JPH0893186A - 建築用パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】金属サイディングでありながら、縦と横の目地
が入り交じったいわゆる石積み調の壁面を得る。 【構成】横張り用金属サイディング１，２を、幅寸法：
長さがおおむね１：１〜５程度とし、切断端面の表面材
を折下げたものを、１ピースとする。左右両端辺を折上
げ、上下端部には金属サイディングの上下端部の嵌合構
造に内側で沿うような嵌合構造を有した連結部材を目地
棒３とし、隣り合う二枚の金属サイディングを目地棒に
よって連結する構造。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築物の内外装の壁
材、特に金属薄板を表面材とし、断熱材を裏打ちした、
いわゆる金属サイディングに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、金属サイディングによる壁面意匠
では、垂直目地か、水平目地かといった二つしかなかっ
た。つまり、縦張りのサイディングであれば垂直方向に
無数の目地線が現れ、横張りのサイディングであれば水
平方向に無数の目地線が現れるといった単調なものであ
った。したがってこれを住宅の外壁に使用すると、建物
に重厚感が無くイメージダウンは避けられないものであ
った。

【０００３】金属板を表面材とする金属サイディングで
は、軽量性による施工性の良さと、断熱材積層による断
熱性能の優秀さによって普及してきたものの、上記のよ
うにデザイン上画一的なため、普及品のイメージを払拭
できなかった。したがって、金属薄板製であって、施工
後、重厚な石積みの様に縦横の目地線が現れる金属サイ
ディングが要望されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題点】本発明は、施工性の
良さと断熱性能を損なうことなく、壁面に縦横に目地線
が現れるいわゆる石積み調の金属製の建築用パネルを提
供するものである。すなわち、軽量な金属板を表面材と
し、金属板の成型によって連結機能を持ち、また断熱材
を複合することで断熱性能を向上させるといった、金属
サイディング本来の長所を保ちつつ重厚なデザインを表
現するものである。

【０００５】今日の成型技術によれば、縦横の両方向に
嵌合構造を有する金属パネルを製造することは不可能で
はないものの、金属薄板のプレス加工、断熱材複合加工
などをパネル一枚毎に行っていては、コストアップとな
り、安価という金属サイディングの特徴の一つが失われ
てしまう。また、壁面上に目地が縦横に現れることで、
表面の雨水の垂下する通路が複雑になり、最大の問題で
ある雨仕舞が悪化して、漏水を引き起こし、これを防ぐ
ためにさらに複雑な形状が要求され、シーリングも必要
となるので施工性が低下し、金属サイディングのもう一
つの特徴まで失ってしまう。

【０００６】

【課題点を解決するための手段】本発明者は上記問題点
を解消するため、すなわち、安価に製造でき、施工性、
断熱性、および軽量性を有し、かつ雨仕舞に優れたパネ
ルであって、図１のような石積み調の壁面を実現するた
め、 ・連続生産による金属サイディングを半製品とし、これ
に追加工することで、長手方向両端辺の連結構造加工工
程、さらに断熱材複合工程を利用し安価に製造できるよ
うにした。 ・また同様に、元来の軽量性を保持させた。 ・金属サイディング切断端部の表面材を、断熱材を覆う
ように折下げ加工し、一例として図２のような目地棒を
発明し、この目地棒と前記サイディングの端部折下げ部
をかみ合わせることで縦目地部の雨仕舞を完壁なものと
した。 ・また、この目地棒を予め金属サイディングの端部に装
着しておくことにより、施工性をさらにアップさせた。

【実施例】

【０００７】本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。図３は本発明による金属サイディングと目地棒を示
したものである。金属サイディングは、いわゆるヨコ張
りサイディングで、その断面形状は上端辺においては、
釘打ち固定するための垂直な固定辺、固定辺下端から雄
型凸状に連なるＵ字溝、雄型凸状、雄型凸状下端から化
粧辺に連なる傾斜辺、傾斜辺から連なる垂直な化粧辺を
有し下端辺に連なるものであり、下端辺においては、化
粧辺から鋭角に内方に向かう水切り辺、水切り辺から上
方に連なる逆Ｕ字状の雌型溝からなるものである。上下
に隣り合うサイディングによって水切り辺と、傾斜辺
と、雄型凸状辺とによって概台形の水平な目地が現れる
ことになる。切断端部については、化粧辺部の表面金属
板を端部より突出させて、上記傾斜辺と化粧辺と水切り
辺とに囲まれる概四角形を覆うように折下げたものであ
る。一方、目地棒は、胴体部で左右両側のＬ字型折り上
げ部により横断面が概倒コ字型のものであり、上端部に
は該サイディング上端辺の固定辺と、Ｕ字溝と、雄型凸
状とに内接する同形状を有し、下端部には上端同様、該
サイディング下端辺の雌型溝に内接する形状を有したも
のである。

【０００８】図３に示すように、金属サイディングは幅
寸法と長さ寸法とを１：１〜５程度として、一枚のサイ
ディングが一ブロックの石の大きさとした。また図４に
示すように、左右に隣り合う２枚のサイディング端部の
折り下げと、上記目地棒の両側のＬ字型折り上げ部と掛
かり合うことによって、サイディング端部の折り下げ
と、目地棒の倒コ字の底辺とによって概四角形の縦溝を
形成し、同時にサイディングの上下端部の連結部に目地
棒の上下端部が内包されることにより縦横の目地が完成
する。

【０００９】施工方法としては、おおむね従来のヨコ張
りサイディングと同様であるが、下地胴縁としては図５
に示すように縦目地となる目地棒のピッチに相当させて
縦胴縁を配設する。手順としては、まず一枚のサイディ
ングを取り付けておき、これに隣り合う他のサイディン
グの端部に目地棒を装着し、目地棒を介して連結してゆ
く。上段のサイディングを取り付ける際、サイディング
長さを２分の１ずらして取り付ければ施工後の壁面は千
鳥格子のようになる。さらに、目地棒をサイディングの
片端に予め装着しておけばさらに施工は迅速になる。

【００１０】

【効果】本発明は、目地棒を縦目地として採用すること
によって、従来不可能であった金属サイディングによる
千鳥格子すなわち、石積み調の壁面を簡単な施工によっ
て実現するものである。この金属サイディングと目地棒
は、金属サイディング端部の表面材の折り下げと目地棒
の折り上げが互いに掛かり合い、目地棒の胴体部底面と
で形成される凹状溝が縦目地となり雨水を通し、下段の
サイディングの傾斜辺に落とすので、完壁な雨仕舞とな
る。また金属サイディング本体は、連続ラインによって
製造されるものへの追加工によって生産できるので、上
下端辺の連結構造がロールフォーミングによる成型や、
硬質ウレタンフォーム等の断熱材の注入工程など安価で
なおかつ高精度に実施できる。また同様に、元来の軽量
性を保持しているので本物の石材に比べて、圧倒的な施
工性の良さを有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の建築用パネルによる住宅の壁面を示す
斜視図である。

【図２】本発明による目地棒の実施例を示す図である。

【図３】同じく建築用パネルの実施例を示す図である。

【図４】同じく縦目地付近の横断面図である。

【図５】本発明による建築用パネルの取付施工模様を示
す図である。

【符号の説明】

１、２、４、７、８、；金属サイディング本体 ３、５、６、９；目地棒 １０；縦胴縁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 横長の金属板の上下両側縁に雄、雌型連
   結部を形成した断面凹状の表面材と、該表面材の凹状部
   に充填した芯材と、芯材の裏面を被覆する裏面材とを一
   体に成型し、切断端部の表面材を、芯材端面を被覆する
   ようにカギ状に折り下げたことを特徴とするサイディン
   グと、別部材である、左右両側のＬ字型折り上げ部によ
   り横断面が概倒コ字型の胴体部と、上下端には該サイデ
   ィングの上下両側縁の雄、雌型の連結部とそれぞれ内側
   で密接する類似形状の雄、雌型挿入部による目地棒から
   なり、長手方向に隣り合う前記サイディングどうしを該
   目地棒によって連結することを特徴とする建築用パネ
   ル。
2. 【請求項２】前記請求項１記載の建築用パネルにおい
   て、サイディングの少なくとも片側端に前記目地棒を予
   め装着してなることを特徴とする建築用パネル。