされるアニオン性化合物が、0. 3乃至1. 5モルであることが好ましい。0. 3未満の場合はトナー用樹脂に対する分散性の改良効果が少なくなり、1. 5を超えると、生成した黒色荷電制御剤がメルトし易くなり、固体として取り出すことが容易でなくなることとなり易い。特に好ましくは0. 7乃至1. 0モルである。
【0045】
また、本発明におけるニグロシン系化合物[I]の合成の際、必要に応じて分散剤を添加してもよい。分散剤の使用量は、原料として用いるニグロシンに対して5重量%以下程度とすることができる。
【0046】
そのような分散剤としては、例えば、ソルスパーズ#3000、ソルスパーズ#13550、ソルスパーズ#17000、ソルスパーズ#24000、ソルスパーズ#24000GR(以上、ICI社製 何れも商品名);エマルゲンA−60、エマルゲンA−90、エマルゲンA−550、エマルゲンB−66、エマルゲンL−40、エマルゲン306P、エマルゲン404、エマルゲン420、エマルゲン705、エマルゲン810、エマルゲン903、エマルゲン905、、レオドールTW−L、レオドールTW−S120、レオドールTW−320、エマノーン1112、エマノーン3115、エマノーン3299(以上、花王社製 何れも商品名)等の市販品を用いることができる。
【0047】
このようにして得られるニグロシン系化合物[I]は、TLC及びIRスペクトルによって、原料のニグロシンと明らかに相違するものであることが確認された。
【0048】
次に、本発明の静電荷像現像用トナーは、上記ニグロシン系化合物[I]の少なくとも1種を荷電制御剤として含有すると共に、着色剤及びトナー用樹脂を備えるものである。
【0049】
本発明の静電荷像現像用トナーは、ニグロシン系化合物[I]が、樹脂100重量部に対して0.1乃至10重量部配合されたものであることが望ましい。ニグロシン系化合物[I]のより好ましい配合量は、トナー用樹脂100重量部に対して0.5乃至5重量部である。
【0050】
本発明のトナーに用いられる樹脂としては、次のような公知のトナー用樹脂(結着樹脂)を例示することができる。すなわち、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、スチレン−ビニルメチルエーテル樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、パラフィンワックス等である。これらの樹脂は、単独で或いは数種をブレンドして用いることができる。
【0051】
トナー用樹脂に対しては、一般にトナーの紙への定着性、ローラーに対する非オフセット性、トナーの保存時の耐ブロッキング性等の観点から、適切な熱溶融特性、弾性、流動性等が要求される。このような樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、スチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂などを好適に使用できる。
【0052】
黒色トナーの着色剤としては、通常、着色用のカーボンブラック(カラー用ブラック)が使用される。そのようなカーボンブラックとしては、例えば、三菱化学社製のMA100、MA11、MA8、MA7、#40、#44;コロンビアンカーボン社製のラーベン1250;キャボット社製のモナーク880、モーガルL、モーガル660R;デグッサ社製のカラーブラックFW2、スペシャルブラック250、プリンテックス90等の商品名で市販されているものを使用することができる。
【0053】
更に、必要に応じ公知の多数の染料・顔料を併用することができる。その具体例としては、キノフタロンイエロー、ハンザイエロー、イソインドリノンイエロー、ペリノンオレンジ、ペリレンマルーン、ローダミン6Gレーキ、キナクリドン、アンスアンスロンレッド、ローズベンガル、銅フタロシアニンブルー及び銅フタロシアニングリーン、ジケトピロロピロール系等の有機顔料;チタンホワイト、チタンイエロー、群青、コバルトブルー、べんがら等の無機顔料を挙げることができる。
【0054】
またトナーの品質を向上させる上で、例えば、オフセット防止剤、流動性改良剤、クリーニング助剤等の添加剤を、内添又は外添させることもできる。
【0055】
定着性向上のために用いるオフセット防止剤(離型剤)としては、公知の各種ワックス、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、酸化型のポリプロピレン、酸化型のポリエチレン等のポリオレフィン型ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、モンタン型ワックス等の天然ワックス等を用いることができる。
【0056】
流動性改質剤としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン等の各種金属酸化物、又はフッ化マグネシウム等を用いることができる。
【0057】
クリーニング助剤としは、ステアリン酸等の金属石鹸;フッ素系、シリコン系、スチレン−(メタ)アクリル系合成樹脂微粒子等の各種合成樹脂微粒子等を用いることができる。
【0058】
また、本発明のトナーを用いた現像の形態に応じ、導電性物質(例えば導電性カーボンブラック、グラファイト)、磁性体微粒子(例えば、鉄、コバルト、ニッケル、等の強磁性を示す金属、各種合金、及びフェライト等のこれらの酸化物等の、公知の強磁性体微粒子)などをトナーに添加することができる。
【0059】
本発明の静電荷像現像用トナーは、例えば次のように製造される。すなわち、上記ニグロシン系化合物[I]、上記のようなトナー用樹脂及び着色剤、並びに、必要に応じて磁性材料、流動化剤等を、ボールミルその他の混合機により充分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化させた後、粉砕及び分級することにより、平均粒径5乃至20μmのトナーを得ることができる。
【0060】
また例えば、トナー用樹脂溶液中に材料を分散した後、それを噴霧乾燥することにより得る方法や、トナー用樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合して乳化懸濁液とした後、重合させてトナーを得る重合法等のトナー製造法を応用することもできる。
【0061】
本発明の静電荷像現像用トナーを2成分現像剤として用いる場合には、本発明のトナーをキャリヤー粉と混合して用い、2成分磁気ブラシ現像法等により現像することができる。
【0062】
キャリヤーとしては、公知のものが全て使用可能である。例示するならば、粒径50乃至200μm程度の鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉、ガラスビーズ等、及び、これらの表面をアクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ化エチレン系樹脂等でコーティングしたものなどが挙げられる。
【0063】
本発明の静電荷像現像用トナーを1成分現像剤として用いる場合には、上記のようにしてトナーを製造する際に、例えば鉄粉、ニッケル粉、フェライト粉等の強磁性材料製の微粉体を添加分散させて用いることができる。この場合の現像法としては、例えば接触現像法、ジャンピング現像法等の方法を挙げることができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明のニグロシン系の荷電制御剤は、帯電制御性に優れ、立上がり速度が速く安定性に優れた帯電を実現し得、トナー用樹脂に対する分散性及び相溶性が良好であるため用いられるトナーの帯電の均一性が高く、耐久性が良好であり、温度・湿度等の環境変化に対する安定性及び保存安定性に優れ、トナーに用いられた場合の非オフセット性及び定着性が良好である。また、合成を比較的容易に行い得て比較的安価に提供することができ、静電粉体塗料用の電荷増強剤、及び複写機や印刷機におけるスリーブやドクターブレード、若しくはキャリア等の帯電付与材としても有用である。
【0065】
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、帯電性が良好で、帯電の立上がり速度が速く、帯電安定性に優れ、帯電の均一性が高く、環境変化に対する安定性及び耐久性に優れ、非オフセット性及び定着性が良好である。
【0066】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0067】
実施例1乃至14は、本発明における荷電制御剤としてのニグロシン系化合物[I]の合成に関する。
【0068】
実施例1
水1000mlにアルキルベンゼンスルホン酸(ラオン社製のアニオン界面活性剤 商品名:ライポンHL−200)38gを加え、40℃で1時間攪拌した。
【0069】
この混合液にニグロシンベースEX(オリヱント化学工業社製の[C.I.ソルベントブラック7]の商品名)100gを加え、攪拌下、75乃至85℃で5乃至8時間反応させた。その後、反応物を濾取し、その濾取物を水洗し、乾燥させて粉砕することにより、132gの荷電制御剤(例1)を得た。
【0070】
実施例2
ニグロシンベースEX(オリヱント化学工業社製のニグロシン[C. I. ソルベントブラック7]の商品名)100gをエタノール300gに分散させ、60℃まで加熱した後、それに対しアルキルベンゼンスルホン酸(ライオン社製のアニオン界面活性剤 商品名:ライポンLH−200)38gを加えた。
【0071】
この混合物を80℃まで昇温させ、3時間反応させた。その後、反応液を熱時濾過し、その濾液から、ロータリーエバポレーター(東京理化社製 商品名:N−2−29)により、溶剤を蒸発回収することにより、荷電制御剤(例2)131gを得た。
【0072】
実施例3乃至13
上記実施例におけるアルキルベンゼンスルホン酸(塩)を、表4に示す化合物(アニオン界面活性剤)に代えた他は、実施例1又は実施例2と同様にしてそれぞれ荷電制御剤を得た。但し、実施例5、6、7及び10においては、ニグロシンベースEXをスピリットブラックSB(オリヱント化学工業社製のニグロシン[C. I. ソルベントブラック5]の商品名)に代えて合成した。
【0073】
【表4】
Figure 0003898260
表4中の記号の意味は次の通りである。
( α) ライポンHL− 200[ライオン社製]
( β) ペレックスNB− L[花王社製]
( γ) サンデッドBL[三洋化成工業社製]
( δ) ハイテノールN−07[第一工業製薬社製]
( ε) リオノールOAI[ライオン社製]
( ζ) フォスファノールRE− 210[東邦化学社製]
A: 有効成分含有量
B: 合成時の使用量
実施例14 −分散剤を追加した場合の合成例−
ニグロシンベースEX(オリヱント化学工業社製のニグロシン[C. I. ソルベントブラック7]の商品名)100gをエタノール300gに分散させ、60℃まで加熱した後、それに対しアルキルベンゼンスルホン酸(ライオン社製のアニオン界面活性剤の商品名:ライポンLH−200)38gとソルスパーズ#13550(ICI社製の分散剤の商品名)5gを加えた。
【0074】
この混合物を80℃まで昇温させ、3時間反応させた。その後、反応液を熱時濾過し、その濾液から、ロータリーエバポレーター(東京理化社製 商品名:N−2−29)により、溶剤を蒸発回収することにより、荷電制御剤(例14)129gを得た。
【0075】
次に、実施例15乃至19は、荷電制御剤としてニグロシン系化合物[I]を用いた本発明の静電荷像現像用トナーに関する。なお、以下の記述においては、「重量部」を「部」と略す。
【0076】
実施例15
ポリエステル樹脂[日本合成化学工業社製、HP− 313]・・・100部
カーボンブラック[三菱化成社製、MA−100]・・・7部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部
荷電制御剤(例1)・・・2部
上記配合物を高速ミキサーで均一にプレミキシングした。次いで、それを加熱ロールで溶融混練し、冷却後、振動ミルで粗粉砕した。これにより得られた粗砕物を分級機付のエアージェットミルを用いて微粉砕して、粒径範囲5乃至15μmの正帯電性黒色トナーを得た。
【0077】
次いで、このトナー5部に対して鉄粉キャリヤー(パウダーテック社製TEFV200/300)95部を混合して現像剤を調製した。
【0078】
この現像剤を用いて繰返し実写したところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び持続性が良好で、初期及び連続複写後において画像濃度は安定しており、カブリ等のない良質な黒色画像が得られた。
【0079】
<帯電特性>
この現像剤を混合し、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用いて、混合時間におけるブローオフ帯電量を測定した。測定結果を図1に示す。
【0080】
また、混合開始後の時間t(分:min)と、時間tにおける帯電量[q(μC/g)]と、最大帯電量[qe (μC/g)]を次式に代入してプロットし、その傾きから帯電の立上がり性(帯電の立上がり速度)定数kを求めた。結果を図3及び後記表5に示す。
【0081】
【数1】
Figure 0003898260
実施例16
ポリエステル樹脂[日本合成化学工業社製、HP− 310]・・・100部
カーボンブラック[三菱化成社製、MA−100]・・・7部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部
荷電制御剤(例5)・・・2部
上記配合物を実施例15と同様に処理して、正帯電性トナーを調製し、現像剤を得た。
【0082】
この現像剤を用いて繰返し実写したところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び持続性が良好で、初期及び連続複写後において画像濃度は安定しており、カブリ等のない良質な黒色画像が得られた。
【0083】
本現像剤について、実施例15と同様に帯電の立上がり特性を求めた。測定結果を図2、図4及び表5に示す。
【0084】
実施例17
ポリエステル樹脂[日本合成化学工業社製、HP− 320]・・・100部
カーボンブラック[三菱化成社製、MA−100]・・・7部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部
荷電制御剤(例9)・・・2部
上記配合物を実施例15と同様に処理して、正帯電性トナーを調製し、現像剤を得た。
【0085】
この現像剤を用いて繰返し実写したところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び持続性が良好で、初期及び連続複写後において画像濃度は安定しており、カブリ等のない良質な黒色画像が得られた。
【0086】
実施例18
スチレンーアクリル共重合樹脂[三洋化成社製、ハイマーSMB600]・・・100部
カーボンブラック[コロンビアンカーボン社製、ラーベン1250]・・・7部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部
荷電制御剤(例7)・・・2部
上記配合物を実施例15と同様に処理して、正帯電性トナーを調製し、現像剤を得た。
【0087】
この現像剤を用いて繰返し実写したところ、帯電の立上がり性、帯電安定性及び持続性が良好で、初期及び連続複写後において画像濃度は安定しており、カブリ等のない良質な黒色画像が得られた。
【0088】
実施例19
スチレン−2−エチルヘキシルメタクレート共重合樹脂(80/20) ・・・100部
四三酸化鉄[戸田工業社製、EPT−500]・・・50部
低重合ポリプロピレン[三洋化成社製、ビスコール550P]・・・3部
カーボンブラック[三菱化成社製、MA−100]・・・6部
荷電制御剤(例14)・・・2部
上記配合物をボールミルで均一に予備混合し、プレミックスを調製した。次いで、加熱ロールを用いて180℃で溶融混練し、冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級を行なって、5乃至15μmの範囲の粒径を有する1成分系トナーを調製した。
【0089】
本トナーにより、市販の複写機を用いてトナー画像を形成したところ、初期及び連続複写後においても良質な画像が得られた。
【0090】
比較例1
実施例15で用いた荷電制御剤(例1)を、ニグロシンベースEX(オリヱント化学工業株社製のニグロシン[C. I. ソルベントブラック7])に代えた他は、実施例15と同様にして比較トナー及び現像剤を調製し、帯電の立上がり特性を評価した。結果を図1、図3及び表5に示す。
【0091】
比較例2
実施例16で用いた荷電制御剤(例5)を、スピリットブラックSB(オリヱント化学工業株社製のニグロシン[C. I. ソルベントブラック5])に代えた他は、実施例16と同様にして比較トナー及び現像剤を調製し、帯電の立上がり特性を評価した。結果を図2、図4及び表5に示す。
【0092】
【表5】
Figure 0003898260
比較例3
ベーシックブルー7とステアリン酸(塩)を用いて実施例1と同様な方法でトリアリールメタン系荷電制御剤を合成した。
【0093】
得られた荷電制御剤を用いて、実施例15と同様にしてトナーを調製した。このトナーの帯電量を測定したところ10μC/g以下であり、実用レベルの荷電制御剤とは言えないものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例15と比較例1で調製した現像剤の帯電量測定図を示す。
【図2】実施例16と比較例2で調製した現像剤の帯電量測定図を示す。
【図3】実施例15と比較例1で調製した現像剤の帯電の立上がり速度を求める図である。
【図4】実施例16と比較例2で調製した現像剤の帯電の立上がり速度を求める図である。

Claims (7)

  1. C.I.ソルベントブラック7又はC.I.ソルベントブラック5と、
    (a)界面活性を有するスルホン酸系のアニオン性有機化合物である、アルキルベンゼンスルホン酸若しくはその塩、又はアルキルナフタレンスルホン酸若しくはその塩、
    (b)界面活性を有する硫酸エステル系のアニオン性有機化合物、及び
    (c)界面活性を有するリン酸エステル系のアニオン性有機化合物
    からなる群から選ばれた1種又は2種以上
    との反応により得られるニグロシン系化合物[I]を有効成分とする荷電制御剤。
  2. ニグロシン系化合物[I]が下記一般式で表わされる造塩体又は酸付加塩である請求項1記載の荷電制御剤。
    [ニグロシン]・A
    〔式中、[ニグロシン]は、C.I.ソルベントブラック7又はC.I.ソルベントブラック5に基づくニグロシン塩基を示し、Aは、上記界面活性を有するアニオン性有機化合物に基づく有機酸アニオンを示す。〕
  3. ニグロシン系化合物[I]が、水系、又は水及び有機溶剤系での反応により得られるものであり、その反応におけるモル比が、ニグロシンであるC.I.ソルベントブラック7又はC.I.ソルベントブラック5の推定分子量を600とした場合のニグロシン1モルに対し上記アニオン性有機化合物が0.3乃至1.5モルである請求項1又は2記載の荷電制御剤。
  4. 界面活性を有する硫酸エステル系のアニオン性有機化合物が、高級アルコール硫酸エステル若しくはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル若しくはその塩、又はポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル若しくはその塩である請求項1、2又は3記載の荷電制御剤。
  5. 界面活性を有するリン酸エステル系のアニオン性有機化合物が、アルキルリン酸エステル若しくはその塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル若しくはその塩、又はポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル若しくはその塩である請求項1、2又は3記載の荷電制御剤。
  6. トナー用樹脂及び着色剤を備えると共に上記請求項1乃至5の何れかに記載の荷電制御剤を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  7. トナーの粒径範囲が5乃至15μmである請求項6記載の静電荷像現像用トナー。
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