JPH0895194A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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JPH0895194A
JPH0895194A JP22681994A JP22681994A JPH0895194A JP H0895194 A JPH0895194 A JP H0895194A JP 22681994 A JP22681994 A JP 22681994A JP 22681994 A JP22681994 A JP 22681994A JP H0895194 A JPH0895194 A JP H0895194A
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JP22681994A
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Chikamasa Yamazaki
力正 山崎
Toyoki Nishijima
豊喜 西嶋
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 くっつき、両面シーズニング、光沢、経時保
存性に優れたハロゲン化銀写真感光材料の提供。 【構成】 原紙の両面に樹脂被覆層を設けてなる反射支
持体のそれぞれの側に、少なくとも一層のシアン発色性
ハロゲン化銀乳剤層、少なくとも一層のマゼンタ発色性
ハロゲン化銀乳剤層および少なくとも一層のイエロー発
色性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写
真感光材料において、該支持体から最も遠い層に少なく
とも1種のベタイン系界面活性剤又は含フッ素系界面活
性剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写
真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反射支持体の両面に画
像形成できるハロゲン化銀写真感光材料に関するもので
あり、さらに詳しくはくっつきが改善され、かつ生試料
の経時保存による感度の変動に優れたハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀カラー写真感光材料
(以下、単に感光材料ともいう)は、高感度であるこ
と、階調性に優れていることから、今日、非常に多く用
いられている。
【0003】また、写真業界においては、迅速処理が可
能で高画質であり、常に安定な性能が維持できるハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料が望まれている。
【0004】即ち、ハロゲン化銀カラー写真感光材料は
通常、各現像所に設けられた自動現像機にて連続処理す
る事が行われているが、ユーザーに対するサービス向上
の一環として、現像受付日のその日の内に現像処理して
ユーザーに返却する事が要求され、最近では更に受付か
ら数時間で返却する事さえも要求されるようになり、益
々迅速処理の必要性が高まっている。そしてこのような
迅速大量処理をしても、写真性能が劣化せず安定な性能
が維持される事が必要である。
【0005】一方、仕上がったプリントはユーザーのも
とでアルバムに貼られる事が多い。しかしながら通常の
アルバムではその台紙が厚く、さらに、その両面にプリ
ントが貼られるとさらに厚さが増大し、保管スペースが
大きくまた取扱性にも劣るものであった。そこで反射支
持体の両面にプリント画像を直接形成する事により、そ
の取扱性を向上し、保管スペースを減少する事が望まれ
る。この形態では、取扱性の向上や保管スペースが減少
するばかりでなく、ユーザーが多数のプリントをアルバ
ムに貼って整理する手間が省ける、また、紙の省資源化
により環境保全もできるというメリットがある。
【0006】反射支持体の両面に感光性ハロゲン化銀乳
剤を含有する画像形成層を塗設した場合、片面側から露
光するとその反対面側にまで画像が写る(裏写り)の問
題がある。ところで、従来の遮光技術としては、支持体
に遮光性をもたせ実質的に光不透過とする技術が提案さ
れている。特公昭49-10249号には、支持体の片面に画像
形成する通常の印画紙において、裏面側からの光を、カ
ーボンブラック等の遮光性の黒色紙と白色紙を抄き合わ
せた原紙を使用し遮光する事により、白色灯下でも取扱
可能としている。
【0007】確かに、この支持体を本発明の反射支持体
の両面に画像形成する感光材料に使用した場合、支持体
は遮光性となり光透過率は0%になるため、裏映りは改
良された。しかし両面に画像形成する感光材料において
は、黒色紙の両側に白色紙を抄き合わせなければならな
いため、その支持体は厚いものとなり両面に画像を形成
する場合の当初の目的である保管スペースの削減、取扱
性等の目的を損ない、意味のないものとなってしまっ
た。また、支持体を遮光性にするために、金属蒸着膜を
形成し光不透過とする方法もある。例えばフィルム基体
の表面に膜厚が600オングストロームのアルミニウム蒸
着膜を形成し光を遮光する支持体を形成する事が特開平
4-181940号実施例に記載されているが、この方法も、ア
ルミニウム蒸着のための支持体が必要で、さらに遮光層
の両側に各々、白色顔料を含有する樹脂コート紙をはり
あわせなければならず、その支持体は厚いものとなり保
管スペースの増大、コストの増加、または資源の浪費等
が生じ、本発明の当初の目的を損なうものであった。
【0008】従って支持体を光不透過性とした場合に
は、保管スペースの減少や取扱性の向上等の効果が得ら
れず、支持体の両面に画像形成するメリットがなくなる
ものであった。そこで、支持体には大きい遮光性をもた
せず(好ましくは、支持体の、500nm〜600nmのいずれか
の波長における光透過率を0.10%以上とし)支持体の両
面に画像を形成できる方法を提供する事が必要であっ
た。
【0009】つぎに、反射支持体の両面にハロゲン化銀
乳剤を含有する層を塗設し、両面に画像形成する場合の
裏写りを改良するため、着色染料を支持体以外の親水性
層に添加する方法が考えられる。この場合上記の場合と
異なり支持体の厚さや支持体コストの増加はおこらず、
より優れるものであった。
【0010】しかしながら、このような反射支持体の両
面にハロゲン化銀乳剤含有層を塗設し両面に画像形成す
る感光材料は、両面に親水性コロイド層が塗布されてい
るため、くっつきや搬送時にトラブルが増大するという
問題点を生ずる。特にシーズニング時に、くっつきを生
ずるので、片方をまず塗布し、シーズニングしてから残
りの片方を塗布するという方法でも、改善は充分でな
く、しかも製造時間の増加によるコストアップを伴う。
その上、硬膜にバラツキを生ずる。また、くっつき防止
に、マット剤を入れる方法があるが、くっつきを生じな
い程度にすると、光沢を失い好ましくない。
【0011】また反射支持体の両面にハロゲン化銀乳剤
含有層を塗設し両面に画像形成する感光材料は、未露光
の生試料を一般的に使用形態のロール状態やシート状態
での保存時、ハロゲン化銀乳剤塗設面同士が接触して保
存されるため、反射支持体の片面にハロゲン化銀乳剤含
有層を塗設してある感光材料に比べ、生試料の経時保存
性が劣るという問題があることが分かった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、支持体の両面に画像形成ができ、くっつきが
なく、両面同時にシーズニングが可能なハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料を提供する事にある。
【0013】本発明の第二の目的は、光沢が良好で、し
かも生試料の経時保存による感度変動に優れたハロゲン
化銀カラー写真感光材料を提供する事にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の構成により達成された。
【0015】1.原紙の両面に樹脂被覆層を設けてなる
反射支持体のそれぞれの側に、少なくとも一層のシアン
発色性ハロゲン化銀乳剤層、少なくとも一層のマゼンタ
発色性ハロゲン化銀乳剤層および少なくとも一層のイエ
ロー発色性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料において、少なくとも一方の側の該支
持体から最も遠い層に少なくとも1種のベタイン系界面
活性剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー
写真感光材料。
【0016】2.原紙の両面に樹脂被覆層を設けてなる
反射支持体のそれぞれの側に、少なくとも一層のシアン
発色性ハロゲン化銀乳剤層、少なくとも一層のマゼンタ
発色性ハロゲン化銀乳剤層および少なくとも一層のイエ
ロー発色性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料において、少なくとも一方の側の該支
持体から最も遠い層に少なくとも1種の含フッ素系界面
活性剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー
写真感光材料。
【0017】3.前記1又は2記載のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料において、支持体とハロゲン化銀乳剤層
の間に少なくとも1層の遮光層と、少なくとも1層の白
色顔料を含有する層を有することを特徴とする前記1又
は2記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
【0018】4.反射支持体に白色顔料を含有し、該白
色顔料の添加密度が15wt%以上である事を特徴とする前
記1、2または3記載のハロゲン化銀カラー写真感光材
料。
【0019】以下本発明の詳細について説明する。
【0020】現在市販されている通常のカラー印画紙に
おいては、反射支持体の片面のみにハロゲン化銀乳剤層
を有するが、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、反射支持体の両面のそれぞれに少なくとも一層のシ
アン発色性ハロゲン化銀乳剤層、少なくとも一層のマゼ
ンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層および少なくとも一層の
イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層を有する事が必要で
ある。支持体の上に上記各層を塗設する場合の層順は支
持体に近い側から、イエロー発色性層、マゼンタ発色性
層、シアン発色性層とする事が好ましいが、これと異な
る層順でもよい。また、支持体の表側と裏側の層順は異
なっていてもよいが、支持体に対し、対称の層順である
事が好ましい。またその他の非感光性層を必要に応じ塗
設する事ができるが、非感光性層も含めて、支持体に対
し、対称の層順である事が好ましい。各発色層には、各
感色性を有するハロゲン化銀乳剤が添加される。イエロ
ー発色層には青感性ハロゲン化銀乳剤、マゼンタ発色層
には緑感光性ハロゲン化銀乳剤、シアン発色層には赤感
性ハロゲン化銀乳剤を使用する事ができるが、赤外感光
性ハロゲン化銀乳剤を少なくとも一つの乳剤層の代わり
に使用する事もできる。また、発色とハロゲン化銀乳剤
の感色性の対応が上記の関係と異なっていてもよい。本
発明に用いられるベタイン系界面活性剤、含フッ素界面
活性剤は、少なくとも支持体の一方側の支持体より最も
遠い層に存在すればよいが、好ましくは、支持体の両側
にベタイン系界面活性剤又は含フッ素界面活性剤含有層
を有することがよい。
【0021】本発明に用いられるベタイン系界面活性剤
としてはカルボキシベタイン型とスルホベタイン型、イ
ミダゾリウム型等がある。本発明に用いられるベタイン
型界面活性剤の若干の具体例を以下に示すが、本発明は
これらに限定されない。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】ベタイン型界面活性剤の添加量はバインダ
ーとして用いられるゼラチン1.0に対して乾燥重量比で
0.001〜0.1、特に好ましくは0.01〜0.08である。
【0026】本発明に於て好ましく用いられる含フッ素
アニオン界面活性剤としては次の一般式〔FA〕で示さ
れるものが挙げられる。
【0027】一般式〔FA〕 (Cf)−(Y)n 〔式中、Cfは少なくとも3個のフッ素原子と少なくとも
2個の炭素原子を含むn価の基で表し、Yは−COOM,−
SO3M,−OSO3M又は−P(=O)(OM)2を表し、ここでMは水
素原子、又はアルカリ金属原子もしくはアンモニウム基
を表し、nは1又は2である。〕さらに好ましく用いら
れる含フッ素アニオン界面活性剤としては次の一般式
〔FA′〕で示されるものが挙げられる。
【0028】一般式〔FA′〕 Rf−(D)t−Y 〔式中Rfは炭素原子数3〜30のフッ素置換アルキル基又
はアリール基を表し、Dは−O−,−COO−,−CON(R1)
−又は−SO2N(R1)−なる結合を少なくとも1つ含む炭素
原子数1〜12の2価の基を表し、ここでR1は炭素原子
数1〜5のアルキル基を表し、tは1又は2であり、そ
してYは−COOM,−SO3M,−OSO3M又は−P(=O)(OM)2
表しここでMは水素原子又はアルカリ金属原子もしくは
アンモニウム基を表す。〕 次に化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定
されない。
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】特に好ましくは−SO2N(R1)−なる結合を少
くとも1つ含む含フッ素アニオン界面活性剤を使用する
ことである。
【0036】本発明に用いられる含フッ素カチオン界面
活性剤は下記一般式〔FK〕で表される化合物である。
【0037】一般式〔FK〕 R′f−G−J+L- ただし、R′fは炭素数1〜20個の炭化水素基であり、少
なくとも1つの水素原子はフッ素原子で置換されてい
る。Gは化学結合手または2価基を表す。J+はカチオ
ン性基、L-はカウンターアニオンを表す。
【0038】R′fの例としては−CkF2k+1(k=1〜2
0、特に3〜12)、HCqF2q−、−CqF2q-1(q=2〜20、
特に3〜12)を挙げることができ、Gの例としては、
【0039】
【化10】
【0040】を挙げることができる。
【0041】またJ+の例としては、
【0042】
【化11】
【0043】を挙げることができる。
【0044】R′、R″は水素原子又は置換されてもよ
い炭素数1〜6のアルキル基を表し、A′はアルキレン
基、アリーレン基を表す。pは0〜6、q′は2〜20を
表す。
【0045】さらに、L-の例としては
【0046】
【化12】
【0047】を挙げることができる。
【0048】以下に本発明の好ましく用いられる含フッ
素カチオン界面活性剤の具体例を挙げる。
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】本発明では特に難溶性の−SO2N(R′)−な
る結合を少なくとも一つ有する含フッ素カチオン界面活
性剤を使用することがさらに好ましい。ここで難溶性と
は23℃の100mlの純水に該界面活性剤を2.0g添加し、1
時間撹拌し、23℃で24時間放置した後、目視で沈澱物や
浮遊物が観察されたときに難溶性とする。例えばFK−
1,FK−8、FK−15、FK−16等が相当するが、こ
れらに限られるわけではなく、上記のテストにより分け
ることができる。
【0053】本発明にかかるこれらの含フッ素界面活性
剤のうち、ある種のものは大日本インキ化学工業社から
メガファック(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ マ
イニングアンド マニファクチュア リング カンパニー
社からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名で、イ
ンペリアル ケミカル インダストリー社からモンフロー
ル(Monflor)なる商品名で、イー・アイ・デュポン
(E.I.Dupont)ネメラス アンド カンパニー社からゾニ
ルス(Zonyls)なる商品名でまたはファルベベルケヘキ
スト社からリコベット(Licowet)VPFなる商品名で
それぞれ市販されている。
【0054】本発明において特に好ましくは含フッ素カ
チオン界面活性剤と含フッ素アニオン界面活性剤を組合
せて用いることである。
【0055】本発明に使用される含フッ素カチオン界面
活性剤と含フッ素アニオン界面活性剤のトータルの使用
量は1.0〜0.0001g/m2であり、好ましくは0.3〜0.0005
g/m2、さらに好ましくは0.15〜0.001g/m2が良い。
併用する時にそれぞれ含フッ素カチオン界面活性剤も含
フッ素系アニオン界面活性剤も2種以上ずつ併用しても
構わない。その他に含フッ素ノニオン界面活性剤、含フ
ッ素ベタイン界面活性剤、炭化水素系界面活性剤を併用
しても良い。また本発明の含フッ素アニオン界面活性剤
と含フッ素カチオン界面活性剤の添加割合はモル比で
1:10〜10:1が好ましく、さらには3:7〜7:3が
好ましい。
【0056】本発明の実施に当っては、表面層塗布液に
前記化合物を添加し塗布するか、表面層上にオーバコー
ト又は浸透させるか、いずれかの方法が用いられる。有
機溶剤系塗布液の場合には有機溶媒に溶解後そのまま加
えることができる。前記化合物を添加した塗布液は、例
えば、米国特許3,335,026号に記載されているようなデ
ィップ方式、例えば米国特許2,674,167号に記載されて
いるようなスプレー方式等の方法で、塗布又は浸透させ
ることができる。
【0057】これらの化合物を保護層に用いるときに
は、親水性コロイドを共に用いるのが好ましく、例えば
ゼラチン、コロイド状アルブミン、カゼイン、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の
セルロース誘導体、寒天、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導
体、合成親水性コロイド、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリアクリル酸共重合
体、ポリアクリルアミドまたはこれらの誘導体、部分加
水分解物等があげられる。必要に応じてこれらのコロイ
ドの二つ以上の相溶性混合物を使用してもよい。この中
で最も好ましく用いられるのはゼラチンである。
【0058】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は支持
体とハロゲン化銀乳剤層の間に少なくとも1層の遮光層
と少なくとも1層の白色顔料を含有する層を有する事が
本発明の効果をだすうえで好ましい。
【0059】本発明の白色顔料を含有する層(以下白色
顔料層と呼ぶ)に用いられる白色顔料は、例えばルチル
型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタン、硫酸バリ
ウム、ステアリン酸バリウム、シリカ、アルミナ、酸化
ジルコニウム、カオリン等を用いることが出来るが、種
々の理由から、中でも二酸化チタンが好ましい。白色顔
料は処理液が浸透出来る様な例えばゼラチン等の親水性
コロイドの水溶性バインダー中に分散され、白色顔料層
として塗布される。白色顔料の塗布付量は、好ましく
は、0.5g/m2〜50g/m2の範囲であり、更に好ましく
は1g/m2〜20g/m2の範囲である。
【0060】本発明の白色顔料を含有する親水性コロイ
ド層は、反射支持体の両側に塗設する事が、本発明の効
果が大きく好ましい。この場合支持体に対し対称の層順
になる事が好ましい。
【0061】本発明においては、白色顔料を含有する親
水性コロイド層と反射支持体の間に少なくとも1層の遮
光層を設ける事が好ましい。
【0062】本発明において、遮光層に用いられる着色
剤としては、本発明の効果を高めるうえで、処理で脱色
する化合物が好ましく、さらに好ましくは、コロイド金
属または染料の固体分散体であり、最も好ましくは、コ
ロイド金属である。
【0063】本発明に係わるコロイド状金属としては、
コロイド銀、コロイドマンガン等が好適であるが、コロ
イド銀が特に好ましい。なかでも黒色のコロイド銀が特
に好ましい。これらは、本発明の効果をたかめ裏写りを
より有効に防止する事ができる。
【0064】上記のコロイド銀、例えば灰色コロイド銀
は、硝酸銀をゼラチン中でハイドロキノン、フェニド
ン、アスコルビン酸、ピロガロールあるいはデキストリ
ンのような還元剤の存在下にアルカリ性に保って還元
し、その後、中和、冷却してゼラチンをセットさせてか
ら、ヌードル水洗法によって還元剤や不要な塩類を除去
することによって得られる。アルカリ性で還元する際、
アザインデン化合物、メルカプト化合物の存在下でコロ
イド銀粒子を作ると、均一な粒子のコロイド銀分散液を
得ることができる。
【0065】本発明に係わるコロイド状金属の添加量と
しては、本発明の効果をたかめ裏映りをより有効に改良
するため、0.02g/m2以上が好ましく、0.05g/m2以上
がより好ましい。最も好ましくは、0.10g/m2以上であ
る。
【0066】次ぎに、本発明に係わる固体分散された染
料について説明する。固体分散された染料とは、従来の
水溶性染料のように水溶性コロイド中に分子状に溶解さ
れた状態ではなく、微結晶状に分散された染料である事
を表す。親水性コロイド層中に、カルボキシル基、スル
ホンアミド基、スルファモイル基の少なくとも一つが固
体分散して含有される事が好ましい。固体分散された水
溶性染料としては、オキソノール染料、メロシアニン染
料、スチリール染料、シアニン染料、アリリデン染料、
ヘミシアニン染料などが挙げられ、具体的化合物例とし
ては、例えば特願平5-281489号明細書に固体分散染料と
して記載されている化合物1−1〜8−7を挙げる事が
できる。
【0067】本発明においては、上記の処理で脱色する
着色剤と併用して、白色顔料を含有する親水性コロイド
層および/または支持体に対し、白色顔料を含有する親
水性コロイド層より遠い層に処理により脱色しない、実
質的に非脱色性の着色剤をさらに微量添加する事が、白
地性の調整ができ好ましい。非脱色性の着色剤として
は、群青等の顔料や、非水溶性の有機染料があげられ
る。
【0068】本発明の両面に画像形成する感光材料は、
光学濃度計を用いて、550nmの波長で測定した時の
〔(未露光部の処理前の透過濃度)−(未露光部の処理
後の透過濃度)〕が〔(未露光部の処理前の反射濃度)
−(未露光部の処理後の反射濃度)〕より大きい事が好
ましい。ここでいう処理とは、自動現像機として、コニ
カ製NPS−868J、処理ケミカルとしてECOJET−P
(プロセス名、CPK-2-J1)によりプロッセッシン
グマニュアルに従った処理をいう。
【0069】本発明の白色顔料層は、空隙率が親水性コ
ロイド層に対し、5〜30重量%あることが好ましい。空
隙率は比重、膜厚等から求められる。
【0070】本発明の白色顔料の分散度を示す、占有面
積の変動係数は0.25以下にする事が必要である。塗布さ
れた白色顔料粒子の分散度を測定するには、ハロゲン化
銀写真感光材料の白色顔料層をタンパク質分解酵素など
により溶解させ、得られた白色顔料を電子顕微鏡で撮影
し、その撮影占有面積を求め、占有面積比率(%)の変
動係数によって評価できる。白色顔料の変動係数を0.25
以下に調整する方法としては、界面活性剤の存在下に白
色顔料を充分に混練する事で達成される。また遠心分離
等を利用して大粒子成分、小粒子成分を除去する事によ
り得る事もできる。白色顔料の単位面積当りの占有面積
比率(%)は、最も代表的には観察された面積を、相接
する6μm×6μmの単位面積に区分し、その単位面積に
投影される粒子の占有面積比率(%)(Ri)を測定して
求める事ができる。占有面積比率(%)の変動係数は、
Riの平均値(R)に対するRiの標準偏差Sの比S/Rに
よって求める事ができる。対象とする単位面積の個数
(n)は6以上が好ましい。
【0071】本発明においては、白色顔料の占有面積の
変動係数は0.25以下にすると、本発明の効果が大きく好
ましい。より有効に本発明の効果を得るには、変動係数
が、0.20以下が好ましく、さらには0.15以下が好まし
い。0.10以下である事がより好ましい。
【0072】白色顔料層の白色顔料密度は、本発明の効
果を有効に得るには、親水性コロイド層中に20〜90重量
%添加されるのが好ましく、40〜90重量%がより好まし
い。50〜80重量%が最も好ましい。添加密度が少ないと
本発明の効果が得られにくい。添加密度が大きすぎる
と、支持体との膜付き劣化等、膜の物理特性まで劣化す
るようになり好ましくない。
【0073】また本発明の白色顔料を含有する親水性コ
ロイド層には、中空のポリマー粒子を含有する事が本発
明の効果が大きく好ましい。中空のポリマー粒子とはポ
リマー粒子の内部がポリマーでなく空洞であるものであ
る。これにより泡の微粒子が安定に存在でき、光反射率
を向上できるのでより好ましい。中空ポリマー粒子の平
均粒系は0.1μm〜1.0μmである事が好ましい。中空ポリ
マーの素材としては、空洞を維持するために、高架橋性
のポリマーが好ましい。中空ポリマーとしては例えば日
本合成ゴム株式会社製のスチレン−アクリル樹脂の中空
ポリマーを使用する事ができる。
【0074】本発明には、白色顔料層に沸点150℃以上
の高沸点有機化合物を添加する事が必要である。沸点測
定時に高温で分解される化合物であってもよいが、沸点
300℃以上の高沸点有機溶媒である事がさらに好まし
い。100℃における蒸気圧が0.5mmHg以下の高沸点有機溶
媒であることも好ましい。
【0075】沸点が150℃以上とは、この場合1気圧で
の沸点が150℃以上であることをいう。また本発明の高
沸点有機化合物は1気圧で50℃の状態で液体であること
が好ましい。
【0076】本発明の高沸点有機化合物としては、例え
ばフタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エス
テル類、有機酸アミド類、ケトン類、炭化水素化合物等
が挙げられ、特開平1ー156748号の34頁H−1〜H−20に
記載されている有機化合物等も使用できる。
【0077】本発明で使用できる高沸点有機化合物とし
ては、好ましくは炭素数が20以上の有機化合物(分岐、
または置換基により置換されていてもよい)、さらに好
ましくは炭素数が24以上の有機化合物(分岐、または置
換基により置換されていてもよい)であって、特に好ま
しくはこれらの有機化合物が飽和炭化水素化合物(分
岐、または置換基により置換されていてもよい)であ
る。また、最も好ましくはパラフィンである。以下に本
発明の高沸点有機化合物の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0078】化合物例 O−1 ジ-n-オクチルフタレート O−2 ジ-i-デシルフタレート O−3 トリ-n-ノニルホスフェート O−4 ジ(ω-ブチル-ジ(エチレンオキシ))アジペート O−5 ジ-n-オクチルセバテート O−6 グリセリントリアセテート O−7 ジ-n-オクチルフマレート O−8 トリオクチル−トリメリテート O−9 トリドデシルホスフェート O−10 トリオクチル−ホスフィンオキシド O−11 n-ヘキサデカン O−12 n-アイコサン O−13 n-ドコサン O−14 n-テトラコサン O−15 n-ヘキサコサン O−16 サンソサイザー E-200(新日本理化(株)社
製) O−17 サンソサイザー P-1500A(新日本理化(株)
社製) O−18 流動パラフィン No150-S(三光化学工業
(株)社製) 本発明の高沸点有機化合物は単独で使用しても、また2
種以上のものを併用してもよい。
【0079】本発明の前記高沸点有機化合物は低沸点有
機溶媒及びまたは水溶性有機溶媒を併用して、ゼラチン
水溶液等の親水性バインダー中に界面活性剤を用いてか
くはん機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェ
ットミキサー、超音波装置等の分散手段を用いて乳化分
散した後目的とする親水性コロイド層中に添加する。ゼ
ラチン水溶液含有層から支持体に近い側の非感光性の親
水性コロイド層中に存在させる場合、親水性コロイドは
好ましくはゼラチンが用いられる。
【0080】また本発明の高沸点有機化合物の添加量
は、該高沸点有機化合物を含有する親水性コロイド層中
のバインダー付量に対して、重量比で5〜200%である
ことが好ましく、さらに好ましくは10〜100%である。
【0081】本発明の白色顔料を含有する親水性コロイ
ド層に添加される高沸点有機化合物として、カルボニル
基を主鎖或は側鎖にもつ繰り返し単位からなる水不要性
かつ有機溶媒可溶性の単独、または共重合体の少なくと
も一種である事も特に好ましい形態である。重合体の化
合物例としては、特公平6-52393号明細書8ページ〜12
ページに記載の水不溶性且つ有機溶媒可溶性の重合体を
挙げる事ができる。この内、特に好ましい重合体は、ア
クリルアミド類またはメタアクリルアミド類の単独、ま
たは共重合体である。その具体的化合物としては、ポリ
(N-t-ブチルアクリルアミド)等を挙げる事ができる。
【0082】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は550n
mにおける光透過率が2.00%以下である事が好ましい。
本発明における光透過率は光学濃度計を用いて、反射支
持体およびその両面に塗設されたすべての層を、支持体
に対して垂直に透過する光を測定した時の光透過率
(T)であり T=(I/I0)×100 % I :測定光の光束 I0:透過光の光束 として表される。
【0083】本発明の反射支持体は、ポリエチレンやポ
リエチレンテレフタレートで被覆した紙、天然パルプや
合成パルプからなる紙支持体、白色顔料を含有するポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バラ
イタ紙等を用いる事ができる。ポリマーフィルム支持体
の両面に紙支持体を貼りあわせた反射支持体であっても
よい。金属蒸着膜を有する支持体、カーボンブラック等
の遮光剤が添加された支持体は、遮光性が向上する点で
好ましい。なかでも、原紙基体の両面に耐水性樹脂被覆
層を有する支持体が本発明の目的、効果に優れ好まし
い。なかでも特に好ましい反射支持体は、原紙基体の両
面に耐水性樹脂被覆層を有し、かつ両面の耐水性樹脂層
中に白色顔料を含有する反射支持体である。紙基体の紙
パルプ付量は、本発明の効果を有効に発揮するうえで、
180g/m2以上である事が好ましく、より好ましくは200
g/m2以上である。
【0084】支持体に用いられる白色顔料としては、無
機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好
ましくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリ
ウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等
のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸
塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミ
ナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が
あげられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化
チタンである。
【0085】支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有され
る白色顔料は、15重量%以上である事が、本発明の効果
に優れ好ましい。より好ましくは20重量%以上である。
【0086】また上記の耐水性樹脂は、電子線硬化型の
樹脂であるほうが、上記の白色顔料の充填率をより高め
る事ができるため、好ましい。この形態を使用すると感
光材料や、反射支持体の光透過率を本発明の範囲に調整
しやすくなりより好ましい。
【0087】前記紙基体の両面に耐水性樹脂を被覆し両
面の耐水性樹脂層中に白色顔料を含有する反射支持体に
おいて、耐水性樹脂としては、ジカルボン酸とジオール
からの重縮合によって合成されたポリエステルを主成分
とする樹脂である事が白色顔料の添加量を高め本発明の
効果に優れ、また平滑性や光沢に優れ好ましい。具体的
樹脂の例としては、特開平6-186673号明細書4ページ〜
5ページに記載のポリエステルを主成分とする樹脂が挙
げられる。このうち特に好ましい樹脂はエチレングリコ
ールとテレフタール酸を主原料として重縮合されたポリ
エステルである。
【0088】本発明に使用される紙支持体の耐水性樹脂
層中の白色顔料の分散度は、特開平2-28640号に記載の
方法で測定することができる。この方法で測定したとき
に、白色顔料の分散度が上記同特許に記載の変動係数と
して0.20以下であることが好ましく、0.15以下であるこ
とがより好ましく、0.10以下であることがさらに好まし
い。また前記紙支持体の中心面平均粗さ(SRa)の値が
0.15μm以下、さらには0.12μm以下であるほうが光沢性
ばかりでなく鮮鋭性もよいという効果が得られより好ま
しい。
【0089】本発明に使用されるハロゲン化銀写真乳剤
の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀等任意のハロゲン組成を有するものであってもよ
いが、塩化銀を95モル%以上含有する実質的に沃化銀を
含有しない塩臭化銀が好ましい。本発明は露光時の特性
に関する技術であり、処理時に安定した特性を得ること
のできる技術と組み合わせて用いることが好ましく、こ
の観点からは、好ましくは97モル%以上、より好ましく
は98〜99.9モル%の塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤
が好ましい。
【0090】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤を得
るには、臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲ
ン化銀乳剤が特に好ましく用いられる。この場合、高濃
度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン化銀乳剤粒子に
エピタキシー接合していても、いわゆるコア・シェル乳
剤であってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に
組成の異なる領域が存在するだけであってもよい。ま
た、組成は連続的に変化してもよいし不連続に変化して
もよい。臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化
銀粒子の表面の結晶粒子の頂点である事が特に好まし
い。
【0091】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤を得
るには重金属イオンを含有させるのが有利である。この
ような目的に用いることの出来る重金属イオンとして
は、鉄、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、ロ
ジウム、オスミウム、ルテニウム、コバルト等の第VIII
族金属や、カドミウム、亜鉛、水銀などの第II族遷移金
属や、鉛、レニウム、モリブデン、タングステン、クロ
ムの各イオンを挙げることができる。中でも鉄、イリジ
ウム、白金、ルテニウム、オスミウムの遷移金属イオン
が好ましい。これらの金属イオンは、塩や、錯塩の形で
ハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。
【0092】前記重金属イオンが錯体を形成する場合に
は、その配位子としてはシアン化物イオン、チオシアン
酸イオン、シアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イオ
ン、沃化物イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げる
ことができる。中でも、シアン化物イオン、チオシアン
酸イオン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭
化物イオン等が好ましい。
【0093】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤に重
金属イオンを含有させるためには、該重金属イオンをハ
ロゲン化銀粒子の形成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、
ハロゲン化銀粒子の形成後の物理熟成中の各工程の任意
の場所で添加すればよい。前述の条件を満たすハロゲン
化銀乳剤を得るには、重金属化合物をハロゲン化物塩と
一緒に溶解して粒子形成工程の全体或いは一部にわたっ
て連続的に添加する事ができる。
【0094】前記重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に
添加するときの量はハロゲン化銀1モル当り1×10-9
ル以上、1×10-2モル以下がより好ましく、特に1×10
-8モル以上5×10-5モル以下が好ましい。
【0095】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子の形
状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの
例は、(100)面を結晶表面として有する立方体である。
また、米国特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55
-26589号、特公昭55-42737号や、ザ・ジャーナル・オブ
・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photogr.Sci.)
21、39(1973)等の文献に記載された方法等により、八
面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子をつく
り、これを用いることもできる。さらに双晶面を有する
粒子を用いてもよい。
【0096】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は、
単一の形状からなる粒子を用いてもよいが、単分散のハ
ロゲン化銀乳剤を二種以上同一層に添加する事が特に好
ましい。
【0097】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子の粒
径は特に制限はないが、迅速処理性及び、感度など、他
の写真性能などを考慮すると好ましくは、0.1〜1.2μ
m、更に好ましくは、0.2〜1.0μmの範囲である。上記粒
径は、粒子の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定
することができる。粒子が実質的に均一形状である場合
は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり正確にこれ
を表すことができる。
【0098】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子の粒
径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に好ま
しくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であり、特に
好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤を2種以上同
一層に添加する事である。ここで変動係数は、粒径分布
の広さを表す係数であり、次式によって定義される。
【0099】変動係数=S1/R1 (ここに、S1は粒径分布の標準偏差、R1は平均粒径を
表す。) ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合は
その直径、また、立方体や球状以外の形状の粒子の場合
は、その投影像を同面積の円像に換算したときの直径を
表す。
【0100】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0101】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたもので
あってもよい。該粒子は一時に成長させたものであって
もよいし、種粒子を作った後で成長させてもよい。種粒
子を作る方法と成長させる方法は同じであっても、異な
ってもよい。
【0102】また、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩
を反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時
混合法、それらの組合せなど、いずれでもよいが、同時
混合法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一
形式として特開昭54-48521号等に記載されているpAgコ
ントロールド・ダブルジェット法を用いることもでき
る。
【0103】また、特開昭57-92523号、同57-92524号等
に記載の反応母液中に配置された添加装置から水溶性銀
塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供給する装置、ド
イツ公開特許2,921,164号等に記載された水溶性銀塩及
び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を連続的に濃度変化して
添加する装置、特公昭56-501776号等に記載の反応器外
に反応母液を取り出し、限外濾過法で濃縮することによ
りハロゲン化銀粒子間の距離を一定に保ちながら粒子形
成を行なう装置などを用いてもよい。
【0104】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。また、メルカプト基を有す
る化合物、含窒素ヘテロ環化合物または増感色素のよう
な化合物をハロゲン化銀粒子の形成時、または、粒子形
成終了の後に添加して用いてもよい。
【0105】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
金化合物を用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増
感法を組み合わせて用いることが出来る。
【0106】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤に適
用するカルコゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレ
ン増感剤、テルル増感剤などを用いることが出来るが、
イオウ増感剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫
酸塩、アリルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチア
シアネート、シスチン、p-トルエンチオスルホン酸塩、
ローダニン、無機イオウ等が挙げられる。本発明に使用
されるイオウ増感剤の添加量としては、適用されるハロ
ゲン化銀乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより
変える事が好ましいが、ハロゲン化銀1モル当たり5×
10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10-8〜3
×10-5モルの範囲が好ましい。
【0107】本発明に使用される金増感剤としては、塩
化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加すること
ができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチル
ローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、
メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化
合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化
合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通
常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル〜1×10-8
モルであることが好ましい。更に好ましくは1×10-5
ル〜1×10-8モルである。
【0108】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤の化
学増感法としては、還元増感法を用いてもよい。本発明
に使用されるハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン化銀写真
感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保
存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリ
を防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いる
ことが出来る。こうした目的に用いることのできる化合
物の例として、特開平2-146036号公報7頁下欄に記載さ
れた一般式(II)で表される化合物を挙げることがで
き、その具体的な化合物としては、同公報の8ページに
記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(IIb−1)〜
(IIb−7)の化合物や、1-(3-メトキシフェニル)-5-
メルカプトテトラゾール、1-(4-エトキシフェニル)-5-
メルカプトテトラゾール等の化合物を挙げることができ
る。これらの化合物は、その目的に応じて、ハロゲン化
銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増感工程の
終了時、塗布液調製工程などの工程で添加される。これ
らの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハロゲ
ン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4モル程度の量
で好ましく用いられる。化学増感終了時に添加する場合
には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-2
モル程度の量が好ましく、1×10-5モル〜5×10-3モル
がより好ましい。塗布液調製工程において、ハロゲン化
銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り
1×10-6モル〜1×10-1モル程度の量が好ましく、1×
10-5モル〜1×10-2モルがより好ましい。またハロゲン
化銀乳剤層以外の層に添加する場合には、塗布被膜中の
量が、1×10-9モル〜1×10-3モル程度の量が好まし
い。
【0109】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々
の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。こ
の目的で、公知の化合物をいずれも用いることが出来る
が、特に可視域に吸収を有する染料としては、特開平3-
251840号公報308ページに記載のAI−1〜11の染料が
好ましく用いられ、赤外線吸収染料としては、特開平1-
280750号公報の2ページ左下欄に記載の一般式(I)、
(II)、(III)で表される化合物が好ましい分光特性
を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真特性への影響もな
く、また残色による汚染もなく好ましい。好ましい化合
物の具体例として、同公報3ページ左下欄〜5ページ左
下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げるこ
とができる。
【0110】これらの染料を添加する量として、通常の
ハロゲン化銀写真感光材料の未処理試料の680nmにおけ
る分光反射濃度が大きくなっているが、本発明では少な
い方が本発明の効果の白地性、色変動性の点で良好であ
り好ましい。現在市販されているハロゲン化銀写真感光
材料の680nmの分光反射濃度は通常0.8以上であるが、本
発明では少ない方が好ましく、0.70以下が好ましい。さ
らに好ましくは0.50以下である。
【0111】本発明のハロゲン化銀写真感光材料をカラ
ー写真感光材料として用いる場合には、イエローカプラ
ー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせて
400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲ
ン化銀乳剤を含む層を有する。上記ハロゲン化銀乳剤は
一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて含有す
る。
【0112】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤に用
いる分光増感色素としては、公知の化合物をいずれも用
いることができるが、青感光性増感色素としては、特開
平3-251840号公報28ページに記載のBS−1〜8を単独
でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑
感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のGS
−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素とし
ては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用
いられる。また、半導体レーザーを用いるなどして赤外
光により画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素
を用いる必要があるが、赤外感光性増感色素としては、
特開平4-285950号公報6〜8ページに記載のIRS−1
〜11の色素が好ましく用いられる。また、同公報8〜9
ページに記載の強色増感剤SS−1〜SS−9をこれら
の色素に組み合わせて用いるのが好ましい。これらの増
感色素の添加時期としては、ハロゲン化銀粒子形成から
化学増感終了までの任意の時期でよい。増感色素の添加
方法としては、メタノール、エタノール、フッ素化アル
コール、アセトン、ジメチルホルムアミド等の水混和性
有機溶媒や水に溶解して溶液として添加してもよいし、
固体分散物として添加してもよい。
【0113】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られるカプラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカッ
プリング反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波
長を有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化
合物をも用いることが出来るが、特に代表的な物として
は、波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエ
ローカプラー、波長域500〜600nmに分光吸収極大波長を
有するマゼンタカプラー、波長域600〜750nmに分光吸収
極大波長を有するシアンカプラーとして知られているも
のが代表的である。
【0114】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるシアンカプラーとしては、特開
平4-114152号17ページに記載の一般式(C−I)、(C
−II)で表されるカプラーを挙げることができる。具体
的な化合物は、上記同特許18〜21ページにCC-1〜CC-9と
して記載されているものを挙げることができる。
【0115】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるマゼンタカプラーとしては、特
開平4-114152号12ページに記載の一般式(M−I)、
(M−II)で表されるカプラーを挙げることができる。
具体的な化合物は、上記同特許13〜16ページにMC−1
〜MC−11として記載されているものを挙げることがで
きる。中でも上記同特許15〜16ページに記載されている
MC−8〜MC−11は青から紫、赤に到る色の再現に優
れ、さらにディテールの描写力にも優れており好まし
い。
【0116】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるイエローカプラーとしては、特
開平4-114152号8ページに記載の一般式(Y−I)で表
されるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物
は、上記同特許9〜11ページにYC−1〜YC−9とし
て記載されているものを挙げることができる。中でも上
記同特許11ページに記載されているYC−8、YC−9
は好ましい色調の黄色を再現でき好ましい。
【0117】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られるカプラーを添加するのに水中油滴型乳化分散法を
用いる場合には、通常、沸点150℃以上の水不溶性高沸
点有機溶媒に、必要に応じて低沸点及び/または水溶性
有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水溶液などの親水
性バインダー中に界面活性剤を用いて乳化分散する。分
散手段としては、撹拌機、ホモジナイザー、コロイドミ
ル、フロージェットミキサー、超音波分散機等を用いる
ことができる。分散後、または、分散と同時に低沸点有
機溶媒を除去する工程を入れてもよい。カプラーを溶解
して分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒
としては、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステ
ル、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル類が
好ましく用いられる。
【0118】また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、カプラーと水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマー
化合物を、必要に応じて低沸点及び/または水溶性有機
溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー
中に界面活性剤を用いて種々の分散手段により乳化分散
する方法をとることもできる。この時、用いられる水不
溶性で有機溶媒可溶性のポリマーとしては、ポリ(N-t-
ブチルアクリルアミド)等を挙げることができる。
【0119】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4-114152号33ページに記載の化合物(d−1
1)、該同特許35ページに記載の化合物(A′−1)等
の化合物を用いることができる。また、これ以外にも米
国特許4,774,187号に記載の蛍光色素放出化合物を用い
ることも出来る。
【0120】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
バインダーとしてゼラチンを用いることが有利である
が、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外の
タンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるい
は共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コ
ロイドも用いることができる。
【0121】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、必
要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎
処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接
着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレ
ーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を
向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布
されていてもよい。
【0122】ハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀写
真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために
増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を
同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーテ
ィング及びカーテンコーティングが特に有用である。
【0123】本発明のハロゲン化銀写真感光材料を用い
て、画像を形成するには、ネガフィルム上に記録された
画像を、プリントしようとするハロゲン化銀写真感光材
料上に光学的に結像させて焼き付けてもよいが、本発明
の、反射支持体の両面に画像形成できる感光材料を用い
て、両面プリントを得るには、画像を一旦デジタル情報
に変換した後、そのデジタル情報に基づいて焼き付ける
方法が両面プリントが得られ安く好ましい。例えば、画
像を一旦デジタル情報に変換した後その画像をCRT
(陰極線管)上に結像させ、この画像をプリントしよう
とするハロゲン化銀写真感光材料上に結像させて焼き付
ける方法や、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度
を変化させて走査する事によって焼き付ける方法が挙げ
られる。レーザー露光の場合には、1画素当りの露光時
間が10-4以下である事が好ましい。これらの内、特に好
ましいのは、画像を一旦デジタル情報に変換した後その
画像をCRT(陰極線管)上に結像させ、この画像をプ
リントしようとするハロゲン化銀写真感光材料上に結像
させて焼き付ける方法である。
【0124】本発明に使用される芳香族一級アミン現像
主薬としては、公知の化合物を用いることができる。こ
れらの化合物の例として下記の化合物を上げることがで
きる。
【0125】CD−1)N,N-ジエチル-p-フェニレンジ
アミン CD−2)2-アミノ-5-ジエチルアミノトルエン CD−3)2-アミノ-5-(N-エチル-N-ラウリルアミノ)ト
ルエン CD−4)4-(N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)アミ
ノ)アニリン CD−5)2-メチル-4-(N-エチル-N-(β-ヒドロキシエ
チル)アミノ)アニリン CD−6)4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-(メタン
スルホンアミド)エチル)-アニリン CD−7)N-(2-アミノ-5-ジエチルアミノフェニルエチ
ル)メタンスルホンアミド CD−8)N,N-ジメチル-p-フェニレンジアミン CD−9)4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-メトキシエ
チルアニリン CD−10)4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-エトキ
シエチル)アニリン CD−11)4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-(β-ブトキ
シエチル)アニリン 本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使
用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0であるこ
とが好ましく、より好ましくはpH9.8〜12.0の範囲で用
いられる。
【0126】本発明に使用される発色現像液の処理温度
は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほど短
時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定性か
らはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60℃以下で
処理することが好ましい。
【0127】発色現像時間は、従来一般には3分30秒程
度で行われているが、本発明では40秒以内が好ましく、
さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好ましい。
【0128】発色現像液には、前記の発色現像主薬に加
えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来
る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イ
オン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、
キレート剤などが用いられる。
【0129】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、
通常は水洗処理が行なわれる。また水洗処理の代替とし
て、安定化処理を行なってもよい。本発明のハロゲン化
銀写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置として
は、処理槽に配置されたローラーに上記感光材料をはさ
んで搬送するローラートトランスポートタイプであって
も、ベルトに上記感光材料を固定して搬送するエンドレ
スベルト方式であってもよいが、処理槽をスリット状に
形成して、この処理槽に処理液を供給するとともに上記
感光材料を搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレ
ー方式、処理液を含浸させた担体との接触によるウエッ
ブ方式、粘性処理液による方式なども用いることができ
る。
【0130】また固体処理剤を各処理工程の処理槽に直
接供給補充して、自動現像機で連続処理する事が安定な
処理が得られ好ましい。また固体処理剤としては、錠剤
状の固体処理剤である事が特に好ましい。
【0131】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0132】実施例1 坪量200g/m2の紙基体の両面(表面側および裏面側)
に、表面処理を施したアナターゼ型酸化チタンを15量%
の含有量で分散して含む溶融ポリエチレンを各々30μm
厚でラミネートし、両面が酸化チタン含有疎水性樹脂で
被覆された紙支持体を作成した。
【0133】この反射支持体の両面に下記に示す親水性
コロイド層(以降B層と呼ぶ)を塗設し、更にその上
に、下記に示すように白色顔料を含有する親水性コロイ
ド層(以降A層と呼ぶ)を塗設した。
【0134】 A層 酸化チタン 2.00g/m2 ゼラチン 1.43g/m2 O−18 0.57g/m2 (O−18:流動パラフィン No150-S 三光化学工業社製) B層 ゼラチン 0.50g/m2 黒色コロイド銀 0.20g/m2 白色顔料を含有する親水性コロイド層を塗設する場合の
調製法としては、高沸点有機化合物0ー18を16Lと酢酸エ
チル32Lを混合した溶液に、ゼラチン10.6kgと界面活性
剤ドデシルベンゼンスルホン酸1.2kgを溶解した水溶液
を添加しホモジナイザーにより乳化分散した。この溶液
を上記A層の塗布付き量となるように調製した酸化チタ
ン(平均粒径0.35μm、占有面積の変動係数0.10)とゼ
ラチンの水溶液に添加し塗布液を調製した。
【0135】この反射支持体の両面(表面側および裏面
側)に、以下に示す構成の各層を塗設し、両面感光性の
多層カラー写真感光材料を作成した。層順は両面とも支
持体に最も近い層が第1層で支持体から最も遠い層が第
7層である。塗布液は下記のように調製した。
【0136】第1層塗布液 イエローカプラー(Y−1)23.4g、色素画像安定化剤
(ST−1)3.34g、色素画像安定化剤(ST−2)3.
34g、ステイン防止剤(HQ−1)0.33g、化合物A及
び高沸点有機溶媒(DBP)5.0gに酢酸エチル60mlを
加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7
mlを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超音波ホモジ
ナイザーを用いて乳化分散させてイエローカプラー分散
液を作製した。この分散液を下記条件にて作製した青感
性ハロゲン化銀乳剤と混合し第1層塗布液を調製した。
【0137】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に表1および表2の塗布量になるように各塗布液
を調製した。
【0138】又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)
を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−
2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。ま
た各層にF−1を全量が0.04g/m2となるように添加し
た。
【0139】
【表1】
【0140】
【表2】
【0141】SU−1:トリ-i-プロピルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2-エチルヘキシル)エステル
・ナトリウム塩 SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフ
ルオロペンチル)エステル・ナトリウム塩 DBP :ジブチルフタレート DOP :ジオクチルフタレート DIDP:ジ-i-デシルフタレート PVP :ポリビニルピロリドン H−1 :テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン H−2 :2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジン・
ナトリウム
【0142】
【化16】
【0143】
【化17】
【0144】
【化18】
【0145】
【化19】
【0146】
【化20】
【0147】
【化21】
【0148】(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)40℃に
保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制御しつつ30
分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D液)を
pAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時添加
した。この時、pAgの制御は特開昭59-45437号記載の方
法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム
水溶液を用いて行った。
【0149】 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) K2IrCl6 2×10-8モル/モルAg 塩化ナトリウム 102.7g K4Fe(CN)6 1×10-5モル/モルAg 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行った
後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、粒径
分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分散
立方体乳剤EMP−1を得た。
【0150】上記EMP−1に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行い、比較用青感性ハロゲン
化銀乳剤(Em−B)を得た。
【0151】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モル AgX 塩化金酸 0.5mg/モル AgX 安定剤 STAB−3 8×10-4モル/モル AgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モル AgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モル AgX (緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.43μm、変
動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤E
MP−2を得た。
【0152】上記EMP−2に対し、下記化合物を用い
55℃にて最適に化学増感を行い、緑感性ハロゲン化銀乳
剤(Em−G)を得た。
【0153】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モル AgX 塩化金酸 1.0mg/モル AgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モル AgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モル AgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モル AgX (赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして平均粒径0.50μm、変
動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤E
MP−3を得た。
【0154】上記EMP−3に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行い、赤感性ハロゲン化銀乳
剤(Em−R)を得た。
【0155】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モル AgX 塩化金酸 2.0mg/モル AgX 安定剤 STAB−1 6×10-4モル/モル AgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モル AgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モル AgX 増感色素 RS−2 1×10-4モル/モル AgX STAB−1:1-(3-アセトアミドフェニル)-5-メルカ
プトテトラゾール STAB−2:1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール STAB−3:1-(4-エトキシフェニル)-5-メルカプト
テトラゾール
【0156】
【化22】
【0157】このようにして作成した試料を試料101と
した。
【0158】試料101において、両面の保護層に表3に
示す界面活性剤を添加し試料102〜115を作成し、試料を
コアの直径87mmに試料巾127mmにカットしたものを175m
温度35℃、湿度55%RHで5日間ロール状に巻いて、保存
した後、下記の評価を行った。
【0159】(くっつき耐性試験)両面塗布剤試料、及
びプリント剤試料を各127mm×89mmの大きさに揃えて裁
断した後、それを50枚ずつ重ねて束ねた状態で、23℃、
80%RHの恒温高湿下に7日間保存した後、試料の接着状
態を次の様に評価した。
【0160】A・・・接着が全く起きていない B・・・接着面積が1〜10%であり、試料間の剥離に抵抗
なし C・・・接着面積が10〜50%であり、試料間の剥離を行う
と面積表面を損なう D・・・接着面積が50%以上であり、試料間の剥離を行う
と画像形成層を破壊し、画像表面を著しく損なう。
【0161】(光沢の評価)白色光で露光した試料を、
下記の現像処理工程Aを行い、得られた黒地試料の表面
の光沢度を日本電色工業(株)製VG−ID型光沢度計に
より入射角60°、受光角60°で測定した。
【0162】尚表3には、A面とB面の平均値を示す。
【0163】(感度)感度の評価は各試料について光学
ウェッジと赤フィルターを介して0.5秒の露光を与えた
後、以下の現像処理を行った。得られた試料を光学濃度
計(コニカ(株)製PDA−65型)を用いて濃度測定を行
い、カブリ濃度より0.8高い濃度を与えるのに必要な露
光量の逆数で、試料101の感度を100とした相対値で表し
た。
【0164】尚表3には、A面とB面の平均値を示す。
【0165】(経時保存性)経時保存性の評価を行うた
めに、各試料を2ロールずつ用意し一方は40℃、相対湿
度40%で3週間保存し、他方を冷蔵庫で保存した。こう
して経時保存した試料を光学ウェッジと赤フィルターを
介して0.5秒の露光を与えた後、以下の現像処理を行っ
た。冷蔵庫保存の試料において上記と同様に感度を求
め、この時の感度をS1とする。同様に経時保存した試
料の感度S2を求めた。感度変化をS2/S1で表示し
た。1に近い値ほど経時保存での経時変動が小さいこと
を表す。
【0166】尚表3には、A面とB面の平均値を示す。
【0167】結果を表3に示す。
【0168】
【表3】
【0169】表3に示されるように、本発明の試料は比
較試料に比して、くっつき、両面シーズニング、光沢、
経時保存性のいずれにおいても優れていることがわか
る。
【0170】
【発明の効果】本発明により、支持体の両面に画像形成
ができ、くっつきがなく、両面同時にシーズニングが可
能なハロゲン化銀カラー写真感光材料が得られた。更
に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、光沢が良好
で、しかも経時保存性が良好であることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 7/00 520 7/26 7/392 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の両面に樹脂被覆層を設けてなる反
    射支持体のそれぞれの側に、少なくとも一層のシアン発
    色性ハロゲン化銀乳剤層、少なくとも一層のマゼンタ発
    色性ハロゲン化銀乳剤層および少なくとも一層のイエロ
    ー発色性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料において、少なくとも一方の側の該支持
    体から最も遠い層に少なくとも1種のベタイン系界面活
    性剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写
    真感光材料。
  2. 【請求項2】 原紙の両面に樹脂被覆層を設けてなる反
    射支持体のそれぞれの側に、少なくとも一層のシアン発
    色性ハロゲン化銀乳剤層、少なくとも一層のマゼンタ発
    色性ハロゲン化銀乳剤層および少なくとも一層のイエロ
    ー発色性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料において、少なくとも一方の側の該支持
    体から最も遠い層に少なくとも1種の含フッ素系界面活
    性剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写
    真感光材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料において、支持体とハロゲン化銀乳剤層
    の間に少なくとも1層の遮光層と少なくとも1層の白色
    顔料を含有する層を有することを特徴とする請求項1又
    は2記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 反射支持体に白色顔料を含有し、該白色
    顔料の添加密度が15wt%以上である事を特徴とする請求
    項1、請求項2または請求項3記載のハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2372453A1 (en) * 2008-12-02 2011-10-05 China Lucky Film Group Corporation Double-faced photosensitive color photographic paper
CN110354755A (zh) * 2019-07-15 2019-10-22 四川轻化工大学 一种新型含氟甜菜碱型表面活性剂及其制备方法和应用

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