JPH0892771A - 防食性に優れる被覆鋼材 - Google Patents

防食性に優れる被覆鋼材

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JPH0892771A
JPH0892771A JP22967394A JP22967394A JPH0892771A JP H0892771 A JPH0892771 A JP H0892771A JP 22967394 A JP22967394 A JP 22967394A JP 22967394 A JP22967394 A JP 22967394A JP H0892771 A JPH0892771 A JP H0892771A
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JP
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coating
steel
film
chromate
corrosion
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JP22967394A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kishikawa
浩史 岸川
Hideaki Yuki
英昭 幸
Masato Yamashita
正人 山下
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期にわたりその防食性を維持し、樹脂塗膜の
塗り替え期間を大幅に延長することのできる防食性に優
れた被覆鋼材の提供。 【構成】耐候性鋼の表面に、Cr付着量が50〜100
0mg/cm2 のCrを主体とするクロメート被膜を有
し、このクロメート被膜上に厚さが50μm以上の防食
塗膜を有することを特徴とする防食性に優れた被覆鋼
材。 【効果】特に、海岸近傍の海塩粒子飛来環境下の土木或
いは建築構造物に適用した場合、赤錆や黄錆等の浮き錆
や流れ錆を生じることなく、長期間の防食が可能で鋼材
の防食に関するメンテナンスが削減され、従来の塗り替
え周期7年が20年以上に延長することが可能な被覆鋼
材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面処理鋼材に関し、
より詳しくは、長期にわたりその防食性を維持し、塗膜
の塗り替え期間を大幅に延長することができる防食性に
優れた被覆鋼材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼の大気中における耐食性は、
鋼にCr、Cu、Ni、P等の元素を添加することによ
って向上させることができる。これら元素を積極的に添
加した低合金鋼は、通常、耐候性鋼と呼ばれるが、屋外
において数年ないし数十年で腐食に対して保護性のある
錆(以下、耐候性錆という)を形成し、以後樹脂塗装等
によって塗膜を形成する耐食処理操作を不要とするいわ
ゆるメインテナンスフリー鋼である。
【0003】しかし、耐候性錆が形成されるまでには数
年ないし数十年かかるため、それまでの期間中に赤錆や
黄錆等の浮き錆や流れ錆が生じ、外見的に好ましくない
ばかりでなく、周囲環境の汚染原因になるという問題を
有しており、特に海塩粒子が飛来する環境下でおいて
は、この傾向の著しいのが大きな問題であった。
【0004】この問題については、例えば、特公昭53
−22530号公報に、鋼材を樹脂で被覆して流れ錆が
生成するのを防止することによって安定錆を形成させる
方法が提案されているが、この方法では腐食性の厳しい
環境下での流れ錆の生成防止が不十分であるばかりでな
く、安定錆の生成までの時間が長期化し、その間に被膜
に色むらを生じて景観性を損なうという欠点がる。ま
た、特公昭56−33911号公報には、鋼材を樹脂で
2層被覆する方法が提案されており、この方法では流れ
錆自体の生成防止は可能であるものの、数年から10年
以上という長期になると、下地鋼材からの錆による変色
が目立ち、景観性を失うとともに、表面が完全に安定錆
で覆われる状態になるまでに、なお数年以上の期間を必
要とするため、この間景観性が維持できないという欠点
がある。
【0005】一方、耐候性鋼に通常の樹脂塗装を行い、
普通鋼よりも塗膜の塗り替え周期を延長しようとする試
みも行われている。ところが、樹脂塗膜を通して水分や
酸素が鋼表面に達すると、鋼表面での腐食反応により、
容易に樹脂塗膜が脱落していき、樹脂塗膜の寿命そのも
のの延長にはあまり効果がなく、普通鋼に比べて同等あ
るいは高々2割程度の寿命延長しか期待できないという
欠点がある。
【0006】ところで、普通鋼の鋼材にクロメート処理
を施した後、その上に樹脂塗膜を形成させると、樹脂塗
膜の接着耐久性が著しく向上し、樹脂塗膜の寿命延長を
図り得ることが知られている。しかし、耐候性鋼にクロ
メート処理をして使用した例は、今だ見当たらない。こ
れは、本来、耐候性鋼が、鋼材自体の腐食による安定錆
の生成によって防食するという機能を有するものである
ため、耐候性鋼の防食性を高めるクロメート処理は概念
が相反することになるからである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の実状に鑑み、長期にわたりその防食性を維持し、樹脂
塗膜の塗り替え期間を大幅に延長することのできる防食
性に優れた被覆鋼材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の防食性に
優れた被覆鋼材を要旨としている。
【0009】耐候性鋼の表面に、Cr付着量が50〜1
000mg/cm2 のCrを主体とするクロメート被膜
を有し、このクロメート被膜上に厚さが50μm以上の
防食塗膜を有することを特徴とする防食性に優れた被覆
鋼材。
【0010】本発明者等は、樹脂塗膜の長寿命化につい
て鋭意検討の結果、耐候性鋼にクロメート処理を施すに
際し、Cr付着量で50〜1000mg/cm2 になる
ようにクロメート被膜を形成させた後、このクロメート
被膜の上に厚さが50μm以上の樹脂からなる防食塗膜
を形成させることにより、長期の耐久性を有する防食被
覆鋼材を得られることを見いだし本発明をなした。
【0011】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】[素材鋼]本発明の被覆鋼材を構成する素
材鋼としては、0.3〜1.25重量%のCrを含有す
る耐候性鋼を用いる必要がある。これは、鋼表面に形成
させたクロメート被膜は、水分の透過によるクロメート
被膜中からのCr溶出等によって損傷するが、この損傷
を回復させるにはCrが素材鋼中から溶出し、再度鋼表
面に不働態性被膜が再構築されるようにする必要があ
り、これによって素材鋼材の耐食性を維持することがで
きることになるからである。また、耐候性鋼中のCr
は、Crとともに耐候性鋼中に含有されるCu、Ni、
P等の元素と同様に、腐食により溶出したFeイオンを
安定な化合物であるα−FeOOHに変換させる作用を
有しており、その後の腐食を抑制する。この結果、鋼材
/クロメート被膜界面での接着損傷を微小に抑え、後述
する防食塗膜の接着耐久性を飛躍的に向上させることが
できる。
【0013】これに対し、素材に普通鋼を用いると、上
記のようなCr、Cu、Ni等の有効元素を含まないた
め、クロメート皮膜中のCrが溶出等により一旦損傷す
ると、その部分から腐食が進行する。すなわち、この場
合の腐食生成物は、γ−FeOOHが主となり、γ−F
eOOHは、それ自身がFeの酸化剤として鉄を腐食さ
せるとともに、Fe3 4 に還元される。Fe3
4 は、水と酸素により再びγ−FeOOHに酸化され、
この反応を繰り返し、Feの腐食を進行させるからであ
る。
【0014】ここで、耐候性鋼とは、JIS−G311
4或いはJIS−G3125に規定されているCr、C
uさらにはNi等の耐食性に寄与する元素を所定量含有
している低合金鋼のことである。
【0015】[クロメート被膜]上記素材鋼の表面に形
成させるクロメート被膜は、その被膜中のCr付着量が
50mg/cm2 以上、1000mg/cm2 以下であ
る必要がある。すなわち、50mg/cm2 未満である
と、耐食性が劣り、逆に1000mg/cm2 を超える
と、クロメート被膜それ自体の凝集力が弱いため、クロ
メート被膜の凝集破壊による防食塗膜の剥離を生じ易く
なるからである。
【0016】クロメート被膜中には、被膜中の総Cr量
に対してシリカ微粒子が0.5〜2.5の範囲で含有さ
れることが好ましい。これは、クロメート被膜中のシリ
カが、上塗りの防食塗膜と強固な水素結合を形成するこ
とにより、防食塗膜の密着性を著しく改善するためであ
る。なお、この時、シリカ分が総Cr量に対し0.5未
満ではその効果が小さく、逆に2.5を超えると防食性
に有効なCr分が減少するため、かえって接着耐久性を
損なうことになる。
【0017】クロメート被膜は、素鋼材の表面を酸洗、
脱脂、ブラスト等の公知の方法で清浄にしてから形成さ
せる必要がある。これは、鋼表面に錆、スケール、油脂
等が残存していると、鋼とクロメート被膜との界面での
接着力を弱め、後述の防食塗膜の接着耐久性を損なうた
めである。
【0018】クロメート被膜を形成させるためのクロメ
ート処理液は、6価のCrと3価の混合液が好ましく、
またシリカ微粒子を含むことがさらに好ましい。
【0019】クロメート被膜の形成は、クロメート処理
液中に鋼材を浸漬するか、或いはクロメート処理液をス
プレー、刷毛塗り、しごき塗りする等適宜な公知の方法
で行えばよい。ただし、スプレー塗りについては、安全
衛生上問題のある6価Crおよび3価Crが周囲に飛散
しないように注意することが肝要である。
【0020】上記シリカ微粒子とは、水に分散した状態
でコロイド上になる物質であり、例えば、日本アエロジ
ル社製のアエロジル200、アエロジル300、日本シ
リカ工業社製のニップシールE200、ニップシールE
200A等を例示することができる。
【0021】また、形成されるクロメート被膜中の6価
Crと3価Crの比は、0.25〜1の範囲であること
が好ましい。これは、その比が1を超える、すなわち6
価Crが3価Crより多くなると、水分透過時、クロメ
ート皮膜の溶出により、防食塗膜の接着劣化を招き易
く、また0.25未満になると、塗膜に疵が生じた時、
疵部の防食補修効果が劣るためである。
【0022】クロメート被膜中のCr6価、3価のコン
トロールは、クロメート被膜の焼き付け乾燥温度や、ク
ロメート処理液への還元剤添加により制御することがで
き、通常、クロメート処理液を塗布後、クロメート被膜
を熱風等により50〜80℃の温度に加熱して余分な水
分を乾燥させる。この時、さらに加熱を続け120℃以
上の温度にすることにより、6価のCrを3価に還元す
ることができる。
【0023】また、メタノール、エタノール、エチレン
グリコール、グリセリン等のアルコール類や、デンプ
ン、ぶどう糖等の糖類等を添加して還元剤として作用さ
せ、3価Crの比を高めることもできる。3価のCr
は、水不溶性の不働態的被膜を形成し、耐食性を向上さ
せるのに有効であるが、自己補修性に乏しいため、6価
Crと共存させることが好ましい。6価Crは、水溶性
であるが、クロメート被膜中に疵が生じると、その部分
に濃縮しFeを酸化すると共に自身は3価Crに還元さ
れ新たな不働態的被膜を再構築する作用を有する。
【0024】特に、クロメート液塗布後の加熱を100
℃以下の温度にとどめ、120℃以上での焼き付け処理
を行わない場合、処理液に還元剤を添加しておくのがよ
く、還元剤としては、効率のよいエチレングリコールや
グリセリン等の多価アルコールを用いるのがさらに好適
である。
【0025】この時、還元剤の添加と同時に、燐酸や硫
酸等を添加することにより液の貯蔵安定性を高めること
ができる。すなわち、還元剤を添加すると、常温でも還
元反応が進行し、3価Crの沈澱を生じる結果、この沈
澱を含む処理液を塗布してクロメート被膜を形成させる
と、このクロメート被膜上に上塗りする防食塗膜との密
着性を損なうことになる。
【0026】燐酸や硫酸等のアニオン酸は、水溶液中の
3価Crの安定性を増し、有害な3価Crの沈澱を防止
する作用を有し、特に燐酸を添加するのが好ましく、燐
酸自身も造膜形成能を有し、形成されるクロメート皮膜
の均一性を向上させる作用を有するため添加剤として好
適である。
【0027】[防食塗膜]防食塗膜は、その膜厚が50
μm以上とする必要がある。すなわち、その厚さが50
μm未満であると、バリアー効果が低く、水分の透過が
比較的速やかに起こる結果、下地鋼材が腐食し、錆の浸
透により塗膜外観が損なわれるだけでなく、最終的には
塗膜の剥がれを招き、長期の耐久性が得られないからで
ある。
【0028】なお、防食塗膜の厚さの上限については、
特に規定するものではないが、500μm以下とするの
が、経済性の点で好適である。これは、500μmを越
える膜厚にしても、塗膜寿命の向上効果が飽和し、樹脂
材料費や塗装施工費等が増大するため、経済的に不利に
なるからである。
【0029】防食塗膜を構成する材料としては、有機樹
脂を用いることができ、その種類は特に制限されない
が、例えばエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹
脂、フッソ樹脂、アルキド樹脂、ブチラール樹脂、フタ
ル酸樹脂等を例示することができる。
【0030】また、上記の樹脂は、これを塗料化して塗
装を行うが、溶剤系の塗料あるいは水性塗料にして使用
しても特に問題ない。ただし、フェノール樹脂(常温硬
化するタイプを除く)のように硬化に加熱を必要とする
もの、あるいはポリエチレン樹脂のように接着する時に
加熱して溶融させる必要がある樹脂は、施工性、経済性
の点で好ましくない。
【0031】また、長期にわたる防食性を確保するのみ
ならず、その意匠性を発揮させるためには、耐候(光)
性の良好な樹脂を使用するのが好ましく、例えばアクリ
ル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッソ樹脂等が好適で
ある。
【0032】防食塗膜としては、特に1層である必要は
なく、2層以上の多層塗膜に被覆することも可能であ
り、特にフッソ樹脂等他の樹脂との接着性に劣る樹脂
は、多層塗膜に被覆して層間接着性を向上させることが
好適である。
【0033】また、本発明における防食塗膜中には、ベ
ンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック、フタロシア
ニンブルー等の着色顔料、タルク、シリカ、マイカ、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム等の体質顔料、酸化クロ
ム、クロム酸亜鉛、クロム酸鉛、塩基性硫酸鉛等の防錆
顔料、その他チキソ剤、分散剤、酸化防止剤等慣用の添
加剤を含むことができる。これらの添加剤は、着色化に
よる意匠性の向上に寄与したり、防食性向上に寄与する
ものである。
【0034】以上に述べた防食塗膜は、通常の塗装方法
と同じくエアスプレー、エアレススプレーあるいは刷毛
塗り等慣用の方法で被覆することができ、場所を選ばず
施工が可能である。なお、被覆するにあたって、適当量
の溶剤または水により塗装作業に適した粘度に調整して
行うことは言うまでもないことであり、溶剤または水分
は、塗装後自然乾燥により蒸散していく。
【0035】本発明の被覆鋼材が、超長期の防食性を発
現するメカニズムの詳細は明かではないが、基本的には
耐候性鋼とクロメート被膜の相乗作用による界面安定性
の向上によるものと推定される。すなわち、普通鋼にク
ロメート処理を組み合わせても、若干の防食塗膜の寿命
延長効果はあるが、クロメート被膜中のCrの溶出とと
もに耐食性に有効な素材鋼からのCrの補給がないため
腐食が加速され、また耐候性鋼にクロメート処理無しで
防食塗膜を被覆しても、鋼表面にCrの不働態的被膜を
形成する前に鋼材/防食塗膜界面の腐食により防食塗膜
の接着耐久性が損なわれ、この結果、超長期の防食性が
発現されないのに対し、耐候性鋼にクロメート被膜を施
し、この上に防食塗膜を形成すると、鋼材から耐食性に
有効なCrが連続的に供給され長期にわたって、鋼面/
防食塗覆を結合する安定なクロメート被膜が維持され
る、この結果、超長期にわたる防食性能が発揮されるも
のとと推定される。
【0036】
【実施例】表1に示す化学成分を有する2鋼種(は耐
候性候、は普通鋼)を対象に、前処理として鋼材表面
の油脂やグリ−ス類を除去後、ショットブラスト処理に
よりSIS規格Sa2.5以上になるよう除錆した後、
表2に示す2種類のクロメート処理液(原液)と、表3
に示す7種類の樹脂とを用い、表4および表5に示す2
6種類の各種組み合わせで被覆鋼材を製作し、次に述べ
る各種の評価試験に供した。
【0037】なお、試験に供した試験片は、長さ150mm
×幅70mm×厚さ3.2mm の寸法ものを使用した。また、防
食塗膜の被覆は、表3に示す樹脂/添加剤配合組成に適
当量の溶剤を加えて粘度を500〜1000CPSにし
た塗料を作製し、エアレスプレー塗装により被覆した。
【0038】評価試験は、各試験片を同一条件のもと
に、海岸より10mの位置にある工業地帯に10年間暴
露して行った。また、腐食促進試験として塩水噴霧試験
(SST)を1年間、耐候性促進試験としてサンシャイ
ンウェザオメーター(WOM)試験を4000時間それ
ぞれ実施した。なお、SSTおよび暴露試験について
は、予めカッターナイフでクロスカットを入れた試験片
についても行った。さらに、WOM試験については、ブ
ラックパネル温度で、63℃、水スプレー12分/60
分の条件で行った。これらの促進試験は、自然暴露の約
20年に相当する。
【0039】各試験における評価は、外観、塗膜下の鋼
面腐食状況、クロスカット部からの防食塗膜の劣化幅に
より評価を行うとともに、総合評価を行い、その結果を
表4および表5に示した。なお、クロスカット部からの
塗膜劣化幅は、防食塗膜の一部に損傷を生じた後の塗膜
耐久性をシミュレートしたクロスカット部からの劣化幅
で評価した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】表4および表5に示すように、本発明例
(試験番号1〜19)では、耐候性鋼にCr付着量で5
0〜1000mg/cm2 の範囲内のクロメ−ト皮膜を
介して厚さ50μm以上の防食塗膜を被覆を有すること
により被覆鋼材の耐久性が飛躍的に向上していることが
わかる。
【0046】これに対し、比較例(試験番号20〜2
6)では、クロメ−ト被膜が無い(試験番号20、2
3)か、有ってもCr付着量が所定の範囲外であるもの
(試験番号21、また鋼材が普通鋼であるもの(試験番
号23、24)、防食塗膜が50μmより薄いもの(試
験番号25、26)は、防食性に劣り、超長期の耐久性
に劣ることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明の被覆鋼材は、超長期の耐久性に
優れており、特に海岸近傍の海塩粒子飛来環境下でも長
期の防食性を発揮するため、土木或いは建築構造物に適
用した場合、赤錆や黄錆等の浮き錆や流れ錆を生じるこ
となく、長期間の防食が可能で鋼材の防食に関するメン
テナンスが削減され、従来の塗り替え周期7年が20年
以上に延長することが可能になり、社会資本の充実に大
きく寄与する。
【0048】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐候性鋼の表面に、Cr付着量が50〜1
    000mg/cm2 のCrを主体とするクロメート被膜
    を有し、このクロメート被膜上に厚さが50μm以上の
    防食塗膜を有することを特徴とする防食性に優れた被覆
    鋼材。
JP22967394A 1994-09-26 1994-09-26 防食性に優れる被覆鋼材 Pending JPH0892771A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230088A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 濃厚塩化物環境での長期耐久性に優れる樹脂被覆鋼材とその製造方法

Cited By (2)

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JP2007230088A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 濃厚塩化物環境での長期耐久性に優れる樹脂被覆鋼材とその製造方法
JP4577238B2 (ja) * 2006-03-01 2010-11-10 住友金属工業株式会社 濃厚塩化物環境での長期耐久性に優れる樹脂被覆鋼材とその製造方法

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