JP4014178B2 - 外装材接続構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、横葺用外装材を用いて外装を形成した際の縦目地部における外装材接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、横葺き用屋根材、横張り用外壁材等の外装材を施工した際の継手構造は、(1)外装材の両側縁をはぜ状に屈曲し、互いにはぜ継ぎした構造、(2)敷目板とカバー材とにより外装材の側端部を上下でサンドイッチした構造、(3)外装材同士を単に重ねた構造、等であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(3)は防水性に劣り、(1)、(3)は外装材を重ねることにより段差が不揃いとなって意匠性の低下を招く不利があった。また(2)では、積雪地方での雪落としの際にカバー材を外装材の長手方向にスライドさせてしまい、継手部分が外部に露出してしまう危険性があった。さらに、継手材の構成が複雑で、形成が困難な上にコストアップを招くものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような欠点を除去するため、化粧面の幅方向の端部を裏面側に折り返し、裏面側に馳状に屈曲した連結片を形成し、裏面に裏打材を形成した上下端部が雄雌連結構造の外装材と、短尺板状の敷目部の下端を屈曲させた下辺と、敷目部の上端を下辺と逆方向に突出させた上辺と、敷目部の幅方向の両端を表面側に突出した雨返部とから構成される敷目板と、敷目板の裏面に形成した裏打材とからなる防水敷目板と、幅狭の防水片と防水片の両端を内方に屈曲して断面略コ字状に形成した係止溝とからなる継手材を用い、外装材間の縦目地部裏面に防水敷目板を載置し、相隣る外装材端部の連結片に継手材の係止溝を挿入して外装材同士を一体化することにより、施工性、防水性等の向上を図り、かつコストダウンを可能とした外装材接続構造を提案するものである。
【0005】
【実施例】
以下に、本発明に係る外装材接続構造について詳細に説明する。図1(a)、(b)は本発明に係る外装材接続構造を施工する家屋を示す平面図と施工された外装材Dを示す拡大平面図、図2(a)〜(c)は本発明に係る外装材接続構造に使用する部材である防水敷目板Aを示す説明図、図3(a)〜(g)は本発明に係る外装材接続構造に使用する部材である外装材Dを示す説明図、図4(a)、(b)は本発明に係る外装材接続構造に使用する部材である継手材Gを示す説明図である。
【0006】
防水敷目板Aは図5(a)〜(c)に示すように、家屋の外装材Dとして横張りの屋根材を施工する際に、縦目地部αの防水下地として機能し、躯体内に雨水が浸入しないように形成するものである。その形状としては、図2(a)(斜視図)、(b)((a)図のa−a部断面図)、(c)((a)図のb−b部端面図に示すように、敷目板Bと裏打材Cよりなるものである。
【0007】
敷目板Bとしては、短尺板状の敷目部1と、敷目部1の下端を屈曲させた下辺2と、敷目部1の上端を下辺2と逆方向に屈曲させた上辺3と、敷目部1の幅方向両端を表面側に折り返した雨返部4と、間隙5とから構成されるものである。
【0008】
敷目部1は縦目地部αから浸入した雨水が下地βまで浸入しないように形成したものである。
【0009】
下辺2は図5(a)に示すように後記する外装材Dの引っ掛け溝10内に挿入され固定される部分であると共に、縦目地部αから浸入した雨水が下段の外装材Dの表面上に速やかに流下するように形成したものである。
【0010】
上辺3と雨返部4は縦目地部αから浸入した雨水が下地βまで浸入しないように形成したものである。
【0011】
なお、敷目板Bの素材はカラー鋼板、アルミニウム板、チタン板、クラッド鋼板、銅板等の薄金属板、もしくは合成樹脂板等をロールフォーミング成形、押出成形、射出成形、プレス成形等して形成したもの等よりなるものである。
【0012】
裏打材Cは、シージングボード、シージングインシュレーションボート、プラスチックフォーム(ウレタンフォーム、ヌレートフォーム、フェノールフォーム等)、パーチクルボード、木質複合板、木毛セメント板、コンポージットパネル(コンパネ)、石膏ボード、珪酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ALC板等であり、断熱性、防火性、防音性、遮音性、等を有し、また外装材Dの強度の向上にも寄与するものである。
【0013】
さらに詳説すると防水敷目板Aは、図5(a)〜(c)に示すように、外装材Dを施工した際の縦目地部αの裏面部に敷設されることで縦目地部αの防水性の向上に寄与するものであり、縦目地部αより内部に浸入した雨水は、上辺3、雨返部4に囲まれた敷目部1上を流下して下段の外装材D上に速やかに流下されるものである。なお、敷目板Bは単純な形状とすることにより形成を容易ならしめ、コストダウンを図ったものである。
【0014】
また、防水敷目板Aの下端は、下段の外装材Dの嵌合縁12と上段の外装材Dの段差化粧面8と差込縁9により嵌合されているために、特に固定具γにより固定しなくとも移動せず、防水性が良好である。
【0015】
さらに敷目板Bと裏打材Cとの一体化は接着剤、あるいは裏打材Cが液状の樹脂を発泡させて形成する合成樹脂発泡体等の場合には、その自己接着性を利用して接着一体化するものである。なお、βは下地、γは固定具である。
【0016】
外装材Dは、例えば図3(a)〜(g)に示すような構成のものを使用する。なお、図3(a)は正面図、図3(b)は背面図、図3(c)は(a)図の拡大右側面図、図3(d)は(b)図のc−c部拡大断面図、図3(e)は(b)図のd−d部拡大断面図、図3(f)は(b)図のe−e部拡大端面図、図3(g)は(b)図のf−f部拡大端面図である。屋根材Eの素材としては、金属板(カラー鋼板、銅板、アルミニウム板、チタン板、ステンレス板、サンドイッチ鋼板、クラッド鋼板等)をロール成形、プレス成形、押出成形等によって形成したものである。
【0017】
屋根材Eは長尺状であり、その幅方向の一端部を化粧面6の下側、すなわち裏面7側に略コ字状に屈曲して段差化粧面8と差込縁9とを形成した雄型連結部11としたもので、化粧面6と段差化粧面8と差込縁9とから略コ字状の引っ掛け溝10を形成したものである。
【0018】
また、化粧面6の幅方向の他端には化粧面6の上側に屈曲して断面略U字状に形成した、前記差込縁9と嵌合する嵌合溝12と、嵌合溝12の先端をコ字状に折り返した嵌合縁13と、嵌合縁13の先端を下方に屈曲すると共に化粧面6と略平行で外方にL字状に屈曲して延長した固定片14を形成した雌型連結部15を形成したものである。
【0019】
さらに、図3(f)、(g)に示すように化粧面6の長手方向の両側端縁には、それぞれ裏面7側に馳状に屈曲した連結片16を形成したものである。連結片16は図6(a)〜(c)の(b)、(c)図に示すように、後記する継手材Gの係止溝20に係止され、外装材D同士を接続するためのものである。
【0020】
裏打材Fは、シージングボード、シージングインシュレーションボート、プラスチックフォーム(ウレタンフォーム、ヌレートフォーム、フェノールフォーム等)、パーチクルボード、木質複合板、木毛セメント板、コンポージットパネル(コンパネ)、石膏ボード、珪酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ALC板等であり、断熱性、防火性、防音性、遮音性、等を有し、また外装材Dの強度の向上にも寄与するものである。
【0021】
また、外装材Dには図7(a)〜(c)に示すように連結する際に裏打材Cが邪魔にならないように、切り欠き17を形成するものである。
【0022】
継手材Gは図4(a)、(b)((a)図の断面図)に示すように、水平面状の防水片18と、防水片18の両端縁を内方に屈曲した係止片19と、断面略コ字状の係止溝20とから形成したものである。なお、継手材Gの素材はカラー鋼板、アルミニウム板、チタン板、クラッド鋼板、銅板等の薄金属板、もしくは合成樹脂板等をロールフォーミング成形、押出成形、射出成形、プレス成形等して形成したもの等よりなるものである。また、図4(b)に示すように継手材Gの係止片19間の幅をw、係止溝20間の幅をt、図6(b)に示すように外装材D間の縦目地部αの幅をW、縦目地部αにおける外装材Dの連結片16間の幅をTとすると、ほぼw=W、t=Tで、w>W、t>Tの関係である。なお、連結片16と係止片19の長さはほぼ同じ長さとするものである。
【0023】
防水片18は図6(c)に示すように、連結された外装材Dの縦目地部αにおいて、流水路として機能し、内部まで雨水が浸入しないように形成したものである。
【0024】
係止片19と係止溝20は、外装材Dの連結片16と図6(c)に示すように係止し、外装材Dを縦目地部αにおいて接続するためのものである。なお、図2(a)に示すように防水敷目板Aの幅をL、図4(a)に示すように継手材Gの長さをL1 、図3(a)に示すように屋根材Dの幅L2 とすると、L>L1 ≧L2 の関係である。
【0025】
以下に、図面を用いて本発明に係る外装材接続構造について簡単に説明する。図2(a)〜(g)に示すような外装材Dは、図7(a)〜(c)に示すように固定片14を下地βに固定具γを用いて固定されると共に、外装材D同士は嵌合溝12に差込縁9を係合して一体化されて、軒から棟まで複数段施工される。
【0026】
縦目地部αの施工は図6(a)〜(c)、図5(a)〜(c)に示すように、縦目地部αが形成されるピッチで下段の外装材Dの嵌合縁13に防水敷目板Aの敷目部1の下片を載せるようにして複数個の防水敷目板Aを載置する。その後、外装材Dを縦目地部αに間隔Wを空けて図5(c)、図6(b)、図7(b)、(c)に示すように施工する。
【0027】
継手材Gの施工は、図6(c)、図8〜図12(a)〜(d)に示すような順序で外装材Dの連結片16に継手材Gの係止溝20を係止して縦目地部αを形成するものである。
【0028】
なお、図8〜図11(a)、(b)において、図8、図9、図10(a)、図11(a)は外装材Dの表面側から見た図、図10(b)、図11(b)は外装材Dの裏面側から見た図である。
【0029】
勿論、継手材Gは上下の外装材D同士を連結した後に行うために、図12(a)、(b)に示すように、下段の外装材Dに連結された相隣る外装材Dを図12(a)の矢印イに示すように持ち上げてから継手材Gを矢印ロ方向に挿入し、挿入後、図12(b)の矢印ハに示すように外装材Dを降ろし、その後固定片14を固定具γにより固定して施工するものである。
【0030】
また、外装材Dの固定片14は裏面に継手材Gが存在しない部分を一定ピッチで固定するものである。
【0031】
以上のような各工程を順次行うことにより、防水敷目板A、外装材D、継手材Gの施工を完了するものである。なお、縦目地部αの施工順序としては、縦目地部αへの防水敷目板Aの載置−縦目地部αにおける相隣る外装材Dの連結−縦目地部αにおける相隣る外装材Dの連結片16同士への継手材Gを挿入、接続および固定の順序で、軒から棟まで順次施工するものである。
【0032】
勿論、唐草、ケラバ、棟包み、下り棟包み、谷樋、等の各種付属品を使用して施工するものである。なお、下地β上に図示した2点鎖線はアスファルトルーフィング等の防水シートである。
【0033】
以上説明したのは、本発明に係る外装材接続構造の代表例にすぎず、防水敷目板Aを図13(a)〜(c)、図14(a)〜(c)、外装材Dを図15(a)〜(f)〜図17(a)〜(f)、継手材Gを図18(a)〜(e)〜図20(a)〜(e)に示すように形成することができる。
【0034】
すなわち、図13(a)〜(c)、図14(b)は敷目部1に防水突起21を形成した防水敷目板Aであり、特に図13(b)、(c)は下辺2に係合片22を形成し、係合力を強化した防水敷目板Aである。また、図14(a)〜(c)は合成樹脂(プラスチック)、アルミ合金等より形成した防水敷目板Aである。
【0035】
図15(a)〜(f)〜図17(a)〜(f)は外装材Dの化粧面6を変形したものであり、特に図16(a)〜(f)は裏打材Fを芯材Hと裏面材Iとから形成した外装材Dである。
【0036】
芯材Hはシージングボード、シージングインシュレーションボート、プラスチックフォーム(ウレタンフォーム、ヌレートフォーム、フェノールフォーム等)、パーチクルボード、木質複合板、木毛セメント板、コンポージットパネル(コンパネ)、石膏ボード、珪酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ALC板等であり、断熱性、防火性、防音性、遮音性、等を有し、また外装材Dの強度の向上にも寄与するものである。
【0037】
なお、裏面材Iとしては、金属材、あるいはアスベスト紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミ紙、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート等からなるものである。
【0038】
また、図17(a)〜(f)は裏打材Fを平板状に形成したものを使用したもので、特に(e)、(f)図は接着剤23により屋根材Eと一体化した外装材Dである。
【0039】
図18(a)〜(e)において、(a)図は係止片19を傾斜して形成した継手材G、(b)、(c)図と(d)、(e)図、および図19(e)は防水片24を形成し、上端からの雨水の内部への浸入を防止した継手材Gである。
【0040】
図20(a)〜(e)は係止片19を切り欠いて形成し、施工性を向上した継手材Gである。
【0041】
【発明の効果】
上述したように本発明に係る外装材接続構造によれば、(1)単純な形状の2つの部材(防水敷目板、継手材)を組み合わせただけで外装材を連結できるため、部材の製造が容易で、ローコストである。(2)目地部の防水を確実に行える。(3)施工が容易であり、かつ強固に外装材を連結できる。(4)外観が美しい目地部となる。(5)裏打材を形成した外装材の横方向の連結を、単純な構造で可能とした。(6)下段の外装材に連結された相隣る上段の外装材を持ち上げてから継手材を挿入できるので、裏打材を形成した外装材でも簡単に連結できる。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外装材接続構造を施工する家屋の代表例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る外装材接続構造に用いる防水敷目板の代表例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る外装材接続構造に用いる外装材の代表例を示す説明図である。
【図4】本発明に係る外装材接続構造に用いる継手材の代表例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る外装材接続構造の防水敷目板の施工状態を示す説明図である。
【図6】本発明に係る外装材接続構造の施工順序を示す説明図である。
【図7】本発明に係る外装材接続構造の外装材の施工状態を示す説明図である。
【図8】本発明に係る外装材接続構造の継手材の施工順序を示す説明図である。
【図9】本発明に係る外装材接続構造の継手材の施工順序を示す説明図である。
【図10】本発明に係る外装材接続構造の継手材の施工順序を示す説明図である。
【図11】本発明に係る外装材接続構造の継手材の施工順序を示す説明図である。
【図12】本発明に係る外装材接続構造の継手材の施工順序を示す説明図である。
【図13】防水敷目板のその他の例を示す説明図である。
【図14】防水敷目板のその他の例を示す説明図である。
【図15】外装材のその他の例を示す断面図である。
【図16】外装材のその他の例を示す断面図である。
【図17】外装材のその他の例を示す断面図である。
【図18】継手材のその他の例を示す説明図である。
【図19】継手材のその他の例を示す説明図である。
【図20】継手材のその他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
α 縦目地部
β 下地
γ 固定具
A 防水敷目板
B 敷目板
C 裏打材
D 外装材
E 屋根材
F 裏打材
G 継手材
H 芯材
I 裏面材
1 敷目部
2 下辺
3 上辺
4 雨返部
5 間隙
6 化粧面
7 裏面
8 段差化粧面
9 差込縁
10 引っ掛け溝
11 雄型連結部
12 嵌合溝
13 嵌合縁
14 固定片
15 雌型連結部
16 連結片
17 切り欠き
18 防水片
19 係止片
20 係止溝
21 防水突起
22 係合片
23 接着剤
24 防水片
Claims (1)
- 化粧面の幅方向の端部を裏面側に折り返し、裏面側に馳状に屈曲した連結片を形成し、裏面に裏打材を形成した上下端部が雄雌連結構造の外装材と、短尺板状の敷目部の下端を屈曲させた下辺と、敷目部の上端を下辺と逆方向に突出させた上辺と、敷目部の幅方向の両端を表面側に突出した雨返部とから構成される敷目板と、該敷目板の裏面に形成した裏打材とからなる防水敷目板と、幅狭の防水片と該防水片の両端を内方に屈曲して断面略コ字状に形成した係止溝とからなる継手材を用い、外装材間の縦目地部裏面に防水敷目板を載置し、下段の外装材に連結された相隣る外装材を持ち上げてから継手材を挿入し、挿入後、外装材を降ろし、その後固定片を固定具により固定して外装材同士を一体化したことを特徴とする外装材接続構造。
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