JP2000239861A - 耐食性に優れるプレコート鋼板 - Google Patents

耐食性に優れるプレコート鋼板

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JP2000239861A
JP2000239861A JP11368104A JP36810499A JP2000239861A JP 2000239861 A JP2000239861 A JP 2000239861A JP 11368104 A JP11368104 A JP 11368104A JP 36810499 A JP36810499 A JP 36810499A JP 2000239861 A JP2000239861 A JP 2000239861A
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resin
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Hiroshi Kanai
洋 金井
Yujiro Miyauchi
優二郎 宮内
Atsushi Morishita
敦司 森下
Hiroyasu Furukawa
博康 古川
Kohei Ueda
浩平 植田
Toshiaki Shimakura
俊明 島倉
Katsuyoshi Yamazoe
勝芳 山添
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Nippon Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Nippon Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロメート処理に代わる防錆処理を施した、
耐食性に優れたプレコート鋼板を提供すること。 【解決手段】 プレコート鋼板は、鋼板に、固形分換算
で(1) 樹脂100 重量部、チオカルボニル基含有化合物0.
1 〜3000重量部、およびりん酸化合物0.01〜300重量部
(PO4 として)を含有する皮膜層、(2) 上記(1) にさ
らに微粒シリカ1〜2000重量部を含有する皮膜層、およ
び(3) 樹脂100 重量部、チオカルボニル基含有化合物0.
1 〜3000重量部、および微粒シリカ1〜2000重量部を含
有し、りん酸化合物を含まない皮膜層、(4)(1)〜(3) の
いずれかにさらにタンニンまたはタンニン酸0.2 〜50重
量部含有する皮膜層、のうち1層を下地処理層として有
し、さらにその上に防錆顔料を含む下塗り層を任意に有
しその上に着色された皮膜層を上層として有するか、ま
たは下地処理層上に防錆顔料含有の上層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐食性に優れるプレ
コート鋼板に係わり、特に亜鉛系めっき鋼板を原板とす
る耐食性に優れるプレコート鋼板、または耐食性ととも
に成形加工性、耐指紋性にも優れたプレコート鋼板に関
する。
【0002】
【従来の技術】家電用、建材用、自動車用などに、従来
の加工後塗装されていたポスト塗装製品に代わって、着
色した有機皮膜を被覆したプレコート鋼板が使用される
ようになっている。この鋼板は、特に、下地に亜鉛系の
めっき皮膜を有し、その上に有機皮膜を被覆したもの
で、美感を有しながら、加工性を有し、耐食性が良好で
あるという特性を有している。
【0003】例えば、特開平8−168723号公報に
は、皮膜の構造を規定することによって加工性と耐汚染
性、硬度として優れたプレコート鋼板を得る技術が開示
されている。また特開平3−100180号公報には、
特定のクロメート処理液を用いることで端面耐食性を改
善したプレコート鋼板が開示されている。
【0004】更に、特開平3−39485号公報には、
亜鉛系めっき鋼板の上にクロメート皮膜処理を行い、水
性樹脂にシリカとガラス転移温度が40℃以上のワック
スを分散した樹脂塗料をドライ膜厚で0.3〜3g/m
2 被覆したものが開示されている。また、特開平3−2
8380号公報には、電気亜鉛系めっき鋼板の上にクロ
メート皮膜処理を行い、カルボキシル化したポリエチレ
ン樹脂とテフロン潤滑剤からなる塗料をドライ膜厚で
0.5〜4g/m2 被覆したものが開示されている。こ
れらのプレコート鋼板は、めっき、クロメート、有機皮
膜の複合効果によって耐食性と共に、加工性、塗料密着
性を有し、加工後塗装を省略して、生産性や品質改良を
目的としており、現在では汎用的に使用されている。
【0005】一方、特開昭53−9238号公報には、
クロメート処理に代わる非クロム系防錆処理方法とし
て、チオ尿素とタンニンまたはタンニン酸を含有する水
溶液による処理技術が開示されているが、本防錆処理方
法を用いてプレコート鋼板を作製した場合、加工形状の
厳しい家電用途、自動車用途などに適用すると、加工部
での塗膜密着性が大きく劣る。更には、本防錆処理方法
は被覆する塗膜中に、クロム系の防錆顔料を添加しない
と耐食性が担保できず、非クロム系の防錆顔料を用いた
場合もしくは防錆顔料を添加しなかった場合は耐食性が
大きく劣る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなプレコート
鋼板においても、耐食性付与には主としてクロメート系
の防錆処理が行われている。クロメート処理は、水溶性
の6価のクロムで処理すると、3価クロムの難溶性皮膜
を形成してバリヤ効果を有するとともに、皮膜に傷が発
生すると6価クロムが溶出してバリヤを補修する性質が
あり、従って、耐食性に優れている特徴を有するので、
特に亜鉛系めっき鋼板の防錆用途では今日まで耐食性付
与皮膜としては専らクロメート処理が行われている。
【0007】しかしながら、クロメート処理から溶出す
る可能性のある6価クロムの毒性問題から最近ではノン
クロム防錆処理に対する要望が高まっている。そこで、
本発明では、このような要望に答え、耐食性に優れたプ
レコート鋼板、あるいは耐食性に優れるとともに加工
性、耐指紋性などを有するプレコート鋼板を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を、
鋼板に下記(1)〜(4) (1)固形分換算で樹脂100重量部、チオカルボニル
基含有化合物0.1〜3000重量部、およびりん酸化
合物0.01〜300重量部(PO4 として)を含有す
る皮膜層、(2)上記(1)にさらに微粒シリカ1〜2
000固形分と重量部を含有する皮膜層、(3)固形分
換算で樹脂100重量部、チオカルボニル基含有化合物
0.1〜3000重量部、および微粒シリカ1〜200
0重量部を含有し、りん酸化合物を含まない皮膜層、お
よび(4)上記(1)〜(3)のいずれかにさらにタン
ニンまたはタンニン酸0.2〜50重量部を含有する皮
膜層、のうち1層を下地処理層として有し、さらにその
上に着色された皮膜層を上層として有することを特徴と
するプレコート鋼板によって、達成する。
【0009】また、本発明によれば、前記下地処理層と
前記着色された皮膜層の間に防錆顔料を含む皮膜層を下
塗り層として有するプレコート鋼板も提供される。更
に、前記下地処理層の上に防錆顔料を添加した皮膜層を
上層として有するプレコート鋼板も提供される。本発明
のプレコート鋼板は、従来のクロメート処理したプレコ
ート鋼板に劣らない耐食性を有し、かつクロムを用いな
い、あるいはクロムの量を減らすことができる利点を有
する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のプレコート鋼板の防錆処
理は主として亜鉛めっき鋼板の防錆処理を目的として開
発されたが、本発明を適用できる鋼板は亜鉛めっき鋼板
や亜鉛合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板等に
限定されず、冷延鋼板、熱延鋼板、各種めっき鋼板、ス
テンレスなどのいずれにも好適に適用できる。
【0011】この鋼板には、下地処理前に、湯洗、アル
カリ脱脂などの通常の処理を行うことができる。本発明
の防錆処理を目的とする下地処理層は、樹脂をベースと
してチオカルボニル基含有化合物を含むことを特徴とし
ている。また、任意にタンニンまたはタンニン酸を含む
ことができる。下地処理層は特に水性樹脂をベースとし
た皮膜層である。ここで、水性樹脂としては、水溶性樹
脂のほか、本来水不溶性でありながらエマルジョンやサ
スペンジョンのように不溶性樹脂が水中に微分散された
状態になり得るもの(水分散性樹脂)を含めていう。こ
のような水性樹脂として使用できる樹脂としては、例え
ば、ポリオレフィン系樹脂、アクリルオレフィン樹脂、
ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アル
キド系樹脂、フェノール系樹脂、その他の加熱硬化型の
樹脂などを例示でき、架橋可能な樹脂であることがより
好ましい。特に好ましい樹脂は、アクリルオレフィン系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、および両者の混合樹脂であ
る。これらの水性樹脂の2種類以上を混合して、あるい
は共重合して使用してもよい。また、これらに架橋剤と
してメラミン樹脂などのアミノ樹脂、フェノール樹脂、
ブロック化イソシアネート樹脂などを加えても良い。
【0012】チオカルボニル基含有化合物は、硫化物で
あって、金属表面に吸着し易く、また酸化力も優れてい
るので、金属表面を不動態化して、防錆効果を奏する。
特に、チオカルボニル基含有化合物におけるチオール基
のイオンは、鋼板表面(特に亜鉛表面)の活性なサイト
に吸着されて防錆効果を発揮すると考えられる。また、
チオカルボニル基含有化合物は、樹脂皮膜の架橋促進剤
として作用し、樹脂皮膜のミクロポアを少なくして、水
や塩素イオンなどの有害イオンを効率よく遮断する効果
も有し、これも防錆効果に寄与すると考えられる。
【0013】本発明においてチオカルボニル基含有化合
物とは、チオカルボニル基(式1)
【0014】
【化1】 を有する化合物をいう。代表的には、
【0015】
【化2】 で表されるチオ尿素およびその誘導体、例えば、メチル
チオ尿素、ジメチルチオ尿素、エチルチオ尿素、ジエチ
ルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、チオペンタール、チ
オカルバジド、チオカルバゾン類、チオシアヌル酸類、
チオヒダントイン、2─チオウラミル、3─チオウラゾ
ールなど;
【0016】
【化3】 で表されるチオアミド化合物、例えば、チオホルムアミ
ド、チオアセトアミド、チオプロピオンアミド、チオベ
ンズアミド、チオカルボスチリル、チオサッカリンな
ど;
【0017】
【化4】 で表されるチオアルデヒド化合物、例えば、チオホルム
アルデヒド、チオアセトアルデヒドなど;
【0018】
【化5】 で表されるカルボチオ酸類、例えば、チオ酢酸、チオ安
息香酸、ジチオ酢酸など;
【0019】
【化6】 で表されるチオ炭酸類;その他の式1の構造を有する化
合物、例えば、チオクマゾン、チオクモチアゾン、チオ
ニンブルーJ、チオピロン、チオピリン、チオベンゾフ
ェノンなどが、例示される。
【0020】チオカルボニル基含有化合物の含有量は、
固形分換算で樹脂100重量部に対して、0.1〜30
00重量部がよく、さらに好ましくはチオカルボニル基
含有化合物の含有量は0.5〜30重量部である。チオ
カルボニル基含有化合物の含有量がこれより少ないと、
耐食性や上塗り塗膜の密着性に劣り、多いと上ぬり塗膜
の密着性に劣ることがあり、また経済的でないばかり
か、使用する水性樹脂によっては樹脂がゲル化して塗布
不能となる。
【0021】本発明の下地処理層は、チオカルボニル基
含有化合物と共にりん酸化合物を含むことにより、また
さらにタンニンまたはタンニン酸を任意に含むことによ
り、その防錆効果が著しく向上する。先に述べたよう
に、チオカルボニル基含有化合物は鋼板表面(特に亜鉛
表面)の活性なサイトに吸着されて防錆効果を発揮する
が、鋼板(特に亜鉛)の不活性な面にりん酸が作用して
活性な表面を形成し、そこにチオカルボニル基含有化合
物が吸着されるので、鋼板(特に亜鉛)の表面全体に防
錆効果が発揮され、防錆効果が向上するものと考えられ
る。また、りん酸化合物も樹脂皮膜の架橋促進剤として
作用し、樹脂皮膜のミクロポアを少なくして、水や塩素
イオンなどの有害イオンを効率よく遮断する効果も有
し、これも防錆効果に寄与すると考えられる。
【0022】りん酸化合物としては、りん酸イオンを含
めばよいが、例えば、オルトリン酸、縮合リン酸(メタ
リン酸、ポリリン酸など)、ないしはその金属塩(例と
して、リン酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸
カリウム)などを使用することができる。下地処理層に
おけるりん酸化合物の量は、固形分として樹脂100重
量部に対して、りん酸イオンとして0.01〜300重
量部の範囲内、さらに好ましくは0.5〜10重量部で
ある。りん酸化合物が0.01重量部未満では防錆効果
が十分に発揮されず、一方300重量部を越えるとかえ
って防錆効果が低下したり、コーティング溶液の状態で
樹脂がゲル化したりして不具合があることがある。
【0023】また、チオカルボニル基含有化合物とりん
酸化合物、そして任意にタンニンまたはタンニン酸、の
共存による優れた防錆作用に加えて、これに微粒シリカ
を添加すると、更に防錆作用(耐食性)が促進される。
しかも耐食性に加えて、乾燥性、耐擦傷性、塗膜密着性
も改良できる。本発明において微粒シリカとは、微細な
粒径をもつために水中に分散させた場合に安定に水分散
状態を維持でき半永久的に沈降が認められないような特
性を有するシリカを総称していうものである。上記微粒
シリカとしては、ナトリウムなどの不純物が少なく、弱
アルカリ系のものであれば、特に限定されない。例え
ば、「スノーテックスN」、「スノーテックスNS」、
「スノーテックスXS」、「スノーテックスNXS」
(日産化学工業社製)、「アデライトAT−20N」
(旭電化工業社製)などの市販のシリカゾル、または市
販のアエロジル(デクサ社製粉末シリカ)などを用いる
ことができる。
【0024】微粒シリカの含有量は、固形分換算で樹脂
100重量部に対して、1〜2000重量部、さらに好
ましくは10〜400重量部であることが好ましい。1
重量部未満では添加の効果が少なく、2000重量部以
上では耐食性向上の効果が飽和して不経済である。さら
に、本発明によれば、チオカルボニル基含有化合物と微
粒シリカ、そして任意にタンニンまたはタンニン酸、が
共存する場合には、りん酸化合物が存在しなくても、十
分な防錆効果が得られることも確認されている。ただ
し、この場合の微粒シリカの含有量は、固形分換算で樹
脂100重量部に対して、1〜2000重量部であるこ
とが好ましい。
【0025】タンニンまたはタンニン酸については加水
分解できるタンニンでも縮合タンニンでも良く、これら
の一部が分解されたものでも良い。タンニンおよびタン
ニン酸は、ハマメタタンニン、五倍子タンニン、没食子
タンニン、ミロバランのタンニン、ジビジビのタンニ
ン、アルガロビラのタンニン、バロニアのタンニン、カ
テキンなど特に限定するものではなく、市販のもの、例
えば「タンニン酸:AL」(富士化学工業製)などを使
用することができる。タンニンおよびタンニン酸の含有
量は樹脂100重量部に対し、タンニンまたはタンニン
酸0.2〜50重量部が良い。タンニンまたはタンニン
酸の含有量が0.2重量部未満では防錆効果や塗膜密着
性の向上が担保されず、一方50重量部を超えるとかえ
って防錆効果が低下したり、コーティング溶液の状態で
樹脂がゲル化したりして不具合があることがある。
【0026】さらに、本発明の下地処理層には、他の成
分が含まれていてもよい。例えば、顔料、界面活性剤な
どを挙げることができる。また、樹脂とシリカ粒子、顔
料との親和性を向上させ、更に樹脂と亜鉛または鉄のり
ん酸化物層との密着性などを向上させるためにシランカ
ップリング剤もしくはその加水分解縮合物又はそれらの
両方を配合してもよい。ここでのシランカップリング剤
の加水分解縮合物とは、シランカップリング剤を原料と
し、加水分解重合させたシランカップリング剤のオリゴ
マーのことをいう。顔料としては、例えば、酸化チタン
(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム
(ZrO)、炭化カルシウム(CaCO3 )、硫酸バリ
ウム(BaSO4 )、アルミナ(Al2 3 )、カオリ
ンクレー、カーボンブラック、酸化鉄(Fe2 3 、F
3 4 )などの無機顔料や、有機顔料などの各種着色
顔料などを用いることができる。
【0027】本発明で使用できる上記のシランカップリ
ング剤としては特に制限はないが、好ましいものとして
は、例えば以下のものを挙げることができる:ビニルメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルエト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−
(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,
N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エ
チレンジアミン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
エトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、
N−〔2−(ビニルベンジルアミノ)エチル〕−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン。
【0028】特に好ましいシランカップリング剤は、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−
アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)
−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
N,N′−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕エチレンジアミンである。これらシランカップリン
グ剤は1種類を単独で使用してもよいし、または2種類
以上を併用してもよい。
【0029】本発明では、上記シラン化合物は、樹脂1
00重量部に対して、0.1〜100重量部含有してい
ることが望ましい。シラン化合物の含有量が0.1重量
部未満になるとシラン化合物の添加効果が認められず、
耐食性、上塗り塗装密着性向上効果が不足し、100重
量部を越えると薬液としての貯蔵安定性が低下し、好ま
しくない。
【0030】鋼板に下地処理層を形成するには、水中に
上記の成分を含む下地処理剤(コーティング剤)を作成
し、鋼板に塗布し、塗膜を加熱、乾燥する。樹脂が架橋
性、硬化性の場合、この加熱により架橋、硬化させる。
塗膜の加熱、乾燥は、下地処理剤を塗布した鋼板を熱風
で加熱して乾燥させるほか、加熱した鋼板に下地処理剤
を塗布して乾燥させてもよい。加熱温度としては、50
〜250℃がよい。50℃未満では水分の蒸発速度が遅
く十分な成膜性が得られないので、防錆力が不足する。
一方250℃を越えると、水性樹脂の熱分解などが生じ
るので、SST性、耐水性が低下し、また外観も黄変す
る問題がある。70〜160℃がより好ましい。熱風乾
燥では1秒〜5分間の乾燥時間が好ましい。
【0031】下地処理層の膜厚(乾燥)は、0.05μ
m 以上が好適である。0.05μm未満では、防錆力や
密着力が不足する。着色皮膜層と下地処理層の間に防錆
顔料を添加した皮膜層(後述)を設けない場合には、耐
食性確保の観点から、下地処理の乾燥膜厚は3μm 以
上、さらに望ましくは5μm 以上であると良い。一方膜
厚が厚すぎると、下地処理層としては不経済であり、塗
装にも不都合である。そこで、膜厚の上限としては10
μm 以下がよい。
【0032】下地処理層の塗布方法は、特に限定され
ず、一般に使用されるエアナイフ、カーテンコート、ロ
ールコート、エアースプレー、エアーレススプレー、浸
漬などが採用できる。なお、下地処理を行う前に、鋼板
及びめっき鋼板の表面をNi表調すると塗膜密着性が向
上し、好適である。特に溶融亜鉛めっき鋼板を用いると
きにNi表調を行うと効果的である。下地処理層の乾
燥、焼付けは熱風炉、誘導加熱炉、近赤外線炉など公知
の方法あるいはこれらを組み合わせた方法で行えばよ
い。また使用する水性樹脂の種類によっては、紫外線や
電子線などのエネルギー線によって硬化させることもで
きる。あるいはこれらの強制乾燥を用いずに、自然乾燥
してもよいし、或いは鋼板をあらかじめ予熱しておい
て、その鋼板に塗布後自然乾燥してもよい。
【0033】本発明のプレコート鋼板は、下地処理した
鋼板の上に、着色した皮膜層を有することを特徴として
いる。この着色皮膜層は、鋼板に意匠性を付与し、この
上にさらに塗装を施さなくても使用できる被覆鋼板を得
るためには必須の層である。この皮膜層は、着色のため
に必要な顔料や染料等を含む。顔料としては、有機系、
無機系、両者の複合系にかかわらず公知のものを使用す
ることができ、チタン白、亜鉛華、アルミナ白、亜鉛
黄、シアニンブルー、等のシアニン系顔料、カーボンブ
ラック、鉄黒、べんがら、黄色酸化鉄、モリブデートオ
レンジ、ハンサイエロー、ピラゾロンオレンジ、アゾ系
顔料、紺青、縮合多環系顔料、等が例示できる。この他
に、金属片・粉末、パール顔料、マイカ顔料、樹脂ビー
ズ等、意匠性や導電性等の機能性を付与するための添加
物を加えても良い。
【0034】染料としても、アゾ染料、アントラキノン
染料、インジゴイド染料、硫化染料、フタロシアニン染
料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン染料、
その他ニトロ染料、アクリジン染料等、公知のものが用
いられる。被覆層のバインダーとしては、有機系、無機
系のバインダーが使用できる。有機系の樹脂としては、
ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ
素系樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、フ
ェノール樹脂等である。これらの混合物や共重合物も使
用できる。また、これらに、イソシアネート樹脂、アミ
ノ樹脂、シランあるいはチタンカップリング剤等を架橋
剤や補助成分として併用することができる。本発明によ
る被覆鋼板は、成形加工された後、このまま使用される
ことを前提としているので、この着色層は、折り曲げや
プレス成形に際して割れや剥離が無いことを求められ
る。このような観点からは、ポリエステル樹脂をメラミ
ン樹脂で架橋する樹脂系、ポリエステル樹脂をウレタン
樹脂(イソシアネート、イソシアネート樹脂)で架橋す
る樹脂系、塩化ビニル樹脂系、フッ素樹脂系(溶剤可溶
型、アクリル樹脂との分散混合型)が望ましい。樹脂は
水系、溶剤系、粉体系、無溶剤系のどのような形態でも
良い。
【0035】また、着色に直接関わらない顔料や添加物
成分、たとえば硫酸バリウム、炭化カルシウム、カオリ
ンクレー等の顔料、消泡剤、レベリング剤、分散補助剤
等の添加剤等、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、エ
ステル系、パラフィン系、フッ素系などの有機ワックス
成分、二硫化モリブデン等の無機ワックス成分等、塗料
粘度を下げるための希釈剤、溶剤、水等を加えることが
できる。
【0036】樹脂中の着色成分の量は特に限定されず、
必要な色や隠蔽力によって決定すればよい。たとえば、
黒に着色するためにカーボンブラックを配合する場合に
は、固形分換算の顔料重量濃度で1〜5%入れれば十分
であり、たとえば白に着色するためにチタン白を配合す
る場合には、固形分換算の顔料重量濃度で30〜55%
程度が必要である。
【0037】着色皮膜層は、ロールコーター、カーテン
コーター、静電塗装、スプレー塗装、浸漬塗装等の公知
の方法で下地処理層の上に塗装され、その後、熱風、誘
導加熱、近赤外線、遠赤外線等の加熱によって乾燥、硬
化される。着色皮膜層の樹脂が電子線や紫外線などの放
射線によって硬化するタイプのものであれば、電子線照
射、紫外線照射によって硬化される。これらの併用であ
ってもよい。着色皮膜層の種類に応じた乾燥、硬化方式
を選択することができる。乾燥、焼付け板温も、皮膜層
の種類に応じて決定される。一般的な塗装鋼板の連続生
産ラインにおいては、この板温は150〜250℃であ
る。
【0038】着色皮膜層の膜厚は特に限定されないが、
均一な着色外観を得るためには、5μm 以上の乾燥膜厚
があることが望ましい。さらに望ましくは8μm 以上が
良い。膜厚の上限はないが、塗装鋼板の製造ラインで連
続的にコイルで塗装する場合には、1回の塗装で乾燥膜
厚が50μm 程度であることが多い。この上限は主に
「ワキ」と呼ばれる塗膜中の揮発分が塗膜中から系外に
揮発する際に、塗膜の粘度が上がりすぎている場合に起
こる欠陥の発生によって支配されることが多い。切り板
に断続的に塗装しながら製造する場合には、焼付けを緩
やかな条件で行うことが可能であり、この上限乾燥膜厚
は200μm 程度まで上がる。また、スプレー塗装など
で1枚毎に処理する場合には、更にこの上限膜厚は上が
る。
【0039】本発明のプレコート鋼板は、下地処理層と
着色皮膜層の間に、必要に応じて、さらに、防錆顔料を
添加した皮膜層を下塗り層として有することができる。
この下塗り層は、主に耐食性の向上を目的とする層であ
るが、その他に成形加工性耐薬品性などの特性も考慮し
て設計される。下地処理層の上の下塗り層に防錆顔料が
含まれることで、下地処理層との相乗効果で耐食性が顕
著に向上する。
【0040】また、本発明の被覆鋼板は、上記の下地処
理層の上に、防錆顔料を添加した皮膜層を上層として有
することを特徴とする。この上層は、典型的には、潤滑
性、耐指紋性、耐擦傷性、成形加工性などの付与を目的
とする層であることができる。下地処理層上の上層に防
錆顔料が含まれることで、下地処理層との相乗効果で耐
食性が顕著に向上する。
【0041】本発明の下地処理層がノンクロムなので、
この下塗り層あるいは上層の防錆顔料もノンクロムであ
ることが好ましいが、それに限定されるわけではない。
下塗り層あるいは上層のベースは、水系、溶剤系、粉体
などのいずれの形態のものでもよいし、接着剤層であっ
てもよい。また、有機系皮膜、無機系皮膜、あるいは両
者の複合物でもよい。水系樹脂としては、下地処理層の
水性樹脂と同様のものを使用することができ、例えば、
ポリアクリル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、
ポリエポキシ系、ポリエステル系、ポリブチラール系、
ポリアミド系、ポリアミノ系およびこれらの共重合体や
混合物を挙げることができる。
【0042】溶剤系、粉体系の皮膜を形成する樹脂は下
地処理層あるいは着色皮膜層と同様のものであることが
できる。無機系皮膜として、リチウムシリケート、水ガ
ラス、無機樹脂、無機有機複合型樹脂などでもよい。こ
の被覆鋼板はほとんどの場合成形加工して使用されるの
で、この加工の際に塗膜のワレや剥離がないことが求め
られる。この点からは着色皮膜層の望ましい樹脂種類と
同様であることができる。
【0043】ポリエステル樹脂をメラミン樹脂で架橋す
る樹脂系、ポリエステル樹脂をウレタン樹脂(イソシア
ネート、イソシアネート樹脂)で架橋する樹脂系、塩化
ビニル樹脂系、フッ素樹脂系(溶剤可溶型、アクリル樹
脂との分散混合型など)が望ましい。下塗り層あるいは
上層に含有される防錆顔料は、本発明では防錆剤の意味
であり、着色剤の意味ではない。例えば、りん酸亜
鉛、りん酸鉄、りん酸アルミニウムなどのりん酸亜鉛
系、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸アルミニ
ウム、モリブデン酸バリウムなどのモリブデン酸系、
酸化バナジウムなどのバナジウム系、ストロンチウム
クロメート、ジンククロメート、カルシウムクロメー
ト、カリウムクロメート、バリウムクロメートなどのク
ロム系、水分散シリカ、ヒュームシリカなどの微粒シ
リカ、その他として微粒酸化チタン、亜燐酸塩、カル
シウムクロメートなど、を挙げることができる。特に、
一次粒子径が100nm以下の微粒シリカが好適である。
【0044】また、下地処理に用いた防錆剤も、下塗り
層あるいは上層における防錆顔料あるいは追加の防錆剤
として用いることができる。このような防錆顔料の量
は、皮膜の固形物基準に1〜40重量%がよい。これよ
り少ないと耐食性の改良が十分でなく、40重量%を越
えると加工性が低下して、皮膜が脆くなって成形時に欠
落が生ずる。ただし、下地処理に用いたものと同じ防錆
剤を用いる場合は、下地処理層で特定した量を使用すれ
ばよい。
【0045】防錆顔料を含む下塗り層の厚さは、0.5
〜60μm の範囲内がよい。これ以下では耐食性のほか
下塗り層を設ける目的特性が十分に得られず、また厚す
ぎるとコストが高くなる。下塗り層の形成は、下地処理
や着色皮膜層と同様に行うことができるが、加熱温度は
皮膜に応じて適当に選択する。
【0046】なお、下地処理層、防錆顔料を含む下塗り
層、着色皮膜層は1層ずつ塗装→乾燥、硬化をくり返し
て形成するのが普通であるが、各層を乾燥せずに塗装を
くり返し、3層をまとめて、あるいは2層をまとめて乾
燥、硬化しても良い。また必要に応じて、各層を複数層
形成してもよい。また、着色被膜層が防錆顔料を含んで
いてもよいし、防錆顔料を含む下塗り層が着色のための
成分を含んでいてもよい。
【0047】上層に、潤滑性、耐指紋性、耐擦傷性、成
形加工性などの特性を付与するために、必要に応じて、
皮膜に工夫をし、また添加剤を添加することができる。
たとえばワックスを添加する、などである。上層の厚さ
は、0.3〜10μm の範囲内がよい。0.5〜5μm
の範囲内が好ましい。これ以下では耐食性のほか上層を
設ける目的特性が十分に得られず、また厚すぎるとコス
トが高くなる。
【0048】上層の形成は、下地処理と同様に行うこと
ができるが、加熱温度は皮膜に応じて適当に選択する。
通常は70〜250℃程度の範囲である。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって説明する。
【0050】(実施例1)亜鉛めっき付着量が片面当た
り20g/m2 で両面がめっきされた厚み0.6mmの電
気亜鉛めっき鋼板と、亜鉛めっき付着量が片面当たり6
0g/m2 で両面がめっきされた厚み0.6mmの溶融亜
鉛めっき鋼板とを、FC−364S(日本パーカライジ
ング製)の2%重量濃度溶液で60℃10秒間脱脂し、
水洗後、乾燥した。次いで、表1に示す組成の表面処理
剤をロールコーターで塗布し、熱風乾燥炉で乾燥した。
乾燥時に到達板温は150℃とした。なお、乾燥時の到
達板温を70℃、220℃として表1と同様の評価をし
たが、いずれも到達板温が150℃と同じ結果となっ
た。
【0051】ついで、日本ペイント製P641プライマ
ー塗料(ポリエステル樹脂系、表1中にはポリエステル
と記載)、日本ペイント製P108プライマー塗料(エ
ポキシ樹脂系、表1中にはエポキシと記載)、日本ペイ
ント製P304塗料(ウレタン樹脂系、表1中にはウレ
タンと記載)の防錆顔料を、表1に記載の防錆顔料に変
更したもの(表1中でプライマー防錆顔料なしとなって
いるものは、防錆顔料を抜いてその分チタン白を添加し
たもの)をロールコーターで乾燥後付着量が表1に記載
の値となるように塗布後、熱風を吹き込んだ誘導加熱炉
で到達板温が220℃となるように硬化乾燥した。
【0052】ついで、日本ペイント製FLC200HQ
(ポリエステル樹脂系、色は白)を乾燥後付着量が表1
に記載の値となるようにロールコーターで塗布後、熱風
を吹き込んだ誘導加熱炉で到達板温が230℃となるよ
うに硬化乾燥した。なお、各硬化乾燥過程のあとには、
板を水冷した。このようにして作成した塗装鋼板につい
て以下の評価を行った。 1.塗膜密着性 塗装後の板を、塗装面に1mm角の碁盤目をカッターナイ
フで入れ、塗装面が凸となるようにエリクセン試験機で
7mm押し出した後に、テープ剥離試験を行った。碁盤目
の入れ方、エリクセンの押し出し方法、テープ剥離の方
法はJISK5400の8.2、及び8.5に準拠し
た。また、テープ剥離後の評価は8.5に記載の評価の
例の図によって行った。評点10点のときに○、6点以
上10点未満のときに△、6点未満のときに×と評価し
た。さらに、塗装鋼板を沸騰水にJISK5400の
8.20の方法で浸漬した後、取り出して24時間放置
後に上述の方法で碁盤目エリクセン、テープ剥離試験を
行った。評点は上述の方法でつけた。 2.塗膜の折り曲げ加工部密着性 塗装後の板を、180度折り曲げ加工し、加工部の塗膜
を10倍ルーペで観察し、塗膜の割れの有無を調べた。
また、加工部に粘着テープを張り付け、これを勢い良く
剥離したときの、塗膜の残存状態を目視で観察した。折
り曲げ加工は20℃で、密着曲げ(0T)と、厚み0.
6mmのスペーサーを1枚挟む(1T)2つの方法で行っ
た。塗膜の割れのないときを○、塗膜に若干の割れのあ
るときを△、塗膜に目視でも明確な割れのあるときを×
とした。またテープで剥離した部分の加工部塗膜が、全
く剥離せずに残存している(密着性が良い)場合を○、
一部剥離している場合を△、ほぼ全面にわたって剥離が
認められる場合を×と評価した。 3.耐食性 塗装後の板をJISK5400の9.1項の方法で試験
した。試験時間は電気亜鉛めっき鋼板(EG)の場合に
は120時間、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)の場合には
240時間とした。クロスカット部の塗膜のクロスカッ
ト片側の最大膨れ幅が1mm未満の場合に○、1mm以上3
mm未満の場合に△、3mm以上の場合に×と評価した。ま
た、平板をそのまま塩水噴霧試験機に入れ、上記と同じ
試験時間後に端面(上バリ部)からの塗膜膨れ幅を観察
した。端面からの膨れ幅が3mm以内の場合に○、3mm以
上5mm未満の場合に△、5mm以上の場合に×と評価し
た。
【0053】評価結果を表1に示した。本発明によるプ
レコート鋼板の塗膜密着性、折り曲げ加工性、折り曲げ
加工部密着性、耐食性は比較例37〜39のクロメート
前処理したプレコート鋼板と同等か優れている。一方、
比較例においてはいずれかの性能が劣っている。比較例
32ではS系防錆剤量が少なく耐食性や塗膜密着性に劣
る。比較例33では下地の付着量が少なく、耐食性や密
着性に劣る。比較例34は、リン酸アンモニウム量が多
すぎ、処理浴がゲル化して処理できなかった。比較例3
5、36はS系防錆剤を添加していないため、密着性や
耐食性に劣る。比較例37〜39はクロムを含む下地処
理を用いており、毒性問題がある。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】
【表4】
【0058】(実施例2)亜鉛めっき鋼板付着量が片面
当たり20g/m2 で両面がめっきされた厚み0.6mm
の電気亜鉛めっき鋼板と、亜鉛めっき付着量が片面当た
り60g/m2 で両面がめっきされた厚み0.6mmの溶
融亜鉛めっき鋼板とをFC−364S(日本パーカライ
ジング製)の2重量%濃度、60℃温度の水溶液中に1
0秒間浸漬することで脱脂を行い、水洗後、乾燥した。
次いで、表2に示す組成の下地処理剤をロールコーター
にて塗布し、熱風乾燥炉で乾燥した。乾燥時の到達板温
は150℃とした。なお、表2中において、チオカルボ
ニル基含有化合物については「S系」、リン酸化合物に
ついては「P系」、微粒シリカについては「シリカ」と
記載している。また、本試験においてタンニン酸は「タ
ンニン酸:AL」(富士化学工業製)を使用した。ま
た、下地処理剤塗布する前にNi表調を行ったプレコー
ト鋼板も作製した。
【0059】次いで、日本ペイント製P641プライマ
ー塗料(ポリエステル樹脂系、表中にはポリエステルと
記載)、日本ペイント製P108プライマー塗料(エポ
キシ樹脂系、表中にはエポキシ系と記載)、日本ペイン
ト製P304プライマー塗料(ウレタン樹脂系、表2中
にはウレタンと記載)の防錆顔料を表2に記載の防錆顔
料に変更したもの(表2中で下層塗膜の防錆顔料種に記
載のないものについては、防錆顔料を抜いて、その分チ
タン白を添加した)をロールコーターで塗布し、熱風を
吹き込んだ誘導加熱炉で到達板温が220℃となるよう
に硬化乾燥した。
【0060】次いで、防錆顔料を含む塗膜層の上に、更
に上層塗膜層として日本ペイント製FL100HQ(ポ
リエステル樹脂系、色は白)を塗布し、熱風を吹き込ん
だ誘導加熱炉で到達板温が220℃となるように硬化乾
燥した。なお、各硬化乾燥過程のあとには、板を水冷し
た。このようにして作製したプレコート鋼板について以
下の評価を行った。 1.塗膜密着性試験 塗装後の板を、塗装面に1mm角の碁盤目をカッターナイ
フで入れ、塗装面が凸となるようにエリクセン試験機で
7mm押し出した後に、テープ剥離試験を行った。碁盤目
の入れ方、エリクセンの押し出し方法、テープ剥離の方
法についてはJIS−K5400.8.2、及びJIS
−K5400.8.5記載の方法に準じて実施した。な
お、本試験では同じ場所で2回続けてテープ剥離試験を
実施している(移行2回テープ剥離と称す)。テープ剥
離後の評価は8.5記載の評価の例の図によって行い、
評点10点のときに◎、8点以上10点未満のときに
○、6点以上8点未満の時△、6点未満の時に×と評価
した。さらに、プレコート鋼板を沸騰水にJIS−K5
400.8.20の記載に従い、浸漬した後、取り出し
て24時間放置後に前述の方法で碁盤目エリクセン、テ
ープ剥離(2回テープ剥離)を実施し、同様に評価し
た。 2.塗膜の折り曲げ試験 塗装後の板を、180°折り曲げ加工を実施し、加工部
の塗膜を20倍ルーペで観察し、塗膜の割れの有無を調
べた。また、加工部に粘着テープを貼り付け、これを勢
い良く剥離したときの塗膜の残存状態を目視にて観察し
た。なお、本試験においても前記塗膜密着性試験と同様
に2回テープ剥離を実施している。折り曲げ加工は20
℃雰囲気中で、0.6mmのスペーサーを間に挟んで実施
した。塗膜割れの評価は、塗膜割れの全くない時を◎、
塗膜に極小さな割れが1〜3個程度ある時を○、塗膜に
極小さな割れが全面にある時を△、塗膜に目視でも明確
な大きな割れが加工部全面にある時を×として評価し
た。また、テープで剥離後の塗膜残存状態の評価は、全
く剥離せずにめっき鋼板上に残存している場合を◎、塗
膜が部分的に僅かに剥離している場合を○、塗膜が部分
的に激しく剥離している場合を△、折り曲げ加工部のほ
ぼ全面にわたって剥離が認められる場合を×と評価し
た。さらに、塗装鋼板を沸騰水にJIS−K5400.
8.20の記載に従い、浸漬した後、取り出して24時
間放置後に前述の折り曲げ加工を実施し、同様に塗膜の
剥離(2回テープ剥離)と加工部のテープ剥離試験後の
塗膜残存状態を評価した。 3.耐食性 塗装後の板をJIS−K5400.9.1記載の方法で
塩水噴霧試験を実施した。試験時間は電気亜鉛めっき鋼
板(EG)の場合には240時間、溶融亜鉛めっき鋼板
(GI)の場合には360時間とした。クロスカット部
の塗膜の評価方法は、クロスカット片側の最大膨れ幅が
1mm未満の場合に◎、2mm以上3mm未満の場合に○、3
mm以上5mm未満の場合に△、5mm以上の場合に×と評価
した。また、切断時の返り(バリ)が塗装鋼板の評価面
側にくるように(上バリとなるように)作製した平板に
ついても、前述の塩水噴霧試験を実施し、端面からの塗
膜の膨れ幅を観察した。端面部の評価方法は端面からの
膨れ幅が2mm以内の場合には◎、2mm以上3mm未満の場
合には、○、3mm以上5mm未満の場合には△、5mm以上
の場合には×と評価した。
【0061】評価結果を表2に示す。本発明によるプレ
コート鋼板の塗膜密着性、折り曲げ加工性、折り曲げ加
工部密着性、耐食性は従来のクロム系プレコート鋼板
(No.141〜143(比較例))と比べて同等以上の
性能を有する。特にタンニン酸、チオカルボニル基含有
化合物、リン酸化合物が共存するもの(No.101〜1
28,132〜134(実施例))はリン酸化合物が添
加されていないもの(No.130,131(実施例))
に比べ塗膜密着性、耐食性が高く好適である。シリカに
ついても未添加(No.129(実施例))に比べると添
加したほうが耐食性が高く好適である。また、Ni表調
を行うと(No.134(実施例))塗膜密着性が更に向
上し好適である。一方、下地処理層中のチオカルボニル
基含有化合物の添加量が少ない場合(No.135(比較
例))は耐食性や塗膜密着性に劣り不適である。チオカ
ルボニル基含有化合物を添加しない場合(No.138,
139(比較例))も耐食性や塗膜密着性に劣り不適で
ある。下地処理の付着量が少ない場合も耐食性や密着性
に劣り、これも不適である(No.136(比較例))。
また、リン酸化合物の添加量が多すぎる場合(No.13
7(比較例))、タンニン酸量が多すぎる場合(No.1
40(比較例))は下地処理液がゲル化してしまい、め
っき鋼板上に処理することができず、不適である。な
お、(No.141〜143(比較例))については環境
上有毒であるクロムを使用しているため、これも不適で
ある。
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】(実施例3)めっき付着量が片面当たり2
0g/m2 の板厚0.8mmの電気亜鉛めっき鋼板(EG
と称する)、めっき付着量が片面当たり60g/m2
板厚0.8mmの溶融亜鉛めっき鋼板(GIと称する)、
めっき付着量が片面当たり60g/m2 の板厚0.8mm
の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GAと称する)をFC−
364S(日本パーカライジング製)の2%重量濃度溶
液で60℃10秒間脱脂し、水洗後、乾燥した。次い
で、表3に示す組成の下地処理層を形成するための下地
処理剤をロールコーターで塗布し、熱風乾燥炉で到達板
温が140℃となるように乾燥した。
【0067】下地処理剤に使用した樹脂、シリカ、チオ
カルボニル化合物の種類は以下の通りである。 1.樹脂種類 アクリルオレフィン系:「ハイテックS−7024」
(東邦化学社製) ウレタン系:「ボンタイターHUX−320」(旭電化
社製) エポキシ系:「ポリゾール8500」(昭和高分子社
製) 2.コロイダルシリカ ST−N:「スノーテックスN」(日産化学社製、表中
ではNと表示) ST−NS:「スノーテックスNS」(日産化学社製、
表中ではNSと表示) ST−NXS:「スノーテックスNXS」(日産化学社
製、表中ではNXSと表示) 3.チオカルボニル基含有化合物 チオ尿素 1,3−ジエチル−2−チオ尿素(表中ではジエチルチ
オ尿素と表記) 1,3−ジフェニル−2−チオ尿素(表中ではジフェニ
ルチオ尿素と表記) チオアセトアミド チオ安息香酸 リン酸化合物としてはリン酸アンモニウムを使用した。
【0068】これらの浴中固形分濃度(固形分重量濃度
/水の容量)を表中に示した(単位:g/l)。また、
下地処理層の皮膜付着量も示した。下地処理層を形成し
た上に、防錆顔料を添加した皮膜層(以下上層と称す
る。表中では防錆顔料含有皮膜層と記載している)を形
成する。形成方法は下地処理層と同様である。
【0069】上層を形成するための上層処理剤には、樹
脂として下地処理剤に使用したのと同じ種類のアクリル
オレフィン系樹脂を、防錆顔料としては下地処理剤に使
用したものと同じ種類のシリカ(N,NS,NSX)を
用いた。また、No.201(本発明例)に示す下地処理
剤で用いたものをそのまま上層のシリカ(N,NS,N
SX)として用いた。また、No.201(本発明例)に
示す下地処理剤をそのまま上層形成剤として用いた水準
も作成した(表中で、顔料種の欄に「下地」と書いてあ
るもの)。上層の厚みは表中に記載した。
【0070】比較のために、めっき鋼板に還元クロム酸
(でんぷんで還元率30%としたもの)/スノーテック
スN=1/3(固形分重量比)で混合した塗布型クロメ
ート処理液をロールコーターで塗布し、板温70℃で乾
燥した鋼板を作成した(No.245,247(比較
例))。塗布型クロメート処理の付着量は0.15g/
2 とした。また、電解により3価クロム主体の皮膜を
析出させた鋼板も作成した(No.246(比較例))。
この電解クロメート処理の付着量は0.05g/m 2
した。
【0071】作成した被覆鋼板について、以下の評価を
行った。 1.皮膜の密着性 平板について、JIS K 5400の8.5.2に記
載の碁盤目テープ法(すきま間隔1mm)によって判定し
た(表中には「平面」と記載)。また、被覆鋼板をJI
S K 5400の8.2に規定されるエリクセン試験
機で試験される皮膜が凸部となるように7mm押し出し
て、押し出した部分をテープ剥離して皮膜の密着性を調
べた(表中には「Er」と記載)。目視によって判定し
にくい場合には、メチルバイオレットの3%アセトン溶
液で皮膜を染色し、染色された部分には皮膜が存在し、
染色されない部分には皮膜が存在しない、として密着性
を判定した。同じ試験を、被覆鋼板を沸騰水に30分浸
漬してから引き上げ、24時間放置してから行った。表
中には、沸騰水浸漬後の被覆鋼板の被覆の密着性の試験
結果を示した(「2次密着性」の欄)。 ○:被覆の剥離なし、△:一部の皮膜が剥離、×:皮膜
が前面剥離
【0072】2.耐指紋性 表面処理鋼板の皮膜に指紋を付着させ、指紋の見えやす
さを目視で判定し、評点をつけた。評点は、○:指数跡
がほとんど見えない、△:指紋跡が見える、×:指紋跡
が目立つ、とした。 3.耐食性 平板(切断ままの鋼板の端面部と裏面部をシール)と、
エリクセン7mm加工部(エリクセン試験機で7mm押し出
した鋼板の端面部と裏面部をシール)について、塩水噴
霧試験(JIS Z 2371に規定されるもの)を行
い、発生した白錆の発生面積率(%)を目視で求めた。
塩水噴霧試験は、168時間と360時間行った。表
中、360時間の欄に記載のないものは、赤錆が発生し
ていることを示している。 4.貯蔵安定性 下地処理剤を500ccのガラス瓶中に300cc入れ、4
0℃の恒温室に30日、45日、60日間放置し、下地
処理剤の粘度の変化を調べた。 ○:粘度変化が5%以下、×:粘度変化が5%超
【0073】5.円筒絞り試験 シワ押さえ圧1.0トン、絞り比2.2、ダイ肩R4.
0mmの条件で、各被覆鋼板を円筒絞り成形した。円筒の
胴下部にカッターナイフでクロスカットを入れ、テープ
剥離して皮膜の密着性を調べた。また、円筒絞り成形し
た被覆鋼板を、沸騰水に30分浸漬してから引き上げ、
24時間放置してから同じように被覆の密着性試験を行
った。表中には、沸騰水浸漬後の被覆鋼板の被覆の密着
性の試験結果を示した(「円筒絞り」の欄)。 ○:被覆の剥離なし、△:被覆が一部剥離、×:皮膜が
全面剥離
【0074】試験結果を表3に示した。本発明例では、
いずれも耐食性、皮膜の密着性、円筒絞り形成性が良好
である。下地処理層、上層の厚みが増すと、耐食性が向
上する(本発明例201〜209,217〜220)。
本発明例206のように、下地処理層を同じ皮膜を上層
に形成すると、特に耐食性が良好である。シリカの種類
として、Nを用いるよりも、粒径の小さいNS、更に粒
径の小さいNXSと用いると耐食性は粒径が小さくなる
とともに向上する(本発明例207,210〜21
2)。シリカの量は多いほうが耐食性が良い(本発明例
207,226,229)。チオカルボニル基含有化合
物の種類を変更しても、耐食性は大きくは変化はしない
(本発明例207と221〜223)、添加量が多いほ
ど耐食性は良くなる傾向にある(本発明例207,21
3〜215)。リン酸がないとやや耐食性は落ちるが、
貯蔵安定性が向上する(本発明例216,219)。な
お、貯蔵安定性は、リン酸とシリカが共存したときにや
や悪くなる傾向にあり、シリカがない水準ではりん酸が
存在しても貯蔵安定性は良い(本発明例229)。めっ
き鋼板が、GIやGAの場合にも、本発明例では耐食
性、皮膜密着性、成形性が優れている(本発明例233
〜240)。
【0075】本発明例232では、上層の皮膜にNの他
にポリエチレン系ワックス「ケミパールWF640(三
井化学社製)をアクリルオレフィン樹脂100に対して
8(固形分重量部)加えているが、耐食性、成形性共に
良好である。なお、沸騰水浸漬前の皮膜密着性、円筒絞
り胴部の皮膜密着性はいずれの材料でも良好であった。
【0076】また、耐指紋性は、いずれも評点4点と良
好であった。比較例241は、下地処理層にチオカルボ
ニル化合物とりん酸が含まれていないため、耐食性と皮
膜の密着性が悪い。比較例242は、チオカルボニル化
合物が含まれないため、耐食性が悪く、密着性もやや劣
る。比較例243,244は、めっき種類がGIのとき
にも、チオカルボニル化合物とりん酸、あるいは前者の
みが含まれないと、耐食性、密着性が劣ることを示して
いる。
【0077】比較例245〜247は、クロメート処理
を用いた被覆鋼板であり、6価クロムの溶出問題があ
る。また、耐食性は良好であるが、被覆の密着性や成形
性(成形後の被覆の密着性)は必ずしも十分でない。
【0078】
【表9】
【0079】
【表10】
【0080】
【表11】
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明によるプレコート
鋼板は、水系樹脂に6価クロムを含まないチオカルボニ
ル化合物を組み合わせた塗装下地を有することによっ
て、従来のクロメート処理を用いたものと同等以上の塗
膜密着性、塗膜の加工性、耐食性が得られる。すなわ
ち、低公害で防錆能に優れたプレコート鋼板を提供す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮内 優二郎 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 森下 敦司 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 古川 博康 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内 (72)発明者 植田 浩平 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 島倉 俊明 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 山添 勝芳 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板に下記(1)〜(4) (1)固形分として樹脂100重量部、チオカルボニル
    基含有化合物0.1〜3000重量部、およびりん酸化
    合物0.01〜300重量部(PO4 として)を含有す
    る皮膜層、 (2)上記(1)にさらに微粒シリカ1〜2000重量
    部(固形分)を含有する皮膜層、 (3)固形分として樹脂100重量部、チオカルボニル
    基含有化合物0.1〜3000重量部、および微粒シリ
    カ1〜2000重量部を含有し、りん酸化合物を含まな
    い皮膜層、および (4)上記(1)〜(3)のいずれかにさらにタンニン
    またはタンニン酸0.2〜50重量部を含有する皮膜
    層、 のうち1層を下地処理層として有し、さらにその上に着
    色された皮膜層を上層として有することを特徴とするプ
    レコート鋼板。
  2. 【請求項2】 鋼板に下記(1)〜(4) (1)固形分として樹脂100重量部、チオカルボニル
    基含有化合物0.1〜3000重量部、およびりん酸化
    合物0.01〜300重量部(PO4 として)を含有す
    る皮膜層、 (2)上記(1)にさらに微粒シリカ1〜2000重量
    部(固形分)を含有する皮膜層、 (3)固形分として樹脂100重量部、チオカルボニル
    基含有化合物0.1〜3000重量部、および微粒シリ
    カ1〜2000重量部を含有し、りん酸化合物を含まな
    い皮膜層、および (4)上記(1)〜(3)のいずれかにさらにタンニン
    またはタンニン酸0.2〜50重量部を含有する皮膜
    層、のうち1層を下地処理層として有し、さらにその上
    に防錆顔料を含む皮膜層を下塗り層として有し、さらに
    その上に着色された皮膜層を上層として有することを特
    徴とするプレコート鋼板。
  3. 【請求項3】 鋼板に下記(1)〜(4) (1)固形分換算で樹脂100重量部、チオカルボニル
    基含有化合物0.1〜3000重量部、およびりん酸化
    合物0.01〜300重量部(PO4 として)を含有す
    る皮膜層、 (2)上記(1)にさらに微粒シリカ1〜2000重量
    部(固形分換算)を含有する皮膜層、 (3)固形分換算で樹脂100重量部、チオカルボニル
    基含有化合物0.1〜3000重量部、および微粒シリ
    カ1〜2000重量部を含有し、りん酸化合物を含まな
    い皮膜層、および (4)上記(1)〜(3)のいずれかにさらにタンニン
    またはタンニン酸0.2〜50重量部を含有する皮膜
    層、のうち1層を下地処理層として有し、さらにその上
    に防錆顔料を添加した皮膜層を上層として有することを
    特徴とする被覆鋼板。
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