JPH0892683A - 窒素化合アルミニウム−シリコン粉末合金およびその製造方法 - Google Patents

窒素化合アルミニウム−シリコン粉末合金およびその製造方法

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JPH0892683A
JPH0892683A JP25876594A JP25876594A JPH0892683A JP H0892683 A JPH0892683 A JP H0892683A JP 25876594 A JP25876594 A JP 25876594A JP 25876594 A JP25876594 A JP 25876594A JP H0892683 A JPH0892683 A JP H0892683A
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JP
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nitrogen
alloy
aluminum
powder
weight
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JP25876594A
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English (en)
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Shinichi Yamagata
伸一 山形
由重 ▲高▼ノ
Yoshie Kouno
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密度が3.0g/cm3 以下、熱膨張率が5
×10-6〜10×10-6/℃、熱伝導率が0.2cal
/cm・sec・℃以上の特性を満足し、かつ機械加工
性および安全性などの面において優れた材料およびその
製造方法を提供する。 【構成】 窒素化合Al−Si粉末合金は、窒素を1重
量%以上4重量%以下含有し、残部が実質的にAlとS
iと不可避な成分とからなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素化合アルミニウム
−シリコン粉末合金およびその製造方法に関し、より特
定的には、半導体装置を構成する材料であるヒートシン
ク材などに用いられる窒素化合アルミニウム−シリコン
粉末合金およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体装置用基板を構成する材料には、
熱応力による歪みを発生しないことが求められる。それ
ゆえ、半導体装置用基板を構成する材料の熱膨張率は、
半導体素子あるいは組合わせられる相手材料の熱膨張率
と大きな差がないことが要求される。具体的には、その
熱膨張率が、Si(シリコン)やGaAs(ガリウム・
砒素)の半導体の熱膨張率に近く、かつ半導体の熱膨張
率と放熱構造体に用いられるAl(アルミニウム)やC
u(銅)の熱膨張率との間であることが要求される。
【0003】また、最近は素子の大型化や集積度の増加
を招来している。それゆえ、半導体装置用基板を構成す
る材料には、半導体素子からの熱エネルギーを効率よく
除去するためのヒートシンク機能としての熱伝導率の高
さもさらに要求されている。
【0004】係る観点から、特に熱伝導率が0.2ca
l/cm・sec・℃以上であり、熱膨張率が5×10
-6〜10×10-6/℃である材料のニーズが高まってい
る。
【0005】このような状況下で上記特性を満足する材
料としては、図13に示すようにBeO、AlN、Cu
−Mo合金、Cu−W合金が挙げられる。また、SiC
多孔質構造体にAlやAl−Si合金を含浸させた複合
材料がこの特性を満足することからこの用途への適用が
検討されている。
【0006】なお、この複合材料は、具体的には50〜
72体積%のSiC多孔質構造体にAl23 を14〜
30体積%、Ni−Si−Al合金またはAl−Si合
金を9〜20体積%含浸させた複合材料である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さらに近年は、航空宇
宙産業機器をはじめ各種産業機器の軽量化ニーズの高ま
りを受けて、ヒートシンク材にも軽量化が求められてい
る。しかしながら、上記特性(熱伝導率、熱膨張率)を
満足する材料として挙げられるBeO、AlN、Cu−
Mo合金、Cu−W合金あるいは前記の複合材料には、
以下の実用上の欠点より適用範囲に制約があった。
【0008】まず、Cu−Mo合金、Cu−W合金は熱
伝導性に優れているが、比重が9〜17g/cm3 と比
較的高い。また、BeOは、密度が2.9g/cm3
小さいが、毒性が強いため安全性や環境汚染の点から現
在使用することができない。AlNは密度が3.3g/
cm3 と比較的小さいが、セラミックスであるため機械
加工が困難である。
【0009】SiC多孔質構造体にAlやAl−Si合
金を含浸させた複合材料は、熱膨張率が5×10-6〜8
×10-6/℃と上記特性を満足しており、かつ密度も
3.3g/cm3 と比較的小さい。しかしながら、この
複合材料は、硬質なセラミックスであるSiCを50体
積%も含有している。このため複合材料では著しく切削
加工が困難である。また、製造条件や製品形状に制約が
多いため、この複合材料は広く実用化されていないのが
現状である。
【0010】このように、従来においては、密度が3.
0g/cm3 以下であり、熱膨張率が5×10-6〜10
×10-6/℃、熱伝導率が0.2cal/cm・sec
・℃以上の特性を満たし、切削加工などの機械加工が容
易で、さらに安全性などの面で優れた材料は得られてい
なかった。
【0011】それゆえ、従来の材料をヒートシンク材と
して用いた場合には、上記特性(密度、熱伝導率、熱膨
張率、加工性、安全性)のうち少なくとも1の特性を満
たさない。このため、ヒートシンクと相手材との熱膨張
率の不整合によって亀裂や剥離が生じたり、熱伝導率が
低いことにより放熱不足が生じたり、密度が高いため軽
量化にそぐわない、機械加工が困難であるため複雑形状
に加工できないといった問題があった。
【0012】それゆえ、本発明の目的は、密度が3.0
g/cm3 以下、熱膨張率が5×10-6〜10×10-6
/℃、熱伝導率が0.2cal/cm・sec・℃以上
の特性を満足し、かつ機械加工性や安全性などの面にお
いて優れた材料およびその製造方法を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは上記目的
を達成するため鋭意検討した結果、窒素を1重量%以上
4重量%以下の範囲で含有し、残部が実質的にAlとS
iと不可避な成分とからなる窒素化合Al−Si粉末合
金が、密度3.0g/cm3 以下、熱膨張率5×10-6
〜10×10-6/℃、熱伝導率0.2cal/cm・s
ec・℃以上の特性を満たし、かつ機械加工性および安
全性に優れていることを見いだした。
【0014】それゆえ、本発明の窒素化合Al−Si粉
末合金は、窒素を1重量%以上4重量%以下含有し、残
部が実質的にAlとSiと不可避な成分とからなってい
る。
【0015】また窒素化合Al−Si粉末合金に含まれ
る窒素は窒素化合物を構成し、その窒素化合物の90重
量%以上がAlNよりなることが望ましい。
【0016】また窒素化合Al−Si粉末合金には、L
i(リチウム)、Mg(マグネシウム)、Ti(チタ
ン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マン
ガン)、Fe(鉄)、Co(コバルト)、Ni(ニッケ
ル)、Cu(銅)、Zn(亜鉛)、Zr(ジルコニウ
ム)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)、W(タン
グステン)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の添
加元素が19.8重量%以下含有されていることが望ま
しい。
【0017】また本願発明者らは上記目的を達成するた
めに鋭意検討した結果、急冷凝固したAl−Si合金粉
末の成形体を窒素を含む雰囲気下で460℃以上570
℃以下の温度範囲で2時間以下焼結することにより、上
記特性を有する窒素化合Al−Si粉末合金が得られる
ことを見いだした。
【0018】それゆえ、本発明の窒素化合Al−Si粉
末合金の製造方法は、以下の工程を備えている。
【0019】まずSiを含有するAl合金溶湯を凝固し
て急冷凝固Al合金粉末が形成される。そして急冷凝固
Al合金粉末を圧縮成形して成形体が得られる。そして
窒素を含む雰囲気下で460℃以上570℃以下の温度
範囲で2時間以下、成形体が焼結される。
【0020】またAl合金溶湯は、Siを40重量%以
上50重量%以下含有するように準備されることが望ま
しい。
【0021】またAl合金溶湯には、Li、Mg、T
i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
Zr、Nb、Mo、Wよりなる群から選ばれる少なくと
も1種が20重量%以下の範囲で添加されることが望ま
しい。
【0022】また急冷凝固Al合金粉末を形成する工程
は、Al合金溶湯を102 ℃/sec以上の凝固速度で
凝固させることが望ましい。
【0023】また焼結する工程は、成形体を窒素分圧
0.95atm以上の常圧雰囲気下で焼結する工程を含
んでいることが望ましい。なお、ここで常圧とは、焼結
において成形体にかかる圧力が雰囲気ガスによる通常の
圧力のことをいい、大気圧に対して加圧も減圧もしてい
ない状態を指す。
【0024】また成形体の焼結時における常圧雰囲気
は、水蒸気分圧0.01atm以下であることが望まし
い。
【0025】また焼結の工程により得られた焼結体を、
400℃以上に加熱して、金型温度150℃以上の鍛造
金型により、鍛造圧力4t/cm2 以上で真密度比98
%以上となるように成形固化して鍛造体を得る工程をさ
らに備えることが望ましい。
【0026】
【作用】本発明では、組成および製造条件を限定してい
る。以下、これらの限定の意味について説明する。
【0027】[窒素含有量]本発明の窒素化合Al−S
i粉末合金では、窒素の含有量が特に重要である。
【0028】本発明の窒素化合Al−Si粉末合金は、
Al−Si粉末に窒素を含有したうえで合金化すること
により熱膨張率を減少させたものである。しかし、窒素
含有量が1重量%より小さい場合には、熱膨張率が10
×10-6/℃を越えてしまう。このため、半導体素子な
どとの熱膨張率の不整合により亀裂や剥離が生じるとい
った問題が生じる。窒素含有量が増えると熱膨張率は減
少していくが、同時に硬質粒子である窒化物の形成によ
り、一般に硬度の上昇や伸びの減少をもたらし、被削性
が悪化したり欠けが発生し易くなる。特に窒素含有量が
4重量%を越えると、材料に伸びがなくなり、被削性な
どの機械加工性が悪化してしまう。
【0029】[窒素化合物の形態]急冷凝固Al合金粉
末の表面において、窒化処理時に雰囲気窒素とAl−S
i合金粉末が反応して窒素化合物が生成される。この反
応はAl−Si合金粉末のAlマトリックス部表面から
起こり、窒素化合物は旧粉末界面あるいは旧粉末表面上
に生成する。このように旧粉末界面あるいは旧粉末表面
上に生成する窒素化合物はAlNである。
【0030】AlNは、密度3.3g/cm3 、熱膨張
率4.5×10-6/℃であり、熱伝導率も酸素などの不
純物の濃度や結晶格子のひずみの有無により変動する
が、比較的高い。このため、このAlNの生成量をコン
トロールすることにより目的の特性を達成することがで
きる。そのためには、窒素はAl成分と反応してAlN
を形成している必要があり、またその制御性を考慮する
と、窒素量の90重量%以上がAlNとして存在するこ
とが望ましい。
【0031】上述したように本発明では窒素含有量が4
重量%以下であるため、窒素化合Al−Si粉末合金に
おけるおおよそのAlN量は12重量%に留まる。それ
ゆえ、AlNのような硬質粒子の添加により懸念される
加工性に対する影響は生じない。
【0032】また本発明の窒素化合物であるAlNは、
Al−Si合金粉末にAlN粒子を粉末混合させたもの
ではなく、Al−Si合金粉末を窒素中で反応させるこ
とにより生成されたものである。したがって、AlNを
粉末などで混合した場合と比較して、本発明におけるA
lNはAlマトリックスと密着するため、加熱による粒
子の流れ性が向上する。それゆえ、鍛造や押出しなどに
より複雑形状を熱間固化する場合においても、均質な製
品の製造が可能となる。
【0033】さらに本発明におけるAlNはきわめて微
細かつ密に分散している。このため、本発明の窒素化合
Al−Si粉末合金は機械加工性や機械強度などにも優
れている。また低融点のAlを皮膜するようにAlNが
生成するため、本発明の窒素化合Al−Si粉末合金は
耐熱性にも優れている。
【0034】市販されているAlNは高価であるが、本
発明ではAlを直接窒化しているため、本発明の窒素化
合Al−Si粉末合金は製造コストの面からも優れてい
る。
【0035】[窒化処理温度・時間]本発明の窒素化合
Al−Si粉末合金の製造方法では、窒化処理温度・時
間が特に重要である。合金組成により窒化開始温度は変
化するが、窒化処理温度が460℃未満では雰囲気窒素
とAl−Si合金粉末との反応量が乏しく、窒化現象も
十分進行しない。
【0036】逆に窒化処理温度が570℃を越えると、
Al−Siの共晶点578℃に近づき、合金が軟化変形
したり、組織が粗大化する。それゆえ、窒化を十分に進
行させ、組織の粗大化を抑えるためには、窒化処理温度
が460℃以上570℃以下でなければならない。
【0037】窒化処理時間は、必要とする窒素量に応じ
て決定される。窒化処理温度と処理時間とをコントロー
ルすることにより所望の特性を有する窒素化合Al−S
i粉末合金を得ることができる。窒化処理温度を460
℃以上570℃以下とした場合には、窒化処理時間は2
時間以下でなければならない。
【0038】[噴霧粉末のSi量と凝固速度]Alは、
23.5×10-6/℃と極めて大きい熱膨張率を有する
ため問題がある。しかし、一方でAlは2.7g/cm
3 の小さい密度を有し、0.5cal/cm・sec・
℃と熱伝導率に優れる。このようにAlは、密度および
熱伝導率の点で適しているが、他の金属元素と合金化さ
せた場合には固溶や析出により熱伝導率が大きく低下し
てしまう。
【0039】ところが、Siは熱伝導率が0.3cal
/cm・sec・℃以上はあり、Al中への固溶度が比
較的小さい。このため、AlにSiを添加した場合に
は、SiはAlマトリックス中にSi晶として晶出や析
出し、Siの含有量が増えてもAl−Siの熱伝導率の
低下が比較的小さい。また、Siは熱伝導率が4.2×
10-6/℃であり、Alに添加されることで複合則に近
似的に従って熱伝導率の低下を可能とする。
【0040】このようにSiは、熱膨張率の低下に効果
を有する元素である。そのためSiはAl合金溶湯に4
0重量%以上含有させることが望ましい。しかしAl合
金溶湯にSiを50重量%を越えて含有させる場合に
は、Siの溶解や凝固のために噴霧が困難となってしま
う。それゆえ、Al合金溶湯にSiは40重量%以上5
0重量%以下の範囲で含有することが望ましい。
【0041】さらに、Si以外にたとえば、Li、M
g、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Zr、Nb、Mo、Wよりなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素を、20重量%以下の範囲で本発明
のAl合金溶湯に添加しても、本発明の目的とする特性
(密度、熱伝導率、熱膨張率、機械的特性、安全性)は
損なわれない。
【0042】これらの元素の添加には、窒化反応の促進
の効果がある。その明確な理由は明らかではないが、L
i、Mgのような酸化力の強い元素はAl表面の酸化膜
を還元していることが考えられる。またそれぞれ熱膨張
率が異なる元素の添加により粉末内に不均一な膨張が起
こり、これにより粉末内部への窒素の拡散が促進される
ためと考えられる。またAlと反応して化合物を形成す
るFeやNiなどの添加により、これらの化合物が加熱
時においてもSi粒の移動を阻害する働きをする。これ
により、窒化反応処理時におけるAlマトリックス中に
晶出あるいは析出するSi晶の粒成長を抑制することが
できる。このように上記元素の添加は窒化反応を促進す
るため、窒化処理温度の低温化および窒化処理時間の短
縮化を図ることができる。
【0043】Al合金溶湯中の添加元素の含有量が20
重量%以下であるため、窒化処理後の窒素化合Al−S
i粉末合金における添加元素の含有量は19.8重量以
下に相当する。
【0044】また、Alマトリックス中に晶出あるいは
析出するSi晶の大きさは凝固速度に大きく依存する。
この凝固速度が102 ℃/sec未満であると、晶出し
たSi晶が粗大になり、成形性や被削性が低下してしま
う。それゆえ、凝固速度は102 ℃/sec以上である
ことが望ましい。
【0045】なお、エアアトマイズの凝固速度は103
℃/sec程度であり、各種アトマイズ法の凝固速度は
102 ℃/sec以上である。また、凝固速度を103
℃/secとした場合には、初晶Siの粒径は最大40
μmとなる。
【0046】窒化反応は粒度および真密度比と相関を持
ち、噴霧粉末の粒径を小さくしたり真密度比を小さくす
ることにより窒素含有量が増加する。
【0047】[焼結雰囲気]窒化処理時に粉末表面に窒
素化合物を生成させ、焼結現象の促進を図るためには、
主に窒素ガスで構成される雰囲気を形成する必要があ
る。そのためには、窒素分圧が0.95atm以上であ
ることが望ましい。
【0048】雰囲気の圧力は、加圧することでいくらか
の焼結促進が図れるが、経済性と設備との観点から常圧
でも十分である。
【0049】また雰囲気中の水蒸気分圧が高いと、粉末
表面のAl成分の酸化が進行し、窒化現象が阻害され
る。また水蒸気には、粉末表面に形成される窒素化合物
を分解する働きもある。それゆえ、粉末に吸着している
水分を焼結温度までの昇温過程で蒸発・分解してやるう
えでも、水蒸気分圧を低くする必要がある。よって、水
蒸気分圧は0.01atm以下に抑えることが望まし
い。
【0050】[鍛造]窒化した焼結体は内部に気孔を有
しているため、熱伝導性や気密性が低い。そこで、さら
に熱伝導率を高めて気密性や強度を必要とする場合に
は、鍛造により固化する方法がある。鍛造により得られ
る鍛造体の真密度比が98%以上に達すると、熱伝導率
や気密性は大いに改善される。この真密度比を得るため
には、焼結体を400℃以上に加熱して軟化させた後
に、鍛造圧力4t/cm2 以上で加圧固化する必要があ
る。この際に金型温度が150℃未満であると焼結体の
表層部の緻密化ができない。このため、金型温度は15
0℃以上であることが望ましい。
【0051】[サイジング・コイニング]窒化した焼結
体は、内部に気孔を有している。それゆえサイジングや
コイニングを用いて表面粗度や寸法精度を大きく改善す
ることができる。この効果が出る矯正圧力は4t/cm
2 以上である。
【0052】[熱間押出し・加工・表面処理]上記の工
程を経て得られた焼結体はそのままで、あるいはさらに
加工工程を経て実際に用いられる。AlNなどのセラミ
ックスを含有した材料は加工が困難である場合が多い。
しかし、本発明の窒素化合Al−Si粉末合金では、A
lNが反応により生成しており、粒子が非常に微細であ
るため、切削加工やねじ切りなども可能である。
【0053】また、窒化処理を行なった成形体を熱間押
出しすることによっても、所定の形状に成形することが
可能である。
【0054】このようにさらに加工した後に、必要に応
じて表面処理を施すこともできる。たとえば半導体基板
やパッケージとして用いるときには、ハンダやガラスと
の濡れ性を改善したり、絶縁性を確保する目的で、Au
やNiなどの金属またはAl2 3 やAlNやSiO2
などの絶縁物の表面層を形成することができる。しか
も、本発明の窒素化合Al−Si粉末合金の材料ではA
lがベースとなっているため、陽極酸化処理などにより
Al2 3 の表面層が、窒化処理によりAlNの表面層
が十分に必要な程度まで自然かつ容易に形成されるとい
う利点がある。
【0055】
【実施例】実施例1 図1は、本発明の実施例1に基づく製造方法を示すブロ
ック図である。図1を参照して、Siを48重量%含有
するAl−Si合金溶湯11をエアアトマイズ法によ
り、103 ℃/secの凝固速度で急冷凝固(ステップ
1)させて、粉末化した。続いて急冷凝固Al−Si合
金の噴霧粉末12を149〜105μm(119μ
m)、105〜74μm(88μm)、74〜63μm
(67μm)、63〜44μm(52μm)、44μm
(31μm)以下に篩粉した。なお、( )内は平均粒
径を示している。
【0056】ミリスチン酸のアセトン溶液を金型に塗布
し、成形圧力2〜4t/cm2 の範囲で各噴霧粉末12
を真密度比65%、78%のφ20×30mmのタブレ
ット試験片(成形体13)に成形した(ステップ2)。
この成形体13を、窒素分圧0.99atm以上、水蒸
気分圧0.005atm以下の常圧雰囲気中で560℃
にて2時間窒化処理した(ステップ3)。窒化処理体中
の窒素量に及ぼす粒度および成形密度の影響を図2に示
す。
【0057】図2の結果より明らかなように、窒素含有
量は粒度および真密度比と相関を持ち、噴霧粉末の粒径
を小さくしたり真密度比を小さくすることにより増加す
る。
【0058】なお、図2において、−は最大粒径を示
し、+は最小粒径を示している。次に、これらの窒化処
理体を500℃に加熱した後、金型温度を350℃にし
たφ22mmの鍛造金型に挿入した。この後、鍛造金型
を用いて面圧8t/cm2 で窒化処理体を固化し、真密
度比98〜100%の鍛造体を作製した。この鍛造体の
窒素含有量と熱膨張率、熱伝導率、密度との関係を図
3、図4、図5に示す。
【0059】なお、熱膨張率については、押棒式測定法
により、20℃から200℃の平均値を求めた。また熱
伝導率はレーザーフラッシュ法により、密度はアリキメ
デス法により各々測定した。
【0060】図3を参照して、窒素を含有することによ
り、熱膨張率が低下する。窒素を1重量%以上含有する
ことにより10×10-6/℃以下の熱膨張率が得られる
ことがわかる。
【0061】図4を参照して、窒素含有量が1重量%以
上4重量%以下の範囲内では、熱伝導率が0.2cal
/cm・sec・℃以上であることがわかる。
【0062】図5を参照して、窒素含有量が1重量%以
上4重量%以下の範囲内では、鍛造体密度は3.0g/
cm3 以下であることがわかる。
【0063】また上記で得られた鍛造体の窒素含有量と
硬度、伸びとの関係について調べた。図6を参照して、
窒素含有量が大きくなるに従って硬度(○印)が上昇
し、引っ張り試験から測定した伸び(□印)が減少し
た。特に窒素含有量が4重量%を越えると鍛造体の伸び
が完全になくなった。この結果、鍛造体の被削性が悪化
する。
【0064】また鍛造体を速度350m/min、送り
0.1mm/rev、切込1mmの条件で切削した。こ
のときの10分後のフランク摩耗量VB と窒素含有量と
の相関関係を図7に示す。図7を参照して、窒素含有量
が4重量%を越えると摩耗量VB が増加し始める。また
切削速度を上昇させた場合、チッピングが発生しやすく
なる。
【0065】以上の結果から明らかなように、窒素含有
量が1重量%以上4重量%以下の場合に目的の特性値を
達成できることがわかる。
【0066】またX線回析強度の結果から、鍛造体に含
有される窒素の90重量%以上がAlNであることが判
明した。
【0067】また、成形体を窒素分圧0.90atm、
水蒸気分圧0.05atm以上の常圧雰囲気下で560
℃にて2時間窒化処理した。しかし、この場合、窒化物
の生成は認められなかった。
【0068】また、Al−48重量%Si粉末成形体の
窒化処理体中に観察できる顕微鏡組織写真を図8に示
す。図8を参照して、黒色の部分がSiであり、白色の
部分がAlマトリックスであり、灰色の部分がAlNで
ある。さらに、この窒化処理体のX線回析像を図9に示
す。
【0069】実施例2 Siを38重量%、41重量%、45重量%、49重量
%、54重量%含有するAl−Si合金溶湯をエアアト
マイズ法により粉末化した。この粉末を最大粒径が74
μm以下となるように篩粉した。このようにして平均粒
径が32μmであるAl−38重量%Si、Al−41
重量%Si、Al−45重量%Si、Al−49重量%
Siを各々用意した。なお、Al−54重量%Siの溶
湯は、エアアトマイズ時にノズル詰まりを生じ噴霧が不
可能であった。
【0070】ミリスチン酸のアセトン溶液を金型に塗布
し、成形圧力2〜2.5t/cm2で各粉末を圧縮成形
し、真密度比約70%のφ20×30mmのタブレット
試験片を作製した。成形体を窒素分圧0.99atm以
上、水蒸気分圧0.005atm以下の常圧雰囲気中で
520℃にて2時間窒化処理した。このようにして得ら
れた各窒化処理体を500℃に加熱した後、実施例1と
同様に、金型温度を350℃にしたφ22mmの鍛造金
型に挿入した。この後、鍛造金型を用いて面圧6t/c
2 で窒化処理体を固化し、真密度比98〜100%の
鍛造体を作成した。この鍛造体の密度、熱膨張率および
熱伝導率を以下の表に示す。
【0071】
【表1】
【0072】主に表の結果より、Al−38重量%Si
粉末を用いて作製した窒化処理体の熱膨張率が10×1
-6/℃を越えていることがわかる。またAl−54重
量%Siの溶湯では噴霧が不可能であった。このため所
望の窒素含有量を有する窒化処理体を得るためには、A
l合金溶湯にSiが40重量%以上50重量%以下の範
囲で含有されていることが必要であることがわかる。
【0073】実施例3 Alに対して48重量%のSiと以下の表に示す添加元
素とを加えた組成に配合したAl−Si合金溶湯をエア
アトマイズ法により粉末化した。この粉末を最大粒径が
74μm以下となるように篩粉した。
【0074】ミリスチン酸のアセトン溶液を金型に塗布
し、成形圧力2〜2.5t/cm2で各粉末を圧縮成形
し、真密度比約70%のφ20×30mmのタブレット
試験片を作製した。成形体を窒素分圧0.99atm以
上、水蒸気分圧0.005atm以下の常圧雰囲気中で
520℃にて1時間窒化処理した。このようにして得ら
れた各窒化処理体を500℃に加熱した後、実施例1と
同様に、金型温度を350℃にしたφ22mmの鍛造金
型に挿入した。
【0075】この後、鍛造金型を用いて面圧6t/cm
2 で窒化処理体を固化し、真密度比98〜100%の鍛
造体を作製した。この鍛造体の密度、熱膨張率および熱
伝導率を以下の表に示す。
【0076】
【表2】
【0077】上記の表の結果より、元素の添加を行なっ
ても窒化が同等以上に進行することが理解できる。中で
も、Li、Mg、Fe、Ni、Cuの添加やそれらの組
合わせにより窒化量が大きく増加し、窒化速度が促進さ
れていることがわかる。
【0078】なお表中の添加元素横の( )内の数値は
急冷凝固粉末中における各添加元素の重量%を示してい
る。
【0079】添加元素の総重量%が20重量%以下であ
れば、上記特性を満足していることがわかる。これに対
して、添加元素の総和が20重量%を越えた場合には、
密度が3.0g/cm3 を越えてしまい、上記特性を満
たさなくなることがわかる。
【0080】実施例4 実施例3で作製した粉末のうち最も窒化量の多いAl−
48重量%Si−2重量%Fe−2重量%Ni−1重量
%Mgを最大粒径74μm以下に篩粉し、平均粒径32
μmの合金粉末を得た。この粉末を成形圧力2t/cm
2 で圧縮成形し、真密度比66%、寸法10×10×1
5mmの成形体を作成した。窒素分圧0.99atm以
上、水蒸気分圧0.005atm以下の常圧雰囲気中に
おいて、430℃、450℃、470℃、501℃、5
21℃、548℃、562℃、575℃にて1、2、4
および8時間の窒化処理を成形体に実施した。窒化処理
体中の窒素含有量に及ぼす処理温度と処理時間の影響を
図10に示す。
【0081】図10を参照して、460℃において2時
間を越えて窒化処理を実施した場合、窒化処理体中の窒
素含有量が4重量%を越えてしまう。また、窒化処理温
度が570℃を越えると、窒化処理中に成形体が軟化変
形してしまった。この実験結果より、窒化処理体中の窒
素含有量を所望の値にするためには、460℃以上57
0℃以下の窒化処理温度で2時間以下の処理時間にする
必要があることが判明した。
【0082】実施例5 実施例4と同様にAl−48重量%Si−2重量%Fe
−2重量%Ni−1重量%Mgの粉末を最大粒径74μ
m以下に篩粉し、平均粒径32μmの合金粉末を得た。
この粉末を成形圧力2t/cm2 で圧縮成形し、真密度
比67%、寸法φ98×50mmの成形体を作製した。
窒素分圧0.99atm以上で水蒸気分圧0.005a
tm以下の常圧雰囲気中において、520℃において1
時間窒化処理を実施して窒素含有量3.8重量%の窒化
処理体を得た。なおこの窒素含有量を窒化処理体中にお
けるAlN量に換算すると11.1重量%であった。
【0083】一方、上記の平均粒径が32μmであるA
l−48重量%Si−2重量%Fe−2重量%Ni−1
重量%Mgに市販の平均粒径0.8μmのAlN粉末を
11.1重量%混合した。この後、ミリスチン酸のアセ
トン溶液を金型に塗布し、成形圧力2.2t/cm2
各粉末を圧縮成形し、真密度比約67%、寸法φ98×
50mmのタブレット試験片を作製した。
【0084】上記の窒化処理体とAlN粉末混合成形体
を500℃に加熱した後、それぞれ金型温度を350℃
にしたφ100mmの鍛造金型に挿入した。この後、鍛
造金型を用いて面圧6t/cm2 で窒化処理体を固化し
た。これらの鍛造体の密度、熱伝導率、熱膨張率を以下
の表に示す。
【0085】
【表3】
【0086】上記の表より、粉末のAlNを添加した鍛
造体では、熱間成形性が窒化処理体と比較して劣り、密
度が同一組成に関わらず低下している。その結果、粉末
のAlNを添加した鍛造体では、窒化処理体に比較して
熱伝導率が低下している。
【0087】さらに、それぞれの鍛造体について切削加
工を実施した。窒化処理体では、目的の形状になるまで
切削加工が可能であった。これに対して、粉末AlNを
添加した鍛造体では、AlNの脱落による欠けが発生
し、切削加工は困難であった。以上の結果より、明らか
に本発明の鍛造体の方が粉末AlNを添加した鍛造体に
比較して被削性に優れていることがわかる。これは、本
発明の鍛造体ではAlNを反応により生成させたため、
粒子が非常に微細かつ均一に分散しているからと考えら
れる。
【0088】またこの組成における窒化処理体では、工
具摩耗量が少ないことが明らかとなった。これは、Si
粒の移動を妨げるFe、Niの添加に加え、Mgの添加
により窒化処理時間が短くなり、それによりSiの粒成
長が抑制されたためと理解できる。
【0089】さらにこの鍛造体を□30×20×5mm
に切断し、850℃において10分間加熱した。粉末A
lNを添加した鍛造体では、この熱処理により膨張およ
び割れが生じ、上記の形状を全く維持することができな
かった。これに対して、窒化処理体では、この熱処理に
よっても全く変形は発生しなかった。これは、窒化処理
体においては低融点のAlを皮膜するようにAlNが生
成するため耐熱性が向上したものと考えられる。
【0090】実施例6 本発明の窒素化合Al−Si合金を、IC(Integrated
Circuit)パッケージに用いた場合について説明する。
【0091】ここで用いた窒素化合Al−Si合金は、
実施例5と同様に準備されたものである。
【0092】すなわちSiを48重量%、Feを2重量
%、Niを2重量%、Mgを1重量%含有するAl−S
i合金溶湯をエアアトマイズ法により粉末化した。この
粉末を最大粒径が74μm以下となるように篩粉した。
このようにして平均粒径が32μmであるAl−48重
量%Si−2重量%Fe−2重量%Ni−1重量%Mg
を用意した。
【0093】その後、ミリスチン酸のアセトン溶液を金
型に塗布し、成形圧力2.5t/cm2 で各粉末を圧縮
成形し、真密度比約70%、寸法φ98×100mmの
タブレット試験片を作製した。成形体を窒素分圧0.9
9atm以上、水蒸気分圧0.005atm以下の常圧
雰囲気中で520℃にて1時間窒化処理した。この窒化
処理体の窒素含有量を測定したところ3.7重量%であ
り、窒化処理体中におけるAlN量に換算すると10.
8重量%であった。
【0094】この窒化処理体を500℃に加熱した後、
金型温度を350℃にしたφ100mmの鍛造金型に挿
入した。この後、鍛造金型を用いて面圧6t/cm2
窒化処理体を固化し、真密度比98〜100%の鍛造体
を作製した。
【0095】この鍛造体の特性値は密度2.62g/c
3 、熱膨張率8.7×10-6/℃、熱伝導率0.35
cal/cm・sec・℃であった。この鍛造体を所要
の形状に切削加工した。
【0096】図11と図12とは、本発明の窒素化合A
l−Si合金をICパッケージに用いた場合の構成を概
略的に示す断面図である。
【0097】先ず図11を参照して、ICパッケージ
は、基板51と、ハンダ52と、半導体チップ53と、
外囲板54と、引出端子55と、ボンディングワイヤ5
6とを有している。アルミナなどのセラミックスからな
る外囲板54の上面に基板51が装着されている。基板
51は、上述の方法により加工された鍛造体に、陽極酸
化処理が施されたものである。この基板51の図中下側
には、半導体チップ53がハンダ52を介在して接合さ
れている。この半導体チップ53のパッド部(図示せ
ず)にはボンディングワイヤ56の一方端が接続されて
おり、ボンディングワイヤ56の他方端は、外囲板54
上に形成された端子(図示せず)に接続されている。こ
の端子が、コバールワイヤよりなる引出端子55に電気
的に接続されている。
【0098】次に、図12を参照して、このICパッケ
ージは、図11に示すものと比較して、特に基板61、
67が異なる。つまり外囲板64の上面に装着される基
板61は、冷却を促すためのフィン形状を有しており、
また上述の方法により加工された鍛造体よりなってい
る。この基板61には、Niメッキが施されている。ま
たこの基板61と半導体チップ63(ハンダ62)との
間に位置する基板67は、たとえば銅(Cu)−タング
ステン(W)合金材よりなっている。基板61と基板6
7との接合において、これまでAlを含有した合金材で
は不可能であったロウ付け(作業温度800℃)を用い
た。なお、これ以外のボンディングワイヤ66,引出し
端子65などの構成については図12のICパッケージ
とほぼ同様であるためその説明は省略する。
【0099】図11と図12とに示すように本実施例で
基板51、61に用いられる材料は、半導体チップ63
の主材料であるシリコンや外囲板54、64の材料であ
るアルミナ(Al23 )との熱膨張係数の差が小さ
い。このため、ICの実装工程において熱応力に基づく
歪みが生じ難い。また基板51、61は熱放散性が良好
であるため、このICパッケージは寿命が長く、かつ信
頼性に優れている。
【0100】実際に、この半導体素子に対して200℃
の温度で15分間の耐熱試験、および−60℃〜150
℃の温度範囲での100サイクルのヒートサイクル試験
を行なったが、異常動作は全く発生しないことが確認さ
れた。
【0101】なお、多数の冷却用のフィンを持つ図12
に示す基板61は、2.5t/cm2 で圧縮成形を行な
った後、窒素分圧0.99atm以上、水蒸気分圧0.
005atm以下の常圧雰囲気中で520℃の温度にて
1時間窒化処理を施した窒化処理体を、アルミニウムか
らなる容器に充填し、450℃の温度で熱間押出しによ
っても製造することが可能であった。
【0102】
【発明の効果】以上より、窒素を1重量%以上4重量%
以下含有し、残部が実質的にAlとSiと不可避な成分
とからなる窒素化合Al−Si粉末合金が、密度3.0
g/cm3 以下、熱膨張率5×10-6〜10×10-6
℃、熱伝導率0.2cal/cm・sec・℃以上の特
性を満足し、かつ機械加工性に優れることが判明した。
この窒素化合Al−Si粉末合金を用いることにより、
軽量で熱膨張率が低く、かつ熱伝導率の高い、たとえば
ヒートシンクや半導体装置用基板や放熱基板やハウジン
グなどに適した材料を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に基づく製造工程を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の実施例1で得られた窒化処理体中の窒
素量に及ぼす粒度および成形密度の影響を示す図であ
る。
【図3】本発明の実施例1で得られた鍛造体の熱膨張率
に及ぼす窒素含有量の影響を示す図である。
【図4】本発明の実施例1で得られた鍛造体の熱伝導率
に及ぼす窒素含有量の影響を示す図である。
【図5】本発明の実施例1で得られた鍛造体の密度に及
ぼす窒素含有量の影響を示す図である。
【図6】本発明の実施例1で得られた鍛造体の硬度およ
び引っ張り試験により測定された伸びに及ぼす窒素含有
量の影響を示す図である。
【図7】本発明の実施例1で得られた鍛造体の切削試験
でのフランク摩耗量に及ぼす窒素含有量の影響を示す図
である。
【図8】本発明の実施例1で得られたAl−48重量%
Si粉末成形体の鍛造体中に観察できる顕微鏡組織写真
である。
【図9】本発明の実施例1で得られたAl−48重量%
Si粉末成形体の鍛造体のX線回析像を示す図である。
【図10】本発明の実施例4で得られた窒化処理体中の
窒素含有量に及ぼす処理温度と処理時間との影響を示す
図である。
【図11】本発明による材料を用いた半導体装置用基板
が組込まれたICパッケージの一例を示す断面図であ
る。
【図12】本発明による材料を用いた半導体装置用基板
が組込まれたICパッケージの一例を示す断面図であ
る。
【図13】各種材料の熱伝導率と熱膨張率との関係を示
す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素を1重量%以上4重量%以下含有
    し、残部が実質的にアルミニウムとシリコンと不可避な
    成分とからなることを特徴とする、窒素化合アルミニウ
    ム−シリコン粉末合金。
  2. 【請求項2】 窒素化合物を有し、前記窒素化合物の9
    0重量%以上がAlNよりなることを特徴とする、請求
    項1に記載の窒素化合アルミニウム−シリコン粉末合
    金。
  3. 【請求項3】 Li、Mg、Ti、V、Cr、Mn、F
    e、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Wよ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種の添加元素を有
    し、前記添加元素が19.8重量%以下含有されている
    ことを特徴とする、請求項1および2のいずれかに記載
    の窒素化合アルミニウム−シリコン粉末合金。
  4. 【請求項4】 シリコンを含有するアルミニウム合金溶
    湯を凝固して急冷凝固アルミニウム合金粉末を形成する
    工程と、 前記急冷凝固アルミニウム合金粉末を圧縮成形して成形
    体を得る工程と、 前記成形体を窒素を含む雰囲気下で460℃以上570
    ℃以下の温度範囲で2時間以下焼結する工程とを備え
    た、窒素化合アルミニウム−シリコン粉末合金の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウム合金溶湯は、前記シリ
    コンを40重量%以上50重量%以下含有するように準
    備される、請求項4に記載の窒素化合アルミニウム−シ
    リコン粉末合金の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム合金溶湯は、Li、M
    g、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
    Zn、Zr、Nb、Mo、Wよりなる群から選ばれる少
    なくとも1種の添加元素を20重量%以下含有するよう
    に準備される、請求項4および5のいずれかに記載の窒
    素化合アルミニウム−シリコン粉末合金の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記急冷凝固アルミニウム合金粉末を形
    成する工程は、前記アルミニウム合金溶湯を102 ℃/
    sec以上の凝固速度で凝固させる工程を含む、請求項
    4、5および6のいずれかに記載の窒素化合アルミニウ
    ム−シリコン粉末合金の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼結する工程は、前記成形体を窒素
    分圧0.95atm以上の常圧雰囲気下で焼結する工程
    を含む、請求項4、5、6および7のいずれかに記載の
    窒素化合アルミニウム−シリコン粉末合金の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記常圧雰囲気は、水蒸気分圧0.01
    atm以下である、請求項8に記載の窒素化合アルミニ
    ウム−シリコン粉末合金の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記焼結の工程により得られた焼結体
    を、400℃以上に加熱して、金型温度150℃以上の
    鍛造金型により、鍛造圧力4t/cm2 以上で真密度比
    98%以上となるように成形固化して鍛造体を得る工程
    をさらに備える、請求項4に記載の窒素化合アルミニウ
    ム−シリコン粉末合金の製造方法。
JP25876594A 1994-09-27 1994-09-27 窒素化合アルミニウム−シリコン粉末合金およびその製造方法 Withdrawn JPH0892683A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997003775A1 (en) * 1995-07-19 1997-02-06 Osprey Metals Limited Silicon alloys for electronic packaging
CN109317685A (zh) * 2018-10-11 2019-02-12 江苏豪然喷射成形合金有限公司 一种利用AlSi50合金粉末制备锭坯的制备方法

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WO1997003775A1 (en) * 1995-07-19 1997-02-06 Osprey Metals Limited Silicon alloys for electronic packaging
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